JP2007062239A - 粘着層保護フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 クロスニコル状態の2枚の偏光板の間で光学的評価を伴う偏光板、位相差偏光板または位相差板の検査において、離型フィルムが貼着されたままであっても消光状態が保たれ、異物混入等の検査が容易であり、かつ、偏光板、位相差偏光板または位相差板の製造工程、パネル貼り合わせ工程等における様々な外的要因に対して変形、押し跡、ひずみ等が偏光板、位相差偏光板または位相差板に発生しない特性を有する保護フィルムを提供する。
【解決手段】 二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面にポリエステルフィルムの位相差を補償する光学補償フィルムを有する積層フィルムの一方の面に、離型性塗布層を有し、厚さが40〜200μmの範囲であることを特徴とする粘着層保護フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、粘着層保護フィルムに関するものであり、詳しくは、偏光板および位相差板の表面に塗布された粘着剤を、例えば、液晶セル等の基板等に接着させるまでの間、保護するために使用される離型フィルムに関するものである。
通常、液晶表示板は、2枚の基板の間に液晶を封入した液晶セルの両面に偏光板または位相差板を積層することによって作製される。偏光板または位相差板を液晶セルに積層する際、粘着剤を介して積層されることが主となっている。粘着剤は、通常、偏光板または位相差板の表面に積層され、液晶セル等の基板等に接着させるまでの間、離型フィルムによって保護されている。これは、偏光板または位相差板および粘着剤に対しては、異物の混入、異物の付着等による液晶表示板の表示能力が低下しないことが必須のためである。
したがって、クロスニコル状態の2枚の偏光板の間で光学的評価を伴う偏光板、位相差偏光板または位相差板の検査についても、離型フィルムが貼着されたまま行われることが好ましい。さらに近年、液晶ディスプレイの大型化、モバイル化に伴い、液晶表示装置の薄型軽量化が求められ、その要求に応えるために、偏光板や位相差板などの光学フィルムの厚みを極力薄くすることが要求されている。しかし、薄型化した光学フィルムは、従来の厚さの光学フィルムと比較して、光学フィルム自体の機械的強度が低下していまい、光学フィルムの製造工程、パネル貼合せ工程における様々な外的要因(押さえつる、曲げる、当たる等)に対して変形、押し跡、ひずみ等が発生し、生産性、品質が著しく低下してしまうことを防ぐためにも、保護フィルムを貼合することで光学フィルムを保護することが好ましい。
クロスニコル状態にて検査を行うに際して、離型フィルムの光学的異方性が著しい場合には、クロスニコル法の検査の障害となり異物の混入や欠陥を見逃しやすくなるという不具合が生じる。
離型ポリエステルフィルムの光学的異方性を改善するには、一般的には離型層を設ける前のポリエステルフィルムの段階で光学的異方性を改善しておくことが肝要である。かかるポリエステルフィルムの光学的異方性は、製膜時のボーイング現象により引き起こされ、製膜機の両端部に近づくほど大きくなることが知られているため、光学的異方性の小さいフィルムを提供するためには、事実上、製膜機中央部の製品のみが該当し、非常に効率の悪いものとなっている。
特開2005−9919号公報 特開2003−25473号公報
本発明は、このような問題点を解決しようとするものであり、その解決課題は、クロスニコル状態の2枚の偏光板の間で光学的評価を伴う偏光板、位相差偏光板または位相差板の検査において、離型フィルムが貼着されたままであっても消光状態が保たれ、異物混入等の検査が容易であり、かつ、偏光板、位相差偏光板または位相差板の製造工程、パネル貼り合わせ工程等における様々な外的要因に対して変形、押し跡、ひずみ等が偏光板、位相差偏光板または位相差板に発生しない特性を有する保護フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構成を有する積層フィルムによれば、上記課題が容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面にポリエステルフィルムの位相差を補償する光学補償フィルムを有する積層フィルムの一方の面に、離型性塗布層を有し、厚さが40〜200μmの範囲であることを特徴とする粘着層保護フィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、コハク酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。
かかるポリマーの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6―ナフタレート等が例示される。これらのポリマーはホモポリマーであってもよく、また第3成分を共重合させたものでもよい。
本発明の粘着層保護フィルムは、優れた強度や寸法安定性の観点から二軸配向ポリエステルフィルムを用いることが必要である。当該二軸配向ポリエステルフィルムの配向主軸の傾き(以下、配向角という)は5度より大きいことが好ましく、さらに好ましくは7度以上である。配向角が5度より小さい二軸配向ポリエステルフィルムを用いた場合、光学補償フィルムを積層しなくても、クロスニコル下で消光状態が保たれ異物混入などの検査が容易であるが、二軸配向ポリエステルフィルムの中央部分の一部しか使用できないという非効率を解決することにはならないためである。
また、色差計を用いて透過光により測定されるフィルムのb値は、−2.0〜2.0の範囲内であることが好ましい。b値がこの範囲を外れる場合には、ポリエステルフィルム上に離型層を設置した離型フィルムロールにおいてその端面の色調が極端に黄色い場合や青い場合があり、実用上問題の生じる場合がある。
本発明のポリエステルフィルムには、作業性を良好にする目的でフィラーを添加し、フィルムの滑り性を向上させることが好ましく、添加するフィラーとしては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ゼオライト等の無機粒子、またはシリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、アクリル樹脂等の有機粒子を単独または混合体でフィルム中に配合させることが挙げられる。この場合、使用する粒子の平均粒径、添加量、さらに粒径分布は、本発明の要旨を逸脱しない限り、特に限定されるものではないが、平均粒径は0.1〜4.0μm、添加量は0.01〜3.0重量%であることが好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルムは、本発明の要旨を越えない限り、単層フィルムであっても複数の層が積層された多層フィルムであってもよい。
以下、本発明のポリエステルフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の構成を満足する限り、本発明は以下の例示に特に限定されるものではない。
公知の手法により乾燥したポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをダイから押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化することが好ましい。延伸条件について具体的に述べると、前記未延伸シートを好ましくは縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
本発明のポリエステルフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その要求特性に応じて必要な特性、例えば帯電防止性、耐候性および表面硬度の向上のため、縦延伸終了後、横延伸のテンター入口前にコートをしてテンター内で乾燥する、いわゆるインラインコートを行ってもよい。また、フィルム製造後にオフラインコートで各種のコートを行ってもよい。このようなコートは片面、両面のいずれでもよい。コーティングの材料としては、オフラインコーティングの場合は水系および/または溶媒系のいずれでもよいが、インラインコーティングの場合は水系または水分散系が好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルムには、本発明の効果を損なわない範囲であれば、他の熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等を混合することができる。また、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料、蛍光増白剤等を混合することができる。
本発明の粘着層保護フィルムは、二軸配向ポリエステルフィルムの一方の表面にポリエステルフィルムの位相差を補償する光学補償フィルムを設けることが必要である。光学補償フィルムとしては、いわゆる高分子フィルムを1軸延伸して得られた位相差フィルムを用いると良い。光学補償フィルムとしてはポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリオレフィンの少なくとも1種類の樹脂からなることが好ましい。さらに、複数のフィルムを積層させた積層フィルムであってもよい。光学補償フィルムを設けていない粘着層保護フィルムでは、クロスニコル検査において、ポリエステルフィルムの位相差により消光状態が保たれず、好ましくない。
本発明の粘着層保護フィルムは、二軸ポリエステルフィルムの配向主軸と光学補償フィルムの配向主軸との傾きを90度±10度で積層することが好ましい。
さらに好ましくは90度±5度である。90度±10度を越える傾きで二軸ポリエステルフィルムと光学補償フィルムを積層すると、クロスニコル検査において光漏れが大きくなる場合がある。
本発明の粘着層保護フィルムは、通常、二軸延伸ポリエステルフィルムと光学補償フィルムとの間に粘着層を有するが、当該粘着層を形成する粘着剤としては、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系、ゴム系等のべ−スポリマーとする各種のものを例示できるが、透明性、濡れ性、凝集性、耐熱性、耐湿性等に優れるもアクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。また、前記粘着剤には、ポリイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等の架橋剤を含有することができる。さらに、前記粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤を等を本発明の目的を逸脱しない範囲で各適宜に使用することもできる。
本発明の粘着保護フィルムは、厚さが40μm以上であることが必要である。さらには60μm以上であることが好ましい。粘着保護フィルムの厚さが厚すぎると偏光板および位相差板から剥離する際の作業性が悪くなるため、200μm以下とすることが必要である。また、粘着層の乾燥後の厚さは特に限定されないが、10〜30μm程度とするのが好ましい。
本発明の粘着層保護フィルムは、一方の表面に離型層を設けることが必要である。離型層は二軸配向ポリエステルフィルムと光学補償フィルムとを貼り合わせた表面の反対面であれば、二軸配向ポリエステルフィルム、または、光学補償フィルムどちらの表面に設けてもよい。離型層としては、硬化型シリコーン樹脂を主成分とする塗布液をコーティングし、乾燥、硬化させることにより形成させたものが好ましい。離型層中には、特性を損なわない範囲で任意の添加剤、例えば、各種樹脂、染料、顔料等の着色剤、赤外線反射剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤などを含有させてもよい。
上記硬化型シリコーン樹脂としては特に限定されるものではないが、例えば縮合反応型、付加反応型、紫外線硬化型、電子線硬化型などいずれのものでも用いることができる。
本発明において、塗布液をコーティングする方法としては、ロッドコート法、リバースロールコート法、グラビアロールコート法、エアーナイフコート法等、公知の方法によりコーティングすることができる。塗布後、例えば、縮合反応型や付加反応型のような熱硬化型の場合、通常50℃〜150℃、好ましくは80℃〜130℃の範囲の温度で通常2分以内、好ましくは1分以内の時間で加熱処理することにより、硬化皮膜を形成することができる。硬化型シリコーン樹脂の塗布量としては、1〜25g/m、さらには2〜20g/mの範囲が好ましく、硬化後のシリコーン樹脂塗膜の厚みは、0.01〜1μm、さらには0.05〜0.5μmの範囲が好ましい。塗膜厚みが0.01μm未満の場合には、離型性能が低下する傾向がある。また、塗膜厚みが1μmを超える場合には、塗膜の硬化が不十分となる傾向があり、離型性能が経時的に変化する恐れがある。
本発明において、離型フィルムの粘着剤に対する剥離力は、剥離が可能であればよく、特に限定されるものではないが、通常2〜400mN/cm、好ましくは4〜200mN/cmさらに好ましくは8〜100mN/cmである。
本発明において、離型フィルムの残留接着率は80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。この値が80%未満の場合には、例えば、ガラス基板等に偏光板または位相差板を貼着する際に粘着力が低下するので好ましくない。
上記のように構成された本発明の粘着層保護フィルムの全光線透過率(TL)は、特に限定されるものではないが、通常80%以上、好ましくは85%以上である。80%程度以上のTLを有すれば、異物混入などの光学的評価を伴う検査を、偏光板または位相差板の表面に保護フィルムを貼付したまま行うことができる。
本発明によれば、クロスニコル状態の2枚の偏光板の間で光学的評価を伴う偏光板、位相差偏光板または位相差板の検査において、離型フィルムが貼着されたままであっても消光状態が保たれ、異物混入等の検査が容易であり、かつ、偏光板、位相差偏光板または位相差板の製造工程、パネル貼り合わせ工程等における様々な外的要因に対して変形、押し跡、ひずみ等が偏光板、位相差偏光板または位相差板に発生しない特性を有する保護フィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。実施例および比較例中「部」とあるのは「重量部」を示す。なお、種々の諸物性、特性は以下のように測定、または定義されたものである。
(1)配向角の測定
カールツァイス社製偏光顕微鏡を用いて、ポリエステルフィルムの配向を観察し、ポリエステルフィルム面内の主配向軸の方向がポリエステルフィルムの幅方向に対して何度傾いているかを測定し配向角とした。この測定を得られたフィルムの中央部と両端部の計3カ所について実施する。フィルムの中央部から端部への幅方向の距離と、中央部及び端部の配向角とを直線近似する。配向角が5度以下となる領域を、上記した直線近似式を用いて中央部からの距離として求め、当該距離が中央部から端部への幅方向の距離に対して占める割合を求め、中心部の割合とした。
(2)厚さの測定
マイクロメーターを用いて、ポリエステルフィルム、光学補償フィルム、および、ポリエステルフィルムと光学補償フィルムの積層体の厚さを測定した。
(3)b値の測定
日本電色工業(株)製分光色色差計 SE−2000型を用いて、JIS Z−8722の方法に準じて、透過法によるb値を測定した。
(4)積層フィルムの全光線透過率(TL)
JIS−K7105に準じ、積分球式濁度計(日本電色工業社製「NDH−300A」)により、全光線透過率(TL)を測定した。
(5)離型フィルムの剥離力
試料フィルムの離型層上に両面粘着テープ(日東電工社製「No.502」)を貼り、JIS Z0237に規定されている2kgゴムローラーで圧着し、50mm幅に切り出し剥離力測定用試料とした。圧着してから1時間放置後、インストロン型引張試験機を用いて、180度方向に引張速度300mm/分で剥し、その応力の平均値をその試料の剥離力とした。この試験を10サンプルについて繰り返し行い、それらの相加平均をもって剥離力とした。なお、この試験を行った雰囲気は、23℃、50%RHの標準状態とした。
(6)残留接着率
両面粘着テープ(日東電工社製「No.502」)をJIS G4305に規定されている冷間圧延ステンレス板(SUS304)に貼り付けた後、当該ステンレス板との接着力を測定しその値を(f0)とする。一方、評価基準(1)に記載の方法で剥離した後の両面粘着テープを上記ステンレス板に貼り付けた後の接着力を測定し当該値を(f1)とし、次式により計算して残留接着率とした。
残留接着率=(f1/f0)×100
なお、接着力の測定は、JIS Z0237に規定されている2kgゴムローラーで圧着し、それぞれf0およびf1の粘着力測定用試料とし、圧着してから1時間放置後、インストロン型引張試験機を用いて、180度方向に引張速度300mm/分で剥離し、その応力をそれぞれ10サンプルについて測定し、それらの平均値をそれぞれf0およびf1とした。
(7)光学フィルムの変形防止性及び粘着層保護フィルムの剥離作業性
厚さ75μmのポリビニルアルコールをヨウ素とヨウ化カリルムを配合した染色浴(30℃)に浸漬し、染色処理と3倍の延伸処理を施した後、ホウ酸とヨウ化カリウムを添加した酸性浴(60℃)中でトータル5倍となる延伸、架橋処理を施し、50℃で5分間乾燥させて厚さ30μmの偏光子を得た。得られた偏光子の両側に厚さ50μmのトリアセチルセルロースフィルムを接着剤で接着、乾燥処理をし偏光フィルム(厚さ130μm)を得た。前記偏光フィルムの片側にアクリル系粘着剤を塗布、乾燥して、厚さ25μmの粘着層を設け、試料フィルムの離型層と上記粘着層が接するように、かつ、試料フィルムの二軸配向ポリエステルフィルムの幅方向が偏光フィルムの配向軸と平行となるように貼り合せ、光学部材を得た。この光学部材を15cm×15cmに切断加工し、手で撓ませたり、曲げたりして、偏光板への押し跡や変形の程度を目視で下記基準に従い評価した。
<変形防止性の判定基準>
○:押し跡や変形が存在せず使用可能
△:押し跡や変形は少しあるが使用可能
×:押し跡や変形があり使用不可能
○および△は実用上問題のないレベルである。
次に光学部材から粘着層保護フィルムを剥離させ、その作業性を下記基準に従い評価した。
<剥離作業性の判定基準>
○:粘着層保護フィルムが湾曲して剥離作業が容易に行える。
△:粘着層保護フィルムは変形しにくいが、偏光フィルムに変形を与えずに剥離することが出来る。
×:粘着層保護フィルムが変形せず偏光フィルムが湾曲してしまい、剥離作業にて偏光フィルムに変形を与えてしまう。
○および△は実用上問題のないレベルである。
(8)クロスニコル下での目視検査性
(7)で作成した光学部材の試料フィルム上に、光学部材の偏光フィルムの配向軸と直交するように検査用の偏光フィルムを重ね合わせ、光学部材の偏光フィルム側より白色光を照射し、検査用の偏光フィルムより目視にて観察し、クロスニコル下での目視検査性を下記基準に従い評価した。
<クロスニコル下での目視検査性 判定基準>
○:光干渉性無く検査可能
△:光干渉性はあるが検査可能
×:光干渉性があり検査不能
および△は実用上問題のないレベルである。また、クロスニコル下での目視検査性で実用上問題のないレベルになる領域が二軸配向ポリエステルフィルムの幅方向に占める割合を求め、検査良好部の割合とした。
実施例1:
(ポリエステルチップの製造法)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部、および酢酸カルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温すると共にメタノール留去させエステル交換反応を行い、反応開始後、約4時間半を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応を終了した。次に燐酸0.04部および三酸化アンチモン0.035部を添加し、常法に従って重合した。すなわち、反応温度を徐々に上げて、最終的に280℃とし、一方、圧力は徐々に減じて、最終的に0.05mmHgとした。4時間後、反応を終了し、常法に従い、チップ化して固有粘度が0.65であるポリエステルAを得た。
さらに、上記ポリエステルAを製造する際、平均一次粒径2.4μmの非晶質シリカを5000ppm添加し、ポリエステルBを得た。また、上記ポリエステルAを製造する際、平均一次粒径20nmのδ型の酸化アルミニウムを20000ppm添加し、ポリエステルCを得た。
(ポリエステルフィルムの製造)
上記ポリエステルAを70重量%、ポリエステルBを30重量%の配合比でA層、ポリエステルAを100重量%の配合比でB層用の原料とし、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、B層の厚みが全厚みの75%の厚みとなるように2種3層の層構成で、20℃に冷却したキャスティングドラム上に共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、100℃にて縦方向に2.8倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て120℃で4.6倍の横延伸を施した後、225℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に10%の弛緩を加え、幅3000mm、厚み38μmのポリエステルフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルムから最大配向角の位置から試料フィルムを切り出し、アクリル系粘着剤を塗布、乾燥して、粘着層を設け、そこにポリカーボネート(以下PC)製の位相差フィルムを位相差フィルムの配向主軸がポリエステルフィルムの配向主軸と90度の角度をなすように貼り付けた。
得られた積層フィルムのポリエステルフィルムの表面に硬化性シリコーン樹脂(信越化学工業社製KS−779)100重量部、硬化剤(信越化学工業社製CAT PL−8)1重量部、メチルエチルケトン/トルエン混合溶媒2200重量部からなる塗布液を用いて、マイヤーバーにて硬化後の塗布厚みが0.1μmとなるように塗布し、離型性を有する粘着層保護フィルムを得た。得られた粘着層保護フィルムを試料フィルムとし、前述した方法で偏光フィルムと貼り合わせ光学部材を得た。得られた粘着層保護フィルムはクロスニコル下での目視検査、光学フィルムの変形防止性に優れ、良好な保護フィルムを得られた。
実施例2:
二軸配向ポリエステルフィルムの厚さを16μm、光学補償フィルムの厚さを20μm、両者を貼り合せる粘着剤の厚さを10μmとした以外は実施例1と同様にして粘着層保護フィルムと光学部材を得た。粘着層保護フィルムは保護フィルムとして良好であった。
実施例3:
上記ポリエステルAを50重量%、ポリエステルBを30重量%、ポリエステルCを20重量%の配合比でA層の混合原料とし、かつ、ポリカーボネート製の位相差フィルムの配向主軸がポリエステルフィルムの配向主軸と80度の角度をなすように貼り付けた以外は実施例1と同様にして粘着層保護フィルムと光学部材を得た。粘着層保護フィルムは保護フィルムとして良好であった。
実施例4:
実施例1において、硬化性シリコーン樹脂(信越化学工業社製KS−779)100重量部、硬化剤(信越化学工業社製CAT PL−8)1重量部、メチルエチルケトン/トルエン混合溶媒2200重量部からなる塗布液中にシリコーンオイルを5部配合する以外は実施例1と同様にして粘着層保護フィルムと光学部材を得た。得られた粘着層保護フィルムは残留接着率が低く、粘着力が低下していたが、それ以外は良好な結果を得た。
実施例5:
100℃にて縦方向に3.3倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て130℃で4.2倍の横延伸を施した後、230℃で10秒間の熱処理を行い、その後180℃で幅方向に10%の弛緩を加え、幅3000mm、厚み38μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエステルフィルムの最大配向角の位置から試料フィルムを切り出す以外は実施例1と同様にして粘着層保護フィルムと光学部材を得た。粘着層保護フィルムは保護フィルムとして良好であった。
実施例6:
実施例5において、配向角が0度を示す位置から試料フィルムを切り出す以外は実施例5と同様にして粘着層保護フィルムと光学部材を得た。粘着層保護フィルムは保護フィルムとして良好であった。
比較例1:
実施例1において、二軸配向ポリエステルフィルムの厚さを12μm、光学補償フィルムの厚さを10μm、粘着剤の厚さを5μmとする以外は、実施例1と同様に粘着層保護フィルムと光学部材を得た。得られた光学部材では加工時の変形により、偏光フィルムに押し跡などが付くため、粘着層保護フィルムは保護フィルムとして不適当であった。
比較例2:
実施例5において、二軸配向ポリエステルフィルムの厚さを100μmとし、光学補償フィルムを貼り合わせない以外は実施例5と同様にして粘着層保護フィルムと光学部材を得た。得られた粘着層保護フィルムはクロスニコル下での目視検査にて消光状態が保持できず、不適当であった。
比較例3:
比較例2において、配向角が5度を示す位置から試料フィルムを切り出す以外は比較例2と同様にして粘着層保護フィルム、光学部材を得た。得られた光学部材はクロスニコル下での目視検査性にも優れるが、検査良好部の割合が中心部の割合と同じ12%であり、非効率であった。
比較例4:
実施例1において、二軸配向ポリエステルフィルムの厚さを100μm、光学補償フィルムの厚さを100μm、粘着剤の厚さを30μmとする以外は、実施例1と同様に粘着層保護フィルムと光学部材を得た。得られた光学部材は加工時の変形はないが、粘着層保護フィルムを剥離するときに、偏光フィルムが湾曲してしまい、偏光フィルムに変形が与えられるため、粘着層保護フィルムは保護フィルムとして不適であった。
Figure 2007062239
Figure 2007062239
本発明のフィルムは、例えば、偏光板および位相差板の表面に塗布された粘着剤を、例えば、液晶セル等の基板等に接着させるまでの間、保護するために使用される離型フィルムとして利用することができる。

Claims (1)

  1. 二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面にポリエステルフィルムの位相差を補償する光学補償フィルムを有する積層フィルムの一方の面に、離型性塗布層を有し、厚さが40〜200μmの範囲であることを特徴とする粘着層保護フィルム。
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