JP3942460B2 - Ito膜用易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

Ito膜用易接着性ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ITO膜用易接着性ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、特定の組成物からなる易接着性塗膜を形成したITO膜用易接着性ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの二軸延伸フィルムは、優れた機械的性質、耐熱性、耐薬品性を有するため、磁気テープ、強磁性薄膜テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電気絶縁フィルム、金属板ラミネート用フィルム、ガラスディスプレイなどの表面に貼るフィルム、各種部材の保護用フィルム等の素材として広く用いられている。
【0003】
近年、液晶表示装置の部材等に各種光学用フィルムが多く用いられている。CRT、LCD、有機EL、PDP等のディスプレイ用フィルムの需要が伸びている。これらにはフィルム状の電極やフィルム上に形成された回路が必要であり、近年、ITO膜が使用されている。例えばタッチパネル用のITO膜は指等で何回も変位が加えられるため、非常に高い密着性がベースフィルムには要求される。更にタッチパネルの使用される環境が自動車の中などで劣悪であり、耐湿、耐熱性もベースフィルムに要求される。ITO膜を用いた回路の形成はエッチングよる方法が多くの場合用いられ、ベースフィルムにはエッチングにも耐え得る密着性が要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
二軸配向ポリエステルフィルムの表面にポリエステル樹脂やアクリル樹脂やウレタン樹脂等を用いた易接着層を設けることが提案されている。しかし、これら樹脂からなる易接着層を形成したものでは、接着力不足の場合や耐エッチング性が不十分な場合がある。他方、ITO膜用基材フィルムは、透明性が要求されるため、通常内添フィラーを少なくする必要がある。しかし、フィラーを少なくするとフィルム同士が滑らずハンドリング性が悪化し、滑りにくいために製膜や加工工程で表面に傷が入り易くなる問題等がある。
【0005】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、ITO膜との接着力に優れ、しかも透明性、易滑性に優れるITO膜用易接着性ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリエステルフィルムに、水溶性のポリエステル樹脂およびアクリル樹脂ならびに特定の粒径を有する粒子を含有する易接着性塗膜を形成すれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層が設けられ、該塗布層は水溶性ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)および平均粒径20nm〜200nmの粒子(C)を含有することを特徴とするITO膜用易接着性ポリエステルフィルムである。
【0008】
本発明は好ましい態様として、
(項2)アクリル樹脂(B)が水酸基含有モノマーを2〜20モル%含有する態様、
(項3)ポリエステルフィルムのポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートである態様、
(項4)ポリエステルフィルムの150℃におけるフィルム長手方向の熱収縮率が0%〜0.5%である態様
を包含する。
【0009】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
[ポリエステルフィルム]
本発明においてポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを例示することができる。
【0011】
ポリエステルフィルムに用いられるポリエステルは、これらの上記ポリエステルの共重合体であってもよく、上記ポリエステルを主体(例えば80モル%以上の成分)とし、少割合(例えば20モル%以下)の他の種類の樹脂とブレンドしたものであってもよい。ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので特に好ましい。
【0012】
ポリエステルにはフィラーを含有させるてもよい。フィラーとしては、従来からポリエステルフィルムの滑り性付与剤として知られているものを用いることができ、例えば炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、カーボンブラック、炭化珪素、酸化錫、架橋アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子を挙げることができる。
【0013】
ポリエステルは、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒を含有することもできる。
【0014】
ポリエステルフィルムは、例えば上記のポリエステルをフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃で長手方向に1回もしくは2回以上合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、その後Tg〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜5倍になるように延伸し、必要に応じて更に180〜230℃で1〜60秒間熱処理を行い、熱処理温度より10〜20℃低い温度で幅方向に0〜20%収縮させながら再熱処理を行うことにより得ることができる。なお、ガラス転移温度をTgと略記する。
【0015】
ポリエステルフィルムの長手方向の150℃における熱収縮率は0〜0.5%であることが好ましく、更には0〜0.3%であることが好ましい。フィルムの長手方向の150℃における熱収縮率が0.5%を超えるとITO膜形成工程において受ける熱によりフィルムの寸法変化が生じ、ITO膜との接着力が低下する場合があり好ましくない。
【0016】
なお、ポリエステルフィルムの長手方向の熱収縮率の調整は例えば次の方法を用い行うことができる。特開平57−57628号公報に示されるような、熱処理工程で縦方向に収縮せしめる方法や、特開平1−275031号公報に示されるような、フィルムを懸垂状態で弛緩熱処理する方法を適用して得ることができる。
【0017】
本発明に使用するポリエステルフィルムの厚みは好ましくは10〜300μm、更に好ましくは20〜250μmである。ITO膜の使用されるタッチパネルやフィルム状の回路等の支持体として使用するうえで強度を得るために上記の厚みが必要である。
【0018】
[塗布層]
本発明では、上記ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層が設けられ、該塗布層は水溶性ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)および平均粒径20nm〜200nmの粒子(C)を含有する。
【0019】
[水溶性ポリエステル樹脂(A)]
水溶性ポリエステル樹脂(A)は、ポリエステルに水溶性のモノマーを共重合することにより水溶性にしたポリエステルを用いることができる。水に不溶性であると塗布の斑が見えやすく、ITO膜を積層した際の外観が劣ることになる。
【0020】
水溶性ポリエステル樹脂(A)に共重合する水溶性のモノマーとしては、例えば5−ナトリウムスルホイソフタル酸を用いることができ、この場合8モル%以上ポリエステルに共重合すれば水溶性のポリエステルを得ることができる。
【0021】
水溶性のポリエステルを得るために水溶性モノマーを共重合するポリエステルとしては、下記の多塩基酸成分とジオール成分から得られるポリエステルを用いることができる。すなわち、多価塩基成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を例示することができる。高分子バインダーを構成するポリエステル樹脂としては、2種以上のジカルボン酸成分を用いた共重合ポリエステルを用いることが好ましい。ポリエステル樹脂(A)には、若干量であればマレイン酸、イタコン酸等の不飽和多塩基酸成分が、或いはp−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸成分が含まれていてもよい。
【0022】
ジオール成分としては、エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン等や、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを例示することができる。
【0023】
[アクリル樹脂(B)]
アクリル樹脂(B)はアクリルモノマーからなるポリマーである。アクリルモノマーとしては、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2ーエチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2ーヒドロキシエチルアクリレート、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、2ーヒドロキシプロピルアクリレート、2ーヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルに例示されるエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩)に例示されるカルボキシ基またはその塩を含有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N、N−ジアルキルアクリルアミド、N、N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基)、Nーアルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N、N−ジアルコキシアクリルアミド、N、N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸に例示される酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、αーメチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエンに例示されるモノマーが挙げられる。
【0024】
アクリル樹脂(B)としては、水酸基を含むモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、2ーヒドロキシプロピルアクリレート、2ーヒドロキシプロピルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドを2〜20モル%以上、更には4〜15モル%を含むものが好ましい。水酸基を含むモノマーの含有量が2モル%未満であるとITO膜との接着性に劣ることがあり、20モル%を超えると、副反応により均一な塗膜が形成されず、ITO膜形成が困難になることがあり好ましくない。
【0025】
[粒子(C)]
粒子(C)は、不活性の粒子であり、有機系粒子および無機系粒子のいずれも使用することができ、両者を併用してもよい。
【0026】
無機系粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイ酸ソーダ、水酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、二硫化モリブデンの粒子を例示することができる。
【0027】
有機系粒子としては、アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレンワックスの粒子を例示することができる。
【0028】
粒子(C)の平均粒径は20nm〜200nmであることが必要である。平均粒径が20nm未満であると十分な滑り性が付与できず、加工工程などで傷が入りやすくなる。平均粒径が200nmを越えると可視光を散乱しやすくなり透明性が低下する。
【0029】
[配合割合]
塗布層における、水溶性ポリエステル樹脂(A)、アクリル粒子(B)および粒子(C)の重量割合での好ましい配合割合は次のとおりである。
水溶性ポリエステル樹脂(A):アクリル樹脂(B)=20:80〜80:20(水溶性ポリエステル樹脂(A)+アクリル樹脂(B)):粒子(C)=80:20〜99:1
[製造方法]
本発明において塗布層の塗設に用いられる上記組成物は、塗布層(以下『塗膜』ということがある)を形成させるために、水溶液、水分散液或いは乳化液等の水性塗液の形態で使用されることが好ましい。塗膜を形成するために、必要に応じて、前記組成物以外の他の樹脂、例えば帯電防止剤、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、架橋剤等を添加することができる。
【0030】
また必要に応じて、エポキシ基含有化合物、オキサゾリン基含有化合物、メラミン、イソシアネート、カップリング剤を一種または二種以上を用いることができる。
【0031】
本発明に用いる水性塗液の固形分濃度は、通常20重量%以下であるが、特に1〜10重量%であることが好ましい。この割合が1重量%未満であると、ポリエステルフィルムへの塗れ性が不足することがあり、一方、20重量%を超えると塗液の安定性や塗布層の外観が悪化することがあり好ましくない。
【0032】
水性塗液のポリエステルフィルムへの塗布は、任意の段階で実施することができるが、ポリエステルフィルムの製造過程で実施するのが好ましく、更には配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布するのが好ましい。
【0033】
ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配向フィルム、更には縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を含むものである。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
【0034】
水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好ましい。かかる界面活性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗液の濡れを促進機能や塗液の安定性を向上させるものであり、例えば、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗膜を形成する組成物中に、1〜10重量%含まれていることが好ましい。
【0035】
塗液の塗布量は、塗膜の厚さが0.005〜0.3μm、好ましくは0.01〜0.25μmの範囲となるような量であるのが好ましい。塗膜の厚さが薄過ぎると、接着力が不足し、逆に厚過ぎると、ブロッキングを起こしたり、ヘーズ値が高くなったりする可能性があり好ましくない。
【0036】
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単独または組合せて用いることができる。なお、塗膜は必要に応じフィルムの片面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
各種物性は下記の方法により評価した。
【0038】
(1)ヘーズ値
日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH―20)を使用してフィルムのヘーズ値を測定した。なお、フィルムのヘーズを下記の基準で評価した。
◎: ヘーズ値≦2.0% ……フィルムのヘーズ極めて良好
○:2.0%<ヘーズ値≦4.0% ……フィルムのヘーズ良好
×:4.0%<ヘーズ値 ……フィルムのヘーズ不良
【0039】
(2)熱収縮率
フィルムサンプル標線間を200mmにとり、フイルムを10mmに切断し、フィルムサンプルを長さ方向に吊るし、1gの荷重を長さ方向に加えて、150℃の熱風を用い30分間加熱した後、標線間の長さを測定し、フイルムの収縮量を原寸法に対する割合として百分率で表した。
【0040】
(3)塗布外観
フィルムの塗膜の外観を観察し下記に示す基準で評価した。
○:塗膜が均一な外観を呈する。・・・・塗膜外観が非常に良好
△:わずかに塗膜に不均一性が認められる。・・・塗膜外観が良好
×:塗膜の不均一性が強く認められる・・・塗膜外観不良
【0041】
(4)ITO膜接着性
・接着性
易接着性塗布層表面に蒸着によりITO膜を50nm積層させ、碁盤目のクロスカット(1mm2のマス目を100個)をし、その上に24mm幅のセロハンテープ(ニチバン社製)を貼り付け、180°の剥離角度で急激に剥がした後の剥離状態を観察した(初期接着性)。次に3%水酸化ナトリウム水溶液中に50℃、1分の環境に浸漬し、先程同様に碁盤目のクロスカット(1mm2のマス目を100個)をし、その上に24mm幅のセロハンテープ(ニチバン社製)を貼り付け、180°の剥離角度で急激に剥がした後の剥離状態を観察した(エッチング後接着性)。それぞれ下記の基準で評価した。
5:剥離面積が0% ……接着力極めて良好
4:剥離面積が0%を超え10%以下 ……接着力良好
3:剥離面積が10%を超え20%以下 ……接着力やや良好
2:剥離面積が20%を超え30%以下 ……接着力不良
1:剥離面積が30%を超えるもの ……接着力極めて不良
【0042】
・耐擦過性
易接着性塗布層表面に蒸着によりITO膜を50nm積層させたITO膜表面をガーゼで幅2cm、荷重500gで100回往復させ、擦過状態を目視で観察し、擦過傷の数を下記基準で評価した。
5:擦過傷個数が0個 ……耐擦過性極めて良好
4:擦過傷個数が0個を超え2個以下 ……耐擦過性良好
3:擦過傷個数が2個を超え5個以下 ……耐擦過性やや良好
2:擦過傷個数が5個を超え10個以下 ……耐擦過性不良
1:擦過傷個数が10個を超えるもの ……耐擦過性極めて不良
【0043】
(5)耐ブロッキング性
2枚のフィルムを、塗膜形成面と非形成面が接するように重ね合せ、これに、60℃、80%RHの雰囲気下で17時間にわたって0.6kg/cm2の圧力をかけ、その後、剥離して、その剥離力により耐ブロッキング性を下記の基準で評価した。
◎:剥離力<98mN/5cm……耐ブロッキング性極めて良好
○:98mN/5cm≦剥離力<147mN/5cm……耐ブロッキング性良好
△:147mN/5cm≦剥離力<196mN/5cm……耐ブロッキング性やや良好
×:196mN/5cm≦剥離力……耐ブロッキング性不良
【0044】
[実施例1〜2、比較例1〜6]
溶融ポリエチレンテレフタレート([η]=0.61)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に3.6倍に延伸した後、その片面に表1記載の塗膜用組成物の濃度4%の水性塗液をロールコーターで均一に塗布した。
【0045】
次いで、この塗布フィルムを引き続いて95℃で乾燥し、横方向に120℃で3.8倍に延伸し、220℃で幅方向に3%収縮させ熱固定し、ロール状に巻き取った。その後フィルムを懸垂状態で、弛緩率0.5%、温度160℃で熱弛緩させ、厚さ125μmの易接着性フィルムを得た。なお、フィルム長手方向の150℃熱収縮率は0.2%、塗膜の厚さは0.04μmであった。
【0046】
【表1】
Figure 0003942460
【0047】
<ポリエステル樹脂>
A1:酸成分がテレフタル酸70モル%/イソフタル酸20モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸10モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている水溶性ポリエステル樹脂
A2:酸成分がテレフタル酸80モル%/イソフタル酸16モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸4モル%、グリコール成分がエチレングリコール95モル%/ジエチレングリコール5モル%で構成されている水不溶性ポリエステル樹脂
A3:酸成分がテレフタル酸85モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸15モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている水溶性ポリエステル樹脂
【0048】
<アクリル樹脂>
B1:メチルメタクリレート70モル%/エチルアクリレート25モル%/N−メチロールアクリルアミド5モル%で構成されているアクリル樹脂
B2:メチルメタクリレート70モル%/エチルアクリレート22モル%/N−メチロールアクリルアミド5モル%/2−ヒドロキシエチルメタクリレート3モル%で構成されているアクリル樹脂
【0049】
<粒子>
C1:平均粒径40nmのシリカ粒子
C2:平均粒径100nmの架橋アクリル粒子
C3:平均粒径15nmの架橋アクリル粒子
C4:平均粒径300nmの架橋アクリル粒子
【0050】
<濡れ剤>
D1:ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル
【0051】
[実施例3]
溶融ポリエチレン−2,6−ナフタレート([η]=0.63)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に3.5倍に延伸した後、その片面に塗膜用組成物(表1の塗液1)の濃度4%の水性塗液をロールコーターで均一に塗布した。次いで、この塗布フィルムを引き続いて105℃で乾燥し、横方向に140℃で3.7倍に延伸し、230℃で幅方向に3%収縮させ熱固定し、ロール状に巻き取った。その後フィルムを懸垂状態で、弛緩率0.5%、温度190℃で熱弛緩させ、厚さ188μmの易接着性フィルムを得た。なお、フィルム長手方向の150℃熱収縮率は0.1%、塗膜の厚さは0.06μmであった。
【0052】
[比較例7]
塗液を塗工しない以外は実施例1と同様に製膜した。
【0053】
【表2】
Figure 0003942460
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、ITO膜との接着力に優れ、しかも透明性、易滑性に優れるITO膜用易接着性ポリエステルフィルムを提供することができる。また、本発明のフィルムはITO膜が使用されるタッチパネル、液晶、EL等のベースフィルムに有用である。

Claims (3)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層が設けられ、該塗布層は水溶性ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)および平均粒径20nm〜200nmの粒子(C)を含有するITO膜用易接着性ポリエステルフィルムであって、アクリル樹脂(B)が水酸基含有モノマーとしてN−メチロールアクリルアミドおよび/または2−ヒドロキシエチルメタクリレートを2〜20モル%含有することを特徴とするITO膜用易接着性ポリエステルフィルム。
  2. ポリエステルフィルムのポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートである、請求項1に記載のITO膜用易接着性ポリエステルフィルム。
  3. ポリエステルフィルムの150℃におけるフィルム長手方向の熱収縮率が0%〜0.5%である、請求項1または2のいずれかに記載のITO膜用易接着性ポリエステルフィルム。
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