JP2017107206A - 白色フィルムロール - Google Patents

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裕仁 内田
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Abstract

【課題】LED光源を用いた面光源装置で反射板として使用した際に、長期に渡って反射特性ならびに色調が維持できる白色フィルムで構成されたフィルムロールを提供する。【解決手段】フィルムの内部に気泡を含有する白色フィルムロールであって、前記フィルムロールを構成する白色フィルムの表面に青色LEDの光を9500cd/m2で168時間照射した時の色調変化が下記式(1)を満たすことを特徴とする白色フィルムロール。(1)0≧Δb≧−0.6【選択図】なし

Description

本発明は、光反射板としての使用に好適な白色フィルムで構成されたフィルムロールに関する。
テレビやパソコン、スマートフォン等の液晶ディスプレイに用いられる面光源装置の光反射板および光反射フィルム、照明看板の背面反射フィルム、太陽電池の背面反射フィルムなどの用途において、内部に気泡を含有した白色フィルムは高い光反射性能を持ち、高輝度を発現できることから、これらの用途で広く用いられている。また、これらの面光源装置の光源部分にはLED光源が低消費電力、長寿命、軽量化等の点で非常に優れており、近年の主流となりつつある。
一方で、LED光源等を用いた面光源装置において、ある使用環境や部材構成の違いにより、一定時間点灯し続けるとディスプレイの色度x値、y値が変化して青色側へ変化するという問題が起きている(特許文献2参照)。この色度変化は、面光源内に設置された光源、および光反射フィルムを含む光学部材の経時変化が原因であると考えられており、この色度変化を抑制する方法として、面光源装置に使用する光透過性部材の製造工程において色度安定化工程を設ける方法(特許文献1参照)、面光源装置の内部に熱あるいは紫外線が照射されることによって透過光が黄色側に変化する補助シートを設ける方法(特許文献2参照)、ディスプレイに搭載した画質調整装置によって面光源装置の色調変化を補正する方法(特許文献3参照)などが知られている。
面光源装置に使用される光学部材の中で、最も光源の影響を受けやすい光反射フィルムであるが、特に紫外〜近紫外領域の光に対しては、例えば有機蛍光剤や紫外線吸収剤を含有して近紫外線もしくは紫外線領域の光を吸収する方法(特許文献4および6参照)が、光源が発した紫外線による色調変化を抑制する手法として知られている。また、近年では380〜500nm近傍の青色領域(ブルーライト)を制御する光反射フィルム等の開発も行われており、例えば380〜500nmの光を吸収する材料を含有してブルーライトカット性能を付与する方法(特許文献7および8参照)や、フィルムの厚みと含有する粒子径を制御して450〜600nmの反射特性を向上させる方法(特許文献9参照)、蛍光増白剤によって400nmの反射性能を向上させる方法(特許文献10参照)等が知られている。そして、光反射フィルムの安定した製膜性や成形加工用白色フィルムの容易な成形性の観点から、フィルムを構成するポリエステル中にアンチモン元素を含有しない方法(特許文献5および11参照)が知られている。
国際公開第2011/145384号パンフレット 特開2013−83808号公報 特開2007−156157号公報 特開2010−43208号公報 国際公開第2005/123385号パンフレット 特開平4−239540号公報 特開2014−199285号公報 特開2014−199351号公報 国際公開第2008/053739号パンフレット 特開2007−30284号公報 特開2004−130536号公報
しかしながら、LED光源を用いた面光源装置において、ディスプレイの色度x値、y値が青色側へ変化する原因のひとつに、光反射フィルムの光劣化により青色領域の反射率が高くなっていることが解った。そこで、本発明は上記問題を解決し、LED光源下での面光源装置の色度変化を抑制し、かつ高い反射特性を両立する白色フィルムを提供することを目的とする。
フィルムの内部に気泡を含有する白色フィルムロールであって、前記フィルムロールを構成する白色フィルムの表面に青色LEDの光を9500cd/mで168時間照射した時の色調変化が下記式(1)を満たすことを特徴とする白色フィルムロール。
(1)0≧Δb≧−0.6
本発明によれば、LED光源を用いた液晶ディスプレイ用面光源装置における色度変化を抑制し、面光源装置の色度変化を抑制し、かつ高い反射性能を両立した白色フィルムロールを得ることができる。
本発明の白色フィルムロールは、フィルムの内部に気泡を有する白色フィルムからなる。気泡は、無機粒子や有機粒子等の核材となる粒子の周りに気泡を形成したものでも良いし、核材レスの気泡であっても良い。本発明を構成する白色フィルムにおいては、核材の周りに気泡を形成した形態が好ましく、この手法であれば、後述するように高い反射特性を有する白色フィルムを容易に製造することが可能である。さらには、核材として有機粒子を選定することは光吸収性を抑え、形成した白色フィルムの反射効率をより高めることができるだけでなく、白色フィルムロールの軽量化が可能となって好ましい。
本発明の白色フィルムロールにおける白色フィルムは、内部に気泡を有するが、気泡は独立した気泡であっても良いし、複数の気泡が連続しているものであっても良い。また、フィルムの白色性・光反射性はフィルムへ入射した光線が内部の気固界面(気泡と、マトリックス樹脂もしくは樹脂粒子からなる気固界面)にて反射されることによって発現されるため、フィルム厚み方向に多数の気固界面を形成させることが好ましい。フィルム厚み方向に多数の気固界面を形成させるためには、気泡の断面形状は、円状ないし、フィルム面方向に対して伸長されている楕円状であることが好ましい。なお、本発明においてマトリックス樹脂とは、有機粒子もしくは無機粒子等を核とした気泡を含有する層に含まれる樹脂であって、有機粒子もしくは無機粒子以外の全樹脂を指す。
また、気泡の形成方法としては、白色フィルムを構成する主たる樹脂成分(a)と、該樹脂成分(a)に対して有機粒子となる非相溶性樹脂成分(b)とを含有する混合物を溶融押出しした後、少なくとも一方向に延伸し、内部に気泡を形成させることにより、界面を形成させる方法が、より微細で扁平な気泡を生成させることが出来、反射性能および生産性が良好であるために好ましい。
本発明の白色フィルムの構成は、使用する用途や要求する特性により適宜選択すれば良く、特に限定されるものではない。具体的には、少なくとも1層以上の構成を有する単層(A層)及び/又は2層(A層/B層)以上の積層からなる複合フィルムであって、その少なくとも1層以上に気泡及び/又は無機粒子を含有していれば良い。特に、A層/B層/A層やA層/B層/C層の構造を有する3層構成のフィルムであって、B層が気泡を含有する場合には、生産性や剛性の点で優れており、好ましい形態である。
本発明の白色フィルムロールは、ロール状に巻き取られた形態であれば、その巻き径やロール幅、フィルム長さは制限されるものではないが、白色フィルムロールの生産性や、該ロールを二次加工する際のハンドリング性の観点から、巻き径70mm以上2000mm以下、ロール幅100mm以上3000mm以下、フィルム長さ5m以上10000m以下であることが好ましい。
白色フィルムの製造工程の最後にコアとなる資材に巻き取ったものや、既に巻き取られたものをスリット工程等でさらに小分けにして分割されて巻き取ったものも含まれる。ロール状であれば、次工程への利用や保管が容易となり、生産性に優れた形態となる。
本発明の白色フィルムロールは、前記フィルムの表面に青色LEDの光を9500cd/mで168時間照射した時の色調Δbが、0≧Δb≧−0.6である。
ここでいう青色LEDの光とは、発光素子としてインジウム窒化ガリウム、窒化ガリウム、アルミニウム窒化ガリウム等を用いてなる400〜500nmの紫〜青色領域に発光ピークを持つLEDのことであり、これらの青色LEDに黄色蛍光材料等を組み合わせてできた白色LEDもこれに含まれる。これらの青色LEDの光を9500cd/mとなるように調整して照射試験を実施する。
また、ここでいうΔbとは、分光式色差計SE−2000型(日本電色工業(株)製)を用いて、JIS Z−8722(2000)に準じて反射モードにて測定した値である。Δbが0≧Δb≧−0.6の範囲であれば、本発明の白色フィルムにLED光が照射されてもフィルムの色調変化、特に青色への変化が少なく、長期に渡って面光源装置の色度変化を抑制することが出来る。Δbの好ましい範囲は0≧Δb≧−0.5、さらに好ましい範囲は0≧Δb≧−0.4である。
また、本発明の白色フィルムロールは、前記フィルムの表面に40℃90%RH条件下において青色LEDの光を9500cd/mで168時間照射した時の色調Δb´が、0≧Δb´≧−0.6であることが好ましい。より好ましくは0≧Δb´≧−0.5、さらに好ましい範囲は0≧Δb´≧−0.4である。
Δbが上記の範囲であれば、本発明の白色フィルムにLED光が照射されてもフィルムの色調変化が少なく、長期に渡ってバックライトの色度変化を抑制し、かつ高い反射特性を両立することが出来る。
本発明において、白色フィルムロールはその主たる樹脂成分(a)としてポリエステル樹脂が用いられていることが好ましい。本発明のポリエステル樹脂とは、ジオール成分とジカルボン酸成分の重縮合によって得られるポリマーであり、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等が代表例として挙げられる。またジオール成分としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が代表例として挙げられる。ポリエステル樹脂(A)の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(ポリエチレンナフタレート)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を使用することができる。
もちろん、これらのポリエステルは、ホモポリエステルであってもコポリエステルであってもよく、共重合成分としては、例えばジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分を用いることができる。
本発明の白色フィルムロールを構成する白色フィルムにおいて、ポリエステル樹脂として、上述の樹脂を用いることにより、高い無着色性を維持しつつ、フィルムとしたときに高い機械強度を付与することができる。より好ましくは、安価でかつ耐熱性が優れるという点で、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。
本発明において、その主たる樹脂成分(a)としてポリエチレンテレフタレートを用いる場合、青色LEDの光による色調変化を抑制するためには樹脂の色味(特に、黄色み)が少ない材料を用いることが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートを重合する際に用いられる金属触媒の種類によって樹脂の色味が異なるため、金属触媒を選定することも好ましい方法である。白色フィルムを構成するポリエチレンテレフタレート樹脂に含有する金属元素としては特に限定されないが、例えば、アンチモン元素、ゲルマニウム元素、コバルト元素、すず元素、亜鉛元素、マンガン元素、鉛元素、カドミウム元素、クロム元素などが挙げられ、特にゲルマニウム元素を含有するポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。これらの金属元素は、単一で含有されていても良いし、複数を含有していても良い。また、これらの金属元素の含有量の合計は500ppm以下であることがより好ましく、300ppm以下であることがさらに好ましい。
本発明の白色フィルムは、ポリエステル樹脂を51質量%以上含むことが好ましい。
51質量%より少ない場合、耐熱性や耐衝撃性に劣る場合があるので、好ましくない。なお、ポリエステル樹脂の上限は100質量%である。
本発明では、白色フィルムが主たる樹脂成分(a)と、有機粒子を構成する樹脂成分(a)とは非相溶な樹脂成分(b)を用いてなるフィルムであることが好ましい。
非相溶性樹脂成分(b)としては、マトリックスとなる主たる樹脂成分(a)と非相溶なものであれば特に限定されず、マトリックスと非相溶の熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。その樹脂は、結晶性、非晶性、どちらも好ましく用いられる。その具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンなどのような直鎖状、分鎖状あるいは環状のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、フッ素系樹脂などが好ましく用いられる。これらの非相溶性樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の非相溶性樹脂を併用してもよい。
白色フィルムの主たる樹脂成分(a)としてポリエステル樹脂を用いる場合、非相溶性樹脂成分(b)の結晶性樹脂の具体例としては、透明性、耐熱性の観点から、ポリメチルペンテンやポリプロピレンがより好ましく用いられる。ここで、ポリメチルペンテンとしては、分子骨格中に4−メチルペンテン−1からの誘導単位を好ましくは80モル%以上、より好ましくは85モル%以上、特に好ましくは90モル%以上含むものが好ましい。また、その他の誘導単位としては、エチレン単位、プロピレン単位、ブテン−1単位、3−メチルブテン−1、あるいは4−メチルペンテン−1以外で炭素数6〜12の炭化水素などが例示される。ポリメチルペンテンは単独重合体であっても共重合体であってもよい。また、組成や、溶融粘度などの異なる複数のポリメチルペンテン、他のオレフィン系樹脂やその他樹脂と併用してもよい。
また、本発明において好ましく用いられる非相溶性樹脂成分(b)として非晶性樹脂を用いる場合、環状オレフィン共重合体樹脂を特に好ましく用いることができる。環状オレフィン共重合体とは、シクロアルケン、ビシクロアルケン、トリシクロアルケン及びテトラシクロアルケンからなる群から選ばれた少なくとも1種の環状オレフィンと、エチレン、プロピレン等の直鎖オレフィンからなる共重合体である。
環状オレフィン共重合体樹脂における環状オレフィンの代表例としては、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、1−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−エチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−n−ブチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−i−ブチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、7−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、トリシクロ〔4,3,0,12.5 〕−3−デセン、2−メチル−トリシクロ〔4,3,0,12.5 〕−3−デセン、5−メチル−トリシクロ〔4,3,0,12.5 〕−3−デセン、トリシクロ〔4,4,0,12.5 〕−3−デセン、10−メチル−トリシクロ〔4,4,0,12.5 〕−3−デセン等がある。
また、環状オレフィン共重合体樹脂における直鎖オレフィンの代表例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等がある。
本発明において、非相溶性樹脂(b)は、そのガラス転移温度Tgが130℃以上であることが好ましい。さらに好ましくは150℃以上である。140℃以上とすることで、混練時においてマトリックス樹脂中により微細に分散し、延伸工程において気泡を形成し、熱処理工程における気泡の消失をより抑制することができるためである。上限は180℃が好ましい。180℃を越えると、製膜時に有機粒子を矩形化しその厚みを薄くする際の加工温度が高くなりフィルムの平面性が悪化するため好ましくない。より好ましくは160℃以下である。また、ガラス転移温度(Tg)についてはJIS K7121−1987に記載の中間点ガラス転移温度(Tmg)であり、示差熱分析計(例えば、TA Instruments社製DSC Q100)を用いて、窒素雰囲気下において、樹脂を25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱し、その状態で10分間保持する。次いで25℃以下となるよう急冷し、再度室温から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温し吸発熱曲線(DSC曲線)を求める。
非相溶樹脂(b)として、環状オレフィン共重合体樹脂を用いる場合、そのガラス転移温度Tgを前述の範囲に制御するためには、例えば環状オレフィン共重合体中の環状オレフィン成分の含有量を多くし、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量を少なくすることが挙げられる。具体的には、環状オレフィン成分は60モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量は40モル%未満であることが好ましい。より好ましくは、環状オレフィン成分は70モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量は30モル%未満、さらに好ましくは環状オレフィン成分が80モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量が20モル%未満である。特に好ましくは環状オレフィン成分が90モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量が10モル%未満である。かかる範囲にすることにより、環状オレフィン共重合体のガラス転移温度Tgを前述の範囲まで高めることができる。
また、非相溶性樹脂(b)として、環状オレフィン共重合体樹脂を用いる場合、直鎖オレフィン成分は特に制限されるものではないが、反応性の観点からエチレン成分が好ましい。
さらに、環状オレフィン成分も特に制限されるものではないが、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン(ノルボルネン)やその誘導体が生産性・透明性・高Tg化の点から好ましい。
したがって、本発明では、白色フィルムロールを構成する白色フィルムがポリエステル樹脂(A)および非相溶性樹脂成分(b)を有しており、非相溶性樹脂成分(b)が、ガラス転移温度が130℃以上180℃以下であることが好ましい。さらに非相溶性樹脂成分(b)は非晶性樹脂であることが好ましく、さらに好ましくは、(非晶性の)環状オレフィン共重合体樹脂であることである。
本発明において、上述の非相溶性樹脂(b)の含有量は、白色層に対し、3質量%以上25質量%以下であることが好ましく、より好ましくは4質量%以上15質量%以下である。非相溶性樹脂(b)の含有量が3質量%未満であると、フィルム内部に気泡が十分に生成されず、白色性や光反射特性に劣ることがある。一方、非相溶性樹脂(b)の含有量が25質量%を越えると、フィルムの強度が低下し、延伸時の破断が起こりやすくなることがある。含有量をかかる範囲内にすることにより、十分な白色性・反射性・軽量性を発現せしめることができる。
本発明の白色フィルムロールは、フィルムの内部に無機粒子を含有していても良い。無機粒子の例としては、ガラス、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、タルクなどを挙げることができる。
主たる樹脂としてポリエステル樹脂を用いた場合、これらの無機粒子の中でも、特に、気泡形成、白色度、光学濃度など総合的効果の点から、酸化チタン、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムからなる群から選ばれる1種以上の無機粒子を用いることが好ましく、特に酸化チタンを用いることが最も好ましい。
本発明において、白色フィルムロールを構成する白色フィルムは積層構成であっても良く、その場合、白色層と他の層とを有するものであっても良い。上述の無機粒子の含有量は、白色フィルムに対し、5質量%以上26質量%以下であることが好ましい。より好ましくは13質量%以上21質量%以下である。無機粒子の含有量が5質量%未満であると、フィルム内部に気泡が十分に生成されず、白色性や光反射特性に劣ることがある。一方、無機粒子の含有量が26質量%を越えると、フィルムの強度が低下し、延伸時の破断が起こりやすくなることがある。含有量をかかる範囲内にすることにより、十分な白色性・反射性・軽量性を発現せしめることができる。
なお、本発明において、非相溶性樹脂と無機粒子とを併用することは、好ましい態様の一つである。特に、本発明では、白色フィルムがポリエステル樹脂および非相溶性樹脂成分および無機粒子を用いてなる層を有しており、かつ非相溶性樹脂成分として、ガラス転移温度が130℃以上180℃以下である環状ポリオレフィン、および、酸化チタン、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムからなる群から選ばれる1種以上の無機粒子が用いられていることが好ましい。
本発明において、白色フィルムの表面に有機粒子を含む塗布層が設けられていることが好ましい。ここでいう有機粒子の種類としては特に限定されるものではなく、アクリル系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、ナイロン系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、ポリエチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン系樹脂粒子、ウレタン系樹脂粒子等を用いることができる。これらの有機粒子を用いることによって、本発明の白色フィルムを面光源用反射フィルムとして用いた際に、導光板のキズ付けが少なく好ましい。最も好ましくはナイロン12樹脂粒子及び/またはナイロン6とナイロン12の共重合体からなる樹脂粒子である。ナイロン12樹脂粒子としては、ナイロン微粒子SP500、SP10(東レ(株)製)や“ガンツパール”(登録商標)GPA550(ガンツ化成(株)製)などを使用することができる。ナイロン6とナイロン12の共重合体からなる樹脂粒子としては、SP20(東レ(株)製)を使用することができる。
また、青色LEDの光による色調変化を抑制するためには、より無色透明に近い有機粒子を選定するのが好ましく、特に、初期の色調b値が限りなく0に近い粒子が好ましい。有機粒子の初期b値が0に近いほど、青色LEDの光による色調変化が少なく、長期安定性に優れた白色フィルムとすることができる。
本発明の塗布層を構成するバインダー樹脂としては、特に限定されないが、有機成分を主体とする樹脂が好ましく、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を用いてもよい。中でもポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルもしくはメタクリル樹脂が耐熱性、粒子分散性、塗布性、光沢度の点から好ましく使用される。さらには、これらのバインダー樹脂に本発明の効果を阻害しない範囲で各種の添加剤や無機粒子を添加することができるが、青色LEDの光によって色調変化が小さい材料を選定するのが好ましく、その添加量は極力少ないほうがより好ましい。かかる添加剤としては、蛍光増白剤、架橋剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、有機の滑剤、帯電防止剤、核剤、染料、充填剤、分散剤、難燃剤およびカップリング剤などを適宜添加・配合して用いることができるが、いずれもその機能が発揮できる最小量とすることが好ましい。無機粒子の例としては、ガラス、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、タルクなどを挙げることができる。
本発明において、塗布層を構成するバインダー樹脂および有機粒子と混合するために用いる溶剤は、バインダー樹脂を溶解する性質をもつ有機化合物であって、基材白色フィルム表面に塗布された後には乾燥される。具体的には、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、クロルベンゼン、オルトジクロルベンゼン等の塩化芳香族炭化水素類、モノクロルメタン等のメタン誘導体、モノクロルエタン等のエタン誘導体等を含む塩化脂肪族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。中でも、芳香族炭化水素系、ケトン系、エステル系の有機溶剤が好ましい。
バインダー樹脂などを溶解するものであれば、特に限定はないが、近年のVOC(揮発性有機化合物)規制などから、トルエン、キシレンの使用は避けた方が好ましく、溶解性、汎用性、コストの点で、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましい。また乾燥速度を調整できる点で沸点の異なる2種類以上の溶剤を混合して使用することが好ましい。
また、白色フィルムロールの製膜中に塗設するインラインコーティング法も、塗布工程の簡略化において好ましい手法である。インラインコーティング法においては、安全性の点から溶剤は水を用いることが好ましい。その場合、塗布性や、溶解性などの改良のため、水に溶解する有機溶剤を少量添加させても構わない。かかる有機溶剤の例として、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n―ブチルアルコールなどの脂肪族または脂環族アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール類、メチルセロソロブ、エチルセロソロブプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのジオール誘導体、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N−メチルピロリドンなどのアミド類など、および、これらの混合物を使用することができるが、これらに限定されない。
本発明において、基材となる白色フィルムに塗布層を形成するにあたっては、任意の方法を採用することができる。例えば、バインダー樹脂と有機粒子とを溶剤に含有させてなる塗液をグラビアコート、ロールコート、スピンコート、リバースコート、リバースキスコート、バーコート、スクリーンコート、ブレードコート、エアーナイフコート、スリットダイコート、リップコートおよびディッピングなどの各種塗布方法を用いて、基材白色フィルム製造時に塗布するインラインコーティングや、結晶配向完了後の基材白色フィルム上に塗布するオフラインコーティングなどが挙げられる。
本発明の白色フィルムロールの製造方法について説明する。本発明の製造には以下の延伸方法が特に好ましいが、これに限定されない。
少なくとも、ポリエステル樹脂と非相溶性樹脂成分を含む混合物を、必要に応じて十分真空乾燥を行い、押出機(主押出機)を有する製膜装置の加熱された押出機に供給する。非相溶性樹脂成分の添加は、事前に均一に溶融混練して配合させて作製されたマスターチップを用いても、もしくは直接混練押出機に供給するなどしてもよいが、事前に均一にポリエステル樹脂と非相溶性樹脂成分を含む混合物を溶融混練したマスターチップを用いるほうが、非相溶性樹脂成分の分散が促進されるという点でより好ましい。
また、溶融押出に際してはメッシュ40μm以下のフィルターにて濾過した後に、Tダイ口金内に導入し押出成形により溶融シートを得ることが好ましい。この溶融シートを表面温度10℃以上60℃以下に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸フィルムを作製する。
該未延伸フィルムを70℃以上120℃以下の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に周速の異なる二本のロール間で延伸する(すなわち、ロールの周速差を利用して延伸する)。長手方向の延伸倍率は3.0倍以上4.5倍以下が好ましく、その後、20℃以上50℃以下の温度のロール群で冷却する。3.0倍未満では十分な大きさに気泡が形成できず十分な反射率を得ることが出来ないことがある。また、4.5倍を越えて延伸するとその後の横延伸(幅方向への延伸)において破れやすくなり生産性に優れないため好ましくない。
続いて、フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、90℃以上150℃以下の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向に直角な方向(幅方向)に3倍以上5倍以下に延伸する。このとき、延伸が3倍未満では気泡サイズが小さく十分な反射率を得ることが出来ないことがある。また、5倍を超えて延伸すると破れやすくなり生産性に優れないため好ましくない。
得られた二軸延伸フィルムの結晶配向を完了および平面性と寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて、好ましくは主たる成分となる樹脂のTg以上融点未満の温度で1〜30秒間の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却する。熱処理温度は主たる成分となる樹脂の融点Tm−90〜Tm−40℃とすることが好ましい。特に、本発明の白色フィルムはLED光源を用いたディスプレイ用バックライトに用いられることがあり、そのバックライト種によってはバックライト内部の雰囲気温度が100℃程度まで上昇することがあるので、好ましい熱処理温度としては160℃〜Tm−40℃(ただし、Tm−40℃>160℃)であるのが好ましい。
また、上記熱処理工程に、必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。さらには、他素材との密着性をさらに高めるためのコロナ放電処理や、LED光によるエージング処理などを行った後、巻き取り機にてロール化し、本発明の白色フィルムの基材層を形成することができる。
次に、白色フィルムの表面層(A層とする)に塗布層(P層とする)を形成する方法としては、公知のコーティング手法を用いることができる。コーティング手法としては、種々の方法を適用することができ、例えば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等や、これらを組み合わせた方法を利用することができる。また、基材となるポリエステルフィルムの製膜中に、インラインにて公知のコーティング手法を用いて易接着層を設ける方法も、製造工程の簡略化という点で好ましい方法である。
本発明では、コーティング法によりP層を白色フィルム表面層A層上に形成する方法として、前述のA層の製膜中に塗設するインラインコーティング法、製膜後のA層に塗設するオフラインコーティング法があげられ、どちらでも用いることが出来る。
また、コーティング後にP層を硬化する場合、その硬化方法は、公知の方法をとりうる。例えば熱硬化、あるいは紫外線、電子線、放射線などの活性線を用いる方法、さらにはこれらの組み合わせによる方法などが適用できる。本発明においては、熱風オーブンによる熱硬化方法が好ましい。さらに熱風オーブンによる硬化では、材料予熱/恒率乾燥/残率乾燥と、段階的に乾燥温度を上昇させていく方法が、P層に溶媒を残留させず、好ましい方法である。さらには、乾燥工程後に、任意の温度でエージング処理を行うことは、主剤及び硬化剤間の架橋反応を促進する点で好ましい。
また、前記の方法で得られた本発明の白色フィルムロールを青色LEDの光によってエージング処理することは、白色フィルムを青色LEDを搭載した面光源装置の反射フィルムとして用いる場合に、色調変化を抑制する効果がある。例えば、白色フィルムロールから巻き出したフィルムの表面に、発光波長領域が400〜500nmである青色LEDの光を50000cd/mで1時間照射するエージング処理を行うことによって、青色LEDの光による色調変化が大きい材料を用いた場合であっても、液晶ディスプレイ用反射フィルムとして長期に渡り、安定した光反射性を保つことが出来る。本発明の製造方法により得られる白色フィルムロールは液晶ディスプレイなどに搭載されている面光源装置の反射フィルムとして用いられることがある。
かくして得られた本発明の白色フィルムロールは、フィルム内部に微細な気泡が形成され高反射率が達成されており、サイドライトタイプ及び直下型ライトタイプの液晶ディスプレイの反射板として使用された場合に、高輝度かつ青色LEDの光による色調変化を抑制することができる。
[測定方法]
(1)フィルム厚み
フィルムの厚みは、JIS C2151−2006に準じて測定した。
ミクロトームを用いて、フィルムの厚み方向に切断し、切片サンプルを得た。
該切片サンプルの断面を日立製作所製電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)S−800を用いて、3,000倍の倍率で撮像し、撮像から積層厚みを採寸しフィルム厚みを算出した。
(2)バックライト色度変化Δy
サムソン(株)製液晶モニタ(750B)のLED光源式の2灯サイドライト型バックライトの反射フィルムとして白色フィルムを搭載し、家庭用電源100Vを用いて電圧を印加して9500cd/mとなるように点灯させた。その後、点灯直後と、168hr後にバックライト色度yを測定した。点灯直後のyをy、168hr後のyをy168としたときに、下記式(3)よりΔyを求めた。
Δy=y168−y・・・(3)
バックライト色度yは、輝度計(topcon製BM−7fast)をバックライトの中心から法線方向に500mmの距離に設置して測定した。測定回数はn=3とし、その平均値をy値と定めた。なお、バックライトの導光板と接するフィルム面は、白色フィルムのどちらか片側の表面層(A層)、もしくは白色フィルムに塗布層(P層)が設けてある場合には塗布層(P層)となるように搭載した。
(3)フィルムの色調変化Δb
前記(2)項でバックライトに搭載した白色フィルムを取り出して、搭載前の白色フィルムのA層、もしくはP層側から測定したb値をKb0、搭載後の白色フィルムのP1層、もしくはP2層側から測定したb値をKbとした時に、下記(4)式により求められる値をA層、もしくはP層の色調変化Δbとして、この値より白色フィルムの耐LED性を評価した。
Δb=Kb−Kb0・・・(4)
b値の求め方は次の通りである。
分光式色差計SE−2000型(日本電色工業(株)製)を用い、JIS Z−8722(2000)に準じて反射モードにて、A層、もしくはP層のb値を測定した。サンプル数はn=5とし、試料測定径を30mmφとして、それぞれのb値を測定して、その平均値を算出した。得られたA層、もしくはP層側の色調変化Δbより白色フィルムの耐LED性について以下のように判定を行った。
色調変化Δbが、0≧Δb≧−0.4の場合:S
色調変化Δbが、−0.4>Δb≧−0.6の場合:A
色調変化Δbが、−0.6>Δbの場合:B
S〜Aが良好であり、その中でもSが最も優れている。
(4)輝度ムラ
前記(2)項と同様にして、バックライト内部に白色フィルムを搭載し点灯した。そのバックライト面を9分割し、各エリアの輝度Lを計測して、その最大値Lmaxと、最小値Lminから以下のように判定を行った。
(Lmax−Lmin)/Lmax*100≦3%の場合:S
3%<(Lmax−Lmin)/Lmax*100≦5%の場合:A
(Lmax−Lmin)/Lmax*100>5%の場合:B
S〜Aが良好であり、その中でもSが最も優れている。
(5)平均相対反射率
分光光度計U−3410(日立製作所(株)製)を用いて、400〜700nmの範囲の分光反射率を10nm間隔で測定し、その平均値を平均相対反射率とした。サンプル数はn=5とし、それぞれの平均相対反射率を測定して、その平均値を算出した。測定ユニットはφ60mmの積分球(型番130−0632)を使用し、10°傾斜スペーサーを取り付けた。また、標準白色板には酸化アルミニウム(型番210−0740)を使用した。なお、フィルムが積層フィルムである場合には、本発明のポリエステル層側から測定する。
平均相対反射率が80%以上の場合:S
平均相対反射率が60%以上80%未満の場合:A
平均相対反射率が30%以上60%未満の場合:B
平均相対反射率が30%未満の場合:C
S〜Bが良好であり、その中でもSが最も優れている。
(6)40℃90%RH条件下バックライト色度変化Δy´
サムソン(株)製液晶モニタ(750B)のLED光源式の2灯サイドライト型バックライトの反射フィルムとして白色フィルムを搭載し、家庭用電源100Vを用いて電圧を印加して9500cd/mとなるように点灯させた。点灯直後にバックライト色度yを測定した。その後、40℃90%RHに調温調湿した恒温恒湿槽に点灯状態で投入した。168hr後に取り出し、バックライト色度yを測定した。点灯直後のyをy´、168hr後のyをy´168としたときに、下記式(5)よりΔy´を求めた。
Δy´=y´168−y´・・・(5)
バックライト色度yは、輝度計(topcon製BM−7fast)をバックライトの中心から法線方向に500mmの距離に設置して測定した。測定回数はn=3とし、その平均値をy´値と定めた。なお、バックライトの導光板と接するフィルム面は、白色フィルムのどちらか片側の表面層(A層)、もしくは白色フィルムに塗布層(P層)が設けてある場合には塗布層(P層)となるように搭載した。
(7)40℃90%RH条件下フィルムの色調変化Δb´
前記(6)項でバックライトに搭載した白色フィルムを取り出して、搭載前の白色フィルムのA層、もしくはP層側から測定したb値をKb´0、搭載後の白色フィルムのP1層、もしくはP2層側から測定したb値をKb´とした時に、下記(5)式、により求められる値をA層、もしくはP層の色調変化Δb´として、この値より白色フィルムの耐LED性を評価した。
Δb´=Kb´−Kb´0・・・(6)
b値の求め方は次の通りである。
分光式色差計SE−2000型(日本電色工業(株)製)を用い、JIS Z−8722(2000)に準じて反射モードにて、A層、もしくはP層のb値を測定した。サンプル数はn=5とし、試料測定径を30mmφとして、それぞれのb値を測定して、その平均値を算出した。得られたA層、もしくはP層側の色調変化Δb´より白色フィルムの耐LED性について以下のように判定を行った。
色調変化Δb´が、0≧Δb´≧−0.4の場合:S
色調変化Δb´が、−0.4>Δb´≧−0.6の場合:A
色調変化Δb´が、−0.6>Δb´の場合:B
S〜Aが良好であり、その中でもSが最も優れている。
[原料]
・PET原料1
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを、三酸化アンチモンを重合触媒として用いて、得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、結晶性のポリエステル樹脂である。この樹脂の融点Tmを測定したところ、250℃であった。
・PET原料2
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを、二酸化ゲルマニウムを重合触媒として用いて、得られるポリエステルペレットに対してゲルマニウム原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.68dl/g、カルボキシル末端基量20当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、結晶性のポリエステル樹脂である。この樹脂の融点Tmを測定したところ、250℃であった。
・PET原料3
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを、酢酸マグネシウムを重合触媒として用いて、得られるポリエステルペレットに対してマグネシウム原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、さらに220℃で9時間の固相重合を行って、極限粘度0.75dl/g、カルボキシル末端基量15当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、結晶性のポリエステル樹脂である。この樹脂の融点Tmを測定したところ、255℃であった。
・蛍光増白剤
有機系蛍光剤イーストブライト「OB−1」(イーストマンコダック社製)を用いた。
・ボイド核剤A
ポリメチルペンテン樹脂「TPX」(三井化学社製)を用いた。
・ボイド核剤B
ガラス転移温度が178℃である環状オレフィン樹脂「TOPAS」(ポリプラスチック社製)を用いた。
・塗液A
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、固形分濃度40質量%、株式会社日本触媒製)、ナイロン粒子SP−10(ナイロン12、体積平均粒径10μm、固形分濃度100質量%、東レ株式会社製)を、表1の配合比となるように酢酸エチルで希釈/攪拌し、塗液Aを準備した。
・塗液B
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、固形分濃度40質量%、株式会社日本触媒製)、ナイロン粒子SP−10(ナイロン12、体積平均粒径10μm、固形分濃度100質量%、東レ株式会社製)を、表1の配合比となるように酢酸エチルで希釈/攪拌し、塗液Bを準備した。
・塗液C
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、固形分濃度40質量%、株式会社日本触媒製)、“エポスター”(登録商標)MA1004(アクリル系架橋粒子、体積平均粒径5μm、固形分濃度100質量%、株式会社日本触媒製)を、表1の配合比となるように酢酸エチルで希釈/攪拌し、塗液Cを準備した。
・塗液D
“アクリディック”(登録商標)A−817(アクリル系共重合体、固形分濃度50質量%、株式会社DIC製)、“コロネート”(登録商標)HL(イソシアネート系架橋剤、固形分濃度75質量%、東ソー株式会社製)、ナイロン粒子SP−10(ナイロン12、体積平均粒径10μm、固形分濃度100質量%、東レ株式会社製)を表1の配合比となるように酢酸エチルで希釈/攪拌し、塗液Dを準備した。
・塗液E
“アクリディック”(登録商標)A−817(アクリル系共重合体、固形分濃度50質量%、株式会社DIC製)、“コロネート”(登録商標)HL(イソシアネート系架橋剤、固形分濃度75質量%、東ソー株式会社製)、“エポスター”(登録商標)MA1004(アクリル系架橋粒子、体積平均粒径5μm、固形分濃度100質量%、株式会社日本触媒製)を、表1の配合比となるように酢酸エチルで希釈/攪拌し、塗液Eを準備した。
・塗液F
“ハルスハイブリッド”(登録商標)UV―G720T(アクリル系共重合体、固形分濃度40質量%、株式会社日本触媒製)、ポリエーテルエステルエラストマー樹脂“ハイトレル”(登録商標)4047N(東レ株式会社製)を液体窒素で凍結しミル粉砕して作製した粒子(体積平均粒径10μm)を、表1の配合比となるように酢酸エチルで希釈/攪拌し、塗液Fを準備した。
以下の実施例等によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示したフィルム原料の混合物を180℃で3時間真空乾燥した後に押出機へ供給し、280℃で溶融押出後、30μmカットフィルターにより濾過を行ってTダイ複合口金に導入した。
次いで、該Tダイ複合口金内で、A層/B層/A層の3層積層となるように合流した後、シート状に共押出して溶融積層シートとし、該溶融積層シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸積層フィルムを得た。続いて、該未延伸積層フィルムを80℃に加熱したロール群で予熱した後、さらに85℃に加熱したロールを用いて長手方向に3.3倍延伸した後に25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。その後、一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内で100℃にて長手方向に垂直な方向(横方向)に3.6倍に延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで190℃の熱処理を施し、さらに180℃で5%横方向に弛緩処理を行い、次いで均一に徐冷後に巻き取って、厚み300μm(A:B:A積層比=1:28:1)の基材白色フィルムロールを得た。
このフィルムロールから得られたフィルムについて、バックライト色度変化Δy、フィルム色調変化Δb、40℃90%RH条件下バックライト色度変化Δy´、40℃90%RH条件下フィルムの色調変化Δb´、輝度ムラ評価を行った。その結果、表1に示す通り、輝度ムラはやや劣るものの、青色LEDの光による色調変化が少なく、良好な特性を有することがわかった。
(実施例2〜4)
実施例1の白色フィルムロールを基材として、該白色フィルムロールの片側の表面にグラビアコーターを用いて、塗布層dry厚みが表1に記載の厚みとなるように、塗液を塗布した後、120℃で2分間乾燥し、それを巻き取って白色ロールフィルムを得た。
このフィルムロールから得られたフィルムについて、バックライト色度変化Δy、フィルム色調変化Δb、40℃90%RH条件下バックライト色度変化Δy´、40℃90%RH条件下フィルムの色調変化Δb´、輝度ムラ評価を行った。その結果、表1に示す通り、青色LEDの光による色調変化や輝度ムラが少なく、優れた特性を有することがわかった。
(実施例5〜7)
基材となる白色フィルムロールの原料および塗液を表1に示した通りに変更したこと以外は、実施例2〜4と同様にして、白色ロールフィルムを得た。
このフィルムロールから得られたフィルムについて、バックライト色度変化Δy、フィルム色調変化Δb、40℃90%RH条件下バックライト色度変化Δy´、40℃90%RH条件下フィルムの色調変化Δb´、輝度ムラ評価を行った。その結果、表1に示す通り、青色LEDの光による色調変化や輝度ムラが少なく、優れた特性を有することがわかった。
(実施例8)
基材となる白色フィルムロールの原料を表1に示した通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、基材白色フィルムロールを得た。次に、該基材白色フィルムロールから巻き出したフィルムの表面に、発光波長領域が400〜500nm青色LEDの光を50000cd/mで1時間照射するエージング処理工程を経て、さらに巻き取って白色フィルムロールを得た。
このフィルムロールから得られたフィルムについて、バックライト色度変化Δy、フィルム色調変化Δb、40℃90%RH条件下バックライト色度変化Δy´、40℃90%RH条件下フィルムの色調変化Δb´、輝度ムラ評価を行った。その結果、表1に示す通り、青色LEDの光による色調変化や輝度ムラが少なく、良好な特性を有することがわかった。
(比較例1)
実施例8で得られた基材となる白色ロールフィルムを、そのまま使用した。
このフィルムロールから得られたフィルムについて、バックライト色度変化Δy、フィルム色調変化Δb、40℃90%RH条件下バックライト色度変化Δy´、40℃90%RH条件下フィルムの色調変化Δb´、輝度ムラ評価を行った。その結果、表1に示す通り、青色LEDの光による色調変化や輝度ムラが大きく、本発明の特性を有するものではなかった。
(比較例2)
基材となる白色フィルムロールの原料を表1に示した通りに変更したこと以外は、実施例2〜4と同様にして、白色ロールフィルムを得た。
このフィルムロールから得られたフィルムについて、バックライト色度変化Δy、フィルム色調変化Δb、40℃90%RH条件下バックライト色度変化Δy´、40℃90%RH条件下フィルムの色調変化Δb´、輝度ムラ評価を行った。その結果、表1に示す通り、青色LEDの光による色調変化が大きく、本発明の特性を有するものではなかった。
(比較例3)
塗液を表1に示した通りに変更したこと以外は、実施例2と同様にして、白色ロールフィルムを得た。
このフィルムロールから得られたフィルムについて、バックライト色度変化Δy、フィルム色調変化Δb、40℃90%RH条件下バックライト色度変化Δy´、40℃90%RH条件下フィルムの色調変化Δb´、輝度ムラ評価を行った。その結果、表1に示す通り、青色LEDの光による色調変化が大きく、本発明の特性を有するものではなかった。
Figure 2017107206
Figure 2017107206
本発明は、詳しくは青色LEDの光による色調変化が少なく、該LEDを搭載した液晶ディスプレイなどの反射部材として好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. フィルムの内部に気泡を含有する白色フィルムロールであって、前記フィルムロールを構成する白色フィルムの表面に青色LEDの光を9500cd/mで168時間照射した時の色調変化が下記式(1)を満たすことを特徴とする白色フィルムロール。(1)0≧Δb≧−0.6
  2. 前記フィルムの表面に、有機粒子を含む塗布層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の白色フィルムロール。
  3. 前記フィルムが、ポリエステル樹脂をフィルム全体に対して51重量%以上含むことを特徴とする請求項1または2に記載の白色フィルムロール。
  4. 請求項1〜3に記載の白色フィルムロールから切り出した白色フィルムを反射板として用いてなるLED光源型面光源装置。
  5. 請求項4に記載のLED光源型面光源装置を用いてなる液晶ディスプレイ。
  6. フィルムの内部に気泡を含有する白色フィルムロールであって、前記フィルムロールを構成する白色フィルムの表面に40℃90%RH条件下において、青色LEDの光を9500cd/mで168時間照射した時の色調変化が下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の白色フィルムロール。
    (2)0≧Δb´≧−0.6

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