JP2010237670A - 白色フィルムおよびそれを用いた面光源 - Google Patents

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Abstract

【課題】製膜性、白色性、反射性、軽量性、熱寸法安定性に優れた白色フィルム提供すること。
【解決手段】ポリエステル樹脂(A)と非相溶性成分(B)を含有する白色ポリエステル層(W層)を有する白色フィルムであって、該ポリエステル樹脂(A)がポリエステル樹脂成分(a2)を有し、該ポリエステル樹脂成分(a2)が炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)または炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の少なくともいずれかを有し、かつ、適切に設定された条件を満たす白色フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、白色フィルムの改良に関し、さらに詳しくは面光源用反射部材(反射板、およびリフレクター)として好適な白色フィルムであって、反射特性、製膜性、寸法安定性を両立することができる、白色フィルムに関するものである。
近年、パソコン、テレビ、携帯電話などの表示装置として、液晶を利用したディスプレイが数多く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、それ自体は発光体でないために、裏側からバックライトと呼ばれる面光源を設置して光を照射することにより表示が可能となっている。また、バックライトは、単に光を照射するだけでなく、画面全体を均一に照射せねばならないという要求に応えるため、サイドライト型もしくは直下型と呼ばれる面光源の構造をとっている。なかでも、薄型・小型化が望まれるノート型パソコン等に使用される薄型液晶ディスプレイ用途には、サイドライト型、つまり画面に対し側面から光を照射するタイプのバックライトが適用されている。
一般的に、このサイドライト型バックライトでは、導光板のエッジから冷陰極線管を照明光源とし、光を均一に伝播・拡散する導光板を利用し液晶ディスプレイ全体を均一に照射する導光板方式が採用されている。この照明方法において、より光を効率的に活用するため、冷陰極線管の周囲にリフレクターが設けられ、更に導光板から拡散された光を液晶画面側に効率的に反射させるために導光板の下には反射板が設けられている。これにより冷陰極線管からの光のロスを少なくし、液晶画面を明るくする機能を付与している。
一方、液晶テレビのような大画面用では、エッジライト方式では画面の高輝度化が望めないことから直下型ライト方式が採用されてきている。この方式は、液晶画面の下部に冷陰極線管を並列に設けるもので、反射板の上に平行に冷陰極線管が並べられる。反射板は平面状もしくは、冷陰極線管の部分を半円凹状に成形したものなどが用いられる。
このような液晶画面用の面光源に用いられるリフレクターや反射板(面光源反射部材と総称する)には、薄膜であることと同時に高い反射機能が要求され、従来、白色顔料を添加したフィルムや内部に微細な気泡を含有させたフィルム単独、もしくはこれらのフィルムと金属板、プラスチック板などを張り合わせたものが使用されてきた。これらの中で内部に微細な気泡を含有させたフィルムを使用した場合には、輝度の向上効果や均一性に優れることから広く使用されており、特に、非相溶性成分を核剤として含むシートを延伸して得られる内部に微細な気泡を含有させたフィルムは、簡単なプロセスで安価に形成できるという点で幅広く用いられている(特許文献1、2)。
ところで、液晶画面の用途は、従来からのノート型パソコンに加えて、近年では据置型のパソコンやテレビ、携帯電話のディスプレイなど、様々な機器に採用が広がっている。液晶画面の画像もより高精細なものが求められるのに伴い、液晶画面の明るさを増して画像をより鮮明に、より見やすくする改良が進められており、照明光源(例えば、冷陰極線管)もより高輝度、高出力のものとなってきており、そのために光反射性の向上が求められている。また、反射フィルムは蛍光管から発せられる高温下に長時間曝されることになるため、寸法変化が大きいと、長期使用中に輝度ムラの発生がおこるため、フィルムには高温雰囲気下での寸法安定性向上が求められている。以上の背景から、光反射性向上のためには、内部に気泡を形成するための非相溶性成分を高濃度で添加したシートを延伸する必要があった。
しかしながら、非相溶性成分を高濃度で含むシートを延伸する場合、フィルム破れが多発してシート化が困難であり、できたとしても生産性、コストの面で劣るといった問題があった。一方、従来技術として製膜性を向上させるためイソフタル酸を共重合して結晶性を低下させたPET(以下、PET/Iとする)を用いていたが、この場合は、製膜性は改善されるものの、耐熱性が十分ではなく、寸法安定性に劣るといった問題があった(特許文献3)。すなわち、反射性と製膜性、寸法安定性の全てを兼ね備えた白色フィルムは困難であった。
特開平6−322153号公報 特開平7−118433号公報 特開2007−015315号公報
本発明は、上記従来の検討では達成し得なかった製膜性、白色性、反射性、軽量性、熱寸法安定性に優れた白色フィルム提供することを課題とする。その白色フィルムを用いることにより輝度特性に優れた面光源を提供することを課題とする。
そこで、本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の白色フィルムは、
(1)ポリエステル樹脂(A)と非相溶性成分(B)を含有する白色ポリエステル層(W層)を有する白色フィルムであって、
該ポリエステル樹脂(A)がポリエステル樹脂成分(a2)を有し、該ポリエステル樹脂成分(a2)が炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)または炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の少なくともいずれかを有し、かつ、
下記の条件(I)と(II)、または、条件(I)と(III)、または、条件(I)と(II)と(III)のいずれかを満たすことを特徴とする白色フィルム。
条件(I)
1.0≦X+Y≦17.0・・・(1)
ここで、
Xは白色ポリエステル層(W層)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)、
Yは白色ポリエステル層(W層)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)。
条件(II)
白色ポリエステル層(W層)がエステル交換反応抑制剤を含有し、かつ、
x2+y2≧30・・・(2)
ここで、
x2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)、
y2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)。
条件(III)
x2+y2≧40・・・(3)
ここで、
x2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)、
y2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)。
(2)非相溶性成分(B)が、ガラス転移温度Tg1が110℃以上の環状オレフィン共重合体樹脂(b)である請求項1に記載の白色フィルム。
(3)ポリエステル樹脂(A)と非相溶性成分(B)を含有する白色ポリエステル層(W層)を有する白色フィルムの製造方法であって、
炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)、または、炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の少なくともいずれかを含有するポリエステル樹脂成分(a2)とし、次いで、該ポリエステル樹脂成分(a2)を含有するポリエステル樹脂(A)とするに際し、
下記の条件(I)と(II)、または、条件(I)と(III)、または、条件(I)と(II)と(III)のいずれかを満たすように含有することを特徴とする白色フィルムの製造方法。
条件(I)
1.0≦X+Y≦17.0・・・(1)
ここで、
Xは白色ポリエステル層(W層)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)、
Yは白色ポリエステル層(W層)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)。
条件(II)
白色ポリエステル層(W層)がエステル交換反応抑制剤を含有し、かつ、
x2+y2≧30・・・(2)
ここで、
x2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)、
y2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)。
条件(III)
x2+y2≧40・・・(3)
ここで、
x2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)、
y2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)。
(4)請求項3に記載の方法で得られた白色フィルム、または、請求項1または2に記載の白色フィルムであって、面光源用反射板に用いられる白色フィルム。
(5)請求項4に記載の白色フィルムを用いた面光源。
である。
本発明の白色フィルムは、反射特性および寸法安定性を兼ね備えた白色フィルムを容易に製造することができ、特にこの白色フィルムを面光源内の反射板やリフレクターとして用いた時、液晶画面を明るく照らし、液晶画像をより鮮明かつ見やすくすることができ、また長期使用における輝度ムラ発生を抑制することができ有用なものである。
(1)白色フィルム
(1.1)白色フィルムの構成
本発明の白色フィルムは、ポリエステル樹脂(A)と、該ポリエステル樹脂(A)とは非相溶の成分(B)を有し、該非相溶性成分(B)を核剤としてその周りに気泡が形成された白色ポリエステル層(W層)を有する。ポリエステル樹脂(A)中に非相溶性成分(B)を含有させることにより、後述するような方法により容易に非相溶性成分(B)の周りに気泡を含有させることが可能となり、その結果、高い反射特性を有する白色フィルムを製造することが可能となる。
本発明の白色フィルムは、上述の構成からなる白色ポリエステル層(W層)単体であっても良いが、この少なくとも片側に、W層とは異なる層(B層)を積層させるのも、好ましい態様の一つである。かかる他の機能を有する層を積層することにより、反射光の光拡散性を制御したり、高い機械的強度をフィルムに付与したり、製膜性を付与したり、その他付随する機能を有することができる。その積層構造はW層/B層であってもB層/W層/B層であってもさらに多層でも構わない。また、本発明の白色フィルムが積層フィルムである場合、その表層部/内層部の厚み比率は1/200〜1/3が好ましく、1/50〜1/4がより好ましい。表層部/内層部/表層部の3層積層フィルムの場合、該比率は両表層部の合計/内層部で表される。白色ポリエステル層(W層)は内層であることが白色性・光反射性・製膜性の観点から好ましい。表層部/内層部の厚み比率が1/200未満の場合、表層部の効果が出ないことがあるため好ましくない。一方、1/3より大きい場合、反射特性が低下することがあるため好ましくない。
本発明の白色フィルムの厚みは10〜500μmが好ましく、20〜300μmがより好ましい。厚みが10μm未満の場合、フィルムの平坦性を確保することが困難となり、面光源として用いた際に、明るさにムラが生じやすい。一方、500μmより厚い場合、光反射フィルムとして液晶ディスプレイなどに用いた場合、厚みが大きくなりすぎることがある。
(1.2)非相溶性成分(B)
本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性成分(B)としては、マトリックスとなるポリエステル樹脂に非相溶なものであれば特に限定されず、無機粒子、架橋性樹脂粒子、マトリックスと非相溶の熱可塑性樹脂(以下、非相溶性樹脂とする)、いずれも好ましく用いられる。上記成分は単独でも2種以上を併用してもよい。架橋性樹脂粒子を用いる場合は、予め形状を制御した樹脂粒子を用いることによって、フィルム内部に形状のそろった気泡を多数有するフィルムを容易に得ることができる。非相溶性成分(B)として、無機粒子や架橋性樹脂粒子を用いる場合、その例としては、ガラス、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレー等の無機粒子、またはアクリル樹脂、有機シリコーン樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエステル、尿素樹脂、ホルムアルデヒド縮合物、フッ素樹脂等を架橋した架橋性樹脂粒子などを挙げることができる。
ここで、本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性成分(B)として酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムといった無機粒子を用いた場合、核剤の周りに微細な気泡を多々形成することが可能ではある。しかしながら、無機粒子は樹脂に比べ不純物を含みやすく、不純物を含んだ無機粒子は僅かながらも光吸収性を有するため、フィルムの全体、もしくは主層に多量に含有させた場合、形成した白色フィルムの特性を十分に高めることが困難である。また、多くの場合無機粒子は、粒子形状が球面状になりにくい為、均一な気泡を形成することが難しい。そこで、非相溶性成分(B)としては、有機微粒子、非相溶性樹脂を用いることが好ましく、より好ましくは非相溶性樹脂を用いるのがよい。非相溶性成分(B)として非相溶性樹脂を用いることで、無機粒子を核剤として用いる場合と比べて、光吸収性を抑え、形成した白色フィルムの反射効率をより高めることができるだけでなく、白色フィルムの軽量化が可能となる。
ここで、本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性成分(B)として非相溶性樹脂を用いる場合、その具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンなどのような直鎖状、分鎖状あるいは環状のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、フッ素系樹脂などが好ましく用いられる。これらの非相溶性樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の非相溶性樹脂を併用してもよい。これらの中でも、透明性に優れ、かつ耐熱性に優れるという点で、ポリオレフィンが好ましく用いられる。具体的には、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、シクロオレフィン共重合体などが好ましく用いられる。
本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性成分(B)として非相溶性樹脂を用いる場合、その樹脂は、結晶性樹脂(B1)、非晶性樹脂(B2)、どちらも好ましく用いられる。結晶性樹脂(B1)としては、透明性、耐熱性の観点から、ポリメチルペンテンがより好ましく用いられる。ここで、ポリメチルペンテンとしては、分子骨格中に4−メチルペンテン−1からの誘導単位を好ましくは80モル%以上、より好ましくは85モル%以上、特に好ましくは90モル%以上含むものが好ましい。また、その他の誘導単位としては、エチレン単位、プロピレン単位、ブテン−1単位、3−メチルブテン−1、あるいは4−メチルペンテン−1以外で炭素数6〜12の炭化水素などが例示される。ポリメチルペンテンは単独重合体であっても共重合体であってもよい。また、組成や、溶融粘度などの異なる複数のポリメチルペンテンを用いたり、他のオレフィン系樹脂やその他樹脂と併用してもよい。
また、本発明の白色フィルムに用いる非相溶性樹脂が、非晶性樹脂(B2)の場合、環状オレフィン共重合体樹脂(b)が特に好ましく用いられる。環状オレフィン共重合体とは、シクロアルケン、ビシクロアルケン、トリシクロアルケン及びテトラシクロアルケンからなる群から選ばれた少なくとも1種の環状オレフィンと、エチレン、プロピレン等の直鎖オレフィンからなる共重合体である。
環状オレフィン共重合体樹脂(b)における環状オレフィンの代表例としては、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、1−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−エチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−n−ブチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、6−i−ブチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、7−メチルビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン、トリシクロ〔4,3,0,12.5 〕−3−デセン、2−メチル−トリシクロ〔4,3,0,12.5〕−3−デセン、5−メチル−トリシクロ〔4,3,0,12.5 〕−3−デセン、トリシクロ〔4,4,0,12.5 〕−3−デセン、10−メチル−トリシクロ〔4,4,0,12.5 〕−3−デセン等がある。
また、環状オレフィン共重合体樹脂(b)における直鎖オレフィンの代表例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等がある。
本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性成分(B)としては、上述に挙げられるもののうち、非晶性樹脂(B2)である環状オレフィン共重合体樹脂(b)が、後述するようにポリエステル成分(A)に含まれる、脂環式ジオール、および/または脂環式ジカルボン酸との相互作用により、より微分散可能となり、その結果反射特性をさらに高めることができるという点から、特に好ましく用いられる。
本発明の白色フィルムに含まれる非相溶性成分(B)として、非晶性樹脂(B2)を用いる場合、そのガラス転移温度Tg1が110℃以上であることが好ましい。具体的には130℃以上が好ましく、より好ましくは160℃以上、さらに好ましくは180℃以上である。かかる範囲にすることにより、混練時においてマトリックス樹脂中により微細に分散し、延伸工程において気泡をよりしっかりと形成し、熱処理工程における非晶性樹脂(B2)の変形を防ぎ、気泡の消失をより抑制することができる。
本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性成分(B)として、非晶性樹脂(B2)を用いる場合、そのガラス転移温度Tg1が110℃に満たないと、寸法安定性を付与するためにフィルムの熱処理を実施した時に、核剤である非晶性樹脂(B2)が変形し、その結果、それを核として形成された気泡が減少・または消失して、反射特性が低下する場合がある。また、反射特性を維持しようとして、熱処理温度を低温化すると、フィルムの寸法安定性が低下する場合があるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性成分(B)として、非晶性樹脂(B2)を用いる場合、そのガラス転移温度Tg1を110℃以上とすることによって、高い反射率と、寸法安定性を両立することが可能となる。
また本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性成分(B)として、非晶性樹脂(B2)を用いる場合、そのガラス転移温度の上限は特に定められるものでないが、好ましくはポリエステル樹脂(A)の主たる構成樹脂であるポリエステル樹脂(a1)の融点Tm−5℃以下、より好ましくはTm−10℃以下、更に好ましくはTm−20℃以下がよい。本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性成分(B)のガラス転移温度Tgがポリエステル樹脂(A)の主たる構成樹脂であるポリエステル樹脂(a1)のTm−5℃を越えるとマトリックスとなるポリエステル樹脂(A)と溶融混練する際、十分に非晶性樹脂(B2)が軟化せずに微分散化が促進されないことが考えられる。具体的には、ポリエステル樹脂(a1)としてポリエチレンテレフタレートを用いた場合、非晶性樹脂(B2)のガラス転移温度Tgは、245℃以下であることが好ましい。より好ましくは240℃以下、さらに好ましくは230℃以下である。
また、非晶性樹脂(B2)として、環状オレフィン共重合体樹脂(b)を用いる場合、そのガラス転移温度Tg1を前述の範囲に制御するためには、例えば環状オレフィン共重合体中の環状オレフィン成分の含有量を多くし、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量を少なくすることが挙げられる。具体的には、環状オレフィン成分は60モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量は40モル%未満であることが好ましい。より好ましくは、環状オレフィン成分は70モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量は30モル%未満、さらに好ましくは環状オレフィン成分が80モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量が20モル%未満である。特に好ましくは環状オレフィン成分が90モル%以上であり、エチレン等の直鎖オレフィン成分の含有量が10モル%未満である。かかる範囲にすることにより、環状オレフィン共重合体樹脂(b)のガラス転移温度Tg1を前述の範囲まで高めることができる。
また、非晶性樹脂(B2)として、環状オレフィン共重合体樹脂(b)を用いる場合、直鎖オレフィン成分は特に制限されるものではないが、反応性の観点からエチレン成分が好ましい。さらに、環状オレフィン成分も特に制限されるものではないが、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン(ノルボルネン)やその誘導体が生産性・透明性・高Tg化の点から好ましい。
本発明の白色フィルムにおいて、上述の非相溶性成分(B)は、白色ポリエステル層(W層)を構成する全材料の合計重量100重量%において、5〜60重量%含有されていることが好ましい。好ましくは非相溶性成分(B)の添加量は10〜50重量%、より好ましくは15〜50重量%、さらに好ましくは20〜40重量%である。
本発明の白色フィルムにおいて、ポリエステル層(W層)を構成する全材料の合計重量100重量%において非相溶性成分(B)の添加量が5重量%未満であると、白色性や光反射特性に劣ることがある。一方、ポリエステル層(W層)を構成する全材料の合計重量100重量%において非相溶性成分(B)の添加量が60重量%を越えると、フィルムの強度が低下し、延伸時の破断が起こりやすくなることがある。含有量をかかる範囲内にすることにより、十分な白色性・反射性・軽量性を発現せしめることができる。
(1.3)ポリエステル樹脂(A)
本発明の白色フィルムにおいて、ポリエステル樹脂(A)は、後述するポリエステル樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)を含むことが必要である。
(1.3.1)ポリエステル樹脂(a1)
本発明の白色フィルムにおいて、ポリエステル樹脂(a1)は、1)ジカルボン酸成分もしくはそのエステル形成性誘導体(以下、「ジカルボン酸成分」と総称する)とジオール成分の重縮合、2)一分子内にカルボン酸もしくはカルボン酸誘導体骨格と水酸基を有する化合物の重縮合、および1)2)の組み合わせにより得ることができる。
1)において、かかるポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸等芳香族ジカルボン酸などのジカルボン酸、もしくはそのエステル誘導体などが代表例として挙げられるが、これらに限定されず、例えば多官能酸である、トリメリット酸、ピロメリット酸およびそのエステル誘導体等も好適に用いることができる。また、これらは単独で用いても、必要に応じて、複数種類用いても構わない。
また、上述のジカルボン酸成分のカルボキシ末端に、l-ラクチド、d−ラクチド、ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類、およびその誘導体、そのオキシ酸類が複数個連なったもの等を付加させたジカルボキシ化合物も好ましく用いられる。
また、1)においてかかるポリエステル樹脂を構成するジオール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族ジオール類、ビスフェノールA、1,3―ベンゼンジメタノール,1,4−ベンセンジメタノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、などの芳香族ジオール類等のジオールなどが代表例として挙げられるがこれらに限定されない。また、これらは単独で用いても、必要に応じて、複数種類用いても構わない。
また、2)において、一分子内にカルボン酸もしくはカルボン酸誘導体骨格と水酸基を有する化合物の例としては、l-ラクチド、d−ラクチド、ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類、およびその誘導体、そのオキシ酸類が複数個連なったもの等を付加させたジカルボキシ化合物等が挙げられる。
本発明の白色フィルムに用いられるポリエステル樹脂(a1)は、上述の化合物を適宜組み合わせて重縮合させることで得ることができる。
本発明の白色フィルムに用いられるポリエステル樹脂(a1)に好適に用いられるポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(以下、PEN)、ポリプロピレンテレフタレート(以下、PPT)、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBT)などが挙げられる。
ポリエステル樹脂(a1)として、上述の樹脂を用いることにより、高い無着色性を維持しつつ、フィルムとしたときに高い機械強度を付与することができる。より好ましくは、安価でかつ耐熱性が優れるという点で、PET、またはPENが好ましい
(1.3.2)ポリエステル樹脂成分(a2)
ここで、本発明の白色フィルムにおいて、白色ポリエステル層(W層)には、該ポリエステル樹脂(A)がポリエステル樹脂成分(a2)を有し、該ポリエステル樹脂成分(a2)が炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)または炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の少なくともいずれかを含有することが必要である。ここで、本発明における炭素数4以上8以下の脂環式とは、シクロアルカン(cycloalkane)のことであり、一般式 C2n(ただし4≦n≦8)であらわされる環式脂肪族炭化水素の総称である。
本発明の白色フィルムにおいて、白色ポリエステル層(W層)におけるポリエステル樹脂成分(a2)の含有量は、W層全体に対して1.2重量%〜36重量%が好ましい。より好ましくは1.9重量%〜30重量%、更に好ましくは2.4重量%〜26重量、最も好ましくは3.3重量%〜20重量%である。ポリエステル樹脂成分(a2)の含有量が1.2重量%に満たないと、非相溶性成分(B)として非晶性樹脂(B2)である環状オレフィン共重合体樹脂(b)を用いた場合、環状オレフィン共重合体樹脂(b)の環状オレフィン部分との相互作用が小さく、微分散効果が低下し、反射性能が低下することがあるため、好ましくない。また36重量%を超えると、白色フィルムの耐熱性が低下し、高温下に曝されたときに寸法変化が大きくなることがあるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、ポリエステル樹脂成分(a2)の含有量を1.2〜36重量%とすることで、反射性と寸法安定性を兼ね備えた白色フィルムとすることができる。
(1.3.2.1)炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)
炭素数4以上8以下の脂環式ジオールとは、炭素数4以上8以下の環式脂肪族炭化水素部分とジオール部分の両方の構造をあわせもつ物質をさす。すなわち、炭素数4以上8以下の脂環式ジオールの具体例としては、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロへキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、シクロプロパンジメタノール、シクロブタンジメタノール、シクロペンタンジメタノール、シクロへキサンジメタノール、シクロヘプタンジメタノール、シクロオクタンジメタノールなどが挙げられる。
炭素数4以上8以下の脂環式ジオールにおける、ジオール部分の炭素数は、環式脂肪族炭化水素部分の炭素数よりも少ないことが好ましい。また、環式脂肪族炭化水素部分においては、炭素数が4以上8以下であれば、隣り合わない炭素原子と架橋構造を持つような環式脂肪族炭化水素でもよい。また、炭素数4以上8以下の環式脂肪族炭化水素部分に結合するジオール成分は、環式脂肪族炭化水素部分のいずれの炭素原子と結合してもかまわないが、例えば環式脂肪族炭化水素部分がシクロヘキサンの場合、1,4−の位置にジオール成分が結合していることが好ましい。
上記の炭素数4以上8以下の脂環式ジオールのうち、モノマーの価格とポリエステル樹脂(特にPET)との混合が容易であるという点から、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)が特に好適に使用される。
なお、本発明におけるジオール成分とは、ジオールとして存在している成分に限定されず、ポリエステルの構成成分、例えば共重合体として含有、またはこれら樹脂の混合物として含有する場合も含まれる。
(1.3.2.2)炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)
炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸とは、炭素数4以上8以下の環式脂肪族炭化水素部分とジカルボン酸部分の両方の構造をあわせもつ物質をさす。すなわち、炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸の具体例としては、シクロブタンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロへキサンジカルボン酸、シクロヘプタンジカルボン酸、シクロオクタンジカルボン酸、などが挙げられる。
炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸における、ジカルボン酸部分の炭素数は、環式脂肪族炭化水素部分の炭素数よりも少ないことが好ましい。また、環式脂肪族炭化水素部分においては、炭素数が4以上8以下であれば、隣り合わない炭素原子と架橋構造を持つような環式脂肪族炭化水素でもよい。また、炭素数4以上8以下の環式脂肪族炭化水素部分に結合するジカルボン酸成分は、環式脂肪族炭化水素部分のいずれの炭素原子と結合してもかまわないが、例えば環式脂肪族炭化水素部分がシクロヘキサンの場合、1,4−の位置にジカルボン酸成分が結合していることが好ましい。
上記の炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分のうち、モノマーの価格とポリエステル(特にPET)との混合が容易という点から1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が特に好適に使用できる。
なお、本発明におけるジカルボン酸成分とは、ジカルボン酸として存在している成分に限定されず、ポリエステルの構成成分、例えば共重合体として含有、またはこれら樹脂の混合物として含有する場合も含まれる。
本発明の白色フィルムにおいて、白色ポリエステル層(W層)中に導入する脂環式ジオール成分および/または脂環式ジカルボン酸成分の炭素数が、4未満または9以上であると、非相溶性成分(B)として非晶性樹脂(B2)である環状オレフィン共重合体樹脂(b)を用いた場合、環状オレフィン共重合体樹脂(b)の環状オレフィン部分との相互作用が小さく、微分散化効果が不十分となり反射特性が大幅に低下したりする傾向にあるため好ましくない。すなわち、本発明の白色フィルムにおいて、白色ポリエステル層(W層)中に炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分および/または炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分を導入することによって、非相溶性成分(B)として非晶性樹脂(B2)である環状オレフィン共重合体樹脂(b)を用いた場合、炭素数4以上8以下の脂環式ジオールおよび/または炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸の環式脂肪族炭化水素部分と、環状オレフィン共重合体樹脂(b)の環状オレフィン部分との相互作用が可能となり、マトリックス中に微分散可能となり、その結果、得られるフィルムの反射特性をさらに高めることができるのである。
(1.4)条件(I)
本発明の白色フィルムにおいて、脂環式ジオール成分および/または脂環式ジカルボン酸成分は、下記式(1)を満たすことが必要である。
1.0≦X+Y≦17.0・・・(1)
X:白色ポリエステル層(W層)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)
Y:白色ポリエステル層(W層)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)
本発明の白色フィルムにおいて、上述のX+Yは1.0以上17.0以下である必要がある。より好ましくは2.0以上14.0以下、さらに好ましくは2.5以上12.0以下、特に好ましくは3.5以上9.0以下である。上述のX+Yをかかる範囲にすることによって、非晶性ポリエステルの添加による製膜性向上効果を得られるとともに、非相溶性成分(B)として、非晶性樹脂(B2)である環状オレフィン共重合体樹脂(b)を用いた場合、その微分散化効果により反射特性が向上する傾向にあり、また、フィルムの耐熱性が向上する傾向にある。
本発明の白色フィルムにおいて、上述のX+Yが1.0に満たないと非晶性ポリエステルの添加による製膜性向上効果が低下したり、非相溶性成分(B)として、非晶性樹脂(B2)である環状オレフィン共重合体樹脂(b)を用いた場合、その微分散化効果が不十分となるため反射特性が大幅に低下したりする傾向にある。また、X+Yが17.0を超えると、フィルムの耐熱性が大幅に低下したり、非相溶性成分(B)として非晶性樹脂(B2)である環状オレフィン共重合体樹脂(b)を用いた場合、その反射率が向上しない傾向にあるため好ましくない。すなわち、本発明の白色フィルムにおいて、上述のX+Yを1.0以上17.0以下の範囲とすることで、製膜性、反射特性、耐熱性に優れた白色フィルムとすることができる。
(1.5)条件(II)
本発明の白色フィルムにおいて、条件(I)を満たし、かつ、ポリエステル樹脂(A)がポリエステル樹脂成分(a2)を含有し、かつ該ポリエステル樹脂成分(a2)が炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)および炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の少なくとも一方を含有し、かつ下記式(2)を満たし、かつ白色ポリエステル層(W層)がエステル交換反応抑制剤を含有することが必要である。
x2+y2≧30・・・(2)
x2:ポリエステル樹脂成分(a2)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)
y2:ポリエステル樹脂成分(a2)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)
(1.6)条件(III)
本発明の白色フィルムにおいて、条件(I)を満たし、かつ、ポリエステル樹脂(A)がポリエステル樹脂成分(a2)を含有し、かつ該ポリエステル樹脂成分(a2)が炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)および炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の少なくとも一方を含有し、かつ下記式(3)を満たすことが必要である。
x2+y2≧40・・・(3)
x2:ポリエステル樹脂成分(a2)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)
y2:ポリエステル樹脂成分(a2)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)
より好ましくは、x2+y2≧50、更に好ましくはx2+y2≧60である。x2+y2が40未満の場合、その微分散化効果が不十分となるため反射特性が大幅に低下したりする傾向にある。また、x2+y2が上記範囲内にあれば、x2+y2が異なる2種以上のポリエステル樹脂を併用してもよい。
本発明の白色フィルムにおいて、上記条件(II)および(III)による効果を示す。一般的に、PET、PENなどのポリエステル樹脂(A)に脂環式ジオールおよび/または脂環式ジカルボン酸などの骨格を導入すると、その構造的特徴から疎水性が向上し、非相溶性成分(B)として、非晶性樹脂(B2)である環状オレフィン共重合体樹脂(b)を用いた場合、微分散効果を付与することができその結果、白色フィルムの反射特性を向上させることができる。しかし、通常、脂環式ジオールおよび/または脂環式ジカルボン酸などの骨格を導入すると、PET、PENの結晶性が低下し、ガラス転移温度、融点が低下する結果、白色フィルムの耐熱性が低下するという問題があった。一方、本発明の白色フィルムにおいては下記理由により、白色ポリエステル層(W層)中の非相溶性成分(B)の分散性を損なうことなく、ガラス転移温度、融点の低下を抑制することが可能となり、その結果、高輝度と高寸法安定性の両立が可能となるものである。
具体的には、条件(II)の方法では、上記式(2)を満たすポリエステル樹脂成分(a2)を用いて、エステル交換反応抑制剤を添加すると、白色ポリエステル層(W層)のマトリックスとなる樹脂であるポリエステル樹脂(A)の主成分であるPETやPENとポリエステル樹脂成分(a2)との混練時の相溶を抑えつつ、エステル交換反応抑制剤の添加効果によりエステル交換反応を抑制することができる。
また、条件(III)の方法では、ポリエステル樹脂成分(a2)の共重合成分である脂環式ジオール成分および/または脂環式ジカルボン酸成分は他の共重合成分と比べて疎水性が高くかつ嵩高い構造を有する。そのため、上記式(3)を満たすポリエステル樹脂成分(a2)を用いることで、白色ポリエステル層(W層)のマトリックスとなる樹脂であるポリエステル樹脂(A)の主成分であるPETやPENといった樹脂との相溶性が低下する。そのため、これら樹脂を混練すると、ポリエステル樹脂成分(a2)がポリエステル樹脂(A)中に微分散し、混練時におけるエステル交換反応を抑制することができる。
エステル交換反応が抑制されると、ポリエステル樹脂(A)中に脂環式ジオール成分および/またはジカルボン酸成分を導入する際に、ポリエステル樹脂(A)の結晶性低下を抑えることができ、通常の方法と比べて、ガラス転移温度、融点の低下を抑えることができる。そのため、非相溶性成分(B)を含有させた場合に、脂環式ジオール成分および/または脂環式ジカルボン酸の添加による分散性、製膜性の向上効果を維持しつつ、延伸して得られた白色ポリエステル層(W層)の配向を高めることができる。以上の結果、得られたフィルムは、従来の白色ポリエステルフィルムと比べて、製膜性、反射特性、耐熱性に優れた白色フィルムとすることができる。
(1.7)エステル交換反応抑制剤
ここで、条件(II)におけるエステル交換反応抑制剤とは、エステル交換反応を阻害する機能を有する化合物のことであって、その例としては、モノステアリルリン酸、ジステアリルリン酸、モノステアリルリン酸とジステアリルリン酸の混合物などに代表されるアルキルリン酸、およびそれらのエステル化合物等が挙げられる。アルキルリン酸、およびこれらのエステル誘導性化合物はフィルム中に含まれる重合触媒の触媒失活効果があり、重合触媒を失活することでポリエステル樹脂成分(a2)を添加した際に、エステル交換反応を抑制することができ、その結果、ポリエステル樹脂成分(a2)をポリエステル樹脂(A)中に分散体として分散させることが可能となる。白色ポリエステル層(W層)に添加されるエステル交換反応抑制剤の添加量はW層全体に対して0.01〜2重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜1重量%、更に好ましくは0.03〜1重量%、特に好ましくは0.05〜0.5重量%である。本発明の白色フィルムにおいて、エステル交換反応抑制剤が0.01重量%に満たないと、エステル交換反応抑制効果が不十分であり、白色ポリエステル層(W層)のマトリックス全体にポリエステル樹脂成分(a2)が均一に混合される結果、ポリエステル樹脂(A)の融点低下が起こり、白色フィルムの耐熱性が低下することがあるため好ましくない。また、2重量%を超えると、ポリエステル樹脂(A)の熱劣化が促進され粘度が低下し、溶融製膜できないことがある。また、溶融製膜できたとしても、得られるフィルムの白色ポリエステル層(W層)中の非相溶性成分(B)の分散径が粗大化し、その結果、反射特性が低下することがあるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、エステル交換反応抑制剤の添加量を0.01〜2重量%とすることで、白色フィルムの反射性能を落とすことなく、耐熱性を向上させることが可能となる。
(1.8)その他添加物
本発明の白色フィルムには、マトリックスに非相溶性樹脂をより微分散させるために、ポリエステル樹脂(A)に、さらに分散剤(C)を添加することが好ましい。
分散剤(C)を添加することにより、非相溶性樹脂)の分散径をさらに小さくすることが可能となり、その結果、延伸により生成する扁平気泡をより微細化でき、結果的にフィルムの白色性、反射性、軽量性を高めることができる。
かかる分散剤(C)の種類は特に限定されないが、結晶性樹脂(A)がポリエステル系樹脂の場合、カルボキシル基やエポキシ基等の極性基やポリエステルと反応性のある官能基をもったオレフィン系の重合体または共重合体、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、界面活性剤および熱接着性樹脂等を用いることができる。もちろん、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
中でも、ポリエステル成分とポリアルキレングリコール成分からなるポリエステル-ポリアルキレングリコール共重合体(C1)が特に好ましい。
この場合、ポリエステル成分としては、炭素数が2〜6の脂肪族ジオール部分と、テレフタル酸および/またはイソフタル酸部分からなるポリエステル成分が好ましい。また、ポリアルキレングリコール成分としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の成分が好ましい。
特に好ましい組み合わせとしては、ポリエステル成分にはポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレートを、ポリアルキレングリコール成分にはポリエチレングリコールもしくはポリテトラメチレングルコールを用いた組み合わせである。中でも、ポリエステル成分にはポリブチレンテレフタレートを、ポリアルキレングリコール成分にはポリテトラメチレングルコールを用いた組み合わせ、もしくはポリエステル成分にはポリエチレンテレフタレートを、ポリアルキレングリコール成分にはポリエチレングリコールを用いた組み合わせが特に好ましい。
本発明で用いられる分散剤(C)の添加量は特に限定されるものではないが、マトリックスを構成する全材料100重量%に対して、0.1〜30重量%が好ましく、より好ましくは2〜25重量%であり、さらにより好ましくは5〜20重量%である。添加量が0.1重量%より少ない場合、気泡を微細化する効果が小さくなることがあるため好ましくない。また、添加量が30重量%より多い場合には、耐熱性が低下し、寸法安定性を付与するためにフィルムの熱処理を実施した時にマトリックスが軟化し、その結果、気泡が減少・または消失して、反射特性が低下したりする場合がある。また、反射特性を維持しようとして、熱処理温度を低温化すると、フィルムの寸法安定性が低下する場合があるため好ましくない。また、生産安定性の低下やコスト上昇などの問題が発生することがあるため、好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、全マトリックス成分に対する分散剤(C)の添加量を上述の範囲に制御することによって、上述した非相溶性樹脂の分散効果を十分に発揮させつつ、フィルム製膜性や機械特性を維持することができる結果、高い反射率と、寸法安定性を両立することが可能となる。
本発明の白色フィルムには、必要に応じて本発明の効果が損なわれない量での適宜な添加剤、例えば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、有機系の易滑剤、有機系微粒子、充填剤、核剤、染料、分散剤、カップリング剤等が配合されていてもよい。
また、本発明の白色フィルムが積層構造である場合、表面すべり性や製膜時の走行耐久性を高めるために、各種粒子を添加することが好ましい。このとき、積層したB層には、有機もしくは無機の微粒子、あるいは非相溶性樹脂を含有させることができる。これらの中で、フィルムの巻取り性、長時間の製膜安定性、経時での安定性や、光学特性向上などの点で、無機系微粒子を含有せしめることが特に好ましい。前述の通り、無機粒子は吸収等が樹脂粒子などに比べて大きいため、フィルム全体や主層(W層)に大量に用いるとその吸収効果により、高反射特性を得ることが困難である。しかしながら、B層として表面に薄く形成することで、吸収を極力抑えながら各種特性を付与することができる。無機系微粒子の例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、リン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウムおよびフッ化カルシウム等を挙げることができる。
これらの無機系微粒子は、単独でも2種以上を併用してもよい。また、多孔質や中空多孔質等の形態であってもよく、さらには本発明の効果を阻害しない範囲内において、樹脂に対する分散性を向上させるために、表面処理が施されていてもよい。
また、本発明に使用される無機系微粒子は、B層中での平均粒子径が0.05〜3μmであることが好ましく、より好ましくは0.07〜1μmである。無機系微粒子の平均粒子径が上記範囲外である場合、凝集などによる無機系微粒子の均一分散性不良、あるいは粒子自身によってフィルム表面の光沢または平滑性が低下する場合がある。
また、B層中における無機系微粒子の含有量は、特に限定されないが、1〜35重量%が好ましく、より好ましくは2〜30重量%、さらには3〜25重量%の範囲にあることが特に好ましい。含有量が1重量%より少ない場合には、フィルムの白色性、隠蔽性(光学濃度)などの特性を向上させることが難しくなることがあり、逆に、含有量が35重量%より多い場合にはフィルム表面の平滑性が低下しやすくなるだけでなく、延伸時にフィルム破れや後加工の際に粉発生等の不都合を生じる場合がある。
(2)フィルム特性
本発明の白色フィルムは上述の構成からなるものであるが、該白色フィルムの全光線透過率が2.5%以下であることが好ましい。より好ましくは2.3%以下、更に好ましくは2.0%以下である。なお、ここでいう透過率とは、JIS−7361−1に基づいて測定された値である。全光線透過率が2.5%を超える場合、白色フィルムとしての白色性、反射特性に劣り、また液晶表示装置に組み込んでも輝度特性に劣ることがあるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、透過率を2.5%以下とすることによって、裏面への光抜けを抑えることができる結果、白色性、反射特性に優れた白色フィルムとすることができ、特に液晶表示装置用として用いた場合に高い輝度向上効果を得ることができる。
また、本発明の白色フィルムは相対反射率が100%以上であることが好ましい。より好ましくは100.5%以上、更に好ましくは101%以上である。ここでいう、相対反射率とは、内面が硫酸バリウム製の積分球、10°傾斜スペーサーを備えた分光光度計、標準白色板として酸化アルミニウムを用いて、入射角10°で光を入射させたときの反射率を波長560nmの範囲で測定し、標準白色板の反射率を100%としたときの相対反射率を、波長560nmで平均して得られる反射率のことである。相対反射率が100%未満の場合、白色フィルムとしての白色性、反射特性に劣り、また液晶表示装置に組み込んでも輝度特性に劣ることがあるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、相対反射率を100%以上とすることによって、白色性、反射特性に優れた白色フィルムとすることができ、特に液晶表示装置用として用いた場合に高い輝度向上効果を得ることができる。
ここで、本発明の白色フィルムの全光線透過率、相対反射率を上述の範囲に調整するためには、1)フィルム内部の非相溶性成分(B)の分散径、密度を前述の範囲に制御する、2)フィルム厚みを厚くする、などによって得ることができる。ここで、従来の白色フィルムでは、相対反射率を上述の範囲に調整するためには2)フィルム厚みを厚くするしか方法がなかった。本発明の白色フィルムにおいては、フィルム内部の非相溶性成分(B)の分散径、密度を前述の範囲に制御することによって、従来の白色フィルムでは達成し得ない、より薄膜で高隠蔽性能、高反射性能を有する白色フィルムとすること可能となる。
具体的には、本発明の白色フィルムは上述の透過率、反射率を厚み300μm以下で満たすことが好ましい。より好ましくは厚み250μm以下で満たすことが好ましく、更には厚み225μm以下で満たすことが好ましい。本発明の白色フィルム、上述の厚みで透過率、反射率を満たすことによって、より薄膜で高反射性能を有する白色フィルムとすることができる。その結果、例えば液晶ディスプレイの反射部材として用いた場合に高い輝度向上効果と、ディスプレイの薄膜化の両立が達成できる。
本発明の白色フィルは90℃で30分熱処理した後の熱収縮率が0.7%以下であることが好ましい。より好ましくは0.6%以下、更に好ましくは0.5%以下である。熱収縮率が0.7%を超える場合、白色フィルムの耐熱性が低下し、高温下に曝されたときに寸法変化が大きくなることがあるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、90℃で30分熱処理した後の熱収縮率を0.7%以下とすることによって、白色フィルムとしての高い寸法安定性を得ることができる。
本発明の白色フィルムは、該フィルム中に含まれる非相溶性成分(B)の数平均粒径Dnが、1.5μm以下であることが好ましい。より好ましくは数平均粒径Dnが1.2μm以下、更に好ましくは1.0μm以下である。本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性成分(B)の数平均粒径Dnが1.5μmを上回ると、白色フィルム中に非相溶性成分(B)を核とした気泡を数多く含有させることが困難となったり、粗大な気泡が形成される結果、フィルム厚み方向に多数の気固界面を形成させることが困難となる。そのため、白色フィルムとしての白色性、光反射特性、軽量性に劣り、また液晶表示装置に組み込んでも輝度特性に劣ることがあるため好ましくない。本発明の白色フィルムにおいて、数平均粒径Dnを1.5μm以下とすることによって、白色フィルムとしての高い反射特性を得ることができる。
また、本発明の白色フィルムにおいて、該非相溶性成分(B)の体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnの比Dv/Dnを1.7以下とすることが好ましい。より好ましくはDv/Dnが1.6以下、更に好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.4以下である。Dv/Dnは非相溶性成分(B)の粒径の広がりを表す値であり、この値が大きいほど、非相溶性成分(B)の粒径の分布の広がりが大きいことを意味する。理論上の最下限値は1.0であり、この場合完全単分散であることを意味する。本発明の白色フィルムにおいて、Dv/Dnが1.7を上回ると、白色フィルム中に粗大な気泡が形成される結果、該非相溶性成分(B)を核とした気泡を均一に形成させることが困難となり、フィルム厚み方向に多数の気固界面を形成させることが困難となる。本発明の白色フィルムにおいて、体積平均粒径Dvを求め、数平均粒径Dvとの比Dv/Dnを1.7以下とすることによって、フィルム内部に均一な気泡を形成することが可能となり、その結果、白色フィルムとしての高い反射特性を得ることができる。
(3)製造方法
ポリエステル樹脂(a1)の製造方法について、その一例を説明するが、かかる例のみに限定されるものではない。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を、ジオール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を、得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行って、ポリエチレンテレフタレートペレット(ポリエステル樹脂(a1))を得ることが出来る。
ポリエステル樹脂(a2)の製造方法について、その一例を説明するが、かかる例のみに限定されるものではない。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸および/または炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸を、ジオール成分としてエチレングリコールおよび/または炭素数4以上8以下の脂環式ジオールを用い、触媒として酢酸マグネシウム、三酸化アンチモン、亜リン酸を用いてアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し重縮合反応を行って、炭素数4以上8以下の脂環式ジオールおよび/または炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸を共重合したポリエステル樹脂(a2)を得ることが出来る。
次に、本発明の白色フィルムの製造方法について、その一例を説明するが、本発明は、かかる例のみに限定されるものではない。
少なくとも、ポリエステル樹脂(a1)とポリエステル樹脂(a2)と非相溶性成分(B)を含む混合物を、必要に応じて十分真空乾燥を行い、押出機(主押出機)を有する製膜装置の加熱された押出機に供給する。非相溶性成分(B)の添加は、事前に均一に溶融混練して配合させて作製されたマスターチップを用いても、もしくは直接混練押出機に供給するなどしてもよい。ポリエステル樹脂成分(a2)の添加は、事前に均一にポリエステル樹脂(a1)と非相溶性成分(B)を含む混合物を溶融混練してマスターチップを添加する際に添加しても、もしくは直接混練押出機に供給するなどしてもよいが、事前に均一にポリエステル樹脂(a1)と非相溶性成分(B)を含む混合物を溶融混練してマスターチップを添加する際に添加するほうが、非相溶性成分(B)の分散が促進されるという点でより好ましい。
また、本発明の白色フィルムが積層フィルムである場合は、上記主押出機のほかに副押出機を有する複合製膜装置を用い、必要に応じて十分な真空乾燥を行った熱可塑性樹脂のチップ、無機粒子および蛍光増白剤等を加熱された副押出機に供給して共押出し積層する。
また、溶融押出に際してはメッシュ40μm以下のフィルターにて濾過した後に、Tダイ口金内に導入し押出成形により溶融シートを得ることが好ましい。
この溶融シートを表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸フィルムを作製する。該未延伸フィルムを70〜120℃の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に3〜4倍延伸し、20〜50℃の温度のロール群で冷却する。
続いて、フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、90〜150℃の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向に直角な方向(幅方向)に3〜4倍に延伸する。
延伸倍率は、長手方向と幅方向それぞれ3〜5倍とするが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は9〜15倍であることが好ましい。面積倍率が9倍未満であると、得られる二軸延伸フィルムの反射率や隠蔽性、フィルム強度が不十分となり、逆に面積倍率が15倍を超えると延伸時に破れを生じ易くなる傾向がある。
得られた二軸延伸フィルムの結晶配向を完了させて、平面性と寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて150〜240℃の温度で1〜30秒間の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却し、その後必要に応じて、他素材との密着性をさらに高めるためにコロナ放電処理などを行い、巻き取ることにより、本発明の白色フィルムを得ることができる。上記熱処理工程中では、必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。
尚、一般に熱処理温度が高いほど、熱寸法安定性も高くなるが、本発明の白色フィルムは製膜工程において高温(190℃以上)で熱処理されることが好ましい。本発明の白色フィルムは液晶ディスプレイなどに搭載されている面光源(バックライト)の反射フィルムとして用いられることがあり、バックライトによってはバックライト内部の雰囲気温度が100℃程度まで上昇することがあるため、本発明の白色フィルムは一定の熱寸法安定性を有することが望まれるためである。
特に、非相溶性成分(B)が非相溶樹脂である場合は、非晶性樹脂(B2)のガラス転移温度Tg1、および/または結晶性樹脂(B1)の融点Tm1を上述の温度範囲にすることにより、高温下での熱処理でも、ボイド核剤たる非相溶性樹脂がより熱変形せずに(潰れずに)、しっかりとした気泡を維持することができ、結果として、高白色性・高光反射性・軽量性を維持しつつ、熱寸法安定性に優れたフィルムを得ることができるため好ましい。
また、二軸延伸の方法は逐次延伸あるいは同時二軸延伸のいずれでもよいが、同時二軸延伸法を用いた場合は、製造工程のフィルム破れを防止できたり、加熱ロールに粘着することによって生ずる転写欠点が発生しにくい。また二軸延伸後に長手方向、幅方向いずれかの方向に再延伸してもよい。
本発明の白色フィルムには、電磁波遮蔽性や折り曲げ加工性付与などの目的で、フィルム表面に、アルミニウム、銀などの金属層を金属蒸着や貼り合わせなどの手法によって加えてもよい。
本発明の白色フィルムは、白色性、反射特性、隠蔽性が必要な用途に適用可能であるが、特に好ましい用途としては。光反射のために面光源に組込まれる板状材が挙げられる。具体的には、液晶画面用のエッジライトの反射板、直下型ライトの面光源の反射板、および冷陰極線管の周囲のリフレクター、等に好ましく用いられる。
(4)測定方法
A.脂環式ジオール成分および脂環式ジカルボン酸成分の分析
白色ポリエステル層(W層)中の脂環式ジオール成分および脂環式ジカルボン酸成分の分析手法を以下に示す。白色フィルムが積層フィルムである場合は、他の層を剥離したり、顕微鏡観察しながら該当フィルムを研磨したりして、白色ポリエステル層(W層)のみを取り出す。
白色ポリエステル層(W層)を適当な溶媒をもちいて、ポリエステル成分のみを溶解させる。その溶解物のNMR(核磁気共鳴)スペクトル測定を行い、ポリエステル成分の構造を同定し、そのピーク面積比から脂環式ジオール成分および脂環式ジカルボン酸成分のモル数を求める。
B.樹脂および白色ポリエステル層(W層)の結晶性、ガラス転移温度、融点(JIS 7121−1999、JIS 7122−1999)
それぞれの樹脂および白色ポリエステル層(W層)についてJIS K7122(1999)に準じて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置”ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション”SSC/5200”を用いて結晶性、ガラス転移温度、融点を求めた。白色フィルムが積層フィルムである場合は、他の層を剥離したり、顕微鏡観察しながら該当フィルムを研磨したりして、白色ポリエステル層(W層)のみとしたものを用いた。サンプルパンにサンプルを5mgずつ秤量し、1stRUNで樹脂を25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱し、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下となるよう急冷し、再度室温から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って得られた2ndRUNの示差走査熱量測定チャートにおいて、樹脂の結晶性は結晶化の発熱ピークが観察された(すなわち、結晶化の発熱ピークの面積より求めた結晶化エンタルピーΔHccが1J/g以上)ものを結晶性樹脂、観察されなかった(すなわち、ΔHccが1J/g未満)ものを非晶性樹脂とした。
また、ガラス転移温度は上述の2ndRUN示差走査熱量測定チャートのガラス転移の階段状の変化部分において、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線とガラス転移の階段状の変化部分の曲線とが交わる点から求めた。
また、結晶性樹脂および白色ポリエステル層(W層)の融点は2ndRUNの示差走査熱量測定チャートの結晶融解ピークにおけるピークトップの温度を結晶性樹脂の融点とした。
C.非相溶性成分(B)の粒径d、数平均粒径Dn、体積平均粒径Dv
各実施例・比較例で作製した白色フィルムを切り出し、ミクロトームを用いてフィルムTD方向(横方向)と平行方向の断面を切り出し、白金−パラジウムを蒸着した後、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡”JSM−6700F”で3000〜5000倍の写真を撮影した。得られた画像から、以下の1)〜4)の手順で数平均粒径Dnを求めた。
1)該画像中の断面内に観察される各非相溶性成分(B)について、その断面積Sを求めた、下記式(1)にて求められる粒径dを求める。
d=2×(S/π)1/2・・・(1)
(ただしπは円周率)
2)得られた粒径dと、非相溶性成分(B)の個数nを用いて、下記式(2)においてDnをもとめた。
Dn=Σd/n ・・・(2)
(但し、Σdは観察面内における粒径の総和、nは観察面内の非相溶性成分(B)の総数)
3)また、下記式(4)においてDvを求めた。
Dv=Σ[4/3π×(d/2)×d]/Σ[4/3π×(d/2)] ・・・(4)
(ただしπは円周率)
4)上記1)〜3)を、5箇所場所を変えて実施し、その平均値でもって、非相溶性成分(B)の数平均粒径Dn、体積平均粒径Dvとする。なお、観察点1箇所に付き、2500μm以上の領域にて上記評価を実施する。
5)得られた数平均粒径Dnと体積平均粒径Dvから、数平均粒径Dnとの比Dv/Dnを求めた。
D.溶融粘度
フローテスタ CFT−500形A((株)島津製作所製)を用い定温試験にて測定した。すなわち、ポリエステル樹脂(a1)の融点Tm+20℃の温度に加熱したシリンダー内にて樹脂を5分間予熱した後、断面積1cm2 のピストン(プランジャー)にて、直径1mm、長さ10mmの孔を有する口金より一定加重で押し出し、Kファクター=1での溶融粘度を得た。さらに同様の測定を繰り返し、計3回での平均値を求めた。次に、加重を変えて同様の測定を3点行った後、剪断速度(単位:sec−1)に対して溶融粘度(単位:Pa・s)を対数プロットし、累乗近似曲線をもとめた。得られた累乗近似曲線から、剪断速度200sec-1での溶融粘度を外挿して求め溶融粘度とした。
なお、加水分解性を有する場合は水分含有率が50ppm以下となるように乾燥したものを用いて測定した。
E.相対反射率
分光光度計U−3410((株)日立製作所)に、φ60積分球130−0632((株)日立製作所)(内面が硫酸バリウム製)および10°傾斜スペーサーを取りつけた状態で560nmの光反射率を求めた。なお、光反射率は白色フィルムの両面について求め、より高い数値を当該白色フィルムの反射率とした。標準白色板には(株)日立計測器サービス製の部品番号210−0740(酸化アルミニウム)を用いた。相対反射率は以下のように判定した。
相対反射率が
102%以上の場合 ◎
101%以上102%より小さい場合 ○
100%以上101%より小さい場合 △
100%より小さい場合 ×
とした。
F.透過率(隠蔽性)
ヘイズメーターNDH−5000(日本電色(株)製)を用いて、フィルム厚み方向の全光線透過率を測定した。なお、透過率は白色フィルムの両面について求め、より低い数値を当該白色フィルムの透過率とした。透過率は以下のように判定した。
透過率が
1.2%以下の場合 ◎
1.2%より大きく1.6%以下の場合 ○
1.6%より大きく2.5%以下の場合 △
2.5%より大きい場合 ×
とした。
G.耐熱性
白色フィルムを1cm×15cmの短冊状に切り出し、長手方向の両端2.5cm内側に印を付け、その幅L0を測長した。次に、サンプルを90℃の熱風オーブンに30分間放置、冷却後のサンプルの印間の距離L1を求めた。下記式(5)により、サンプルの収縮率を求めた。
・S=(L0−L1)/L0×100 (5)
なお、測定はフィルムの長手方向、幅方向それぞれについて行い、各3サンプルの平均値でもってそれぞれの熱収縮率を求め、長手方向の収縮率と幅方向の収縮率の平均値でもってサンプルの熱収縮率Sとし、耐熱性は以下のように判定した。
熱収縮率Sが
0.5%以下の場合 ◎
0.5%より大きく0.8%以下の場合 ○
0.8%より大きく1.0%以下の場合 △
1.0%より大きい場合 ×
とした。
H.輝度
20インチサイズの直下型バックライト(CCFL16本、蛍光管径3mm、蛍光管間隔2.5cm。乳白板と蛍光管の距離1.5cm)に実施例、比較例で作製した白色フィルムを反射板として設置し、乳白板としてRM401(住友化学(株)製)、乳白板上側に光拡散シート“ライトアップ”(登録商標) GM3(きもと(株)製)、光拡散シート上側にプリズムシートBEFIII(3M製)、プリズムシート上側にDBEF−400(3M製)を配置した。
次いで、12Vの電圧を印加してCCFLを点灯させ、面光源を立ち上げた。50分後、色彩輝度計BM−7/FAST(トプコン(株)製)を用いて視野角1°、バックライト−輝度計距離40cmで中心輝度を測定した。各実施例、比較例において3サンプルについて測定し、それぞれの平均値を算出し、これを輝度とした。輝度は以下のように判定した。
輝度が
5150cd/m以上の場合 ◎
5050cd/m以上5150cd/mより小さい場合 ○
4950cd/m以上5050cd/mより小さい場合 △
4950cd/mより小さい場合 ×
とした。
I.製膜性
実施例・比較例において製膜した際に、フィルム破れがほとんど生じないものを◎、僅かに発生するものを○、若干発生するものを△、頻発するものを×とした。大量生産には△以上の製膜性が必要であり、○以上であるとさらにコスト低減効果がある。
以下実施例等によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(原料)
・ポリエステル樹脂(a1−1)
極限粘度が0.70dl/gであるポリエチレンテレフタレートJ125S(三井化学(株)製)を用いた。この樹脂の融点Tmを測定したところ、250℃であった。
・ポリエステル樹脂(a1−2)
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、結晶性のポリエステル樹脂である。この樹脂の融点Tmを測定したところ、250℃であった。
上記ポリエステル樹脂a1−1〜2について、融点Tm、融点Tm+20℃での溶融粘度を測定した。なお、溶融粘度は180℃の温度で3時間真空乾燥した後に測定を実施した。結果を表1に示す。
Figure 2010237670
・ポリエステル樹脂(a2−1)
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を、ジオール成分としてエチレングリコール67モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール33モル%を用い、触媒として酢酸マグネシウム、三酸化アンチモン、亜リン酸を用いてアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し重縮合反応を行って、極限粘度0.84dl/g、カルボキシル末端基量8当量/トンであるシクロヘキサンジメタノール33モル%共重合したポリエステル樹脂を得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g未満であり、非晶性ポリエステル樹脂である。
・ポリエステル樹脂(a2−2)
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を、ジオール成分としてエチレングリコール33モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール67モル%を用い、触媒として酢酸マグネシウム、三酸化アンチモン、亜リン酸を用いて重縮合反応を行って、極限粘度0.84dl/g、カルボキシル末端基量8当量/トンであるシクロヘキサンジメタノール67モル%共重合したポリエステル樹脂を得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g未満であり、非晶性ポリエステル樹脂である。
・ポリエステル樹脂(a2−3)
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールを用い、触媒として酢酸マグネシウム、三酸化アンチモン、亜リン酸を用いて重縮合反応を行って、極限粘度0.84dl/g、カルボキシル末端基量8当量/トンであるシクロヘキサンジメタノール100モル%共重合したポリエステル樹脂を得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、結晶性ポリエステル樹脂である。この樹脂の融点Tmを測定したところ、280℃であった。
・ポリエステル樹脂(a2−4)
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸67モル%、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸33モル%を、ジオール成分としてエチレングリコールを用い、触媒として酢酸マグネシウム、三酸化アンチモン、亜リン酸を用いて重縮合反応を行って、極限粘度0.84dl/g、カルボキシル末端基量8当量/トンであるシクロヘキサンジカルボン酸33モル%共重合したポリエステル樹脂を得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g未満であり、非晶性ポリエステル樹脂である。
・ポリエステル樹脂(a2−5)
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸33モル%、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸67モル%を、ジオール成分としてエチレングリコールを用い、触媒として酢酸マグネシウム、三酸化アンチモン、亜リン酸を用いて重縮合反応を行って、極限粘度0.84dl/g、カルボキシル末端基量8当量/トンであるシクロヘキサンジカルボン酸67モル%共重合したポリエステル樹脂を得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g未満であり、非晶性ポリエステル樹脂である。
・ポリエステル樹脂(a2−6)
酸成分としてテレフタル酸75モル%,イソフタル酸25molを、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのイソフタル酸共重合したポリエステル樹脂を得た。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、結晶性ポリエステル樹脂である。この樹脂の融点Tmを測定したところ、193℃であった。
・非相溶性樹脂(結晶性)(B1)
非環状ポリオレフィン系樹脂PMP(ポリメチルペンテン)「TPX DX820」(三井化学(株)製)を用いた。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、結晶性樹脂であった。またガラス転移温度は25℃、融点は235℃であった。
・非相溶性樹脂(非晶性)(B2)
ガラス転移温度が190℃の環状オレフィン樹脂を用いた。該環状オレフィン樹脂は公知の液相重合法で製造することができる(例えば特開昭61−271308号公報)。
なお、上記非相溶性樹脂(非晶性)B2は化学式1に示すようにノルボルネン成分とエチレン成分より構成される。
Figure 2010237670
なお、示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g未満であり、非晶性樹脂であった。
・分散剤(C)
PBT-PAG(ポリアルキレングリコール)共重合体「ハイトレル 7247」(東レ・デュポン(株)製)を用いた。該樹脂はPBT(ポリブチレンテレフタレート)とPAG(主としてポリテトラメチレングリコール)のブロック共重合体である。示差熱分析計を用いて結晶融解熱を測定したところ1cal/g以上であり、結晶性樹脂であった。
・エステル交換反応抑制剤
モノステアリルリン酸/ジステアリルリン酸混合物「アデカスタブAX−71」((株)ADEKA製)を用いた。
(実施例1−2、2−2・4、3−2・4、4−2、5−2・4)
それぞれ表に示した原料の混合物を180℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機に供給し、280℃の温度で溶融押出後30μmカットフィルターにより濾過を行った後に、Tダイ口金に導入した。ここで、ポリエステル樹脂(a−1)およびポリエステル樹脂(a−2)を合計したポリエステル樹脂(A)の添加量は、白色ポリエステル層(W層)を構成する全材料の合計重量100重量%において66重量%とした。また、非相溶性成分(B)の添加量は、白色ポリエステル層(W層)を構成する全材料の合計重量100重量%において23.5重量%とした。また、分散剤(C)として、PBT-PAG(ポリアルキレングリコール)共重合体「ハイトレル 7247」(東レ・デュポン(株)製)を、白色ポリエステル層(W層)を構成する全材料の合計重量100重量%において10.5重量%添加した。また、エステル交換反応抑制剤として、モノステアリルリン酸/ジステアリルリン酸混合物「アデカスタブAX−71」((株)ADEKA製)を添加する際の添加量は、白色ポリエステル層(W層)を構成する全材料の合計重量100重量%において0.1重量%とした。
ここで、実施例1−2について、白色ポリエステル層(W層)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率Xの算出方法を記述する。ポリエステル樹脂(A)を構成するポリエステル樹脂(a1−1)とポリエステル樹脂(a2−1)の配合率は、ポリエステル樹脂(a1−1):ポリエステル樹脂(a2−1)=86.4:13.6である。ここで、ポリエステル樹脂(a1−1)は、ジカルボン酸成分がテレフタル酸、ジオール成分がエチレングリコールであるので、ポリエステル樹脂(a1−1)のモノマー単位の分子量は192g/モルである。よって、ポリエステル樹脂(a1−1)に含まれるエチレングリコールは、86.4÷192=0.45モルとなる。また、ポリエステル樹脂(a2−1)はジカルボン酸成分がテレフタル酸、ジオール成分がエチレングリコール67モル%、シクロヘキサンジメタノール33モル%であるので、ポリエステル樹脂(a2−1)のモノマー単位の分子量は219g/モルである。よって、ポリエステル樹脂(a1−1)に含まれるエチレングリコールは13.6÷219×0.67=0.04モル、シクロヘキサンジメタノールは13.6÷219×0.33=0.02モルとなる。したがって、白色ポリエステル層(W層)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率Xは、X=0.02÷(0.45+0.04+0.02)×100=3.9モル%と算出される。
次いで、Tダイ口金内より、シート状に押出して溶融単層シートとし、該溶融単層シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸単層フィルムを得た。続いて、該未延伸単層フィルムを85℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、90℃の温度の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)に3.3倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の95℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に105℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.4倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで190℃で20秒間の熱処理を施し、さらに180℃の温度で6%幅方向に弛緩処理を行った後、更に140℃の温度で1%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷後、巻き取って、厚さ188μmの単層の白色フィルムを得た。製膜性はいずれも良好であった。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に非相溶性成分(B)を核とした微細な気泡を多数含有していた。また、白色ポリエステル層(W層)中の融点Tm、非相溶性成分(B)の数平均粒径Dn、体積平均粒径Dvを表に示す。また、フィルムの各種特性を表に示す。このように本発明の白色フィルムは白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、かつ高い熱寸法安定性を有することがわかった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、高い輝度を示すことが分かった。
(実施例1−1・3・4・5、2−1・3・5・6、3−1・3・5・6、4−1・3・4・5、5−1・3・5・6)
それぞれ表に示した原料とした以外は、実施例1−2と同様に製膜を行い、厚さ188μmの単膜のフィルムを得た。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に非相溶性成分(B)を核とした微細な気泡を多数含有していた。また、白色ポリエステル層(W層)中の融点Tm、非相溶性成分(B)の数平均粒径Dn、体積平均粒径Dvを表に示す。また、フィルムの各種特性を表に示す。これらの反射フィルムは、実施例1−2、2−2・4、3−2・4、4−2、5−2・4には及ばないものの、白色性・反射性・軽量性に優れた特性を示し、かつ高い熱寸法安定性を有することがわかった。また、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、高い輝度を示すことが分かった。
(比較例1−6、2−1、3−1・2、4−6、5−1、6−1)
それぞれ表に示した原料とした以外は、実施例1−2と同様に製膜を行い、厚さ188μmの単膜のフィルムを得た。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に非相溶性成分(B)を核とした微細な気泡を多数含有していた。また、白色ポリエステル層(W層)中の融点Tm、非相溶性成分(B)の数平均粒径Dn、体積平均粒径Dvを表に示す。しかし、実施例1−2、2−2、3−2、4−2、5−2と比べて非相溶性成分(B)の数平均粒径Dn、体積平均粒径Dvが劣ること分かった。また、フィルムの各種特性を表に示すが、熱寸法安定性に優れるものの、隠蔽性、反射性に劣り、得られた白色フィルムをバックライトに組み込んで輝度評価したところ、実施例1−2、2−2、3−2、4−2、5−2と比べて輝度が大幅に劣ることが分かった。
(比較例1−1〜4、4−1〜4)
それぞれ表に示した原料とした以外は、実施例1−2と同様に製膜を行い、厚さ188μmの単膜のフィルムを得た。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に非相溶性成分(B)を核とした微細な気泡を多数含有していた。また、白色ポリエステル層(W層)中の融点Tm、非相溶性成分(B)の数平均粒径Dn、体積平均粒径Dvを表に示す。また、フィルムの各種特性を表に示す。しかし、実施例1−2、2−2、3−2、4−2、5−2と比べて同等の隠蔽性、反射性、輝度を有するものの、熱寸法安定性に劣っていた。
(比較例1−5・7、2−2、4−5・7、5−2、6−2)
それぞれ表に示した原料とした以外は、実施例1−2と同様に製膜を行い、厚さ188μmの単膜のフィルムを得た。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に非相溶性成分(B)を核とした微細な気泡を多数含有していた。また、白色ポリエステル層(W層)中の融点Tm、非相溶性成分(B)の数平均粒径Dn、体積平均粒径Dvを表に示す。また、フィルムの各種特性を表に示す。しかし、実施例1−2、2−2、3−2、4−2、5−2と比べて、熱寸法安定性、隠蔽性、反射性、輝度に劣っていた。
Figure 2010237670
Figure 2010237670
Figure 2010237670
Figure 2010237670
本発明の白色フィルムは、製膜性、白色性、反射性、軽量性、熱寸法安定性に優れ、その白色フィルムを用いることにより輝度特性に優れた面光源を提供することができる。

Claims (5)

  1. ポリエステル樹脂(A)と非相溶性成分(B)を含有する白色ポリエステル層(W層)を有する白色フィルムであって、
    該ポリエステル樹脂(A)がポリエステル樹脂成分(a2)を有し、該ポリエステル樹脂成分(a2)が炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)または炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の少なくともいずれかを有し、かつ、
    下記の条件(I)と(II)、または、条件(I)と(III)、または、条件(I)と(II)と(III)のいずれかを満たすことを特徴とする白色フィルム。
    条件(I)
    1.0≦X+Y≦17.0・・・(1)
    ここで、
    Xは白色ポリエステル層(W層)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)、
    Yは白色ポリエステル層(W層)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)。
    条件(II)
    白色ポリエステル層(W層)がエステル交換反応抑制剤を含有し、かつ、
    x2+y2≧30・・・(2)
    ここで、
    x2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)、
    y2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)。
    条件(III)
    x2+y2≧40・・・(3)
    ここで、
    x2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)、
    y2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)。
  2. 非相溶性成分(B)が、ガラス転移温度Tg1が110℃以上の環状オレフィン共重合体樹脂(b)である請求項1に記載の白色フィルム。
  3. ポリエステル樹脂(A)と非相溶性成分(B)を含有する白色ポリエステル層(W層)を有する白色フィルムの製造方法であって、
    炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)、または、炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の少なくともいずれかを含有するポリエステル樹脂成分(a2)とし、次いで、該ポリエステル樹脂成分(a2)を含有するポリエステル樹脂(A)とするに際し、
    下記の条件(I)と(II)、または、条件(I)と(III)、または、条件(I)と(II)と(III)のいずれかを満たすように含有することを特徴とする白色フィルムの製造方法。
    条件(I)
    1.0≦X+Y≦17.0・・・(1)
    ここで、
    Xは白色ポリエステル層(W層)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)、
    Yは白色ポリエステル層(W層)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)。
    条件(II)
    白色ポリエステル層(W層)がエステル交換反応抑制剤を含有し、かつ、
    x2+y2≧30・・・(2)
    ここで、
    x2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)、
    y2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)。
    条件(III)
    x2+y2≧40・・・(3)
    ここで、
    x2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジオール成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジオール成分(a2x)の含有率(モル%)、
    y2はポリエステル樹脂成分(a2)中のジカルボン酸成分の量を100モル%としたときの炭素数4以上8以下の脂環式ジカルボン酸成分(a2y)の含有率(モル%)。
  4. 請求項3に記載の方法で得られた白色フィルム、または、請求項1または2に記載の白色フィルムであって、面光源用反射板に用いられる白色フィルム。
  5. 請求項4に記載の白色フィルムを用いた面光源。
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