JP5578685B2 - 低ガス透過性シリコーン成形物およびそれを用いた光半導体装置 - Google Patents
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Description
(A)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン樹脂 30〜95質量部、
R 1 a R 2 b R 3 c (OX) d SiO (4−a−b−c―d)/2 (1)
(式中、R 1 は炭素数4〜8のシクロアルキル基であり、R 2 はシクロアルキル基及びアルケニル基でない、置換もしくは非置換の、炭素数1〜10の一価炭化水素基であり、R 3 は炭素数2〜8のアルケニル基であり、a、b、cおよびdは、それぞれa>0、b>0、c>0、及びd>0であり、a+b+c+d=1.0〜2.0を満たす数であり、Xは、置換もしくは非置換の、炭素数1〜8の一価炭化水素基、または水素原子である)
(B)下記平均組成式(2)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン 5〜70質量部、
R 1 e R 2 f H g (OX) h SiO (4−e−f−g−h)/2 (2)
(式中、R 1 、R 2 及びXは上記記載のとおりであり、e、f、gおよびhは、それぞれe>0、f>0、g>0、及びh>0であり、e+f+g+h=1.0〜2.0を満たす数である)
(但し、(A)成分と(B)成分の合計質量は100質量部である)
(C)付加反応触媒 (A)及び(B)成分の合計100質量部に対し有効成分量(質量)で0.0001〜0.5質量部となる量、及び
(F)光励起材料 シリコーン樹脂組成物全体の質量に対して0.1〜80質量%。
さらに、本発明は、上記成形物を備えた光半導体装置、及び、上記成形物を防湿用部材または波長変換シートとして使用する方法を提供する。
(A)成分は、1分子中に少なくとも2個の、ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するシリコーン樹脂であり、特には、1分子中に少なくとも1個の、ケイ素原子に結合したシクロアルキル基を有するシリコーン樹脂であるのがよい。該シリコーン樹脂としては下記平均組成式(1)で示されるシリコーン樹脂が好ましい。
[化1]
R1 aR2 bR3 c(OX)dSiO(4−a−b−c―d)/2 (1)
式中、R1は炭素数4〜8のシクロアルキル基であり、R2はシクロアルキル基及びアルケニル基でない、置換もしくは非置換の、炭素数1〜10の一価炭化水素基であり、R3は炭素数2〜8のアルケニル基であり、a、b、cおよびdは、それぞれa>0、b>0、c>0、及びd>0であり、a+b+c+d=1.0〜2.0を満たす数であり、Xは、置換もしくは非置換の、炭素数1〜8の一価炭化水素基、または水素原子である。
[測定条件]
展開溶媒:THF
流量:0.6mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK Guardcolomn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(濃度0.5重量%のTHF溶液)
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤として作用するものであり、該成分中のケイ素原子に結合した水素原子(以下、SiH基)と成分(A)中のアルケニル基とが付加反応することにより硬化物を形成する。かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合した水素を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであればいずれのものでもよく、一分子中にSiH基を少なくとも2個、好ましくは3個以上有するものが好適に用いられる。特には、本発明のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合したシクロアルキル基を有するのがよい。
[化10]
R1 eR2 fHg(OX)hSiO(4−e−f−g−h)/2 (2)
式中、R1、R2及びXは上述のとおりであり、e、f、gおよびhは、それぞれe>0、f>0、g>0、及びh>0であり、e+f+g+h=1.0〜2.0を満たす数である。分子中SiH基の位置は特に制限されず、分子鎖の末端であっても途中であってもよい。
[化12]
(CySiOs’/2)i[CyCH3SiOt’/2]j[(CH3)2HSiO]k(OX)l
上記式において、Cyはシクロヘキシル基を示し、Xは上述のとおりであり、i、j、kは各単位のモル比を示し、iは0.1〜0.9、jは0.01〜0.8、kは0.03〜0.3の数、lは0.01〜0.2の数である。s’は1〜3の数、t’は1〜2の数である。OXは、酸素原子が式中のSi原子のいずれかに結合しており、結合位置は特に制限されるものではない。
触媒は付加反応を促進するために配合され、白金系、パラジウム系、ロジウム系等の金属系触媒が使用できるが、コスト等の見地から白金族金属系触媒であることがよい。白金族金属系触媒としては、例えば、H2PtCl6・mH2O、K2PtCl6、KHPtCl6・mH2O、K2PtCl4、K2PtCl4・mH2O、PtO2・mH2O(mは、正の整数)等が挙げられる。また、前記白金族金属系触媒とオレフィン等の炭化水素、アルコールまたはビニル基含有オルガノポリシロキサンとの錯体等を用いることができる。上記触媒は単独でも、2種以上の組み合わせであってもよい。
酸化防止剤は、シリコーン樹脂組成物の耐熱性を向上するための耐熱劣化防止剤として使用する。このような酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.001〜10質量部、好ましくは0.001〜3質量部、更に好ましくは0.01〜1質量部となる量である。配合量が前記上限値超では、残存した酸化防止剤が硬化後の樹脂の表面に析出するため好ましくなく、前記下限値未満では、耐変色性が低下するため好ましくない。
接着付与剤は、本発明におけるシリコーン樹脂組成物のLCP等のパッケージ材料や金属基板および半導体素子などに対する接着性を付与することを目的として使用する。接着付与剤としては、シクロヘキシルトリメチルシラン、シクロヘキシルトリエチルシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等や、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン及びそのオリゴマー等が挙げられる。これらの接着付与剤は、単独でも2種以上混合して使用してもよい。該接着付与剤は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し、0.1〜10質量部、特に0.1〜5質量部となる量で配合することが好ましい。中でも、ケイ素に直結したシクロヘキシル基を有する接着付与剤を用いることが好ましい。
光励起材料は、例えば、窒化物系半導体を発光層とする半導体発光ダイオードからの光を吸収し、異なる波長の光に波長変換するものであればよい。該光励起材料としては、公知の蛍光体を使用することができるが、中でも、光励起材料が波長400nm以上の光を励起するものがよい。例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される窒化物系蛍光体または酸窒化物系蛍光体、Eu等のランタノイド系、及びMn等の遷移金属系の元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類金属ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類金属硫化物蛍光体、アルカリ土類金属チオガレート蛍光体、アルカリ土類金属窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体、Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体、希土類ケイ酸塩蛍光体、Eu等のランタノイド系元素で主に賦活される有機及び有機錯体蛍光体、及びCa−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラス蛍光体等から選ばれる少なくともいずれか1以上であることが好ましい。
シリコーン樹脂組成物は、上述した各成分を同時に、又は別々に、必要により加熱処理を加えながら攪拌、溶解、混合、及び分散させることにより調製される。使用前に硬化反応が進行しないように、成分(A)及び(C)と、成分(B)とを2液に分けて保存し、使用時に該2液を混合して硬化を行うこともできる。成分(B)と成分(C)を1液で保存すると脱水素反応を起こす危険性があるため、成分(B)と成分(C)を分けて保存するのがよい。また、アセチレンアルコール等の硬化抑制剤を少量添加して1液として用いることもできる。
本発明は、上記シリコーン樹脂組成物から製造されるシート状またはフィルム状成形物である。該成形物は、上記シリコーン樹脂組成物をシート状またはフィルム状に成形し、次いで硬化することによって製造することができる。フィルム状成形物の膜厚は0.1μm以上であるのが良く、好ましくは0.5μm〜500μm、より好ましくは0.8μm〜200μmである。シート状成形物の膜厚は、好ましくは500μm〜30mm、より好ましくは500μm〜15mmである。成形方法は従来公知の方法を使用すればよい。例えば、ロールコーターやスピンコーターなどが使用できる。成形条件は、特に制限されるものではないが、通常、50〜150℃、好ましくは60〜150℃で、10秒〜30分、好ましくは30秒〜10分である。成形物の製造には、必要に応じて、成形物を任意の大きさに切断する等、成形物を加工する工程を含んでいてもよい。シート状成形物を製造する場合は、フィルム状成形物の複数枚を積層し、従来公知の方法で圧着又は接着することによって製造してもよい。
[測定条件]
展開溶媒:THF
流量:0.6mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK Guardcolomn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(濃度0.5重量%のTHF溶液)
フラスコにトルエン2000g、水3149g、12M−HCl 2611gを加え、シクロヘキシルトリメトキシシラン1226g(6.00mol)、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン1256g(6.67mol)、ビニルジメチルクロロシラン40.2g(0.33mol)、ビニルメチルジクロロシラン46.5g(0.33mol)、トルエン440gを混合したものを滴下した。滴下終了後3時間攪拌し、廃酸分離し水洗した。無機合成吸着剤であるキョーワード(登録商標)2200(協和化学(株)製)100gを加えて共沸脱水した後、加圧濾過および減圧留去を行い、下記構造式で示されるシクロヘキシル基含有ビニルシリコーンレジンを得た。該シリコーンレジン中のシクロヘキシル基含有量は58.0質量%であり、ビニル基含有量は0.052mol/100gであった。THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は12000であった。また、29Si-NMR測定により求められたSi原子に結合しているOX基の量(即ち、SiOH基とSiOCH3基の合計量)は2.3mol%であった。
フラスコにトルエン2000g、水3101g、12M−HCl 2611gを加え、シクロヘキシルトリメトキシシラン1226g(6.00mol)、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン1256g(6.67mol)、ジメチルクロロシラン63.38g(0.67mol)、トルエン394gを混合したものを滴下した。滴下終了後3時間攪拌し、廃酸分離し水洗した。キョーワード(登録商標)2000(協和化学(株)製)100gを加えて共沸脱水した後、加圧濾過および減圧留去を行い、下記構造式で示されるシクロヘキシル基含有ハイドロジェンシリコーンレジンを得た。該シリコーンレジン中のシクロヘキシル基含有量は58.4質量%であり、SiH基含有量は0.051mol/100gであった。THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は13000であった。また、29Si-NMR測定により求められたSi原子に結合しているOX基の量(即ち、SiOH基とSiOCH3基の合計量)は2.1mol%であった。
ビニルメチルジメトキシシラン158.01g(1.195mol)、シクロヘキシルトリメトキシシラン712.70g(3.585mol)、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン525.51g(2.385mol)、IPA1500mlを仕込み、25wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液49.20g、水444gを混合し加え、3時間攪拌した。トルエンを加え、リン酸二水素ナトリウム水溶液で中和し、水洗を行い、減圧留去を行い、下記構造式で示される接着付与剤を得た。該シリコーンレジン中のシクロヘキシル基含有量は34.1質量%であった。THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は4000であった。また、29Si-NMR測定により求められたSi原子に結合しているOX基の量(即ち、SiOH基とSiOCH3基及びSiOCH(CH3)2基の合計量)は1.8mol%であった。
フラスコにトルエン2000g、水5317g、12M−HCl 2611gを加え、シクロヘキシルトリメトキシシラン1226g(6.00mol)、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン2512g(13.34mol)、ビニルジメチルクロロシラン40.2g(0.33mol)、ビニルメチルジクロロシラン46.5g(0.33mol)、トルエン440gを混合したものを滴下した。滴下終了後3時間攪拌し、廃酸分離し水洗した。キョーワード(登録商標)2200(協和化学(株)製)100gを加え、共沸脱水した後に、加圧濾過および減圧留去を行い、下記構造式で示されるシクロヘキシル基含有ビニルシリコーンレジンを得た。該シリコーンレジン中のシクロヘキシル基含有量は58.1質量%であった。THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は16000であった。また、29Si-NMR測定により求められたSi原子に結合しているOX基の量(即ち、SiOH基とSiOCH3基の合計量)は1.7mol%であった。
フラスコにトルエン2000g、水5317g、12M−HCl 2611gを加え、シクロヘキシルトリメトキシシラン1226g(6.00mol)、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン2512g(13.34mol)、ジメチルクロロシラン63.4g(0.67mol)、トルエン394gを混合したものを滴下した。滴下終了後3時間攪拌し、廃酸分離し水洗した。キョーワード(登録商標)2000(協和化学(株)製)100gを加え、共沸脱水した後に加圧濾過および減圧留去を行い、下記構造式で示されるシクロヘキシル基含有ハイドロジェンシリコーンレジンを得た。該シリコーンレジン中のシクロヘキシル基含有量は58.5質量%であり、THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は11000であった。29Si-NMR測定により求められたSi原子に結合しているOX基の量(即ち、SiOH基とSiOCH3基の合計量)は2.0mol%であった。
フェニルトリクロロシラン1142.1g(87.1mol%)、ClMe2SiO(Me2SiO)33SiMe2Cl:529g(3.2mol%)、メチルビニルジクロロシラン84.6g(9.7mol%)をトルエン溶剤に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、フェニル基含有ビニルシリコーンレジンを得た。THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は62000であった。29Si-NMR測定により求められたSiOH量は2.1mol%であった。
フェニルトリクロロシラン1142.1g(87.1mol%)、ClMe2SiO(Me2SiO)33SiMe2Cl:529g(3.2mol%)、メチルジクロロシラン69g(9.7mol%)をトルエン溶剤に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、フェニル基含有ハイドロジェンシリコーンレジンを得た。THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は58000であった。29Si-NMR測定により求められたSiOH量は2.0mol%であった。
フェニルトリクロロシラン1142.1g(87.1mol%)、ClMe2SiO(Me2SiO)33SiMe2Cl:529g(3.2mol%)、ジメチルビニルクロロシラン72.3g(9.7mol%)をトルエン溶剤に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、フェニル基含有ビニルシリコーンレジンを得た。THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は63000であった。29Si-NMR測定により求められたSiOH量は1.8mol%であった。
フェニルトリクロロシラン1142.1g(87.1mol%)、ClMe2SiO(Me2SiO)33SiMe2Cl:529g(3.2mol%)、ジメチルクロロシラン56.7g(9.7mol%)をトルエン溶剤に溶解後、水中に滴下し、共加水分解し、更に水洗、アルカリ洗浄にて中和、脱水後、溶剤をストリップし、フェニル基含有ハイドロジェンシリコーンレジンを得た。THFを溶媒として用いたGPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量は57000であった。29Si-NMR測定により求められたSiOH量は2.2mol%であった。
合成例1で調製したシクロヘキシル基含有ビニルレジン100g、合成例2で調製したシクロヘキシル基含有ハイドロジェンシリコーンレジン100g、塩化白金酸のビニルシリコーン変性溶液(白金濃度1質量%)0.2g、酸化防止剤としてアデカスタブAO−60(旭電化株式会社製)0.1g、反応抑制剤としてアセチレンアルコール系のエチニルシクロヘキサノール0.6g、合成例3で調製した接着付与剤6.0g、及び450nmの波長を励起するアルカリ土類金属ケイ酸塩系蛍光体10gを加えて混合して、シリコーン樹脂組成物を調製した。該シリコーン樹脂組成物中のシクロアルキル基の含有量は54.4質量%であった。該シリコーン樹脂組成物をコンプレッション成形機にて150℃、5分で圧縮成形し、その後150℃のオーブンにて5分間加熱して硬化し、縦150mm×横150mm×厚み0.1mmを有するフィルム状成形物1を製造した。
合成例4で調製したシクロヘキシル基含有ビニルレジン100gと合成例5で調製したシクロヘキシル基含有ハイドロジェンシリコーンレジン100gを使用した以外は実施例1と同じ方法によりシリコーン樹脂組成物を調製した。該シリコーン樹脂組成物中のシクロアルキル基の含有量は54.7質量%であった。実施例1と同じ方法により縦150mm×横150mm×厚み0.1mmを有するフィルム状成形物2を製造した。
硬さ(ShoreD)
各フィルム状成形物の硬さ(ShoreD)をJIS K 6253に準拠して測定した。
引張強さ
各フィルム状成形物を厚さ1mmになるように積層成形し、該成形物の引張強さをJIS K 6251に準拠して測定した。
伸び率
各フィルム状成形物を厚さ1mmになるように積層成形し、該成形物の伸び率をJIS K 6251に準拠して測定した。
水蒸気透過性
上記厚さ1mmの積層成形物の透湿度(水蒸気透過性)をJIS K 7129に準拠してLyssy法(装置名 Lyssy社 L80−5000)により測定した。
蛍光体の分散度合い
上記縦150mm×横150mm×厚み0.1mmを有するフィルム状成形物をセラミック基板上に圧着し、次いでダイサーで該成形物を縦に切った。顕微鏡を用いて該切断面を目視にて観察し、該成形物上下の蛍光体の分散度合いを評価した。
耐高温高湿性
上記縦150mm×横150mm×厚み0.1mmを有するフィルム状成形物を85℃/85RH%の高温高湿オーブン中に1週間放置し、放置前後での該成形物の重量変化の値から吸湿率を測定した。
合成例1で調製したシクロヘキシル基含有ビニルレジン100g、合成例2で調製したシクロヘキシル基含有ハイドロジェンシリコーンレジン100g、塩化白金酸のビニルシリコーン変性溶液(白金濃度1質量%)0.2g、酸化防止剤としてアデカスタブAO−60(旭電化株式会社製)0.1g、反応抑制剤としてアセチレンアルコール系のエチニルシクロヘキサノール0.6g、合成例3で調製した接着付与剤6.0gを加えて混合した。得られたシリコーン樹脂組成物中のシクロアルキル基の含有量は57.2質量%であった。該シリコーン樹脂組成物をコンプレッション成形機にて150℃、5分で圧縮成形し、その後150℃のオーブンでさらに5分間加熱して硬化し、縦150mm×横150mm×厚み0.1mmを有するフィルム状成形物3を得た。該フィルム状成形物の硬さ、引張強さ、伸び率、水蒸気透過性、及び耐高温高湿性を実施例1及び2と同じ方法により測定した。結果を表1に示す。
(1)ポリシロキサン(VF):
(3)ハイドロジェンポリシロキサン(HDM):
合成例6で得られたフェニル基含有ビニルレジン189g、合成例7で得られたフェニル基含有ハイドロジェンシリコーンレジン189g、反応抑制剤としてアセチレンアルコール系のエチニルシクロヘキサノール0.2g、塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金濃度1質量%)0.1gを加えてベース組成物を調製した。該ベース組成物に酸化防止剤としてIrganox1076(BASFジャパン株式会社製)0.1g、反応抑制剤としてアセチレンアルコール系のエチニルシクロヘキサノール0.6g、合成例3で調製した接着付与剤6.0g、及び450nmの波長を励起するアルカリ土類金属ケイ酸塩系蛍光体10gを加えて混合し、シリコーン樹脂組成物を調製した。該シリコーン樹脂組成物をコンプレッション成形機にて150℃、5分で圧縮成形し、その後150℃のオーブンにて5分間加熱して硬化し、縦150mm×横150mm×厚み0.1mmを有するフィルム状成形物を製造した。該成形物の各物性を実施例と同じ方法により評価した。結果を表1に示す。
合成例8で得られたフェニル基含有ビニルレジン189g、合成例9で得られたフェニル基含有ハイドロジェンシリコーンレジン189g、反応抑制剤としてアセチレンアルコール系のエチニルシクロヘキサノール0.2g、塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金濃度1質量%)0.1gを加えてベース組成物を調製した。該ベース組成物に酸化防止剤としてアデカスタブAO−60(旭電化株式会社製)0.1g、反応抑制剤としてアセチレンアルコール系のエチニルシクロヘキサノール0.6g、合成例3で調製した接着付与剤6.0g、及び450nmの波長を励起するアルカリ土類金属ケイ酸塩系蛍光体10gを加えて混合し、シリコーン樹脂組成物を調製した。実施例1と同じ方法により縦150mm×横150mm×厚み0.1mmを有するフィルム状成形物を製造した。該成形物の各物性を実施例と同じ方法により評価した。結果を表1に示す。
底面に厚さ2μmの銀メッキを施した銅製リードフレームを配したカップ状のLED用プレモールドパッケージ(3mm×3mm×1mm、開口部の直径2.6mm)に対し、減圧下でArプラズマ(出力100W、照射時間10秒)処理を行い、該底面の該リードフレームにInGaN系青色発光素子の電極を、銀ペースト(導電性接着剤)を用いて接続すると共に、該発光素子のカウンター電極を金ワイヤーにてカウンターリードフレームに接続し、KJR−9022X−5(信越化学工業(株)製 メチル系シリコーン樹脂)をパッケージ開口部に充填し、60℃で1時間、更に150℃で4時間硬化させて封止した。その後、各波長変換シートを150℃、5分で圧縮成形し、その後150℃、1hrで二次硬化した。最後にダイシングしてLED装置を各10個作成した。
Claims (13)
- シリコーン樹脂組成物から製造されるシート状またはフィルム状の成形物であって、前記シリコーン樹脂組成物が下記(A)〜(C)成分及び(F)成分を含有する、成形物
(A)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン樹脂 30〜95質量部、
[化1]
R 1 a R 2 b R 3 c (OX) d SiO (4−a−b−c―d)/2 (1)
(式中、R 1 は炭素数4〜8のシクロアルキル基であり、R 2 はシクロアルキル基及びアルケニル基でない、置換もしくは非置換の、炭素数1〜10の一価炭化水素基であり、R 3 は炭素数2〜8のアルケニル基であり、a、b、cおよびdは、それぞれa>0、b>0、c>0、及びd>0であり、a+b+c+d=1.0〜2.0を満たす数であり、Xは、置換もしくは非置換の、炭素数1〜8の一価炭化水素基、または水素原子である)
(B)下記平均組成式(2)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン 5〜70質量部、
[化2]
R 1 e R 2 f H g (OX) h SiO (4−e−f−g−h)/2 (2)
(式中、R 1 、R 2 及びXは上記記載のとおりであり、e、f、gおよびhは、それぞれe>0、f>0、g>0、及びh>0であり、e+f+g+h=1.0〜2.0を満たす数である)
(但し、(A)成分と(B)成分の合計質量は100質量部である)
(C)付加反応触媒 (A)及び(B)成分の合計100質量部に対し有効成分量(質量)で0.0001〜0.5質量部となる量、及び
(F)光励起材料 シリコーン樹脂組成物全体の質量に対して0.1〜80質量%。 - シリコーン樹脂組成物が、(D)酸化防止剤を(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し0.001〜10質量部でさらに含有する、請求項1に記載の成形物。
- シリコーン樹脂組成物が、(E)接着付与剤を(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対し0.1〜10質量部でさらに含有する、請求項1または2に記載の成形物。
- シリコーン樹脂組成物の合計質量に対しシクロアルキル基の含有量が10質量%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形物。
- (A)シリコーン樹脂が、R 6 SiO 3/2 単位、R 5 k R 6 p SiO 2/2 単位及びR 5 q R 6 r SiO 1/2 単位(式中、R 5 は炭素数2〜8のアルケニル基であり、R 6 は、炭素数4〜8のシクロアルキル基、またはシクロアルキル基及びアルケニル基でない、置換もしくは非置換の、炭素数1〜10の一価炭化水素基、あるいは、水酸基あるいはアルコキシ基であり、kは0又は1、pは1又は2の整数であり、但しk+p=2であり、qは1〜3、rは0〜2の整数であり、但しq+r=3である)からなるレジン構造を有するオルガノポリシロキサンである、請求項1〜4のいずれか1項記載の成形物。
- (A)シリコーン樹脂が、請求項5記載のレジン構造を有するオルガノポリシロキサンと、直鎖状オルガノポリシロキサンとの混合物であり、レジン構造を有するオルガノポリシロキサンを混合物中に20〜95質量%で含む、請求項5記載の成形物。
- 光励起材料が蛍光体である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の成形物。
- 光励起材料が波長400nm以上の光を励起する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の成形物。
- JIS K 7129に準拠したLyssy法による厚さ1mm以上での水蒸気透過率が20g/m2・day以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の成形物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の成形物を波長変換シートとして使用する方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の成形物を防湿用部材として使用する方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の成形物を備えた光半導体装置。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の成形物を光半導体素子の上に圧着または接着させた光半導体装置。
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