JPH08300549A - ガスバリアフィルム及びその製造方法 - Google Patents

ガスバリアフィルム及びその製造方法

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JPH08300549A
JPH08300549A JP7105394A JP10539495A JPH08300549A JP H08300549 A JPH08300549 A JP H08300549A JP 7105394 A JP7105394 A JP 7105394A JP 10539495 A JP10539495 A JP 10539495A JP H08300549 A JPH08300549 A JP H08300549A
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JP
Japan
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film
biaxially stretched
plastic film
stretched plastic
gas barrier
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Application number
JP7105394A
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English (en)
Inventor
Shinichi Matsumoto
慎一 松本
Tsutomu Abe
力 安部
Mitsuru Oba
満 大場
Masaharu Igota
正治 伊吾田
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
ACE PACKAGE KK
Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ガスバリア性のある皮膜を設けた二軸延伸プ
ラスチックフィルガスバリア性を数倍向上させたフィル
ム及びこれを得るための新規の製造方法を提供する。 【構成】 ガスバリア性を有する皮膜を設けた二軸延伸
プラスチックフィルムの皮膜面が接着樹脂層と接触する
ように構成された、少なくとも二軸延伸プラスチックフ
ィルム・皮膜/接着樹脂層/フレキシブルフィルムから
なるラミネートフィルムにおいて、二軸延伸プラスチッ
クフィルムのガラス転移点以上、融点以下の温度で二軸
延伸プラスチックフィルムを加熱し、二軸延伸プラスチ
ックフィルムの熱収縮の発生する加熱状態で少なくとも
縦(MD)方向の伸縮率の範囲を伸び率2%以内及び収縮率
5%以内となし、その後、二軸延伸プラスチックフィルム
のガラス転移点以下の温度で冷却することで得られるガ
スバリアフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスバリアフィルムお
よびガスバリアフィルムの製造方法に関するものであ
り、食品や医薬品、化成品、電子部品などの包装材料や
ガスの封緘材料などに利用できる。
【0002】
【従来の技術】ガスバリア性を付与するためにプラスチ
ックフィルムの上にガスバリア性を有する皮膜を設ける
事はよく知られている。例えば、ガスバリア性を有する
皮膜を設けたものとして、アルミニウムなどの金属や酸
化珪素、酸化アルミニウムなどの無機酸化物を物理気相
成長法又は化学気相成長法によって蒸着したフィルム
(特公昭53-12953、特開昭59-51051、特開平1-95038、
特開平1-202435、特開平3-13328、特開平3-23934、特開
平4-251736、特開平3-140457、特開昭62-101428な
ど)、或いは金属や無機酸化物の微粉を混ぜた熱硬化性
樹脂や熱可塑性樹脂をプラスチックフィルム上に塗布し
たフィルム(特開平5-9317など)、珪素やインジウムな
ど半導体や金属の有機物をプラスチックフィルム上に塗
布し、プラスチックが溶融しない程度の比較的低温で加
熱することにより無機酸化物皮膜を形成したフィルム
(特開平4-272020)などがあげられる。これらの皮膜を
形成する物質は材質的に酸素や水蒸気、二酸化炭素、香
り成分等のガス透過性を持たないはずであるが、実際に
は皮膜層にガスが透過できるような微少な隙間が存在す
ると言われており、ガスバリア性のない物質で皮膜を設
けたフィルムであっても比較的大きなガス透過性を有す
る。
【0003】また、この様なガスバリア性を有する皮膜
を設けたフィルムを皮膜面を内側にして他のフレキシブ
ルフィルムと接着樹脂層を介して接合するラミネートフ
ィルムについても知られている。この様なラミネートフ
ィルムでも、皮膜を設けたフィルムのガスバリア性が完
全ではないため、その性質を反映して比較的大きなガス
透過性を有する。
【0004】食品や医薬品、化成品、電子部品などのガ
スバリア性包装材料として使用する場合、内容物品を安
定に保ち、保証期間を伸ばすために、非常に高いガスバ
リア性を有する包装材料が必要となる事があり、上記の
ガスバリア性では不足となることが多い。例えば、油脂
成分を多く含む食品やアミノ酸輸液や重曹輸液などを数
年間保存するような場合や保香性を必要とする化粧品、
EL等の電子部品がこれにあたる。また封緘材料などでも
同様なことがいえる。
【0005】また、アルミニウムなどの金属箔を使用す
ることにより高いガスバリア性が得られることは良く知
られていることであるが、中身が見えない、電子レンジ
適性がない、包材全体が固くなる、ピンホールが発生し
やすくガスバリア性が低下する、環境問題の観点から使
用が控えられるなどの問題点がある。
【0006】ところで、ラミネートフィルムの接着樹脂
層として変性ポリオレフィン(特公昭60-225、特公昭62
-28197)などの熱可塑性接着剤も使用されている。熱可
塑性接着剤を使用しアルミ箔など金属フィルム又はシー
トを他のフィルムと接着する場合、通常はアルミ箔など
に適当なアンカーコート剤を塗布した後に熱可塑性樹脂
を被接着フィルムとの間にTダイから押出し、冷却ロー
ルで加圧しながらラミネートする。また、変性ポリオレ
フィン系接着剤などを熱可塑性接着剤として用いる場
合、金属フィルム又はシートにアンカーコート剤を塗布
しなくとも接着することが出来る。しかし上で述べた通
常の押出しラミネートでは非常に低い接着強度しか得ら
れないため、押出しを行う前にアルミ箔等金属フィルム
又はシートを変性ポリオレフィンのビカット軟化点以上
に昇温しておき押し出しラミネートを行うか、或いは、
変性ポリオレフィンからなるフィルムを間に挟むか、又
は通常の押出しラミネートで仮接着状態となったラミネ
ートフィルムを作るかした後に、これを変性ポリオレフ
ィンのビカット軟化点以上に加熱することによって初め
て高い接着強度が得られる。(特公昭60-28658、特公昭
63-8901)さらに、被接着フィルムがポリオレフィンの
場合、仮接着したラミネートフィルムのアルミ箔など金
属フィルム又はシート側からポリオレフィンの融点以上
になるように加熱し、変性ポリオレフィンと共にポリオ
レフィンフィルムを一旦溶融した後に冷却することで高
い接着強度を得ると同時に 落袋強度を上げる事ができ
る。(特公平1-54191)
【0007】一方、アンカーコート剤を用いずに変性ポ
リオレフィンを接着樹脂層としてガスバリア性のある皮
膜を設けた二軸延伸プラスチックフィルムの皮膜面を内
側にしてフレキシブルフィルムと接合したラミネートフ
ィルムを得るための製造方法は特には知られていない。
アルミ箔と同様に、接合に先立って皮膜を設けた二軸延
伸プラスチックフィルムを変性ポリオレフィンのビカッ
ト軟化点以上に昇温させるか、或いは、変性ポリオレフ
ィンからなるフィルムを間に挟んだり、通常の押出しラ
ミネートで仮接着した後に少なくともビカット軟化点以
上になるように公知の方法で加熱すると、皮膜を設けた
二軸延伸プラスチックフィルム樹脂がガラス転移点以上
に達した時点で熱収縮を起こしはじめ、皮膜層に歪みが
生じてクラックが入り、ガスバリア性が著しく低下する
と言う欠点があった。
【0008】こうしたガラス転移点以上での加熱処理に
よりガスバリア性のある皮膜を設けた二軸延伸プラスチ
ックフィルムのガスバリア性が低下することは、ガスバ
リア性を有する皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフィ
ルムを用いた包材のレトルト処理後のガスバリア性がレ
トルト処理前に比べて著しく低下すると言うことなどか
ら良く知られており、変性ポリオレフィンなどの熱可塑
性接着剤を接着樹脂層としたラミネートフィルムの場合
のみならず、硬化性接着剤を接着樹脂層としたラミネー
トフィルムやフィルム単独でも同様な理由によりガスバ
リア性の低下が起こる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題はガスバ
リア性のある皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフィル
ガスバリア性を数倍向上させたフィルム及びこれを得る
ための新規の製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を達成すべく種々の研究を行い鋭意検討した結果、ガス
バリア性を有する皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフ
ィルムが加熱状態で発生する収縮を制御することにより
ガスバリア性が数段向上することを見いだし本発明を完
成させた。
【0011】すなわち、本発明はガスバリア性を有する
皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフィルムの皮膜面が
接着樹脂層と接触するように構成された、少なくとも二
軸延伸プラスチックフィルム・皮膜/接着樹脂層/フレ
キシブルフィルムからなるラミネートフィルムにおい
て、該二軸延伸プラスチックフィルムのガラス転移点以
上、融点以下の温度で該二軸延伸プラスチックフィルム
を加熱し、該二軸延伸プラスチックフィルムの熱収縮の
発生する加熱状態で少なくとも縦(MD)方向の伸縮率の
範囲を伸び率2%以内及び収縮率5%以内となし、その後、
該二軸延伸プラスチックフィルムのガラス転移点以下の
温度で冷却することで得られるガスバリアフィルム及び
これを製造する方法である。
【0012】二軸延伸プラスチックはガラス転移点以上
の温度で熱収縮を起こし始める。二軸延伸プラスチック
フィルム上にガスバリア性を有する皮膜が設けられてい
る場合、この熱収縮により皮膜にクラックなどが発生
し、ガスバリア性を著しく損なう。この様なガスバリア
性の低下の抑制は、ガスバリア性を有する皮膜を設けた
二軸延伸プラスチックフィルム、或いはガスバリア性を
有する皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフィルムの皮
膜面が接着樹脂層と接触するように構成された、少なく
とも「二軸延伸プラスチックフィルム・皮膜/接着樹脂
層/フレキシブルフィルム」からなるラミネートフィル
ムを皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフィルムのガラ
ス転移点以上の温度になるように加熱する時、加熱から
冷却するまでの間二軸延伸プラスチックフィルムの少な
くとも縦(MD)方向の伸縮率の範囲を制御する事により
達成され、かつ、こうした制御によってガスバリア性が
加熱処理する前に比べ数倍向上した。
【0013】市販されている二軸延伸プラスチックフィ
ルムの多くは縦(MD)方向の熱収縮率が横(TD)方向の
熱収縮率に比べて数倍〜数十倍大きい。このため、加熱
から冷却するまでの間、二軸延伸プラスチックフィルム
の伸縮率は収縮の大きな縦(MD)方向で少なくとも制御
すべきであり、制御する伸縮率の範囲は伸び率2%以内及
び収縮率5%以内の間、さらに望ましくは伸び率0%以内及
び収縮率2%以内の間である。横(TD)方向の熱収縮率が
大きいときは横方向の伸縮率も同時に制御すべきであ
る。
【0014】加熱から冷却するまでの間、二軸延伸プラ
スチックフィルムの伸縮率を制御することによりガスバ
リア性が加熱処理する前に比べ数倍向上する正確な理由
については不明であるが、ガスバリア性を有する皮膜を
設けた二軸延伸プラスチックフィルムが二軸延伸プラス
チックのガラス転移点以上に加熱されることにより、皮
膜が二軸延伸プラスチック面を動きやすくなり、適当な
位置に再配置され、皮膜内にあった微少な隙間が埋まり
ガスが通りにくくなると言う効果が働いていると考えら
れる。また二軸延伸プラスチックフィルムの若干の収縮
は皮膜をしまらせ、微少な隙間を埋める効果がより促進
すると思われる。さらにラミネートフィルムの場合、加
熱された状態でしばらく放置した後、あるいは冷却時に
加圧することにより、上記の効果と共に軟化した接着樹
脂層が隙間を埋め、よりガスバリア性が向上すると言う
効果が生じるものと考えられる。
【0015】本発明に於けるガスバリア性を有する皮膜
として例えば、アルミニウム、金、銀、白金、パラジウ
ム、スズ、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、鉄、銅、ク
ロム、コバルト、チタン、インジウム、ゲルマニウム、
タンタルなどの単体、或いは合金からなる金属蒸着皮膜
や酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化
チタン、酸化鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ルビ
ジウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化タ
ンタル、酸化セリウム、硅素アルミ酸化物、珪素マグネ
シウム酸化物などの単体、或いは混合物、或いは化合物
からなる無機酸化物皮膜、アルミニウム窒化物、ホウ素
窒化物、珪素窒化物などの単体、或いは混合物、或いは
化合物からなる無機窒化物皮膜、フッ化カルシウム、フ
ッ化マグネシウムなどからなる無機フッ化物皮膜、及び
これらの金属や無機酸化物、無機窒化物、無機フッ化物
の混合物や化合物からなる皮膜があげられる。これらの
皮膜は蒸着したり、これらの物質を含む塗料を塗つけ固
化する事により形成される。またこれらの物質の前駆体
である有機物を塗り付け、適当な条件で化学反応をさせ
て無機物化し形成することもできる。これらの皮膜形成
方法は組み合わせて行うことも可能である。また、ガス
バリア性を有する有機化合物の蒸着皮膜やこの微粉末を
含む塗料を塗り付け固化した皮膜などが上げられる。皮
膜は単層からなっていても良いし、二種類以上の物が積
層されてなっていても良い。二軸延伸プラスチックフィ
ルムの両面に皮膜を持つ場合、両面がそれぞれ異なる物
質の皮膜よりなっていても良い。また二軸延伸プラスチ
ックフィルムと皮膜との間の密着を高めるためにこの間
に周知のアンダーコート層を設けることもできる。
【0016】ガスバリア性を有する皮膜として好ましく
は、アルミニウム蒸着皮膜、酸化珪素蒸着皮膜、酸化ア
ルミニウム蒸着皮膜、珪素アルミニウム酸化物蒸着皮膜
などの金属蒸着皮膜及び/又は無機酸化物蒸着皮膜であ
り、二軸延伸プラスチックの片面又は両面に物理気相成
長法及び/又は化学気相成長法などの真空蒸着法により
形成される。皮膜が無機酸化物からなる場合、クラック
の発生を抑え、ガスバリア性を確保するため、皮膜の厚
さを10〜5000オングストローム以内にすることが望まし
い。さらに望ましくは50〜2000オングストローム以内で
ある。
【0017】本発明に於ける二軸延伸プラスチックフィ
ルムのプラスチックとしては例えば、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ポリエステル(例えばポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート)、ポリアミド(例えば、ナイロン6、
ナイロン66、MXD−ナイロン)、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン
−ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート、ポリ
フェニルサルファイド、ポリメチルペンテンなどやこれ
らの物質と他成分とのコポリマーなどが上げられる。ま
た、これらを共押出しした多層フィルムを二軸延伸した
ものでもよい。これらのプラスチックの二軸延伸法とし
ては二段階自由幅二軸延伸、逐次二軸延伸法、同時二軸
延伸、チューブラー同時二軸延伸などが一般的であり、
通常熱収縮を抑えるために熱セットが行われる。ガスバ
リア性を有する皮膜と二軸延伸プラスチックフィルムと
の密着性を高める目的で、二軸延伸プラスチックフィル
ムの皮膜を設ける側をあらかじめコロナ処理やプラズマ
エッチング処理、オゾン処理、UV照射処理、EB照射処
理、アンカーコート処理、プライマーコート処理などを
施す場合もある。また、本発明の支障とならない範囲で
二軸延伸プラスチックフィルムに紫外線吸収剤や酸化防
止剤、静電防止剤、染料、顔料、スリップ剤、可塑剤な
ど公知の添加剤を加えることもできる。
【0018】本発明におけるフレキシブルフィルムは加
熱から冷却するまでの間二軸延伸プラスチックフィルム
の少なくとも縦(MD)方向の伸縮率の範囲を伸び率2%以
内及び収縮率5%以内の間に入るように制御するのに支障
にならないものであれば使用できる。例えば紙、布、不
織布、アルミニウムや銅、金などの金属箔、プラスチッ
クフィルム、皮膜を設けたプラスチックフィルムなどが
上げられる。
【0019】フレキシブルフィルムとして用いられるプ
ラスチックとしては例えば各種ポリオレフィン(例え
ば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポ
リメチルペンテン、LLDPEなど)、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、エチレンアクリル酸エチル共重合体、エ
チレンアクリル酸共重合体、エチレンメタクリル酸メチ
ル共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、アイオノ
マー、ポリスチレン、ポリエステル(例えばポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレ
ート、PETGなど)、ポリアミド(例えば、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、MXD−ナイロン
など)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビ
ニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リアクリロニトリル、ポリフェニルサルファイド、セロ
ハン、シリコーン樹脂、ブタジエン樹脂、フッ素樹脂
(例えばポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポ
リテトラフルオロエチレンなど)、ポリイミド(例え
ば、ポリピロメリットイミド、ポリアミドイミド、ポリ
エーテルイミドなど)、ポリスルフォン、ポリエーテル
エーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニ
レンスルフィドなどやこれらの物質と他の成分とのコポ
リマーや2種類以上のブレンド品などがあげられる。こ
のフィルムは無延伸であっても良いし、一軸延伸や二軸
延伸などを施された物であっても良い。また、本発明の
支障とならない範囲で紫外線吸収剤や酸化防止剤、静電
防止剤、染料、顔料、スリップ剤、可塑剤、酸素吸収
剤、湿気吸収剤など公知の添加剤を加えることもでき
る。
【0020】フレキシブルフィルムとして皮膜を設けた
プラスチックフィルムを用いる場合、その皮膜としては
前述した二軸延伸プラスチック上に設けられた皮膜と同
じく形成されたガスバリア性を有するものがあげられる
他、ポリ塩化ビニリデンやエチレン−ビニルアルコール
共重合体の塗布皮膜や顔料、染料、UV吸収剤、靜電防止
剤などを含む塗料を塗布し固化した皮膜であっても良
い。この皮膜面は皮膜を設けた二軸延伸フィルムと接着
樹脂層を介して向かい合う形で積層されても良いし、そ
うでなくとも良い。またこの皮膜はプラスチックフィル
ムの片面だけでも良いし、両面に設けられていても良
い。さらにプラスチックフィルム面全体ではなく、部分
的に設けられていても良い。
【0021】本発明に於ける樹脂接着層としては例えば
熱硬化性接着剤(例えばポリウレタン系接着剤、エポキ
シ樹脂系接着剤、水性高分子−イソシアネート系接着
剤、反応アクリル樹脂系接着剤など)、熱可塑性接着剤
(例えば変性ポリオレフィン系接着剤、EVA系ホットメ
ルト形接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤、ポ
リスチレン系エストラマー系ホットメルト形接着剤、ポ
リエステル系エストラマー系ホットメルト形接着剤、ポ
リウレタン系エストラマー系ホットメルト形接着剤、ポ
リアミド系ホットメルト形接着剤など)、UV硬化性接着
剤(例えば変性アクリル樹脂系接着剤、メタクリル系接
着剤、ビニル系接着剤など)、EB硬化性接着剤(変性ア
クリル樹脂系接着剤、メタクリル系接着剤、ビニル系接
着剤)、湿気硬化型接着剤(シアノアクリレート系接着
剤)、酢酸ビニル樹脂系エマルション形接着剤、酢酸ビ
ニル共重合樹脂系エマルション形接着剤、EVA樹脂系エ
マルション形接着剤、アクリル樹脂系エマルション形接
着剤、ウレタン樹脂系エマルション形接着剤、シリコー
ンゴムエマルション形接着剤、ポリエチレンエマルショ
ン形接着剤、シリコーン系接着剤、合成ゴム系溶剤形接
着剤、合成ゴム系ラテックス形接着剤、感圧性接着剤な
どが上げられる。特にポリウレタン系接着剤、エポキシ
樹脂系接着剤、水性高分子−イソシアネート系接着剤、
変性ポリオレフィン系接着剤、EVA系ホットメルト形接
着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤、変性アクリ
ル樹脂系接着剤、メタクリル系接着剤、ビニル系接着
剤、シリコーン系接着剤などが好ましい。接着樹脂層は
単層で用いられても良く、複数層組み合わせても良い。
さらに、接着性を高めるために樹脂接着層と皮膜を設け
た二軸延伸プラスチックフィルムの皮膜面との間、或い
は接着樹脂層とフレキシブルフィルムとの間に有機チタ
ン系AC剤、ウレタン系AC剤、ポリエチレンイミン系AC
剤、ポリブタジエン系AC剤、シリコーン系AC剤などのア
ンカーコート剤の層を設けていても良い。
【0022】本発明に於けるラミネートフィルムは少な
くとも二軸延伸プラスチックフィルム・皮膜/接着樹脂
層/フレキシブルフィルムからなる構成を持っていれば
良く、該フィルムを加熱し、加熱から冷却するまでの間
二軸延伸プラスチックフィルムの少なくとも縦(MD)方
向の伸縮率の範囲を伸び率2%以内及び収縮率5%以内の間
に入るように抑え、加熱後、皮膜を設けた二軸延伸プラ
スチックフィルム樹脂のガラス転移点以下の温度になる
ように冷却する処理を行うのに支障にならない程度に、
このラミネートフィルムの片側或いは両側にさらにフレ
キシブルフィルムを積層しても良い。また、更なるフレ
キシブルフィルムの積層は本発明における加熱処理が終
わった後にドライラミネートやウエットラミネート、無
溶剤ラミネート、押出しラミネート、押出しコートなど
の方法で必要に応じ行える。
【0023】本発明に於けるガスバリアフィルムの製造
方法は、ガスバリア性を有する皮膜を設けた二軸延伸プ
ラスチックフィルム、或いはガスバリア性を有する皮膜
を設けた二軸延伸プラスチックフィルムの皮膜面が接着
樹脂層と接触するように構成された、少なくとも二軸延
伸プラスチックフィルム・皮膜/接着樹脂層/フレキシ
ブルフィルムからなるラミネートフィルムにおいて、皮
膜を設けた二軸延伸プラスチックフィルム樹脂のガラス
転移点以上融点以下の温度になるように該フィルムを加
熱し、加熱から冷却するまでの間二軸延伸プラスチック
フィルムの少なくとも縦(MD)方向の伸縮率の範囲を伸
び率2%以内及び収縮率5%以内の間に入るように抑え、加
熱後、皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフィルム樹脂
のガラス転移点以下の温度になるように冷却する事を特
徴とする。
【0024】加熱機構としては例えば熱ロール、赤外線
ヒーター、各種加熱炉、直加熱、熱風吹付、高周波誘導
加熱などの機構を単独で或いは組み合わせで使用するこ
とが出来る。
【0025】冷却方法としては例えば冷却ロール、各種
冷却槽、自然冷却などの機構を単独又は組み合わせて使
用することが出来る。
【0026】加熱から冷却するまでの間、二軸延伸プラ
スチックフィルムの少なくとも縦(MD)方向の伸縮率の
範囲を伸び率2%以内及び収縮率5%以内の間に入るように
抑える機構としては、例えばフィルムを連続的に流す場
合には加熱機構と冷却機構を間にして、少なくとも二本
の独立駆動するロールを設置し、独立駆動ロールの回転
速度を調整し、伸縮率を制御する方法が上げられる。
また、二本の駆動ロールはギアなどを介して一つのモー
ターで駆動することもできる。この場合、回転速度はギ
ア比などを変え調整する。
【0027】以上の機構を簡略に記したものが図1であ
る。独立駆動又はギアなどを介することにより各々の周
速が変えられる2本の駆動ロールAとBの間をフィルムが
流れ、この間に加熱機構Cで皮膜を設けた二軸延伸プラ
スチックフィルム樹脂がガラス転移点以上、融点以下に
なるように加熱され、冷却機構も兼ねた冷却ロールBで
ガラス転移点以下になるように冷却される。駆動ロール
AとBにはそれぞれニップロールD及び/又はEを設けて加
圧する事もできる。伸縮率の範囲を伸び率2%以内及び収
縮率5%以内の間に入るように抑えるには駆動ロールAの
周速に対して駆動ロールBの周速を1.02〜0.95倍にす
る。駆動ロールAを熱ロールにし加熱機構を兼ねること
も出来る。また、駆動ロールBは通常のロールとし、Bに
行く前に冷却槽などの冷却機構を設置することもでき
る。伸縮率や加熱、冷却などの微調整を行うため、駆動
ロールAとBとの間にはさらに数本の駆動ロールを設置す
る事が出来き、適宜ニップロールを設け加圧して良い。
但し、皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフィルムを皮
膜面が剥きだしのままフィルムを流す場合には皮膜を傷
つけないために駆動ロールAとBに皮膜側が接しないよう
にセッティングする事が望ましく、ニップロールはかけ
ないことが望ましい。
【0028】この他、テンター法により縦(MD)方向及
び/又は横(TD)方向の伸縮率を調整することが出来
る。さらにバッチ式でもフィルムの両端又は四方を挟み
伸縮率を調整しながら加熱し、冷却することが出来る。
【0029】加熱温度と時間及び冷却温度と時間に関し
てはフィルムの種類や生産性を考慮して最適になるよう
に調節する。本発明でガスバリア性を向上させるには加
熱により二軸延伸プラスチックフィルムの到達温度がガ
ラス転位点以上、融点以下とすることが必要である。し
かしながらガラス転位点+40℃未満の温度ではガスバ
リア性を向上させる皮膜面での皮膜粒子の再配置がなか
なか進まないためかガスバリア性の向上のために長時間
が必要である。例えば珪素酸化物を蒸着した二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム(PET)を珪素酸
化物フィルムを内側にしてウレタン系の接着剤でキャス
トポリプロピレン(CPP)と貼合し、60℃、4日間
エージングしたラミネートフィルムを伸縮率0%に抑え
た状態で100℃で加熱した場合、透湿度を30%減少
させるために5−10日間必要であった。本発明の製造
方法で所期のガスバリア性を持つラミネートフィルムを
得るための所要時間は該フィルム加熱温度が高い程短
い。従って、生産性を考慮し、数分以内にガスバリア性
を数倍向上させるために、加熱による二軸延伸プラスチ
ックフィルムの到達温度はガラス転位点+40℃以上、
融点以下となること、さらに好ましくはガラス転位点+
70℃以上、融点以下とすることが望ましい。
【0030】特に、本発明において接着樹脂層に熱可塑
性接着剤、例えば変性ポリオレフィンを使用する場合の
製造方法であるが、変性ポリオレフィンを皮膜を設けた
二軸延伸プラスチックフィルムの皮膜面を内側にしてフ
レキシブルフィルムとの間にTダイから押出し、冷却ロ
ールで加圧しながらラミネートする。このために以下の
2つの方法を代表として上げる事が出来る。
【0031】1つの方法はラミネートする前にあらかじ
め皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフィルムをガラス
転移点以上融点以下であると同時に変性ポリオレフィン
のビカット軟化点以上になるように該二軸延伸フィルム
を加熱し、加熱から冷却するまでの間二軸延伸プラスチ
ックフィルムの少なくとも縦(MD)方向の伸縮率の範囲
を伸び率2%以内及び収縮率5%以内の間に入るように抑
え、皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフィルム樹脂の
ガラス転移点以下であると同時に熱可塑性樹脂接着剤の
ビカット軟化点以下となるように冷却する。
【0032】もう1つの方法は、押出しラミネートによ
り仮接着した後、皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフ
ィルム樹脂がガラス転移点以上融点以下になると同時に
接着樹脂層がビカット軟化点以上になるようにラミネー
トフィルムを加熱し、加熱から冷却するまでの間二軸延
伸プラスチックフィルムの少なくとも縦(MD)方向の伸
縮率の範囲を伸び率2%以内及び収縮率5%以内の間に入る
ように抑え、皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフィル
ム樹脂のガラス転移点以下であると同時に熱可塑性樹脂
接着剤のビカット軟化点以下となるように冷却する。ま
た加熱後から冷却時にかけ少なくとも1度は加圧する事
が望ましい。どちらの方法においてもフレキシブルフィ
ルムは接着樹脂層とともに共押出により積層する事が出
来、押出しラミネートにより積層する事も出来る。
【0033】この他、変性ポリオレフィンでフィルムを
作り、これを皮膜を設けた二軸延伸プラスチックとフレ
キシブルフィルムの間に皮膜が内側になるように挟んだ
状態で、皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフィルム樹
脂がガラス転移点以上融点以下になると同時に接着樹脂
層がビカット軟化点以上になるようにラミネートフィル
ムを加熱し、加熱から冷却するまでの間二軸延伸プラス
チックフィルムの少なくとも縦(MD)方向の伸縮率の範
囲を伸び率2%以内及び収縮率5%以内の間に入るように抑
え、皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフィルム樹脂の
ガラス転移点以下であると同時に熱可塑性樹脂接着剤の
ビカット軟化点以下となるように冷却する事により積層
する事も出来る。この時も加熱後から冷却時にかけ少な
くとも1度は加圧する事が望ましい。
【0034】以上の方法により、加熱処理前と比較し、
二軸延伸プラスチックフィルムの熱収縮に伴うクラック
発生などによるガスバリア性の低下などは見られず、さ
らにはガスバリア性が数倍向上する。
【0035】以上に説明したように、本発明では加熱処
理を行うわけだが、この加熱処理によって、積層したフ
レキシブルフィルムも溶融するような場合、フレキシブ
ルフィルムの材質がポリプロピレンや高密度ポリエチレ
ン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、
ポリカーボネート、ポリメチルペンテンのような高い結
晶性を示す樹脂であって、包材に透明性が要求されるな
らば、冷却時の白濁化を抑えるために、結晶粒経がサブ
ミクロン以下のオーダーとなるように急冷する事が望ま
しい。
【0036】
【作用】本発明により得らるガスバリアフィルムは気体
や揮発性物質からの気化物質などの透過性が非常に小さ
いので、例えば酸化や湿気、匂いの移行を嫌う食品、医
薬品、化成品などの包材として使用できる。また酸化や
湿気を嫌う電気部品の包材として使用できる。このほか
気体の封緘材料や揮発性物質の蒸発を抑える封緘材料と
しても使用できる。本発明に於けるガスバリアフィルム
はバリア性が非常に高いので、包んだ物を保持しうる時
間が長くなり、保証期間が大幅に伸びる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。なお、各実施
例中、酸化珪素蒸着皮膜を設けた二軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフィルム(厚さ12μm)は東洋インキ
製造株式会社製の商品名「GT1000R」又は尾池工
業株式会社の「MOS−TB」を、また酸化アルミニウ
ム蒸着皮膜を設けた二軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルム(厚さ12μm)は東洋メタライジング株式
会社製の商品名「VM−PET1011HG」を、アル
ミニウム蒸着皮膜を設けた二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフィルム(厚さ12μm)は東洋メタライジン
グ株式会社製の商品名「VM−PET1310」をもち
いた。フィルムの伸縮率は加熱処理前に縦(MD)方向に
2m毎に印を付け、加熱処理後の印の間の長さと比較す
ることにより算出した。加熱処理時及び冷却時のフィル
ム温度は放射温度計(タスコジャパン(株)製、THI-50
0)を用い測定した。酸素透過度はモコン法により20
℃、相対湿度100%の条件で測定した。透湿度はカッ
プ法により40℃、相対湿度差90%の条件で測定し
た。なお、PETのガラス転移点は約70℃、融点は約
260℃である。
【0038】
【実施例1】VM−PET1011HGを酸化アルミニ
ウム面を内側にしてCPPフィルム(60μ)との間に
酸化アルミ面に近い方から順に変性ポリプロピレン(3
μ:昭和電工株式会社製アドテックER353LA)と
ポリプロピレン樹脂(12μ)を共押出し、ラミネート
した。これをVM−PET1011HGのPET面側よ
り230℃の熱ロールに1.5秒間接触させ、その後ニップロ
ールを設置した24℃の冷却ロールで加圧し、冷却した。
この熱ロールと冷却ロールは独立に駆動する。この熱処
理によりCPPフィルムも溶融状態となっている事が視
認され、熱ロールより出た直後の温度は186℃であっ
た。また冷却ロールを出た直後の温度は32℃であった。
熱処理後の縦方向の収縮率は1.4%であった。熱処理前の
酸素透過度は1.8ml/m2・D・atm、熱処理後の酸素透過度は
0.6ml/m2・D・atmであった。
【0039】
【実施例2】二枚のVM−PET1011HGを酸化ア
ルミニウム面を内側にして間に変性ポリエチレン(4
μ:昭和電工株式会社製アドテックER523L)を押
出し、ラミネートした。これを一方のPET面側より19
0℃の熱ロールに3.2秒間接触させ、その後ニップロール
を設置した24℃の冷却ロールで加圧し、冷却した。この
熱ロールと冷却ロールは独立に駆動する。熱ロールより
出た直後の温度は183℃であり、冷却ロールを出た直後
の温度は28℃であった。熱処理後の縦方向の収縮率は0.
5%であった 熱処理前の酸素透過度は1.2ml/m2・D・atm、
熱処理後の酸素透過度は0.3ml/m2・D・atmであった。
【0040】
【実施例3】VM−PET1310をアルミニウム蒸着
面を内側にしてCPPフィルム(60μとの間にアルミ
ニウム蒸着面に近い方から順に変性ポリプロピレン(3
μ:昭和電工株式会社製アドテックER353LA)と
ポリプロピレン樹脂(12μ)を共押出し、ラミネート
した。これをVM−PET1310のPET面側より25
0℃の熱ロールに0.9秒間接触させ、その後ニップロール
を設置した24℃の冷却ロールで加圧し、冷却した。この
熱ロールと冷却ロールは独立に駆動する。この熱処理に
よりCPPフィルムも溶融状態となっている事が視認さ
れ、熱ロールより出た直後の温度は192℃であった。ま
た冷却ロールを出た直後の温度は34℃であった。熱処理
後の縦方向の収縮率は0.5%であった。熱処理前の酸素透
過度は2.3ml/m2・D・atm、熱処理後の酸素透過度は0.4ml/
m2・D・atmであった。
【0041】
【実施例4】GT1000Rを酸化珪素蒸着面を内側に
してCPP(60μ)とウレタン系接着剤(東洋モート
ン株式会社製AD810)を用いてドライラミネートし
た。エージングは60℃、4日間行った。これを独立駆
動する二本のロール(前ロールは温度コントロールを行
っていない駆動ロール、後ろロールは24℃の冷却ロー
ル)の間にゆっくり流しながら、このロール間に設置し
た170℃の加熱炉中で10分間加熱し、その後冷却ロール
にて冷却した。加熱炉より出た直後の温度は169℃であ
り、冷却ロールを出た直後の温度は24℃であった。熱処
理後の縦方向の収縮率は0.8%であった。熱処理前の透湿
度は1.5g/m2・D、熱処理後の透湿度は0.6g/m2・Dであっ
た。
【0042】
【実施例5】MOS−TBを酸化珪素蒸着面がロールに
触れないように二本のロール(前ロールは温度コントロ
ールを行っていない駆動ロール、後ろロールは24℃の冷
却ロール)間に通し、ゆっくり流しながら、このロール
間に設置した210℃の加熱炉中で2分間加熱し、その後冷
却ロールにて冷却した。加熱炉より出た直後の温度は20
5℃であり、冷却ロールを出た直後の温度は24℃であっ
た。熱処理後の縦方向の収縮率は1.2%であった。熱処理
前の酸素透過度は2.8ml/m2・D・atm、熱処理後の酸素透過
度は1.2ml/m2・D・atmであった。
【0043】
【比較例1】VM−PET1011HGを酸化アルミニ
ウム面を内側にしてCPPフィルム(60μとの間に酸
化アルミ面に近い方から順に変性ポリプロピレン(3
μ:昭和電工株式会社製アドテックER353LA)と
ポリプロピレン樹脂(12μ)を共押出し、ラミネート
した。これをVM−PET1011HGのPET面側よ
り230℃の熱ロールに1.5秒間接触させ、その後ニップロ
ールを設置した24℃の冷却ロールで加圧し、冷却した。
この熱ロールと冷却ロールは独立に駆動する。この熱処
理によりCPPフィルムも溶融状態となっている事が視
認され、熱ロールより出た直後の温度は186℃であっ
た。また冷却ロールを出た直後の温度は32℃であった。
熱処理後の縦方向の伸び率は2.5%であった。熱処理前の
酸素透過度は1.8ml/m2・D・atm、熱処理後の酸素透過度は
4.2ml/m2・D・atmであった。
【0044】
【比較例2】VM−PET1011HGを酸化アルミニ
ウム面を内側にしてCPPフィルム(60μとの間に酸
化アルミ面に近い方から順に変性ポリプロピレン(3
μ:昭和電工株式会社製アドテックER353LA)と
ポリプロピレン樹脂(12μ)を共押出し、ラミネート
した。これをVM−PET1011HGのPET面側よ
り230℃の熱ロールに1.5秒間接触させ、その後ニップロ
ールを設置した24℃の冷却ロールで加圧し、冷却した。
この熱ロールと冷却ロールは独立に駆動する。この熱処
理によりCPPフィルムも溶融状態となっている事が視
認され、熱ロールより出た直後の温度は186℃であっ
た。また冷却ロールを出た直後の温度は32℃であった。
熱処理後の縦方向の収縮率は6.4%であった。熱処理前の
酸素透過度は1.8ml/m2・D・atm、熱処理後の酸素透過度は
3.8ml/m2・D・atmであった。
【0045】
【比較例3】VM−PET1310をアルミニウム蒸着
面を内側にしてCPPフィルム(60μとの間にアルミ
ニウム蒸着面に近い方から順に変性ポリプロピレン(3
μ:昭和電工株式会社製アドテックER353LA)と
ポリプロピレン樹脂(12μ)を共押出し、ラミネート
した。これをVM−PET1310のPET面側より25
0℃の熱ロールに0.9秒間接触させ、その後ニップロール
を設置した24℃の冷却ロールで加圧し、冷却した。この
熱ロールと冷却ロールは独立に駆動する。この熱処理に
よりCPPフィルムも溶融状態となっている事が視認さ
れ、熱ロールより出た直後の温度は192℃であった。ま
た冷却ロールを出た直後の温度は34℃であった。熱処理
後の縦方向の伸び率は3.1%であった。熱処理前の酸素透
過度は2.3ml/m2・D・atm、熱処理後の酸素透過度は4.8ml/
m2・D・atmであった。
【0046】
【比較例4】VM−PET1310をアルミニウム蒸着
面を内側にしてCPPフィルム(60μとの間にアルミ
ニウム蒸着面に近い方から順に変性ポリプロピレン(3
μ:昭和電工株式会社製アドテックER353LA)と
ポリプロピレン樹脂(12μ)を共押出し、ラミネート
した。これをVM−PET1310のPET面側より25
0℃の熱ロールに0.9秒間接触させ、その後ニップロール
を設置した24℃の冷却ロールで加圧し、冷却した。この
熱ロールと冷却ロールは独立に駆動する。この熱処理に
よりCPPフィルムも溶融状態となっている事が視認さ
れ、熱ロールより出た直後の温度は192℃であった。ま
た冷却ロールを出た直後の温度は34℃であった。熱処理
後の縦方向の収縮率は7.2%であった。熱処理前の酸素透
過度は2.3ml/m2・D・atm、熱処理後の酸素透過度は5.1ml/
m2・D・atmであった。
【0047】
【比較例5】GT1000Rを酸化珪素蒸着面を内側に
してCPP(60μ)とウレタン系接着剤(東洋モート
ン株式会社製AD810)を用いてドライラミネートし
た。エージングは60℃、4日間行った。これを独立駆
動する二本のロール(前ロールは温度コントロールを行
っていない駆動ロール、後ろロールは24℃の冷却ロー
ル)の間に、ゆっくり流しながら、このロール間に設置
した170℃の加熱炉中で10分間加熱し、その後冷却ロー
ルにて冷却した。加熱炉より出た直後の温度は169℃で
あり、冷却ロールを出た直後の温度は24℃であった。熱
処理後の縦方向の伸び率は3.2%であった。熱処理前の透
湿度は1.5g/m2・D、熱処理後の透湿度は4.3g/m2・Dであっ
た。
【0048】
【比較例6】MOS−TBを酸化珪素蒸着面がロールに
触れないように二本のロール(前ロールは温度コントロ
ールを行っていない駆動ロール、後ろロールは24℃の冷
却ロール)間に通し、ゆっくり流しながら、このロール
間に設置した210℃の加熱炉中で2分間加熱し、その後冷
却ロールにて冷却した。加熱炉より出た直後の温度は20
5℃であり、冷却ロールを出た直後の温度は24℃であっ
た。熱処理後の縦方向の収縮率は6.7%であった。熱処理
前の酸素透過度は2.8ml/m2・D・atm、熱処理後の酸素透過
度は4.5ml/m2・D・atmであった。
【0049】
【本発明の効果】本発明におけるガスバリアフィルムは
酸素、窒素、二酸化炭素、水蒸気、ヘリウム、アルゴン
などの気体や芳香や悪臭などの匂いのもととなる気化物
質、色々な揮発性物質からの気化物質などの透過性が非
常に小さいので、例えば酸化や湿気、匂いの移行を嫌う
食品、医療用原末やアミノ酸輸液、重曹輸液、脂肪輸
液、ビタミン輸液、血漿輸液、糖輸液などの液剤、錠
剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、経被吸収製剤などの医
薬品、化粧品などの化成品などの包材として使用でき
る。また酸化や湿気を嫌うELなどの電気部品の包材とし
て使用できる。このほか風船や殺菌ガス、ガス採集袋な
どの気体の封緘材料としても使用できる。また食品や飲
料などの香りや炭酸、殺菌剤、芳香剤、香水、アルコー
ル燃料、歯磨、洗剤、シャンプー、リンスなどに含まれ
る揮発性物質の蒸発を抑える封緘材料としても使用でき
る。本発明に於けるガスバリアフィルムはバリア性が非
常に高いので包んだ物を保持しうる時間が長くなり、保
証期間が大幅に伸びる。
【0050】本発明により得らるガスバリアフィルムは
フィルム構成に応じて常温やボイル、レトルト用途に使
用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う製造方法の概略を示す。
【符号の説明】
A 駆動ロール B 駆動ロール兼冷却ロール C 加熱機構 D ニップロール E ニップロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65D 65/40 B65D 65/40 A (72)発明者 大場 満 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の 素株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 伊吾田 正治 神奈川県川崎市川崎区港町6−1 株式会 社エースパッケージ内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスバリア性を有する皮膜を設けた二軸延
    伸プラスチックフィルムの皮膜面が接着樹脂層と接触す
    るように構成された、少なくとも二軸延伸プラスチック
    フィルム・皮膜/接着樹脂層/フレキシブルフィルムか
    らなるラミネートフィルムにおいて、該二軸延伸プラス
    チックフィルムのガラス転移点以上、融点以下の温度で
    該二軸延伸プラスチックフィルムを加熱し、該二軸延伸
    プラスチックフィルムの熱収縮の発生する加熱状態で少
    なくとも縦(MD)方向の伸縮率の範囲を伸び率2%以内及
    び収縮率5%以内となし、その後、該二軸延伸プラスチッ
    クフィルムのガラス転移点以下の温度で冷却することで
    得られるガスバリアフィルム
  2. 【請求項2】ガスバリア性を有する皮膜を設けた二軸延
    伸プラスチックフィルムにおいて、該二軸延伸プラスチ
    ックフィルムのガラス転移点以上、融点以下の温度で該
    二軸延伸プラスチックフィルムを加熱し、該二軸延伸プ
    ラスチックフィルムの熱収縮の発生する加熱状態で少な
    くとも縦(MD)方向の伸縮率の範囲を伸び率2%以内及び
    収縮率5%以内となし、その後、該二軸延伸プラスチック
    フィルムのガラス転移点以下の温度で冷却することで得
    られるガスバリアフィルム
  3. 【請求項3】ガスバリア性を有する皮膜が金属および/
    又は無機酸化物の皮膜である請求項1及び2記載のガス
    バリアフィルム
  4. 【請求項4】二軸延伸プラスチックフィルムが二軸延伸
    ポリエステルフィルムである請求項1、2及び3記載の
    ガスバリアフィルム
  5. 【請求項5】ガスバリア性を有する皮膜を設けた二軸延
    伸プラスチックフィルム、或いはガスバリア性を有する
    皮膜を設けた二軸延伸プラスチックフィルムの皮膜面が
    接着樹脂層と接触するように構成された、少なくとも二
    軸延伸プラスチックフィルム・皮膜/接着樹脂層/フレ
    キシブルフィルムからなるラミネートフィルムにおい
    て、該二軸延伸プラスチックフィルムのガラス転移点以
    上、融点以下の温度で該二軸延伸プラスチックフィルム
    を加熱し、熱収縮の発生する加熱状態で該二軸延伸プラ
    スチックフィルムの少なくとも縦(MD)方向の伸縮率の
    範囲を伸び率2%以内及び収縮率5%以内とし、その後、該
    二軸延伸プラスチックフィルムのガラス転移点以下の温
    度で冷却する事を特徴とするガスバリアフィルムの製造
    方法
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