JP2004258174A - 光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルム Download PDF

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真司 矢野
Koji Kubo
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Abstract

【課題】透明性、易滑性および耐傷性に優れ、接着力に優れる光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面上に架橋構造を有する塗布層が設けられ、塗布層の平均厚みが20nm未満であることを特徴とする、光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学用易接着性ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの二軸延伸フィルムは、優れた機械的性質、耐熱性、耐薬品性を有するため、磁気テープ、強磁性薄膜テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電気絶縁フィルム、金属板ラミネート用フィルム、ガラスディスプレイ等の表面に貼るフィルム、各種部材の保護用フィルム等の素材として広く用いられている。
【0003】
ポリエステルフィルムは、近年、特に各種光学用フィルムに多く用いられ、液晶表示装置の部材のプリズムレンズシート、タッチパネル、バックライト等のベースフィルムや反射防止用フィルムのベースフィルム、プラズマディスプレイの電磁波シールドフィルム、有機ELディスプレイのベースフィルム、ディスプレイの防爆用ベースフィルム等の用途に用いられている。このような光学用フィルムに用いられるベースフィルムは優れた透明性が要求される。さらにプリズムレンズ層、ハードコート、粘着剤、反射防止処理、スパッタ層等に対する優れた易接着性が要求される。
【0004】
特に光学用フィルムはハードコート加工されることが多く、ハードコートは通常UV照射され、高密度の架橋構造を形成させるため、硬化収縮が大きく、基材に対して強い応力がかかり、応力を緩和するために易接着層の厚みを厚くする必要があるが、塗布層が厚くなると塗布斑が見えやすくなる問題がある。
【0005】
光学用基材フィルムは、透明性が要求されるため、通常内添フィラーを最小限にする必要がある。また、易接着層の接着力を向上させるには易接着層にガラス転移点の低い樹脂が用いられる。このように光学用フィルムでは最小限の内添フィラーかもしくはまったく内添フィラーが無いのでフィルム表面が平坦になっており、一般的に密着性を得るためにガラス転移温度の低い樹脂を易接着層として用いるが、フィルムを巻いたり、重ね合わせた時に貼付きが発生したり、フィルム同士が滑らずハンドリング性が悪化したり、滑りにくいために製膜や加工工程で表面に傷が入り易くなる問題等がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−96696号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2000−296595号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2000−246855号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
これらを解決するために易接着層に微粒子を添加して滑性や耐傷性を向上させることはできるが、十分な耐傷性を得るには微粒子を多く添加する必要があり易接着層のヘーズが高くなり、透明性が低下することがある。
【0010】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消し、透明性、易滑性および耐傷性に優れ、接着力に優れる光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の易接着性塗布層を形成すれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面上に架橋構造を有する塗布層が設けられ、塗布層の平均厚みが20nm未満であることを特徴とする、光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルムである。
【0013】
本発明は、好ましい態様として、
(項2) 塗布層の平均厚みが10nm未満である態様、
(項3) 塗布層が、高分子樹脂と架橋剤とから構成される態様、
(項4) 高分子樹脂が、固有粘度が0.4以上0.7未満のポリエステル樹脂である態様、
(項5) 架橋剤が、オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有する化合物である態様、
(項6) 塗布層が、さらに粒子径10〜100nmの微粒子を含有する態様、
(項7) 塗布層が、さらに脂肪族ワックスを塗布層重量100重量%あたり0.5〜30重量%含有する態様、
(項8) 表面ヘーズ値が0.5%以下であり、塗布層表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.002〜0.01μmであり、塗布層表面の摩擦係数(μs)が0.8以下である態様、
(項9) ポリエステルフィルムを構成するポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートである態様
を包含する。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
[ポリエステルフィルム]
本発明においてポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを例示することができる。
【0016】
ポリエステルフィルムに用いられるポリエステルは、これらの上記ポリエステルの共重合体であってもよく、上記ポリエステルを主体(例えば80モル%以上の成分)とし、少割合(例えば20モル%以下)の他の種類の樹脂とブレンドしたものであってもよい。ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので特に好ましい。
【0017】
ポリエステルは、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒を含有することもできる。
【0018】
本発明において、ポリエステルフィルムはフィラーを含有しないことが透明性の点で好ましい。
【0019】
ポリエステルフィルムは、例えば上記のポリエステルをフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃で長手方向に1回もしくは2回以上合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、その後Tg〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜5倍になるように延伸し、必要に応じて更に180〜230℃で1〜60秒間熱処理を行い、熱処理温度より10〜20℃低い温度で幅方向に0〜20%収縮させながら再熱処理を行うことにより得ることができる。なお、ガラス転移温度をTgと略記する。
【0020】
ポリエステルフィルムの厚みは、液晶、ハードコート、タッチパネル、防眩処理、PDP用電磁波シールドフィルム、有機EL等の支持体として使用する場合に必要な強度を得るために、好ましくは25〜300μm、特に好ましくは50〜250μmである。
【0021】
[塗布層]
本発明では、上記ポリエステルフィルムの少なくとも片面に架橋構造を有する塗布層が設けられる。この塗布層の平均厚みは20nm未満、好ましくは10nm未満である。この範囲であればハードコートに対する優れた接着性を有し、フィルム表面の耐スクラッチ性能、透明性、易滑性を有する。
【0022】
この塗布層は、この好ましくは高分子樹脂と架橋剤とから構成される。
【0023】
[高分子樹脂]
塗布層の高分子樹脂は好ましくはポリエステル樹脂である。
【0024】
ポリエステル樹脂として、下記の多塩基酸成分とジオール成分から得られるポリエステルを用いることができる。すなわち、多価塩基成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を例示することができる。高分子バインダーを構成するポリエステル樹脂としては、2種以上のジカルボン酸成分を用いた共重合ポリエステルを用いることが好ましい。ポリエステル樹脂には、若干量であればマレイン酸、イタコン酸等の不飽和多塩基酸成分が、或いはp−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸成分が含まれていてもよい。
【0025】
ポリエステルのジオール成分としては、エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン等や、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを例示することができる。
【0026】
ポリエステルの固有粘度は、好ましくは0.4以上0.7未満、さらに好ましくは0.5以上0.7未満である。固有粘度が0.4未満であるとポリエステル樹脂の分子量が低くなり、塗布層の凝集力が低くなり、接着性が悪化して好ましくない。固有粘度が0.7以上であるとポリエステル樹脂の重合が困難となり、好ましくない。
【0027】
このポリエステルは、例えば次の方法で製造することができる。ジカルボン酸成分とジオール成分をエステル交換反応器に仕込み、触媒を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃に制御して生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行う。次いで、温度を徐々に255℃まで上昇させ、系内を減圧下にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂を得ることができる。重縮合時に分子量が上昇してくると溶融粘度が高くなり、系内の攪拌が難しくなる。塗布層に使用されるポリエステルはホモのポリエチレンテレフタレートと比較すると分子量が低い割に溶融粘度が高くなり、系内の攪拌が非常に難しく、攪拌設備のモーターのトルクを上げること、羽根の形状を工夫すること、重合時間を延ばすこと等で固有粘度を上げることができる。
【0028】
このポリエステルは水に可溶性または分散性のものが好ましいが、多少の有機溶剤を含有する水に可溶なものも用いることができる。
【0029】
高分子樹脂の、塗布層中での含有割合は、塗布層の高分子樹脂と架橋剤の合計重量100重量%に対して、好ましくは60〜95重量%、さらに好ましくは70〜90重量%である。
【0030】
[架橋剤]
架橋剤としては、好ましくはオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有する化合物、更に好ましくはオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂を用いる。
【0031】
アクリル樹脂は容易に多種類の官能基を共重合できるため好ましい。オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂は、水(多少の有機溶剤を含有していても良い)に可溶性または分散性のアクリルが好ましい。
【0032】
かかるオキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂としては、以下に示すようなモノマーを成分として含むものを挙げることができる。
【0033】
オキサゾリン基を有するモノマーとしては、例えば2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリンを挙げることができる。これらは、1種で用いてもよく、2種以上の混合物として使用してもよい。これらの中、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に入手しやすく好適である。オキサゾリン基を有するアクリル樹脂を用いることにより塗布層の凝集力が向上し、ハードコート等との密着性がより強固になる。更にフィルム製膜工程内やハードコートの加工工程内の金属ロールに対する耐擦過性を付与できる。
【0034】
ポリアルキレンオキシド鎖を有するモノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸のエステル部にポリアルキレンオキシドを付加させたものを挙げることができる。ポリアルキレンオキシド鎖は、例えばポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシドを挙げることができる。
【0035】
ポリアルキレンオキシド鎖の繰り返し単位は3〜100であることが好ましい。ポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリル樹脂を用いることで、塗布層中のポリエステル樹脂とアクリル樹脂の相溶性がポリアルキレンオキシド連鎖を含有しないアクリル樹脂と比較し良くなり、塗布層の透明性を向上させることができる。尚、ポリアルキレンオキシド鎖の繰り返し単位が3より少ないとポリエステル樹脂とアクリル樹脂との相溶性が悪く、塗布層の透明性が悪くなり、100より大きいと塗布層の耐湿熱性が下がり、高湿度、高温下でハードコート等との密着性が悪化するので好ましくない。
【0036】
アクリル樹脂のその他の共重合成分として、例えば以下のモノマーを挙げることができる。即ち、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基またはその塩を有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N,N−ジアルコキシアクリルアミド、N,N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエンである。
【0037】
架橋剤の、塗布層中での含有割合は、塗布層の高分子樹脂と架橋剤の合計重量100重量%に対して、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。
【0038】
[微粒子]
塗布層は、微粒子を含有することが好ましい。微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイ酸ソーダ、水酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、二硫化モリブデン等の無機微粒子、アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂等の有機微粒子を挙げることができる。これらは1種類で用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
【0039】
微粒子の平均粒子径は、好ましくは10〜100nm、好ましくは20〜60nmである。平均粒径が100nmより大きいと塗布層の厚みが20nm以下であるため、微粒子の落脱が発生しやすくなり、10nmよりも小さいと十分な滑性、耐傷性が得られない場合があり好ましくない。
【0040】
微粒子の含有量は、塗布層の全重量100重量%あたり好ましくは0.1〜10重量%である。0.1重量%未満であると十分な滑性、耐傷性が得られず、10重量%を超えると塗膜の凝集力が低くなり接着性が悪化し好ましくない。
【0041】
[脂肪族ワックス]
塗布層は、脂肪族ワックスを含有することが好ましい。脂肪族ワックスとしては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックスを挙げることができる。就中、ハードコートや粘着剤等に対する易接着性と滑性が良好なことから、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが特に好ましい。これらは環境負荷の低減が可能であることおよび取扱のし易さから水分散体として用いることが好ましい。
【0042】
脂肪族ワックスの含有量は、塗布層の全重量100重量%あたり、好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1重量%〜10重量%である。含有量が0.5重量%未満とフィルム表面の滑性が得られないことがあり、30重量%を超えるとポリエステルフィルム基材への密着やハードコートや粘着剤等に対する易接着性が不足する場合があり好ましくない。
【0043】
[製造方法]
架橋構造を有する塗布層は、上記のポリエステル樹脂、架橋剤、要すれば微粒子および脂肪族ワックスを含有する塗液をポリエステルフィルム上に塗付して形成される。
【0044】
この塗液は、塗布層(以下『塗膜』いうことがある)を形成させるために、水溶液、水分散液或いは乳化液等の水性塗液の形態で使用されることが好ましい。塗膜を形成するために、必要に応じて、前記成分以外に、他の樹脂、例えばその他の高分子樹脂、その他の架橋剤、帯電防止剤、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。
【0045】
水性塗液の場合の固形分濃度は、通常20重量%以下、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは1〜10重量%である。1重量%未満であると、ポリエステルフィルムへの濡れ性が不足することがあり、20重量%を超えると塗液の安定性や塗布層の外観が悪化することがあり好ましくない。
【0046】
水性塗液のポリエステルフィルムへの塗布は、任意の段階で実施することができるが、ポリエステルフィルムの製造過程で実施するのが好ましく、更には配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布するのが好ましい。
【0047】
ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配向フィルム、更には縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)を含むものである。最も好ましい塗付の態様は、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに、上記水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すことである。
【0048】
水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好ましい。かかる界面活性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗液の濡れを促進機能や塗液の安定性を向上させるものであり、例えば、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、塗布層の全重量100重量%あたり0.5〜30重量%の濃度となるように塗膜を形成する塗液中に含まれていることが好ましい。
【0049】
塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、組合せて用いてもよい。
【0050】
なお、塗膜はフィルムの片面のみに形成してもよいし、必要に応じて両面に形成してもよい。
【0051】
[物性]
本発明の光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルムは、表面ヘーズ値が0.5%以下であり、塗布層表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.002〜0.01μmの範囲であり、塗布層表面の摩擦係数(μs)が0.8以下であることが好ましい。このような光学易接着性ポリエステルフィルムは、本発明に従って前記の塗布層をポリエステルフィルム上に形成することにより得ることができる。
【0052】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
各種物性は下記の方法により評価した。
【0053】
(1)塗布層厚み
フィルムを小さく切り出し、エポキシ樹脂で包埋させ、ミクロトームで50nm厚みにフィルム断面を薄切りする。2%オスミウム酸で60℃、2時間かけて染色する。染色したフィルム断面を透過電子顕微鏡(LEM−2000)で観察し、塗布層厚みを測定する。
【0054】
(2)耐傷性
直径6mmの硬質クロムメッキしたピンを固定し、長手方向に20cm、幅方向に15mmにカットしたフィルムをピンに対して90°で接触させ、一定速度(20mm/s)でピン上を滑らせて、フィルム表面に入る傷の度合を評価する。
5:まったく傷が入らない
4:0%<全体面積に対する傷の面積≦10%
3:10%<全体面積に対する傷の面積≦25%
2:25%<全体面積に対する傷の面積≦50%
1:50%<全体面積に対する傷の面積
【0055】
(3)表面ヘーズ値
JIS K7136に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用してフィルムのヘーズを一枚、二枚、三枚とフィルムを重ねた箇所はセダー油を間に入れて表面ヘーズをキャンセルさせ測定する。一枚、二枚、三枚のフィルムヘーズから概算して表面ヘーズを求める。尚、フィルムの表面ヘーズを下記の基準で評価する。
◎: 表面ヘーズ値≦0.3% ……表面ヘーズ極めて良好
○:0.3%<表面ヘーズ値≦0.5% ……表面ヘーズ良好
×:0.5%<表面ヘーズ値 ……表面ヘーズ不良
【0056】
(4)中心線平均表面粗さ(Ra)
JIS B0601に準じ、(株)小坂研究所製の高精度表面粗さ計 SE−3FATを使用して、針の半径2μm、荷重30mgで拡大倍率20万倍、カットオフ0.08mmの条件下にチャートを描かせ、表面粗さ曲線からその中心線方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向とY軸として、粗さ曲線をY=f(x)で表わした時、次の式で与えられた値をnm単位で表わす。この測定は、基準長を1.25mmとして4個測定し、平均値をとる。
【0057】
【数1】
Figure 2004258174
【0058】
(5)摩擦係数(μs)
ASTM D1894−63に準じ、東洋テスター社製のスリッパリー測定器を使用し、塗膜形成面とポリエチレンテレフタレートフィルム(塗膜非形成面)との静摩擦係数(μs)を測定する。但し、スレッド板はガラス板とし、荷重は1kgとする。尚、フィルムの滑り性を下記の基準で評価する。
◎: 摩擦係数(μs)≦0.5 ……滑り性極めて良好
○:0.5<摩擦係数(μs)≦0.8 ……滑り性良好
×:0.8<摩擦係数(μs) ……滑り性不良
【0059】
(6)接着性
・ハードコート
易接着性ポリエステルフィルムの塗膜形成面に厚さ10μmのハードコート層を形成して碁盤目のクロスカット(1mmのマス目を100個)を施し、その上に24mm幅のセロハンテープ(ニチバン社製)を貼り付け、180°の剥離角度で急激に剥がした後、剥離面を観察し、下記の基準で評価する。
5:剥離面積が10%未満 ……接着力極めて良好
4:剥離面積が10%以上20%未満 ……接着力良好
3:剥離面積が20%以上30%未満 ……接着力やや良好
2:剥離面積が30%以上40%未満 ……接着力不良
1:剥離面積が40%を超えるもの ……接着力極めて不良
・粘着剤(PSA)
易接着性ポリエステルフィルムの塗膜形成面に厚さ20μmの粘着剤(PSA)層を形成してフロートガラスに粘着剤層面を貼付、23℃、65%RHの雰囲気下で1日経時させ、90°の剥離角度にて剥離し、ガラス表面に粘着剤(PSA)の残留状態を観察し、下記の基準で評価する。
【0060】
なお、粘着剤(PSA:Pressure−Sensitive−Adhesive)には、ウレタン含有アクリレート共重合体(アクリル成分はn−ブチルアクリレート(86モル%)、メチルアクリレート(14モル%))を用いる。
5:粘着剤(PSA)残留面積が10%未満 ……接着力極めて良好
4:粘着剤(PSA)残留面積が10%以上20%未満 ……接着力良好
3:粘着剤(PSA)残留面積が20%以上30%未満 ……接着力やや良好
2:粘着剤(PSA)残留面積が30%以上40%未満 ……接着力不良
1:粘着剤(PSA)残留面積が40%を超えるもの ……接着力極めて不良
【0061】
(7)塗工性
フィルムの全幅、長さ3m長をハロゲンランプで塗布層を観察し、塗布斑の有無、度合を評価する。塗布斑は機械方向の筋、機械方向の垂直の筋、ハジキ、ロール汚れの転写痕等である。
◎:塗布斑が皆無 ……塗工性極めて良好
○:塗布斑がフィルム観察面積の5%未満 ……塗工性良好
△:塗布斑がフィルム観察面積の5%以上で10%未満 ……塗工性やや良好
×:塗布斑がフィルム観察面積の10%以上 ……塗工性不良
【0062】
(8)ガラス転移温度
サンプル約10mgを測定用のアルミニウム製パンに封入して示差熱量計(デュポン社製・V4.OB2000型DSC)に装着し、25℃から20℃/分の速度で300℃まで昇温させ、300℃で5分間保持した後取出し、直ちに氷の上に移して急冷する。このパンを再度示差熱量計に装着し、25℃から20℃/分の速度で昇温させてガラス転移温度(Tg:℃)を測定する。
【0063】
(9)固有粘度
固有粘度([η]dl/g)は、25℃のo−クロロフェノール溶液で測定する。
【0064】
(10)総合評価
下記の基準で評価する。
◎:塗布厚みが20nm未満の範囲内であり、耐傷性が5で表面ヘーズが◎で、中心線平均表面粗さが0.002〜0.008μmの範囲であり、摩擦係数が◎で、ハードコートおよび粘着剤に対する接着性が両方とも3以上、かつ塗工性が◎である(総合評価・極めて良好)
○:塗布厚みが20nm未満の範囲内であり、耐傷性が4以上で表面ヘーズが○以上で、中心線平均表面粗さが0.002〜0.008μmの範囲であり、摩擦係数が○以上で、ハードコートおよび粘着剤に対する接着性が両方とも3以上、かつ塗工性が○以上である(総合評価・良好)
△:塗布厚みが20nm未満の範囲内であり、耐傷性が3以上で表面ヘーズが○以上で、中心線平均表面粗さが0.002〜0.008μmの範囲であり、摩擦係数が○以上で、ハードコートおよび粘着剤に対する接着性が両方とも3以上、かつ塗工性が△以上である(総合評価・やや良好)
×:塗布厚みが20nm以上の範囲内であり、耐傷性が2以下で表面ヘーズが×で、中心線平均表面粗さが0.002〜0.008μmの範囲外であり、摩擦係数が×で、ハードコートおよび粘着剤に対する接着性がどちらかが2以下で、かつ塗工性が×である(総合評価・不良)
【0065】
[実施例1〜3、5、比較例1〜3]
溶融ポリエチレンテレフタレート([η]=0.62dl/g、Tg=78℃)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に3.4倍に延伸した後、その両面に表2に示す塗剤(塗液1〜3の組成は下記表1に示す塗膜用組成物である)の濃度5重量%の水性塗液をロールコーターで均一に塗布した。
【0066】
次いで、この塗布フィルムを引き続いて95℃で乾燥し、横方向に120℃で3.6倍に延伸し、220℃で幅方向に3%収縮させ熱固定し、厚さ125μmの易接着性フィルムを得た。
【0067】
【表1】
Figure 2004258174
【0068】
高分子樹脂1:酸成分がテレフタル酸90モル%/イソフタル酸5モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている(Tg=70℃、平均分子量13000)。なお、高分子樹脂1は、特開平06−116487号公報の実施例1に記載の方法に準じて下記の通り製造した。すなわち、テレフタル酸ジメチル53部、イソフタル酸3部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル5部、エチレングリコール36部、ジエチレングリコール3部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで攪拌器のモータートルクの高い重合釜で反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、固有粘度が0.56の高分子樹脂1を得た。この高分子樹脂25部をテトラヒドロフラン75部に溶解させ、得られた溶液に10000回転/分の高速攪拌下で水75部を滴下して乳白色の分散体を得、次いでこの分散体を20mmHgの減圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを留去した。高分子樹脂1の水分散体を得た。
【0069】
高分子樹脂2:酸成分が2,6−ナフタレンジカルボン酸75モル%/イソフタル酸20モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている(Tg=80℃、平均分子量15000)。なお、高分子樹脂2は、下記の通り製造した。すなわち、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル51部、イソフタル酸ジメチル11部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル4部、エチレングリコール31部、ジエチレングリコール2部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで攪拌器のモータートルクの高い重合釜で反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、固有粘度が0.56の高分子樹脂2を得た。このポリエステル25部をテトラヒドロフラン75部に溶解させ、得られた溶液に10000回転/分の高速攪拌下で水75部を滴下して乳白色の分散体を得、次いでこの分散体を20mmHgの減圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを留去した。高分子樹脂2の水分散体を得た。
【0070】
高分子樹脂3:酸成分が2,6−ナフタレンジカルボン酸65モル%/イソフタル酸30モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている(Tg=80℃、平均分子量10000)。なお、高分子樹脂3は、特開平06−116487号公報の実施例1に記載の方法に準じて下記の通り製造した。すなわち、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル44部、イソフタル酸ジメチル16部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル4部、エチレングリコール33部、ジエチレングリコール3部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、固有粘度が0.36の高分子樹脂3を得た。このポリエステル25部をテトラヒドロフラン75部に溶解させ、得られた溶液に10000回転/分の高速攪拌下で水75部を滴下して乳白色の分散体を得、次いでこの分散体を20mmHgの減圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを留去した。高分子樹脂3の水分散体を得た。
【0071】
架橋剤:メチルメタクリレート10モル%/2−イソプロペニル−2−オキサゾリン70モル%/ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリレート5モル%/アクリルアミド15モル%で構成されている(Tg=100℃)。なお、架橋剤は、特開昭63−37167号公報の製造例1〜3に記載の方法に準じて下記の通り製造した。すなわち、四つ口フラスコに、イオン交換水302部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、亜硫酸水素ナトリウム0.2部を添加し、更にモノマー類である、メタクリル酸メチル7.8部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン52.8部、ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリル酸20.4部、アクリルアミド6.6部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が25%の架橋剤の水分散体を得た。
【0072】
微粒子:アクリルフィラー(平均粒径:40nm)
(日本触媒株式会社製 商品名エポスターMX−030W)
添加剤:パラフィンワックス
(中京油脂株式会社製 商品名セロゾール428)
濡れ剤:ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル
(三洋化成株式会社製 商品名ナロアクティーN−70)。
【0073】
[実施例4]
溶融ポリエチレン−2,6−ナフタレート([η]=0.65dl/g、Tg=121℃)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に3.4倍に延伸した後、その両面に塗膜用組成物(表1の塗液1)の濃度8%の水性塗液をロールコーターで均一に塗布した。次いで、この塗布フィルムを引き続いて105℃で乾燥し、横方向に140℃で3.6倍に延伸し、230℃で幅方向に3%収縮させ熱固定し、厚さ125μmの易接着性フィルムを得た。
【0074】
【表2】
Figure 2004258174
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、透明性、易滑性および耐傷性に優れ、接着力に優れる光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルムを提供することができる。本発明のフィルムは各種光学用途の特にハードコートフィルムの基材として有用である。

Claims (9)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面上に架橋構造を有する塗布層が設けられ、塗布層の平均厚みが20nm未満であることを特徴とする、光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルム。
  2. 塗布層の平均厚みが10nm未満である、請求項1記載の光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルム。
  3. 塗布層が、高分子樹脂と架橋剤とから構成される、請求項1又は2記載の光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルム。
  4. 高分子樹脂が、固有粘度が0.4以上0.7未満のポリエステル樹脂である、請求項1乃至3のいずれかに記載の光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルム。
  5. 架橋剤が、オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有する化合物である、請求項1乃至4のいずれかに記載の光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルム。
  6. 塗布層が、さらに平均粒子径10〜100nmの微粒子を含有する、請求項1乃至5のいずれかに記載の光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルム。
  7. 塗布層が、さらに脂肪族ワックスを塗布層重量100重量%あたり0.5〜30重量%含有する、請求項1乃至6のいずれかに記載の光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルム。
  8. 表面ヘーズ値が0.5%以下であり、塗布層表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.002〜0.01μmであり、塗布層表面の摩擦係数(μs)が0.8以下である、請求項1乃至7のいずれかに記載の光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルム。
  9. ポリエステルフィルムを構成するポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートである、請求項1乃至8のいずれかに記載の光学用ハードコート易接着性ポリエステルフィルム。
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