JP2012051960A - 白色フィルム - Google Patents

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茂俊 前川
Takayuki Ohira
貴之 大平
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一正 緒方
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Abstract

【課題】優れた白色性や光反射性を維持しつつ、耐折れ皺性に優れた白色フィルムを提供すること。
【解決手段】ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(A)とは非相溶の成分(非相溶性成分)(B)および気泡を含み、かつ下記条件(I)〜(II)を満たす白色フィルム。(I)一方の表面(A表面)及びもう一方の表面(B表面)から、深さ5μmまでの領域における気泡含有率がそれぞれ15%以下であり、フィルム全体の平均気泡含有率が18%以上であること。(II)A表面及びB表面から、各々深さ30μmまでの領域における、気泡含有率の変化量の最大値(ΔVmax)、気泡含有率の最大値(Vmax)および気泡含有率の最小値(Vmin)が、それぞれ次式を満足すること。ΔVmax/(Vmax−Vmin)<0.5
【選択図】なし

Description

本発明は、白色フィルムに関する。さらに詳しくは面光源用反射部材(反射板、およびリフレクター)として好適な反射特性を有する白色フィルムに関する。
近年、パソコン、テレビ、携帯電話などの表示装置として、液晶を利用したディスプレイが数多く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、それ自体は発光体でないために、裏側からバックライトと呼ばれる面光源を設置して光を照射することにより表示が可能となっている。また、バックライトは、単に光を照射するだけでなく、画面全体を均一に照射せねばならないという要求に応えるため、サイドライト型もしくは直下型と呼ばれる面光源の構造をとっている。なかでも、薄型・小型化が望まれるノート型パソコン等に使用される薄型液晶ディスプレイ用途には、サイドライト型、つまり画面に対し側面から光を照射するタイプのバックライトが適用されている。
一般的に、このサイドライト型バックライトでは、導光板のエッジから冷陰極線管を照明光源とし、光を均一に伝播・拡散する導光板を利用し液晶ディスプレイ全体を均一に照射する導光板方式が採用されている。この照明方法において、より光を効率的に活用するため、冷陰極線管の周囲にリフレクターが設けられ、更に導光板から拡散された光を液晶画面側に効率的に反射させるために導光板の下には反射板が設けられている。これにより冷陰極線管からの光のロスを少なくし、液晶画面を明るくする機能を付与している。
一方、液晶テレビのような大画面用では、エッジライト方式では画面の高輝度化が望めないことから直下型ライト方式が採用されてきている。この方式は、液晶画面の下部に冷陰極線管を並列に設けるもので、反射板の上に平行に冷陰極線管が並べられる。反射板は平面状もしくは、冷陰極線管の部分を半円凹状に成形したものなどが用いられる。
このような液晶画面用の面光源に用いられるリフレクターや反射板(面光源反射部材と総称する)には、高い反射性能が要求されると同時に薄膜であり、組み込み時に反射フィルムを損傷しない取り扱い性の良さが要求される。特に、近年大型化する液晶ディスプレイにともなう反射フィルムの大型化により、取り扱い性に対する要求が高まっている。従来、このような高い反射性能が要求される反射フィルムにはフィルム内部に微細な気泡を含有させ、気固界面での光反射を利用する方法(特許文献1)など、フィルム中に含有された微細な気泡とマトリックス樹脂の屈折率差を利用した方法が広く用いられている。このような微細な気泡を含有させる方法としては内部に非相溶の樹脂粒子を有し、延伸することによって該樹脂粒子の周りに気泡が形成されてなる白フィルムの製造方法が挙げられる。(特許文献2、3、4)
しかし、分散した非相溶の樹脂粒子の周りに気泡を形成させるために延伸すると、フィルム表面にも気泡ができるためフィルム全体のコシが弱く、耐折れ皺性や取り扱い性に劣る問題がある。
そこで、耐折れ皺性を向上させる方法として、気泡が少ない層を積層する方法が提案されている。(特許文献1、5、6)
特開1992−239540号公報 特開平8−48792号公報 特許第4306294号公報 特表2009−516049号公報 特開2009−98660号公報 特開2003−136619号公報
しかし、特許文献1、5、6に記載の積層フィルムを得るためには、積層のための大がかりな設備が必要であり、さらに、積層したフィルムに力を加えると、気泡含有率が低い層と気泡含有率の高い層との境界で力が分散せずに気泡含有率の高い層に座屈を生じて、結局皺が発生してしまい、耐折れ皺性が十分に改善したとは言い難い。
そこで、本発明は、気泡を含有する白色フィルムにおいて、優れた白色性や光反射性を維持しつつ、耐折れ皺性に優れた白色フィルムを提供することを課題とするものである。
ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(A)とは非相溶の成分(非相溶性成分)(B)および気泡を含み、かつ下記条件(I)〜(V)を満たすこと白色フィルム。
(I)白色フィルムの一方の表面(A表面)から、深さ5μmまでの領域における、気泡含有率(VA)が15%以下であること。
(II)白色フィルムのもう一方の表面(B表面)から、深さ5μmまでの領域における、気泡含有率(VB)が15%以下であること。
(III)白色フィルムの一方の表面(A表面)から、深さ30μmまでの領域における、気泡含有率の変化量の最大値(ΔVAmax)、気泡含有率の最大値(VAmax)および気泡含有率の最小値(VAmin)が、式1を満足すること。
ΔVAmax /(VAmax − VAmin)< 0.5 (式1)
(IV)白色フィルムのもう一方の表面(B表面)から、深さ30μmまでの領域における、気泡含有率の変化量の最大値(ΔVBmax)、気泡含有率の最大値(VBmax)および気泡含有率の最小値(VBmin)が、式2を満足すること。
ΔVBmax /(VBmax − VBmin)< 0.5 (式2)
(V)フィルム全体の平均気泡含有率が18%以上であること。
本発明の白色フィルムは、気泡を有するフィルムでありながら光反射性および耐折れ皺性に優れた白色フィルムを提供する。
領域Aおよび領域Bを説明するためのフィルム断面模式図 領域A30、領域B30、領域A1〜A6、領域B1〜B6を説明するためのフィルム断面模式図
本発明の白色フィルムは、内部に気泡を含有していることが必要である。フィルムの内部に気泡を含有することにより高い光反射特性を有する白色フィルムを得ることができる。
本発明において、フィルム内部に含有される気泡は、独立した気泡であっても良いし、複数の気泡が連続しているものであっても良い。また、気泡形状は特に限定されないが、フィルム厚み方向に多数の界面を形成させるために、気泡の断面形状は、円状ないし、フィルム面方向に対して伸長されている楕円状であることが好ましい。
また、気泡の形成方法としては、白色フィルムを構成する主たるポリエステル樹脂(A)と、該ポリエステル樹脂(A)に対して非相溶な成分(非相溶性成分)(B)とを含有する混合物を溶融押出しした後、少なくとも一方向に延伸し、内部に気泡を形成させることにより界面を形成させる方法が、より微細で扁平な気泡を生成させることができ、反射性能および生産性が良好であるために好ましい。
この方法は延伸中に白色フィルムを構成する主たるポリエステル樹脂(A)と非相溶性成分(B)の界面で剥離が起こることを利用して、扁平状の気泡を生成させる手法である。したがって、気泡占有体積を増大させ、フィルム厚み当りの界面数を増大させ反射性能を向上させるために、一軸延伸より二軸延伸がより好ましく用いられる。
また、本発明において用いられるポリエステル樹脂(A)とは、ジオール成分とジカルボン酸成分の重縮合によって得られるポリマーを指す。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸等が代表例として挙げられる。またジオール成分としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が代表例として挙げられる。ポリエステル樹脂(A)の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(ポリエチレンナフタレート)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を使用することができる。もちろん、これらのポリエステルは、ホモポリエステルであってもコポリエステルであってもよく、共重合成分としては、例えばジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分を用いることができる。
また、本発明において白色フィルムに用いられるポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度は70℃以上150℃以下であることが好ましい。かかる範囲温度にすることにより、後述するフィルム延伸時にフィルム表面を加熱する方法を採用した場合、特に、耐折れ皺性、反射性能に優れた白色フィルムを得ることができる。なお、複数のポリエステル樹脂が用いられている場合は、最も高いガラス転移温度を採用するものとする。これは、延伸特性等は、最も高いガラス転移温度を有する樹脂に、大きく影響を受けるためである。
ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度を高める方法としては、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族成分を含有させる方法が挙げられる。またガラス転移温度を低くする方法としては、ジオール成分としてプロパンジオールやブタンジオールなど直鎖のジオール成分などを含有させる方法が挙げられる。また、ガラス転移温度が70℃以上150℃以下であるポリエステル樹脂(A)として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどを特に好適な樹脂として挙げることができる。
また、本発明において用いられる非相溶性成分(B)としては、ポリエステル樹脂(A)と非相溶なものであれば特に限定されず、マトリックスと非相溶の熱可塑性樹脂(b1)、無機粒子(b2)、有機粒子等が挙げられるが、いずれも好ましく用いられる。上記成分は単独でも2種以上を併用してもよいが、非相溶性成分(B)として、マトリックスと非相溶の熱可塑性樹脂(b1)と無機粒子(b2)を併用しても良い。
本発明において、上述の非相溶性成分(B)の含有量は、白色フィルムに対し、5体積%以上25体積%以下であることが好ましい。熱可塑性樹脂(B)の含有量が5体積%未満であると、後述するフィルム全体の平均気泡含有率が18体積未満%となり、耐折れ皺性に劣ることがある。また、25体積%を越えると、フィルムの強度が低下し、延伸時の破断が起こりやすくなることがある。
本発明の白色フィルムにおいて、非相溶性成分(B)として熱可塑性樹脂(b1)を用いる場合、その樹脂は、結晶性、非晶性、どちらも好ましく用いられる。その具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンなどのような直鎖状、分鎖状あるいは環状のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、フッ素系樹脂などが好ましく用いられる。これらの非相溶性樹脂は単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の非相溶性樹脂を併用してもよい。これらの中でも、透明性に優れ、かつ耐熱性に優れるという点で、ポリオレフィンが好ましく用いられる。具体的には、結晶性樹脂としては、ポリプロピレンやポリメチルペンテンなどが、非晶性樹脂としては、シクロオレフィン共重合体などが好ましく用いられる。
本発明において、非相溶性成分(B)として、無機粒子(b2)を用いる場合、その例としては、ガラス、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、タルクなどを挙げることができる。これらの無機粒子の中でも、特に、気泡形成、白色度、光学濃度など総合的効果の点から、酸化チタン、炭酸カルシウムおよび硫酸バリウムからなる群から選ばれる1種以上の無機粒子(B2)を用いることが好ましく、特に酸化チタンを用いることが最も好ましい。酸化チタンの形態としてはルチル型、アナターゼ型いずれも好ましく用いることが出来るが、ルチル型が反射率向上の観点から好ましく用いることができる。
また、本発明において、白色フィルムには、必要に応じて本発明の効果が損なわれない量での適宜な添加剤、例えば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、有機系の易滑剤、有機系微粒子、充填剤、核剤、染料、分散剤、カップリング剤等が配合されていてもよい。
本発明では、白色フィルムの一方の表面(A表面)から、厚み方向に深さ5μmまでの領域(領域A)における、気泡含有率(VA)が15体積%以下であることが必要である。
また、白色フィルムのもう一方の表面(B表面)から、厚み方向に深さ5μmまでの領域(領域B)における、気泡含有率(VB)が15体積%以下であることも必要である。
領域Aにおける気泡含有率(VA)や、領域Bにおける気泡含有率(VB)は、10体積%以下であることが好ましい。
フィルム表面近傍の気泡含有率を上記数値範囲とすることによって、フィルム全体の曲げ剛性を高めることができ、耐折れ皺性に優れたフィルムを得ることができる。
領域Aにおける気泡含有率(VA)や領域Bにおける気泡含有率(VB)の数値範囲を上記数値範囲とするためには、後述するフィルム延伸時にフィルム表面を加熱する方法などを好ましく採用することができる。
また、本発明において、気泡含有率とは以下の方法で求められるものである。
ミクロトームを用いて白色フィルム幅方向と平行方向のフィルム断面を切り出し、白金−パラジウムを蒸着した後、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡”JSM−6700F”で、対象領域を2000倍〜3000倍の間の任意の倍率で観察し、断面観察写真を得る。得られた断面写真の上に、透明なフィルムやシートを重ねて、気泡に該当する部分を油性インキ等で塗りつぶす。次いで、イメージアナライザー(ニレコ株式会社製:“ルーゼックス”(登録商標)IID)を用いて、当該領域における気泡の面積率(%)を求め、この値を気泡含有率とする。
また、本発明では、白色フィルムの一方の表面(A表面)から、深さ30μmまでの領域における、気泡含有率の変化量の最大値(ΔVAmax)、気泡含有率の最大値(VAmax)および気泡含有率の最小値(VAmin)が、式1を満足することが必要である。
ΔVAmax /(VAmax − VAmin)< 0.5 (式1)
ここで、ΔVAmax、VAmaxおよびVAminは、以下の方法で求められるものである。
フィルムの一方の表面(表面A)から、厚み方向に深さ30μmまでの領域を「領域A30」とする。
次いで、領域A30において、表面Aから、表面B側に向かって、厚み方向に0μmから5μmまでの領域を領域A1、5mから10μmまでの領域を領域A2、10mから15μmまでの領域を領域A3、15μmから20μmまでの領域を領域A4、20mから25μmまでの領域を領域A5、25mから30μmまでの領域を領域A6とする。以上で述べた領域の定め方の概念図を図1に示す。
次いで、領域A1〜A6における気泡含有率VA1〜VA6(%)をそれぞれ求める。VA1〜VA6の中の最大値をVAmax(%)とする。また、VA1〜VA6の中の最小値をVAmin(%)とする。
次いで、領域A1の気泡含有率VA1と、領域A1に隣接する領域A2の気泡含有率VA2との差の絶対値をΔVA1とする。次いで、領域A2の気泡含有率VA2と、領域A2に隣接する領域A3の気泡含有率VA3との差の絶対値をΔVA2とする。次いで、領域A3の気泡含有率VA3と、領域A3に隣接する領域A4の気泡含有率VA4との差の絶対値をΔVA3とする。次いで、領域A4の気泡含有率VA4と、領域A4に隣接する領域A5の気泡含有率VA5との差の絶対値をΔVA4とする。次いで、領域A5の気泡含有率VA5と、領域A5に隣接する領域A6の気泡含有率VA6との差の絶対値をΔVA5とする。次いで、ΔVA1〜ΔVA6の中の最大値をΔVAmax(%)とする。
また、本発明では、白色フィルムのもう一方の表面(B表面)から、深さ30μmまでの領域における、気泡含有率の変化量の最大値(ΔVBmax)、気泡含有率の最大値(VBmax)および気泡含有率の最小値(VBmin)が、式2を満足することが必要である。
ΔVBmax /(VBmax − VBmin)< 0.5 (式2)
ここで、ΔVBmax、VBmaxおよびVBminは、以下の方法で求められるものである。
フィルムのもう一方の表面(表面B)から、厚み方向に深さ30μmまでの領域を「領域B30」とする。
次いで、領域B30において、表面Bから、表面A側に向かって、厚み方向に0μmから5μmまでの領域を領域B1、5mから10μmまでの領域を領域B2、10mから15μmまでの領域を領域B3、15μmから20μmまでの領域を領域B4、20mから25μmまでの領域を領域B5、25mから30μmまでの領域を領域B6とする。以上で述べた領域の定め方の概念図を図2に示す。
次いで、領域B1〜B6における気泡含有率VB1〜VB6(%)をそれぞれ求める。VB1〜VB6の中の最大値をVBmax(%)とする。また、VB1〜VB6の中の最小値をVBmin(%)とする。
次いで、領域B1の気泡含有率VB1と、領域B1に隣接する領域B2の気泡含有率VB2との差の絶対値をΔVB1とする。次いで、領域B2の気泡含有率VB2と、領域B2に隣接する領域B3の気泡含有率VB3との差の絶対値をΔVB2とする。次いで、領域B3の気泡含有率VB3と、領域B3に隣接する領域B4の気泡含有率VB4との差の絶対値をΔVB3とする。次いで、領域B4の気泡含有率VB4と、領域ABに隣接する領域B4の気泡含有率VB5との差の絶対値をΔVB4とする。次いで、領域B5の気泡含有率VB5と、領域B5に隣接する領域B6の気泡含有率VB6との差の絶対値をΔVB5とする。次いで、ΔVB1〜ΔVB6の中の最大値をΔVBmax(%)とする。
上記(式1)および(式2)は、フィルム表面から厚み方向に30μmの範囲において、その気泡含有率の急激に変化しないことを示す。上記(式1)および(式2)を満足することによって、フィルムの表面から伝播する力(応力)が、フィルム内部の特定の箇所に集中することなく分散するために、フィルムの気泡含有率が高くとも、座屈を生じにくく、耐折れ皺性に優れた白色フィルムとすることができる。
また、上記式を満足しないということは、フィルム表面から厚み方向に30μmの範囲において、気泡含有率が大きく変化する箇所が存在することを示す。そして、そのような箇所では、座屈が生じやすいので、折れ皺が発生しやすくなる。
なお、耐折れ皺性の観点から、本発明のフィルムは、(式1’)および/または(式2’)を満足することが好ましい。
ΔVAmax /(VAmax − VAmin)< 0.3 (式1’)
ΔVBmax /(VBmax − VBmin)< 0.3 (式2’)
上記式を満足するフィルムは、後述する製造方法により(特に、後述するフィルム延伸時にフィルム表面を加熱する方法を採用することにより)得ることが出来る。
また、本発明において、白色フィルム全体の平均気泡含有率(Vav)は18%以上であることが必要である。本発明の平均気泡含有率とはフィルムの一方の表面(表面A)からもう一方の表面(表面B)までの間の気泡含有率を示す。平均気泡含有率が18%以上であることによって、光反射性能を高めることができる。なお、平均気泡含有率が40%を超えると、気泡同士が連結して、光反射性能が低下することがあるので、平均気泡含有率は40%以下であることが好ましい。より好ましくは22%以上35%以下である。
平均気泡含有率を上記の範囲にする方法としては、非相溶性成分(B)の含有量を、白色フィルムに対し、5体積%以上25体積%以下とすることなどが挙げられる。
本発明の白色フィルムは、フィルムを厚み方向に3つの領域に等分し、それぞれ領域1、領域2および領域3としたとき、領域1〜3の組成が同一であることが好ましい。換言すれば、本発明のフィルムは、フィルムの厚み方向に、互いに異なる組成からなる複数の層を有する積層フィルムではないことが好ましい。このような積層構成とすると、各層における気泡含有率が異なることがあり、先述したように耐折れ皺性に劣ることがあるためである。領域1〜3の組成を同一とすることにより、耐折れ皺性に優れるフィルムとすることができる。各領域の組成は、クロロホルムなどの溶媒に抽出および沈殿した物質の質量およびNMRおよびIRスペクトルを測定することによって確認することができる。そして、それぞれの領域の組成について差異がない場合、同一の組成とみなすことが出来る。なお、領域1〜3の組成を同一とするためには、フィルム単層構成としたり、組成が同一の層を積層することによって達成することはできる。
次に、本発明の白色フィルムの製造方法について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
少なくとも、ポリエステル樹脂(A)と非相溶性成分(B)を含む混合物を、必要に応じて十分真空乾燥を行い、押出機を有する製膜装置の加熱された押出機に供給する。非相溶性成分(B)の添加は、事前に均一に溶融混練して配合させて作製されたマスターチップを用いても、もしくは直接混練押出機に供給するなどしてもよいが、事前に均一にポリエステル樹脂(A)と非相溶成分(B)を含む混合物を溶融混練したマスターチップを用いるほうが、非相溶成分(B)の分散が促進されるという点でより好ましい。また、溶融押出に際してはメッシュ40μm以下のフィルターにて濾過した後に、Tダイ口金内に導入し押出成形により溶融シートを得ることが好ましい。この溶融シートを表面温度10℃以上60℃以下に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸フィルムを作製する。
該未延伸フィルムを、ポリエステル樹脂(A)の[ガラス転移温度―20℃]以上、[ガラス転移温度]以下の温度に加熱されたロール(予熱ロール)群に導いて予熱し、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に周速の異なる二本のロール間で延伸する(すなわち、ロールの周速差を利用して延伸する)。より好ましくは[ガラス転移温度−15℃]以上、[ガラス転移温度]以下である。かかる温度範囲とすることにより、フィルム厚み方向の中央部に効率的に気泡を含有せしめることができ、フィルム全体の平均気泡含有率(Vav)を高めることができる。
そして、この延伸中に8.5W/cm以上40W/cm以下の熱量Qでフィルム表面(両面)を加熱することが、本発明では極めて好ましい。かかる加熱を行うことにより、条件(I)〜(IV)を満足させることができる。また、熱量Qのより好ましい範囲は10W/cm以上25W/cm以下である。また、条件(I)〜(IV)を満足させるという観点から、ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度は、70℃以上150℃以下であることが好ましい。
なお、本発明でいう熱量Qとはフィルム単位幅あたりの熱量を指す。熱量Qが、8.5W/cm未満となると、フィルム表面の温度が十分に上がらず、VAやVBが15%を超えてしまうことがあり、好ましくない。一方、熱量Qが40W/cmを越えると、ΔVAmaxやΔVBmaxが大きくなり(式1)や(式2)を満足しないことがあり、好ましくない。加えて、縦延伸時に、フィルムが軟化してしまい、安定製膜出来なくなる場合もあるため好ましくない。
また、本発明において、赤外線ヒーターを用いた場合の熱量Qは下記式によって求めるものとする。また、熱量Qは片面あたりの熱量である。
Q=(赤外ヒーターの出力(W/cm))×(0.4−0.055×ln(赤外線ヒーターとフィルムとの距離(mm))。
加熱する熱源としては、赤外線ヒーターや熱風を用いることができるが、エネルギー効率の観点から赤外線ヒーターを用いることが好ましい。
赤外線ヒーターの種類は特に限定されないが、近赤外線ヒーターやカーボンヒーターなどを用いることができる。加熱性能と寿命とのバランスからカーボンヒーターがより好ましい。赤外線ヒーターには背面に金反射膜が付いていることが好ましい。また、集光装置を用いても良い。かかるヒーターとしてヘレウス(株)製Twin Tube透明石英ガラス製カーボンヒーターが挙げられる。また、赤外線ヒーターとしては、波長0.8〜5μmのものが好ましいがより好ましくは2.0〜2.5μmである。
また、かかる赤外線ヒーターは両面に設置される(すなわち、フィルムの両方の表面に赤外線ヒーターが設けられる)。
上記熱量Qをかかる範囲にするためには赤外線ヒーターの出力は、片面あたり、35W/cm以上150W/cm以下が好ましく、より好ましくは40W/cm以上100W/cm以下、さらに好ましくは50W/cm以上80W/cm以下である。縦延伸時の赤外線ヒーターの出力が150W/cmを超える場合、縦延伸時にフィルムが軟化してしまい、安定製膜できないため好ましくない。また、縦延伸時の赤外線ヒーターの出力が35W/cmに満たない場合、VAやVBが15%を超えてしまうことがあり、好ましくない。
赤外線ヒーターとフィルム表面の距離は5mm以上100mm以下が好ましく、より好ましくは10mm以上50mm以下であり、さらに好ましくは10mm以上20mm以下である。赤外線ヒーターとフィルムの距離が100mmを超えるとであると、上述した赤外線ヒーター出力範囲では赤外線がフィルムに届くまでに減衰し、フィルムの表面温度を十分に上げることができないため、好ましくない。赤外線ヒーターとフィルムの距離が5mm未満であると、上述した赤外線ヒーター出力範囲では、フィルム厚み方向全体が軟化してしまい、安定製膜できないため、好ましくない。なお、本発明において、赤外線ヒーターとフィルム表面の距離は最短距離を指す。
赤外線ヒーターの本数は1本でも複数本でも特に限定されないが、照射ゾーンを通過する時間が0.2秒間以上2秒間未満であることが好ましい。さらに好ましくは0.4秒間〜1秒間である。製膜速度が遅い場合は1本でもかまわないが、製膜速度が早い場合、複数本並べることが好ましい。上限は特に規定されないがロール間の空隙から実際は4本が上限である。本発明でいう照射ゾーンはヒーター1本あたり40mmであり重複を除した距離をいう。通過する時間が0.2秒未満では昇温が十分にされず、また2秒以上ではフィルム内部の温度が高温になり過ぎ、気泡が形成されないことがあり、好ましくないことがある。延伸中にフィルム表面を上記方法で加熱することで、フィルム表面付近での延伸張力を小さくせしめ、気泡の形成を阻害することができる。なお、熱量Qを大きくする場合は予熱ロールの温度を下げ、熱量Qを小さくする場合は予熱ロールの温度を上げても良い。
上記方法で加熱しながら長手方向に3.0倍以上4.5倍以下に延伸し、その後、20℃以上50℃以下の温度のロール群で冷却する。3.0倍未満では十分な大きさに気泡が形成できず十分な反射率と得ることが出来ない。また、4.5倍を越えて延伸するとその後の横延伸(幅方向への延伸)において破れやすくなり生産性に優れないため好ましくない。
続いて、フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、90℃以上150℃以下の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向に直角な方向(幅方向)に3倍以上5倍以下に延伸する。3倍未満では気泡サイズが小さく十分な反射率を得ることが出来ないことがある。また、5倍を超えて延伸すると破れやすくなり生産性に優れないため好ましくない。
得られた二軸延伸(二軸配向)フィルムの配向結晶化を完了させて平面性と寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて150℃以上240℃以下の温度で1秒間以上30秒間以下の熱処理を行ない、均一に徐冷後、室温まで冷却しても良い。また、記熱処理工程中では、必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3%以上12%以下の弛緩処理を施してもよい。さらに、その後、必要に応じて、他素材との密着性をさらに高めるためにコロナ放電処理などを行っても良い。
本発明において、白色フィルムは上述の構成からなるものであるが、本発明の白色フィルムの厚みは60μm以上500μm以下が好ましく、100μm以上400μm以下がより好ましい。厚みが60μm未満の場合、十分な反射性が得られないため好ましくない。一方、500μmより厚い場合、液晶ディスプレイの薄膜化の要求に答えることができず好ましくない。
また、本発明において、白色フィルムの比重は0.4以上1.30以下であることが好ましい。より好ましくは0.50以上0.99以下である。ここでいう比重とは、白色フィルムを5cm×5cmの大きさに切りだしたものを5枚用意し、JIS K7112(1980年版)に基づいて電子比重計SD−120L(ミラージュ貿易(株)製)を用いてそれぞれを測定した平均値である。比重がかかる範囲を外れて低くなると、フィルムの強度が低下しフィルムが破断しやすくなり、生産性に劣るため好ましくなく、また液晶ディスプレイの組み立て作業において折れ皺が発生しやすくなることがある。逆に比重がかかる範囲を外れて高くなると、気泡含有構造に由来する反射性が不十分となることがある。
本発明の白色フィルムにおいて、比重を0.4以上1.30以下にする方法としては、1)非相溶性成分(B)の含有量を増やす、2)非相溶性成分(B)として熱可塑性樹脂や有機粒子を使用する、3)非相溶性成分(B)の体積平均粒径(分散径)を小さくする、4)延伸倍率を高倍率化する、などが挙げられる。
また、本発明の白色フィルムの全光線透過率は、1.5%以下であることが好ましい。より好ましくは1.2%以下、更に好ましくは1.0%以下である。なお、ここでいう透過率とは、JIS−K7361−1(1997年)に基づいて測定された値である。本発明の白色フィルムにおいて、透過率を1.5%以下とすることによって、裏面への光抜けを抑えることができる結果、白色性、反射特性に優れた白色フィルムとすることができ、特に液晶表示装置用として用いた場合に高い輝度向上効果を得ることができる。
また、本発明において、白色フィルムの相対反射率は100%以上であることが好ましい。より好ましくは100.5%以上、更に好ましくは101%以上である。ここでいう、相対反射率とは、内面が硫酸バリウム製の積分球、10°傾斜スペーサーを備えた分光光度計、標準白色板として酸化アルミニウムを用いて、入射角10°で光を入射させたときの反射率を波長560nmにおいて測定し、標準白色板の反射率を100%としたときの相対反射率である。本発明の白色フィルムにおいて、相対反射率を100%以上とすることによって、白色性、反射特性に優れた白色フィルムとすることができ、特に液晶表示装置用として用いた場合に高い輝度向上効果を得ることができる。上限は特に定められるものではないが、現実的には120%以下である。
ここで、本発明において、白色フィルムの全光線透過率や相対反射率を上述の範囲に調整するためには、1)フィルム密度を前述の範囲に制御する、2)フィルム厚みを厚くする、などによって得ることができる。
[測定・評価方法]
A.気泡含有率の変化量の最大値(ΔVAmax、ΔVBmax)
ΔVAmax、ΔVBmaxが
0.3未満の場合 S
0.3以上0.5未満の場合 A
0.5以上の場合 B
とした。
B.白色フィルム全体の平均気泡含有率(Vav)
平均気泡含有率(Vav)が
18%未満の場合 B
18%以上22%未満の場合 A
22%以上35%以下の場合 S
35%より大きく40%以下の場合 A
40%より大きい場合 B
とした。
C.折れ皺
白色フィルムを巾20mm、長さ100mmの長方形にサンプリングし、該フィルムとSUS304、鏡面加工ステンレス板とを方向が一致するように巾20mm、長さ100mmの両面テープ(日東電工両面テープNo.500)で貼り合わせる。次に該白色フィルムの端部を剥離しもち上げ、ステンレスとの180°剥離(剥離速度300mm/分)を長軸方向に行ない全部剥離する。剥離後の白色フィルムの非接着側の表面の光沢度Gを測定する。光沢度はスガ試験機製デジタル変角光沢計(UGU―4D)を用いて、JIS K7105(1981年版)に準じ、入射角および受光角を60°にあわせて、フィルムの光沢度を評価した。
かくして得られた光沢度Gと、接着剥離を行なう前の光沢度G0とから次のように折れ皺指数を定義した。
折れ皺指数=G/G0
この指数が0.5未満であると耐折れ皺性がわるく、フィルムの取り扱い時に折れ皺がはいり易くなり、1.0に近いほど耐折れ皺性が高く取り扱い性に優れた白色フィルムになる。
折れ皺指数が
0.6以上の場合 S
0.5以上0.6未満の場合 A
0.5未満の場合 B
とした。
D.相対反射率
分光光度計U−3410((株)日立製作所)に、φ60積分球130−0632((株)日立製作所)(内面が硫酸バリウム製)および10°傾斜スペーサーを取りつけた状態で、白色フィルムの560nmの光反射率(相対反射率)を求めた。なお、光反射率は白色フィルムの両面について求め、より高い数値を当該白色フィルムの反射率とした。標準白色板には(株)日立計測器サービス製の部品番号210−0740(酸化アルミニウム)を用いた。相対反射率は以下のように判定した。
相対反射率が
101%以上120%未満の場合 S
100%以上101%より小さい場合 A
100%より小さい場合 B
とした。
E.比重
白色フィルムを5cm×5cmの大きさに切りだし、JIS K7112(1980年版)に基づいて電子比重計SD−120L(ミラージュ貿易(株)製)を用いて測定した。なお、各白色フィルムについて5枚用意し、それぞれを測定し、その平均値でもって該白色フィルムの比重とした。
F.ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度
ポリエステル樹脂(A)5mgを熱により融解させその後急冷したサンプルを、示差走査型熱量計(DSC−2型、パーキンエルマー社製)を用い、25℃から20℃/分の昇温速度で昇温し、JIS K7121(1987年)の中間点ガラス転移温度をガラス転移温度として測定した。
以下実施例等によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(原料)
1.ポリエステル樹脂(A)
・PET
酸成分としてテレフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。得られたPETのガラス転移温度は80℃であった。
・PEI(ポリエチレンイソフタレート)
酸成分としてイソフタル酸を、グリコール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンイソフタレートペレット(PEI)を得た。得られたPEIのガラス転移温度は60℃であった。
・PEN(ポリエチレンナフタレート)
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル100重量部、およびエチレングリコール60重量部に、エステル交換触媒として酢酸マグネシウム4水塩を0.018重量部および酢酸カルシウム1水塩を0.003重量部添加し、170〜240℃、0.5kg/cm2にてエステル交換反応させた後、トリメチルホスフェートを0.004重量部添加し、エステル交換反応を終了させた。さらに重合触媒として三酸化アンチモンを0.23重量部添加し、高温高真空下で重縮合反応を行い、極限粘度0.60dl/gのポリエチレンナフタレート(PEN)ペレットを得た。得られたPENのガラス転移温度は120℃であった。
・環状オレフィン共重合体樹脂
非相溶性成分(B)として、ガラス転移温度が178℃、MVR(260℃/2.16kg)が4.5ml/10mimである環状オレフィン樹脂「TOPAS」(ポリプラスチック社製)を用いた。
(実施例1)
ポリエステル樹脂(A)としてPETと非相溶樹脂(B)として環状オレフィン共重合体樹脂との混合物を180℃の温度で3時間真空乾燥した後に押出機に供給し、280℃の温度で溶融押出後、Tダイ口金に導入した。
次いで、Tダイ口金内より、シート状に押出して溶融単層シートとし、該溶融単層シートを、表面温度25℃に保たれたドラム上に静電印加法で密着冷却固化させて未延伸単層フィルムを得た。このとき、ドラムに接しているフィルム面を裏面、空気に接している面を「おもて」面とした。続いて、該未延伸単層フィルムを73℃の温度に加熱したロール(予熱ロール)群で予熱した後、表1に示した赤外線ヒーターの熱量Qでフィルムの両面から照射しながら、長手方向に、ロールの周速差を利用して、3.6倍延伸を行い、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の95℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に105℃の温度の加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)に3.6倍延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで190℃で20秒間の熱処理を施し、均一に徐冷後、巻き取って、厚さ188μmの単層の白色フィルムを得た。この白色フィルムの断面を観察したところ、内部に微細な気泡を多数含有していた。フィルムの各種特性を表3に示す。
なお、表において「組成の同一性」とは、実施例や比較例により得られた白色フィルムを厚み方向に3つの領域に等分し、それぞれ領域1、領域2および領域3とし、領域1〜3の組成が同一であるか否かを示すものである。
(実施例2〜14)
それぞれ表に示した条件した以外は、実施例1と同様に製膜を行い、厚さ188μmの単層の白色フィルムを得た。フィルムの各種特性を表3に示す。
(比較例1〜6、9〜12)
それぞれ表1に示す条件とした以外は、実施例1と同様に製膜を行い、厚さ188μmの単層の白色フィルムを得た。フィルムの各種特性を表3に示す。
比較例1〜6、9〜12のフィルムは、耐折れ皺性が悪いか反射特性に劣っていた。特に、比較例6のフィルムの断面を観察すると、気泡の連結が認められた。
(比較例7)
赤外線ヒーターを使用せず、予熱ロールを86℃とした以外は、実施例1と同様に製膜を行い、厚さ188μmの単層の白色フィルムを得た。得られたフィルムは、耐折れ皺性が悪く取り扱い性に劣るものであった。フィルムの各種特性を表3に示す。
(比較例8)
表2に示した原料組成等を2台の押出機からそれぞれ押しだし、フィードブロックにて厚み方向にA層/B層/A層の順に3層に積層したフィルムをTダイ口金に導入した以外は実施例1と同様に製膜を行い、厚さ188μmの積層の白色フィルムを得た。A層の厚さは5μmであった。積層フィルムである本白色フィルムは、耐折れ皺性が悪く、取り扱い性に劣るものであった。フィルムの各種特性を表3に示す。
Figure 2012051960
Figure 2012051960
Figure 2012051960
本発明の白色フィルムは、耐折れ皺性および光反射性に優れているので、面光源用反射フィルムなどに好適に用いることができる。
1.フィルム表面(表面A)
2.フィルム表面(表面B)
3.領域A
4.領域B
5.領域A30
6.領域B30
51.領域A1
52.領域A2
53.領域A3
54.領域A4
55.領域A5
56.領域A6
61.領域B1
62.領域B2
63.領域B3
64.領域B4
65.領域B5
66.領域B6

Claims (3)

  1. ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(A)とは非相溶の成分(非相溶性成分)(B)および気泡を含み、かつ下記条件(I)〜(V)を満たすこと白色フィルム。
    (I)白色フィルムの一方の表面(A表面)から、深さ5μmまでの領域における、気泡含有率(VA)が15%以下であること。
    (II)白色フィルムのもう一方の表面(B表面)から、深さ5μmまでの領域における、気泡含有率(VB)が15%以下であること。
    (III)白色フィルムの一方の表面(A表面)から、深さ30μmまでの領域における、気泡含有率の変化量の最大値(ΔVAmax)、気泡含有率の最大値(VAmax)および気泡含有率の最小値(VAmin)が、式1を満足すること。
    ΔVAmax /(VAmax − VAmin)< 0.5 (式1)
    (IV)白色フィルムのもう一方の表面(B表面)から、深さ30μmまでの領域における、気泡含有率の変化量の最大値(ΔVBmax)、気泡含有率の最大値(VBmax)および気泡含有率の最小値(VBmin)が、式2を満足すること。
    ΔVBmax /(VBmax − VBmin)< 0.5 (式2)
    (V)フィルム全体の平均気泡含有率が18%以上であること。
  2. 前記ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が70℃以上150℃以下である請求項1に記載の白色フィルム。
  3. フィルムを厚み方向に3つの領域に等分し、それぞれ領域1、領域2および領域3としたとき領域1〜3の組成が同一である請求項1または2に記載の白色フィルム。
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