JP5633361B2 - 白色フィルムおよびそれを用いた面光源 - Google Patents

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Description

本発明は、白色フィルムに関し、さらに詳しくは面光源用反射部材(反射板、およびリフレクター)として好適な白色フィルムであって、低光沢性、反射特性に優れる白色フィルムに関するものである。
近年、パソコン、テレビ、携帯電話などの表示装置として、液晶を利用したディスプレイが数多く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、それ自体は発光体でないために、裏側からバックライトと呼ばれる面光源を設置して光を照射することにより表示が可能となっている。また、バックライトは、単に光を照射するだけでなく、画面全体を均一に照射せねばならないという要求に応えるため、サイドライト型もしくは直下型と呼ばれる面光源の構造をとっている。なかでも、薄型・小型化が望まれるノート型パソコン等に使用される薄型液晶ディスプレイ用途には、サイドライト型、つまり画面に対し側面から光を照射するタイプのバックライトが適用されている。
一般的に、このサイドライト型バックライトでは、導光板のエッジから冷陰極線管を照明光源とし、光を均一に伝播・拡散する導光板を利用し液晶ディスプレイ全体を均一に照射する導光板方式が採用されている。この照明方法において、より光を効率的に活用するため、冷陰極線管の周囲にリフレクターが設けられ、更に導光板から拡散された光を液晶画面側に効率的に反射させるために導光板の下には反射板が設けられている。これにより冷陰極線管からの光のロスを少なくし、液晶画面を明るくする機能を付与している。
このようなサイドライト型バックライトに用いられるリフレクターや反射板(面光源反射部材と総称する)には、薄膜であることと同時に高い反射特性および高い光拡散性(低光沢性)が要求される。この要求に応えるため、従来、フィルム内部に微細な気泡を含有させ、気固界面での光反射を利用する方法(特許文献1参照)など、フィルム中に含有された微細な気泡とマトリックス樹脂の屈折率差を利用した方法が広く用いられているが、反射特性は満足するが、現在の市場が要求する光拡散性(低光沢性)を達成するには不十分である。また、反射特性を向上させようとして、フィルム内部に多量の気泡を含有させた場合、フィルム破れが多発してシート化が困難であり、できたとしても生産性、コストの面で劣るといった問題があった。
一方、高い光拡散性(低光沢性)を得るために、溶融押出されたシートを粗面化したドラム上で冷却固化させることで、フィルム表面に凹凸を形成させ、フィルム表面の低光沢性を得る方法(特許文献2参照)なども用いられているが、この方法では粗面化ドラムの導入や管理などの面から生産性、コストの面で劣るといった問題があった。
特開2002−40214号公報 特開2004−90523号公報
そこで、本発明は、従来、達成し得なかった低光沢性、反射特性に優れた白色フィルムを提供することを課題とする。
本発明は、フィルムの少なくとも片面に塗布層が設けられており、塗布層としてポリエステル系樹脂が60〜90重量%および分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体が10〜40重量%からなり、ポリエステル系樹脂の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 1)と該分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 2)の差が5mN/m以上の白色フィルムである。
本発明の白色フィルムは、より薄膜で高反射性能を有する、低光沢性、反射特性に優れた白色フィルムである。特に、この白色フィルムを面光源内の反射板やリフレクターとして用いた時、液晶画面を明るく照らし、液晶画像をより鮮明かつ見やすくすることができ、また長期使用における輝度ムラ発生を抑制することができ、有用なものである。本発明の白色フィルムは、例えば液晶ディスプレイの反射部材として用いた場合に高い輝度向上効果と、ディスプレイの薄膜化の両立が達成できる。本発明の白色フィルムは液晶ディスプレイなどに搭載されている面光源(バックライト)の反射フィルムとして用いられることがある。バックライトによってはバックライト内部の雰囲気温度が100℃程度まで上昇することがあるためである。
本発明は、フィルムの少なくとも片面に塗布層が設けられており、塗布層としてポリエステル系樹脂が60〜90重量%および分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体が10〜40重量%から構成されており、ポリエステル系樹脂の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 1)と該分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 2)の差が5mN/m以上である白色フィルムである。
(1)白色フィルム
本発明の白色フィルムは、白色度が50%以上である。ここでいう白色度とは、日本電色工業株式会社製の分光式色彩計SE−2000を用いて、反射法にて試料の白色度を測定した値であり、白色度は色の3刺激値を示すXYZ値の値から下記式にて
白色度=4×0.847×Z−3×Y(%)
求める。本発明の白色フィルムは、白色度が50%以上であるので、白色性、反射特性に優れる。本発明の白色フィルムは、特に液晶表示装置用として用いた場合に高い輝度向上効果を得ることができる。
本発明の白色フィルムは、白色度は、好ましくは、60〜100%である。白色度が100%を超える場合、粒子の多量添加やボイドを多量に形成させる必要があり、フィルム強度の低下が起こることがあるため好ましくない。
白色度を50%以上とするためには、
1)フィルム内部の粒子の分散径、密度を制御する、
2)フィルム厚みを厚くする、
などによって得ることができる。
本発明における白色フィルムの厚みは30μm以上500μm以下が好ましく、より好ましくは、50μm以上400μm以下、さらに好ましくは、100μm以上300μm以下である。厚みが30μm未満の場合、十分な反射性が得られないため好ましくない。一方、500μmより厚い場合、液晶ディスプレイの薄膜化の要求に応えることができず好ましくない。本発明における白色フィルムの厚みを30μm以上500μm以下にするためには、押出機からの樹脂の溶融押出量及び未延伸シートを延伸する工程の速度の調整により可能となる。
本発明の白色フィルムは、フィルム内部に気泡を含有することが好ましい。フィルム内部に気泡を含有することにより、高い反射特性を有する白色フィルムを、容易に製造することが可能である。
本発明の白色フィルムにおいて、気泡は独立した気泡であっても良いし、複数の気泡が連続しているものであっても良い。また、気泡形状は、フィルム厚み方向に多数の気泡と樹脂との界面を形成させるために、気泡の断面形状は、円状ないしフィルム面方向に対して伸長されている楕円状であることが好ましい。
また、気泡の形成方法としては、当該技術分野で公知の方法を用いることができる。例えば(I)白色フィルムを構成する主たる樹脂成分(a)と、該樹脂成分(a)に対して非相溶性成分(b)とを含有する混合物を溶融押出した後、少なくとも一方向に延伸し、内部に気泡を形成させる方法、(II)発泡性粒子を添加し、溶融押出することによってフィルム内部にて発泡させることにより、気泡を形成させる方法、(III)炭酸ガスなどの気体を注入して押出発泡させることにより、フィルム内部に気泡を形成させる方法、(IV)二成分以上のポリマー、有機物、もしくは無機物を混合し、溶融押出した後、溶媒抽出により、少なくとも一成分を溶解させることより、フィルム内部に気泡を形成させる方法、(V)中空粒子を添加し、溶融押出することによって、気泡を形成させる方法、(VI)基材フィルムに透湿加工用ウレタン樹脂等をコーティングし、乾燥させることにより乾式多孔層を形成させるなどの方法が挙げられるが、本発明においては、(I)の手法が、より微細で扁平な気泡を生成させることが出来るため好ましい。
(I)の手法は延伸中に白色フィルムを構成する主たる樹脂成分(a)と非相溶性成分(b)の界面で剥離が起こることを利用して、扁平状の気泡を生成させる手法である。したがって、(I)の手法を用いる場合は、気泡占有体積を増大させ、フィルム厚みあたりの界面数を増大させるために、一軸延伸よりも二軸延伸がより好ましく用いられる。
本発明における白色フィルムは、単層フィルム、2層以上の層からなる積層フィルムどちらの構成をとってもよい。単層フィルムである場合、一つの押出機を用いて製造したフィルムでもよいし、同一組成の原料を供給した二つ以上の押出機を用いて製造したフィルムでもよい。
本発明の白色フィルムは、好ましくは、主たる樹脂成分(a)がポリエステル樹脂(A)であるフィルムである。ポリエステル樹脂(A)とは、ジオール成分とジカルボン酸成分の重縮合によって得られるポリマーであり、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等が代表例として挙げられる。またジオール成分としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が代表例として挙げられる。ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(ポリエチレンナフタレート)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を使用することができる。
本発明の白色フィルムにおいて、ポリエステル樹脂(A)として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(ポリエチレンナフタレート)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを用いることにより、高い無着色性を維持しつつ、フィルムとしたときに高い機械強度を付与することができる。より好ましくは、ポリエステル樹脂は、安価でかつ耐熱性が優れるという点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。
これらのポリエステル樹脂(A)は、ホモポリエステルであってもコポリエステルであってもよく、共重合成分としては、例えばジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分を用いることができる。
また、ポリエステル樹脂(A)は、複数のポリエステルの混合物であって良く、共重合ポリエステル樹脂(C)が含有されていてもよい。好ましい共重合ポリエステル樹脂(C)としては、ジオール成分の主成分が脂環式グリコールである共重合ポリエステル樹脂や、ジカルボン酸成分が脂環式ジカルボン酸やイソフタル酸である共重合ポリエステル樹脂が挙げられる。特に、ジオール成分を脂環式グルコールの一種であるシクロへキサンジメタノールを用いた非晶性の共重合ポリエステルが透明性、成形性の点や後述する非相溶樹脂の微分散化効果の点から好ましく用いることができる。また、延伸性や製膜性を向上させることができる。ジオール成分に占めるシクロヘキサンジメタノール成分は30モル%以上とすることが好ましい。
共重合ポリエステル樹脂(C)を用いたときに透明性や成形性が向上する理由は、共重合ポリエステル樹脂の環式脂肪族炭化水素部分と、環状オレフィン共重合体樹脂(b1)の環状オレフィン部分との相互作用が可能となり、マトリックス中に微分散可能となり、その結果、高反射性、高白色性、軽量性を達成することができるのであると考えられる。
また、上記共重合ポリエステル(C)の含有量は、マトリックスを構成する全材料を100重量%としたとき、1重量%以上50重量%未満であるのが好ましい。より好ましくは1.5重量%以上40重量%未満、更に好ましくは1.5重量%以上35重量%未満である。かかる共重合ポリエステルの含有量が1重量%に満たないと、熱可塑性樹脂(B1)をマトリックス中に微分散化するのが困難となる場合がある。また、50重量%を超えると耐熱性が低下し、寸法安定性を付与するためにフィルムの熱処理を実施した時に、マトリックスが軟化し、その結果、気泡が減少・または消失して、反射特性が低下したりする場合がある。また、反射特性を維持しようとして、熱処理温度を低温化すると、その場合にフィルムの寸法安定性が低下する場合があるため好ましくない。本発明の白色フィルムが主たる樹脂成分(a)がポリエステル樹脂(A)であるフィルムである場合、マトリックスを構成する全材料100重量%に対する共重合ポリエステル(C)の含有量を上述の範囲に制御することによって、上述した非相溶成分の分散効果を十分に発揮させつつ、フィルム製膜性や機械特性を維持することができる結果、優れた反射特性と寸法安定性を両立することが可能となる。
本発明の白色フィルムが主たる樹脂成分(a)がポリエステル樹脂(A)であるフィルムである場合、非相溶性成分(B)としては、マトリックスと非相溶の熱可塑性樹脂、無機粒子、いずれも好ましく用いられる。非相溶性成分(B)は単独でも2種以上を併用してもよいが、非相溶性成分(B)として、マトリックスと非相溶の熱可塑性樹脂(B1)と無機粒子(B2)を併用することは、より好ましい形態の一つである。
ここで、本発明の白色フィルムが主たる樹脂成分(a)がポリエステル樹脂(A)であるフィルムである場合、非相溶性成分(B)として熱可塑性樹脂(B1)を用いる場合、その具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンなどのような直鎖状、分鎖状あるいは環状のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、フッ素系樹脂などが好ましく用いられる。これらの非相溶性樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の非相溶性樹脂を併用してもよい。これらの中でも、透明性に優れ、かつ耐熱性に優れるという点で、ポリオレフィンが好ましく用いられる。具体的には、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、シクロオレフィン共重合体などが好ましく用いられる。
本発明の白色フィルムが主たる樹脂成分(a)がポリエステル樹脂(A)であるフィルムである場合、非相溶性成分(B)として熱可塑性樹脂(B1)を用いる場合、その樹脂は、結晶性の樹脂、非晶性の樹脂の何れでも良い。結晶性樹脂としては、透明性、耐熱性の観点から、ポリメチルペンテンがより好ましく用いられる。ここで、ポリメチルペンテンとしては、分子骨格中に4−メチルペンテン−1から誘導される二価の有機基を繰り返し単位としてを好ましくは80モル%以上、より好ましくは85モル%以上、特に好ましくは90モル%以上含むものが好ましい。また、その他の繰り返し単位としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、あるいは4−メチルペンテン−1以外で炭素数6〜12の炭化水素から誘導される二価の有機基などが例示される。ポリメチルペンテンは単独重合体であっても共重合体であってもよい。また、組成や、溶融粘度などの異なる複数のポリメチルペンテンを混合して用いたり、他のオレフィン系樹脂やその他樹脂と併用してもよい。
また、熱可塑性樹脂(B1)が、非晶性樹脂の場合、環状オレフィン共重合体樹脂(b1)が特に好ましく用いられる。環状オレフィン共重合体とは、シクロアルケン、ビシクロアルケン、トリシクロアルケン及びテトラシクロアルケンからなる群から選ばれた少なくとも1種の環状オレフィンと、エチレン、プロピレン等の直鎖オレフィンからなる共重合体である。
環状オレフィン共重合体樹脂(b1)における環状オレフィンの代表例としては、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、1−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−エチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−n−ブチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−i−ブチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、7−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、トリシクロ〔4,3,0,12.5〕−3−デセン、2−メチル−トリシクロ〔4,3,0,12.5〕−3−デセン、5−メチル−トリシクロ〔4,3,0,12.5〕−3−デセン、トリシクロ〔4,4,0,12.5〕−3−デセン、10−メチル−トリシクロ〔4,4,0,12.5〕−3−デセン等がある。
また、環状オレフィン共重合体樹脂(b1)における直鎖オレフィンの代表例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等がある。
本発明の白色フィルムが主たる樹脂成分(a)がポリエステル樹脂(A)であるフィルムである場合、熱可塑性樹脂(B1)としては、非晶性樹脂である環状オレフィン共重合体樹脂(b1)が、マトリックスに含まれる、脂環式ジオール、および/または脂環式ジカルボン酸との相互作用により、より微分散可能となり、その結果反射特性をさらに高めることができるという点から、特に好ましく用いられる。
熱可塑性樹脂(B1)として、環状オレフィン共重合体樹脂(b1)を用いる場合、そのガラス転移温度Tgが110℃以上であることが好ましい。具体的には130℃以上が好ましく、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは170℃以上である。かかる範囲にすることにより、混練時においてマトリックス樹脂中により微細に分散し、延伸工程においてより確実に気泡を形成し、熱処理工程における気泡の消失をより抑制することができるためである。
熱可塑性樹脂(B1)として、環状オレフィン共重合体樹脂(b1)を用いる場合、そのガラス転移温度Tgを110℃以上とすることによって、高い反射率と、寸法安定性を両立することが可能となる。
熱可塑性樹脂(B1)として、環状オレフィン共重合体樹脂(b1)を用いる場合、そのガラス転移温度の上限は250℃が好ましい。
また、熱可塑性樹脂(B1)として、環状オレフィン共重合体樹脂(b1)を用いる場合、そのガラス転移温度Tgを110℃以上に制御するためには、例えば環状オレフィン共重合体中の環状オレフィン成分の含有量を多くし、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量を少なくすることが挙げられる。具体的には、環状オレフィン成分は60モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量は40モル%未満であることが好ましい。より好ましくは、環状オレフィン成分は70モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量は30モル%未満、さらに好ましくは環状オレフィン成分が80モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量が20モル%未満である。特に好ましくは環状オレフィン成分が90モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量が10モル%未満である。かかる範囲にすることにより、環状オレフィン共重合体のガラス転移温度Tgを前述の範囲まで高めることができる。
また、熱可塑性樹脂(B1)として、環状オレフィン共重合体樹脂(b1)を用いる場合、直鎖オレフィン成分は、反応性の観点からエチレン成分が好ましい。さらに、環状オレフィン成分は、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン(ノルボルネン)やその誘導体が生産性・透明性・高Tg化の点から好ましい。
本発明の白色フィルムが主たる樹脂成分(a)がポリエステル樹脂(A)であるフィルムである場合、熱可塑性樹脂(B1)は、白色フィルムを構成する全材料の合計重量100重量%において、3〜15重量%含有されていることが好ましい。好ましくは4〜10重量%、より好ましくは5〜10重量%である。白色フィルムを構成する全材料の合計重量を100重量%としたとき熱可塑性樹脂(B1)の添加量が15重量%を越えると、フィルムの強度が低下し、延伸時の破断が起こりやすくなることがある。含有量をかかる範囲内にすることにより、十分な白色性・反射性・軽量性を発現せしめることができる。
本発明の白色フィルムが主たる樹脂成分(a)がポリエステル樹脂(A)であるフィルムである場合、非相溶性成分(B)として、無機粒子(B2)を用いる場合、無機粒子(B2)は、ガラス、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、タルクなどを挙げることができる。これらの無機粒子の中でも、特に、気泡形成、白色度、光学濃度など総合的効果の点から、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムの適用がより好ましく、特に酸化チタン(b2)が最も好ましい。
無機粒子(B2)は、白色フィルムを構成する全材料の合計重量を100重量%としたとき8〜22重量%含有されていることが好ましい。好ましくは12〜18重量%である。一方、白色フィルムを構成する全材料の合計重量を100重量%としたとき無機粒子(B2)の添加量が22重量%を越えると、フィルムの強度が低下し、延伸時の破断が起こりやすくなることがある。含有量をかかる範囲内にすることにより、十分な白色性・反射性・軽量性を発現せしめることができる。
本発明の白色フィルムが主たる樹脂成分(a)がポリエステル樹脂(A)であるフィルムである場合、マトリックスに熱可塑性樹脂(B1)をより微分散させるために、ポリエステル樹脂(A)にさらに分散剤(D)を含有せしめることが好ましい。
分散剤(D)をポリエステル樹脂(A)中に含むことにより、熱可塑性樹脂(B1)の分散径をさらに小さくすることが可能となり、その結果、延伸により生成する扁平な気泡をより微細にでき、結果的にフィルムの白色性、反射性、軽量性を高めることができる。
かかる分散剤(D)は、カルボキシル基やエポキシ基等の極性基やポリエステルと反応性のある官能基をもったオレフィン系の重合体または共重合体、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、界面活性剤および熱接着性樹脂等を用いることができる。もちろん、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
中でも、ポリエステルセグメントとポリアルキレングリコールセグメントからなるポリエステル-ポリアルキレングリコールブロック共重合体(D1)が特に好ましい。
この場合、ポリエステルセグメントとしては、炭素数が2〜6の脂肪族ジオール部分と、テレフタル酸および/またはイソフタル酸部分からなるポリエステルをセグメントとすることが好ましい。また、ポリアルキレングリコールセグメントとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等をセグメントとすることが好ましい。
特に好ましい組み合わせとしては、ポリエステルセグメントにはエチレンテレフタレート単位もしくはブチレンテレフタレート単位を繰り返し単位としたポリエステル、ポリアルキレングリコールセグメントにはエチレングリコール単位もしくはテトラメチレングルコール単位を繰り返し単位としたものである。中でも、ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングルコール共重合体、もしくはポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体が特に好ましい。
分散剤(D)の含有量は、マトリックスを構成する全材料100重量%としたとき、0.1〜30重量%が好ましく、より好ましくは1〜25重量%であり、さらにより好ましくは1.5〜20重量%である。本発明の白色フィルムにおいて、全マトリックス成分に対する分散剤(D)の含有量を0.1〜30重量%に制御することによって、上述した熱可塑性樹脂(B1)の分散効果を十分に発揮させつつ、フィルム製膜性や機械特性を維持することができる結果、優れた反射特性と寸法安定性を両立することが可能となる。
また、本発明の白色フィルムが主たる樹脂成分(a)がポリエステル樹脂(A)であるフィルムである場合、必要に応じて本発明の効果が損なわれない量での適宜な添加剤、例えば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、有機系の易滑剤、有機系微粒子、充填剤、核剤、染料、分散剤、カップリング剤等が配合されていてもよい。
本発明の白色フィルムは、フィルムの少なくとも片面に塗布層が設けられている。塗布層は、ポリエステル系樹脂が60〜90重量%、および、分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体が10〜40重量%からなる。塗布層は、好ましくは、ポリエステル系樹脂が70〜85重量%、および、分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体が15〜30重量%、より好ましくは、ポリエステル系樹脂が75〜83重量%、および、分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体が17〜25重量%である。ポリエステル系樹脂が60重量%以下の場合、あるいは、分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体が40重量%以上の場合、基材となる白色フィルムとの接着性や塗布層の形成性や耐久性に劣る。また、ポリエステル系樹脂が90重量%以上の場合、あるいは、分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体が10重量%以下の場合、ポリエステル系樹脂と分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の凝集効果が小さくなり、白色フィルムの光拡散性が劣り光沢度が高くなる。
本発明の白色フィルムにおいて、塗布層のポリエステル系樹脂を形成する酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、トリメリット酸、セバシン酸、フェニルインダンジカルボン酸、ダイマー酸等を例示することができる。これらの成分は二種以上を用いることができる。
本発明の白色フィルムにおいて、塗布層のポリエステル系樹脂を形成するジオール成分としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシ)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコール等を例示することができる。これらは二種以上を用いることができる。
本発明の白色フィルムにおいて、塗布層のポリエステル系樹脂には、極性基含有ジカルボン酸を含有しないことが好ましい。極性基含有ジカルボン酸としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−アンモニウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−メチルアンモニウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、4−カリウムスルホイソフタル酸、2−カリウムスルホイソフタル酸等を例示することができる。極性基含有ジカルボン酸を含む場合、ポリエステル系樹脂と分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の凝集効果が小さくなり、白色フィルムの光拡散性が劣り光沢度が高くなることがある。
本発明の白色フィルムにおいて、分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体としては、アルキルスルホン酸基および/またはその塩、アルキルベンゼンスルホン酸基および/またはその塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸基および/またはその塩、スルホン酸基および/またはその塩を有するアクリル系共重合体、ポリエステル共重合体、ビニル共重合体(例えばポリスチレン共重合体)等を例示することができる。これらは、単独で、もしくは複数を組み合わせて用いることができる。また、分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の塩としては、カリウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩等を例示することができる。
本発明の白色フィルムは、塗布層のポリエステル系樹脂の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 1)と分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 2)の差が5mN/m以上である必要がある。塗布層のポリエステル系樹脂の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 1)と分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 2)の差は、好ましくは10mN/m以上、さらに好ましくは15mN/m以上である。本発明では、塗布層のポリエステル系樹脂の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 1)と分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 2)の差とは、γ 1とγ 2の差の絶対値、すなわち、
|(γ 2)−(γ 1)|
を示す。
ここでいう表面自由エネルギーの極性力成分とは、以下の方法で求めた値である。すなわち、表面自由エネルギー及びその各成分(分散力、極性力、水素結合力)が既知の4種の液体(本発明ではPanzerによる方法(日本接着協会誌vol.15、No.3、p96に記載の水、エチレングリコール、ホルムアミド、ヨウ化メチレンの数値を用いた))を用い、20℃、50%RHの条件下で接触角計CA−D型(協和界面科学(株)製)にて、ポリエステル系樹脂および分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体のみをそれぞれ塗布した透明ポリエステルフィルムの塗布面に対する各液体の接触角を測定した。この値を拡張Fowks式とYoungの式より導入される下記式を用いて各成分を計算した。
(γ ・γ )1/2+(γ ・γ 1/2 +(γ ・γ 1/2=γ(1+cosθ)/2
ここで、γ 、γ 、γ 、γは、測定液の分散力、極性力、水素結合力の各成分及び各成分のトータルの表面自由エネルギー(数値は日本接着協会誌vol.15、No.3、p96に記載の水、エチレングリコール、ホルムアミド、ヨウ化メチレンの数値を用いた)を示し、γ 、γ 、γ は、ポリエステル系樹脂および分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体のみをそれぞれ塗布した透明ポリエステルフィルムの塗布面の分散力、極性力、水素結合力の各成分を示す。またθは測定面上での測定液の接触角を表す。1つの測定面に対して、3点測定を行いその平均値をθとした。測定液の既知の値及びθを上記の式に代入し、連立方程式により測定面の3成分(γ 、γ p、γ )を求めた。なお計算は数値計算ソフトである「Mathematica」の「Find Minimum」のコマンドを用いた。ここで求めたγ を表面自由エネルギーの極性力成分とし、ポリエステル系樹脂の表面自由エネルギーの極性力成分をγ 1、分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分をγ 2として求めた。
塗布層のポリエステル系樹脂の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 1)と分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 2)の差が5mN/m以上である場合、従来技術ではなし得なかった優れた光拡散性を持つ低光沢な白色フィルムを容易に製造することが可能となる。一方、ポリエステル系樹脂の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 1)と分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 2)の差が5mN/m未満の場合、白色フィルムの光拡散性が劣り光沢度が高くなり、面光源内の反射板やリフレクターとして用いた時、光拡散性に劣るため光源からの反射ムラが起こりやすくなる。
ポリエステル系樹脂の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 1)と分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 2)の差が5mN/m以上である混合液をフィルム表面に塗布した際、極性力の差が大きいため、分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体がポリエステル系樹脂中に分散することなく、フィルム表面に凝集体を形成しやすくなる。フィルム表面の凝集体が存在すると、さらにより優れた光拡散性を持つ低光沢な白色フィルムを容易に製造することが可能となる。
本発明の白色フィルムにおいて、ポリエステル系樹脂の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 1)と分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 2)の差を5mN/m以上とするためには、好ましくは、以下で説明するようなポリエステル系樹脂を用いればよい。すなわち、分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体は、分子内に極性基であるスルホン酸基を有するため、その極性力は一般的に大きい。よって、ポリエステル系樹脂と分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分の差を大きくするためには、極性力の小さいポリエステル系樹脂を用いればよい。ポリエステル系樹脂の極性力を小さくするためには、ポリエステル系樹脂中の極性基含有ジカルボン酸成分は5モル%以下であることが好ましい。ポリエステル系樹脂中の極性基含有ジカルボン酸成分は、より好ましくは3モル%以下、さらに好ましくは1モル%以下である。ポリエステル系樹脂中の極性基含有ジカルボン酸成分が、5モル%を超える場合、ポリエステル系樹脂の表面自由エネルギーの極性力成分が高くなり、分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分との差を5mN/m未満となる場合があるので、好ましくない。
本発明の白色フィルムにおいて、塗布層の厚みは、10nm以上150nm以下であることが好ましい。より好ましくは50nm以上120nm以下である。塗布層の厚みが10nmより薄いと、塗布層に形成される凝集体が小さくなり、光拡散性に劣ることがあるため好ましくない。また、塗布層の厚みが150nmより厚くなると、塗布層に形成される凝集体が塗布膜に埋没し、光拡散性に劣ることがあるため好ましくない。それに加え、塗布層の厚みが150nmより厚くなると、白色フィルムを回収しリサイクルチップ化して再度フィルム化した際のフィルムの色目の変化が大きくなることがあるため好ましくない。
本発明の白色フィルムにおいて、塗布層には、本発明の効果を損なわれない範囲内であれば、他の添加剤、例えば架橋剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、有機の易滑剤、有機系もしくは無機系の微粒子、充填剤、核剤、染料、分散剤等を含有させてもよい。
本発明の白色フィルムにおいて、塗布層側から測定した60°光沢度が50%以下であることが好ましい。より好ましくは45%以下、さらに好ましくは40%以下である。ここでいう60°光沢度とは、デジタル変角光沢度計UGV−5B(スガ試験機(株)製)を用いて、白色フィルムの塗布層側からJIS Z−8741(1997)に準じて、入射角=60゜、受光角=60゜で測定した値である。光沢度が50%よりも高くなると、面光源内の反射板やリフレクターとして用いた時、光拡散性に劣るため光源からの反射ムラが起こりやすくなるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、光沢度を50%以下とすることによって、光拡散性に優れた白色フィルムとすることができ、特に面光源内の反射板やリフレクターとして用いた時、ムラのない面光源とすることができる。
また、本発明の白色フィルムは、全光線透過率が1.20%以下であることが好ましい。全光線透過率は、より好ましくは1.05%以下、更に好ましくは0.90%以下である。なお、ここでいう透過率とは、JIS−7361−1に基づいて測定された値である。全光線透過率が1.20%を超える場合、白色フィルムとしての白色性、反射特性に劣り、また液晶表示装置に組み込んでも輝度特性に劣ることがあるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、透過率を1.20%以下とすることによって、裏面への光抜けを抑えることができる結果、白色性、反射特性に優れた白色フィルムとすることができ、特に液晶表示装置用として用いた場合に高い輝度向上効果を得ることができる。全光線透過率を上述の範囲とするためには、1)フィルム内部の粒子の分散径、密度を制御する、2)フィルム厚みを厚くする、などによって得ることができる。
また、本発明の白色フィルムは、相対反射率が100%以上であることが好ましい。相対反射率は、より好ましくは100.5%以上、更に好ましくは101%以上である。ここでいう、相対反射率とは、内面が硫酸バリウム製の積分球、10°傾斜スペーサーを備えた分光光度計、標準白色板として酸化アルミニウムを用いて、入射角10°で光を入射させたときの反射率を波長560nmの範囲で測定し、標準白色板の反射率を100%としたときの相対反射率を、波長560nmで平均して得られる反射率のことである。相対反射率が100%未満の場合、白色フィルムとしての白色性、反射特性に劣り、また液晶表示装置に組み込んでも輝度特性に劣ることがあるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、相対反射率を100%以上とすることによって、白色性、反射特性に優れた白色フィルムとすることができ、特に液晶表示装置用として用いた場合に高い輝度向上効果を得ることができる。相対反射率を上述の範囲とするためには、1)フィルム内部の粒子の分散径、密度を制御する、2)フィルム厚みを厚くする、などによって得ることができる。
本発明の白色フィルムの製造方法について、その一例を説明するが、本発明は、かかる例のみに限定されるものではない。
ポリエステル樹脂(A)と非相溶性成分(B)を含む混合物を、十分真空乾燥を行い、押出機(主押出機)を有する製膜装置の加熱された押出機に供給する。非相溶性成分(B)の添加は、事前に均一に溶融混練して配合させて作製されたマスターチップを用いても、もしくは直接混練押出機に供給するなどしてもよいが、事前に均一にポリエステル樹脂(A)と非相溶成分(B)を含む混合物を溶融混練したマスターチップを用いるほうが、非相溶成分(B)の分散が促進されるという点でより好ましい。
また、溶融押出に際してはメッシュ40μm以下のフィルターにて濾過した後に、Tダイ口金内に導入し押出成形により溶融シートを得ることが好ましい。この溶融シートを表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸フィルムを作製する。
該未延伸フィルムを60〜95℃の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に周速の異なる二本のロール間で延伸する。この延伸時に赤外線ヒーターや熱風などによる表面熱処理を行ってもよいが、エネルギー効率の観点から赤外線ヒーターを用いることが好ましい。赤外線ヒーターは、近赤外線ヒーターやカーボンヒーターなどを用いることができる。加熱性能と寿命とのバランスからカーボンヒーターがより好ましい。赤外線ヒーターには背面に金反射膜が付いていることが好ましい。また、集光装置を用いても良い。かかるヒーターとしてヘレウス(株)製Twin Tube透明石英ガラス製カーボンヒーターが挙げられる。上記方法で加熱しながら長手方向に2.5〜4.0倍に延伸し、20〜50℃の温度のロール群で冷却する。
続いて、一軸延伸されたフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、90〜150℃の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向に直角な方向(幅方向)に3〜5倍に延伸する。
得られた二軸延伸フィルムの配向結晶化を完了させて、平面性と寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて150〜240℃の温度で1〜30秒間の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却し、その後必要に応じて、他素材との密着性をさらに高めるためにコロナ放電処理などを行い、巻き取ることにより、本発明の白色フィルムを得ることができる。上記熱処理工程中では、必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。
一般に熱処理温度が高いほど、熱寸法安定性も高くなるが、本発明の白色フィルムは製膜工程において高温(190℃以上)で熱処理されることが好ましい。本発明の白色フィルムは一定の熱寸法安定性を有することが望まれるためである。
本発明の白色フィルムの塗布層の製造方法について、その一例を説明するが、本発明は、かかる例のみに限定されるものではない。
本発明の白色フィルムの塗布層は、塗布層組成物を含む水性塗液を白色フィルムの少なくとも片面に塗布し、乾燥、延伸することにより形成することができる。用いる水性塗液は、水を媒体とし、塗布層組成物が溶解および/または分散されているものである。水性塗液中の固形分濃度は、通常30重量%以下であり、好ましくは10重量%以下である。なお、水性塗液には、塗液の安定性を助ける目的で若干量の有機溶剤を含ませても良い。この有機溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールを例示することができる。有機溶剤は複数種含まれていてもよい。
本発明において、塗布層を設ける方法としては、二軸延伸の一方向に延伸後に塗液を塗布し、続いてもう一方向に延伸(インラインコーティング)してもよいし、二軸延伸完了後の白色フィルム上に塗布(オフラインコーティング)してもよいが、生産性、コスト面からインラインコーティングのほうが好ましい。なお、塗布の手段としては、例えばグラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコート、ディッピングなどの方法を用いることができる。
以下実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定して解釈されるものではない。
(測定方法)
A.白色度
日本電色工業株式会社製の分光式色彩計SE−2000を用いて、反射法にて試料の白色度を測定した。白色度は色の3刺激値を示すXYZ値の値から下記式
白色度=4×0.847×Z−3×Y(%)
にて求めることができる。
B.相対反射率
分光光度計U−3410((株)日立製作所)に、φ60積分球130−0632((株)日立製作所)(内面が硫酸バリウム製)および10°傾斜スペーサーを取りつけた状態で560nmの相対反射率を求めた。なお、相対反射率は白色フィルムの塗布層側から測定した。標準白色板には(株)日立計測器サービス製の部品番号210−0740(酸化アルミニウム)を用いた。相対反射率は以下のように判定した。
相対反射率が
101%以上の場合 ◎
100.5%以上101%より小さい場合 ○
100%以上100.5%より小さい場合 △
100%より小さい場合 ×
とした。
C.全光線透過率
ヘイズメーターNDH−5000(日本電色(株)製)を用いて、フィルム厚み方向の全光線透過率を測定した。なお、全光線透過率は白色フィルムの塗布層側から測定した。全光線透過率は以下のように判定した。
全光線透過率が
0.90%以下の場合 ◎
0.90%より大きく1.05%以下の場合 ○
1.05%より大きく1.20%以下の場合 △
1.20%より大きい場合 ×
とした。
D.60°光沢度
デジタル変角光沢度計UGV−5B(スガ試験機(株)製)を用いて、白色フィルムの塗布層側からJIS Z−8741(1997)に準じて測定した。なお、測定条件は入射角=60゜、受光角=60゜とした。60°光沢度は以下のように判定した。
40%以下の場合 ◎
40%より大きく45%以下の場合 ○
45%より大きく50%以下の場合 △
50%より大きい場合 ×
とした。
E.塗布層中のポリエステル系樹脂と分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分
表面自由エネルギー及びその各成分(分散力、極性力、水素結合力)が既知の4種の液体(本発明ではPanzerによる方法(日本接着協会誌vol.15、No.3、p96に記載の水、エチレングリコール、ホルムアミド、ヨウ化メチレンの数値を用いた))を用い、20℃、50%RHの条件下で接触角計CA−D型(協和界面科学(株)製)にて、ポリエステル系樹脂および分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体のみをそれぞれ塗布した透明ポリエステルフィルムの塗布面に対する各液体の接触角を測定した。この値を拡張Fowks式とYoungの式より導入される下記式を用いて各成分を計算した。
(γ ・γ )1/2+(γ ・γ 1/2 +(γ ・γ 1/2=γ(1+cosθ)/2
ここで、γ 、γ 、γ 、γは測定液の分散力、極性力、水素結合力の各成分及び各成分のトータルの表面自由エネルギー(数値は日本接着協会誌vol.15、No.3、p96に記載の水、エチレングリコール、ホルムアミド、ヨウ化メチレンの数値を用いた)を示し、γ 、γ 、γ は、ポリエステル系樹脂および分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体のみをそれぞれ塗布した透明ポリエステルフィルムの塗布面の分散力、極性力、水素結合力の各成分を示す。またθは測定面上での測定液の接触角を表す。1つの測定面に対して、3点測定を行いその平均値をθとした。測定液の既知の値及びθを上記の式に代入し、連立方程式により測定面の3成分(γ 、γ p、γ )を求めた。なお計算は数値計算ソフトである「Mathematica」の「Find Minimum」のコマンドを用いた。ここで求めたγ を表面自由エネルギーの極性力成分とし、ポリエステル系樹脂の表面自由エネルギーの極性力成分をγ 1、分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分をγ 2として求めた。γ 1とγ 2の差は以下のように判定した。
15mN/m以上の場合 ◎
10mN/m以上15mN/mより小さい場合 ○
5mN/m以上10mN/mより小さい場合 △
5mN/mより小さい場合 ×
とした。
(原料)
・ポリエステル樹脂(A)
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ4.186J/g以上であり、結晶性のポリエステル樹脂である。この樹脂の融点Tmを測定したところ、250℃であった。
・環状オレフィン共重合体樹脂(b1)
ガラス転移温度が178℃、MVR(260℃/2.16kg)が4.5ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS」(ポリプラスチックス社製)を用いた。なお、示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ4.186J/g未満であり、非晶性樹脂であった。
・酸化チタン(b2)
酸化チタン(石原産業(株)製、アナターゼ型酸化チタンA−100、平均粒径0.16μm)を用いた。
・共重合ポリエステル樹脂(C1)
CHDM(シクロヘキサンジメタノール)共重合PETを用いた。該共重合グリコール成分にシクロヘキサンジメタノールを30モル%共重合したPETである。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ4.186J/g未満であり、非晶性樹脂であった。
・共重合ポリエステル樹脂(C2)
CHDM(シクロヘキサンジメタノール)共重合PETを用いた。該共重合グリコール成分にシクロヘキサンジメタノールを60モル%共重合したPETである。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ4.186J/g未満であり、非晶性樹脂であった。
・共重合ポリエステル樹脂(C3)
イソフタル酸共重合PETを用いた。ジカルボン酸成分としてイソフタル酸を17.5モル%共重合したPETである。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ4.186J/g未満であり、非晶性を示した。
・分散剤(D)
PBT-PAG(ポリブチレンテレフタレート−ポリアルキレングリコール)ブロック共重合体(D1)((株)東レ・デュポン製、ハイトレル4047)を用いた。該樹脂はPBTとPAG(主としてポリテトラメチレングリコール)のブロック共重合体である。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ4.186J/g以上であり、結晶性樹脂であった。
(塗液)
・ポリエステル系樹脂(E1)
下記成分からなるポリエステル系樹脂の水溶性塗液を作製し用いた。
テレフタル酸(49モル%)/5−ナトリウムスルホイソフタル酸(1モル%)/エチレングリコール(50モル%)
・ポリエステル系樹脂(E2)
下記成分からなるポリエステル系樹脂の水溶性塗液を作製し用いた。
テレフタル酸(48モル%)/5−ナトリウムスルホイソフタル酸(2モル%)/エチレングリコール(50モル%)
・ポリエステル系樹脂(E3)
下記成分からなるポリエステル系樹脂の水溶性塗液を作製し用いた。
テレフタル酸(45モル%)/5−ナトリウムスルホイソフタル酸(5モル%)/エチレングリコール(50モル%)
・ポリエステル系樹脂(E4)
下記成分からなるポリエステル系樹脂の水溶性塗液を作製し用いた。
テレフタル酸(40モル%)/5−ナトリウムスルホイソフタル酸(10モル%)/エチレングリコール(50モル%)
・ポリスチレンスルホン酸リチウム塩(F1)
ポリスチレンスルホン酸リチウム塩 (東ソー有機化学(株)製、「スピノマー」(登録商標)LiSS、16重量%溶液)を用いた。
・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(F2)
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩 (東ソー有機化学(株)製、「スピノマー」(登録商標)NaSS、16重量%溶液)を用いた。
・ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩(F3)
ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩 (東ソー有機化学(株)製、「スピノマー」(登録商標)AmSS、16重量%溶液)
・界面活性剤(G1)
「ノベック」(登録商標)FC−4430(菱江化学(株)製、5重量%溶液)を用いた。
(実施例1)
表1に示した原料の混合物を180℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機に供給し、280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ口金に導入した。
次いで、Tダイ口金内より、シート状に押出して溶融単層シートとし、該溶融単層シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸単層フィルムを得た。続いて、該未延伸単層フィルムを70℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、赤外線ヒーター(出力1.4kW、フィルムとの距離15mm、照射時間0.72秒)で両面から照射しながら、長手方向(縦方向)に3.6倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
さらに続いて一軸延伸されたフィルムに表1に示した塗液組成の混合液をメタリングバーを用いたバーコート方式にて塗布した。
上記の塗布層形成塗液を塗布された一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の95℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に105℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.6倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで190℃で20秒間の熱処理を施し、さらに180℃の温度で6%幅方向に弛緩処理を行った後、更に140℃の温度で1%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、厚み188μmのフィルム上に、厚み100nmの塗布層が設けられた白色度86.0%の白色フィルムを得た。フィルムの組成と塗液の組成は表1の通りである。フィルムの各種特性を表3に示す。このように本発明の白色フィルムは低光沢性、反射特性に優れるものであった。
(実施例2、3)
それぞれ表1に示した塗液の組成とした以外は、実施例1と同様に製膜および塗布を行い、厚み188μmのフィルム上に、厚み100nmの塗布層が設けられた白色フィルムを得た。フィルムの組成と塗液の組成は表1の通りである。フィルムの各種特性を表3に示す。このように本発明の白色フィルムは実施例1には及ばないものの、低光沢性、反射特性に優れるものであった。
(実施例4、5)
それぞれ表1に示した塗液の組成とした以外は、実施例1と同様に製膜および塗布を行い、厚み188μmのフィルム上に、厚み100nmの塗布層が設けられた白色フィルムを得た。フィルムの組成と塗液の組成は表1の通りである。フィルムの各種特性を表3に示す。このように本発明の白色フィルムは実施例1と同様に、低光沢性、反射特性に優れるものであった。
(実施例6、7、12、14)
それぞれ表1、表2に示した塗液の組成、配合量とした以外は、実施例1と同様に製膜および塗布を行い、厚み188μmのフィルム上に、厚み100nmの塗布層が設けられた白色フィルムを得た。フィルムの組成と塗液の組成は表1、表2の通りである。フィルムの各種特性を表3、表4に示す。このように本発明の白色フィルムは実施例1には及ばないものの、低光沢性、反射特性に優れるものであった。
(実施例8、9、13、15)
それぞれ表1、表2に示した塗液の組成、配合量とした以外は、実施例1と同様に製膜および塗布を行い、厚み188μmのフィルム上に、厚み100nmの塗布層が設けられた白色フィルムを得た。フィルムの組成と塗液の組成は表1の通りである。フィルムの各種特性を表3、表4に示す。このように本発明の白色フィルムは実施例1に比べて同等の反射特性で、さらに低光沢性に優れるものであった。
(実施例10)
表1に示した原料組成および塗液組成で、実施例1と同様に製膜および塗布を行い、厚み188μmのフィルム上に、厚み10nmの塗布層が設けられた白色フィルムを得た。フィルムの組成と塗液の組成は表1の通りである。フィルムの各種特性を表3に示す。このように本発明の白色フィルムは実施例1には及ばないものの、低光沢性、反射特性に優れるものであった。
(実施例11)
表1に示した原料組成および塗液組成で、実施例1と同様に製膜および塗布を行い、厚み188μmのフィルム上に、厚み150nmの塗布層が設けられた白色フィルムを得た。フィルムの組成と塗液の組成は表2の通りである。フィルムの各種特性を表4に示す。このように本発明の白色フィルムは実施例1には及ばないものの、低光沢性、反射特性に優れるものであった。
(実施例16〜19)
それぞれ表2に示した原料の組成とした以外は、実施例1と同様に製膜および塗布を行い、厚み188μmのフィルム上に、厚み100nmの塗布層が設けられた白色フィルムを得た。フィルムの組成と塗液の組成は表2の通りである。フィルムの各種特性を表4に示す。このように本発明の白色フィルムは実施例1に比べて同等の低光沢性で、さらに反射特性に優れるものであった。
Figure 0005633361
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Figure 0005633361
(比較例1〜7)
それぞれ表5に示した塗液の組成、配合量とした以外は、実施例1と同様に製膜および塗布を行い、厚み188μmのフィルム上に、厚み100nmの塗布層が設けられた白色フィルムを得た。フィルムの組成と塗液の組成は表5の通りである。フィルムの各種特性を表6に示す。しかし、塗布層中のポリエステル系樹脂(E4)とポリスチレンスルホン酸リチウム塩(F1)の表面自由エネルギーの極性力成分の差が小さく、凝集効果が小さいため、低光沢性に劣るものであった。
(比較例8、10、12)
表5に示した塗液の組成、配合量とした以外は、実施例1と同様に製膜および塗布を行い、厚み188μmのフィルム上に、厚み100nmの塗布層が設けられた白色フィルムを得た。フィルムの組成と塗液の組成は表5の通りである。フィルムの各種特性を表6に示す。しかし、塗布層中のポリスチレンスルホン酸リチウム塩(F1)の配合量が少なく、凝集効果が小さいため、低光沢性に劣るものであった。
(比較例9、11、13)
表5に示した塗液の組成、配合量とした以外は、実施例1と同様に製膜および塗布を行ったが、塗布層中のポリスチレンスルホン酸リチウム塩(F1)が多いため、基材となる白色フィルムとの密着性が悪く塗布層が白色フィルムから剥離した。フィルムの組成と塗液の組成は表1の通りである。フィルムの各種特性を表6に示す。しかし、塗布層が白色フィルムから剥離したため、低光沢性に劣るものであった。
(比較例14)
塗布を実施せず、その他は実施例1と同様に製膜を行い、厚み188μmの白色フィルムを得た。フィルムの組成は表1の通りである。フィルムの各種特性を表6に示す。しかし、塗布層を設けていないため、低光沢性に劣るものであった。
Figure 0005633361
Figure 0005633361

Claims (4)

  1. フィルムの少なくとも片面に塗布層が設けられており、塗布層としてポリエステル系樹脂が60〜90重量%および分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体が10〜40重量%からなり、ポリエステル系樹脂の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 1)と該分子内にスルホン酸基および/またはその塩を有する共重合体の表面自由エネルギーの極性力成分(γ 2)の差が5mN/m以上であることを特徴とする白色フィルム。
  2. 塗布層の厚みが10nm以上150nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の白色フィルム。
  3. 塗布層側から測定した60°光沢度が50%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の白色フィルム。
  4. 請求項1〜3に記載の白色フィルムを用いた面光源。
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