JP2006133742A - ポリプロピレン系光反射フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】光反射率が高く、光反射ムラが少なく、時間の経過に伴う黄変が少なく、軽量であることを特徴とした液晶パネルのバックライト等に使用するポリプロピレン系光反射フィルムを提供する。
【解決手段】組成物(A)基準で、結晶性ポリプロピレン樹脂に対して、軟化点(環球法)160〜200℃のジシクロペンタジエン石油樹脂4〜56重量%、無機充填剤粉末4〜56重量%、かつジシクロペンタジエン石油樹脂と無機充填剤粉末の合計で10〜60重量%が配合された樹脂組成物(A)からなる空洞を含有するフィルムであり、樹脂組成物(A)からなるフィルムを面積倍率4倍以上に少なくとも1軸方向に延伸してなるポリプロピレン系光反射フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリプロピレン系光反射フィルムに関する。詳しくは、光反射率が高く、反射ムラが少なく、かつ軽量で液晶表示装置のバックライト等に好適に使用されるポリプロピレン系光反射フィルムに関する。
液晶表示装置のバックライトの構成部品等に使用されている反射材は光源の光を効率的に反射させる役割を担っており、従来アルミ、ステンレス等の金属薄板やPETフィルムに銀を蒸着したものやアルミ金属箔を積層した製品が使用される。しかしながら機器の軽薄化に伴い構成部品の1つである反射材も軽量化、薄型化が望まれており、フィルムタイプの反射材が近年開発され、実用化されている。
光反射フィルムとしては、発泡PETフィルム(例えば、特許文献1参照)が多く使用されているが、価格が高く、時間が経過するにつれてフィルムが黄変して反射率の低下や輝度ムラが発生する等の問題があった。また無機充填剤を添加した発泡PPフィルムの反射フィルム(例えば、特許文献2参照)もあるが高比重の無機充填剤を添加しているため密度が高く、軽量化に不向きであり、また発泡形状の問題から光反射性に異方性がある等の問題があった。
特公平8−16175号公報 特開平6−298957号公報
本発明は、例えば、光反射率に優れ、光反射ムラが少なく、時間の経過に伴う黄変が少なく、軽量であり、液晶表示装置のバックライト等に好適に使用できるポリプロピレン系光反射フィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、組成物(A)基準で、結晶性ポリプロピレン樹脂に対して、軟化点(環球法)160〜200℃のジシクロペンタジエン石油樹脂4〜56重量%、無機充填剤粉末4〜56重量%、かつジシクロペンタジエン石油樹脂と無機充填剤粉末の合計で10〜60重量%が配合された樹脂組成物(A)からなる空洞を含有するフィルムであり、樹脂組成物(A)からなる未延伸フィルムを面積倍率4倍以上に少なくとも1軸方向に延伸してなるポリプロピレン系光反射フィルムによって本課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
本発明は以下の構成を有する。
組成物(A)基準で、結晶性ポリプロピレン樹脂に対して、軟化点(環球法)1
60〜200℃のジシクロペンタジエン石油樹脂4〜56重量%、無機充填剤粉末4〜56重量%、かつ該ジシクロペンタジエン石油樹脂と無機充填剤粉末の合計で10〜60重量%が配合された樹脂組成物(A)からなる空洞を含有する光反射フィルムであり、空洞含有フィルムが樹脂組成物(A)からなる未延伸フィルムを、面積倍率4倍以上に少なくとも1軸方向に延伸されたポリプロピレン系光反射フィルム。
(2)樹脂組成物(A)からなる空洞を含有する基層フィルムと、その片面もしくは両面に積層された結晶性ポリプロピレン樹脂組成物(B)からなる実質的に空洞を含有しない表層フィルムとを含む空洞含有積層延伸フィルムからなる光反射フィルムであり、空洞含有積層延伸フィルムが樹脂組成物(A)からなる未延伸フィルムの片面もしくは両面に樹脂組成物(B)からなるフィルムを積層した後、面積倍率4倍以上に少なくとも1軸方向に延伸された前記(1)項記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
(3)樹脂組成物(A)及び樹脂組成物(B)に使用される結晶性ポリプロピレン樹脂のメルトマスフローレイトが0.5〜20g/10minである前記(1)または(2)項記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
(4)フィルム表面の光反射率(JIS Z8722)が波長550nmにおいて90%以上で、フィルムの縦方向(MD)及び横方向(TD)の光反射率の差が5%以内である前記(1)〜(3)のいずれか1項記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
(5)樹脂組成物(B)からなる積層面の少なくとも片面が、平均粒径が0.05〜3μmである二酸化チタン微粒子を1〜50重量%含有する前記(2)〜(4)のいずれか1項記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
(6)少なくとも片面のフィルム上に、平均粒径が0.05〜3μmである二酸化チタン微粒子を5〜60重量%含有する塗料を塗工し乾燥してなる反射塗料層を設けた前記(1)〜(5)項のいずれか1項記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
(7)表層フィルム上の反射塗料層の重量が0.1〜10g/mである前記(6)項記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
(8)サンシャインカーボンアーク燈式耐候性試験機を用いてブラックパネル温度63℃で150時間暴露試験した後のフィルム表面のハンターLab表色系のb値と、暴露試験前のフィルム表面のb値との差が1以内である前記(1)〜(7)項のいずれか1項記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
(9)密度が0.9g/cm以下である前記(1)〜(8)項のいずれか1項記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
本発明のポリプロピレン系光反射フィルムは、例えば、光反射率が高く、光反射ムラが少なく、時間の経過に伴う黄変が少なく、軽量であるため、液晶表示装置のバックライト等に使用される光反射フィルム等の用途に好適に使用できる。
以下に、本発明の実施形態を説明する。
本発明のポリプロピレン系光反射フィルムは、優れた光反射率特性と軽量化を付与するため、組成物(A)基準で、結晶性ポリプロピレン樹脂に対して、軟化点(環球法)160〜200℃のジシクロペンタジエン石油樹脂4〜56重量%、無機充填剤粉末4〜56重量%、かつジシクロペンタジエン石油樹脂と無機充填剤粉末の合計で10〜60重量%が配合された樹脂組成物(A)からなる空洞(微細なボイド)を含有するフィルムから構成された空洞含有延伸フィルムである。
また、本発明においては、無機充填剤粉末の飛散・脱落をさらに防止するため、基層フィルムの片面もしくは両面に樹脂組成物(B)からなり実質的に空洞を含有しない表層フィルムを積層しても良い。具体的には、上記の樹脂組成物(A)から得られた単層未延伸フィルムの片面もしくは両面に、結晶性ポリプロピレン樹脂組成物(B)からなる表層フィルムを積層した積層未延伸フィルムを、面積倍率4倍以上に延伸して、本発明のポリプロピレン系光反射フィルムとなる空洞含有積層延伸フィルムが得られる。尚、本発明において、延伸における面積倍率とは縦方向(MD)の延伸倍率と横方向(TD)の延伸倍率の積である。
本発明のポリプロピレン系光反射フィルムにおいて、樹脂組成物(A)または樹脂組成物(B)に用いられる結晶性ポリプロピレン樹脂は、プロピレンの結晶性単独重合体、プロピレンとエチレンもしくは炭素数4以上のα−オレフィンから選ばれる1種以上との二元以上の結晶性共重合体、またはそれらの混合物である。具体的には、沸騰n−ヘプタン不溶部を70重量%以上、好ましくは80重量%以上含有する結晶性ポリプロピレン、プロピレン成分を70重量%以上含有する結晶性エチレン−プロピレン共重合体、結晶性プロピレン−1−ブテン共重合体、結晶性プロピレン−1−ヘキセン共重合体、結晶性エチレン−プロピレン−1−ブテン三元共重合体等の結晶融点を有するプロピレン共重合体が挙げられる。
尚、樹脂組成物(A)に用いられる結晶性ポリプロピレン樹脂と樹脂組成物(B)に用いられる結晶性ポリプロピレン樹脂は、同一でも別々でもよい。また、本発明においてフィルムとは、フィルムとシートの総称である。
本発明で用いられる結晶性ポリプロピレン樹脂のメルトマスフローレイト(JIS K−7210(試験温度230℃、公称荷重2.16kg)により測定、以下MFRという)は、0.5〜20g/10minが好ましく、0.5〜10g/10minがより好ましい。
本発明においては、光反射フィルムに光反射率、隠蔽性を付与するために、組成物(A)基準で、結晶性ポリプロピレン樹脂に対して、軟化点(環球法)160〜200℃のジシクロペンタジエン石油樹脂4〜56重量%、無機充填剤粉末4〜56重量%、かつジシクロペンタジエン石油樹脂と無機充填剤粉末の合計で10〜60重量%が配合された結晶性ポリプロピレン樹脂組成物(A)からなり空洞を含有するフィルムが用いられる。
ジシクロペンタジエン石油樹脂の軟化点(環球法)が160〜200℃であると、結晶性ポリプロピレン樹脂への分散性が良好で、該石油樹脂が配合された樹脂組成物(A)から得られた未延伸フィルムを延伸することにより、微細で均質な空洞を有するフィルムが得られる。
前記の軟化点(環球法)160〜200℃のジシクロペンタジエン石油樹脂としては、石油ナフサ等のスチームクラッキング等から得られるシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、それらのアルキル置換体及びオリゴマー及びそれらの混合物から選ばれる1種以上(以下、シクロペンタジエン系成分という)を主成分(最も多い成分)とする留分を重合させて得られる石油樹脂(HR)の中で、シクロペンタジエン系成分を50重量%以上含有し、その軟化点(環球法)が160〜200℃の範囲にある高分子で高軟化点の石油樹脂(HSHR)、ならびに石油樹脂(HR)の中でシクロペンタジエン系成分を50重量%以上含有するものを、バナジウム、ニッケルもしくはコバルト等の金属またはその酸化物等の触媒を用いて、溶剤の存在下で、温度150〜300℃、水素圧1〜15MPaの条件下で水素化して得られる軟化点(環球法)160〜200℃、ヨウ素価20以下の水素化ジシクロペンタジエン石油樹脂(HGHR)またはそれらの混合物が挙げられる。
樹脂組成物(A)に配合される無機充填剤粉末としては、平均粒径が好ましくは0.01〜20μm、より好ましくは0.01〜10μm、更に好ましくは0.1〜5μmの炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、及びシリカ等が挙げられるが、コスト面から炭酸カルシウムが有利であり、隠蔽性の点では二酸化チタンが優れる。これら無機充填剤粉末は2種以上を併用しても良く、屈折率の違う2種類以上の無機充填剤粉末を併用すると基層フィルムに高い光反射率と不透明度が付与される。
樹脂組成物(A)においては、組成物(A)基準で、結晶性ポリプロピレン樹脂に、軟化点(環球法)160〜200℃のジシクロペンタジエン石油樹脂4〜56重量%、好ましくは10〜50重量%、無機充填剤粉末4〜56重量%、好ましくは10〜50重量%、かつジシクロペンタジエン石油樹脂と無機充填剤粉末の合計で10〜60重量%、好ましくは20〜60重量%が配合される。ジシクロペンタジエン石油樹脂と無機充填剤粉末の配合率の合計が、上記の範囲であれば、得られる光反射フィルムの光反射率と隠蔽性は十分であり、未延伸フィルムを延伸する時に破断が発生することもない。
本発明のポリプロピレン系光反射フィルムは、サンシャインカーボンアーク燈式耐候性試験機を用いてブラックパネル温度63℃で150時間暴露試験した後のハンターLab表色系のb値と、暴露試験前のb値との差が1以内であることが好ましい。b値の変化は黄変現象を示しており、上記b値の差が1以内であれば、光反射フィルムは、時間の経過に伴う黄変がないため長期にわたって好適に使用可能である。
本発明においては、b値の変化差を1以内にするため、樹脂組成物(A)または樹脂組成物(B)に紫外線吸収剤または光安定剤を添加することができる。該紫外線吸収剤及び光安定剤としては、該b値の変化を制御可能な物質であれば制限されないが、代表的にはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、分子量400〜3000のヒンダートアミン系の光安定剤等があげられる。
樹脂組成物(A)及び樹脂組成物(B)には、ポリプロピレンに添加することが公知の各種添加剤、例えばフェノール系、チオエーテル系及び燐系の加工安定剤・酸化防止剤、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド等の潤滑剤、顔料、発泡剤、添加ポリマーとしてポリエチレン類やエチレン−プロピレンゴム等を、必要に応じてかつ本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
樹脂組成物(A)及び樹脂組成物(B)は、結晶性ポリプロピレン樹脂及び添加剤を通常のブレンダーまたはミキサーで攪拌混合し調合することができる。また、一般的な押出機を用いて溶融混練し、ペレットにすることもできる。
本発明において、樹脂組成物(A)から未延伸のフィルムを得る方法としては、Tダイ押出成形法やインフレーション押出成形法等の公知の方法が例示でき、また樹脂組成物(A)及び樹脂組成物(B)から未延伸の積層フィルムを得る方法としては、同じくTダイ押出成形法やインフレーション押出成形法等の公知の方法が例示でき、具体的には、ダイス内で溶融樹脂が複層化される共押出成形法、押出成形された基層フィルムの上に更に表層フィルムを重ねる押出ラミネート成形法等の公知の積層加工方法が用いられる。
未延伸フィルムから延伸フィルムを得るための延伸方法及び延伸条件は特に限定されない。延伸方法は一軸延伸でも二軸延伸でもよい。また、公知の一軸または二軸延伸機のいずれも使用することができる。延伸条件は使用する延伸機により異なるが、樹脂組成物(A)に含まれる石油樹脂の軟化点以下の温度にし、面積倍率4倍以上に延伸する。尚、二軸延伸機の場合、同時延伸方式でも逐次延伸方式でもよい。
本発明において、ポリプロピレン系光反射フィルムの加熱収縮を抑えることが求められる場合には、一軸または二軸延伸後に熱処理を行い、緩和処理を行うことが望ましい。
本発明のポリプロピレン系光反射フィルムは、光反射率(JIS Z8722)が波長550nmにおいて90%以上で、かつフィルムの縦方向(MD)及び横方向(TD)の光反射率の差(以下、異方差ともいう)が5%以内であることが望ましい。光線反射率及びその異方差が上記の範囲であれば、ポリプロピレン系光反射フィルムは、液晶表示装置のバックライト等に好適に使用することができる。
本発明のポリプロピレン系光反射フィルムにおいては、光反射率を向上させるため、樹脂組成物(B)よりなる積層面の光反射に供する少なくとも片面が、平均粒径が0.05〜3μmである二酸化チタン微粒子を1〜50重量%含有しても良い。
尚、該二酸化チタン微粒子の粒径の範囲は、0.1〜0.5μmがより好ましく、その含有率が上記の範囲であれば、光反射率が向上し積層面中の二酸化チタンの分散も良好で、積層面と基材フィルムとの接着性も良好である。
本発明のポリプロピレン系光反射フィルムにおいては、光反射率を向上させるため、少なくとも光反射に供する片面の表層フィルムの上に、平均粒径が0.05〜3μmである二酸化チタン微粒子を分散させた塗料を塗布し乾燥して、反射塗料層を設けることができる。
尚、該二酸化チタン微粒子の粒径の範囲は、0.1〜0.5μmが好ましい。
反射塗料層を形成する際に、二酸化チタン微粒子を表層フィルムに固着するために、バインダーを配合する必要があるが、バインダーとしてはアクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系等の公知のバインダーを使用することができ、特に限定されない。
前記塗料には、平均粒径が0.1〜0.5μmである二酸化チタン微粒子が5〜60重量%配合されることが好ましい。二酸化チタン微粒子の配合率が上記の範囲であれば、光反射率が向上し塗料中の二酸化チタンの分散も良好で、塗料とフィルム表層との接着性も良好である。また、塗料に用いられる分散媒は、安全性の点から水が好ましい。
塗料へは必要に応じて、分散剤、帯電防止剤、消泡剤等公知の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明のポリプロピレン系光反射フィルムにおいて、フィルム表層に前記塗料を塗布して塗料層を形成させるには、塗布後適当な温度で乾燥させる必要がある。塗布方法は、格別限定されず、加熱・乾燥設備を備えたグラビアコーター等の公知の設備と方法を使用することができる。前記塗料の塗布量は特に限定されないが、固形分で0.1〜10g/mが好ましい。
本発明のポリプロピレン系光反射フィルムにおいては、フィルム表層の塗布面に対して前記塗料層が十分に接着することが必要である。そのため、フィルム表層の塗布面の濡れ性改良の方法として、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理等の公知の処理を行うことができる。
以下、実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。尚、以下実施例及び比較例で用いた評価方法は下記の通りである。
1)密度
光反射フィルム1m2当たりの重量を測定し、1cm2当たりに換算し、厚さcmで除した値。
2)光反射率
JIS Z 8722「色の測定方法−反射および透過物体色」に準じて、LCD−5200(商品名、大塚電子(株)製)を用いて、波長550nmでの光反射フィルム面の縦方向(MD)及び横方向(TD)の光反射率を測定した。条件は、45゜照明、0゜受光(JIS Z 8722規定 条件a(45−n))で測定し、下記の基準で判定した。尚、縦方向(MD)の光反射率とは、光が横方向(TD)から入射角45°でフィルム面に当たる場合の光反射率であり、横方向(TD)の光反射率とは、光が縦方向(MD)から入射角45°でフィルム面に当たる場合の光反射率である。
○:光反射率が90%以上で、縦及び横方向の異方差が5%以内(実用性満足)
×:光反射率が90%未満、又は縦及び横方向の異方差が5%より大(実用性不満足)
4)黄変
サンシャイン・ウェザー・メーター(スガ試験機(株)製、サンシャインカーボンアーク燈式耐候性試験機)にてブラックパネル温度63℃で150時間、スプレー水噴射なしで光反射フィルム面の耐候暴露試験を行い、分光式白色度計PF−10(商品名、日本電色工業(株)製)を用いて、ハンターLab表色系のb値の値を測定し、暴露後のb値と暴露前とのb値の差((暴露後のb値)−(暴露前のb値))を算出し、以下の基準で判定した。
○ :暴露後のb値と暴露前のb値の差が1未満(実用性満足)
× :暴露後のb値と暴露前のb値の差が1以上(実用性不満足)
[樹脂組成物(A)作成]
基層フィルム用の樹脂組成物(A)として、n−ヘプタン不溶部を96重量%含有するMFRが2g/10minの結晶性ポリプロピレン粉末に、フェノール系酸化防止剤BHTを0.03重量%、ラクトン系酸化防止剤を0.02重量%、リン系酸化防止剤を0.05重量%、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を0.2重量%、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.2重量%、ヒンダートアミン系光安定剤を0.8重量%、ステアリン酸カルシウムを0.1重量%、軟化点172℃のジシクロペンタジエン石油樹脂(以下、DCPDという)を10重量%、炭酸カルシウム(平均粒径1.0μm)を10重量%、及び二酸化チタン(平均粒径0.3μm)を5重量%の割合(各成分の合計で組成物(A)100重量%)となるように添加し、それをヘンシェルミキサー(商品名)に投入し混合攪拌した後に同方向回転型二軸押出機に供給し240℃で溶融混練してストランドとして押出し、これを冷却しカットしてペレット状の樹脂組成物(A)を得た。
[樹脂組成物(B)作成]
積層フィルムの表層フィルム用樹脂組成物(B)として、n−ヘプタン不溶部を96重量%含有するMFR2g/10minの結晶性ポリプロピレン粉末に、フェノール系酸化防止剤BHTを0.03重量%、ラクトン系酸化防止剤を0.02重量%、リン系酸化防止剤を0.05重量%、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を0.1重量%、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.1重量%、及びステアリン酸カルシウムを0.1重量%の割合(各成分の合計で組成物(B)100重量%)となるように添加し、それをヘンシェルミキサー(商品名)に投入し混合攪拌した後、同方向回転型二軸押出機に供給し240℃で溶融混練してストランドとして押出し、これを冷却しカットしてペレット状の樹脂組成物(B)を得た。
実施例1
[空洞含有積層延伸フィルム作成]
多層Tダイを備えた3種3層フィルム押出機(押出機は、口径65mmφ基層用単軸押出機が1台、口径50mmφの表層用単軸押出機が2台)及びテンター法二軸延伸機を用いて、前記の樹脂組成物(A)を基層用押出機に、前記の樹脂組成物(B)を表層用単軸押出機に供給し、Tダイ温度240℃で溶融し共押出を行い、表面温度30℃の鏡面冷却ロールで急冷して、表層/基層/表層の構成の(厚さ構成比1:4:1)2種3層の未延伸積層フィルムを得た。
得られた未延伸フィルムを縦延伸機に導き加熱ロール間で140℃の温度で縦方向(MD)に5倍延伸し、次にテンター内温度160〜210℃で横方向(TD)に8倍延伸した後、巻取り、合計厚さが190μmの空洞含有積層延伸フィルムであるポリプロピレン系光反射フィルムサンプルを得た。
[評価試験]
このサンプルを、24時間23℃、相対湿度50%の室内で状態調節した後、光反射率を評価し、次にサンシャインウエザーメーターによる63℃、150時間暴露後の黄変値を評価した。評価結果を表1に示す。
実施例2
樹脂組成物(A)のDCPD、炭酸カルシウム、および二酸化チタンを表1の樹脂組成物(A)の変動組成のごとく変更し、空洞含有積層延伸フィルム作成で縦方向(MD)に5倍延伸し、横方向(TD)の延伸を行わなかった以外は実施例1に準拠してポリプロピレン系光反射フィルムサンプルを得た。評価結果を表1に示した。
実施例3
[反射塗料層の作成]
二酸化チタンを含有した水系顔料分散体(二酸化チタン(平均粒径0.2μm)74重量%、ポリカルボン酸ナトリウム分散剤1重量%及び水25重量%の組成、固形分として74重量%含有)23重量%、バインダーとして水系アクリル重合体(固形分32重量%)を35重量%、水15重量%、イソプロピルアルコール20重量%、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルとスチレンスルホン酸ナトリウムを共重合してなる帯電防止剤(固形分22%)7重量%をホモジナイザー(商品名:(株)SMT製)で仕込んで、2分間分散させて得た塗料(固形分30重量%)を、バーコーターで塗布量が10g/mになるように、実施例1と同様にして得た空洞含有積層延伸フィルムの片面に塗布し、100℃で乾燥し硬化させて固形分として3g/mの(二酸化チタンを固形分として17重量%含有)反射塗料層を有するポリプロピレン系光反射フィルムサンプルを得た。それ以外は実施例1に準拠して実施した。評価結果を表1に示した。
実施例4
樹脂組成物(A)のDCPDと炭酸カルシウムを表1の樹脂組成物(A)の変動組成のごとく変更した以外は実施例1に準拠してポリプロピレン系光反射フィルムサンプルを得た。評価結果を表1に示した。
実施例5
反射塗料層の二酸化チタンの含有率を表1の値となるように変更した以外は実施例3に記載の方法に準拠してポリプロピレン系光反射フィルムサンプルを得た。評価結果を表1に示した。
実施例6
樹脂組成物(A)のDCPD、炭酸カルシウム、および二酸化チタンを表1の樹脂組成物(A)の変動組成のごとく変更し、樹脂組成物(B)による共押出を行わなかった以外は実施例1に準拠してポリプロピレン系光反射フィルムサンプルを得た。評価結果を表1に示した。
実施例7
空洞含有延伸フィルムを実施例6で得られたポリプロピレン系光反射フィルムサンプルにした以外は、実施例3に準拠して反射塗料層を有するポリプロピレン系光反射フィルムサンプルを得た。評価結果を表1に示した。
実施例8
樹脂組成物(A)のDCPD、炭酸カルシウム、および二酸化チタンを表1の樹脂組成物(A)の変動組成のごとく変更し、樹脂組成物(B)の二酸化チタンを表1の樹脂組成物(B)の変動組成のごとく変更した以外は実施例1に準拠してポリプロピレン系光反射フィルムサンプルを得た。評価結果を表1に示した。
実施例9
樹脂組成物(B)の二酸化チタンを表1の樹脂組成物(B)の変動組成のごとく変更した以外は実施例8に準拠してポリプロピレン系光反射フィルムサンプルを得た。評価結果を表1に示した。
比較例1
樹脂組成物(A)のDCPDと炭酸カルシウムを表1の樹脂組成物(A)の変動組成のごとく変更した以外は実施例1に準拠してポリプロピレン系光反射フィルムサンプルを得た。評価結果を表1に示した。
比較例2
反射塗料層の二酸化チタンの含有率を表1の値となるように変更した以外は実施例3に記載の方法に準拠してポリプロピレン系光反射フィルムサンプルを得た。評価結果を表1に示した。
比較例3
樹脂組成物(A)のDCPDと炭酸カルシウムの代わりに硫酸バリウムを表1の樹脂組成物(A)の変動組成のごとく添加した以外は実施例2に準拠してポリプロピレン系光反射フィルムサンプルを得た。評価結果を表1に示した。
比較例4
市販されている白色PET光反射フィルム(商品名;E60L、厚さ188μm、東レ(株)製)サンプルについての評価結果を表1に示した。
Figure 2006133742
液晶表示装置のバックライト等に使用される光反射フィルム等の用途に好適に使用できる。

Claims (9)

  1. 組成物(A)基準で、結晶性ポリプロピレン樹脂に対して、軟化点(環球法)160〜200℃のジシクロペンタジエン石油樹脂4〜56重量%、無機充填剤粉末4〜56重量%、かつ該ジシクロペンタジエン石油樹脂と無機充填剤粉末の合計で10〜60重量%が配合された樹脂組成物(A)からなる空洞を含有する光反射フィルムであり、空洞含有フィルムが樹脂組成物(A)からなる未延伸フィルムを、面積倍率4倍以上に少なくとも1軸方向に延伸されたポリプロピレン系光反射フィルム。
  2. 樹脂組成物(A)からなる空洞を含有する基層フィルムと、その片面もしくは両面に積層された結晶性ポリプロピレン樹脂組成物(B)からなる実質的に空洞を含有しない表層フィルムとを含む空洞含有積層延伸フィルムからなる光反射フィルムであり、空洞含有積層延伸フィルムが樹脂組成物(A)からなる未延伸フィルムの片面もしくは両面に樹脂組成物(B)からなるフィルムを積層した後、面積倍率4倍以上に少なくとも1軸方向に延伸された請求項1記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
  3. 樹脂組成物(A)及び樹脂組成物(B)に使用される結晶性ポリプロピレン樹脂のメルトマスフローレイトが0.5〜20g/10minである請求項1または2記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
  4. フィルム表面の光反射率(JIS Z 8722)が波長550nmにおいて90%以上で、フィルムの縦方向(MD)及び横方向(TD)の光反射率の差が5%以内である請求項1〜3のいずれか1項記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
  5. 樹脂組成物(B)からなる積層面の少なくとも片面が、平均粒径が0.05〜3μmである二酸化チタン微粒子を1〜50重量%含有する請求項2〜4のいずれか1項記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
  6. 少なくとも片面のフィルム上に、平均粒径が0.05〜3μmである二酸化チタン微粒子を5〜60重量%含有する塗料を塗工し乾燥してなる反射塗料層を設けた請求項1〜5のいずれか1項記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
  7. 表層フィルム上の反射塗料層の重量が0.1〜10g/mである請求項6記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
  8. サンシャインカーボンアーク燈式耐候性試験機を用いてブラックパネル温度63℃で150時間暴露試験した後のフィルム表面のハンターLab表色系のb値と、暴露試験前のフィルム表面のb値との差が1以下である請求項1〜7項のいずれか1項記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
  9. 密度が0.9g/cm以下である請求項1〜8項のいずれか1項記載のポリプロピレン系光反射フィルム。
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