JP6641946B2 - 光学バリアフィルム、色変換フィルム及びバックライトユニット - Google Patents

光学バリアフィルム、色変換フィルム及びバックライトユニット Download PDF

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本発明は、光学フィルム、並びに、それを用いた光学バリアフィルム、色変換フィルム及びバックライトユニットに関する。
液晶ディスプレイ等の電子デバイスでは、種々の光学フィルムが用いられ、製造工程において他の部材と重ねられる。このため、光学フィルムには、隣接するフィルムとのブロッキングを抑制するために、しばしばマット層が設けられていた(例えば、特許文献1参照)。
特許第3790571号公報
しかし、マット層と他の部材とを重ね合わせると、マット層上の凹凸形状により他の部材を傷付ける場合があり、また、マット層自身が傷付く場合があった。本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、他の部材とのブロッキングを抑制しつつ、マット層及び他の部材の傷付きを抑制することが可能な光学フィルム、並びに、それを用いた光学バリアフィルム、色変換フィルム及びバックライトユニットを提供することを目的とする。
本発明は、第一フィルム基材と、該第一フィルム基材上に形成されたマット層と、を備え、上記マット層は微粒子を含有し、少なくとも一部の上記微粒子が上記マット層の上記第一フィルム基材と反対側の表面に突出しており、上記微粒子の平均粒子径が0.5μm以上10.0μm以下であり、上記微粒子の硬さが、ロックウェルR硬さスケールで100以下である、光学フィルムを提供する。上記構成を備える光学フィルムは、光学フィルムと接する他の部材とのブロッキングを抑制しつつ、マット層及び他の部材の傷付きを抑制することができる。
上記マット層はさらに、四級アンモニウム塩化合物、導電性高分子、及び金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の導電性材料を含有することが好ましい。マット層が上記導電性材料を含有することにより、表面抵抗率が低下したマット層を得ることができる。
上記マット層の表面抵抗率が1.0×1013Ω/□以下であることが好ましい。マット層の表面抵抗率が上記範囲内にあることにより、マット層に帯電防止性能を好適に付与することができる。
本発明はまた、バリア層と、上記光学フィルムと、を備え、上記バリア層が、上記光学フィルムの上記第一フィルム基材側の面上に形成されている、光学バリアフィルムを提供する。本発明はまた、第二フィルム基材及びバリア層を含むバリア複合層と、上記光学フィルムと、を備え、上記バリア複合層は、上記光学フィルムの上記第一フィルム基材側の面上に形成されている、光学バリアフィルムを提供する。これらの構成を備える光学バリアフィルムは、光学バリアフィルムと接する他の部材とのブロッキングを抑制しつつ、マット層及び他の部材の傷付きを抑制することができる。
上記バリア層は、SiO(1.0≦x≦2.0)で表されるシリコン酸化物からなる無機蒸着薄膜層を含むことが好ましい。バリア層が上記無機蒸着薄膜層を含むことにより、光学バリアフィルムのバリア性能が向上する傾向がある。
本発明はさらに、色変換層と、該色変換層を挟むように配置された二つの保護フィルムと、を備え、上記二つの保護フィルムの少なくとも一方が、上記光学バリアフィルムであり、上記光学バリアフィルムは、上記マット層が上記色変換層と反対側を向くように配置されている色変換フィルムを提供する。上記構成を備える色変換フィルムは、例えば、バックライトユニットを構成する導光板と重ねても、導光板が傷付くことを抑制することができる。また、バリア層自身が傷付くことも抑制されることから、色変換層に空気及び水蒸気の侵入が適切に低減されて、色変換フィルムにおける色変換性能を長期間に亘って維持することができる。
本発明はさらに、光源と、導光板と、該導光板上に配置された上記色変換フィルムと、を備え、上記色変換フィルムは、上記マット層が上記導光板と接するように配置されている、バックライトユニットを提供する。上記構成を備えるバックライトユニットは、上記色変換フィルムが接する上記導光板が傷付くことを抑制することができる。また、上記バリア層自身が傷付くことも抑制されることから、上記色変換層に空気及び水蒸気の侵入が適切に低減されて、上記バックライトユニットから長期間に亘って良好な白色光を得ることができる。
本発明によれば、他の部材とのブロッキングを抑制しつつ、マット層及び他の部材の傷付きを抑制することが可能な光学フィルム、並びに、それを用いた光学バリアフィルム、色変換フィルム及びバックライトユニットを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る光学フィルムの概略断面図である。 本発明の第一実施形態に係る光学バリアフィルムの概略断面図である。 本発明の第二実施形態に係る光学バリアフィルムの概略断面図である。 本発明の第三実施形態に係る光学バリアフィルムの概略断面図である。 本発明の第四実施形態に係る光学バリアフィルムの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る色変換フィルムの概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るバックライトユニットの概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一又は同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
[光学フィルム]
図1は本発明の一実施形態に係る光学フィルムの概略断面図である。図1において、光学フィルム10は、第一フィルム基材12と、該第一フィルム基材12上に形成されたマット層14と、を備える。
(マット層)
マット層14は微粒子18を含有し、少なくとも一部の微粒子18がマット層14の第一フィルム基材12と反対側の表面に突出している。マット層14中の複数の微粒子18のうちの少なくとも一部の微粒子がマット層14の表面に突出していることにより、マット層14は表面に凹凸形状を有することができる。マット層14が第一フィルム基材12と反対側の表面に凹凸形状を有する、すなわち、凹凸面14Aを有することにより、光学フィルム10のマット層14の表面上に他の部材を重ねた場合に、当該他の部材とのブロッキング(貼り付き)を抑制することができる。なお、微粒子18がマット層14の表面上に「突出する」とは、マット層14の微粒子18のない部分の表面を基準面として、微粒子18の表面の少なくとも一部の領域が当該基準面外側に位置していればよい。突出した微粒子18の表面はむき出しになっていてもよく、後述するバインダー樹脂等で覆われていてもよい。
微粒子18の平均粒子径は0.5μm以上10.0μm以下であり、2.0μm以上10.0μm以下であることが好ましい。微粒子18の平均粒子径が0.5μm以上であると、マット層14とマット層14と接する他の部材とのブロッキングの発生を抑制し易くなる。一方、微粒子18の平均粒子径が10.0μm以下であると、突出した微粒子18によってマット層14の表面の凹凸形状を小さく制御し易くなるので、マット層14の凹凸面14Aと接する他の部材が傷付くことを抑制し易くなる。
マット層14の厚さは0.5μm〜30μmであることが好ましい。本明細書において、マット層14の厚さは、凹凸形状を含んだ平均の厚さとする。マット層14の厚さは、JIS K5600に則り、質量法により測定される。マット層14が、この範囲の厚さを有すると、微粒子18がマット層14の表面に突出し易くなり、マット層14に凹凸面14Aが形成され易くなる。
マット層14中の微粒子18の含有量は、マット層14の全量を基準として2〜80質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましい。微粒子18の含有量が2質量%以上であると、微粒子18がマット層14の表面に突出し易くなり、マット層14とマット層14と接する他の部材とのブロッキングの発生を抑制し易くなる。一方、微粒子18の含有量が80質量%以下であると、マット層14の凹凸面14Aと接する他の部材が傷付くことを抑制し易くなる。
マット層14に含有される微粒子18のうち、マット層14の表面に突出した微粒子18の割合は、10〜100%であることが好ましく、50〜100%であることがより好ましい。突出した微粒子18の割合が10%以上であると、ブロッキングの発生を抑制し易くなる。
微粒子18の硬さは、ロックウェルR硬さスケールで100以下であり、90以下であることが好ましい。微粒子18のロックウェルR硬さスケールにおける硬さが100以下であると、マット層14の凹凸面14Aと接する他の部材が突出した微粒子18によって傷付くことを抑制し易くなる。また、同様の観点から、微粒子18の硬さは、ロックウェルM硬さスケールにおいて、50以下であることが好ましい。本明細書において、ロックウェルR硬さスケールでの硬さをHRRと称し、ロックウェルM硬さスケールでの硬さをHRMと称し、硬さスケールに関係なく単にロックウェル硬さと称することがある。
微粒子18は、ロックウェル硬さが上記範囲内にあれば特に限定されず、無機微粒子であってもよく、有機微粒子であってもよい。ロックウェル硬さを上記範囲内とするためには、微粒子18は有機微粒子であることが好適である。有機微粒子としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ナイロン等のポリアミド樹脂;アクリルウレタン樹脂;スチレン樹脂;ウレタン樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;シリコーン樹脂;アクリル樹脂等が挙げられる。微粒子18は、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の有機微粒子であることがより好ましく、ポリプロピレン樹脂粒子又はウレタン樹脂粒子であることがさらに好ましい。また、微粒子18が有機微粒子であると、微粒子18が球状粒子となり易く、また、滑らかな凹凸形状への形状制御が容易となる。微粒子18は、1種単独で使用されてもよく、複数種を組み合わせて使用されてもよい。なお、マット層14は、本発明の効果を阻害しない範囲において、微粒子18以外に、ロックウェル硬さが上記範囲内にない粒子を含有することもできる。
マット層14は導電性材料を含有していてもよい。マット層14が導電性材料を含有すると、マット層14の表面抵抗率が低下する傾向がある。マット層14の表面抵抗率は1.0×1013Ω/□以下であることが好ましい。マット層14の表面抵抗率が1.0×1013Ω/□以下であると、マット層14に帯電防止性能が好適に付与されるので、マット層14への塵埃等の付着又は混入が減少する傾向がある。このため、バックライトユニットの製造工程などにおいて、塵埃に起因するマット層14又は他の部材の傷付きが減少する傾向がある。導電性材料としては、例えば、四級アンモニウム塩化合物、導電性高分子、金属酸化物等が挙げられる。導電性材料は、1種単独で使用されてもよく、複数種を組み合わせて使用されてもよい。
四級アンモニウム塩化合物は四級アンモニウム塩を官能基として分子内に有する化合物であり、例えば、四級アンモニウム塩を官能基として分子内に有する(メタ)アクリレート化合物である。四級アンモニウム塩を官能基として分子内に有する(メタ)アクリレート化合物は、例えば、四級アンモニウム塩を官能基として分子内に有する多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル(すなわち、四級アンモニウム塩(メタ)アクリレートエステル化合物)、又は、ジイソシアネート、多価アルコール、及び(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル等の反応物(すなわち、四級アンモニウム塩ウレタン(メタ)アクリレート化合物)等であることができる。また、四級アンモニウム塩化合物には、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することもできる。四級アンモニウム塩は四級アンモニウムカチオンとアニオンとを備える。四級アンモニウム塩のアニオンとしては、例えば、Cl、Br、I、F、HSO 、SO 2−、NO 、PO 3−、HPO 2−、HPO 、SO 、OH等が挙げられる。
導電性高分子は、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンサルファイド、ポリ(1,6−ヘプタジイン)、ポリビフェニレン(ポリパラフェニレン)、ポリパラフェニレンスルフィド、ポリフェニルアセチレン、ポリ(2,5−チエニレン)、及びこれらの誘導体から選ばれる1種又は2種以上の混合物からなることができる。
金属酸化物としては、例えば、酸化ジルコニウム、アンチモン含有酸化スズ(ATO)、リン含有酸化スズ(PTO)、スズ含有酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、アルミニウム含有酸化亜鉛、酸化スズ、リチウム塩、アンチモン含有酸化亜鉛、インジウム含有酸化亜鉛等が挙げられる。
導電性材料の粒子径は、例えば500nm以下であり、100nm以下であることが好ましい。導電性材料の粒子径が500nm以下であると、導電性材料としてロックウェル硬さが上記範囲内にない粒子を用いたとしても、傷付き抑制の効果を損なうことなくマット層14の表面抵抗率を低下させることができる傾向がある。マット層14中の導電性材料の含有量は、マット層14の表面抵抗率が所望の範囲となるように導電性材料の種類ごとに適宜設定される。なお、マット層14と第一フィルム基材12との密着性の観点から、マット層14中の導電性材料の含有量は、30質量%以下であってもよい。
図1において、マット層14はさらにバインダー樹脂16を含有している。バインダー樹脂16は光学的透明性に優れた樹脂であり、熱可塑性樹脂の成形体であってもよく、熱硬化性樹脂又は放射線硬化性樹脂の硬化物であってもよい。バインダー樹脂を構成する樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
バインダー樹脂16が熱硬化性樹脂の硬化物である場合、熱硬化性樹脂の硬化物は該熱硬化性樹脂と硬化剤との反応物であってもよい。バインダー樹脂16は水酸基を有する熱硬化性樹脂とイソシアネート硬化剤との硬化物であることが好ましい。この場合、イソシアネート硬化剤が有するイソシアネート基と熱硬化性樹脂の水酸基とが反応し、熱硬化性樹脂とイソシアネート硬化剤とが硬化することができる。
イソシアネート硬化剤は、ポリオール樹脂を架橋できる観点から、イソシアネート基を2つ以上有するイソシアネート硬化剤であることが好ましく、イソシアネート基を2つ有するジイソシアネート硬化剤であることがより好ましい。ジイソシアネート硬化剤としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、及びこれらの誘導体が挙げられる。
マット層14は、例えば、マット層組成物を第一フィルム基材12上に塗布し、必要に応じて塗膜を乾燥及び硬化する、又は、成形することにより、形成される。マット層組成物は、例えば、上述の微粒子18、導電性材料、及び、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は放射線硬化性樹脂を含んで構成される。マット層組成物は、さらに、溶剤、光重合開始剤、レベリング剤、又は滑剤を含んでいてもよい。マット層組成物の塗布には、例えば、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーター等が用いられる。
マット層組成物が溶剤を含む場合、加熱又は送風により塗膜が乾燥される。加熱する場合の乾燥温度は、例えば、60〜100℃程度であり、乾燥時間は、例えば、10秒〜10分程度である。上記乾燥により塗膜から溶剤の多くが除去される。
マット層組成物が熱硬化性樹脂を含む場合、乾燥後の塗膜が加熱される。加熱温度は、例えば、50〜100℃程度であり、加熱時間は、例えば、12時間〜3日程度である。上記加熱により塗膜が硬化する。
マット層組成物が放射線硬化性樹脂を含む場合、乾燥後の塗膜に放射線が照射される。放射線は、例えば、紫外線又は電子線であることができる。紫外線は、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、及びキセノンアーク等の光源から発生される。また、電子線は、例えば、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、及び高周波型等の各種電子線加速器から発生される。上記放射線照射により塗膜が硬化する。
(第一フィルム基材)
第一フィルム基材12は、例えば、有機高分子フィルムであることができる。第一フィルム基材12は透明であることが好ましく、具体的には、第一フィルム基材12の全光線透過率が80%以上であることが好ましい。第一フィルム基材12としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系フィルム基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルム基材、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等のセルロース系フィルム基材、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系フィルム基材、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系フィルム基材、ポリスチレン系フィルム基材、ポリ塩化ビニル系フィルム基材、ポリイミド系フィルム基材、ポリビニルアルコール系フィルム基材、ポリカーボネート系フィルム基材、及びエチレンビニルアルコール系フィルム基材であることができる。
第一フィルム基材12の厚さは、例えば、5μm以上300μm以下であることが好ましい。第一フィルム基材12の厚さが5μm以上であると、第一フィルム基材12の強度が向上して、例えば、バックライトユニット作製工程等において、第一フィルム基材12の取り扱いが容易となる傾向がある。一方、第一フィルム基材12の厚さが300μm以下であると、ロールtoロール方式による成膜工程時において、第一フィルム基材12の取り扱いが容易となる傾向がある。
[光学バリアフィルム]
(第一実施形態)
図2は本発明の第一実施形態に係る光学バリアフィルムの概略断面図である。図2において、光学バリアフィルム20は、バリア層24と、光学フィルム10と、を備える。バリア層24は、光学フィルム10の第一フィルム基材12側の面上に形成されている。すなわち、光学バリアフィルム20は、第一フィルム基材12と、第一フィルム基材12の一方の面上に形成されたマット層14と、第一フィルム基材12の他方の面上に形成されたバリア層24と、を備えるということもできる。光学フィルム10はマット層14側の表面に凹凸形状を有する、すなわち、凹凸面14Aを有する。これにより、光学バリアフィルム20の光学フィルム10(マット層14)の表面上に他の部材を重ねた場合に、当該他の部材とのブロッキングを抑制することができる。また、光学バリアフィルム20を他の部材と重ねることがあっても、マット層14及びマット層14の凹凸面14Aと接する他の部材が突出した微粒子18によって傷付くことを抑制できる。なお、バリア層24は、密着層を介して、光学フィルム10の第一フィルム基材12側の面上に形成されていてもよい。
バリア層24は気体の侵入を遮断できる層である。バリア層24は無機薄膜層を含むことが好ましい。無機薄膜層は無機化合物を含み、金属又は金属酸化物を含むことが好ましい。上記金属としては、例えば、アルミニウム、銅、及び銀が挙げられる。また上記金属酸化物は、例えば、イットリウムタンタルオキサイド、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物、及びマグネシウム酸化物等からなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物であることができ、安価であり、水蒸気等の侵入を遮断するバリア性能に優れる点から、シリコン酸化物であることが好ましい。シリコン酸化物はSiOで表され、式中のxは1.5以上2.0以下であることが好ましい。xが1.5以上、より好ましくは1.7以上であると、透明性が向上する傾向がある。また、xが2.0以下であると、バリア性に優れる傾向がある。無機薄膜層は、例えば、蒸着法又はスパッタ法によって形成され、蒸着法によって形成された無機蒸着薄膜層であることが好ましい。無機薄膜層の厚さは、10〜300nmであることが好ましく、20〜100nmであることがより好ましい。無機薄膜層の厚さが10nm以上であることにより、均一な膜が得られやすく、ガスバリア性が得られやすくなる傾向がある。一方、無機薄膜層の厚さが300nm以下であることにより、無機薄膜層に柔軟性を保持させることができ、成膜後に折り曲げ、引っ張り等の外力により、亀裂等が生じにくくなる傾向がある。
バリア層24はガスバリア性被覆層を含んでいてもよい。バスバリア性被覆層は下記式(1)で表わされる金属アルコキシド及びその加水分解物からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物から形成されることが好ましい。
M(OR(Rn−m ・・・(1)
上記式(1)中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1〜8の1価の有機基であり、メチル基、エチル基等のアルキル基であることが好ましい。MはSi、Ti、Al、Zr等のn価の金属原子を示す。mは1〜nの整数である。金属アルコキシドとしては、例えば、テトラエトキシシラン[Si(OC]、トリイソプロポキシアルミニウム[Al(O−iso−C]等が挙げられる。金属アルコキシドは、加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であることから、テトラエトキシシラン又はトリイソプロポキシアルミニウムであることが好ましい。金属アルコキシドの加水分解物としては、例えば、テトラエトキシシランの加水分解物であるケイ酸(Si(OH))、及び、トリプロポキシアルミニウムの加水分解物である水酸化アルミニウム(Al(OH))等が挙げられる。これらは、1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。
上記組成物はさらに水酸基含有高分子化合物を含んでいてもよい。水酸基含有高分子化合物としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びデンプン等の水溶性高分子が挙げられる。水酸基含有高分子化合物はバリア性の観点からポリビニルアルコールであることが好ましい。これらは、1種だけでなく、複数種を組み合わせて使用することもできる。上記組成物における水酸基含有高分子化合物の含有量は、例えば、10〜90質量%である。
ガスバリア性被覆層の厚さは、50〜1000nmであることが好ましく、100〜500nmであることが好ましい。ガスバリア性被覆層の厚さが50nm以上であると、より十分なガスバリア性を得ることができる傾向があり、1000nm以下であると、十分な柔軟性を保持できる傾向がある。
バリア層24が無機薄膜層とガスバリア性被覆層の両方を含む場合、第一フィルム基材12の表面上に無機薄膜層が形成され、該無機薄膜層の表面上にガスバリア性被覆層が形成されていてもよい。
(第二実施形態)
図3は本発明の第二実施形態に係る光学バリアフィルムの概略断面図である。図3において、光学バリアフィルム20は、第二フィルム基材12a及びバリア層24aを含むバリア複合層22aと、光学フィルム10と、を備える。バリア複合層22aは、第一フィルム基材12とバリア層24aとが対向するように、光学フィルム10上に接着層26aを介して形成されている。
光学バリアフィルム20が第二フィルム基材12aを含むバリア複合層22aを備えることにより、水蒸気遮断性や酸素遮断性に優れるとともにバリア層等の損傷を一層低減した光学バリアフィルムを実現できる。第二フィルム基材12aの材料は第一フィルム基材12と同様であってもよい。第二フィルム基材12aの厚さは、例えば、5μm以上50μm以下であることが好ましい。第二フィルム基材12aの厚さが5μm以上であると、第二フィルム基材12aの強度が向上して、例えば、バックライトユニット作製工程等において、第二フィルム基材12aの取り扱いが容易となる傾向がある。一方、第二フィルム基材12aの厚さが50μm以下であると、基材端面からの水蒸気や酸素の侵入によるバリア性の低下を抑制することができる。
接着層26aは接着剤又は粘着剤から形成される。上記接着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤等が挙げられる。上記接着剤はエポキシ樹脂を含むことが好ましい。接着剤がエポキシ樹脂を含むことにより、光学フィルム10とバリア複合層22aとの密着性を向上させることができる。また、上記粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、でんぷん糊系接着剤等が挙げられる。接着層26aの厚さは0.5〜50μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましく、2〜6μmあることがさらに好ましい。接着層26aの厚さが0.5μm以上であることにより、光学フィルム10と光学バリアフィルム20との密着性が得られやすくなり、上記厚さが50μm以下であることにより、より優れたガスバリア性が得られやすくなる傾向がある。
第二実施形態に係る光学バリアフィルム20は、例えば、光学フィルム10とは別に第二フィルム基材12a上にバリア層24aを形成してバリア複合層22aを作製し、その後、光学フィルム10とバリア複合層22aとを貼り合わせ、必要に応じてエージングを行うことにより得ることができる。第二実施形態に係る光学バリアフィルム20の製造方法は上記に限定されない。
(第三実施形態)
図4は本発明の第三実施形態に係る光学バリアフィルムの概略断面図である。図4において、光学バリアフィルム20は、第二フィルム基材12a及びバリア層24aを含むバリア複合層22aと、光学フィルム10と、を備える。バリア複合層22aは、第一フィルム基材12と第二フィルム基材12aとが対向するように、光学フィルム10上に接着層26aを介して形成されている。
(第四実施形態)
図5は本発明の第四実施形態に係る光学バリアフィルムの概略断面図である。図5において、光学バリアフィルム20は、第二フィルム基材12a及びバリア層24aを含むバリア複合層22aと、第三フィルム基材12b及びバリア層24bを含むバリア複合層22bと、光学フィルム10と、を備える。バリア複合層22aは、第一フィルム基材12と第二フィルム基材12aとが対向するように、光学フィルム10上に接着層26aを介して形成されおり、バリア複合層22bは、バリア層24aとバリア層24bとが対向するように、バリア複合層22a上に接着層26bを介して形成されている。
[色変換フィルム]
図6は本発明の一実施形態に係る色変換フィルムの概略断面図である。色変換フィルムは液晶ディスプレイ用バックライトユニットの光源からの光の一部の波長を変換可能なフィルムである。図6において、色変換フィルム30は、色変換層32と、色変換層32を挟むように配置された光学バリアフィルム20と、を備える。光学バリアフィルム20は、マット層14が色変換層32と反対側を向くように色変換層32上に配置されている。したがって、色変換フィルム30はマット層14の凹凸面14Aに由来する凹凸面20A,20Bを有する。色変換フィルム30は表面に凹凸面20A,20Bを有することにより、色変換フィルム30の凹凸面20A,20B上に他の部材を重ねた場合に、当該他の部材とのブロッキングを抑制することができる。また、色変換フィルム30を、例えば、バックライトユニットを構成する導光板と重ねても、導光板が突出した微粒子18によって傷付くことを抑制できる。また、バリア層自身が傷付くことも抑制されることから、色変換層32に空気及び水蒸気の侵入が適切に低減されて、色変換フィルム30における色変換性能が長期間に亘って維持される。
本発明に係る色変換フィルムは上記実施形態に限定されない。図6において、色変換フィルム30は色変換層32を挟むように二つの保護フィルムが配置されており、二つの保護フィルムの少なくとも一方が光学バリアフィルム20であればよい。二つの保護フィルムの両方が光学バリアフィルム20である場合、第一実施形態〜第四実施形態のいずれの実施形態に係る光学バリアフィルムであってもよく、任意に組み合わせて用いてもよい。
色変換層32は樹脂及び蛍光体を含む。色変換層32の厚さは数十〜数百μmである。上記樹脂としては、例えば、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を使用することができる。色変換層32は、発光ナノ結晶(量子ドット)からなる2種類の蛍光体を含むことが好ましい。また、色変換層32は、1種類の蛍光体を含む蛍光体層と別の種類の蛍光体を含む蛍光体層が2層以上積層されたものであってもよい。2種類の蛍光体には、励起波長が同一のものが選択される。励起波長は、バックライトユニットの光源が照射する光の波長に基づいて選択される。2種類の蛍光体の蛍光色は相互に異なる。光源に青色発光ダイオード(青色LED)を用いる場合、各蛍光色は、赤色及び緑色である。各蛍光の波長、及び光源が照射する光の波長は、カラーフィルタの分光特性に基づき選択される。蛍光のピーク波長は、例えば、赤色で610nmであり、緑色で550nmである。
次に、蛍光体の粒子構造を説明する。蛍光体としては、特に発光効率の良いコア・シェル型発光ナノ結晶が好適に用いられる。コア・シェル型発光ナノ結晶は、例えば、無機材料を含む材料、好ましくは、無機導体又は半導体材料を含む材料から製造される。
半導体材料としては、例えば、II−VI族、III−V族、IV−VI族、及びIV族半導体が挙げられる。半導体材料は、より具体的には、例えば、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイヤモンドを含む)、P、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、Si、Ge、Al、(Al,Ga,In)(S,Se,Te)、及びAlCOのいずれか一種、又は、これらの2種以上の任意の組合せを含む。
ナノ結晶は、例えば、p型又はn型のドーパントを含むことができる。また、ナノ結晶は、例えば、II−VI又はIII−V半導体を含むことができる。II−VI半導体ナノ結晶は、例えば、Zn、Cd、及びHgなどのII族の元素と、S、Se、Te、及びPoなどのVI族の元素との任意の組合せを含む。III−V半導体ナノ結晶は、例えば、B、Al、Ga、In、及びTlなどのIII族の元素と、N、P、As、Sb、及びBiなどのV族の元素との任意の組合せを含む。
コア・シェル型発光ナノ結晶は、発光部としての半導体結晶コアが保護膜としてのシェルにより被覆されたものである。例えば、コアにはセレン化カドミウム(CdSe)、シェルには硫化亜鉛(ZnS)が使用可能である。CdSeの粒子の表面欠陥がバンドギャップの大きいZnSにより被覆されることで量子収率が向上する。また、蛍光体は、コアが第一シェル及び第二シェルにより二重に被覆されたものであってもよい。この場合、コアにはCdSe、第一シェルにはセレン化亜鉛(ZnSe)、第二シェルにはZnSが使用可能である。
色変換層32は、蛍光体を全て単一の層に分散させた単層構成を有していてもよく、各蛍光体を複数の層に別々に分散させ、これらを積層する多層構成を有していてもよい。
次に、本実施形態の色変換フィルム30の製造方法について説明する。色変換層32の形成方法としては、特に限定されず、例えば、特表2013−544018号明細書に記載される方法が挙げられる。バインダー樹脂に蛍光体を分散させ、調製した蛍光体分散液を光学バリアフィルム20(第一保護フィルム)のマット層14と反対側の面上に塗布した後、塗布面に別の光学バリアフィルム20(第二保護フィルム)を、マット層14が色変換層32と反対側を向くように貼り合わせ、色変換層32を硬化することにより、色変換フィルム30を製造することができる。
[バックライトユニット]
図7は本発明の一実施形態に係るバックライトユニットの概略断面図である。図7において、バックライトユニット40は、光源42と、導光板46と、導光板46上に配置された色変換フィルム30と、を備える。色変換フィルム30は、凹凸面20A(すなわち、マット層14の凹凸面14A)が導光板46と接するように配置されている。詳細には、バックライトユニット40は、色変換フィルム30の凹凸面20A上に導光板46及び反射板44がこの順で配置され、光源42は上記導光板46の側方(導光板46の面方向)に配置される。バックライトユニット40は、色変換フィルム30が接する導光板46が傷付くことを抑制することができる。また、バリア層自身が傷付くことも抑制されることから、色変換層に空気及び水蒸気の侵入が適切に低減されて、バックライトユニットから長期間に亘って良好な白色光を得ることができる。
導光板46及び反射板44は、光源42から照射された光を効率的に反射し、導くものであり、公知の材料が使用される。導光板46としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、及びシクロオレフィンフィルム等が使用される。導光板46に使用される材料は、大きな硬度を有しないことが多く、他の部材との接触により傷付きやすい傾向がある。特に、ポリカーボネートは透明性の高さと加工の容易さから一般に使用されるが、表面硬度が低く傷付きやすい。光源42には、例えば、青色発光ダイオード素子が複数個設けられている。この発光ダイオード素子は、紫色発光ダイオード、又はさらに低波長の発光ダイオードであってもよい。光源42から照射された光は、導光板46(D方向)に入射した後、反射及び屈折等を伴って色変換層32(D方向)に入射する。色変換層32を通過した光は、色変換層32を通過する前の光に色変換層32で発生した黄色光が混ざることで、白色光となる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[光学フィルムの作製]
(実施例1)
熱硬化性樹脂100質量部、微粒子10質量部、イソシアネート硬化剤8.5質量部、導電性材料2.0質量部、及び、溶剤70質量部を混合して、マット層組成物を作製した。熱硬化性樹脂にはDIC社製のアクリル樹脂(商品名:アクリディックA−814)を用い、微粒子にはポリプロピレン微粒子(平均粒子径3μm)を用い、イソシアネート硬化剤にはDIC社製のポリイソシアネート(商品名:バーノックDN−980)を用い、導電性材料には共栄社化学製の四級アンモニウム塩材料(商品名:ライトエステルDQ100)を用い、溶剤には酢酸エチルを用いた。
第一フィルム基材上に、マット層組成物を塗布し、ワイヤーバーコーターによって塗膜を形成した。続いて、この塗膜を80℃30秒間加熱して、塗膜を乾燥させた。この乾燥した塗膜に対して、60℃2日間エージングを行って、実施例1の光学フィルムを作製した。光学フィルムにおけるマット層の厚さは3μmであった。第一フィルム基材には、帝人デュポンフィルム社製のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)を用いた。
(実施例2)
微粒子としてウレタン系微粒子(平均粒子径2μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法により、実施例2の光学フィルムを作製した。
(実施例3)
微粒子としてウレタン系微粒子(平均粒子径6μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法により、実施例3の光学フィルムを作製した。
(実施例4)
微粒子としてウレタン系微粒子(平均粒子径10μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法により、実施例4の光学フィルムを作製した。
(比較例1)
微粒子としてウレタン系微粒子(平均粒子径10μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法により、比較例1の光学フィルムを作製した。
(比較例2)
微粒子としてポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子径5μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法により、比較例2の光学フィルムを作製した。
(比較例3)
微粒子としてウレタン系微粒子(平均粒子径15μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法により、比較例3の光学フィルムを作製した。
(比較例4)
微粒子としてポリカーボネート系微粒子(平均粒子径8μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法により、比較例2の光学フィルムを作製した。
[評価方法]
(ロックウェル硬さ)
実施例及び比較例に用いた微粒子のロックウェルM硬さスケールにおける硬さ(HRM)、及び、ロックウェルR硬さスケールにおける硬さ(HRR)を、ロックウェル硬さ試験機を用いて測定した。なお、ロックウェルM硬さスケールにおける硬さ測定において、荷重は98.07N、圧子直径は6.35mm、荷重時間は15秒に設定した。また、ロックウェルR硬さスケールにおける硬さ測定において、荷重は98.07N、圧子直径は12.7mm、荷重時間は15秒に設定した。実施例及び比較例に用いた微粒子のロックウェル硬さ(HRM及びHRR)の測定結果を表1に示す。
(表面抵抗率)
実施例及び比較例で得られた光学フィルムのマット層の表面について、高抵抗抵抗率計(商品名:ハイレスターMCP−HT260、ダイアインスツルメンツ社製)を用い、JIS−K6911に準拠して表面抵抗率を測定した。実施例及び比較例で得られた光学フィルムのマット層の表面抵抗率の評価結果を表1に示す。
(傷付け防止性)
実施例及び比較例で得られた光学フィルムを4cm×4cmの大きさに切り取り、切り取った光学フィルムのマット層とポリカーボネートフィルムとを互いに接するように重ね、室温で25kgf/cmの荷重下で30秒間放置した。その後、光学フィルムとポリカーボネートフィルムとを目視及び顕微鏡によって観察して、下記基準に従って傷付け防止性を評価した。なお、ポリカーボネートフィルムは、バックライトユニットの導光板を模して用意した。ポリカーボネートフィルムの厚みは188μmであった。
A:光学フィルムのマット層及びポリカーボネートフィルムに傷が認められない。
B:光学フィルムのマット層及びポリカーボネートフィルムの少なくとも一方に傷が認められる。
C:光学フィルムのマット層及びポリカーボネートフィルムの少なくとも一方に傷が顕著に認められる。
(アンチブロッキング性)
実施例及び比較例で得られた光学フィルムのマット層とポリカーボネートフィルムとを、互いに接するように重ね、温度60℃、50kgf/cmの荷重下で、2時間放置した。その後、光学フィルムとポリカーボネートフィルムとを目視によって観察して、下記基準に従ってアンチブロッキング性を評価した。アンチブロッキング性は、重ねられたフィルム同士の貼り付き難さを示す。ポリカーボネートフィルムは、バックライトユニットの導光板を模して用意した。ポリカーボネートフィルムの厚みは188μmであった。
A:ブロッキングが認められない。
B:ブロッキングが認められる。
C:ブロッキングが顕著に認められる。
Figure 0006641946
実施例1〜4では、アンチブロッキング性に加えて優れた傷付け防止性が得られることが確認された。一方、比較例1〜4では、十分な傷付け防止性が得られないことが確認された。
[光学バリアフィルムの作製]
基材フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ:25μm)の片面上に、下記密着層組成物を塗工して、厚さ0.1μmの密着層を積層した。次に、密着層の上に、無機薄膜層(シリカ蒸着層)をその厚さが30nmとなるように物理蒸着法によって積層した。次に、シリカ蒸着層の上に、下記ガスバリア性被覆層組成物を用いたウエットコーティング法によって塗布し、厚さ1μmのガスバリア性被覆層を形成した。以上にようにして、基材フィルム上に無機薄膜層(シリカ蒸着層)とガスバリア性被覆層とからなるバリア層を備えたバリア複合層となる積層体を2枚作製し、アクリル系粘着剤を介して、これらをバリア層が対向するように貼り合せ、バリア複合層積層体を得た。
密着層組成物は、アクリルポリオールとトリレンジイソシアネートとを酢酸エチルに溶解させて作製した。アクリルポリオールのOH基とトリレンジイソシアネートのNCO基とは互いに等量となるように、これらを溶解させた。酢酸エチル溶液におけるアクリルポリオールとトリレンジイソシアネートとを合わせた固形分の濃度は5質量%であった。
ガスバリア性被覆層組成物は、以下のようにして作製した。テトラエトキシシラン10.4gを0.1N(規定濃度)の塩酸89.6gに加え、この塩酸溶液を30分間撹拌して、テトラエトキシシランを加水分解して、テトラエトキシシランの加水分解溶液を得た。加水分解後の固形分の濃度は、SiO換算で3質量%であった。テトラエトキシシランの加水分解溶液と、ポリビニルアルコールの3質量%水溶液とを混合してガスバリア性被覆層組成物を作製した。テトラエトキシシランの加水分解溶液と、ポリビニルアルコール水溶液との配合比は、質量%換算で50対50とした。
実施例で作製した光学フィルムのマット層と反対側の面に、アクリル系粘着剤を介して、上記バリア複合層積層体を貼り合せることで、各実施例に対して光学バリアフィルムを2枚ずつ作製した。
[色変換フィルムの作製]
セレン化カドミウム(CdSe)の粒子に硫化亜鉛(ZnS)を被覆したコア・シェル構造を有する蛍光体(商品名:CdSe/ZnS 530、SIGMA−ALDRICH社製)を分散媒中に分散して濃度調整することで蛍光体分散液を調製した。上記蛍光体分散液をエポキシ系感光性樹脂と混合して、蛍光体組成物を得た。上記光学バリアフィルムのバリア複合層側の面上に、上記蛍光体組成物を塗布し、100μmの厚さを有する色変換層を形成した。
次に色変換層上に、もう1枚の光学バリアフィルムのバリア複合層側の面が色変換層側に向くように配置して積層した後、紫外線照射により色変換層(感光性樹脂)を硬化させることで、実施例で作製した光学フィルムを備えた色変換フィルムを得た。得られた色変換フィルムとポリカーボネートからなる導光板とを重ね、色変換フィルムとLED光源と導光板とを備えるバックライトユニットを作製した。作製したバックライトユニットを高温高湿環境下に長時間曝露し、曝露後のバックライトユニットに対してダークスポット発生の有無を評価したところ、ダークスポットの発生は確認されなかった。これは色変換フィルムと他部材を重ねた際にバリア層が傷付けられなかったことによるものと考えられる。
本発明に係る光学フィルムを用いることにより得られる光学バリアフィルムは優れたガスバリア性を有し、これを用いて得られる色変換フィルム及びバックライトユニットは、高温高湿環境下に長期間曝露された場合にもダークスポット等の表示上の欠陥の発生を抑制することができる。
本発明に係る光学フィルムは、他の部材とのブロッキングが防止された上で、マット層及びこれに対向する他の部材の表面に傷が付きにくいことから、電子デバイスの製造に好適に用いられ、特に、高度なガスバリア性が求められる液晶ディスプレイ用バックライトユニットに好適に用いられる。
10…光学フィルム、12…第一フィルム基材、14…マット層、14A…凹凸面、16…バインダー樹脂、18…微粒子、20…光学バリアフィルム、22a,22b…バリア複合層、24,24a,24b…バリア層、30…色変換フィルム、32…色変換層、40…バックライトユニット。

Claims (7)

  1. 第一フィルム基材及び該第一フィルム基材上に形成されたマット層を含む光学フィルムと、前記光学フィルムの前記第一フィルム基材側の面上に形成されたバリア層と、を備え、
    前記マット層は微粒子を含有し、
    少なくとも一部の前記微粒子が前記マット層の前記第一フィルム基材と反対側の表面に突出しており、
    突出した前記微粒子の割合が10%以上であり、
    前記微粒子の平均粒子径が0.5μm以上10.0μm以下であり、
    前記微粒子の硬さが、ロックウェルR硬さスケールで100以下である、光学バリアフィルム。
  2. 第一フィルム基材及び該第一フィルム基材上に形成されたマット層を含む光学フィルムと、第二フィルム基材及びバリア層を含むバリア複合層と、を備え、
    前記バリア複合層は、前記光学フィルムの前記第一フィルム基材側の面上に形成されており、
    前記マット層は微粒子を含有し、
    少なくとも一部の前記微粒子が前記マット層の前記第一フィルム基材と反対側の表面に突出しており、
    前記微粒子の平均粒子径が0.5μm以上10.0μm以下であり、
    前記微粒子の硬さが、ロックウェルR硬さスケールで100以下である、光学バリアフィルム。
  3. 前記マット層はさらに、四級アンモニウム塩化合物、導電性高分子、及び金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の導電性材料を含有する、請求項1又は2に記載の光学バリアフィルム。
  4. 前記マット層の表面抵抗率が1.0×1013Ω/□以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学バリアフィルム。
  5. 前記バリア層は、SiO(1.0≦x≦2.0)で表されるシリコン酸化物からなる無機蒸着薄膜層を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学バリアフィルム。
  6. 色変換層と、該色変換層を挟むように配置された二つの保護フィルムと、を備え、
    前記二つの保護フィルムの少なくとも一方が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学バリアフィルムであり、
    前記光学バリアフィルムは、前記マット層が前記色変換層と反対側を向くように配置されている色変換フィルム。
  7. 光源と、導光板と、該導光板上に配置された請求項に記載の色変換フィルムと、を備え、
    前記色変換フィルムは、前記マット層が前記導光板と接するように配置されている、バックライトユニット。
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