JP2006205626A - 包装材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】レトルト食品や医薬品、さらには電子部材等の包装に好適に用いられるガスバリア性を有する包装材料、特にレトルト処理等において発生した熱水が作用しても当初のガスバリア性が低下しないようにしたことを特徴とする、熱水耐性を有するガスバリア性の包装材料の提供を目的とする。
【解決手段】プラスチック基材上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層並びに水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング溶液の薄膜を加熱乾燥してなるガスバリア性複合膜層とが少なくとも積層されてなるガスバリア性フィルムの、一方の面に位置する前記ガスバリア性複合膜層上には基材フィルムを、他方の面に位置する前記プラスチック基材上にはヒートシール性樹脂層をそれぞれ積層して設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、レトルト食品や医薬品、さらには電子部材等の包装に好適に用いられるガスバリア性を有する包装材料、特にレトルト処理等において発生した熱水が作用しても当初のガスバリア性が低下しないようにしたことを特徴とするガスバリア性の包装材料に関する。
近年、食品や医薬品等の包装に用いられる包装材料は、食品等の内容物の変質を抑制してそれらの機能や性質を保持するために、酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体の通過を防止する必要があり、これらの気体を遮断するガスバリア性を備えていることが求められている。そのため従来から、温度や湿度等の影響が少ないアルミニウム等の金属箔をガスバリア層として用いた包装材料が一般的に用いられてきた。
ところが、アルミニウム等の金属箔を用いた包装材料は、温度や湿度等の影響が少なく、高度なガスバリア性を有してはいるが、それを介して内容物を確認することができず、また、使用後の廃棄の際には不燃物として処理しなければならなかったり、包装されている内容物の検査の際には金属探知器が使用できなかったりと、種々の欠点を有していた。
そこで、これらの欠点を克服するための包装材料として、例えば特許文献1、2等に記載されているような、高分子フィルム上に真空蒸着法やスパッタリング法等の薄膜形成方法により酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機酸化物からなる蒸着薄膜を形成した蒸着フィルムが提案されている。これらの蒸着フィルムは、透明性及び酸素、水蒸気等に対するガスバリア性を有していることが知られ、金属箔等を用いた包装材料では得ることのできない透明性とガスバリア性とを共に有する包装材料として好適とされている。
さらに、上記のような蒸着フィルムに後加工適正を付与したフィルムとして、無機酸化物からなる蒸着薄膜の上に、第二の層として、水酸基を有する水溶性高分子と1種類以上の金属アルコキシド或いは金属アルコキシド加水分解物または、塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング溶液を塗布して薄膜を形成した後に加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層を積層したガスバリア性フィルムも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
ところが、第二の層となるガスバリア性被膜層を設けた上記のような構成のガスバリア性フィルムにより作製された包装袋等の包装容器に対してレトルト殺菌のような加熱処理を施すと、包装容器の内部と外部との間に圧力差を生じるようになり、包装容器内に生じた熱水が容器壁(包装材料)を通して外側へ放出されることになる。この時、水溶性高分子を主剤とするコーティング溶液により形成されたガスバリア性被膜層はそこを通過する熱水によって膨潤し、その影響で無機酸化物の蒸着薄膜にクラック等が発生してしまい、当初のガスバリア性が低下する原因になっている。
米国特許第3442686号明細書 特公昭63−28017号公報 特開平7−164591号公報
本発明は上記のような状況に鑑みなされたものであり、プラスチック基材上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層並びに水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング溶液を塗布した後に加熱乾燥してなるガスバリア性複合膜層とが少なく設けられているガスバリア性を有するフィルムのガスバリア性複合膜層の劣化、延いては無機酸化物の蒸着薄膜層の劣化を防ぎ、例え使用中に熱水が作用しても当初のガスバリア性を維持し続けるようにしたことを特徴とする包装材料の提供を目的とする。
上記の目的を達成するためになされ、請求項1記載の発明は、プラスチック基材上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層並びに水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング溶液の薄膜を加熱乾燥してなるガスバリア性複合膜層とが少なくとも積層されてなるガスバリア性フィルムの、一方の面に位置する前記ガスバリア性複合膜層上には基材フィルムが、他方の面に位置する前記プラスチック基材上にはヒートシール性樹脂層がそれぞれ積層されて設けられていることを特徴とする包装材料である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の包装材料において、前記プラスチック基材は、無機酸化物からなる蒸着薄膜層が積層されている面にリアクティブイオンエッチング(RIE)を利用したプラズマ前処理が施され、プラズマ前処理層が形成されていることを特徴とする。
さらにまた、請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の包装材料において、前記無機酸化物が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム或いはそれらの混合物のいずれかであることを特徴とする。
さらにまた、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の包装材料において、前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウム、或いはそれらの混合物のいずれかであることを特徴とする。
さらにまた、請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の包装材料において、前記コーティング溶液は、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルアルコール−o−エチレン)、セルロース、或いはデンプンの中の少なくとも1種類を水溶性高分子成分として有していることを特徴とする。
本発明に係る包装材料は上述したような構成であるので、これを使用して包装袋等の包装容器としたとき、ガスバリア性複合膜層に隣接する無機酸化物からなる蒸着薄膜が包装容器の内側に位置するようになるため、例えばこれらの包装容器に対して加熱殺菌処理やレトルト調理等により加熱処理が施されて包装容器内で熱水が発生したような場合、その熱水のガスバリア性複合膜層への移動を蒸着薄膜層が抑制するように働くため、ガスバリア性複合膜層が膨潤しなくなり、蒸着薄膜層においてクラックも発生し難くなり、初期のガスバリア性の劣化を防ぐことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の包装材料の基本的な構造を示す概略断面説明図である。ここに示す包装材料11は、プラスチック基材1上に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層2並びに水溶性
高分子と1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング溶液の薄膜を加熱乾燥してなるガスバリア性複合膜層3とが積層されて設けられているガスバリア性フィルム10の、一方の面に位置する前記ガスバリア性複合膜層3上には基材フィルム4が、他方の面に位置する前記プラスチック基材1上にはヒートシール性薄膜層5がそれぞれ積層されて設けられている。
プラスチック基材1はプラスチック材料からなるシート状の基材であり、後述する無機酸化物からなる蒸着薄膜層2の透明性を生かすために透明なフィルム基材であることが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等からなるポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等からなるポリオレフィンフィルム、さらにはポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等の各種プラスチックフィルムが挙げられる。
これらのプラスチックフィルムは、延伸されていても、未延伸のものであってもよいが、機械的強度や寸法安定性を有するものが好ましい。上記プラスチックフィルムの中では、二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムやポリアミドフィルムが好ましく用いられる。
このようなプラスチック基材1には、この上に形成する無機酸化物からなる蒸着薄膜層2との密着を強化するために、その表面にプラズマを利用したリアクティブイオンエッチング(RIE)によるプラズマ前処理を施しておくことが有効である。図中の7は、このようなプラズマ処理を施すことによって形成されたプラスチック基材1表面のプラズマ前処理層を示している。このRIEによる処理を行うことで、発生したラジカルやイオンを利用してプラスチック基材1の表面に官能基を持たせるなどの化学的効果と、表面をイオンエッチングして不純物等を飛ばしたり平滑化するといった物理的効果の2つの効果を同時に発揮させることが可能となる。従って、このような表面処理を行うことで、その上に酸化アルミニウム等の無機酸化物からなる蒸着薄膜層2を緻密に形成することが可能となる。その結果、プラスチック基材1と蒸着薄膜層2との密着性を強化させることができ、本発明の包装材料に加熱調理処理や加熱殺菌処理等が施されたとしても、剥離やクラックが発生し難くなるため、ガスバリア性の低下を防止することが可能となる。
一方、このプラスチック基材1の蒸着薄膜層2が設けられない面には、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤等により薄膜層を形成しておいてもよい。
また、プラスチック基材1の厚さは特に制限を受けるものではないが、後述する無機酸化物からなる蒸着薄膜層2やガスバリア性複合膜層3を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μm程度、より好ましくは6〜30μmの範囲である。またその構成は、包装材料としての適性を考慮して、単層構成であっても、種々の異なる性質のフィルムを多層に積層した多層構成であってもよい。
上記したような構成のプラスチック基材1上に形成されている無機酸化物からなる蒸着薄膜層2は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、或いはそれらの混合物等の無機酸化物の蒸着薄膜からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等に対するガスバリア性を有する層であればよい。これらの中では、各種加熱殺菌処理やレトルト加工等に対する優れた加熱処理耐性の付与を配慮すると、酸化アルミニウムまたは酸化珪素を用いることがより好ましい。ただし蒸着薄層2は、上述した無機酸化物からなるものに限定されるものではなく、上記条件に適合する他の無機酸化物により構成されていてもよい。
この蒸着薄層2の厚さは、用いられる無機酸化物の種類や構成によりその設定条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましい。但し厚さが5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に加わる折り曲げや引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じる恐れがあるので問題がある。より好ましくは、10〜150nmの範囲内にその厚さを設定することが望まれる。
無機酸化物からなる蒸着薄膜層2をプラスチック基材1上に形成する方法としては種々ある。一般的には真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)等を用いることも可能である。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。
また、真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましいが、蒸着材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式を用いることがより好ましい。また蒸着薄膜層2とプラスチック基材1との密着性及び蒸着薄膜層2の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。そして、蒸着薄膜層の透明性を上げるために蒸着の際、酸素等の各種ガスなど吹き込む反応蒸着を用いても一向に構わない。
このような蒸着薄膜層2の上に設けられているガスバリア性複合膜層3はガスバリア性を持った薄膜層であり、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング溶液を用いて蒸着薄膜層2の表面に成膜された薄膜を加熱乾燥して形成される層である。
コーティング溶液に用いられる水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が具体的に挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)は、それをコーティング溶液を構成する水溶性高分子として用いた場合にはガスバリア性が最も優れたものとなるため好ましい。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるものである。PVAとしては例えば、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等を用いることができるが、これ以外のものを用いても一向に構わない。
また、金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n (M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3,C25 等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC254〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C373〕等が挙げられるが、中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
このような成分を有するコーティング溶液の中には、ガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤等の公知の添加剤を必要に応じて加えることも可能である。
一方、このようなコーティング溶液を用いた薄膜の形成方法としては、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の薄膜形成方法を用いることが可能である。
このような薄膜形成方法により形成した薄膜を加熱乾燥して得られるガスバリア性複合膜層3の厚さは、コーティング溶液の種類、加工機の種類、加工条件等によって決定される。乾燥後の厚さが0.01μm以下の場合は、均一な被膜層が得られず、十分なガスバリア性を発現できない場合があるので好ましくない。また厚さが50μmを超える場合にはクラックが生じ易くなるために問題となることがある。従って、好ましくは0.01〜50μmの範囲、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にこの層の厚さを設定することが望ましい。
本発明の包装材料は、以上で述べたガスバリア性フィルム、即ちプラスチック基材1上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層2並びに水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶性或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング溶液の薄膜を加熱乾燥してなるガスバリア性複合膜層3とが少なくとも積層されているガスバリア性フィルム10の、一方の面に位置するガスバリア性複合膜層3上には基材フィルム4が、他方の面に位置するプラスチック基材1上にはヒートシール性薄膜層5がそれぞれ積層されて設けられてなるものであるが、以下に基材フィルム4とヒートシール性薄膜層5について述べる。
基材フィルム4は、ガスバリア性フィルムの複合膜層を熱水、摩擦等の外部刺激から保護するために積層して設けられている部分であり、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルの少なくとも一種類以上を成分に持つ、あるいは共重合成分に持つフィルム等からなる。これらのフィルムは未延伸、延伸の何れのものでもよく、さらには印刷等が施されていてもよい。また、その厚さは適用される基材フィルムの材質や要求品質に応じて決められるが、実用的には3〜200μmの範囲が好ましいが、6〜100μmがよりが好ましい。
一方、ヒートシール性薄膜層5は、この部分を加熱して他の包装材料に融着させて包装袋等の包装容器を作製できるように設けてある層であり、熱によって融着し得る樹脂からなる薄膜層である。使用される樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が挙げられる。これらの中では、未延伸ポリプロピレンからなるフィルムが最も好ましい。一般的には15〜200μmの範囲が好ましい。
これらの基材フィルム4とヒートシール性薄膜層5をそれぞれガスバリア性フィルム10に所定表面に積層する方法としては、例えばラミネート法を用いる場合には、ドライラミネーション法、ウエットラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法のような接着剤を使用してラミネートする方法、もしくは押し出しラミネーション法、インフレーション法、共押し出しラミネーション法等が挙げられる。この際、コロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理等の前処理やアンカーコーティングを予め施しておいてもよい。
本発明の包装材料の基本的な構成は以上のようであるが、ガスバリアフィルム10とヒートシール性薄膜層5との間、ガスバリアフィルム10と基材フィルム4との間、さらには基材フィルム4上に、印刷層や他のフィルムを積層させた構成であってもよい。
このような構成の本発明に係る包装材料は、それを使用して、例えばそのヒートシール性薄膜層を利用して三方シールや四方シール等の各種シールを施すことよりフラット袋、ピロー袋、四方シール袋、ガゼット袋、スタンディングパウチ等の包装容器を作製すると、そのガスバリア性複合膜層に隣接する無機酸化物からなる蒸着薄膜が包装袋等の包装容
器の内側に位置するようになるため、例えばこれらの包装容器に対して加熱殺菌処理やレトルト調理等により加熱処理が施されて包装容器内で熱水が発生したような場合、その熱水のガスバリア性複合膜層への移動を蒸着薄膜層が抑制するように働くため、ガスバリア性複合被膜層が膨潤しなくなり、蒸着薄膜層においてクラックも発生し難くなるため、初期のバリア性の劣化を防ぐことが可能となる。
以下に本発明に係る包装材料の実施例を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面に、印加電力を120W、処理時間を0.1sec、処理ガスをガスアルゴン、処理ユニット圧力を2.0Paとしてリアクティブイオンエッチング(RIE)を利用したプラズマ前処理を施した。この時、電極には周波数13.56MHzの高周波電源を用いた。
次に、電子線の加熱により金属アルミニウムが蒸発され、そこに酸素ガスを導入されている真空蒸着装置内で前記工程で得られたPETフィルム上のプラズマ前処理層上に厚さ15nmの酸化アルミニウムの蒸着薄膜を形成した。
次いで、下記に示す組成のA液とB液を配合比(wt%)で6/4に混合してなるコーティング溶液をグラビアコート法により前記蒸着薄膜層上に塗布して薄膜を形成した後、加熱乾燥させ、厚さ0.4μmのガスバリア性複合膜層とし、ガスバリア性フィルムを作製した。
<A液の組成>
テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌して加水分解させた固形分3wt%(SiO2換算)の加水分解溶液。
<B液の組成>
ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)。
続いて、上記ガスバリア性フィルムの一方の面に位置するガスバリア性複合膜層面に、二液硬化型ポリウレタン系接着剤配合液を塗布しながら、ドライラミネート法により厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをラミネートした。さらに、ガスバリア性フィルムの他方の面に位置するPETフィルム面に上記と同様のラミネート法にて厚さ70μmの未延伸ポリプロピレンフィルムをラミネートし、PETフィルム/接着剤層/(ガスバリア性複合膜層側)ガスバリア性フィルム/接着剤層/未延伸ポリプロピレンフィルムの多層構成になる、実施例1に係るレトルト用包装材料を得た。
まず、上記実施例1と同様の方法にてガスバリア性フィルムを作製した。次に、このガスバリア性フィルムの一方の面に位置するガスバリア性複合膜層面に、二液硬化型ポリウレタン系接着剤配合液の薄膜を塗布しながら、ドライラミネート法により厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをラミネートした。さらに、ガスバリア性フィルムの他方の面に位置するPETフィルム面に上記と同様のラミネート法にて厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムと、厚さ70μmの未延伸ポリプロピレンフィルムをラミネートし、PETフィルム/接着剤層/(ガスバリア性複合膜層側)ガスバリア性フィルム/接着剤層/延伸ナイロンフィルム/接着剤層/未延伸ポリプロピレンフィルムの多層構成になる、実施例2に係るレトルト用包装材料を得た。
まず、上記実施例1と同様の方法にてガスバリア性フィルムを作製した。次に、このガスバリア性フィルムの一方の面に位置するガスバリア性複合膜層面に、二液硬化型ポリウレタン系接着剤配合液の薄膜を塗布しながら、ドライラミネート法により厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムと、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを順次ラミネートした。さらに、ガスバリア性フィルムの他方の面に位置するPETフィルム面に上記と同様のラミネート法にて厚さ70μmの未延伸ポリプロピレンフィルムをラミネートし、PETフィルム/接着剤層/延伸ナイロンフィルム/接着剤層/(ガスバリア性複合膜層側)ガスバリアフィルム/接着剤層/未延伸ポリプロピレンフィルムの多層構成になる、実施例3に係るレトルト用包装材料を得た。
まず、上記実施例1と同様の方法にてガスバリア性フィルムを作製した。次に、このガスバリア性フィルムの一方の面に位置するガスバリア性複合膜層面に、二液硬化型ポリウレタン系接着剤配合液の薄膜を塗布しながら、ドライラミネート法により厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムと、厚さ70μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを順次ラミネートした。さらに、ガスバリア性フィルムの他方の面に位置するPETフィルム面に上記と同様のラミネート法にて厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをラミネートし、PETフィルム/接着剤層/ガスバリア性フィルム(ガスバリア性複合膜層側)/接着剤層/延伸ナイロンフィルム/接着剤層/未延伸ポリプロピレンフィルムの多層構成になる、比較のための実施例4に係るレトルト用包装材料を得た。
まず、プラズマ前処理を行わなかった以外は、上記実施例1と同様の方法にてガスバリア性フィルムを作製した。次に、このガスバリア性フィルムの一方の面に位置するガスバリア性複合膜層面に、二液硬化型ポリウレタン系接着剤配合液の薄膜を塗布しながら、ドライラミネート法により厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムと、厚さ70μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを順次ラミネートした。さらに、ガスバリア性フィルムの他方の面に位置するPETフィルムの面に上記と同様のラミネート法にて厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをラミネートし、PETフィルム/接着剤層/ガスバリア性フィルム(ガスバリア性複合膜層側)/接着剤層/延伸ナイロンフィルム/接着剤層/未延伸ポリプロピレンフィルムの多層構成になる、比較のための実施例5に係るレトルト用包装材料を得た。
まず、プラズマ前処理を行わなかった以外は、上記実施例1と同様の方法にてガスバリア性フィルムを作製した。次に、このガスバリア性フィルムの一方の面に位置するガスバリア性複合膜層面に、二液硬化型ポリウレタン系接着剤配合液の薄膜を塗布しながら、ドライラミネート法により厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをラミネートした。さらに、ガスバリア性フィルムの他方の面に位置するPETフィルム面に上記と同様のラミネート法にて厚さ70μmの未延伸ポリプロピレンフィルムをラミネートし、PETフィルム/接着剤層/(ガスバリア性複合膜層側)ガスバリア性フィルム/接着剤層/未延伸ポリプロピレンフィルムの多層構成になる、比較のための実施例6に係るレトルト用包装材料を得た。
<評価>
上記各実施例で作成したレトルト用包装材料を用いて4辺をシール部とするパウチを複数個作製し、内容物として水200gを充填した。その後、121℃−30分間のレトルト殺菌を行った。この際、レトルト殺菌前後におけるパウチの酸素透過度とラミネート強
度を下記のようにして測定した。結果を表1に示す。
<酸素透過度の測定>
レトルト前後の酸素透過率(単位:cm3/m2/day)を30℃−70%RHの条件で測定した。
<ラミネート強度の測定>
パウチを構成する包装材料を幅15mmで切り取った試験片に対して、剥離角度180度、剥離速度300mm/minの条件にてラミネート強度を測定した。
Figure 2006205626
表からも明らかなように、本発明に係る包装材料は、レトルト処理の後においても酸素透過度とラミネート強度を共に満足するものであった。
本発明の包装材料の構成を示す概略断面説明図である。
符号の説明
1…プラスチック基材
2…蒸着薄膜層
3…ガスバリア性複合膜層
4…基材フィルム
5…ヒートシール性薄膜層
7…プラズマ前処理層
10…ガスバリア性フィルム
11…包装材料

Claims (5)

  1. プラスチック基材上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層並びに水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング溶液の薄膜を加熱乾燥してなるガスバリア性複合膜層とが少なくとも積層されてなるガスバリア性フィルムの、一方の面に位置する前記ガスバリア性複合膜層上には基材フィルムが、他方の面に位置する前記プラスチック基材上にはヒートシール性樹脂層がそれぞれ積層されて設けられていることを特徴とする包装材料。
  2. 前記プラスチック基材は、無機酸化物からなる蒸着薄膜層が積層されている面にリアクティブイオンエッチング(RIE)を利用したプラズマ前処理が施され、プラズマ前処理層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装材料。
  3. 前記無機酸化物が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム或いはそれらの混合物のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の包装材料。
  4. 前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウム、或いはそれらの混合物のいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の包装材料。
  5. 前記コーティング溶液は、ポリビニルアルコール、ポリ(ビニルアルコール−o−エチレン)、セルロース、或いはデンプンの中の少なくとも1種類を水溶性高分子成分として有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の包装材料。
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