JP2010066513A - 光反射板 - Google Patents

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【課題】 本発明は、光反射性に優れ且つ長期間に亘って着色及び脆化が少ない優れた耐候性を有する光反射板を提供する。
【解決手段】 本発明の光反射板は、ポリオレフィン系樹脂層が複数層、積層一体化してなる光反射板であって、この光反射板は、無機充填材を50〜200g/m2含有し且つ厚みが0.2〜1.5mmであり、外側ポリオレフィン系樹脂層には、上記光反射板に含有されている無機充填材のうちの65重量%以上の無機充填材が含有されていると共に、上記外側ポリオレフィン系樹脂層は、他のポリオレフィン系樹脂層に比して各ポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部当たりの無機充填材量が多く、更に、外側ポリオレフィン系樹脂層の厚みが0.1〜0.7mmであることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光反射性及び耐候性に優れた光反射板に関する。
近年、表示装置として液晶表示装置が様々な用途に用いられている。この液晶表示装置は、液晶セルの背面にバックライトユニットを配設してなり、バックライトユニットは、冷陰極管、ランプリフレクタ、導光板、この導光板の前面側に配設された拡散板及び上記導光板の後面側に配設された光反射板からなり、この光反射板は、導光板の後面側に漏れた光を液晶セル側に向かって反射させる役割を果たしている。
上記光反射板としては、アルミニウム、ステンレスなどからなる金属薄板、ポリエチレンテレフタレートフィルムに銀を蒸着させてなるフィルム、アルミニウム箔を積層した金属箔、多孔性樹脂シートなどが用いられている。
又、生産性の高い光反射板として、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機充填剤をポリプロピレン系樹脂中に含有させてなる光反射板も用いられている。
光反射板として、特許文献1には、ポリプロピレン樹脂及び無機フィラーを含有する成形材料を成形してなる光反射板において、無機フィラーとして酸化チタンを成形材料全量に対して4〜15質量%含有すると共に、酸化チタン以外の無機フィラーを成形材料全量に対して25〜40質量%含有してなることを特徴とする光反射板が提案されている。そして、上記光反射板は、これに入射した光を酸化チタンによって反射させることによって光反射性能が付与されている。
ところが、光反射板に入射した光は、光反射板の厚み方向に深く進入するにつれて減衰すると共に、光反射板の厚み方向の深い部分にて酸化チタンによって反射された光は、光反射板中を再度、通過する必要があり、その過程で再度、反射光が更に減衰してしまう。
しかるに、上記光反射板は、酸化チタンが光反射板の全体的に均一に分散していることから、酸化チタンによる光反射が光反射板の厚み方向の深い部分にて行われる割合が高く、酸化チタンの含有量の割には光反射性がそれ程向上しないといった問題点を有していた。
又、光反射板に含有されている酸化チタンのうち厚み方向の深い部分にある酸化チタンは、光反射板に入射した光が殆ど到達しないことら、光反射に殆ど寄与せず、光反射板の軽量性を損なうだけであるといった問題点も有していた。
更に、酸化チタンは光を受けることによって活性化してラジカルを発生させ、酸化チタンに接触している有機物を酸化分解し黄変させてしまう光触媒作用を有している。従って、光反射板中に含有させている酸化チタンは、ポリプロピレン樹脂を着色及び脆化させる原因となることから、光反射板中に光反射に殆ど寄与しない酸化チタンを含有させておくことは、上述した光反射板の軽量性の低下以外に、光反射板の光反射性の低下を招来するといった問題も生じていた。
特開2006−309108号公報
本発明は、光反射性に優れ且つ長期間に亘って着色及び脆化が少ない優れた耐候性を有する光反射板を提供する。
本発明の光反射板は、ポリオレフィン系樹脂層が複数層、積層一体化してなる光反射板であって、この光反射板は、無機充填材を50〜200g/m2含有し且つ厚みが0.2〜1.5mmであり、無機充填材を含んでいるポリオレフィン系樹脂層のうち、上記光反射板に入射した光が最初に到達するポリオレフィン系樹脂層には、上記光反射板に含有されている無機充填材のうちの65重量%以上の無機充填材が含有されて外側ポリオレフィン系樹脂層とされていると共に、上記外側ポリオレフィン系樹脂層は、他のポリオレフィン系樹脂層に比して各ポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部当たりの無機充填材量が多く、更に、外側ポリオレフィン系樹脂層の厚みが0.1〜0.7mmであることを特徴とする
光反射板のポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレン系樹脂などが挙げられ、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。なお、第一光反射層及び第二光反射層を構成しているポリオレフィン系樹脂は同一であっても相違していてもよい。又、ポリオレフィン系樹脂は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
上記ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンなどが挙げられる。
又、上記ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられ、光反射板が加熱されても揮発成分を発生させず、液晶表示装置を構成しているガラス板を曇らせることないので、ホモポリプロピレンが好ましい。更に、光反射板が発泡してなるものである場合には、ポリプロピレン系樹脂としては、特許第2521388号公報や特開2001−226510号公報にて開示されている高溶融張力ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
なお、エチレン−プロピレン共重合体及びプロピレン−α−オレフィン共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体の何れであってもよい。又、プロピレン−α−オレフィン共重合体中におけるα−オレフィン成分の含有量は、0.5〜30重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
α−オレフィンとしては、炭素数が4〜10のα−オレフィンが挙げられ、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
そして、光反射板を構成しているポリオレフィン系樹脂層のうちの一部又は全てのポリオレフィン系樹脂層に無機充填材が含有されている。上記無機充填材としては、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライト、珪酸白土などが挙げられ、酸化チタンが好ましい。上記酸化チタンには、ルチル型、アナターゼ型、イルメナイト型があるが、ルチル型が好ましい。そして、酸化チタンは、その光触媒作用が強いとポリオレフィン系樹脂を劣化させてしまって光反射板の光線全反射率が低下する原因となるので、表面処理を施しておくことが好ましい。
上記酸化チタンの表面処理方法としては、特に限定されないが、アルミニウム、珪素、チタン、ジルコニウム、スズなどの含水酸化物によって被覆する方法などが挙げられる。
本発明の光反射板全体に含有されている無機充填材の量は、少ないと、光反射板の光反射性能が低下する一方、多いと、光反射板の軽量性が低下するので、50〜200g/m2に限定され、80〜190g/m2が好ましい。
なお、本発明の光反射板全体の厚みは、薄いと、光反射板の剛性などの機械的強度が低下する一方、厚いと、光反射板の軽量性が低下するので、0.2〜1.5mmに限定される。
上述のように、複数あるポリオレフィン系樹脂層のうちの一部又は全てのポリオレフィン系樹脂層に無機充填材が含有されているが、本発明の光反射板では、無機充填材を含んでいるポリオレフィン系樹脂層のうち、光反射板に入射した光が最初に到達するポリオレフィン系樹脂層、即ち、外側ポリオレフィン系樹脂層に、光反射板全体に含有されている無機充填材の総量の65重量%以上、好ましくは65〜95重量%の無機充填材を含有させている。
従って、外側ポリオレフィン系樹脂層は、光反射板を構成しているポリオレフィン系樹脂層のうち、光反射板に光が入射する面側から見て最外層となるポリオレフィン系樹脂層であっても、或いは、光反射板に光が入射する面側から見て一層或いは複数層のポリオレフィン系樹脂層には無機充填材が含有されておらず、これらの無機充填材が含有されていないポリオレフィン系樹脂層を光が通過し、最初に到達した無機充填材を含有しているポリオレフィン系樹脂層を外側ポリオレフィン系樹脂層としてもよいが、光反射板に入射した光をできるだけ減衰させることなく反射させて光反射性を向上させることができることから、光反射板を構成しているポリオレフィン系樹脂層のうち、光反射板に光が入射する面側から見て最外層となるポリオレフィン系樹脂層を外側ポリオレフィン系樹脂層とすることが好ましい。
又、光反射板を構成しているポリオレフィン系樹脂層のうち、光反射板に光が入射する面側から見て一層或いは複数層のポリオレフィン系樹脂層に無機充填材を含有させていない場合には、これらの無機充填材を含有していないポリオレフィン系樹脂層を外側ポリオレフィン系樹脂層の保護層(以下、「保護ポリオレフィン系樹脂層」という)とすることができ、光反射板の光反射性能を長期間に亘って維持することができる。
保護ポリオレフィン系樹脂層は、光反射板の光反射性能に影響を与えないように透明であることが好ましく、全光線透過率は90%以下であることが好ましい。なお、全光線透過率は、JIS K7105に記載の測定法Bに準拠して測定されたものをいう。
保護ポリオレフィン系樹脂層の合計厚みは、薄いと、外側ポリオレフィン系樹脂層の保護が不充分となることがある一方、厚いと、光反射板の光反射性能が低下することがあるので、10〜30μmが好ましい。
更に、各ポリオレフィン系樹脂層に含まれている無機充填材量を比較した場合、各ポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部当たりの無機充填材量は、外側ポリオレフィン系樹脂層が、外側ポリオレフィン系樹脂層以外のポリオレフィン系樹脂層よりも多くなるように構成している。
上述のように、外側ポリオレフィン系樹脂層に無機充填材を集中的に含有させている理由は次の通りである。光反射板に光が入射し、保護ポリオレフィン系樹脂層がある場合には、この保護ポリオレフィン系樹脂層を通過して、外側ポリオレフィン系樹脂層に光が入射し、或いは、保護ポリオレフィン系樹脂層がない場合には、はじめに外側ポリオレフィン系樹脂層に光が入射し、この外側ポリオレフィン系樹脂層で光は反射される。
そこで、外側ポリオレフィン系樹脂層に、光反射板中に含まれている無機充填材の全量の65重量%以上の無機充填材を含有させておき、外側ポリオレフィン系樹脂層に無機充填材を集中的に含有させておくことによって、光反射板に入射した光をできるだけ光反射板中を通過させることなく外側ポリオレフィン系樹脂層中の無機充填材によって反射させ、光反射板に入射した光を殆ど減衰させることなく光反射板外に反射させており、光反射板は優れた光反射性能を有している。
しかも、外側ポリオレフィン系樹脂層は、この外側ポリオレフィン系樹脂層以外のポリオレフィン系樹脂層に比して、各ポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部当たりの無機充填材量が多くなるように構成されており、外側ポリオレフィン系樹脂層中の無機充填材の含有比率を高めており、外側ポリオレフィン系樹脂層中の無機充填材によって光反射板に入射した光を略確実に反射させることができる。
外側ポリオレフィン系樹脂層の厚みは、薄いと、外側ポリオレフィン系樹脂層の劣化が短期間のうちに進行し、光反射板の光反射性能が短期間のうちに低下してしまう一方、厚いと、外側ポリオレフィン系樹脂層の劣化によって光反射板全体の剛性の低下が顕著となり、光反射板を長期間に亘って安定的に使用することができないので、0.1〜0.7mmに限定され、0.1〜0.3mmが好ましい。
又、外側ポリオレフィン系樹脂層中に含有されている無機充填材の量は、少ないと、光反射板の光反射性が低下することがある一方、多くても、光反射板の光反射性が向上しないばかりでなく、光反射板の軽量性も低下することがあるので、50〜190g/m2が好ましく、60〜180g/m2がより好ましく、60〜170g/m2が特に好ましい。
そして、光反射板を構成している複数のポリオレフィン系樹脂層のうち、外側ポリオレフィン系樹脂層以外のポリオレフィン系樹脂層にはこれらポリオレフィン系樹脂層に含まれている無機充填材の総量として、光反射板全体に含有されている無機充填材の全量の35重量%未満の無機充填材が含有されている。
即ち、本発明の光反射板では、外側ポリオレフィン系樹脂層に無機充填材を集中的に含有させ、それ以外のポリオレフィン系樹脂層に含有されている無機充填材の量を低減させている。
これは、光反射板に入射した光の大部分を、無機充填材が大量に含有されている外側ポリオレフィン系樹脂層によって反射させており、外側ポリオレフィン系樹脂層を通過する光量はそれ程多くなく、外側ポリオレフィン系樹脂層を通過してきた僅かな光を反射すればよいからである。
又、仮に光反射板の全体に無機充填材を均一に含有させた場合、光反射板の光反射性能を向上させるためには、光反射板に大量の無機充填材を全体的に含有させる必要があり、光反射板の機械的強度の低下を招くと共に光反射板の軽量性の低下を生じる虞れがある。
更に、無機充填材が酸化チタンである場合、酸化チタンは、紫外線の照射によって光触媒作用を奏し、酸化チタンに接触しているポリオレフィン系樹脂を酸化分解して劣化、着色させる。
そこで、本発明では、光反射板を構成している複数層のポリオレフィン系樹脂層のうち、外側ポリオレフィン系樹脂層に無機充填材を集中的に含有させて、光反射板全体に含まれる無機充填材量の増加を招くことなく、最外ポリオレフィン系樹脂中の無機充填材の含有比率を向上させて、光反射板の光反射性の向上を図っていると共に、外側ポリオレフィン系樹脂層を透過した僅かな量の光を反射させて光反射性の向上を図るために、外側ポリオレフィン系樹脂層以外のポリオレフィン系樹脂層にも無機充填材を限定した範囲で含有させている。
そして、上述のように、無機充填材が酸化チタンである場合、光反射板の全体に高濃度に酸化チタンを含有させると、酸化チタンの光触媒作用によって光反射板全体の劣化、着色を生じ、光反射板の剛性及び光反射性能が短期間のうちに低下する虞れがある。
そこで、本発明では、外側ポリオレフィン系樹脂層に酸化チタンを多量に含有させる一方、外側ポリオレフィン系樹脂層以外のポリオレフィン系樹脂層の酸化チタン量を制限して、酸化チタンによる酸化劣化の影響が外側ポリオレフィン系樹脂層に集中するように構成している。
一方、酸化チタンを高濃度で含有させている外側ポリオレフィン系樹脂層は、酸化チタンによってポリオレフィン系樹脂が酸化劣化し易いが、酸化チタンを高濃度で含有させ且つ厚みも限定し、ポリオレフィン系樹脂の含有比率を他のポリオレフィン系樹脂層に比較して低下させている。従って、外側ポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂の量は少なく、このポリオレフィン系樹脂が劣化、着色しても光反射板の光反射性能にそれほど影響は与えない。
そして、本発明の光反射板は、酸化チタンの含有量を抑えたポリオレフィン系樹脂層を備えており、外側ポリオレフィン系樹脂層の酸化劣化による剛性などの機械的強度の低下分は、外側ポリオレフィン系樹脂層以外のポリオレフィン系樹脂層が担保しており、光反射板全体としては長期間に亘って剛性などの優れた機械的強度を維持することができる。
又、外側ポリオレフィン系樹脂層以外のポリオレフィン系樹脂層は、一層であっても複数層であってもよい。外側ポリオレフィン系樹脂層以外のポリオレフィン系樹脂層が複数層ある場合には、これらの全てのポリオレフィン系樹脂層に無機充填材が含有されていても、或いは、一部のポリオレフィン系樹脂層にのみ無機充填材が含有されていてもよい。
そして、外側ポリオレフィン系樹脂層を通過した光を効率よく反射させるために、外側ポリオレフィン系樹脂層における光の入射面とは反対側の面に積層一体化されたポリオレフィン系樹脂層に、外側ポリオレフィン系樹脂層に含有された無機充填材以外の無機充填材が全量含有されていることが好ましい。
更に、外側ポリオレフィン系樹脂層に積層一体化されたポリオレフィン系樹脂層中の無機充填材の含有量は、少ないと、光反射板の光反射性が低下することがある一方、多くても、光反射板の光反射性に変化がないばかりか、光反射板の軽量性が低下することがあるので、5〜50g/m2が好ましく、5〜40g/m2がより好ましく、7〜35g/m2が特に好ましい。
更に、外側ポリオレフィン系樹脂層以外のポリオレフィン系樹脂層はその全て或いは一部が発泡層であってもよいが、外側ポリオレフィン系樹脂層における光の入射面とは反対側の面に積層一体化されたポリオレフィン系樹脂層は発泡層であることが好ましい。これは、外側ポリオレフィン系樹脂層に隣接するポリオレフィン系樹脂層を発泡層とすることによって、このポリオレフィン系樹脂層の表面に凹凸を形成させ、この凹凸によって外側ポリオレフィン系樹脂層に凹凸を形成することができ、光反射板の表面での光拡散効果を向上させることができるからである。
外側ポリオレフィン系樹脂層に積層一体化されたポリオレフィン系樹脂発泡層の平均気泡径は、小さいと、光反射板の表面に形成される凹凸が小さくなって、光反射板の表面での光の拡散効率が低下し、例えば、光反射板を組み込んだバックライトユニット表面での輝度ムラが大きくなることがある一方、大きいと、光反射板の表面に形成される凹凸が大きくなりすぎて、光反射板の光線全反射率が低下することがあるので、50〜500μmが好ましく、100〜400μmがより好ましく、250〜350μmが特に好ましい。なお、発泡層の平均気泡径は、ASTM D2842−69の試験方法に準拠して測定された平均弦長に基づいて算出されたものをいう。
更に、外側ポリオレフィン系樹脂層における光の入射面とは反対側の面に積層一体化されたポリオレフィン系樹脂発泡層の厚みは、薄いと、光反射板の剛性が低下することがある一方、厚いと、光反射板を組み込んだ装置の厚みや重量が増大することがあるので、0.3〜1.4mmが好ましい。
又、光反射板を構成しているポリオレフィン系樹脂層、好ましくは、無機充填材を含有するポリオレフィン系樹脂層には一次酸化防止剤が含有されていてもよい。この一次酸化防止剤は、熱や光によって発生するラジカルを捕捉してラジカル反応を停止させる安定剤であり、このような一次酸化防止剤としては、光反射板の光線全反射率の低下を抑制する効果が高いので、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、トリス[N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)]イソシアヌレート、ブチリデン−1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
そして、ポリオレフィン系樹脂層中における一次酸化防止剤の含有量は、少ないと、光反射板の光線全反射率の低下を抑制することができないことがある一方、多くても、光反射板の光線全反射率の低下の抑制効果に変化はなく、一次酸化防止剤自体の着色によって光反射板の光線全反射率が低下することがあるので、ポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.01〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.3重量部がより好ましく、0.01〜0.2重量部が特に好ましい。
又、光反射板を構成しているポリオレフィン系樹脂層、好ましくは、無機充填材を含有するポリオレフィン系樹脂層には二次酸化防止剤が含有されていてもよい。この二次酸化防止剤は、熱や光によって生じるポリオレフィン系樹脂の自動酸化劣化の中間体であるヒドロペルオキシド(ROOH)をイオン分解して自動酸化を阻止するものであり、光反射板の光線全反射率の低下を抑制する効果が高いことから、リン系酸化防止剤やイオウ系酸化防止剤が好ましく、リン系酸化防止剤がより好ましい。
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジ−ホスホナイトなどを挙げることができ、単独で用いても二種以上が併用されてもよい。
又、上記イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3'−チオ−ジプロピオネート、ジミリスチル−3,3'−チオ−ジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオ−ジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオ−プロピオネート)などが挙げられ、単独で用いても二種以上を併用してもよい。
そして、ポリオレフィン系樹脂層中における二次酸化防止剤の含有量は、少ないと、光反射板の光線全反射率の低下を抑制することができないことがある一方、多くても、光反射板の光線全反射率の低下の抑制効果に変化はないので、ポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.01〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.3重量部がより好ましく、0.01〜0.2重量部が特に好ましい。
更に、光反射板を構成しているポリオレフィン系樹脂層、好ましくは、無機充填材を含有するポリオレフィン系樹脂層中には紫外線吸収剤が含有されていてもよい。このような紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−3',5'−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3',5−ジ−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクチル−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニル、4−t−ブチルフェニルサリチレートなどのサリシレート系紫外線吸収剤、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニル−アクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニル−アクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤、2−エトキシ−3−t−ブチル−2’−エチル−シュウ酸ビスアニリド、2−エトキシ−2’−エチル−シュウ酸ビスアニリドなどのオキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート系紫外線吸収剤、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−ヒドロキシフェノール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジンなどのトリアジン系紫外線吸収剤などが挙げられ、光反射板の光線全反射率の低下を効果的に抑制することから、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。なお、紫外線吸収剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
又、ポリオレフィン系樹脂層中における紫外線吸収剤の含有量は、少ないと、光反射板の光線全反射率の低下を抑制することができない一方、多くても、光反射板の光線全反射率の低下の抑制効果に変化はないので、ポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.01〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.3重量部がより好ましく、0.01〜0.2重量部が特に好ましい。
更に、光反射板を構成しているポリオレフィン系樹脂層、好ましくは、無機充填材を含有するポリオレフィン系樹脂層中にはヒンダードアミン系光反射安定剤が含有されていてもよい。このようなヒンダードアミン系光安定剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバカート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバカート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロナート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートと(2,2,6,6−テトラメチル−4−トリデシル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートとの混合物、(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートと(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−トリデシル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートとの混合物、{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン]ジエチル}−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートと{2,2,6,6−テトラメチル−β,β,β',β'−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン]ジエチル}−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートとの混合物、{1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン]ジエチル}−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートと{1,2,2,6,6−ペンタメチル−β,β,β',β'−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン]ジエチル}−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートとの混合物、ポリ[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル]、[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]、4−ヒロドキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとジメチルスクシナートポリマーとの混合物、N,N’,N”,N'"−テトラキス{4,6−ビス[ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−トリアジン−2−イル}−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミンなどが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
又、ポリオレフィン系樹脂層中におけるヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、少ないと、光反射板の光線全反射率の低下を抑制することができない一方、多くても、光反射板の光線全反射率の低下の抑制効果に変化はなく、ヒンダードアミン系光安定剤自体の着色によって光反射板の光線全反射率の低下を生じるので、ポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.01〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.3重量部がより好ましく、0.01〜0.2重量部が特に好ましい。
ここで、ポリオレフィン系樹脂の劣化は、高分子主鎖の切断に起因している。具体的には、熱や光などによってラジカルが生成し、この生成したラジカルが酸素と反応することによってペルオキシラジカルに変わり、主鎖から水素を引き抜いてヒドロペルオキシドとなる。その後、ヒドロペルオキシドは熱や光などの作用により分解し、アルコキシラジカルとなって高分子主鎖を切断して、高分子主鎖の切断に伴ってラジカルが発生する。この反応サイクルが繰り返し行われて高分子主鎖は切断され低分子量化されてポリオレフィン系樹脂は劣化する。このポリオレフィン系樹脂の劣化は、ポリオレフィン系樹脂の黄変を引き起し、その結果、光反射板の光線全反射率の低下をもたらす。
更に、上述したように、酸化チタンは、光を受けることによって活性化し、酸化チタンに接触している有機物を酸化分解し黄変させ、光反射板の光線全反射率を低下させてしまうといった問題点の他に、紫外線が照射されると、結晶中で光化学変化を生じて酸素欠陥が増大し、紫青色のTi+3を生じて暗灰色に変色するといった問題点を有している。
そこで、明確なメカニズムは解明されていないが、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤を上述のように添加することによってポリオレフィン系樹脂の劣化に伴う黄変や酸化チタンの光化学変化を抑制して光反射板の光線全反射率の低下を防止することができる。
詳細には、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤を添加することによってポリオレフィン系樹脂の光安定化効果によりポリオレフィン系樹脂の劣化に伴う黄変をより効果的に防止していると共に、酸化チタンの活性化によるポリオレフィン系樹脂の酸化分解の防止と光化学変化の更なる抑制を図っている。
一方、上述のように、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤は、酸化チタンによるポリオレフィン系樹脂の酸化分解の防止を抑える力を有しているものの、その抑制力が充分ではなく、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤自体が酸化チタンによって酸化分解される虞れがある。
そこで、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤に加えて、一次酸化防止剤及び二次酸化防止剤を添加してラジカル反応の捕捉及びヒドロペルオキシドのイオン分解によって、ポリオレフィン系樹脂を光安定化させて劣化に伴う黄変防止を更に確実なものとしていると共に、酸化チタンによる紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤の酸化分解をより確実に防止している。
即ち、一次酸化防止剤及び二次酸化防止剤によってポリオレフィン系樹脂の劣化による黄変防止に加えて、酸化チタンによる紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤の分解を更に確実に防止していると共に、この保護された紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤によって酸化チタンによるポリオレフィン系樹脂の酸化分解の防止と光化学変化の抑制を更に確実なものとしており、初期に有していた光線全反射率が短時間のうちに低下してしまう事態をより確実に防止することができると共に、長期間に亘っても優れた光線全反射率を維持することができる。
更に、ポリオレフィン系樹脂層には銅害防止剤(金属不活性剤)が添加されてもよい。ポリオレフィン系樹脂層中に銅害防止剤を添加することによって、光反射板が銅などの金属と接触し、或いは、光反射板に銅イオンなどの重金属イオンが作用した場合にあっても、劣化促進因子である銅イオンなどをキレート化合物として捕捉することができ、光反射板を各種の液晶表示装置や照明装置などに組み込んだ場合において、光反射板が銅などの金属と接触しても、ポリオレフィン系樹脂が劣化し黄変することを防止することができる。
上記銅害防止剤(金属不活性剤)としては、例えば、N,N−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンなどのヒドラジン系化合物、3−(3,5−ジ−テトラ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルジハイドライジドなどが挙げられる。
そして、ポリオレフィン系樹脂層中における銅害防止剤(金属不活性剤)の含有量は、少ないと、銅害防止剤を添加した効果が発現しないことがある一方、多いと、光反射板の光線全反射率が低下することがあるので、ポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜1.0重量部が好ましい。
又、ポリオレフィン系樹脂層中に帯電防止剤を添加してもよい。このように帯電防止剤を添加することによって光反射板の帯電を防止し、光反射板に埃やゴミが付着するのを防止することができ、光反射板の光線全反射率の低下を未然に防止することができる。
このような帯電防止剤としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミド、エチレン−メタクリル酸共重合体などのアイオノマー、ポリエチレングリコールメタクリレート系共重合体などの第四級アンモニウム塩、特開2001−278985号公報に記載のオレフィン系ブロックと親水性ブロックとが繰返し交互に結合した構造を有するブロック共重合体などの高分子型帯電防止剤、無機塩、多価アルコール、金属化合物、カーボンなどが挙げられる。そして、高分子型帯電防止剤を除いた帯電防止剤のポリオレフィン系樹脂組成物中における含有量は、少ないと、帯電防止剤を添加した効果が発現しないことがある一方、多いと、帯電防止剤の添加濃度に見合った効果が得られないばかりか、帯電防止剤の効果の低下がみられ、或いは、著しいブリードアウト、着色及び光による黄変が生じることがあるので、ポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜2重量部が好ましい。
又、ポリオレフィン系樹脂層中における高分子型帯電防止剤の含有量は、上記と同様の理由で、ポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部に対して5〜50重量部が好ましい。
更に、ポリオレフィン系樹脂層には、銅害禁止剤(金属不活性剤)や帯電防止剤の他に、ステアリン酸金属石鹸などの分散剤、クエンチャー、ラクトン系加工安定剤、蛍光増白剤、結晶核剤などの添加剤が添加されてもよい。
なお、ポリオレフィン系樹脂層中に上述した添加剤を添加するにあたっては、添加剤自体による着色によって光反射板の光反射性が低下することがあるので、外側ポリオレフィン系樹脂層以外のポリオレフィン系樹脂層に含有させることが好ましい。
次に、本発明の光反射板の製造方法について説明する。先ず、光反射板が、二層のポリオレフィン系樹脂層が積層一体化されてなる場合について説明する。
光反射板の製造方法としては、汎用の方法が採用され、例えば、(1)二層のポリオレフィン系樹脂層を共押出法によって互いに積層一体化する方法、(2)ポリオレフィン系樹脂シートの一面に別のポリオレフィン系樹脂シートを押出ラミネートする方法などが挙げられ、上記(1)の方法が好ましく、上記(1)の方法のなかでもフィードブロック法を用いることがより好ましい。
上記(1)の方法を具体的に説明する。先ず、製造装置として、第一押出機及び第二押出機の二機の押出機と、合流ダイ及びこの合流ダイに接続させた環状ダイからなる共押出ダイとを用意し、第一押出機及び第二押出機を共に上記共押出ダイの合流ダイに接続する。
そして、第一押出機及び第二押出機のそれぞれにポリオレフィン系樹脂及び無機充填材を各ポリオレフィン系樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂及び無機充填材の含有割合に応じて供給する。なお、第一、第二押出機には、必要に応じて、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン光安定剤が供給されてもよい。
次に、第一押出機からのポリオレフィン系樹脂組成物及び第二押出機からのポリオレフィン系樹脂組成物を共押出ダイの合流ダイに供給して合流させ、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層が二層、内外に積層一体化されてなる断面円環状の積層体を形成し、この積層体を合流ダイに接続させた環状ダイに供給し、環状ダイから円筒状に押出して円筒状体を得る。
続いて、この円筒状体を徐々に拡径させた上で冷却マンドレルに供給して円筒状体を冷却した後、この円筒状体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断することによって切り開いてシート状とし、ポリオレフィン系樹脂層が二層、積層一体化されてなる光反射板を得ることができる。
なお、光反射板を構成しているポリオレフィン系樹脂層のうちの何れか一方或いは双方が発泡層である場合には、第一押出機又は第二押出機の何れか一方或いは双方に発泡剤を供給すればよい。
なお、上記発泡剤としては、特に限定されず、プロパン、ブタン、ペンタンなどの飽和脂肪族炭化水素、テトラフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素などの有機ガス;二酸化炭素、窒素ガスなどの気体状の無機化合物;水などの液体状の無機化合物;重炭酸ナトリウムとクエン酸との混合物の如き、有機酸若しくはその塩と、重炭酸塩との混合物、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの固体状の発泡剤などが挙げられ、有機酸若しくはその塩と、重炭酸塩との混合物、及び、有機ガスを併用することが好ましく、重炭酸ナトリウムとクエン酸との混合物、及び、有機ガスを併用することがより好ましい。
環状ダイの開口部における内側ダイの外径と、冷却マンドレルの押出機側端部の外径との比(冷却マンドレルの押出機側端部の外径/内側ダイの外径)、所謂、ブローアップ比は、2.5〜3.5が好ましい。
又、光反射板を構成しているポリオレフィン系樹脂層の全てが非発泡層である場合には、合流ダイに環状ダイの代わりにTダイを接続し、第一押出機からのポリオレフィン系樹脂組成物及び第二押出機からのポリオレフィン系樹脂組成物をTダイから層状に押出して光反射板を製造してもよい。
更に、三層以上のポリオレフィン系樹脂層が積層一体化されてなる光反射板の場合には、第一押出機及び第二押出機以外に別の押出機を用意し、全ての押出機を同一の共押出ダイに接続した上で、各押出機にポリオレフィン系樹脂及び無機充填材を各ポリオレフィン系樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂及び無機充填材の含有割合に応じて供給すればよい。
そして、得られた光反射板に、照度が11000±500ルクスの冷陰極管から放射される光を1時間に亘って照射した後の光線全反射率の低下が0.3%未満であることが好ましく、0.2%未満がより好ましく、0.1%未満が特に好ましい。
ここで、冷陰極管から放射される光の照度は下記の要領で測定される。先ず、光反射板Aの表面に、図1に示したように、一辺が20cmの正方形状の測定部Pを描き、この正方形状の測定部P内に、上下辺に平行な三本の直線状の水平線を5cm間隔で描くと共に、左右辺に平行な三本の直線状の垂直線を5cm間隔で描き、測定部内を16等分する。
しかる後、正方形状の測定部Pの各頂点P1、水平線と垂直線との交点P1、並びに、水平線及び垂直線と測定部の上下左右辺との交点P1を測定点とし、これら測定点P1に、光反射板Aの表裏面間に亘って貫通する貫通孔A1を貫設し、この貫通孔A1を通じて、図2に示したように、光反射板Aの裏面側から照度測定器Bの測定部B1を挿入し配設する。この時、照度測定器Bの測定部B1の先端と、光反射板Aの表面とが合致するように調整すると共に、測定点P1を通じて光が光反射板Aの裏面側に逃げないように、光反射板Aの貫通孔A1と、照度測定器Bの測定部B1との隙間を漏光防止部材Cを用いて閉塞する。なお、漏光防止部材Cの形状は、測定点P1を通じて光が光反射板Aの裏面側に逃げなければ図2に示した形状でなくともよい。
次に、室温20℃、相対湿度60%の環境下において、冷陰極管Dから光反射板Aに向かって光を照射し、各測定点P1における光の照度を各測定点P1に配設した照度測定器Bを用いて測定する。そして、各測定点P1において測定された光の照度の相加平均値を光反射板Aに照射されている光の照度とする。なお、照度測定器は、例えば、コニカミノルタ社から商品名「デジタル照度計T−1」にて市販されている。
本発明の光反射板は、液晶表示装置を構成する直下ライト式バックライト、サイドライト式バックライト又は面状光源方式バックライト内に組み込んで用いることができる。
更に、本発明の光反射板は、ワードプロセッサー、パーソナルコンピュータ、携帯電話、ナビゲーションシステム、テレビジョン、携帯型テレビなどの液晶表示装置のバックライトユニット、照明ボックスのような面発光システムの照明具のバックライト、スロトボ照明器、複写機、プロジェクター方式のディスプレイ、ファクシミリ、電子黒板などを構成する照明装置内に組み込んで用いることもできる。
本発明の光反射板は、ポリオレフィン系樹脂層が複数層、積層一体化してなる光反射板であって、この光反射板は、無機充填材を50〜200g/m2含有し且つ厚みが0.2〜1.5mmであり、無機充填材を含んでいるポリオレフィン系樹脂層のうち、上記光反射板に入射した光が最初に到達するポリオレフィン系樹脂層には、上記光反射板に含有されている無機充填材のうちの65重量%以上の無機充填材が含有されて外側ポリオレフィン系樹脂層とされていると共に、上記外側ポリオレフィン系樹脂層は、他のポリオレフィン系樹脂層に比して各ポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部当たりの無機充填材量が多く、更に、外側ポリオレフィン系樹脂層の厚みが0.1〜0.7mmであることを特徴とし、外側ポリオレフィン系樹脂層に無機充填材を集中的に含有させ、光反射板に入射した光を外側ポリオレフィン系樹脂層にて効果的に反射させており、よって、本発明の光反射板は優れた光反射性を有する。
そして、本発明の光反射板は、外側ポリオレフィン系樹脂層に無機充填材を集中的に含有させているので、光反射板全体に含有される無機充填材の量を増加させることなく、光反射板の光反射性の向上を図っている。
更に、本発明の光反射板において、外側ポリオレフィン系樹脂層以外のポリオレフィン系樹脂層中の無機充填材の含有量の総量を光反射板に含有されている無機充填材の全重量の35重量%未満に抑えているので、外側ポリオレフィン系樹脂層以外のポリオレフィン系樹脂層の剛性などの機械的強度の低下は防止されており、本発明の光反射板は全体として優れた機械的強度を有している。
特に、無機充填材が酸化チタンである場合、酸化チタンの光触媒作用によってポリオレフィン系樹脂が酸化劣化を生じる虞れがあるが、外側ポリオレフィン系樹脂層に酸化チタンを集中的に含有させて、外側ポリオレフィン系樹脂層におけるポリオレフィン系樹脂の含有比率を低減させているので、外側ポリオレフィン系樹脂層は酸化チタンが多量に含まれてポリオレフィン系樹脂の酸化劣化の影響を受けやすいものの、ポリオレフィン系樹脂の含有量が少ないことからポリオレフィン系樹脂の酸化劣化に伴う着色は光反射板の光反射性に殆ど影響を及ぼさない。
そして、外側ポリオレフィン系樹脂層以外のポリオレフィン系樹脂層は逆に酸化チタン量が低く抑えられているので、これらのポリオレフィン系樹脂層の酸化チタンによるポリオレフィン系樹脂の酸化劣化に伴う着色は生じにくいと共に機械的強度の低下も少なく、これらのポリオレフィン系樹脂層が外側ポリオレフィン系樹脂層の機械的強度の低下分を補完し、よって、本発明の光反射板は全体として優れた光反射性及び機械的強度を有している。
そして、上記光反射板において、外側ポリオレフィン系樹脂層及びこのポリオレフィン系樹脂層に積層一体化されたポリオレフィン系樹脂層に無機充填材が含有されている場合には、外側ポリオレフィン系樹脂層を通過してきた光を次のポリオレフィン系樹脂層にて効果的に反射させることができ、よって、光反射板はより優れた光反射性を有している。
又、上記光反射板において、外側ポリオレフィン系樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して一次酸化防止剤0.01〜0.5重量部、二次酸化防止剤0.01〜0.5重量部、紫外線吸収剤0.01〜0.5重量部及びヒンダードアミン光安定剤0.01〜0.5重量部を含有している場合には、一次酸化防止剤及び二次酸化防止剤によって、ポリオレフィン系樹脂が劣化することによる黄変をより確実に防止しているのに加えて、酸化チタンによる紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤の分解をより確実に防止していると共に、この保護された紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤によって酸化チタンによるポリオレフィン系樹脂の酸化分解の防止と酸化チタンの光化学変化の抑制をより確実に防止しており、よって、光反射板は、初期に有していた光線全反射率が短時間のうちに大きく低下してしまうことがないと共に、長期間に亘って優れた光線全反射率を維持する。
(実施例1〜4、6〜9)
一段目の単軸押出機(口径:90mm)の先端に接続管を介して二段目の単軸押出機(口径:115mm)が接続されてなるタンデム型押出機と、口径が90mmの単軸押出機を用意し、タンデム型押出機の二段目の単軸押出機と口径が90mmの単軸押出機を共に合流ダイに接続させると共に、上記合流ダイにTダイを接続させた。
表1に示した所定量のホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にルチル型二酸化チタンを含有させた二酸化チタンのマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KB662 WHT FD」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、二酸化チタン:70重量%)、一次酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGANOX1010」)、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGAFOS168」)、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN326」)、及び、ヒンダードアミン系光安定剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN111」)からなる第一ポリオレフィン系樹脂組成物を口径が90mmの単軸押出機に供給して200℃にて溶融混練した後に押出機の先端部において200℃に保持した上で押出機の先端に取り付けた合流ダイに連続的に供給した。
一方、表1に示した所定量のホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にルチル型二酸化チタンを含有させた二酸化チタンのマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KB662 WHT FD」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、二酸化チタン:70重量%)、一次酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGANOX1010」)、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGAFOS168」)、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN326」)、及び、ヒンダードアミン系光安定剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN111」)からなる第二ポリオレフィン系樹脂組成物をタンデム押出機の一段目の押出機に供給して200℃にて溶融混練した。
続いて、溶融状態の第二ポリオレフィン系樹脂組成物を一段目の単軸押出機から接続管を通じて連続的に二段目の単軸押出機に供給して第二ポリオレフィン系樹脂組成物を200℃に保持したままで、二段目の単軸押出機の先端に取り付けた合流ダイに連続的に供給した。
そして、口径が90mmの単軸押出機から押出された第一ポリオレフィン系樹脂組成物と、タンデム型押出機の二段目の単軸押出機から押出された第二ポリオレフィン系樹脂組成物とを合流ダイにて合流させてTダイからシート状に押出して、単軸押出機から押出された第一ポリオレフィン系樹脂組成物からなる非発泡の外側ポリオレフィン系樹脂層の一面に、タンデム型押出機から押出された第二ポリオレフィン系樹脂組成物からなる非発泡の第二ポリオレフィン系樹脂層が積層一体化されてなる光反射板を得た。なお、外側ポリオレフィン系樹脂層及び第二ポリオレフィン系樹脂層の厚み及び坪量は表3に示した通りであった。
(実施例5、10)
一段目の単軸押出機(口径:90mm)の先端に接続管を介して二段目の単軸押出機(口径:115mm)が接続されてなるタンデム型押出機と、口径が90mmの単軸押出機を用意し、タンデム型押出機の二段目の単軸押出機と口径が90mmの単軸押出機を共に合流ダイに接続させると共に、上記合流ダイに環状ダイを接続させた。
表1に示した所定量のホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にルチル型二酸化チタンを含有させた二酸化チタンのマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KB662 WHT FD」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、二酸化チタン:70重量%)一次酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGANOX1010」)、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGAFOS168」)、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN326」)、及び、ヒンダードアミン系光安定剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN111」)からなる第一ポリオレフィン系樹脂組成物を口径が90mmの単軸押出機に供給して200℃にて溶融混練した後に押出機の先端部において200℃に保持した上で押出機の先端に取り付けた合流ダイに連続的に供給した。
一方、表1に示した所定量のホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)、ホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PF814」、メルトフローレイト:2.8g/10分、密度:0.9g/cm3)、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にルチル型二酸化チタンを含有させた二酸化チタンのマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KB662 WHT FD」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、二酸化チタン:70重量%)、一次酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGANOX1010」)、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGAFOS168」)、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN326」)、ヒンダードアミン系光安定剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN111」)及び重炭酸ナトリウムとクエン酸との混合物をタンデム押出機の一段目の押出機に供給して200℃にて溶融混練し、更に、第一段目の押出機にブタン(イソブタン:ノルマルブタン(重量%)=35:65)を供給して溶融混練して発泡性の第二ポリオレフィン系樹脂組成物とした。
続いて、溶融状態の第二ポリオレフィン系樹脂組成物を一段目の単軸押出機から接続管を通じて連続的に二段目の単軸押出機に供給して第二ポリオレフィン系樹脂組成物を170℃に冷却した上で、二段目の単軸押出機の先端に取り付けた合流ダイに連続的に供給した。
そして、口径が90mmの単軸押出機から押出された第一ポリオレフィン系樹脂組成物と、タンデム型押出機の二段目の単軸押出機から押出された第二ポリオレフィン系樹脂組成物とを合流ダイにて合流させ、第一ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層の内面に第二ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層が積層一体化されてなる断面円環状の積層体を形成し、この積層体を合流ダイに接続させた環状ダイに供給し、環状ダイから円筒状に押出して円筒状体を得た。
続いて、この円筒状体を徐々に拡径させた上で冷却マンドレルに供給して円筒状体を冷却した後、この円筒状体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断することによって切り開いてシート状とし、第一ポリオレフィン系樹脂組成物からなる非発泡の外側ポリオレフィン系樹脂層の一面に、第二ポリオレフィン系樹脂組成物を発泡させてなる第二ポリオレフィン系樹脂層が積層一体化されてなる光反射板を得た。なお、外側ポリオレフィン系樹脂層及び第二ポリオレフィン系樹脂層の厚み及び坪量、並びに、第二ポリオレフィン系樹脂層の平均気泡径は表3に示した通りであった。
(比較例1〜6)
表1に示した所定量のホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にルチル型二酸化チタンを含有させた二酸化チタンのマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KB662 WHT FD」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、二酸化チタン:70重量%)、一次酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGANOX1010」)、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGAFOS168」)、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN326」)、及び、ヒンダードアミン系光安定剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN111」)からなる第一ポリオレフィン系樹脂組成物を口径が90mmの単軸押出機に供給して200℃にて溶融混練した後に押出機の先端部において200℃に保持した上で押出機の先端に取り付けたTダイから押出して、第一ポリオレフィン系樹脂組成物からなる外側ポリオレフィン系樹脂層のみからなる光反射板を得た。なお、光反射板の厚み及び坪量は表3の外側ポリオレフィン系樹脂層の欄に記載した通りであった。
得られた光反射板のバックライトユニット組み込み前後の光線全反射率及び耐熱性を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(光線全反射率)
光反射板の光線全反射率を下記の要領で行い、その結果を表3の初期反射率の欄に記載した。光反射板の光線全反射率は、JIS K7105に記載の測定法Bに準拠して8°の入射条件下にて全反射光測定を行った場合における波長550nmの光線反射率を室温20℃、相対湿度60%の環境下にて測定し、標準反射板として硫酸バリウム板を用いた時の光線反射率を100とした時の相対値で示した値とした。なお、光反射板の光線全反射率は、光反射板を30個づつ用意し、各光反射板の光線全反射率の相加平均値とした。
具体的には、光反射板の光線全反射率を、島津製作所社から商品名「UV−2450」にて市販されている紫外可視分光光度計と、島津製作所社から商品名「ISR−2200」にて市販されている積分球付属装置(内径:φ60mm)とを組み合わせて測定した。
次に、図3に示したように、断面上向きコ字状のフレーム1の前面に光反射板Aを配設すると共に、この光反射板Aの前方5mmの位置にφ4mmの冷陰極管2を15本、配設し、更に、冷陰極管2の前方に、拡散板3、拡散シート4、プリズムシート5及び拡散シート6をこの順序に配設してなる有効画面サイズが52cm×30cmのバックライトユニットを作製した。
暗室中に配設したバックライトユニットのフレーム1の前面に配設する光反射板Aとして、各実施例又は比較例で得られた光反射板を用い、全ての冷陰極管2を室温20℃、相対湿度60%の環境下にて1時間に亘って点灯させた後に光反射板Aをバックライトユニットから取り出し、暗室中に室温20℃、相対湿度60%の環境下にて15分間に亘って放置した。
なお、バックライトユニットから光反射板Aを取り出してから15分間に亘って放置しているが、これは、光反射板Aが加熱されており、光線全反射率の測定において熱の影響を排除するためである。光反射板Aをバックライトユニットから取り出した直後の光線全反射率と、取り出してから15分後の光線全反射率とでは、熱の影響を除外すると同一視することができる。
光反射板をフレーム1の前面に配設する場合には、光反射板の外側ポリオレフィン系樹脂層が冷陰極管2側を向いた状態に配設した。冷陰極管1から光反射板に対して照射される光は、照度が11000ルクスであった。
しかる後、各光反射板Aの光線全反射率を上述の要領で測定した。この要領を各実施例又は比較例毎に30個の光反射板Aについて行い、各光反射板Aの光線全反射率の相加平均値をバックライトユニット(BLU)組込後1時間の光線全反射率とした(表3では「BLU組込後1h」の欄に記載した)。
(耐熱性)
得られた光反射板から縦12cm×横3cmの平面長方形状の試験片を5枚、切り出した。これらの試験片を送風定温乾燥機(アドバンテック東洋社製 商品名「DRM420DA」)を用いて130℃にて500時間に亘って加熱した。
JIS C7612(照度測定方法)に準拠して測定される送風定温乾燥機内の照度を機内全体(サンプルを配設する箇所の全て)の空間において、常に15ルクス以下となるようにした。照度が高い環境下において耐熱性試験を行うと、熱と光の相乗効果によって試験片の劣化が促進される結果となり得る。なお、照度測定器は、例えば、コニカミノルタ社から商品名「デジタル照度計T−1」にて市販されているものを用いることができる。
各試験片をその縦方向の両端部同士が接触するように湾曲させて横方向から見て円状に変形させた。この状態において、各試験片がその一部において横方向に完全に破断しているか否かを目視観察した。全ての試験片について破断が生じていなかった場合を「○」、一枚でも試験片に破断が生じていた場合を「×」と評価した。
Figure 2010066513

Figure 2010066513

Figure 2010066513
光反射板の照度を測定する際の測定部を示した正面図である。 光反射板の照度測定する際の照度測定器の配設要領を示した模式図である。 バックライトユニットを示した縦断面図である。
符号の説明
1 フレーム
2 冷陰極管
3 拡散板
4 拡散シート
5 プリズムシート
6 拡散シート
A 光反射板

Claims (6)

  1. ポリオレフィン系樹脂層が複数層、積層一体化してなる光反射板であって、この光反射板は、無機充填材を50〜200g/m2含有し且つ厚みが0.2〜1.5mmであり、無機充填材を含んでいるポリオレフィン系樹脂層のうち、上記光反射板に入射した光が最初に到達するポリオレフィン系樹脂層には、上記光反射板に含有されている無機充填材のうちの65重量%以上の無機充填材が含有されて外側ポリオレフィン系樹脂層とされていると共に、上記外側ポリオレフィン系樹脂層は、他のポリオレフィン系樹脂層に比して各ポリオレフィン系樹脂層を構成しているポリオレフィン系樹脂100重量部当たりの無機充填材量が多く、更に、外側ポリオレフィン系樹脂層の厚みが0.1〜0.7mmであることを特徴とする光反射板。
  2. 外側ポリオレフィン系樹脂層及びこの外側ポリオレフィン系樹脂層に積層一体化されたポリオレフィン系樹脂層に無機充填材が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の光反射板。
  3. 外側ポリオレフィン系樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して一次酸化防止剤0.01〜0.5重量部、二次酸化防止剤0.01〜0.5重量部、紫外線吸収剤0.01〜0.5重量部及びヒンダードアミン光安定剤0.01〜0.5重量部を含有することを特徴とする請求項1に記載の光反射板。
  4. ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の光反射板。
  5. 無機充填材が酸化チタンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光反射板。
  6. 外側ポリオレフィン系樹脂層に積層一体化されたポリオレフィン系樹脂層は、平均気泡径が50〜500μmの発泡層であると共に、厚みが0.3〜1.4mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光反射板。
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