JP5266655B2 - 包装用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

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本発明は包装用二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。特に耐突刺ピンホール性に優れ、包装用資材として使用するに好適な二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。
ポリエステルフィルムの代表例であるポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムは、良好な機械強度、熱的特性、湿度特性、その他多くの優れた特性から、工業材料、磁気記録材料、光学材料、情報通信材料、包装材料など幅広い分野において使用されている。さらに、近年の消費者の嗜好の多様化により、特に食品包装分野においては硬いスナック菓子などが市場から要求されている。そのため、益々耐突刺ピンホール性が特に重要となる包装材料用途においては、ポリエチレンテレフタレートではその強靱さの裏返しである硬さ故に耐突刺ピンホール性が不十分であり、柔軟性に優れる脂肪族ポリアミド二軸延伸フィルムが多く使用されている。
ところが、脂肪族ポリアミドは、その化学構造から水との親和性が高いために吸水性が高く、湿度寸法安定性に劣ったり、平面性の悪化、フィルム物性の吸湿による経時変化などポリマー由来の本質的な問題があり、ガスバリア性を高めるための金属化合物の蒸着が困難であったり、吸湿により印刷や、ラミネート層との接着力が低下するという問題がある。一方、芳香族ポリアミドは芳香環を有することで吸湿性については改善されるが、溶融製膜が困難であり、溶液製膜であっても特殊で危険性の高い溶媒を使用しなければならず、生産性と経済的な点で包装材料に用いることは困難であるという問題がある。
それに対して、ポリエステルは溶融製膜可能であり、吸湿性にも乏しいことから、ポリアミドのような問題は生じないが、先に述べたように包装材料に要求される耐突刺ピンホール性に劣るという課題があった。
これらの問題点に対して、ポリエステルフィルムの改良についてこれまでに以下のような提案がなされてきている。たとえば特許文献1では高配向な蒸着用フィルムが開示されているが、屈折率の長手方向と幅方向の差(複屈折)がマイナスであったり、その絶対値が5以上であったり、150℃における熱収縮率がフィルム幅方向で伸長することが好ましいとされているなど、幅方向に配向が偏っているフィルムが提案されており、その結果、これらのフィルムではフィルム長手方向と幅方向の配向バランスが悪いがために、耐突刺ピンホール性については不十分であった。
また、たとえば、特許文献2では複屈折率が0〜0.02の成形用フィルムが開示されているが、厚み方向の屈折率が1.495以上と大きく、面配向係数が小さい柔軟なフィルムであり耐突刺ピンホール性については不十分であった。
さらに、たとえば、特許文献3ではポリエステル中のジエチレングリコール量が0.01〜1.2重量%の金属板ラミネート用フィルムが開示されているが、複屈折率や破断強度に関してはなんら開示されておらず、面配向係数が0.101〜0.118と小さく、柔軟なフィルムであり、この提案のフィルムを包装用途に使用することを試みた場合、強度が不十分となり、耐突刺ピンホール性に劣るものである。
特開平11−10725号公報 特開2004−331755号公報 特開平11−10724号公報
本発明は上記した従来技術の問題点を解消することを目的とする。すなわち、フィルムMDとTDの物性バランスに優れていることで、包装材料として使用するのに重要視される特性である耐突刺ピンホール性に優れる二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明は、以下の構成をとる。
(1) ポリエチレンテレフタレートを用いてなる二軸配向フィルムであって、
フィルム中のジエチレングリコール(DEG)量が0.01〜1.0重量%以下、
面配向係数が0.167〜0.175であり、
複屈折の絶対値が5未満である包装用二軸配向ポリエステルフィルム、
(2) フィルムのMDおよびTDの引張破断強度が260〜400MPaである(1)に記載の包装用二軸配向ポリエステルフィルム、
(3) フィルム厚みが7〜20μmである(1)または(2)に記載の包装用二軸配向ポリエステルフィルム、
(4) フィルムの厚み方向屈折率が1.480〜1.495である(1)〜(3)のいずれかに記載の包装用二軸配向ポリエステルフィルム、
である。
本発明の包装用二軸配向ポリエステルフィルムは包装材料として要求される様々な変形モードでの耐突刺ピンホール性に優れていることから、包装用資材として好適に使用することができる。さらに、本発明を用いて製造包装を製造した場合、堅いスナック菓子などを包装した際でも、運搬時および充填時にスナックによる突刺ピンホールが発生しにくいという優れた効果を奏する。
本発明のポリエステルフィルムは、ポリエチレンテレフタレートを用いてなるポリエステル樹脂からなることが必要である。ここで、ポリエチレンテレフタレートを用いてなるポリエステル樹脂とは、ポリエステルを構成するジカルボン酸成分の95モル%以上がテレフタル酸成分であること、およびグリコール成分の95モル%以上がエチレングリコール成分からなるポリエステル樹脂を意味している。ジカルボン酸成分およびグリコール成分として5モル%以下の範囲でテレフタル酸およびエチレングリコール以外の残基成分を含有してもよく、その含有の仕方としては共重合ポリエチレンテレフタレートでもよいし、ポリエチレンテレフタレートに他のポリエステル樹脂をブレンドして使用しても良い。耐熱性、寸法安定性の観点からは共重合やブレンドを行わないポリエチレンテレフタレート樹脂そのものを用いることが好ましい。
テレフタル酸以外の酸成分としては、例えば、テレフタル酸,イソフタル酸,フタル酸,ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸,アジピン酸,アゼライン酸,セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸,シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、p-オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多官能酸等を用いることができる。
また、エチレングリコール以外のアルコール成分としては,ジエチレングリコール,ブタンジオール,ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール等を用いることができる。
さらに、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルを共重合してもよい。なお、これらのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種類以上を併用してもよく、2種類以上のポリエステルをブレンドして使用しても良い。さらに2層以上に共押出し積層フィルムとして使用しても良い。
また、このポリエステル系樹脂の中に公知の添加剤、例えば、耐熱安定剤,耐酸化安定剤,耐候安定剤,紫外線吸収剤,有機の易滑剤,顔料,染料,充填剤,帯電防止剤,核剤などを配合しても良い。
使用される各種粒子の径は特に限定されないが、通常は沈降法あるいは光散乱法により測定した数平均粒径が0.05〜8.0μm、好ましくは0.1〜4.0μmをその代表として挙げることができる。
本発明の包装用二軸配向ポリエステルフィルムは耐突刺ピンホール性、さらに配向性の観点から、ポリエチレンテレフタレートを用いてなるフィルム中のジエチレングリコール(DEG)量が0.01〜1.0重量%以下であることが必要である。ジエチレングリコールは一般にポリエステル製造の際に副生するが、ジエチレングリコール量を0.01重量%未満とすると重合工程が煩雑となり、コストアップの要因となることがある。また、ジエチレングリコール量が1.0重量%を超えるとフィルム中の非晶部位が増加し、耐突刺ピンホール性が低下するとともに、延伸時に配向しにくい状態となり、面配向係数、複屈折率が規定の範囲を同時に満足するためには、フィルム破れが発生しやすい製膜条件に設定する必要があり、好ましくない。よりジエチレングリコール量が少ないと耐突刺ピンホール性、および配向性が向上するため、より好ましくは0.3〜0.95重量%、さらに好ましくは0.35〜0.9重量%であることが望ましい。
また、積層フィルムとして使用する場合は、ポリエチレンテレフタレートを用いてなる層のDEG量が0.01〜1.0重量%である。ここで、ポリエチレンテレフタレートを用いてなる層とは、ポリエステルを構成するジカルボン酸成分の95モル%以上がテレフタル酸成分であること、およびグリコール成分の95モル%以上がエチレングリコール成分からなるポリエステル樹脂を用いた層を意味している。
ジエチレングリコール量を減少させるには、重合時間を短縮したり、重合触媒として使用されるアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物などの量を限定する方法、液層重合と固層重合を組み合わせる方法、アルカリ成分を含有させる方法などが挙げられる。
本発明の包装用ポリエステルフィルムは二軸配向フィルムであることが必要であり、耐突刺ピンホール性、寸法安定性の観点から面配向係数が0.167〜0.175であることが必要である。さらに、耐突刺ピンホール性と包装体とした時のシール強度の観点からは0.168〜0.172であればより好ましい。面配向係数が0.167未満であると耐突刺ピンホール性が劣る。また、面配向係数が0.175を越えると、ポリエステルフィルムと他の素材を貼合せて複合化し使用する包装資材において、ポリエステルフィルム内でのへき開はく離が起こったり、フィルムが裂けやすくなるため耐突刺ピンホール性が劣る場合がある。
面配向係数を0.167〜0.175の範囲とする方法としては、ポリエステルフィルムの製造時、特に逐次二軸延伸法を採用する場合には、まず、フィルムMDに延伸した一軸延伸フィルムの複屈折(MDとTD屈折率の差×10)を70〜130とし、その後TDに延伸する方法が好ましい。ここで、一軸延伸フィルムの複屈折が70未満であると、TDに延伸した後のMDへの配向が不十分であり、面配向係数が0.167以上とならない場合がある。一方、一軸延伸フィルムの複屈折が130を越えると、TDへの延伸時にフィルム破れが発生しやすくなり、製膜安定性が大幅に劣化する。また、MDに延伸する際に、通常加熱ロールを用いて未延伸フィルムを加熱して行うが、延伸による樹脂自体の発熱により加熱ロールの温度よりも高温で延伸するとMDへの配向が最適化しやすくて好ましい。一軸延伸フィルムの複屈折を70〜130とする方法は、特に限定はされないが、例えば40〜130℃に加熱したロール群でMDに2.3〜7倍延伸することで、所望の複屈折率を有する一軸延伸フィルムを得ることが出来る。また、一軸延伸フィルムの複屈折は、二軸延伸ポリエステルフィルムの製造の際に、一旦、一軸延伸フィルムを取り出し屈折率を測定することで確認することができる。また、TDへの延伸の後、熱処理を行うが、240℃以上の高温で熱処理を行うと、フィルム中のポリエステル分子鎖の配向緩和が起こりやすくなり、面配向係数が低下する場合があるので、寸法安定性が悪化しない範囲で熱処理温度は低い方が良く、190〜240℃とするとより好ましく、200〜235℃だと特に好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、特に耐突刺ピンホール性に優れた特性を有するために、複屈折の絶対値が5未満であることが必要である。ここで複屈折とはフィルムのMDの屈折率とTDの屈折率の差に1000を乗じたものである。複屈折の絶対値が5を越えるとフィルムの面内に高配向方向と低配向方向が存在してしまうために、低配向方向の強度が低くなることで、耐突刺ピンホール性が劣ってしまう。耐突刺ピンホール性の観点からは、複屈折の絶対値は4未満であればより好ましい。また、フィルム面内の屈折率の最大値と最小値の差が5未満であれば、配向バランスに極めて優れているために、耐突刺ピンホール性に非常に優れたフィルムとなるので、特に好ましい。
複屈折の絶対値を5未満とする方法としては、フィルムTDの延伸温度と延伸倍率を適宜制御することで調整可能であるが、延伸温度が120℃を越える場合、延伸よりも熱結晶化が先に進行してしまい、所謂ネッキング延伸となり配向がTDに偏ったフィルムとなる場合がある。また、80℃未満の場合、加熱が不十分でやはり配向が幅方向に偏ったフィルムとなる場合がある。延伸倍率は好ましくは3.5〜5.5倍であるが、実質上4.5倍以上延伸使用とするとフィルム破れが発生しやすくなることから、3.6〜4.4倍とすることが好ましい。また、二軸延伸後の熱処理工程において、190℃未満の熱処理温度であるとフィルムTDへの偏った配向となる場合があるので、熱処理温度を190〜240℃とすることが好ましく、200〜235℃とすると特に好ましい。
ここで、本発明では、屈折率、面配向係数は以下のようにして求める。
ナトリウムD線(波長589nm)を光源とし、マウント液としてヨウ化メチレンを用い、25℃にてアッベ屈折計を用いてMD、TDおよび厚み方向の屈折率(各々、nMD、nTD、nZD)を求める。求めた屈折率から下記の式により、面配向係数(fn)および複屈折(Δn)を算出する。
fn=(nMD+nTD)/2−nZD
Δn=(nMD−nTD)×1000。
本発明は、フィルム中の時ジエチレンテレフタレート量を0.01〜1.0重量%とし、面配向係数を0.167〜0.175とし、複屈折の絶対値を5未満とし、これらの組合せによって、従来にない耐突き刺しピンホール性に優れた包装用二軸配向ポリエステルフィルムとすることができるものである。
二軸配向ポリエステルフィルムにおいては、成型用フィルムの分野において、熱処理によるフィルム強度低下を抑制するためにDEG量を低減させるようにしていたが、成形用フィルムでは、柔軟な特性が求められており、成形性・柔軟性を減少させると考えられる高い面配向係数を与えることは避けられている。本発明ではDEG量を減少させることでその樹脂の非晶部分が減少し、さらにポリエステルの配向性が向上し、耐突刺ピンホール性が顕著に向上することを見いだした。さらにDEG量の減少によりフィルム破れが発生しにくい条件で特定の面配向係数および複屈折率の範囲を満たすことができるものであり、これによって、包装用途に特に顕著に好ましい二軸配向ポリエステルフィルムを得ることができるものである。
また、本発明の包装用二軸配向ポリエステルフィルムは、耐突刺ピンホール性に優れた特性を発現させる観点で、フィルムMDとTDの破断強度が各々260〜400MPaであることが好ましい。ここで、破断強度とは25℃での引張試験における破断強度である。破断強度が260MPa未満であると、低強度である方向が存在することとなり、平面の面内方向を同時に変形させる突刺強度において、低強度方向の存在がピンホールを発生させやすくする場合がある。一方、破断強度が400MPaを越えると包装体とした場合に内容物を取り出すための、カット性が悪化してしまう場合がある。耐突刺ピンホール性とカット性を両立させる点で、MD及びTDの破断強度は各々270〜350MPaであればより好ましく、280〜330MPaであれば特に好ましい。フィルムの引張破断強度を掛かる好ましい範囲とする方法としては、フィルムを構成するポリエステルの固有粘度が0.60〜0.70であることが好ましい。フィルムを構成するポリエステルの固有粘度が0.60未満であると、ポリエステル樹脂の分子量が小さいために脆くなり、逆に固有粘度が0.70を越えるとフィルム面内の配向バランスを調整することが困難となる。
本発明の包装用二軸配向ポリエステルフィルムは耐突刺ピンホール性の観点からフィルム厚みが7〜20μmであることが好ましい。フィルム厚みが7μm未満となると低突刺強さとなるために、包装体として内容物を充填する際にピンホールが発生しやすくなる。一方、厚みが20μmを越えると他の素材との貼合せでカールが発生するなど取扱いが困難になったり、強度的にオーバースペックとなり、なおかつ容器リサイクル法において、負担金が増加し、廃棄物重量が増加するという点で環境の面から好ましくない。強度と取扱性、経済性の観点から8〜18μmであればより好ましく、8〜16μmであれば特に好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは厚み方向の屈折率が1.480〜1.495であることが好ましい。厚み方向の屈折率が1.480未満であると、面配向が進みすぎてへき開はく離が起こりやすくなる場合があり、逆に1.495を越えると耐突刺ピンホール性に劣る場合がある。耐突刺ピンホール性とへき開抑制の観点からは1.485〜1.492であればより好ましい。フィルムの厚み方向屈折率を1.480〜1.495とする方法としては、二軸延伸により面配向を高くしたフィルムを熱処理することで、さらに高面配向とする方法が望ましく、熱処理温度として200〜235℃とすることが特に好ましい。
以下に、本発明の包装用二軸配向用ポリエステルフィルムの製造方法を具体的に説明する。本発明は以下の製造方法に限られるものではない。まず、本発明のフィルムで使用するポリエチレンテレフタレートを用いてなるポリエステル樹脂については、市販されているポリエチレンテレフタレート樹脂をそのまま用いることができるが、以下のように重縮合反応を経て製造し、使用してもよい。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール70重量部の混合物に0.09重量部の酢酸マグネシウムと0.03重量部の三酸化アンチモンとを添加して、徐々に加熱し、最終的に220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行い、ポリエチレンテレフタレートの前駆体を合成する。ついで、該前駆体に0.02重量部のリン酸85%水溶液を添加し、重縮合反応釜に移行する。重縮合反応釜で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、所望の分子量であるポリエチレンテレフタレート樹脂を得ることができる。なお、粒子を添加する場合には、エチレングリコールに粒子を分散させたスラリーを所定の粒子濃度となるように重縮合反応釜に添加して、重縮合反応を行うことが好ましい。
ジエチレングリコール量を減少させるには、重合時間を短縮したり、重合触媒として使用されるアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物、チタン化合物などの量を限定する方法、液層重合と固層重合を組み合わせる方法、アルカリ成分を含有させる方法などが挙げられるが、これらは特に限定されない。例えば、水酸化カリウムを含有させDEG量を調節する場合、添加する量を0.01〜0.10重量部とすることで所望のDEG量のポリエチレンテレフタレート樹脂を得ることができる。
次に本発明に係るポリエステルフィルムの製造方法について説明するが、かかる例に限定されるものではない。乾燥したポリマーチップを押出機に供給し、該ポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーをスリット状の吐出口を有するTダイから押し出し、冷却ロールに密着固化してキャストフィルムを得る。溶融シートと冷却ロールの密着性を向上させるには、通常、静電印加密着法および/または液面塗布密着法を採用することが好ましい。
該キャストフィルムは更に二軸に延伸される。好ましくは、ポリマーのガラス転移温度以上、例えば40〜130℃に加熱したロール群でMDに2.3〜7倍延伸し、次いでTDに好ましくは45〜130℃で3〜7倍に延伸する。なお、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を用いることができるが、その場合も最終的な延伸倍率が上記範囲に入ることが好ましい。また、前記キャストフィルムを、面積倍率が6〜30倍になるように同時二軸延伸することも可能である。
かくして得られたフィルムを熱処理するが、必要に応じ熱処理を行う前または後に再度縦及び/または横方向に延伸してもよい。熱処理温度は150〜250℃、好ましくは200〜240℃であり、熱処理時間は通常1秒〜5分である。この熱処理条件で熱収縮特性を調整することができる。また、熱処理後のフィルムの冷却速度も熱収縮特性に影響する。例えば、熱処理後、フィルムを急冷あるいは徐冷、あるいは中間冷却ゾーンを設けることで加熱収縮応力を調整することができる。また、特に特定の熱収縮特性を付与するために、熱処理時あるいはその後の徐冷ゾーンにおいて縦方向及び/または横方向に弛緩してもよい。
フィルムには必要に応じコーティングを施すこともできる。本発明の場合、フィルムに塗布層を設けることにより、特に蒸着層やインク層との接着性を向上できる。塗液には防爆性や環境汚染の点で水溶解、乳化または懸濁したものが用いられる。塗布層は結晶配向完了後の二軸延伸フィルムに塗布する方法あるいは結晶配向完了前のフィルムに塗布した後延伸する方法があるが、本発明の効果をより顕著に発現させるためには後者の方法が特に好ましい。塗布する方法は特に限定されないが、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、キスコーター、バーコーター等を用いて塗布するのが好ましい。また、塗布する前に必要に応じて塗布面に空気中その他種々の雰囲気中でコロナ放電処理を施しておいてもよい。
また、本発明における塗布層には、必要に応じて消泡剤、塗布性架橋剤、増粘剤、有機系潤滑剤、無機系粒子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発砲剤、染料、顔料等を含有せしめてもよい。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは包装材料として他の素材との貼り合せや接着剤などのコーティング、印刷や金属化合物などの蒸着をフィルム表面に容易に施す観点から、フィルムの少なくとも片面の表面自由エネルギーが45〜60mN/mであることが好ましい。密着力の観点からは48〜58mN/mであればより好ましい。表面自由エネルギーを掛かる好ましい範囲とする方法としては、フィルム表面に空気中、窒素ガス雰囲気中などでコロナ放電などによる表面処理を行う方法や火炎による表面処理を施す方法などを挙げることができる。
また、本発明の二軸配向ポリエステルフィルムはフィルムの少なくとも片面に金属あるいは金属酸化物を蒸着し、蒸着膜を形成することでガスバリアフィルムとして使用することが好ましい。蒸着膜を生成するために用いる金属または金属酸化物としては、周期表2A族であるマグネシウム、カルシウム、バリウム、2B族であるチタン、ジルコニウム、3B族であるアルミニウム、インジウム、4B族のケイ素、ゲルマニウム、スズおよびこれらの酸化物を挙げることができる。これらの中でも、特にアルミニウム、ケイ素およびその酸化物が好ましい。また、これらの金属およびその酸化物は複数を組み合わせて蒸着膜を形成しても良い。
蒸着膜の形成方法としては、真空蒸着法、EB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを用いることができる。なお、ポリエステルフィルムと蒸着層との密着性を向上させるために、フィルムの表面にコロナ処理などの表面処理だけでなくアンカーコート剤を塗布するなどの方法で前処理しておくことは望ましいことである。また、蒸着膜の厚みとしては、1〜500nmであれば好ましく、3〜300nmであればより好ましい。生産性の点からは3〜200nmであることが好ましい。
本発明の二軸配向ポリエステルは包装体として用いるのに好適な構成として、シーラントと積層することが好ましい。ここで、シーラントとは無延伸ポリプロピレンフィルムや無延伸直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体無延伸フィルムなどのヒートシール性を有している無延伸フィルムのことである。これらシーラントと二軸配向ポリエステルフィルムの積層方法としては、エステル系やウレタン系などの接着剤を用いたドライラミネート法やポリエチレンのドライラミネート法などの方法を採用することができる。本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは優れた耐熱性を有していることから、特に押出ラミネート法によりシーラントと積層した後も耐突刺ピンホール性が変化しない優れた特性を有している。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。なお、特性は以下の方法により測定、評価した。
(1)複屈折率(Δn)、面配向係数(fn)
ナトリウムD線(波長589nm)を光源とし、マウント液としてヨウ化メチレンを用い、25℃にてアッベ屈折計を用いてフィルムMD、TDおよび厚み方向の屈折率(各々、nMD、nTD、nZD)を求めた。求めた屈折率から下記の式により、面配向係数(fn)および複屈折率(Δn)を算出した。なお、測定は製膜時のTダイから吐出後、冷却ドラムに密着した表面側で行い、任意の3ヶ所での測定値の平均で評価した。
fn=(nMD+nTD)/2−nZD
Δn=(nMD−nTD)×1000。
(2)フィルム厚み
300×200mmの大きさにカットしたフィルム10枚の質量を測定し、フィルムの比重を1.4×10−3(g/mm)として以下の式により、質量平均厚みとしてフィルム厚みを求めた。
T=W/(1.4×10−3×300×200×10)
ただし、T:フィルム厚み(mm)、W:フィルム10枚の質量(g)。
(3)破断強度
フィルムを試料幅10mm、長さ15cmに切り、チャック間100mmにして引張速度10mm/分でインストロタイプの引張試験機にて測定した。サンプルが破断する直前のフィルムにかかっていた荷重を読み取り、試験前の試料の断面積(フィルム厚み×10mm)で除した値を破断強度とした。なお、測定は25℃、65%RHにて行った。
(4)固有粘度
ポリエステル樹脂およびフィルムの固有粘度は、ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃にて測定した。
(5)耐突刺ピンホール性
フィルムを直径40mmのリングにフィルムを弛みのないように張り、先端角度60度、先端R0.5mmのサファイア製針を使用し、円の中央を50mm/分の速度で突き刺し、針が貫通するときの荷重(N)を突刺強さとした。
(6)ジエチレングリコール量
フィルム(試料)1.0gに1級モノエタノ−ルアミン2.5mlを加え、全還流下280℃で40分間加熱後、内部標準液を加える。さらに特級テレフタル酸40gと1級エタノ−ル5mlを加え測定用試料を調製する。該測定用試料を島津製ガスクロマトグラフィ−GC−9A(使用カラム:島津C−R3A)にて測定した。
(7)耐実包ピンホール強度
二軸配向ポリエステルフィルム(PET)と厚さ20μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPP)(東レフィルム加工(株)製トレファンNO 9160)とを、ポリエチレン(PE)を樹脂温度330℃でポリエステルフィルム上に厚さ10μmになるように押出ラミし、これを接着剤として貼合せを行った。次に該積層フィルムと厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)(東洋紡(株)製パイレンフィルム−OT P2102)とを、二軸配向ポリエステルフィルム側にポリエチレンを樹脂温度330℃で厚さ10μmになるように押出ラミし、これを接着剤として貼合せを行い、最終的にCPP(20μm)/PE(10μm)/PET/PE(10μm)/OPP(20μm)からなる5層構成のフィルムを得た。次に該5層構成のフィルムを200mm×300mmの大きさにカットし、そのCPP面同士を重ね合わせてその3辺を150℃で2秒間熱溶着し、3辺がシールされた袋状の実包試験用サンプルを得た。
垂直に固定された直径100mm、長さ1mのプラスチック製の筒に該袋状サンプルの開口部を100mm挿入し、袋状サンプルの底部がどこにも触れていない状態でリング状治具を用いて袋状サンプルを筒の下部に固定する。筒の上部から高密度ポリエチレン(密度:0.96g/cm3)からなる各辺の長さが65mm、厚さが1.1mm、各頂点のRが1mmの正三角形の落下用チップ40枚を一斉に落下させる。その後、落下用チップを取り出し、袋状サンプル内部に検査液(三菱ガス化学(株)製エージレス シールチェッカー)を吹きかけピンホール発生の有無、個数を確認する。
(ポリエステル樹脂の準備)
実施例には以下に記載の方法で製造したポリエステル樹脂を使用した。
ポリエステルA
テレフタル酸ジメチル100重量部、およびエチレングリコール61重量部の混合物に、0.04重量部の酢酸マグネシウム、0.02重量部の三酸化アンチモン、0.004重量部の水酸化カリウムを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行う。ついで、該エステル交換反応生成物に、0.020重量部のリン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行する。さらに、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で常法により重縮合反応を行い、ジエチレングリコール量0.37重量%、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート樹脂を作製した。これを、以下、ポリエステルAとする。
ポリエステルB
テレフタル酸ジメチル100重量部、およびエチレングリコール61重量部の混合物に、0.04重量部の酢酸マグネシウム、0.004重量部の水酸化カリウム、さらにクエン酸キレートチタン化合物のエチレングリコール溶液を得られるポリエステルに対してチタン元素が5ppmとなるように添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行う。ついで、該エステル交換反応生成物に、0.020重量部のリン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行する。さらに、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で常法により重縮合反応を行い、ジエチレングリコール量0.37重量%、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート樹脂を作製した。これを、以下、ポリエステルBとする。
ポリエステルC
テレフタル酸ジメチル100重量部、およびエチレングリコール61重量部の混合物に、0.04重量部の酢酸マグネシウム、0.02重量部の三酸化アンチモン、0.001重量部の水酸化カリウムを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行う。ついで、該エステル交換反応生成物に、0.020重量部のリン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行する。さらに、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で常法により重縮合反応を行い、ジエチレングリコール量0.90重量%、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート樹脂を作製した。これを、以下、ポリエステルCとする。
ポリエステルD
テレフタル酸ジメチル100重量部、およびエチレングリコール61重量部の混合物に、0.04重量部の酢酸マグネシウム、0.02重量部の三酸化アンチモン、0.002重量部の水酸化カリウムを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行う。ついで、該エステル交換反応生成物に、0.020重量部のリン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行する。さらに、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で常法により重縮合反応を行い、ジエチレングリコール量0.65重量%、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート樹脂を作製した。これを、以下、ポリエステルDとする。
ポリエステルE
テレフタル酸ジメチル100重量部、およびエチレングリコール70重量部の混合物に、0.09重量部の酢酸マグネシウムと0.03重量部の三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行う。ついで、該エステル交換反応生成物に、0.020重量部のリン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行する。さらに、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で常法により重縮合反応を行い、ジエチレングリコール量1.1重量%、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート樹脂を作製した。これを、以下、ポリエステルEとする。
ポリエステルF
テレフタル酸を100重量部、エチレングリコールを35重量部、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1000)を59重量部、また触媒および助触媒として、テトラブトキシチタネートを0.009重量部、エチルアシッドフォスフェートを0.025重量部、酢酸コバルトを0.05重量部、さらに数平均粒径が2.4μmの非晶質シリカ粒子1重量部をエチレングリコールスラリーとして反応器にとり、270℃、400Paでの直接重合法によりジエチレングリコール量0.65重量%、固有粘度0.79のポリエチレンテレフタレート樹脂を作製した。これを、以下、ポリエステルFとする。
粒子マスター
上記した各ポリエステルの重合時において、エステル交換反応後に数平均粒子径2μmの凝集シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを添加してから重縮合反応を行い、ポリマー中の粒子濃度2重量%の粒子マスターA〜Eを作製した。
(実施例1)
ポリエステルAと粒子マスターAを質量比98:2で混合して使用した。
真空乾燥した後、押出機に供給して、280℃で溶融押出し、8μmカットのステンレス繊維焼結フィルター(FSS)で濾過した後、T字型口金からシート状に押出し、これを表面温度25℃の冷却ドラムに静電密着法で冷却固化せしめた。このようにして得られた未延伸PETフィルムを、105℃に2秒間加熱した後、MDに115℃にて4.1倍に延伸して1軸延伸フィルムとした。この1軸延伸フィルムを105℃で2秒間予熱し、次いで115℃に加熱しつつTDに3.1倍に延伸した。このフィルムを233℃の熱風中に導き入れ、2秒間緊張熱固定した後、170℃で幅方向に元のフィルム幅の2.4%リラックスを施し冷却した。最終的に室温まで冷却した後、20W・min/mの処理強度でコロナ放電処理を行い、これを巻取り機に導いて巻き上げてミルロールとした。このようにして最終的に厚さ12μmのフィルムを得た。
(実施例2)
ポリエステルBと粒子マスターBを質量比98:2で混合して使用した。実施例1と同様の製膜条件で厚さ12μmの二軸延伸フィルムを得た。
(実施例3)
ポリエステルCと粒子マスターCを質量比98:2で混合して使用した。実施例1と同様の製膜条件で厚さ12μmの二軸延伸フィルムを得た。
(実施例4)
ポリエステルDと粒子マスターDを質量比98:2で混合して使用した。実施例1と同様の製膜条件で厚さ12μmの二軸延伸フィルムを得た。
(比較例1)
ポリエステルEと粒子マスターEを質量比98:2で混合して使用した。実施例1と同様の製膜条件で厚さ12μmの二軸延伸フィルムを得た。
(比較例2)
ポリエステルEと粒子マスターEを質量比98:2で混合して使用した。長手方向の延伸倍率を3.9倍、幅方向の延伸倍率を3.5倍とした以外は実施例1と同様の製膜条件で厚さ12μmの二軸延伸フィルムを得た。
(比較例3)
ポリエステルFを使用した。ベント付きの2軸スクリューの押し出し機に供給して、250℃、−100KPaのベント減圧下で溶融混練りし、スリット状ダイより20℃の回転冷却ロール上にシート状に押し出し、静電印加冷却法を使用して回転冷却ロールにより急冷して未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを、同時二軸延伸機に導入し、60℃で予熱した後、65℃で長手方向に3.5倍、横方向に3.5倍クリップで把持しながら同時二軸延伸した。その後、熱固定ゾーンにおいて170℃で熱固定し、厚さ12μmの二軸延伸フィルムを得た。
(比較例4)
実施例1と同様のポリエステルを使用し、幅方向の延伸倍率を2.7倍、リラックス率を5.0%とした以外は実施例1と同様の製膜条件で12μmの二軸延伸フィルムを得た。
(比較例5)
ポリエステルEと粒子マスターEを質量比98:2で混合して使用した。長手方向の延伸倍率を3.0倍、幅方向の延伸倍率を2.5倍とした以外は実施例1と同様の製膜条件で厚さ12μmの二軸延伸フィルムを得た。
(比較例6)
実施例1と同様のポリエステルを使用し、同様の製膜条件で、T字型口金からシート状に押出す量を調節することで厚さ5μmの二軸延伸フィルムを得た。
(比較例7)
実施例1と同様のポリエステルを使用し、長手方向の延伸倍率を3.9倍、幅方向の延伸倍率を2.9倍とした以外は実施例1と同様の製膜条件で12μmの二軸延伸フィルムを得た。
Figure 0005266655
ただし、表中の略号は以下の通り。DEG:フィルム中のジエチレングリコール量。Δn:複屈折(フィルム長手方向と幅方向の屈折率の差を1000倍した数値)。nZD:フィルム厚み方向の屈折率。MD:フィルム長手方向。TD:フィルム幅方向。
表より、実施例の各フィルムは耐突刺ピンホール性に優れていた。一方、比較例の各フィルムはフィルム長手方向と幅方向の配向バランスが悪いがために耐突刺ピンホール性に劣っていたり、面配向が低すぎて柔軟なフィルムであるがために耐突刺ピンホール性に劣っていた要り、フィルム中のDEG含有量が多く非晶部分が多くなり耐突刺ピンホール性に劣っているなど、包装材料としては不十分な特性であった。
本発明のフィルムは耐屈曲ピンホール性に優れるだけでなく、なおかつフィルム長手方向と幅方向の物性バランスに優れていることで、耐突刺ピンホール性に優れていることから、食品包装などの構成体として好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. ポリエチレンテレフタレートを用いてなる二軸配向フィルムであって、
    フィルム中のジエチレングリコール(DEG)量が0.01〜1.0重量%
    面配向係数が0.167〜0.175であり、
    複屈折の絶対値が5未満であり、
    フィルムのMDおよびTDの引張破断強度が260〜400MPaである食品包装用二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. フィルム厚みが7〜20μmである請求項に記載の食品包装用二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. フィルムの厚み方向屈折率が1.480〜1.495である請求項1または2に記載の食品包装用二軸配向ポリエステルフィルム。
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