JP2010211163A - 光反射板及びこれを用いた光反射体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、可視光領域において優れた光線全反射率を有しており、色調調整をしなくても黄色みのない自然な色調の光を反射する光反射板及びこれを用いた光反射体を提供する。
【解決手段】 本発明の光反射板は、熱可塑性樹脂100重量部及びルチル型酸化チタン10〜100重量部を含有する第一光反射層の一面に、熱可塑性樹脂100重量部及びアナターゼ型酸化チタン5〜70重量部を含有する第二光反射層が積層一体化されてなることを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の光反射板は、熱可塑性樹脂100重量部及びルチル型酸化チタン10〜100重量部を含有する第一光反射層の一面に、熱可塑性樹脂100重量部及びアナターゼ型酸化チタン5〜70重量部を含有する第二光反射層が積層一体化されてなることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、可視光領域において優れた光線全反射率を有しており、色調調整をしなくても黄色みのない自然な色調の光を反射する光反射板及びこれを用いた光反射体に関する。
近年、表示装置として液晶表示装置が様々な用途に用いられている。この液晶表示装置は、液晶セルの背面にバックライトユニットを配設してなり、バックライトユニットは、冷陰極管、ランプリフレクタ、導光板、この導光板の前面側に配設された拡散板及び上記導光板の後面側に配設された光反射板からなり、この光反射板は、導光板の後面側に漏れた光を液晶セル側に向かって反射させる役割を果たしている。このようなバックライトの方式は、サイドライト方式と呼ばれている。又、液晶テレビのような大画面用では、サイドライト方式は画面の高輝度化が望めないことから、直下型ライト方式が採られている。この方式は、液晶画面の背面側に冷陰極管を互いに平行に並設し、この冷陰極管の背面側に光反射板を配設して高輝度化を図っている。
上記光反射板としては、特許文献1には、ポリプロピレン樹脂及び無機フィラーを含有する成形材料を成形してなる光反射板において、無機フィラーとして酸化チタンを成形材料全量に対して4〜15質量%含有すると共に、酸化チタン以外の無機フィラーを成形材料全量に対して25〜40質量%含有してなる光反射板が提案されており、酸化チタンの配合量を増加させることによって光線全反射率を効果的に向上させることができる。
ここで、一般的な工業用酸化チタンには、その結晶構造からアナターゼ型とルチル型があるが、これら二種類の酸化チタンは光学性能に違いを有する。ルチル型酸化チタンは、屈折率が2.7と高く、熱可塑性樹脂に含有させた場合、熱可塑性樹脂との間における屈折率差が大きく、光の散乱が大きくなり、高い光線反射率を示すために好ましく用いられている。
しかしながら、ルチル型酸化チタンは、430nm付近から紫外線領域にかけて光を吸収するため、可視光領域においてその光反射の波長領域が狭くなってしまい、ルチル型酸化チタンを用いた光反射板が黄色を帯び、液晶表示装置に組み込んだ場合、色度の調整が必要であるという問題点があった。
一方、アナターゼ型酸化チタンは、短波長領域の光吸収帯が400nm以下であり、可視光領域の400〜700nmにおいて略均一に光を反射するために、液晶表示装置に組み込んだ場合、特に色度の調整は必要ない。
しかしながら、アナターゼ型酸化チタンは、その屈折率が2.4であってルチル型酸化チタンに比較して低いため、アナターゼ型酸化チタンを用いた光反射板は、その光線反射率がルチル型酸化チタンを用いた場合よりも低く、液晶表示装置に組み込んだ場合、満足な輝度が得られ難いという問題点有している。
そして、特許文献1には、酸化チタンの種類の明記はなく、何れか一方の酸化チタンを用いているものと推定され、上述した何れかの問題点を生じていると考えられる。
本発明は、可視光領域において優れた光線全反射率を有しており、色調調整をしなくても黄色みのない自然な色調の光を反射する光反射板及びこれを用いた光反射体を提供する。
本発明の光反射板は、熱可塑性樹脂100重量部及びルチル型酸化チタン10〜100重量部を含有する第一光反射層の一面に、熱可塑性樹脂100重量部及びアナターゼ型酸化チタン5〜70重量部を含有する第二光反射層が積層一体化されてなることを特徴とする。
第一光反射層を構成している熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブタジエンなどのジエン系樹脂が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。なお、熱可塑性樹脂は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
上記ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンなどが挙げられる。
又、上記ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられ、光反射板が加熱されても揮発成分を発生させず、液晶表示装置を構成しているガラス板を曇らせることないので、ホモポリプロピレンが好ましい。更に、光反射板が発泡してなるものである場合には、ポリプロピレン系樹脂としては、特許第2521388号公報や特開2001−226510号公報にて開示されている高溶融張力ポリプロピレン系樹脂、或いは、特開平10−265601号公報にて開示されている改質ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
なお、エチレン−プロピレン共重合体及びプロピレン−α−オレフィン共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体の何れであってもよい。又、プロピレン−α−オレフィン共重合体中におけるα−オレフィン成分の含有量は、0.5〜30重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
α−オレフィンとしては、炭素数が4〜10のα−オレフィンが挙げられ、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
第一光反射層に含有されているルチル型酸化チタンの一次粒子の平均粒子径は、可視光領域の光が反射されずに透過してしまい、光線全反射率が低下してしまうことがあり、大きいと、第一光反射層中に含有されるルチル型酸化チタンの粒子数が少なくなり、光の屈折回数が少なくなるために、光線全反射率が低下するので、0.1〜0.35μmが好ましい。ルチル型酸化チタンの一次粒子の平均粒子径は次の要領で測定される。透過型電子顕微鏡において撮影した写真において任意の100個のルチル型酸化チタンのそれぞれについて長径及び短径を測定し、その相加平均値をルチル型酸化チタンの各一次粒子の粒子径とする。100個のルチル型酸化チタンの各粒子径を相加平均した値を、ルチル型酸化チタンの一次粒子の平均粒子径とする。
なお、ルチル型酸化チタンはその光触媒作用のために熱可塑性樹脂を劣化させてしまって光反射板の光線全反射率が低下する原因となるので、表面処理を施しておくことが好ましい。
ルチル型酸化チタンの表面処理方法としては、特に限定されないが、アルミニウム、珪素、チタン、ジルコニウム、スズなどの含水酸化物によって被覆する方法などが挙げられる。
そして、第一光反射層中に含有されているルチル型酸化チタンの含有量は、少ないと、光反射板の光線全反射率が低下する一方、多くても、ルチル型酸化チタンの配合量に見合うだけの光反射板の光線全反射率の向上が見られないばかりか、光反射板の軽量性も損なわれるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して10〜100重量部に限定され、20〜90重量部が好ましく、30〜80重量部がより好ましい。
第一光反射層の一面には、熱可塑性樹脂100重量部及びアナターゼ型酸化チタンを含有する第二光反射層が積層一体化されている。なお、第二光反射層を構成している熱可塑性樹脂は、第一光反射層を構成している熱可塑性樹脂と同様であるので省略する。
第二光反射層に含有されているアナターゼ型酸化チタンの一次粒子の平均粒子径は、小さいと、可視光領域の光が反射されずに透過してしまい、光線反射率が低下してしまうことがあり、大きいと、短波長側の吸収領域が長波長側にシフトしてくるために、400nmにおける光線全反射率が低下することがあるので、0.1μm〜0.25μmが好ましい。アナターゼ型酸化チタンの一次粒子の平均粒子径は次の要領で測定される。透過型電子顕微鏡において撮影した写真において任意の100個のアナターゼ型酸化チタンのそれぞれについて長径及び短径を測定し、その相加平均値をアナターゼ型酸化チタンの各一次粒子の粒子径とする。100個のアナターゼ型酸化チタンの各粒子径を相加平均した値を、アナターゼ型酸化チタンの一次粒子の平均粒子径とする。
なお、アナターゼ型酸化チタンも光触媒作用が強く熱可塑性樹脂を劣化させてしまって光反射板の光線全反射率が低下する原因となるので、ルチル型酸化チタンと同様の要領で表面処理が施されていることが好ましい。
第二光反射層におけるアナターゼ型酸化チタンの含有量は、少ないと、光反射板の短波長領域の光線全反射率が低下してしまう一方、多くても、可視光領域中央部の光線全反射率を低下させ、或いは、アナターゼ型酸化チタンの光触媒作用のために樹脂劣化を引き起こすなどの問題が生じるため、熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜70重量部に限定され、7〜60重量部が好ましく、10〜30重量部がより好ましい。
第一光反射層及び第二光反射層のそれぞれには、熱可塑性樹脂の光劣化や熱劣化を抑制するために、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤が含有されていてもよい。
上記一次酸化防止剤は、熱や光によって発生するラジカルを捕捉してラジカル反応を停止させる安定剤であり、このような一次酸化防止剤としては、光反射板の光線全反射率の低下を抑制する効果が高いので、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、トリス[N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)]イソシアヌレート、ブチリデン−1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{2−[3(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
そして、第一光反射層における一次酸化防止剤の含有量は、少ないと、光反射板の光線全反射率の低下を抑制することができない一方、多くても、光反射板の光線全反射率の低下の抑制効果に変化はないので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜0.8重量部に限定され、0.05〜0.5重量部が好ましい。同様の理由で、第二光反射層における一次酸化防止剤の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜0.8重量部が好ましく、0.05〜0.5重量部がより好ましい。
又、上記二次酸化防止剤は、熱や光によって生じる熱可塑性樹脂の自動酸化劣化の中間体であるヒドロペルオキシド(ROOH)をイオン分解して自動酸化を阻止するものであり、光反射板の光線全反射率の低下を抑制する効果が高いことから、リン系酸化防止剤やイオウ系酸化防止剤が好ましく、リン系酸化防止剤がより好ましい。
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4'−ビフェニレンジ−ホスホナイトなどを挙げることができ、単独で用いても二種以上が併用されてもよい。
又、上記イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3'−チオ−ジプロピオネート、ジミリスチル−3,3'−チオ−ジプロピオネート、ジステアリル−3,3'−チオ−ジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオ−プロピオネート)などが挙げられ、単独で用いても二種以上を併用してもよい。
そして、第一光反射層における二次酸化防止剤の含有量は、少ないと、光反射板の光線全反射率の低下を抑制することができない一方、多くても、光反射板の光線全反射率の低下の抑制効果に変化はなく、二次酸化防止剤自体の着色によって光反射板の光線全反射率の低下を生じるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜0.8重量部が好ましく、0.05〜0.5重量部がより好ましい。同様の理由で、第二光反射層における二次酸化防止剤の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜0.8重量部が好ましく、0.05〜0.5重量部がより好ましい。
更に、上記紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−3',5'−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3',5−ジ−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクチル−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニル、4−t−ブチルフェニルサリチレートなどのサリシレート系紫外線吸収剤、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニル−アクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニル−アクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤、2−エトキシ−3−t−ブチル−2’−エチル−シュウ酸ビスアニリド、2−エトキシ−2’−エチル−シュウ酸ビスアニリドなどのオキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート系紫外線吸収剤、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−ヒドロキシフェノール、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジンなどのトリアジン系紫外線吸収剤などが挙げられ、光反射板の光線全反射率の低下を効果的に抑制することから、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。なお、紫外線吸収剤は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
又、第一光反射層における紫外線吸収剤の含有量は、少ないと、光反射板の光線全反射率の低下を抑制することができない一方、多くても、光反射板の光線全反射率の低下の抑制効果に変化はないので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜0.8重量部が好ましく、0.05〜0.5重量部がより好ましい。同様の理由で、第二光反射層における紫外線吸収剤の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜0.8重量部が好ましく、0.05〜0.5重量部がより好ましい。
そして、上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバカート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバカート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロナート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートと(2,2,6,6−テトラメチル−4−トリデシル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートとの混合物、(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートと(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−トリデシル)−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートとの混合物、{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン]ジエチル}−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートと{2,2,6,6−テトラメチル−β,β,β',β'−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン]ジエチル}−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートとの混合物、{1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン]ジエチル}−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートと{1,2,2,6,6−ペンタメチル−β,β,β',β'−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカン]ジエチル}−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレートとの混合物、ポリ[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル]、[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]、4−ヒロドキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとジメチルスクシナートポリマーとの混合物、N,N’,N”,N'"−テトラキス{4,6−ビス[ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ]−トリアジン−2−イル}−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミンなどが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
又、第一光反射層におけるヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、少ないと、光反射板の光線全反射率の低下を抑制することができない一方、多くても、光反射板の光線全反射率の低下の抑制効果に変化はなく、ヒンダードアミン系光安定剤自体の着色によって光反射板の光線全反射率の低下を生じるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜0.8重量部が好ましく、0.05〜0.5重量部がより好ましい。同様の理由で、第二光反射層におけるヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜0.8重量部が好ましく、0.05〜0.5重量部がより好ましい。
更に、第一光反射層又は第二光反射層には銅害防止剤(金属不活性剤)が含有されていてもよい。このように第一光反射層又は第二光反射層に銅害防止剤を添加することによって、光反射板が銅などの金属と接触し、或いは、光反射板に銅イオンなどの重金属イオンが作用した場合にあっても、劣化促進因子である銅イオンなどをキレート化合物として捕捉することができ、光反射板を各種の液晶表示装置や照明装置などに組み込んだ場合において、光反射板が銅などの金属と接触しても、熱可塑性樹脂が劣化し黄変することを防止することができる。
上記銅害防止剤(金属不活性剤)としては、例えば、N,N−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジンなどのヒドラジン系化合物、3−(3,5−ジ−テトラ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルジハイドライジドなどが挙げられる。
そして、第一光反射層における銅害防止剤(金属不活性剤)の含有量は、少ないと、銅害防止剤を添加した効果が発現しないことがある一方、多いと、光反射板の光線全反射率が低下することがあるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜3.0重量部が好ましい。同様の理由で、第二光反射層における銅害防止剤(金属不活性剤)の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜3.0重量部が好ましい。
又、第一光反射層又は第二光反射層に帯電防止剤が含有されていてもよい。このように帯電防止剤を添加することによって光反射板の帯電を防止し、光反射板に埃やゴミが付着するのを防止することができ、光反射板の光線全反射率の低下を未然に防止することができる。
このような帯電防止剤としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミド、エチレン−メタクリル酸共重合体などのアイオノマー、ポリエチレングリコールメタクリレート系共重合体などの第四級アンモニウム塩、特開2001−278985号公報に記載のオレフィン系ブロックと親水性ブロックとが繰返し交互に結合した構造を有するブロック共重合体などの高分子型帯電防止剤、無機塩、多価アルコール、金属化合物、カーボンなどが挙げられる。そして、高分子型帯電防止剤を除いた帯電防止剤の第一光反射層における含有量は、少ないと、帯電防止剤を添加した効果が発現しないことがある一方、多いと、帯電防止剤の添加濃度に見合った効果が得られないばかりか、帯電防止剤の効果の低下がみられ、或いは、著しいブリードアウト、着色及び光による黄変が生じることがあるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部が好ましい。同様の理由で、高分子型帯電防止剤を除いた帯電防止剤の第二光反射層における含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部が好ましい。
又、第一光反射層における高分子型帯電防止剤の含有量は、上記と同様の理由で、熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜10重量部が好ましい。第二光反射層における高分子型帯電防止剤の含有量も、上記と同様の理由で、熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜10重量部が好ましい。
更に、第一光反射層又は第二光反射層には、銅害禁止剤(金属不活性剤)や帯電防止剤の他に、ステアリン酸金属石鹸などの分散剤、クエンチャー、ラクトン系加工安定剤、蛍光増白剤、結晶核剤などが添加されてもよい。
そして、光反射板の400nmにおける光線全反射率は、入射光と反射光の光線スペクトルの差が大きくなるために色調調整が必要となることがあるので、70%以上が好ましく、75%以上がより好ましく、80%以上が特に好ましい。
又、光反射板の550nmにおける光線全反射率は、光反射板を液晶表示装置に用いた場合に表示画面の輝度が低下し、表示画面の満足な明るさが得られないので、96%以上が好ましく、96.5%以上がより好ましく、97%以上が特に好ましい。
なお、光反射板の光線全反射率は、JIS K7105に記載の測定方法Bに準拠して8°の入射時の全反射光測定を行った場合における光反射率をいい、標準反射板として硫酸バリウムの標準板の光線反射率を100とした時の相対値で示したものである。光反射板の光線全反射率は、例えば、分光測色計(コニカミノルタ社製 商品名「CM−2600d」)を用いて測定することができる。
光反射板の第一光反射層の厚みは、薄いと、550nmでの光線全反射率が低下し、光反射板を液晶表示装置に用いた場合に表示画面の輝度が低下することがあり、厚いと、光反射板の軽量性が低下し、或いは、光反射板の折り加工、抜き加工、熱成形などの成形性が低下するので、0.05〜0.5mmが好ましく、0.1〜0.3mmがより好ましい。
又、光反射板の第二光反射層の厚みは、薄いと、400nmでの光線全反射率が低下し、厚いと、550nmでの光線全反射率が低下することがあるので、0.005〜0.1mmが好ましく、0.01〜0.05mmがより好ましい。
更に、光反射板に強度や自己保形性を付与するために、光反射板の第一光反射層の他面に発泡層が積層一体化されていてもよい。この発泡層を構成している熱可塑性樹脂は、第一光反射層を構成している熱可塑性樹脂と同様であるので説明を省略する。
この発泡層にはルチル型酸化チタンが含有されていてもよい。このようにルチル型酸化チタンを発泡層に含有させることによって、550nmでの光線全反射率を向上させることができ好ましい。
発泡層におけるルチル型酸化チタンの含有量は、少ないと、550nmでの光線全反射率を向上させる効果が発現しないことがあり、多いと、光反射板の軽量性が低下することがあるので、発泡層を構成している熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜40重量部が好ましく、10〜20重量部がより好ましい。
次に、本発明の光反射板の製造方法について説明する。光反射板の製造方法としては、汎用の方法が用いられ、例えば、熱可塑性樹脂及びルチル型酸化チタン、並びに、必要に応じて含有される添加剤を含む第一熱可塑性樹脂組成物を第一押出機に供給して溶融混練すると共に、熱可塑性樹脂及びアナターゼ型酸化チタン、並びに、必要に応じて含有される添加剤を含む第二熱可塑性樹脂組成物を第二押出機に供給して溶融混練し、第一、第二押出機を共に接続させている同一の合流ダイに押出して第一、第二熱可塑性樹脂組成物を層状に合流させた上で合流ダイの先端に取り付けたTダイからシート状に押出して、第一熱可塑性樹脂組成物からなる第一光反射層上に、第二熱可塑性樹脂組成物からなる第二光反射層が積層一体化されてなる光反射板を製造することができる。
又、第一光反射層の他面に発泡層を積層一体化させている光反射板の製造方法について説明する。この光反射板の製造方法としては、汎用の方法が用いられ、例えば、熱可塑性樹脂及びルチル型酸化チタン、並びに、必要に応じて含有される添加剤を含む第一熱可塑性樹脂組成物を第一押出機に供給して溶融混練すると共に、熱可塑性樹脂及びアナターゼ型酸化チタン、並びに、必要に応じて含有される添加剤を含む第二熱可塑性樹脂組成物を第二押出機に供給して溶融混練し、更に、熱可塑性樹脂及び必要に応じて含有されるルチル型酸化チタンなどの添加剤を含む熱可塑性樹脂組成物を第三押出機に供給して溶融混練すると共に第三押出機に発泡剤を圧入して溶融混練して発泡性熱可塑性樹脂組成物とし、第一〜三押出機を共に接続させている同一の合流ダイに押出して、第二熱可塑性樹脂組成物、第一熱可塑性樹脂組成物及び発泡性熱可塑性樹脂組成物がこの順序で積層されてなる積層体とし、この積層体を合流ダイの先端に取り付けたダイから押出発泡させて、第一熱可塑性樹脂組成物からなる第一光反射層の一面に第二熱可塑性樹脂組成物からなる第二光反射層が積層一体化され且つ上記第一光反射層の他面に発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなる発泡層が積層一体化されてなる光反射板を製造することができる。なお、上記ダイとしては、押出発泡において汎用されているものであれば、特に限定されず、例えば、Tダイ、環状ダイなどが挙げられる。
上記製造方法において、ダイとしてTダイを用いた場合には、押出機からシート状に押出発泡することによって上記構成を有する光反射板を製造することができる。
又、ダイとして環状ダイを用いた場合には、環状ダイから円筒状に押出発泡して円筒状体を製造し、この円筒状体を徐々に拡径した上で冷却マンドレルに供給して冷却した後、円筒状体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断し切り開いて展開することによって上記構成を有する光反射板を製造することができる。
なお、上記発泡剤としては、特に限定されず、プロパン、ブタン、ペンタンなどの飽和脂肪族炭化水素、テトラフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素などの有機ガス;二酸化炭素、窒素ガスなどの気体状の無機化合物;水などの液体状の無機化合物;重炭酸ナトリウムとクエン酸との混合物の如き、有機酸若しくはその塩と、重炭酸塩との混合物、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの固体状の発泡剤などが挙げられ、有機酸若しくはその塩と、重炭酸塩との混合物、及び、有機ガスを併用することが好ましく、重炭酸ナトリウムとクエン酸との混合物、及び、有機ガスを併用することがより好ましい。
本発明の光反射板は、その第二光反射層が光入射面となるようにして用いられる。光反射板の第二光反射層に入射した光は、第二光反射層中に含有されているアナターゼ型酸化チタンによって可視光領域において略均一に光反射されるものの、アナターゼ型酸化チタンの光反射性が低いために、第二光反射層を一部の光が透過する。
そして、第二光反射層中のアナターゼ型酸化チタンで反射されずに第二光反射層を透過した光は、第一光反射層中に含有される光反射性に優れたルチル型酸化チタンによって高い光線全反射率にて光反射される。
ルチル型酸化チタンは、430nm付近から紫外線領域にかけての光を吸収するものの、ルチル型酸化チタンが吸収する波長領域の光は、第二光反射層のアナターゼ型酸化チタンによって反射されると共に、第一光反射層において反射される光は、第二光反射層を透過した光であり、光反射板に入射した光のうちの一部であることから、第二光反射層のアナターゼ型酸化チタンが430nm付近から紫外線領域にかけての光を吸収することによる色調の変化は緩和されており、よって、光反射板が反射する反射光は、その色調に殆ど変化がなく、光反射板に入射した光と同様の自然な色調を有している。
そして、本発明の光反射板は、汎用の熱成形方法を用いて熱成形し、或いは、折り曲げ加工することによって様々な形状の光反射体とすることができ、この光反射体は、液晶表示装置を構成する直下ライト式バックライト、サイドライト式バックライト又は面状光源方式バックライト内に組み込んで好適に用いることができる。
更に、本発明の光反射板は、ワードプロセッサー、パーソナルコンピュータ、携帯電話、ナビゲーションシステム、テレビジョン、携帯型テレビなどの液晶表示装置のバックライトユニット、照明ボックスのような面発光システムの照明具のバックライト、スロトボ照明器、複写機、プロジェクター方式のディスプレイ、ファクシミリ、電子黒板などを構成する照明装置内に組み込んで用いることもできる。
本発明の光反射板は、上述のような構成を有していることから、可視光領域の広範囲において高い光線全反射率を有していると共に、反射光も入射光と同様の色調を有しており、色調調整をする必要はなく、液晶表示装置などの様々な用途に好適に用いることができる。
(実施例1)
ホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)40重量部、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にルチル型酸化チタンを含有させたマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KB662 WHT FD」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、ルチル型酸化チタン:70重量%、ルチル型酸化チタンの一次粒子の平均粒子径:0.25μm)60重量部、一次酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGANOX1010」)0.1重量部、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGAFOS168」)0.1重量部、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN326」)0.15重量部、及び、ヒンダードアミン系光安定剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN111」)0.15重量部からなる第一熱可塑性樹脂組成物を口径が90mmの第一単軸押出機に供給して220℃にて溶融混練した。
ホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)40重量部、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にルチル型酸化チタンを含有させたマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KB662 WHT FD」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、ルチル型酸化チタン:70重量%、ルチル型酸化チタンの一次粒子の平均粒子径:0.25μm)60重量部、一次酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGANOX1010」)0.1重量部、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGAFOS168」)0.1重量部、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN326」)0.15重量部、及び、ヒンダードアミン系光安定剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN111」)0.15重量部からなる第一熱可塑性樹脂組成物を口径が90mmの第一単軸押出機に供給して220℃にて溶融混練した。
一方、ホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)75重量部、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にアナターゼ型酸化チタンを含有させたマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KF695 WHT 」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、アナターゼ型酸化チタン:70重量%、アナターゼ型酸化チタンの一次粒子の平均粒子径:0.2μm)25重量部、一次酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGANOX1010」)0.1重量部、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGAFOS168」)0.1重量部、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN326」)0.15重量部、及び、ヒンダードアミン系光安定剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN111」)0.15重量部からなる第二熱可塑性樹脂組成物を口径が65mmの第二単軸押出機に供給して溶融混練して220℃にて溶融混練した。
そして、第一、第二単軸押出機を共に接続させている同一の合流ダイに第一、第二熱可塑性樹脂組成物を押出して層状に合流させ、合流ダイに取り付けたTダイ(シート幅:500mm、スリット間隔:0.8mm)の口金から押出して、第一熱可塑性樹脂組成物からなり且つ厚みが0.3mmの第一光反射層の片面に、第二熱可塑性樹脂組成物からなり且つ厚みが0.02mmの第二光反射層が積層一体化されてなる光反射板を得た。なお、第一、第二光反射層の厚みは引き取り速度によって調整した。
(実施例2)
エチレン−プロピレンブロック共重合体中にアナターゼ型酸化チタンを含有させたマスターバッチを25重量部の代わりに50重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、第一熱可塑性樹脂組成物からなり且つ厚みが0.3mmの第一光反射層の片面に、第二熱可塑性樹脂組成物からなり且つ厚みが0.02mmの第二光反射層が積層一体化されてなる光反射板を得た。
エチレン−プロピレンブロック共重合体中にアナターゼ型酸化チタンを含有させたマスターバッチを25重量部の代わりに50重量部としたこと以外は実施例1と同様にして、第一熱可塑性樹脂組成物からなり且つ厚みが0.3mmの第一光反射層の片面に、第二熱可塑性樹脂組成物からなり且つ厚みが0.02mmの第二光反射層が積層一体化されてなる光反射板を得た。
(実施例3)
実施例1で用いられた二機の押出機の他に、一段目の単軸押出機(口径:90mm)の先端に接続管を介して二段目の単軸押出機(口径:115mm)が接続されてなるタンデム型押出機を用意した。そして、タンデム型押出機の二段目の単軸押出機を第一、第二単軸押出機を接続させている合流ダイに接続した。
実施例1で用いられた二機の押出機の他に、一段目の単軸押出機(口径:90mm)の先端に接続管を介して二段目の単軸押出機(口径:115mm)が接続されてなるタンデム型押出機を用意した。そして、タンデム型押出機の二段目の単軸押出機を第一、第二単軸押出機を接続させている合流ダイに接続した。
第一単軸押出機に実施例1で用いられた第一熱可塑性樹脂組成物を、第二単軸押出機に実施例1で用いられている第二熱可塑性樹脂組成物をそれぞれ供給して同様の要領で溶融混練した。
ホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PF814」、メルトフローレイト:2.8g/10分、密度:0.9g/cm3)50重量部、ホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)30重量部、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にルチル型酸化チタンを含有させたマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KB662 WHT FD」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、ルチル型酸化チタン:70重量%、ルチル型酸化チタンの一次粒子の平均粒子径:0.25μm)20重量部、気泡剤として重炭酸ナトリウムとクエン酸との混合物1.0重量部、一次酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGANOX1010」)0.1重量部、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGAFOS168」)0.1重量部、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN326」)0.15重量部、及び、ヒンダードアミン系光安定剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN111」)0.15重量部からなる熱可塑性樹脂組成物をタンデム押出機の一段目の単軸押出機に供給して200℃にて溶融混練した後、ホモポリプロピレン及びエチレン−プロピレンブロック共重合体の総量100重量部に対して1.54重量部のブタン(イソブタン/ノルマルブタン(重量%)=35:65)を一段目の押出機に圧入して更に溶融混練して発泡性熱可塑性樹脂組成物とした。
続いて、上記発泡性熱可塑性樹脂組成物を一段目の単軸押出機から接続管を通じて連続的に二段目の単軸押出機に供給して発泡性熱可塑性樹脂組成物を180℃に冷却した。
そして、第一、第二単軸押出機及びタンデム押出機の二段目の単軸押出機から第一、第二熱可塑性樹脂組成物及び発泡性熱可塑性樹脂組成物を合流ダイに押出して合流させ、発泡性熱可塑性樹脂組成物からなる断面円環状の発泡性熱可塑性樹脂組成物層と、この発泡性熱可塑性樹脂組成物層の外面に積層された、第一熱可塑性樹脂組成物からなる第一熱可塑性樹脂組成物層と、この第一熱可塑性樹脂組成物層の外面に積層された、第二熱可塑性樹脂組成物層とからなる発泡性積層体を形成した。
この発泡性積層体を合流ダイに接続させた環状ダイに供給し、環状ダイから円筒状に押出発泡させて円筒状発泡体を得た。なお、環状ダイは、その開口部において、内側ダイの外径が140mm、スリット間隔が0.6mmであった。
しかる後、上記円筒状発泡体を徐々に拡径させながら引取りつつ、内部に25℃の冷却水を循環させた直径が424mmで且つ長さが500mmの円筒状の冷却マンドレルに沿わせて成形しながら、冷却マンドレルを包囲した状態に配設されてなるエアリングの吹出口からエアーを円筒状発泡体の外周面全面に吹き付けて冷却した後、この円筒状発泡体をその直径方向に対向する二点において内外周面間に亘って切断し切り開いて展開することによって、第一熱可塑性樹脂組成物からなり且つ厚みが0.15mmの第一光反射層の一面に、第二熱可塑性樹脂組成物からなり且つ厚みが0.02mmの第二光反射層が積層一体化されていると共に、上記第一光反射層の他面に、発泡性熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなり且つ厚みが0.5mmの発泡層が積層一体化されてなる光反射板を得た。なお、第一、第二光反射層及び発泡層の厚みは引き取り速度によって調整した。
(比較例1)
ホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)50重量部、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にアナターゼ型酸化チタンを含有させたマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KF695 WHT 」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、アナターゼ型酸化チタン:70重量%、アナターゼ型酸化チタンの一次粒子の平均粒子径:0.2μm)50重量部、一次酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGANOX1010」)0.1重量部、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGAFOS168」)0.1重量部、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN326」)0.15重量部、及び、ヒンダードアミン系光安定剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN111」)0.15重量部からなる熱可塑性樹脂組成物を口径が65mmの単軸押出機に供給して220℃にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けたTダイ(シート幅:500mm、スリット間隔:0.8mm)の口金から押出して、厚みが0.3mmの光反射板を得た。
ホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)50重量部、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にアナターゼ型酸化チタンを含有させたマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KF695 WHT 」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、アナターゼ型酸化チタン:70重量%、アナターゼ型酸化チタンの一次粒子の平均粒子径:0.2μm)50重量部、一次酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGANOX1010」)0.1重量部、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGAFOS168」)0.1重量部、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN326」)0.15重量部、及び、ヒンダードアミン系光安定剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN111」)0.15重量部からなる熱可塑性樹脂組成物を口径が65mmの単軸押出機に供給して220℃にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けたTダイ(シート幅:500mm、スリット間隔:0.8mm)の口金から押出して、厚みが0.3mmの光反射板を得た。
(比較例2)
ホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)40重量部、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にルチル型酸化チタンを含有させたマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KB662 WHT FD」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、ルチル型酸化チタン:70重量%、ルチル型酸化チタンの一次粒子の平均粒子径:0.25μm)60重量部、一次酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGANOX1010」)0.1重量部、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGAFOS168」)0.1重量部、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN326」)0.15重量部、及び、ヒンダードアミン系光安定剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN111」)0.15重量部からなる熱可塑性樹脂組成物を口径が90mmの単軸押出機に供給して220℃にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けたTダイ(シート幅:500mm、スリット間隔:0.8mm)の口金から押出して、厚みが0.3mmの光反射板を得た。
ホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)40重量部、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にルチル型酸化チタンを含有させたマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KB662 WHT FD」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、ルチル型酸化チタン:70重量%、ルチル型酸化チタンの一次粒子の平均粒子径:0.25μm)60重量部、一次酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGANOX1010」)0.1重量部、二次酸化防止剤としてリン系酸化防止剤(CIBA社製 商品名「IRGAFOS168」)0.1重量部、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN326」)0.15重量部、及び、ヒンダードアミン系光安定剤(CIBA社製 商品名「TINUVIN111」)0.15重量部からなる熱可塑性樹脂組成物を口径が90mmの単軸押出機に供給して220℃にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けたTダイ(シート幅:500mm、スリット間隔:0.8mm)の口金から押出して、厚みが0.3mmの光反射板を得た。
(比較例3)
第二熱可塑性樹脂組成物に、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にアナターゼ型酸化チタンを含有させたマスターバッチを含有させなかったこと以外は実施例3と同様にして光反射板を得た。
第二熱可塑性樹脂組成物に、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にアナターゼ型酸化チタンを含有させたマスターバッチを含有させなかったこと以外は実施例3と同様にして光反射板を得た。
(比較例4)
ホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)75重量部の代わりに40重量部とし、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にアナターゼ型酸化チタンを含有させたマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KF695 WHT 」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、アナターゼ型酸化チタン:70重量%)25重量部の代わりに60重量とし、第二光反射層の厚みが0.06mmとなるように調整したこと以外は実施例3と同様にして光反射板を得た。
ホモポリプロピレン(サンアロマー社製 商品名「PL500A」、メルトフローレイト:3.3g/10分、密度:0.9g/cm3)75重量部の代わりに40重量部とし、エチレン−プロピレンブロック共重合体中にアナターゼ型酸化チタンを含有させたマスターバッチ(東洋インキ社製 商品名「PPM 1KF695 WHT 」、エチレン−プロピレンブロック共重合体:30重量%、アナターゼ型酸化チタン:70重量%)25重量部の代わりに60重量とし、第二光反射層の厚みが0.06mmとなるように調整したこと以外は実施例3と同様にして光反射板を得た。
得られた光反射板について、400nm及び550nmにおける光線全反射率を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(光線全反射率)
光反射板の光線全反射率は、JIS K7105に記載の測定法Bに準拠して8°の入射条件下にて全反射光測定を行った場合における波長400nm及び550nmの光線反射率を室温20℃、相対湿度60%の環境下にて測定し、標準反射板として硫酸バリウム板を用いた時の光線反射率を100とした時の相対値で示した値とした。なお、光反射板の光線全反射率は、それぞれ30個づつ用意し、各光反射板の光線全反射率の相加平均値とした。具体的には、光反射板の400nm及び550nmにおける光線全反射率を、コニカミノルタ社から商品名「CM−2600d」にて市販されている分光測色計にて測定した。実施例1〜3及び比較例3、4の光反射板については、第二光反射層に光を照射した。
光反射板の光線全反射率は、JIS K7105に記載の測定法Bに準拠して8°の入射条件下にて全反射光測定を行った場合における波長400nm及び550nmの光線反射率を室温20℃、相対湿度60%の環境下にて測定し、標準反射板として硫酸バリウム板を用いた時の光線反射率を100とした時の相対値で示した値とした。なお、光反射板の光線全反射率は、それぞれ30個づつ用意し、各光反射板の光線全反射率の相加平均値とした。具体的には、光反射板の400nm及び550nmにおける光線全反射率を、コニカミノルタ社から商品名「CM−2600d」にて市販されている分光測色計にて測定した。実施例1〜3及び比較例3、4の光反射板については、第二光反射層に光を照射した。
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂100重量部及びルチル型酸化チタン10〜100重量部を含有する第一光反射層の一面に、熱可塑性樹脂100重量部及びアナターゼ型酸化チタン5〜70重量部を含有する第二光反射層が積層一体化されてなることを特徴とする光反射板。
- 400nmにおける光線全反射率が70%以上で且つ550nmにおける光線全反射率が96%以上であることを特徴とする請求項1に記載の光反射板。
- 第一光反射層は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、一次酸化防止剤0.01〜0.8重量部、二次酸化防止剤0.01〜0.8重量部、紫外線吸収剤0.01〜0.8重量部及びヒンダードアミン系光安定剤0.01〜0.8重量部を含有していると共に、第二光反射層は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、一次酸化防止剤0.01〜0.8重量部、二次酸化防止剤0.01〜0.8重量部、紫外線吸収剤0.01〜0.8重量部及びヒンダードアミン系光安定剤0.01〜0.8重量部を含有していることを特徴とする請求項1に記載の光反射板。
- 第一光反射層の他面に発泡層が積層一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の光反射板。
- 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の光反射板を熱成形又は折り曲げ加工してなる光反射体。
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