本発明の白色フィルムは、内部に樹脂粒子を有し、該樹脂粒子を核材としてその周りに気泡が形成される層(S層)を有することが必要である。該樹脂粒子の周りに気泡を含有させることにより、高い反射特性を有する白色フィルムを、後述するように容易に製造することが可能である。ここで、核材として無機粒子を用いた場合は、同様に核材の周りに微細な気泡を多々形成することが可能ではある。しかしながら、無機粒子は樹脂に比べ不純物を含みやすく、不純物を含んだ無機粒子は僅かながらも光吸収性を有するため、フィルムの全体、もしくは主層に多量に含有させた場合、形成した白色フィルムの特性を十分に高めることが困難である。また、多くの場合、無機粒子は、粒子形状が球面状になりにくい為、均一な気泡を形成することが難しい。核材として樹脂粒子を用いることで、無機粒子を核材として用いる場合と比べて、光吸収性を抑え、形成した白色フィルムの反射効率をより高めることができるだけでなく、白色フィルムの軽量化が可能となる。
本発明の白色フィルムにおいて、気泡は独立した気泡であっても良いし、複数の気泡が連続しているものであっても良い。また、気泡形状は特に限定されないが、フィルムの白色性・光反射性はフィルムへ入射した光線が内部の気固界面(気泡と、マトリックス樹脂もしくは樹脂粒子からなる気固界面)にて反射されることによって発現されるため、フィルム厚み方向に多数の気固界面を形成させることが好ましい。フィルム厚み方向に多数の気固界面を形成させるためには、気泡の断面形状は、円状ないし、フィルム面方向に対して伸長されている楕円状であることが好ましい。なお、本発明においてマトリックス樹脂(「マトリックス」と略称することもある)とは、S層に含まれる樹脂であって、樹脂粒子以外の全樹脂を指す。
本発明の白色フィルムは、S層中に含まれる樹脂粒子の数平均粒径Dnが、1.5μm以下であることが必要である。ここでいう樹脂粒子の数平均粒径Dnとは、白色フィルムのS層断面内において観察される樹脂粒子の直径のことであり、形状が真円でない場合は同面積の真円に変換した値のことである。ここで、数平均粒径Dnは以下の1)〜4)の手順により求めることができる。
1)まず、ミクロトームを用いて、フィルム断面を厚み方向に潰すことなく切断し、走査型電子顕微鏡を用いて、拡大観察画像を得る。このとき、切断はフィルムTD方向(横方向)と平行方向になるよう行なう。
2)次いで、該画像中のS層の断面内に観察される粒径50nm〜10μmの範囲の各樹脂粒子について、その断面積Sを求めて、下記式(1)にて求められる粒径dを求める。
d=2×(S/π)1/2・・・(1)
(ただしπは円周率)。
3)得られた粒径dと、樹脂粒子の個数nを用いて、下記式(2)によりDnを求める。
Dn=Σd/n ・・・(2)
(但し、Σdは観察面内における樹脂粒子の粒径の総和、nは観察面内の樹脂粒子の総数)。
4)上記1)〜3)を、5箇所場所を変えて実施し、その平均値でもって、樹脂粒子の数平均粒径Dnとする。なお、観察点1箇所に付き、2500μm2以上の領域にて上記評価を実施する。
より好ましくは上述の方法にて求められた数平均粒径Dnが1.2μm以下、更に好ましくは1.0μm以下である。本発明の白色フィルムにおいて、樹脂粒子の数平均粒径Dnが1.5μmを上回ると、白色フィルム中に樹脂粒子を核とした気泡を数多く含有させることが困難となったり、粗大な気泡が形成される結果、フィルム厚み方向に多数の気固界面を形成させることが困難となる。そのため、白色フィルムとしての白色性、光反射特性、軽量性に劣り、また液晶表示装置に組み込んでも輝度特性に劣ることがあるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、S層中に含まれる樹脂粒子の数平均粒径Dnを1.5μm以下とすることによって、白色フィルムとしての高い反射特性を得ることができる。
ここで、本発明の白色フィルムにおいて、数平均粒径Dnを1.5μm以下とするためには、後述するように、1)予め粒径を制御した樹脂粒子を用いる、2)樹脂粒子として熱可塑性樹脂を用いる場合は内部に含有させる樹脂粒子の原料の溶融粘度とマトリックスの溶融粘度と所定範囲に制御する、3)所定のマトリックスと樹脂粒子の組み合わせを用いる、4)マトリックスに分散剤を含有せしめる、等の方法が挙げられる。
また、本発明の白色フィルムはS層中に該樹脂粒子を0.05個/μm2以上含有せしめることが必要である。本発明における樹脂粒子の個数とは後述する測定方法にて求められる個数である。より好ましくは0.08個/μm2以上、更に好ましくは0.10個/μm2以上、特に好ましくは0.11個/μm2以上、最も好ましくは0.12個/μm2以上である。本発明の白色フィルムにおいて、該樹脂粒子が0.1個/μm2未満であると、白色フィルム中に該樹脂粒子を核とした気泡を数多く含有させることが困難となったり、粗大な気泡が形成される結果、フィルム厚み方向に多数の気固界面を形成させることが困難となる。そのため、白色フィルムとしての白色性、光反射特性、軽量性に劣り、また液晶表示装置に組み込んでも輝度特性に劣ることがあるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、S層中の該樹脂粒子を0.05個/μm2以上含有させることによって、白色フィルムとしての高い反射特性を得ることができる。
ここで、本発明の白色フィルムにおいて、S層中に樹脂粒子を0.05個/μm2以上含有させるためには、後述するように、1)予め粒径を制御した樹脂粒子を用い、所定量添加する、2)樹脂粒子としてマトリックスと非相溶の熱可塑性樹脂を用いる場合は、内部に含有させる樹脂粒子の原料の溶融粘度とマトリックスの溶融粘度と所定範囲に制御し、樹脂粒子を微分散化させる、3)所定のマトリックスと樹脂粒子の組み合わせを用い樹脂粒子を微分散化させる、4)マトリックスに分散剤を含有せしめ、樹脂粒子を微分散化させる、5) 2)〜4)の方法により微分散化し、マトリックスに対して、樹脂粒子となる非相溶の熱可塑性樹脂を所定量以上の添加量を添加する等の方法が挙げられる。
また、本発明の白色フィルムは、S層中に含まれる樹脂粒子のうち、2μm以上の粒径を有する該樹脂粒子数の割合が、S層中の全樹脂粒子数に対して、15%以下となることが必要である。より好ましくは、12%以下、更に好ましくは10%以下、特に好ましくは8%以下である。本発明において、2μm以上の粒径を有する該樹脂粒子数の割合が15%を上回ると、白色フィルム中に該樹脂粒子を核とした気泡を数多く含有させることが困難となったり、粗大な気泡が形成される結果、フィルム厚み方向に多数の気固界面を形成させることが困難となる。そのため、白色フィルムとしての白色性、光反射特性、軽量性に劣り、また液晶表示装置に組み込んでも輝度特性に劣ることがあるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、S層中に含まれる該樹脂粒子のうち、2μm以上の粒径を有する該樹脂粒子の数の割合が15%以下となるように制御することによって、白色フィルムとしての高い反射特性を得ることができる。
ここで、本発明の白色フィルムにおいて、S層層中に含まれる樹脂粒子のうち2μm以上の粒径を有する該樹脂粒子の数の割合が15%以下とするためには、後述するように、1)予め粒径を制御した樹脂粒子を用いる、2)樹脂粒子がマトリックスと非相溶の熱可塑性樹脂の場合は、S層中の樹脂粒子の溶融粘度と、S層中のマトリックスの溶融粘度を所定範囲に制御する、3)所定のマトリックスと樹脂粒子の組み合わせを用いる、4)マトリックスに分散剤を含有せしめる、等の方法が挙げられる。
本発明の白色フィルムは上述の通り、フィルム厚み方向に多数の気固界面を形成させることが可能となり、従来の白色フィルムでは到達することができない高い反射特性を得ることができる。特に液晶表示用反射フィルム用として使用した場合は、光の利用効率を高くすることができ、その結果、従来の白色フィルムでは得ることができなかった高い輝度向上効果を得ることができる。
また、本発明の白色フィルムにおいて、S層中に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnの比Dv/Dnを1.7以下とすることが好ましい。ここでいう、該樹脂粒子の体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnの比Dv/Dnとは、以下の1)〜3)の手順によって得られる体積平均粒径Dvを用いて得られる値のことである。
1)まず、ミクロトームを用いて、フィルム断面を厚み方向に潰すことなく切断し、走査型電子顕微鏡を用いて、拡大観察画像を得る。このとき、切断はフィルムTD方向(横方向)と平行方向になるよう行なうものとする。
2)次いで、該画像中のS層の断面内に観察される各樹脂粒子について、その断面積Sを求めて、下記式(3)にて求められる粒径dを求める。
d=2×(S/π)1/2・・・(3)
(ただしπは円周率)。
3)得られた粒径dを用いて、下記式(4)においてDvをもとめる。
Dv=Σ[4/3π×(d/2)3×d]/Σ[4/3π×(d/2)3]・・・(4)
(ただしπは円周率)。
4)上記1)〜3)を、5箇所場所を変えて実施し、その平均値でもって、樹脂粒子の体積平均粒径Dvとする。なお、観察点1箇所に付き、2500μm2以上の領域にて上記評価を実施する。
体積平均粒径Dvを求め、前述の数平均粒径Dnとの比Dv/Dnを求めることによって、Dv/Dnが得ることができる。ここで得られたDv/Dnは樹脂粒子の粒径の広がりを表す値であり、この値が大きいほど、樹脂粒子の粒径の分布の広がりが大きいことを意味する。理論上の最下限値は1.0であり、この場合完全単分散であることを意味する。より好ましくはDv/Dnが1.6以下、更に好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.4以下である。本発明の白色フィルムにおいて、Dv/Dnが1.7を上回ると、白色フィルム中に粗大な気泡が形成される結果、該樹脂粒子を核とした気泡を均一に形成させることが困難となり、フィルム厚み方向に多数の気固界面を形成させることが困難となる。本発明の白色フィルムにおいて、S層中に含まれる樹脂粒子の体積平均粒径Dvと数平均粒径Dvとの比Dv/Dnを1.7以下とすることによって、フィルム内部に均一な気泡を形成することが可能となり、その結果、白色フィルムとしての高い反射特性を得ることができる。
本発明の白色フィルムは、マトリックスとなる樹脂に樹脂粒子となる非相溶の樹脂を分散させ、これをシート状に加工し、ついで、このシートを一軸、又は二軸に延伸することで得ることができる。
ここで、本発明の白色フィルムにおいて、樹脂粒子として用いられる非相溶の樹脂としては、その材質は熱可塑性樹脂、架橋性樹脂粒子、いずれでも構わない。樹脂粒子として熱可塑性樹脂を用いる場合、簡単な工程で作製することができ、コストの点から有利となる。一方、架橋性樹脂粒子を用いる場合は、熱可塑性樹脂を用いる場合に比べて工程が増える場合があるが、上述の範囲となるように予め形状を制御した樹脂粒子を用いることによって、上述の要件を満たす白色フィルムを容易に得ることができる。
本発明の白色フィルムは、S層中に樹脂粒子のほかに結晶性樹脂(A)含むことが好ましい。マトリックスとして、結晶性樹脂(A)を少なくとも含むことによって、延伸、熱処理により、S層を配向結晶化させることが可能となり、機械的強度、耐熱性に優れた白色フィルムとすることができる。ここで、結晶性樹脂とは、JIS K7122(1999)に準じて、昇温速度20℃/minで樹脂を25℃から300℃まで20℃/minの昇温速度で加熱(1stRUN)、その状態で5分間保持後、次いで25℃以下となるよう急冷し、再度室温から20℃/minの昇温速度で300℃まで昇温を行って得られた2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、結晶化に伴う発熱ピークが観察される樹脂のことである。より詳しくは、発熱ピークの面積から求められる結晶化エンタルピーΔHccが1J/g以上の樹脂を結晶性樹脂とする。本発明の白色フィルムにおいては、マトリックスを構成する樹脂のうち、結晶性樹脂が1種類である場合はその樹脂を結晶性樹脂(A)とする。また、マトリックスを構成する結晶性樹脂が複数含まれる場合は、結晶性樹脂のうち、主たる成分となる結晶性樹脂を結晶性樹脂(A)とする。本発明の白色フィルムにおいて、結晶性樹脂(A)は、好ましくは結晶化エンタルピーΔHccが5J/g以上、より好ましくは10J/g以上、更に好ましくは15J/g以上の樹脂を用いるのがよい。本発明の白色フィルムにおいて結晶性樹脂(A)の結晶化エンタルピーを上述の範囲とすることによって、延伸、熱処理による配向結晶化をより高める可能となり、その結果、より機械的強度、耐熱性に優れた白色フィルムとすることができる。
本発明の白色フィルムに用いられる結晶性樹脂(A)は上述の要件を満たすものが好ましいが、その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などが挙げられる。これらの中で共重合するモノマー種の多様性、およびそれによって材料物性の調整が容易であるなどの理由から、特にポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂またはこれらの混合物から選ばれる熱可塑性樹脂から主として形成されていることが好ましい。また、特に機械的強度、耐熱性等の点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂がより好ましい。ポリエステル樹脂をマトリックス樹脂として用いることにより、高い無着色性を維持しつつ、フィルムとしたときに高い機械強度を付与することができる。また、安価である。
ここで、結晶化エンタルピーは、結晶性樹脂(A)を構成する樹脂のモノマー種を適宜共重合させることによって調整可能である。例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環などの芳香族の骨格を主骨格に導入したり、樹脂に結晶化促進剤などを添加することによって、結晶化エンタルピーを高めることができる。また、シクロヘキサン骨格、ノルボルネン骨格などの脂環式骨格、ビスフェノール−A骨格、スピログリコール骨格、ビスフェノキシエタノールフルオレン等の傘高い骨格を主骨格に導入したりすることで、結晶化エンタルピーを下げることができる。
また、可塑剤や架橋剤などの導入によっても、結晶化エンタルピーの調整が可能である。例えば、可塑剤や架橋剤の添加量が多くなるほど結晶化エンタルピーを下げることができる。これらを適宜添加することによって、前述の条件範囲に満たすような樹脂としてもよい。
また、本発明の白色フィルムにおいては、マトリックスを構成する樹脂種が結晶性樹脂と非晶性樹脂との混合物であっても構わない。その場合、S層を構成する全樹脂(樹脂粒子を含む)を100重量%としたとき、S層のマトリックスを構成する結晶性樹脂(A)(結晶性樹脂が複数存在する場合は、全ての結晶性樹脂の合計重量)の割合を50重量%以上とするのが、耐熱性、機械的強度の点から好ましい。
本発明の白色フィルムにおいて、気泡を形成せしめる樹脂粒子はフィルムを構成する結晶性樹脂(A)に対して非相溶な樹脂(非相溶樹脂(B))であることが好ましい。非相溶性樹脂(B)とは、少なくとも結晶性樹脂(A)からなるマトリックスには相溶せず、かつマトリックス中に微分散する樹脂のことである。本発明の白色フィルムに於いて、マトリックス中に非相溶性樹脂を微分散させ、延伸することにより、その樹脂を核として、ボイド(気泡)が形成されることが好ましい。
本発明の白色フィルムに含まれる非相溶性樹脂(B)は、上述の要件を満たせば結晶性樹脂、非晶性樹脂どちらも用いることができる。ここで、結晶性樹脂とは、結晶性樹脂(A)の定義で述べたのと同様、JIS K7122(1999)に準じて得られた2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、結晶化に伴う発熱ピークが観察される樹脂のことである。より詳しくは、発熱ピークの面積から求められる結晶化エンタルピーΔHccが1J/g以上の樹脂を結晶性樹脂とする。また、非晶性樹脂とは結晶化に伴う発熱ピークが観察されない、もしくは観察されたとしても結晶化エンタルピーが1J/g未満の樹脂である。
ここで、非相溶性樹脂(B)が非晶性樹脂(B1)の場合は、該非晶性樹脂(B1)のガラス転移温度Tg1が170℃以上であることが好ましい。非晶性樹脂(B1)のガラス転移温度Tg1とは示差走査熱量測定(以下、DSC)により得られる、昇温過程(昇温速度:20℃/min)におけるガラス転移温度Tg1であり、JIS K−7121(1999)に基づいた方法により、前述の方法と同様に得られた2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、ガラス転移の階段状の変化部分において、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線とガラス転移の階段状の変化部分の曲線とが交わる点から求めた値である。より好ましくはガラス転移温度Tg1が180℃以上、更に好ましくは185℃以上である。
本発明の白色フィルムにおいて、非晶性樹脂(B1)のガラス転移温度Tg1が170℃に満たないと、寸法安定性を付与するためにフィルムに熱処理を実施した時に、核材である非相溶性樹脂(B1)が変形し、その結果、それを核として形成された気泡が減少・または消失して、反射特性が低下したりする場合がある。また、反射特性を維持しようとして、熱処理温度を低温化すると、その場合にフィルムの寸法安定性が低下する場合があるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、非晶性樹脂(B1)のガラス転移温度Tg1を170℃以上とすることによって、高い反射率と、寸法安定性を両立することが可能となる。
また本発明の白色フィルムにおいて、非晶性樹脂(B1)のガラス転移温度の上限は特に定められるものでないが、好ましくは結晶性樹脂(A)の融点Tm−5℃以下、より好ましくはTm−10℃以下、更に好ましくはTm−20℃以下がよい。本発明の白色フィルムにおいて、非晶性樹脂(B1)のガラス転移温度Tg1がTm−5℃を越えるとマトリックスとなる結晶性樹脂樹脂(A)と溶融混練する際、十分に非相溶性樹脂(B1)が軟化せずに微分散化が促進されないことが考えられるためである。
また、本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性樹脂(B)が結晶性樹脂(B2)の場合は、該結晶性樹脂(B2)の融点Tm2が170℃以上であることが好ましい。結晶性樹脂(B2)の融点Tm2とは、昇温過程(昇温速度:20℃/min)における融点Tmであり、JIS K−7121(1999)に基づいた方法により、25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱(1stRUN)、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下となるよう急冷し、再度室温から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って得られた2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおける結晶融解ピークにおけるピークトップの温度でもって、結晶性樹脂(B2)の融点Tm2とする。より好ましくは結晶性樹脂(B2)の融点Tm2が180℃以上、更に好ましくは185℃以上である。
本発明の白色フィルムにおいて、結晶性樹脂(B2)の融点Tm2が170℃に満たないと、寸法安定性を付与するためにフィルムに熱処理を実施した時に核材である非相溶性樹脂(B2)が融解し、その結果、それを核として形成された気泡が減少・または消失して、反射特性が低下したりする場合がある。また、反射特性を維持しようとして、熱処理温度を低温化すると、その場合にフィルムの寸法安定性が低下する場合があるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、結晶性樹脂(B2)の融点Tm2を170℃以上とすることによって、高い反射率と、寸法安定性を両立することが可能となる。
また、本発明の白色フィルムにおいて、結晶性樹脂(B2)の融点Tm2の上限は特に定められるものでないが、好ましくは結晶性樹脂(A)の融点Tm−5℃以下、より好ましくはTm−10℃以下、更に好ましくはTm−20℃以下がよい。本発明の白色フィルムにおいて、結晶性樹脂(B2)の融点Tm2がTm−5℃を越えるとマトリックスとなる結晶性樹脂(A)と溶融混練する際、十分に非相溶性樹脂(B2)が軟化せずに微分散化が促進されないことが考えられるためである。
本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性樹脂(B)は上述の要件を満たすものが好ましく、その具体例としては、共重合したポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンなどのような直鎖状、分鎖状あるいは環状のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスチレン、フッ素系樹脂などが挙げられる。これらの中で共重合するモノマー種の多様性、およびそれによって材料物性の調整が容易であるなどの理由から、特にポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂またはこれらの混合物から選ばれる熱可塑性樹脂から主として形成されていることが好ましい。これらの非相溶性樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の非相溶性樹脂を併用してもよい。
具体的には、マトリックスとしてポリエステル系の樹脂を用いた場合、非相溶性樹脂(B)としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、などが好ましく挙げられる。これらの中で、該非相溶樹脂(B)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンなどのような直鎖状、分鎖状あるいは環状のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、フッ素系樹脂などが好ましく用いられる。これらの非相溶性樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の非相溶性樹脂を併用してもよい。これらの中で、表面張力の小さなポリオレフィン系樹脂が、ボイド形成性に優れるという点で好ましく用いられる。具体的には、本発明の白色フィルムに含まれる非相溶性樹脂(B)が結晶性樹脂(B2)の場合は、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンが好ましく用いられる。ポリメチルペンテンは相対的にポリエステルとの表面張力差が大きくボイド形成性に優れ、添加量当たりの気泡形成の効果が大きいだけでなく、かつ融点が高いため、熱処理による変形が起こりにくいため、フィルム製造時に熱処理を充分施すことができ、その結果、形成されるフィルムの機械的強度、寸法安定性を高めることができるという特徴があるため、結晶性樹脂(B2)として特に好ましいものである。
ここで、ポリメチルペンテンとしては、分子骨格中に4−メチルペンテン−1からの誘導単位を好ましくは80モル%以上、より好ましくは85モル%以上、特に好ましくは90モル%以上含むものが好ましい。また、その他の誘導単位としては、エチレン単位、プロピレン単位、ブテン−1単位、3−メチルブテン−1、あるいは4−メチルペンテン−1以外で炭素数6〜12の炭化水素などが例示される。ポリメチルペンテンは単独重合体であっても共重合体であってもよい。また、組成や、溶融粘度などの異なる複数のポリメチルペンテンを用いたり、他のオレフィン系樹脂やその他樹脂と併用してもよい。
また、本発明の白色フィルムに用いる非相溶性樹脂(B)が、非晶性樹脂(B1)の場合、環状オレフィン共重合体が特に好ましく用いられる。環状オレフィン共重合体とは、シクロアルケン、ビシクロアルケン、トリシクロアルケン及びテトラシクロアルケンからなる群から選ばれた少なくとも1種の環状オレフィンと、エチレン、プロピレン等の直鎖オレフィンからなる共重合体である。かかる環状オレフィンの代表例としては、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、1−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−エチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−n−ブチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−i−ブチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、7−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、トリシクロ〔4,3,0,12.5 〕−3−デセン、2−メチル−トリシクロ〔4,3,0,12.5 〕−3−デセン、5−メチル−トリシクロ〔4,3,0,12.5 〕−3−デセン、トリシクロ〔4,4,0,12.5 〕−3−デセン、10−メチル−トリシクロ〔4,4,0,12.5 〕−3−デセン等がある。
特に、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン(ノルボルネン)やその誘導体が生産性・透明性・高Tg化が容易であるという点から好ましい。
本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性樹脂(B)が非晶性樹脂(B1)の場合、上述のような環状オレフィン共重合体を用いることにより、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど従来用いられてきた非相溶性樹脂以上に、フィルム中に微分散させることが可能となり、その結果、フィルム厚み方向に多数の気固界面を形成させることが可能となり、従来の白色フィルムでは到達することができない高い反射特性、白色性、隠蔽性を得ることができる。特に液晶表示用反射フィルム用として使用した場合は、光の利用効率を高くすることができ、その結果、従来の白色フィルムでは得ることができなかった高い輝度向上効果を得ることができる。
また、非晶性樹脂(B1)のガラス転移温度Tg1を前述の範囲に制御するためには、例えば環状オレフィン共重合体中の環状オレフィン成分の含有量を多くし、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量を少なくすることが挙げられる。具体的には、環状オレフィン成分は60モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量は40モル%未満であることが好ましい。より好ましくは、環状オレフィン成分は70モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量は30モル%未満、さらに好ましくは環状オレフィン成分が80モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量が20モル%未満である。特に好ましくは環状オレフィン成分が90モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量が10モル%未満である。かかる範囲にすることにより、環状オレフィン共重合体のガラス転移温度を前述の範囲のガラス転移温度Tg1まで高めることができる。
また、直鎖オレフィン成分は特に制限されるものではないが、反応性の観点からエチレン成分が好ましい。
さらに、環状オレフィン成分も特に制限されるものではないが、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン(ノルボルネン)やその誘導体が生産性・透明性・高Tg化の点から好ましい。
また上記の二成分の他に本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を共重合させることもできる。該共重合可能な不飽和単量体としては、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素原子数が3から20のα−オレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、シクロオクテン、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネル、テトラシクロドデセン、2−メチルテトラシクロドデセン、2−エチルテトラシクロドデセンなどを例示することができる。
本発明の白色フィルムにおいて、上述の非相溶性樹脂(B)は、S層を構成する全材料の合計を100重量%としたとき、5〜50重量%含有されていることが好ましい。好ましくは非相溶性樹脂(B)の添加量は10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上である。本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性樹脂(B)の添加量が5重量%未満であると、白色性や光反射特性に劣ることがある。一方、S層を構成する全材料の合計重量100重量%において50重量%を越えると、フィルムの強度が低下し、延伸時の破断が起こりやすくなることがある。含有量をかかる範囲内にすることにより、十分な白色性・反射性・軽量性を発現せしめることができる。
また、本発明において結晶性樹脂(A)がポリエステルの場合、マトリックスとして、結晶性樹脂(A)に、共重合成分を導入した共重合ポリエステル樹脂(C)を含有せしめてもよい。この場合共重合成分の量は、特に限定されないが、透明性、成形性等の観点および次に述べる非晶化の観点よりジカルボン酸成分およびジオール成分とも、それぞれの成分に対して好ましくは1〜70モル%であり、より好ましくは10〜40モル%である。
また、共重合樹脂(C)として、共重合により非晶性となったポリエステルを用いることは本発明の白色フィルムにおいて好ましい態様の一つである。非晶性としたポリエステルの例としては、ジオール成分の主成分が脂環族グリコールである共重合ポリエステル樹脂や、酸成分がイソフタル酸である共重合ポリエステル樹脂などが好適例として挙げられる。特に、ジオール成分を脂環族グルコールの一種であるシクロへキサンジメタノールとし、共重合した非晶性ポリエステルが透明性、成形性の点や後述する非相溶樹脂(B)の微分散化効果の点から好ましく用いることができる。その場合、共重合した非晶性ポリエステル樹脂のジオール成分のシクロヘキサンジメタノール成分が30モル%以上とすることが、非晶化の観点から好ましい。なかでも、ジオール成分の30〜40モル%をシクロヘキサンジメタノールとし、ジオール成分の60〜70モル%をエチレングリコールとし、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸を用いた、シクロへキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
かかる共重合した非晶性ポリエステルを添加することにより、マトリックス樹脂中での非相溶性樹脂(B)の分散をより安定にし、微分散させる効果がある。かかる効果が発現する詳細な理由は不明であるが、これにより、フィルム中に多数の気泡を生成せしめることができ、結果として高反射性、高白色性、軽量性を達成することができる。また、かかる非晶性ポリエステルを添加することにより、延伸性や製膜性を向上させることができる。
本発明の白色フィルムにおいて上記共重合樹脂(C)の含有量はS層のマトリックスを構成する全樹脂(樹脂粒子を含む)を100重量%とした場合、それに対して、5重量%以上50重量%未満であるのが好ましい。より好ましくは10重量%以上40重量%未満、更に好ましくは10重量%以上35重量%未満である。マトリックスに含まれる共重合樹脂(C)の含有量が10重量%に満たないと、非相溶性樹脂(B)をマトリックス中に微分散化するのが困難となる場合があるため好ましくない。また、共重合樹脂(C)の含有量が50重量%を超えると耐熱性が低下し、寸法安定性を付与するためにフィルムの熱処理を実施した時に、マトリックスが軟化し、その結果、気泡が減少・または消失して、反射特性が低下したりする場合がある。また、反射特性を維持しようとして、熱処理温度を低温化すると、その場合にフィルムの寸法安定性が低下する場合があるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、マトリックスを構成する全樹脂(樹脂粒子を含む)100重量%対する共重合樹脂(C)の添加量を上述の範囲に制御することによって、上述した非相溶成分の分散効果を十分に発揮させつつ、フィルム製膜性や機械特性を維持することができる結果、高い反射率と、寸法安定性を両立することが可能となる。
本発明の白色フィルムには、マトリックスに非相溶性樹脂(B)をより微分散させるために、マトリックスに前述した結晶性樹脂(A)および共重合樹脂(C)の他に、さらに分散剤(D)を添加することが好ましい。
分散剤(D)を添加することにより、非相溶性樹脂(B)の分散径をさらに小さくすることが可能となり、その結果、延伸により生成する扁平気泡をより微細化でき、結果的にフィルムの白色性、反射性、軽量性を高めることができるためである。
かかる分散剤(D)の種類は特に限定されないが、結晶性樹脂(A)がポリエステル系樹脂の場合、カルボキシル基やエポキシ基等の極性基やポリエステルと反応性のある官能基をもったオレフィン系の重合体または共重合体、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、界面活性剤および熱接着性樹脂等を用いることができる。もちろん、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
中でも、ポリエステル成分とポリアルキレングリコール成分からなるポリエステル-ポリアルキレングリコール共重合体(D1)が特に好ましい。
この場合、ポリエステル成分としては、炭素数が2〜6の脂肪族ジオール部分と、テレフタル酸および/またはイソフタル酸部分からなるポリエステル成分が好ましい。また、ポリアルキレングリコール成分としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の成分が好ましい。
特に好ましい組み合わせとしては、ポリエステル成分にはポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレートを、ポリアルキレングリコール成分にはポリエチレングリコールもしくはポリテトラメチレングルコールを用いた組み合わせである。中でも、ポリエステル成分にはポリブチレンテレフタレートを、ポリアルキレングリコール成分にはポリテトラメチレングルコールを用いた組み合わせ、もしくはポリエステル成分にはポリエチレンテレフタレートを、ポリアルキレングリコール成分にはポリエチレングリコールを用いた組み合わせが特に好ましい。
本発明で用いられる分散剤(D)の添加量は特に限定されるものではないが、S層のマトリックスを構成する全樹脂(樹脂粒子を含む)を100重量%としたとき、0.1〜30重量%が好ましく、より好ましくは2〜25重量%であり、さらにより好ましくは5〜20重量%である。添加量が0.1重量%より少ない場合、気泡を微細化する効果が小さくなることがあるため好ましくない。また、添加量が30重量%より多い場合には、耐熱性が低下し、寸法安定性を付与するためにフィルムの熱処理を実施した時にマトリックスが軟化し、その結果、気泡が減少・または消失して、反射特性が低下したりする場合がある。また、反射特性を維持しようとして、熱処理温度を低温化すると、その場合にフィルムの寸法安定性が低下する場合があるため好ましくない。また、生産安定性の低下やコスト上昇などの問題が発生することがあるため、好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、全マトリックス成分に対する分散剤の添加量を上述の範囲に制御することによって、上述した非相溶性樹脂(B)の分散効果を十分に発揮させつつ、フィルム製膜性や機械特性を維持することができる結果、高い反射率と、寸法安定性を両立することが可能となる。また、生産安定性の低下やコスト上昇などの問題を発生することがあるため好ましくない。
ここで、本発明の白色フィルムにおいては、結晶性樹脂(A)の融点Tm+20℃、剪断速度200sec−1における該結晶性樹脂(A)の溶融粘度η1(Pa・s)と非相溶性樹脂(B)の溶融粘度η2(Pa・s)が−0.3≦log10(η2/η1)≦0.55の関係にあることが好ましい。ここでいう、結晶性樹脂(A)の溶融粘度η1、非相溶性樹脂(B)の溶融粘度η2とは、JIS K−7199(1991)に準じた方法により、得られる値であり、以下の1)〜4)の手順で求められる値である。
1)該結晶性樹脂(A),非相溶性樹脂(B)それぞれについて、加水分解性を有する場合は水分含有率が50ppm以下となるように乾燥する。
2) 1)の樹脂を用いて、該結晶性樹脂(A)の融点Tm+20℃の温度にて、少なくとも三点以上の異なる剪断速度で、溶融粘度を測定する。
3)得られた値を横軸に剪断速度、縦軸に溶融粘度をそれぞれ対数プロットし、得られたプロットから累乗近似曲線を求める。
4)得られた累乗近似曲線から剪断速度200sec−1での溶融粘度を求める。
ここで、樹脂の乾燥方法としては、熱風オーブンや、ホットプレート、赤外線などによる加熱乾燥や、真空乾燥、凍結乾燥などの公知の方法や、それらを組み合わせた方法を用いればよい。なお、乾燥後、吸湿を防ぐために、測定直前まで乾燥を実施し、乾燥終了後直ちに測定を実施する。もし乾燥直後の測定が不可能な場合は、測定直前まで、デシケーターや、保管庫などで、乾燥条件下、乾燥窒素条件下、真空条件下など、吸湿しない条件下で試料を保管する。
また、結晶性樹脂(A)の融点Tmとは示差走査熱量測定(以下、DSC)により得られる、昇温過程(昇温速度:20℃/min)における融点Tmであり、JIS K−7121(1999)に基づいた方法により、25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱(1stRUN)、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下となるよう急冷し、再度室温から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って得られた2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおける結晶融解ピークにおけるピークトップの温度でもって、結晶性樹脂の融点Tmとする。
本発明の白色フィルムにおいて、上述の方法にて求められた、該結晶性樹脂(A)の融点Tm+20℃、剪断速度200sec−1における該結晶性樹脂(A)の溶融粘度η1(Pa・s)と非相溶性樹脂(B)の溶融粘度η2(Pa・s)が−0.3≦log10(η2/η1)≦0.55の範囲とすることが好ましい。より好ましくは、−0.2≦log10(η2/η1)≦0.5、更に好ましくは−0.1≦log10(η2/η1)≦0.45、特に好ましくは0≦log10(η2/η1)≦0.40である。log10(η2/η1)が0.55を上回ると、非相溶性樹脂(B)の粘度が高すぎて、混練時に非相溶性樹脂(B)に十分な剪断をかけることが困難となり、分散径を微細化するのが困難になることがある。また、log10(η2/η1)が−0.3を下回ると、非相溶性樹脂(B)の粘度が低すぎて非相溶性樹脂(B)を結晶性樹脂(A)を含むマトリックスに混練すること自体が困難となることがある。本発明の白色フィルムにおいて、log10(η2/η1)を−0.3≦log10(η2/η1)≦0.55の範囲に制御することで、混練性と微分散性とを両立することが可能となる。
また、本発明の白色フィルムにおいては、該結晶性樹脂(A)の融点Tm+20℃、剪断速度200sec−1における該結晶性樹脂(A)の溶融粘度η1(Pa・s)と非相溶性樹脂(B)の溶融粘度η2(Pa・s)が0.5≦log10(η2)/log10(η1)≦1.3の関係とすることが好ましい。より好ましくは、0.8≦log10(η2)/log10(η1)≦1.3、さらに好ましくは0.9≦log10(η2)/log10(η1)≦1.25、特に好ましくは0.95≦log10(η2)/log10(η1)≦1.20、最も好ましくは0.95≦log10(η2)/log10(η1)≦1.15がよい。log10(η2)/log10(η1)が1.3を上回ると、非相溶性樹脂(B)の粘度が高すぎて、混練時に非相溶性樹脂(B)に十分な剪断をかけることが困難となり、分散径を微細化するのが困難になることがある。またlog10(η2)/log10(η1)が0.5を下回ると、非相溶性樹脂(B)の粘度が低すぎて非相溶性樹脂(B)を結晶性樹脂(A)を含むマトリックスに混練すること自体が困難となることがある。log10(η2)/log10(η1)を0.5≦log10(η2)/log10(η1)≦1.3の範囲に制御することで、混練性と微分散性とを両立することが可能となる。
ここで、本発明の白色フィルムにおいて、樹脂粒子として熱可塑性樹脂を用いる場合、結晶性樹脂(A)の融点Tm+20℃、剪断速度200sec−1におけるでの該結晶性樹脂(A)の溶融粘度η1(Pa・s)と非相溶性樹脂(B)の溶融粘度η2(Pa・s)差η2―η1を−300〜1000Pa・sとすることが好ましい。
より好ましくはη2−η1が−200〜800Pa・s、更に好ましくは−100〜700Pa・s、特に好ましくは−50〜600Pa・sである。η2−η1が1000Pa・sを越えると、非相溶性樹脂(B)の粘度が高すぎて、マトリックス中に微分散させることが困難となったり、結晶性樹脂(A)の粘度が低すぎて形成したシートの機械的強度が低下する場合があるため好ましくない。またη2−η1が−300Pa・sを下回ると、非相溶性樹脂(B)の粘度が低すぎて結晶性樹脂(A)を含むマトリックスに混練すること自体が困難となったり、結晶性樹脂(A)の粘度が高すぎて、押出が困難となり、シート化することが困難となる場合がある。本発明の白色フィルムにおいて、結晶性樹脂(A)のη1と非相溶性樹脂(B)の溶融粘度η2の差η2―η1を−300〜1000Pa・sとすることによって、混錬性、微分散性、製膜性、形成したフィルムの機械的強度を両立することができる。
また、結晶性樹脂(A)の溶融粘度η1を50〜3000Pa・sとすることが好ましい。より好ましくは80〜2000Pa・s、さらに好ましくは100〜1000Pa・sである。η1が3000Pa・sを上回ると、その重合が困難となったり、重合ができたとしてもその樹脂の粘度が高すぎて、押出が困難となることがある。またη2が50Pa・sを下廻ると、混練時に剪断がかかりにくくなり、粗大粒子が残りやすくなったり、また、製膜時に気泡を噛み込みやすくなり、シート化が困難となったり、シート化できたとしても、その機械的強度が低下したりする場合がある。本発明の白色フィルムにおいて、該結晶性樹脂(A)の溶融粘度η1を50〜3000Pa・sとすることによって、白色フィルムの製膜性と機械的強度を両立することができる。
また、上述の結晶性樹脂(A)の溶融粘度η1を、300Pa・s以上とするとより分子鎖の絡まり合いが強くなり製膜性がより製膜時に破れが少なく、製膜性良好に白色フィルムを製膜できる。また、溶融粘度を400Pa・s以下とすると、延伸時の内部応力が残りにくくなるため、より熱収縮率の低い白色フィルムとすることができる。
また、非相溶性樹脂(B)の溶融粘度η2を10〜2000Pa・sとすることが好ましい。より好ましくは20〜1500Pa・s、更に好ましくは20〜1000Pa・s、特に好ましくは50〜800Pa・sである。η2が2000Pa・sを上回ると、結晶性樹脂(A)の溶融粘度η1と結晶性樹脂(B)η2を上述の粘度関係にするために、結晶性樹脂(A)の粘度を高める必要があり、その重合が困難となったり、重合ができたとしてもその樹脂の粘度が高すぎて、押出が困難となることがある。またη2が10Pa・sを下回ると、上述の結晶性樹脂(A)の溶融粘度η1と該結晶性樹脂(B)η2の関係を満たすためには、結晶性樹脂(A)の粘度を低くする必要があり、製膜時に気泡を噛み込みやすくなり、シート化が困難となったり、シート化できたとしても、その機械的強度が低下したりする場合があるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性樹脂(B)の溶融粘度η2を10〜2000Pa・sとすることによって、白色フィルムの製膜性と機械的強度を両立することができる。
本発明の白色フィルムには、必要に応じて本発明の効果が損なわれない量での適宜な添加剤、例えば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、有機系の易滑剤、有機系微粒子、充填剤、核剤、染料、分散剤、カップリング剤等が配合されていてもよい。
本発明の白色フィルムは、結晶性樹脂(A),非相溶性樹脂(B)、共重合樹脂(C)、分散剤(D)を溶融混練後、シート状に加工し、二軸延伸することによって得ることができる。
本発明の白色フィルムはS層のみからなる白色フィルム単体であっても良いが、該S層(以下、S層をA層ということもある)の少なくとも片側に、A層とは異なる層(B層)を積層させるのも、好ましい態様の一つである。かかる他の機能の層を有する層を積層することにより、反射光の光拡散性を制御したり、高い機械的強度をフィルムに付与したり、製膜性を付与したり、その他付随する機能を有することができる。その積層構造はA層/B層であってもB層/A層/B層であってもどちらでも構わない。
本発明の白色フィルムが積層構造である場合、表面すべり性や製膜時の走行耐久性を高めるために、各種粒子を添加することが好ましい。このとき、積層したB層には、有機もしくは無機の微粒子、あるいは非相溶性樹脂を含有させることができる。これらの中で、フィルムの巻取り性、長時間の製膜安定性、経時での安定性や、光学特性向上などの点で、無機系微粒子を含有せしめることが特に好ましい。前述の通り、無機粒子は吸収等が樹脂粒子などに比べて大きいため、フィルム全体や主層(A層)に大量に用いるとその吸収効果により、高反射特性を得ることが困難である。しかしながら、B層として表面に薄く形成することで、吸収を極力抑えながら各種特性を付与することができる。無機系微粒子の例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、リン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウムおよびフッ化カルシウム等を挙げることができる。
該無機系微粒子は気泡形成性を有していても、有していなくてもよい。気泡形成性は、マトリックスを構成する樹脂(ポリエステル系樹脂)との表面張力差や、無機系微粒子の平均粒子径や凝集性(分散性)などにも依存するが、前述の無機系微粒子中で気泡形成性を有する代表的なものとしては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウムなどである。気泡形成性のある粒子を用いた場合、フィルムの製造時に少なくとも1方向に延伸することによって、積層した層にも気泡を含有させることができ、その結果、反射特性が向上することがあるためより好ましい。一方、気泡形成性を有しない無機系微粒子とは、主にマトリックスを構成する樹脂(ポリエステル系樹脂)との屈折率差によってフィルムを白色化せしめるものであって、その代表例は、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウムなどであり、これらを用いた場合、白色フィルムの隠蔽性を向上させることができる。
これらの無機系微粒子は、単独でも2種以上を併用してもよい。また、多孔質や中空多孔質等の形態であってもよく、さらには本発明の効果を阻害しない範囲内において、樹脂に対する分散性を向上させるために、表面処理が施されていてもよい。
また、本発明に使用される無機系微粒子は、B層中での平均粒子径が0.05〜3μmであることが好ましく、より好ましくは0.07〜1μmである。無機系微粒子の平均粒子径が上記範囲外である場合、凝集などによる無機系微粒子の均一分散性不良、あるいは粒子自身によってフィルム表面の光沢または平滑性が低下する場合がある。
また、B層中における無機系微粒子の含有量は、特に限定されないが、1〜35重量%が好ましく、より好ましくは2〜30重量%、さらには3〜25重量%の範囲にあることが特に好ましい。含有量が上記範囲より少ない場合には、フィルムの白色性、隠蔽性(光学濃度)などの特性を向上させることが難しくなることがあり、逆に、含有量が上記範囲より多い場合にはフィルム表面の平滑性が低下しやすくなるだけでなく、延伸時にフィルム破れや後加工の際に粉発生等の不都合を生じる場合がある。
本発明の白色フィルムの厚みは10〜500μmが好ましく、20〜300μmがより好ましい。また、S層の厚みも、同様に、10〜500μmが好ましく、20〜300μmであることがより好ましい。厚みが10μm未満の場合、フィルムの平坦性を確保することが困難となり、面光源として用いた際に、明るさにムラが生じやすい。一方、500μmより厚い場合、光反射フィルムとして液晶ディスプレイなどに用いた場合、厚みが大きくなりすぎることがある。
また、本発明の白色フィルムが積層フィルムである場合、その表層部/内層(S層)部の厚み比率は1/200〜1/3が好ましく、1/50〜1/4がより好ましい。表層部/内層(S層)部/表層部の3層積層フィルムの場合、該比率は両表層部の合計/内層(S層)部で表される。
本発明の白色フィルムに、易接着性や帯電防止性等を付与するために、周知の技術を用いて種々の塗液を塗布したり、耐衝撃性を高めるためにハードコート層や、耐紫外線性を有するための耐紫外線層、難燃性付与のための難燃層など、更に別の機能を有する層(C層)を設けても良い。
ここで、塗布の手段としては、例えばグラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコート、ディッピングなどの方法を用いることができる。特にマイクログラビアロールを用いたキスコートで塗布する方法が、塗布外観や光沢度の均一性に優れており好ましい。また、塗布後に塗布層を硬化する場合、その硬化方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、熱硬化、あるいは紫外線、電子線、放射線などの活性線を用いる方法、さらにはこれらの組み合わせによる方法などが適用できる。このとき、架橋剤などの硬化剤を併用することが好ましい。また、塗布層を設ける方法としては、白色フィルム製造時に塗布(インラインコーティング)してもよいし、結晶配向完了後の白色フィルム上に塗布(オフラインコーティング)してもよい。
塗布層(C層)には、塗布層の滑り性改良や、耐ブロッキング性付与、光沢度調整などのために微粒子を含有するのが好ましい。その例として、無機微粒子や有機微粒子などを使用することができる。かかる無機微粒子としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、レニウム、バナジウム、オスミウム、コバルト、鉄、亜鉛、ルテニウム、プラセオジウム、クロム、ニッケル、アルミニウム、スズ、亜鉛、チタン、タンタル、ジルコニウム、アンチモン、インジウム、イットリウム、ランタニウム等の金属、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セシウム、酸化アンチモン、酸化スズ 、インジウム・スズ酸化物、酸化イットリウム 、酸化ランタニウム 、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム 、酸化ケイ素等の金属酸化物、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム 、フッ化アルミニウム 、氷晶石等の金属フッ化物、リン酸カルシウム等の金属リン酸塩、炭酸カルシウム等の炭酸塩、硫酸バリウム等の硫酸塩、その他タルクおよびカオリンなどを用いることができる。また、有機微粒子としては、シリコーン系化合物、架橋スチレンや架橋アクリル、架橋メラミンなどの架橋微粒子の他、塗布層を構成する熱可塑性樹脂に対して非相溶だが、微分散して海島構造を形成する熱可塑性樹脂も微粒子として用いることもできる。有機および/または無機粒子の粒径(数平均粒径)は0.05〜15μmが好ましく、0.1〜10μmであることが好ましい。また含有量としては、紫外線吸収能を有する塗布層の乾燥重量に対して5〜50重量%が好ましく、より好ましくは6〜30重量%、更に好ましくは7〜20重量%である。含有する粒子の粒径を上記の範囲とすることで、粒子の脱落を防止し、かつ表面の光沢度を調整できるため好ましい。
本発明の白色フィルムは、一般的に、白色度が高い方が好ましく、また、黄味より青みがかった色目の方が好ましい。この点を考慮して白色フィルム中および/または塗布層中に蛍光増白剤を添加することが好ましい。
蛍光増白剤としては市販のものを適宜使用すればよく、たとえば、“ユビテック”(チバガイギ−社製)、OB−1、(イーストマン社製)、TBO(住友精化社製)、“ケイコール”(日本曹達社製)、“カヤライト”(日本化薬社製)、“リューコプア”EGM(クライアントジャパン社製)などを用いることができる。蛍光増白剤のフィルム中の含有量は、0.005〜1重量%が好ましく、より好ましくは0.007〜0.7重量%、さらには0.01〜0.5重量%の範囲内であることが特に好ましい。0.005重量%未満では、その効果が小さく、1重量%を越える場合には、逆に黄味を帯びてくることがある。白色フィルムが積層フィルムの場合には、蛍光増白剤は表層部に添加することが、より有効である。
また、本発明の白色フィルムは、白色フィルム中および/または塗布層中に耐光剤を含有していてもよい。ここでいう耐光剤とは、紫外線吸収能を有するもののことであって、これを白色フィルム中および/または塗布層中に含有することで、フィルムの紫外線による色調変化が防止される。好ましく使用される耐光剤としては、他の特性が損なわれない範囲であれば特に限定されないが、耐熱性に優れ、マトリックスとなる樹脂との相性が良く均一分散できると共に、着色が少なく樹脂およびフィルムの反射特性に悪影響を及ぼさない耐光剤を選択することが望ましい。このような耐光剤としては、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系等の紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系等の紫外線安定剤などが挙げられる。具体的には、例えば、サリチル酸系のp−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、ベンゾフェノン系の2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、ベンゾトリアゾール系の2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、シアノアクリレート系のエチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート)、その他として、およびトリアジン系として2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどが挙げられる。
また、紫外線安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系のビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、それ他として、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、および2,4−ジ・t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ・t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられる。これら耐光剤の中でも、ポリエステルとの相溶性に優れる、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールの適用が好ましい。上記耐光剤は、単独でも2種類以上の併用であってもよい。
本発明の白色フィルムにおける耐光剤の含有量は、耐光剤を含有する層に対して0.05〜10重量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%であり、さらに好ましくは0.15〜3重量%である。耐光剤の含有量が0.05重量%未満の場合には、耐光性が不十分で、長期保管時の色調変化が大きくなり、また、耐光剤の含有量が10重量%を超える場合には、耐光剤による着色により、フィルムの色目が変わることがある。
ここで、紫外線吸収能を有する層は、本発明の白色フィルムが単層である場合は、そのフィルム内に紫外線吸収剤を含有させることで、フィルム全体に紫外線吸収能を付与させても良いし、フィルムの少なくとも片側に紫外線吸収剤を含む塗布層(C層)を形成しても良い。また、白色フィルムが積層構造である場合は、本発明の白色フィルムからなるA層、またはその表層に設けたB層、のいずれかの層が紫外線吸収剤を含有し、紫外線吸収能を付与させてもよいし、フィルムの少なくとも片側に紫外線吸収剤を含む塗布層(C層)を形成しても良い。また、該紫外線吸収能を有する層は単層であっても複数の層であってもよいが、複数の層の場合には、そのいずれかの層が紫外線吸収剤を含有する層であり、好ましくは2層以上が紫外線吸収剤を含有する層であることが、耐候性保持の点で望ましい。
該紫外線吸収能を有する層が白色フィルム(A層)またはその表層に設けた(B層)の場合、そのマトリックスを構成する樹脂に紫外線吸収剤を含有あるいは共重合させればよい。また、該紫外線吸収能を有する層が塗布層(C層)の場合は、塗布層(C層)を構成する熱可塑性、熱硬化性、活性性硬化型樹脂などの樹脂成分中に紫外線吸収剤を含有あるいは共重合させればよい。また、塗布層の場合は架橋性を有する紫外線吸収モノマーを含有させ、塗布後架橋することで塗布層を形成させることも好ましく行われる。
紫外線吸収剤の例としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、シアノアクリレート系、サリチル酸エステル系、ベンゾエート系あるいは無機系の紫外線遮蔽剤等を樹脂中に含有あるいは共重合させたものを積層することによって得ることが出来る。中でも塗布層(C層)を形成する場合はベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤がより好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、添加時にポリマーとなっているもの、モノマーで塗布乾燥工程において架橋可能なもの、いずれも好ましく用いられる。ベンゾトリアゾール系骨格を有するモノマーとしては、基本骨格にベンゾトリアゾールを有し、かつ不飽和二重結合を有するモノマーであればよく、特に限定されないが、好ましいモノマーとしては2−(2’−ヒドロキシ−5’−アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾールが好ましい。これらのモノマーと共重合されるアクリルモノマーおよび/またはオリゴマーとしては、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、および架橋性官能基を有するモノマー、例えば、カルボキシル基、メチロール基、酸無水物基、スルホン酸基、アミド基、アミノ基、水酸基、エポキシ基などを有するモノマーを例示することができる。
本発明の白色フィルムにおいて好ましく用いられる紫外線吸収能を有する塗布層(C層)において、上記アクリル系モノマーおよび/またはオリゴマーの1種あるいは2種以上を任意の比率で共重合させてもよいが、好ましくは、メチルメタクリレートあるいは、スチレンがアクリルモノマーの20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上重合されていることが、積層膜の硬さの点で好ましい。ベンゾトリアゾール系モノマーとアクリル系モノマーとの共重合比は、ベンゾトリアゾール系モノマーの比率が10重量%以上70重量%以下、好ましくは20重量%以上65重量%以下、さらに好ましくは25重量%以上60重量%以下であることが、耐久性や基材フィルムとの密着性の点で好ましい。該共重合ポリマーの分子量は特に限定されないが、好ましくは5000以上、さらに好ましくは10000以上であることが、塗布層の耐久性の観点で好ましい。該共重合体の作製は、例えばラジカル重合などの方法によって得ることが出来、特に限定されるものではない。上記共重合体は、有機溶剤あるいは水分散体として基材フィルムの上に積層されるが、その厚みは、通常0.5〜15μmであり、好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは1〜5μmの範囲内であることが、耐光性の点で特に好ましい。
本発明の白色フィルムにおける紫外線吸収能を有する塗布層(C層)中には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤を添加することが出来る。添加剤としては、例えば、蛍光増白剤、架橋剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、カップリング剤などを用いることができる。
本発明の白色フィルムは上述の構成からなるものであるが、該白色フィルムの全光線透過率が2.5%以下であることが好ましい。より好ましくは2.3%以下、更に好ましくは2.0%以下である。なお、ここでいう透過率とは、JIS−7361(1997)に基づいて測定された値である。本発明の白色フィルムにおいて、透過率を2.0%以下とすることによって、裏面への光抜けを抑えることができる結果、白色性、反射特性に優れた白色フィルムとすることができ、特に液晶表示装置用として用いた場合に高い輝度向上効果を得ることができる。
また、本発明の白色フィルムは相対反射率が100%以上であることが好ましい。より好ましくは100.5%以上、更に好ましくは101%以上である。ここでいう、相対反射率とは、内面が硫酸バリウム製の積分球、10°傾斜スペーサーを備えた分光光度計、標準白色板として酸化アルミニウムを用いて、入射角10°で光を入射させたときの反射率を波長560nmで測定し、標準白色板の反射率を100%としたときの相対反射率のことである。本発明の白色フィルムにおいて、相対反射率を100%以上とすることによって、白色性、反射特性に優れた白色フィルムとすることができ、特に液晶表示装置用として用いた場合に高い輝度向上効果を得ることができる。
ここで、本発明の白色フィルムの全光線透過率、相対反射率を上述の範囲に調整するためには、1)S層内部の樹脂粒子の分散径、密度を前述の範囲に制御する、2)S層の厚みを厚くする、などによって得ることができる。ここで、従来の白色フィルムでは、相対反射率を上述の範囲に調整するためには2)のフィルム厚みを厚くする方法しかなかった。本発明の白色フィルムにおいては、フィルム内部の樹脂粒子の分散径、密度を前述の範囲に制御することによって、従来の白色フィルムでは達成し得ない、より薄膜で高隠蔽性能、高反射性能を有する白色フィルムとすること可能となる。
具体的には、本発明の白色フィルムは上述の透過率、反射率を厚み300μm以下で満たすことが好ましい。より好ましくは厚み250μm以下で満たすことが好ましく、更には厚み225μm以下で満たすことが好ましい。本発明の白色フィルム、上述の厚みで透過率、反射率を満たすことによって、より薄膜で高反射性能を有する白色フィルムとすることができる。その結果、例えば液晶ディスプレイの反射部材として用いた場合に高い輝度向上効果と、ディスプレイの薄膜化の両立が達成できる。
本発明の白色フィルムの比重は1.2以下が好ましい。ここでいう比重とはJIS K7112(1980版)に基づいて求めた値である。より好ましくは1.1以下、更に好ましくは1.0以下である。比重が1.2を越える場合には気層の占有率が低すぎて反射率が低下し、面光源用の反射板として用いた場合に、輝度が不十分になる傾向にあるため好ましくない。なお、比重の下限は好ましくは0.3以上、より好ましくは0.4以上である。0.3未満の場合にはフィルムとしての機械的強度が不十分であったり、折れやすく取り扱い性に劣るなどの問題が生じる場合がある。
次に、本発明の白色フィルムの製造方法について、その一例を説明するが、本発明は、かかる例のみに限定されるものではない。
前述の粘度関係にある結晶性樹脂(A)のチップと該結晶性樹脂(A)に対してと非相溶な樹脂である樹脂粒子(非相溶樹脂(B))を含む混合物を、必要に応じて十分真空乾燥を行い、押出機(主押出機)を有する製膜装置の加熱された押出機に供給する。非相溶性樹脂(B)の添加は、事前に均一に溶融混練して配合させて作製されたマスターチップを用いても、もしくは直接混練押出機に供給するなどしてもよい。また、樹脂粒子が架橋性樹脂粒子の場合は、予め非相溶性樹脂(B)以外の成分を粉砕したものを用いるのが均一混練性という点からより好ましい。
また、本発明の白色フィルムが積層フィルムである場合は、上記主押出機のほかに副押出機を有する複合製膜装置を用い、必要に応じて十分な真空乾燥を行った熱可塑性樹脂のチップ、無機粒子および蛍光増白剤等を加熱された副押出機に供給して共押出し積層する。
また、溶融押出に際してはメッシュ40μm以下のフィルターにて濾過した後に、Tダイ口金内に導入し押出成形により溶融シートを得ることが好ましい。
この溶融シートを表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸フィルムを作製する。該未延伸フィルムを70〜120℃の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に3〜4倍延伸し、20〜50℃の温度のロール群で冷却する。
続いて、フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、90〜150℃の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向に直角な方向(幅方向)に3〜4倍に延伸する。
延伸倍率は、長手方向と幅方向それぞれ3〜5倍とするが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は9〜15倍であることが好ましい。面積倍率が9倍未満であると、得られる二軸延伸フィルムの反射率や隠蔽性、フィルム強度が不十分となり、逆に面積倍率が15倍を超えると延伸時に破れを生じ易くなる傾向がある。
得られた二軸延伸フィルムの結晶配向を完了させて、平面性と寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて150〜240℃の温度で1〜30秒間の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却し、その後必要に応じて、他素材との密着性をさらに高めるためにコロナ放電処理などを行い、巻き取ることにより、本発明の白色フィルムを得ることができる。上記熱処理工程中では、必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。
尚、一般に熱処理温度が高いほど、高い熱寸法安定性も高くなるが、本発明の白色フィルムは製膜工程において高温(190℃以上)で熱処理されることが好ましい。本発明の白色フィルムは一定の熱寸法安定性を有することが望まれるためである。本発明の白色フィルムは液晶ディスプレイなどに搭載されている面光源(バックライト)の反射フィルムとして用いられることがある。バックライトによってはバックライト内部の雰囲気温度が100℃程度まで上昇することがあるためである。
特に、非晶性樹脂(B1)のガラス転移温度Tg1、および/または結晶性樹脂(B2)の融点Tm2を上述の温度範囲にすることにより、高温下での熱処理でも、ボイド核剤たる環状オレフィン共重合体がより熱変形せずに(潰れずに)、しっかりとした気泡を維持することができ、結果として、高白色性・高光反射性・軽量性を維持しつつ、熱寸法安定性に優れたフィルムを得ることができるため好ましい。
また、二軸延伸の方法は逐次延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよいが、同時二軸延伸法を用いた場合は、製造工程のフィルム破れを防止できたり、加熱ロールに粘着することによって生ずる転写欠点が発生しにくい。また二軸延伸後に長手方向、幅方向いずれかの方向に再延伸してもよい。
このようにして得られた白色フィルムに必要により塗布層(C層)を設ける場合は、マイクログラビア版、キスコート、スリットダイ、メタリングバー等にて塗液を塗布し、80〜140℃にて乾燥を行うことにより得ることができる。また、必要に応じて、紫外線照射や、熱処理などを行い、塗布層を硬化する。塗布方法としては、白色フィルムの製膜中に塗設するインラインコーティング法、製膜後の白色フィルムに塗設するオフラインコーティング法があげられ、どちらでも用いることが出来る。インラインコーティング法においては、白色フィルムと同時にできて効率的であり、かつ白色フィルムへの接着性が高いという理由で好ましく、また、オフラインコーティング法は、塗布層を厚膜形成しやすいという点で好ましい。また、塗設する際には、塗布液の支持体上への濡れ性向上、接着力向上の観点からポリエステルフィルム表面へコロナ処理なども好ましく行われ、オフラインコーティングの場合には、なお、塗布層(C層)を形成する前に、易接着層や帯電防止層を設ける等の前処理を施しても良い。
本発明の白色フィルムには、電磁波遮蔽性や折り曲げ加工性付与などの目的で、フィルム表面に、アルミニウム、銀などをの金属層を金属蒸着や貼り合わせなどの手法によって加えてもよい。
本発明の白色フィルムは、光反射のために面光源に組込まれる板状材として好ましく用いられる。具体的には、液晶画面用のエッジライトの反射板、直下型ライトの面光源の反射板、および冷陰極線管の周囲のリフレクター、等に好ましく用いられる。
以上を纏めると、本発明において、最も好ましいS層の原料組成は以下のとおりである。
(1)主たるマトリックス樹脂として、結晶性樹脂(A)であるポリエチレンテレフタレートを用いること。
また、S層における上記結晶性樹脂(A)の含有量は、40〜70重量%である。
また、記結晶性樹脂のη1は100〜1000Pa・sである。
(2)樹脂粒子として、上記結晶性樹脂とは非相溶な樹脂(B)であって、かつ非晶性樹脂(B1)である環状オレフィン共重合体を用いること。また、そのガラス転移温度は180℃である。
S層における上記非晶性樹脂(B1)の含有量は、20〜50重量%である。
また、記結晶性樹脂のη2は50〜800Pa・sである。
(3)マトリックスとして、共重合樹脂(C)であって非晶性ポリエステル樹脂であるジオール成分の30〜40モル%をシクロヘキサンジメタノールとし、ジオール成分の60〜70モル%をエチレングリコールとし、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸を用いた、シクロへキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートを含有せしめること。
S層における上記非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、10〜35重量%である。
(4)マトリックスとして、分散剤(D)たるポリエステル-ポリアルキレングリコール共重合体を含有せしめること。
S層における上記分散剤(D)の含有量は、5〜20重量%である。
(測定方法)
A.樹脂の結晶性、ガラス転移温度、融点(JIS 7121−1999、JIS 7122−1999)
それぞれの樹脂についてJIS K7122(1999)に準じて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用いて樹脂の結晶性、ガラス転移温度、融点は、求めた。サンプルパンに樹脂を5mgずつ秤量し、昇温速度は20℃/min、1stRUNで樹脂を25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱し、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下となるよう急冷し、再度室温から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って得られた2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、樹脂の結晶性は結晶化の発熱ピークが観察された(すなわち、結晶化の発熱ピークの面積より求めた結晶化エンタルピーΔHccが1J/g以上)ものを結晶性樹脂、観察されなかった(すなわち、ΔHccが1J/g未満)ものを非晶性樹脂とした。
また、ガラス転移温度は上述の2ndRUN示差走査熱量測定チャートのガラス転移の階段状の変化部分において、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線とガラス転移の階段状の変化部分の曲線とが交わる点から求めた。
また、結晶性樹脂の融点は2ndRUNの示差走査熱量測定チャートの結晶融解ピークにおけるピークトップの温度を結晶性樹脂の融点とした。
B.溶融粘度
フローテスタ CFT−500形A((株)島津製作所製)を用い定温試験にて測定した。すなわち、結晶性樹脂(A)の融点Tm+20℃の温度に加熱したシリンダー内にて樹脂を5分間予熱した後、断面積1cm2 のピストン(プランジャー)にて、直径1mm、長さ10mmの孔を有する口金より一定加重で押し出し、Kファクター=1での溶融粘度を得た。さらに同様の測定を繰り返し、計3回での平均値を求めた。次に、加重を変えて同様の測定を3点行った後、剪断速度(単位:sec−1)に対して溶融粘度(単位:Pa・s)を対数プロットし、累乗近似曲線をもとめた。得られた累乗近似曲線から、剪断速度200sec−1での溶融粘度を外挿して求め溶融粘度とした。
なお、測定する樹脂が加水分解性を有する場合は水分含有率が50ppm以下となるように乾燥したものを用いて測定した。
C.樹脂粒子の粒径d、数平均粒径Dn、体積平均粒径Dv、単位面積あたりの粒子数、粒径dが2μm以上の個数割合
各実施例・比較例で作製した白色フィルムを切り出し、ミクロトームを用いてフィルムTD方向(横方向)と平行方向の断面を切り出し、白金−パラジウムを蒸着した後、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡”JSM−6700F”で3000〜5000倍の写真を撮影した。得られた画像から、以下の1)〜4)の手順で数平均粒径Dnを求めた。
1)該画像中のS層断面内に観察される各樹脂粒子について、その断面積Sを求めた、下記式(1)にて求められる粒径dを求める。
d=2×(S/π)1/2・・・(1)
(ただしπは円周率)。
2)得られた粒径dと、樹脂粒子の個数nを用いて、下記式(2)においてDnをもとめた。
Dn=Σd/n ・・・(2)
(但し、Σdは観察面内における粒径の総和、nは観察面内の粒子の総数)。
3)また、下記式(4)においてDvを求めた。
Dv=Σ[4/3π×(d/2)3×d]/Σ[4/3π×(d/2)3]・・・(4)
(ただしπは円周率)
4)上記1)〜3)を、5箇所場所を変えて実施し、その平均値でもって、樹脂粒子の数平均粒径Dn、体積平均粒径Dvとする。なお、観察点1箇所に付き、2500μm2以上の領域にて上記評価を実施する。
5)得られた数平均粒径Dnと体積平均粒径Dvから、数平均粒径Dnとの比Dv/Dnを求めた。
6)また、観察領域の面積を求め、単位面積(1μm2)あたりの樹脂粒子数を求めた。また、粒径dが2μm以上のものの個数を求め、全樹脂粒子数に対する粒径dが2μm以上の樹脂粒子の割合を求めた。
D.相対反射率
分光光度計U−3410((株)日立製作所)に、φ60積分球130−0632((株)日立製作所)(内面が硫酸バリウム製)および10°傾斜スペーサーを取りつけた状態で560nmの光反射率を求めた。なお、光反射率は白色フィルムの両面について求め、より高い数値を当該白色フィルムの反射率とした。標準白色板には(株)日立計測器サービス製の部品番号210−0740(酸化アルミニウム)を用いた。
E.透過率(隠蔽性)
ヘイズメーターNDH−5000(日本電色(株)製)を用いて、フィルム厚み方向の全光線透過率を測定した。なお、透過率は白色フィルムの両面について求め、より低い数値を当該白色フィルムの透過率とした。
F.比重
白色フィルムを5cm×5cmの大きさに切りだし、JIS K7112(1980版)に基づいて電子比重計SD−120L(ミラージュ貿易(株)製)を用いて測定した。なお、各白色フィルムについて5枚用意し、それぞれを測定し、その平均値でもって該白色フィルムの比重とした。
G.耐熱性
白色フィルムを1cm×15cmの短冊状に切り出し、長手方向の両端2.5cm内側に印を付け、その幅L0を測長した。次に、サンプルを90℃の熱風オーブンに30分間放置、冷却後のサンプルの印間の距離L1を求めた。下記式(5)により、サンプルの収縮率を求めた。
・S=(L0−L1)/L0×100 (5)
なお、測定はフィルムの長手方向、幅方向それぞれについて行い、各3サンプルの平均値でもってそれぞれの熱収縮率を求め、長手方向の収縮率と幅方向の収縮率の平均値でもってサンプルの熱収縮率Sとし、耐熱性は以下のように判定した。
熱収縮率Sが
0.5%以下の場合 S
0.5%より大きく0.8%以下の場合 A
0.8%より大きく1.0%以下の場合 B
1.0より大きい場合 C
とした。
H.輝度
20インチサイズの直下型バックライト(CCFL16本、蛍光管径3mm、蛍光管間隔2.5cm。乳白板と蛍光管の距離1.5cm)に実施例、比較例で作製した白色フィルムを反射板として設置し、乳白板としてRM401(住友化学(株)製)、乳白板上側に光拡散シート“ライトアップ”(登録商標) GM3(キモト(株)製)、プリズムシートBEFIII(3M製)、DBEF−400(3M製)を配置した。
次いで、12Vの電圧を印加してCCFLを点灯させ、面光源を立ち上げた。50分後、色彩輝度計BM−7/FAST(トプコン(株)製)を用いて視野角1°、バックライト−輝度計距離40cmで中心輝度を測定した。各実施例、比較例において3サンプルについて測定し、それぞれの平均値を算出し、これを輝度B1とした。
同様に反射フィルムを厚み250μmの白色フィルム“ルミラー”E6SL(東レ(株)製)の場合について測定し、輝度B2を得た。得られた値を用いて、下記式(6)によって輝度向上率Bを算出した。
・輝度向上率B(%)=100×(B1−B2)/B2 (6)。
I.延伸性
実施例・比較例において製膜した際に、ほとんど延伸ムラが生じないものをS、僅か延伸ムラが発生するものをA、若干の延伸ムラが若干発生するが製膜工程において視認できないものをB、製膜工程において視認できる延伸ムラが発生するものをCとした。大量生産にはB以上の製膜性が必要である。
ここで延伸ムラとは、延伸後のフィルムにおいて、フィルム厚みが極端に薄い部分と厚い部分が生じることをいう。延伸ムラは、延伸工程においてフィルム全面が均一に延伸されずに不均一に延伸されるために生じることが多い。延伸ムラの原因としては種々の原因が考えられるが、本発明の場合は、ポリエステル樹脂成分中への非相溶樹脂の分散が不安定な場合に延伸ムラが起き易い傾向がある。尚、延伸ムラが生じると、フィルム厚みが薄い部分と厚い部分で、反射率等が異なることが多く、好ましくないことがある。
測定はフィルムの長手方向の膜厚分布を測定し、以下のように判定した。厚みムラが
±5%以下の場合 S
±5%より大きく、±7.5%以下の場合 A
±7.5%より大きく、±10%以下の場合 B
±10%より大きい場合 C。
J.製膜性
実施例・比較例において製膜した際に、フィルム破れがほとんど生じないものをS、僅かに発生するものをA、若干発生するものをB、頻発するものをCとした。大量生産にはB以上の製膜性が必要であり、A以上であるとさらにコスト低減効果がある。
以下実施例等によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(原料)
・結晶性樹脂(A−1)
極限粘度が0.70dl/gであるポリエチレンテレフタレートJ125S(三井化学(株)製)を用いた。この樹脂の融点Tmを測定したところ、250℃であった。
・結晶性樹脂(A−2)
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、融点250℃の結晶性のポリエステル樹脂である(A−2)。
・結晶性樹脂(A−3),(A−4)
結晶性樹脂(A−2)を温度220℃、真空度0.5mmHgの条件の回転式の真空装置(ロータリーバキュームドライヤー)に入れ、それぞれ、10、20時間撹拌しながら加熱して、それぞれ極限粘度0.80dl/g、カルボキシル末端基量12当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)、極限粘度1.0dl/g、カルボキシル末端基量10当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。それぞれ示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところいずれも1cal/g以上であり、それぞれ融点250℃の結晶性のポリエステル樹脂である(A−3)、(A−4)。
・結晶性樹脂(A−5)
結晶性樹脂(A−2)と同様の方法により、極限粘度0.50dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、融点250℃の結晶性のポリエステル樹脂である(A−5)。
上記結晶性樹脂A−1〜5について、融点Tm、融点Tm+20℃での溶融粘度を測定した。なお、溶融粘度は180℃の温度で3時間真空乾燥した後に測定を実施した。結果を表2に示す。
・非相溶性樹脂(非晶性)(B1−1)
ガラス転移温度が140℃、MVR(260℃/2.16kg)が14ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS 6013」(日本ポリプラスチックス(株)製)を用いた。
・非相溶性樹脂(非晶性)(B1−2)
ガラス転移温度が160℃、MVR(260℃/2.16kg)が4ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS 6015」を用いた。
・非相溶性樹脂(非晶性)(B1−3)
ガラス転移温度が180℃、MVR(260℃/2.16kg)が1.5ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS 6017」(日本ポリプラスチックス(株)製)を用いた。
・非相溶性樹脂(非晶性)(B1−4)
ガラス転移温度が180℃、MVR(260℃/2.16kg)が4.5ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS 6017」(日本ポリプラスチックス(株)製)を用いた。
・非相溶性樹脂(非晶性)(B1−5)
ガラス転移温度が190℃、MVR(260℃/2.16kg)が1.5ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS 6018」(日本ポリプラスチックス(株)製)を用いた。
・非相溶性樹脂(非晶性)(B1−6)
ガラス転移温度が190℃、MVR(260℃/2.16kg)が2.0ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS 6018X1 T4 Sack No.32」(日本ポリプラスチックス(株)製)を用いた。
・非相溶性樹脂(非晶性)(B1−7)
ガラス転移温度が190℃、MVR(260℃/2.16kg)が3.0ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS 6018X1 T2 Lot No060286」(日本ポリプラスチックス(株)製)を用いた。
・非相溶性樹脂(非晶性)(B1−8)
ガラス転移温度が190℃、MVR(260℃/2.16kg)が4.5ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS 6018X1 T5」(日本ポリプラスチックス(株)製)を用いた。
・非相溶性樹脂(非晶性)(B1−9)
ガラス転移温度が190℃、MVR(260℃/2.16kg)が7.0ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS 6018X1 T6 Sack No.190」(日本ポリプラスチックス(株)製)を用いた。
・非相溶性樹脂(非晶性)(B1−10)
ガラス転移温度が190℃、MVR(260℃/2.16kg)が10.0ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS 6018X1 T6 Sack No.205」(日本ポリプラスチックス(株)製)を用いた。
・非相溶性樹脂(非晶性)(B1−11)
ガラス転移温度が190℃、MVR(260℃/2.16kg)が20.0ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS 6018X1 T6 Sack No.220」(日本ポリプラスチックス(株)製)を用いた。
・非相溶性樹脂(非晶性)(B1−12)
ガラス転移温度が190℃、MVR(260℃/2.16kg)が15.0ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS 6018X1 T7」(日本ポリプラスチックス(株)製)を用いた。
・非相溶性樹脂(非晶性)(B1−13)
ガラス転移温度が190℃、MVR(260℃/2.16kg)が80.0ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS 6018X1 T6 Sack No.245」(日本ポリプラスチックス(株)製)を用いた。
なお、上記非相溶性樹脂(非晶性)B1−1〜12(「TOPAS 6013」「TOPAS 6015」「TOPAS 6017」「TOPAS 6018」)の樹脂は化学式1に示すようにノルボルネン成分とエチレン成分より構成される。
各成分の構成を表1に示す。尚、何れの樹脂も示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g未満であり、非晶性樹脂であった。
・非相溶製樹脂(結晶性)(B2−1)
メルトフルオレート(260℃/5.0kg)が8g/10mimの非環状ポリオレフィン系樹脂PMP(ポリメチルペンテン)「TPX DX845」(三井化学(株)製)を用いた。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、結晶性樹脂であった。またガラス転移温度は25℃、融点は235℃であった。
・非相溶性樹脂(結晶性)(B2−2)
メルトフルオレート(260℃/5.0kg)が180g/10mimである非環状ポリオレフィン系樹脂PMP(ポリメチルペンテン)「TPX DX820」(三井化学(株)製)を用いた。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、結晶性樹脂であった。またガラス転移温度は25℃、融点は235℃であった。
・非相溶性樹脂(結晶性)(B2−3)
メルトフルオレート(260℃/5.0kg)が100g/10mimの非環状ポリオレフィン系樹脂PMP(ポリメチルペンテン)(三井化学(株)製)を用いた。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、結晶性樹脂であった。またガラス転移温度は25℃、融点は235℃であった。
上記非相溶性樹脂B1−1〜10、B2−1〜3について、結晶性樹脂Aの融点Tm+20℃での溶融粘度η2を測定した。結果を表3に示す。
・共重合ポリエステル(C)
CHDM(シクロヘキサンジメタノール)共重合PET「PETG 6763」(イーストマン ケミカル製)を用いた。該共重合グリコール成分にシクロヘキサンジメタノールを33mol%共重合したPETである。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g未満であり、非晶性ポリエステル樹脂(C)である。
・分散剤(D)
PBT-PAG(ポリアルキレングリコール)共重合体「ハイトレル 7247」(東レ・デュポン(株)製)を用いた。該樹脂はPBT(ポリブチレンテレフタレート)とPAG(主としてポリテトラメチレングリコール)のブロック共重合体である。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、結晶性樹脂であった。
(実施例1−1、1−2、1−12、1−16,1−18,1−19、1−25)
表5に示した原料の混合物を180℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機に供給し、280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ口金に導入した。
次いで、Tダイ口金内より、シート状に押出して溶融単層シートとし、該溶融単層シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸単層フィルムを得た。続いて、該未延伸単層フィルムを85℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に3.3倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の95℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に105℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.2倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで所定の温度(表5参照)で20秒間の熱処理を施し、さらに180℃の温度で4%幅方向に弛緩処理を行った後、更に140℃の温度で1%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、厚さ188μmの単層の白色フィルムを得た。延伸性、製膜性はいずれも良好であり、特に製膜性は結晶性樹脂(A−1)を用いた場合がより良好であった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表5に示す。また、フィルムの各種特性を表5に示す。このように本発明の白色フィルムは白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、熱寸法安定性はいずれも良好であり、特に結晶性樹脂(A−2)を用いた場合により良好であった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、高い輝度を示すことが分かった。
(実施例1−3,1−4、1−7、1−13,1−17、1−20,1−21)
表5に示した原料の混合物を用い、熱処理温度を表4に示した温度とした以外は実施例1−1と同様に白色フィルムを得た。延伸性、製膜性はいずれも良好であり、特に製膜性は結晶性樹脂(A−1)を用いた場合がより良好であった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表5に示す。また、フィルムの各種特性を表5に示す。これらの白色フィルムは、実施例1−1には及ばないものの、白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、熱寸法安定性はいずれも良好であり、特に結晶性樹脂(A−2)を用いた場合により熱寸法安定性が良好であった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例1−1には及ばないものの、高い輝度を示すことが分かった。
(実施例1−8、1−10)
表5に示した原料の混合物を用い、熱処理温度を表5に示した温度とした以外は実施例1−1と同様に白色フィルムを得た。延伸性は実施例1−1に比べてやや劣るものの、製膜性はいずれも良好であった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表5に示す。また、フィルムの各種特性を表5に示す。これらの白色フィルムは白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示した。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、高い輝度を示すことが分かった。ただし、熱寸法安定性は実施例1−1と比べて若干劣っていた。
(実施例1−9、1−11)
表5に示した原料の混合物を用い、熱処理温度を表5に示した温度とした以外は実施例1−1と同様の方法に白色フィルムを得た。延伸性は実施例1−1に比べてやや劣るものの、製膜性はいずれも良好であった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していたところ、若干樹脂粒子が扁平になっていた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表5に示す。また、フィルムの各種特性を表5に示す。これらの白色フィルムは実施例1−3,1−4、1−7、1−13,1−17、1−20,1−21に劣るものの、白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、熱寸法安定性は良好であった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例1−3,1−4、1−7、1−13,1−17、1−20,1−21に劣るものの、高い輝度を示すことが分かった。
(実施例1−5、1−6、1−14、1−15、1−22)
表5に示した原料の混合物を用いた以外は実施例1−1と同様に白色フィルムを得た。延伸性、製膜性はいずれも良好であり、特に製膜性は結晶性樹脂(A−1)を用いた場合がより良好であった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表5に示す。また、フィルムの各種特性を表5に示す。これらの白色フィルムは実施例1−3,1−4、1−7、1−13,1−17、1−20,1−21には及ばないものの、白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、熱寸法安定性はいずれも良好であり、特に結晶性樹脂(A−2)を用いた場合により熱寸法安定性が良好であった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例1−3,1−4、1−7、1−13,1−17、1−20,1−21には及ばないものの、高い輝度を示すことが分かった。
(実施例1−23、1−24)
表5に示したフィルム厚さとした以外は、実施例1−1と同様に白色フィルムを得た。延伸性、製膜性はいずれも良好であった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表5に示す。また、フィルムの各種特性を表5に示す。このように本発明の白色フィルムは白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、熱寸法安定性はいずれも良好であった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例1−1以上の高い輝度を示すことが分かった。
(実施例1−26)
表5に示した原料の混合物を用いた以外は実施例1−1と同様に白色フィルムを得た。延伸性、製膜性は良好であった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表5に示す。また、フィルムの各種特性を表5に示す。これらの白色フィルムは白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示した。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例1−1には及ばないものの高い輝度を示すことが分かった。ただし、熱寸法安定性は実施例1−1と比べて若干劣っていた。
(実施例1−27)
表5に示した原料の混合物を用いた以外は実施例1−1と同様に白色フィルムを得た。延伸性、製膜性は良好であった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表5に示す。また、フィルムの各種特性を表5に示す。これらの白色フィルムは実施例1−3,1−4、1−7、1−13,1−17、1−20,1−21には及ばないものの、白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示した。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例1−3,1−4、1−7、1−13,1−17、1−20,1−21には及ばないものの、高い輝度を示すことが分かった。ただし、熱寸法安定性は実施例1−1と比べて若干劣っていた。
(実施例1−28)
表5に示した原料の混合物を用いた以外は実施例1−1と同様に白色フィルムを得た。延伸性はいずれも良好であったが、製膜時に破れが頻発し、製膜性は他の実施例に比べて低いものであった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表5に示す。また、フィルムの各種特性を表5に示す。これらの白色フィルムは実施例1−3,1−4、1−7、1−13,1−17、1−20,1−21には及ばないものの、白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、熱寸法安定性はいずれも良好であった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例1−3,1−4、1−7、1−13,1−17、1−20,1−21には及ばないものの、高い輝度を示すことが分かった。
(実施例2−1、2−2)
表5に示した原料の混合物を用い、熱処理温度を表5に示した温度とした以外は実施例1−1と同様の方法に白色フィルムを得た。延伸性はいずれも良好であり、製膜性は実施例1―1〜実施例1−25に劣るものの良好であった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していたが、若干樹脂粒子が扁平になっていた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表5に示す。また、フィルムの各種特性を表5に示す。これらの白色フィルムは実施例1−3,1−4、1−7、1−13,1−17、1−20,1−21に劣るものの、白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、熱寸法安定性は優れていた。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例1−3,1−4、1−7、1−13,1−17、1−20,1−21に劣るものの、高い輝度を示すことが分かった。
(実施例2−3、2−4)
表5に示したフィルム厚さとした以外は、実施例1−1と同様に白色フィルムを得た。延伸性はいずれも良好であり、製膜性は実施例1―1〜実施例1−25に劣るものの良好であった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表5に示す。また、フィルムの各種特性を表5に示す。これらの白色フィルムは白色性・反射性・軽量性・熱寸法安定性に優れた特性を示した。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例2−1、2−2以上の高い輝度を示すことが分かった。
(実施例3−1、3−7)
主押出機と副押出機を有する複合製膜装置において、表6に示したメイン層(A層)用原料の混合物を170℃の温度で5時間真空乾燥した後、主押出機側に供給し、280℃の温度で溶融押出後、30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ複合口金に導入した。
一方、副押出機には表6に示したサブ層(B)層用原料の混合物を170℃の温度で5時間真空乾燥したのち、副押出機に供給し、280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ複合口金に導入した。
次いで、該Tダイ複合口金内で、副押出機より押出される樹脂層(B)が主押出機より押出される樹脂層(A)の両表層に積層(B/A/B)されるよう合流せしめた後、シート状に共押出して溶融積層シートとし、該溶融積層シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電荷法で密着冷却固化させて未延伸積層フィルムを得た。続いて、該未延伸積層フィルムを常法に従い85℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に3.3倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の95℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に105℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.2倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで所定の温度(表参照)で20秒間の熱処理を施し、さらに180℃の温度で4%幅方向に弛緩処理を行った後、更に140℃の温度で1%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、A層とB層の厚さの比がB層/A層/B層=1/20/1となるようにし、総厚み188μmの積層白色フィルムを得た。得られたフィルムの断面構造を確認したところ、A層は内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していることを確認した。また、A層中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表6に示す。また、フィルムの各種特性を表6に示す。これらの白色フィルムは白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、熱寸法安定性は良好であると共に、単膜のフィルム(実施例1−1,1−18)と比べて、製膜性に優れていることが分かった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例1−1,1−18同様、高い輝度を示すことが分かった。
(実施例3−2、3−8)
B層の原料として、数平均粒径0.5μmの酸化チタン5重量%含有するPETを用いた以外は、実施例3−1,3−7と同様の方法で、A層とB層の厚さの比がB層/A層/B層=1/20/1、総厚み188μmの積層白色フィルムを得た。また、A層中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表6に示す。得られたフィルムの断面構造を確認したところ、A層は内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していることを確認した。また、フィルムの各種特性を表6に示す。これらの白色フィルムは白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、熱寸法安定性は良好であると共に、単膜のフィルム(実施例1−1,1−18)と比べて、隠蔽性、製膜性に優れていることが分かった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例1−1,1−18よりは劣るものの高い輝度を示すことが分かった。
(実施例3−3,3−4、3−9、3−10)
表6に示すとおり、B層の原料として、それぞれ数平均粒径0.5μmの炭酸カルシウムを10重量%含有するPET、数平均粒径0.5μmの硫酸バリウムを10重量%含有するPETを用いた以外は実施例3−1、3−7と同様の方法で、A層とB層の厚さの比がB層/A層/B層=1/20/1、総厚み188μmの積層白色フィルムを得た。また、A層中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表6に示す。得られたフィルムの断面構造を確認したところ、A層は内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していることを確認した。また、フィルムの各種特性を表6に示す。これらの白色フィルムは白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、熱寸法安定性は良好であると共に、単膜のフィルム(実施例1−1、1−18)と比べて、反射特性、製膜性に優れていることが分かった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例実施例1−1、1−18よりも高い輝度を示すことが分かった。
(実施例3−5、3−6、3−11,12)
表6に示したフィルム厚さとした以外は、実施例3−1、3−7と同様に積層白色フィルムを得た。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表5に示す。また、フィルムの各種特性を表6に示す。これらの白色フィルムは実施例3−1、3−7と比べて白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、熱寸法安定性は良好であった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例3−1、3−7以上の高い輝度を示すことが分かった。
(実施例4−1)
表6に示した原料を用いた以外は、実施例3−1,3−7と同様の方法で、A層とB層の厚さの比がB層/A層/B層=1/20/1、総厚み188μmの積層白色フィルムを得た。また、A層中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表6に示す。得られたフィルムの断面構造を確認したところ、A層は内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していることを確認した。この白色フィルムは実施例3−1、3−7には劣るものの白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、熱寸法安定性は実施例3−1より優れていた。単膜のフィルム(実施例2−1)と比べて、製膜性に優れていることが分かった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例3−1、3−7には劣るものの高い輝度を示すことが分かった。
(実施例4−2)
B層の原料として、数平均粒径0.5μmの酸化チタン5重量%含有するPETを用いた以外は、実施例4−1と同様の方法で、A層とB層の厚さの比がB層/A層/B層=1/20/1、総厚み188μmの積層白色フィルムを得た。また、A層中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表6に示す。得られたフィルムの断面構造を確認したところ、A層は内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していることを確認した。また、フィルムの各種特性を表6に示す。この白色フィルムは白色性・反射性・軽量性・熱寸法安定性に優れた特性を示すと共に、単膜のフィルム(実施例2−1)と比べて、隠蔽性に優れていることが分かった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例4−1よりは劣るものの高い輝度を示すことが分かった。
(実施例4−3,4−4)
表6に示すとおり、B層の原料として、それぞれ数平均粒径0.5μmの炭酸カルシウムを10重量%含有するPET、数平均粒径0.5μmの硫酸バリウムを10重量%含有するPETを用いた以外は実施例4−1と同様の方法で、A層とB層の厚さの比がB層/A層/B層=1/20/1、総厚み188μmの積層白色フィルムを得た。また、A層中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表6に示す。得られたフィルムの断面構造を確認したところ、A層は内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していることを確認した。また、フィルムの各種特性を表6に示す。これらの白色フィルムは実施例4―1と比べて白色性・反射性・軽量性優れた特性を示し、熱寸法安定性は優れていた。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例4−1よりも高い輝度を示すことが分かった。
(実施例4−5,6)
表6に示したフィルム厚さとした以外は、実施例4−1と同様に積層白色フィルムを得た。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表5に示す。また、フィルムの各種特性を表5に示す。これらの白色フィルムは実施例4―1と比べて白色性・反射性・軽量性優れた特性を示し、熱寸法安定性は優れていた。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例4−1以上の高い輝度を示すことが分かった。
(実施例6−1)
表8に示した結晶性樹脂(A),共重合樹脂(C)、分散剤(D)を混合、粉砕し、次いで非相溶性樹脂(B)として数平均粒径0.7μmのシリコーン樹脂粒子XC99−A8808(モンメティブ・パフォーマンス・マテリアルス(株)製)を混合させて、180℃の温度で3時間真空乾燥した後に二軸押出機に供給し、280℃の温度で溶融混練押出後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ口金に導入した以外は実施例1―1と同様に白色フィルムを得た。延伸性、製膜性はいずれも良好であった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表8に示す。また、フィルムの各種特性を表5に示す。これらの白色フィルムは、白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、熱寸法安定性はいずれも良好であった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、高い輝度を示すことが分かった。
(比較例1−1〜6,2−1〜2−4)
表5に示した原料を用いて、表5に示した熱処理温度とした以外は実施例1−1と同様に製膜を行い、厚さ188μmの単膜のフィルムを得た。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。しかし、樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvの結果を表5に示すが、実施例と比べて劣ること分かった。また、フィルムの各種特性を表5に示すが、隠蔽性、反射性に劣り、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例1−1と比べて輝度が大幅に劣ることが分かった。
(比較例5−1)
極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)65重量部と、イソフタル酸17.5モル%共重合したPET)を20重量部、数平均粒径0.8μmの硫酸バリウムを15重量%を二軸混練機にて混合して作製したチップを用いる他は、実施例1−1と同様に製膜を行った。厚さ188μmの単膜のフィルムを得ることはできたが、製膜中破れが頻発し実施例1−1と比べて製膜性が悪かった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に無機粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の無機粒子の数平均粒径Dn、無機粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvの結果を表7に示す。また、フィルムの各種特性を表7に示すが、反射性に劣り、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例1−1と比べて輝度が大幅に劣ることが分かった。
(比較例5−2)
極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)60重量部と、イソフタル酸17.5モル%共重合したPET)を20重量部、数平均粒径0.8μmの硫酸バリウムを20重量%を二軸混練機にて混合して作製したチップを用いる他は、実施例1−1と同様に製膜を行ったが破れが頻発し、白色フィルムを得ることができなかった。
(比較例3−1〜3−4,3−5〜3−8、4−1〜4−4)
表6に示した原料を用いて、それぞれ実施例3−1〜3−4と同様に製膜を行い、厚さ188μmの単膜のフィルムを得た。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。しかし、樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvの結果を表5に示すが、それぞれ実施例3−1〜3−4と比べて劣ること分かった。また、フィルムの各種特性を表6に示すが、隠蔽性、反射性に劣り、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、それぞれ実施例3−1〜3−4と比べて輝度が大幅に劣ることが分かった。
(比較例5−3〜5−6)
表7に示した原料を用いて、実施例3−1〜3−4と同様に製膜を行った。厚さ188μmの単膜のフィルムを得ることはできたが、製膜中破れが頻発し実施例3−1〜3−4と比べて製膜性が悪かった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に無機粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の無機粒子の数平均粒径Dn、無機粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvの結果を表7に示す。また、フィルムの各種特性を表7に示すが、反射性に劣り、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例3−1〜3−4と比べて輝度が大幅に劣ることが分かった。
(比較例6−1)
表8に示した原料(非相溶性樹脂(B)として数平均粒径2.0μmのシリコーン樹脂粒子“トスパール”120(モンメティブ・パフォーマンス・マテリアルス(株)製))用いた以外は実施例6―1と同様に白色フィルムを得た。延伸性、製膜性はいずれも良好であった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に樹脂粒子を核とした微細な気泡を多数含有していた。フィルム中の樹脂粒子の数平均粒径Dn、樹脂粒子数(個/μm2)、2μm以上の粒径を有する割合、体積平均粒径Dvを表8に示す。また、フィルムの各種特性を表8に示すが、反射性に劣り、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例6−1と比べて輝度が大幅に劣ることが分かった。
そこで、本発明の白色フィルムは、内部に樹脂粒子を有し、該樹脂粒子の周りに気泡が形成されてなる白色フィルムであって、該樹脂粒子の数平均粒径Dnが1.5μm以下であり、かつ該樹脂粒子を0.05個/μm2以上含み、かつ2μm以上の粒径を有する該樹脂粒子数の割合が15%以下である層を有し、フィルム全体の比重が0.57以上0.80以下である白色フィルム、である。