JP2003251776A - Ito膜用易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

Ito膜用易接着性ポリエステルフィルム

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JP2003251776A JP2002057019A JP2002057019A JP2003251776A JP 2003251776 A JP2003251776 A JP 2003251776A JP 2002057019 A JP2002057019 A JP 2002057019A JP 2002057019 A JP2002057019 A JP 2002057019A JP 2003251776 A JP2003251776 A JP 2003251776A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ITO膜との接着力に優れ、しかも透明性、
易滑性に優れるITO膜用易接着性ポリエステルフィル
ムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に塗布層が設けられ、該塗布層は水溶性ポリエステル樹
脂(A)、アクリル樹脂(B)および平均粒径20nm
〜200nmの粒子(C)を含有することを特徴とする
ITO膜用易接着性ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ITO膜用易接着
性ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは、ポリエ
ステルフィルムの少なくとも片面に、特定の組成物から
なる易接着性塗膜を形成したITO膜用易接着性ポリエ
ステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルム、特にポリエチレ
ンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの二軸延
伸フィルムは、優れた機械的性質、耐熱性、耐薬品性を
有するため、磁気テープ、強磁性薄膜テープ、写真フィ
ルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電気絶縁
フィルム、金属板ラミネート用フィルム、ガラスディス
プレイなどの表面に貼るフィルム、各種部材の保護用フ
ィルム等の素材として広く用いられている。
【0003】近年、液晶表示装置の部材等に各種光学用
フィルムが多く用いられている。CRT、LCD、有機
EL、PDP等のディスプレイ用フィルムの需要が伸び
ている。これらにはフィルム状の電極やフィルム上に形
成された回路が必要であり、近年、ITO膜が使用され
ている。例えばタッチパネル用のITO膜は指等で何回
も変位が加えられるため、非常に高い密着性がベースフ
ィルムには要求される。更にタッチパネルの使用される
環境が自動車の中などで劣悪であり、耐湿、耐熱性もベ
ースフィルムに要求される。ITO膜を用いた回路の形
成はエッチングよる方法が多くの場合用いられ、ベース
フィルムにはエッチングにも耐え得る密着性が要求され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】二軸配向ポリエステル
フィルムの表面にポリエステル樹脂やアクリル樹脂やウ
レタン樹脂等を用いた易接着層を設けることが提案され
ている。しかし、これら樹脂からなる易接着層を形成し
たものでは、接着力不足の場合や耐エッチング性が不十
分な場合がある。他方、ITO膜用基材フィルムは、透
明性が要求されるため、通常内添フィラーを少なくする
必要がある。しかし、フィラーを少なくするとフィルム
同士が滑らずハンドリング性が悪化し、滑りにくいため
に製膜や加工工程で表面に傷が入り易くなる問題等があ
る。
【0005】本発明は、かかる従来技術の問題点を解消
し、ITO膜との接着力に優れ、しかも透明性、易滑性
に優れるITO膜用易接着性ポリエステルフィルムを提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリエステルフィ
ルムに、水溶性のポリエステル樹脂およびアクリル樹脂
ならびに特定の粒径を有する粒子を含有する易接着性塗
膜を形成すれば、上記課題を解決できることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、ポリエステルフィル
ムの少なくとも片面に塗布層が設けられ、該塗布層は水
溶性ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)およ
び平均粒径20nm〜200nmの粒子(C)を含有す
ることを特徴とするITO膜用易接着性ポリエステルフ
ィルムである。
【0008】本発明は好ましい態様として、(項2)ア
クリル樹脂(B)が水酸基含有モノマーを2〜20モル
%含有する態様、(項3)ポリエステルフィルムのポリ
エステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチ
レン−2,6−ナフタレートである態様、(項4)ポリ
エステルフィルムの150℃におけるフィルム長手方向
の熱収縮率が0%〜0.5%である態様を包含する。
【0009】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】[ポリエステルフィルム]本発明においてポ
リエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族
二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールま
たはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽
和ポリエステルである。かかるポリエステルの具体例と
して、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,
4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポ
リエチレン−2,6−ナフタレートを例示することがで
きる。
【0011】ポリエステルフィルムに用いられるポリエ
ステルは、これらの上記ポリエステルの共重合体であっ
てもよく、上記ポリエステルを主体(例えば80モル%
以上の成分)とし、少割合(例えば20モル%以下)の
他の種類の樹脂とブレンドしたものであってもよい。ポ
リエステルとしてポリエチレンテレフタレートまたはポ
リエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学
物性等のバランスが良いので特に好ましい。
【0012】ポリエステルにはフィラーを含有させるて
もよい。フィラーとしては、従来からポリエステルフィ
ルムの滑り性付与剤として知られているものを用いるこ
とができ、例えば炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸
化アルミニウム、カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、カー
ボンブラック、炭化珪素、酸化錫、架橋アクリル樹脂粒
子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架
橋シリコーン樹脂粒子を挙げることができる。
【0013】ポリエステルは、着色剤、帯電防止剤、酸
化防止剤、有機滑剤、触媒を含有することもできる。
【0014】ポリエステルフィルムは、例えば上記のポ
リエステルをフィルム状に溶融押出し、キャスティング
ドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延
伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃で長手方向に1回
もしくは2回以上合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延
伸し、その後Tg〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が
3〜5倍になるように延伸し、必要に応じて更に180
〜230℃で1〜60秒間熱処理を行い、熱処理温度よ
り10〜20℃低い温度で幅方向に0〜20%収縮させ
ながら再熱処理を行うことにより得ることができる。な
お、ガラス転移温度をTgと略記する。
【0015】ポリエステルフィルムの長手方向の150
℃における熱収縮率は0〜0.5%であることが好まし
く、更には0〜0.3%であることが好ましい。フィル
ムの長手方向の150℃における熱収縮率が0.5%を
超えるとITO膜形成工程において受ける熱によりフィ
ルムの寸法変化が生じ、ITO膜との接着力が低下する
場合があり好ましくない。
【0016】なお、ポリエステルフィルムの長手方向の
熱収縮率の調整は例えば次の方法を用い行うことができ
る。特開平57−57628号公報に示されるような、
熱処理工程で縦方向に収縮せしめる方法や、特開平1−
275031号公報に示されるような、フィルムを懸垂
状態で弛緩熱処理する方法を適用して得ることができ
る。
【0017】本発明に使用するポリエステルフィルムの
厚みは好ましくは10〜300μm、更に好ましくは2
0〜250μmである。ITO膜の使用されるタッチパ
ネルやフィルム状の回路等の支持体として使用するうえ
で強度を得るために上記の厚みが必要である。
【0018】[塗布層]本発明では、上記ポリエステルフ
ィルムの少なくとも片面に塗布層が設けられ、該塗布層
は水溶性ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)
および平均粒径20nm〜200nmの粒子(C)を含
有する。
【0019】[水溶性ポリエステル樹脂(A)]水溶性ポ
リエステル樹脂(A)は、ポリエステルに水溶性のモノ
マーを共重合することにより水溶性にしたポリエステル
を用いることができる。水に不溶性であると塗布の斑が
見えやすく、ITO膜を積層した際の外観が劣ることに
なる。
【0020】水溶性ポリエステル樹脂(A)に共重合す
る水溶性のモノマーとしては、例えば5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸を用いることができ、この場合8モル
%以上ポリエステルに共重合すれば水溶性のポリエステ
ルを得ることができる。
【0021】水溶性のポリエステルを得るために水溶性
モノマーを共重合するポリエステルとしては、下記の多
塩基酸成分とジオール成分から得られるポリエステルを
用いることができる。すなわち、多価塩基成分として
は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
無水フタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1、
4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸を例示することがで
きる。高分子バインダーを構成するポリエステル樹脂と
しては、2種以上のジカルボン酸成分を用いた共重合ポ
リエステルを用いることが好ましい。ポリエステル樹脂
(A)には、若干量であればマレイン酸、イタコン酸等
の不飽和多塩基酸成分が、或いはp−ヒドロキシ安息香
酸等の如きヒドロキシカルボン酸成分が含まれていても
よい。
【0022】ジオール成分としては、エチレングリコー
ル、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、
1、4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコ
ール、ジメチロールプロパン等や、ポリ(エチレンオキ
シド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グ
リコールを例示することができる。
【0023】[アクリル樹脂(B)]アクリル樹脂(B)
はアクリルモノマーからなるポリマーである。アクリル
モノマーとしては、アルキルアクリレート、アルキルメ
タクリレート(アルキル基としては、例えばメチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、イソブチル基、t−ブチル基、2ーエチルヘキシ
ル基、シクロヘキシル基等);2ーヒドロキシエチルア
クリレート、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、2
ーヒドロキシプロピルアクリレート、2ーヒドロキシプ
ロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ア
リルグリシジルエーテルに例示されるエポキシ基含有モ
ノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸
及びその塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモ
ニウム塩、第三級アミン塩)に例示されるカルボキシ基
またはその塩を含有するモノマー;アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−ア
ルキルメタクリルアミド、N、N−ジアルキルアクリル
アミド、N、N−ジアルキルメタクリレート(アルキル
基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル
基)、Nーアルコキシアクリルアミド、N−アルコキシ
メタクリルアミド、N、N−ジアルコキシアクリルアミ
ド、N、N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキ
シ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキ
シ基、イソブトキシ基)、アクリロイルモルホリン、N
−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリ
ルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニル
メタクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー;無
水マレイン酸、無水イタコン酸に例示される酸無水物の
モノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネー
ト、スチレン、αーメチルスチレン、ビニルメチルエー
テル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシ
ラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマ
ール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニ
リデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、ブタジエンに例示されるモノマーが挙げられる。
【0024】アクリル樹脂(B)としては、水酸基を含
むモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、2ーヒドロ
キシプロピルアクリレート、2ーヒドロキシプロピルメ
タクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メ
チロールメタクリルアミドを2〜20モル%以上、更に
は4〜15モル%を含むものが好ましい。水酸基を含む
モノマーの含有量が2モル%未満であるとITO膜との
接着性に劣ることがあり、20モル%を超えると、副反
応により均一な塗膜が形成されず、ITO膜形成が困難
になることがあり好ましくない。
【0025】[粒子(C)]粒子(C)は、不活性の粒子
であり、有機系粒子および無機系粒子のいずれも使用す
ることができ、両者を併用してもよい。
【0026】無機系粒子としては、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグ
ネシウム、酸化ケイ素、ケイ酸ソーダ、水酸化アルミニ
ウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、酸化
チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラッ
ク、二硫化モリブデンの粒子を例示することができる。
【0027】有機系粒子としては、アクリル系架橋重合
体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹
脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン
樹脂、ポリエチレンワックスの粒子を例示することがで
きる。
【0028】粒子(C)の平均粒径は20nm〜200
nmであることが必要である。平均粒径が20nm未満
であると十分な滑り性が付与できず、加工工程などで傷
が入りやすくなる。平均粒径が200nmを越えると可
視光を散乱しやすくなり透明性が低下する。
【0029】[配合割合]塗布層における、水溶性ポリエ
ステル樹脂(A)、アクリル粒子(B)および粒子
(C)の重量割合での好ましい配合割合は次のとおりで
ある。水溶性ポリエステル樹脂(A):アクリル樹脂
(B)=20:80〜80:20(水溶性ポリエステル
樹脂(A)+アクリル樹脂(B)):粒子(C)=8
0:20〜99:1[製造方法]本発明において塗布層の
塗設に用いられる上記組成物は、塗布層(以下『塗膜』
ということがある)を形成させるために、水溶液、水分
散液或いは乳化液等の水性塗液の形態で使用されること
が好ましい。塗膜を形成するために、必要に応じて、前
記組成物以外の他の樹脂、例えば帯電防止剤、着色剤、
界面活性剤、紫外線吸収剤、架橋剤等を添加することが
できる。
【0030】また必要に応じて、エポキシ基含有化合
物、オキサゾリン基含有化合物、メラミン、イソシアネ
ート、カップリング剤を一種または二種以上を用いるこ
とができる。
【0031】本発明に用いる水性塗液の固形分濃度は、
通常20重量%以下であるが、特に1〜10重量%であ
ることが好ましい。この割合が1重量%未満であると、
ポリエステルフィルムへの塗れ性が不足することがあ
り、一方、20重量%を超えると塗液の安定性や塗布層
の外観が悪化することがあり好ましくない。
【0032】水性塗液のポリエステルフィルムへの塗布
は、任意の段階で実施することができるが、ポリエステ
ルフィルムの製造過程で実施するのが好ましく、更には
配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布
するのが好ましい。
【0033】ここで、結晶配向が完了する前のポリエス
テルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを
縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配
向フィルム、更には縦方向および横方向の二方向に低倍
率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横方向に
再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸
フィルム)等を含むものである。なかでも、未延伸フィ
ルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、
上記組成物の水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および
/または横延伸と熱固定とを施すのが好ましい。
【0034】水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗
布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面に
コロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理
を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性
な界面活性剤を併用することが好ましい。かかる界面活
性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗液の濡れを促
進機能や塗液の安定性を向上させるものであり、例え
ば、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン
脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金
属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アル
キルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面
活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗膜を形
成する組成物中に、1〜10重量%含まれていることが
好ましい。
【0035】塗液の塗布量は、塗膜の厚さが0.005
〜0.3μm、好ましくは0.01〜0.25μmの範
囲となるような量であるのが好ましい。塗膜の厚さが薄
過ぎると、接着力が不足し、逆に厚過ぎると、ブロッキ
ングを起こしたり、ヘーズ値が高くなったりする可能性
があり好ましくない。
【0036】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナ
イフコート法、含浸法、カーテンコート法等を単独また
は組合せて用いることができる。なお、塗膜は必要に応
じフィルムの片面のみに形成してもよいし、両面に形成
してもよい。
【0037】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。各種物性は下記の方法により評価した。
【0038】(1)ヘーズ値 日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH―20)を使
用してフィルムのヘーズ値を測定した。なお、フィルム
のヘーズを下記の基準で評価した。 ◎: ヘーズ値≦2.0% ……フィルムのヘーズ極めて良好 ○:2.0%<ヘーズ値≦4.0% ……フィルムのヘーズ良好 ×:4.0%<ヘーズ値 ……フィルムのヘーズ不良
【0039】(2)熱収縮率 フィルムサンプル標線間を200mmにとり、フイルム
を10mmに切断し、フィルムサンプルを長さ方向に吊
るし、1gの荷重を長さ方向に加えて、150℃の熱風
を用い30分間加熱した後、標線間の長さを測定し、フ
イルムの収縮量を原寸法に対する割合として百分率で表
した。
【0040】(3)塗布外観 フィルムの塗膜の外観を観察し下記に示す基準で評価し
た。 ○:塗膜が均一な外観を呈する。・・・・塗膜外観が非
常に良好 △:わずかに塗膜に不均一性が認められる。・・・塗膜
外観が良好 ×:塗膜の不均一性が強く認められる・・・塗膜外観不
【0041】(4)ITO膜接着性 ・接着性 易接着性塗布層表面に蒸着によりITO膜を50nm積
層させ、碁盤目のクロスカット(1mm2のマス目を1
00個)をし、その上に24mm幅のセロハンテープ
(ニチバン社製)を貼り付け、180°の剥離角度で急
激に剥がした後の剥離状態を観察した(初期接着性)。
次に3%水酸化ナトリウム水溶液中に50℃、1分の環
境に浸漬し、先程同様に碁盤目のクロスカット(1mm
2のマス目を100個)をし、その上に24mm幅のセ
ロハンテープ(ニチバン社製)を貼り付け、180°の
剥離角度で急激に剥がした後の剥離状態を観察した(エ
ッチング後接着性)。それぞれ下記の基準で評価した。 5:剥離面積が0% ……接着力極めて良好 4:剥離面積が0%を超え10%以下 ……接着力良好 3:剥離面積が10%を超え20%以下 ……接着力やや良好 2:剥離面積が20%を超え30%以下 ……接着力不良 1:剥離面積が30%を超えるもの ……接着力極めて不良
【0042】・耐擦過性 易接着性塗布層表面に蒸着によりITO膜を50nm積
層させたITO膜表面をガーゼで幅2cm、荷重500
gで100回往復させ、擦過状態を目視で観察し、擦過
傷の数を下記基準で評価した。 5:擦過傷個数が0個 ……耐擦過性極めて良好 4:擦過傷個数が0個を超え2個以下 ……耐擦過性良好 3:擦過傷個数が2個を超え5個以下 ……耐擦過性やや良好 2:擦過傷個数が5個を超え10個以下 ……耐擦過性不良 1:擦過傷個数が10個を超えるもの ……耐擦過性極めて不良
【0043】(5)耐ブロッキング性 2枚のフィルムを、塗膜形成面と非形成面が接するよう
に重ね合せ、これに、60℃、80%RHの雰囲気下で
17時間にわたって0.6kg/cm2の圧力をかけ、
その後、剥離して、その剥離力により耐ブロッキング性
を下記の基準で評価した。 ◎:剥離力<98mN/5cm……耐ブロッキング性極
めて良好 ○:98mN/5cm≦剥離力<147mN/5cm…
…耐ブロッキング性良好 △:147mN/5cm≦剥離力<196mN/5cm
……耐ブロッキング性やや良好 ×:196mN/5cm≦剥離力……耐ブロッキング性
不良
【0044】[実施例1〜2、比較例1〜6]溶融ポリ
エチレンテレフタレート([η]=0.61)をダイよ
り押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィ
ルムとし、次いで縦方向に3.6倍に延伸した後、その
片面に表1記載の塗膜用組成物の濃度4%の水性塗液を
ロールコーターで均一に塗布した。
【0045】次いで、この塗布フィルムを引き続いて9
5℃で乾燥し、横方向に120℃で3.8倍に延伸し、
220℃で幅方向に3%収縮させ熱固定し、ロール状に
巻き取った。その後フィルムを懸垂状態で、弛緩率0.
5%、温度160℃で熱弛緩させ、厚さ125μmの易
接着性フィルムを得た。なお、フィルム長手方向の15
0℃熱収縮率は0.2%、塗膜の厚さは0.04μmで
あった。
【0046】
【表1】
【0047】<ポリエステル樹脂> A1:酸成分がテレフタル酸70モル%/イソフタル酸
20モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸10モ
ル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%
/ジエチレングリコール10モル%で構成されている水
溶性ポリエステル樹脂 A2:酸成分がテレフタル酸80モル%/イソフタル酸
16モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸4モル
%、グリコール成分がエチレングリコール95モル%/
ジエチレングリコール5モル%で構成されている水不溶
性ポリエステル樹脂 A3:酸成分がテレフタル酸85モル%/5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸15モル%、グリコール成分がエ
チレングリコール90モル%/ジエチレングリコール1
0モル%で構成されている水溶性ポリエステル樹脂
【0048】<アクリル樹脂> B1:メチルメタクリレート70モル%/エチルアクリ
レート25モル%/N−メチロールアクリルアミド5モ
ル%で構成されているアクリル樹脂 B2:メチルメタクリレート70モル%/エチルアクリ
レート22モル%/N−メチロールアクリルアミド5モ
ル%/2−ヒドロキシエチルメタクリレート3モル%で
構成されているアクリル樹脂
【0049】<粒子> C1:平均粒径40nmのシリカ粒子 C2:平均粒径100nmの架橋アクリル粒子 C3:平均粒径15nmの架橋アクリル粒子 C4:平均粒径300nmの架橋アクリル粒子
【0050】<濡れ剤> D1:ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル
【0051】[実施例3]溶融ポリエチレン−2,6−
ナフタレート([η]=0.63)をダイより押出し、
常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、
次いで縦方向に3.5倍に延伸した後、その片面に塗膜
用組成物(表1の塗液1)の濃度4%の水性塗液をロー
ルコーターで均一に塗布した。次いで、この塗布フィル
ムを引き続いて105℃で乾燥し、横方向に140℃で
3.7倍に延伸し、230℃で幅方向に3%収縮させ熱
固定し、ロール状に巻き取った。その後フィルムを懸垂
状態で、弛緩率0.5%、温度190℃で熱弛緩させ、
厚さ188μmの易接着性フィルムを得た。なお、フィ
ルム長手方向の150℃熱収縮率は0.1%、塗膜の厚
さは0.06μmであった。
【0052】[比較例7]塗液を塗工しない以外は実施
例1と同様に製膜した。
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、ITO膜との接着力に
優れ、しかも透明性、易滑性に優れるITO膜用易接着
性ポリエステルフィルムを提供することができる。ま
た、本発明のフィルムはITO膜が使用されるタッチパ
ネル、液晶、EL等のベースフィルムに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 167/00 C09J 167/00 (72)発明者 矢野 真司 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 Fターム(参考) 4F006 AA35 AB24 AB35 AB54 AB72 CA05 CA08 4F100 AK25B AK41A AK41B AK42A AL05B BA02 CC01B DE01B EH46 EH66 JA03 JB09B JL11 YY00 YY00B 4J004 AA10 AA15 AA17 AB05 CA06 FA05 FA08 4J040 DF041 DF052 DF061 DF062 DF091 DF092 EC231 EC232 ED021 ED022 ED031 ED032 ED041 ED042 ED051 ED052 FA14 GA05 HA026 HA136 HA196 KA03 NA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に塗布層が設けられ、該塗布層は水溶性ポリエステル樹
    脂(A)、アクリル樹脂(B)および平均粒径20nm
    〜200nmの粒子(C)を含有することを特徴とする
    ITO膜用易接着性ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 アクリル樹脂(B)が水酸基含有モノマ
    ーを2〜20モル%含有する、請求項1記載のITO膜
    用易接着性ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 ポリエステルフィルムのポリエステルが
    ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,
    6−ナフタレートである、請求項1または2に記載のI
    TO膜用易接着性ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルフィルムの150℃におけ
    るフィルム長手方向の熱収縮率が0%〜0.5%であ
    る、請求項1乃至3のいずれかに記載のITO膜用易接
    着性ポリエステルフィルム。
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