JP2004106314A - 生分解性を有するバリア積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、生分解性を有し、かつガスバリア性、機械的強度、環境適合性を含めて実用性の高い包装材料を提供することを目的とする。
【解決手段】生分解性樹脂からなる基材の少なくとも片面に、プライマー層、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布してなるガスバリア性被膜層を順次積層したことを特徴とする生分解性を有するバリア積層体である。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品や非食品等の包装分野に用いられる包装用の積層体に関するもので、特に酸素や水蒸気等のガス遮断性が優れる上に、環境中に廃棄されたとき分解するので環境適性にも優れたものである。
【0002】
【従来の技術】
食品や非食品等の包装に用いられる包装材料には、基材としてポリエステルフィルムやナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの汎用のプラスチックを用いる場合が多い。これらのプラスチックは、機械的な強度や耐久性に優れている上に、低コストのため世の中に広く用いられているが、使用後環境中に廃棄されるとその特徴である耐久性のために分解されることなく環境中に残ってしまうという包装材料として不利な点を抱えている。
【0003】
そこで、この様な問題を解決すべく、環境中で分解されて水と二酸化炭素にまでなる生分解性樹脂からなる基材が上市されている。例えば、微生物によって産出される脂肪族ポリエステルやカードラン、プルラン等の多糖類、化学合成によって得られる高分子量脂肪族ポリエステル、乳酸を化学重合して得られるポリ乳酸、ラクトンの開環重合によって得られるポリカプロラクトン、天然に由来のデンプン、セルロース、キチン・キトサン等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような生分解性樹脂単体では十分な強度が得られていないのが現状である。さらに包装材料として用いるためには、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これら気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備えることが求められている。
【0005】
バリア性を有する高分子樹脂としては、比較的にガスバリア性に優れる塩化ビニリデン樹脂のフィルムまたはそれらをコーティングしたフィルム等が良く用いられてきた。しかし、それらは温度・湿度などによるガスバリア性の影響が大きい、また環境適性の面で問題がある。また、アルミニウム等の金属からなる金属箔等を用いたものは、温度・湿度の影響がなく高度なガスバリア性を持つが、包装材料を透視して内容物を確認することができない、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならない、検査の際金属探知器が使用できないなど多くの欠点を有し問題がある。
【0006】
そこで、これらの欠点を克服した包装材料として、例えば米国特許第3442686、特公昭63−28017号公報等に記載されているような、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物を高分子フィルム上に、真空蒸着法やスパッタリング法等の形成手段により蒸着膜を形成したフィルムが開発されている。これらの蒸着フィルムは、透明性及び酸素、水蒸気等のガス遮断性を有していることが知られ、金属箔等では得ることのできない透明性、ガスバリア性の両者を有する包装材料として好適とされている。さらには焼却処理可能であるので環境にも優しい。
【0007】
また、これら蒸着フィルムの機械強度やヒートシール層となるポリエチレンやポリプロピレンなどとのドライラミネート加工するときの強度向上等を目的に、蒸着層上に水溶性高分子を成分としてコート層を積層したものも包装材料として用いられている。
【0008】
そこで、本発明は、生分解性を有し、かつガスバリア性、機械的強度、環境適合性を含めて実用性の高い包装材料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためのもので、請求項1の発明は、生分解性樹脂からなる基材の少なくとも片面に、プライマー層、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布してなるガスバリア性被膜層を順次積層したことを特徴とする生分解性を有するバリア積層体である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1記載の発明に基づき、前記生分解性樹脂が、ポリ乳酸であることを特徴とする生分解性を有するバリア積層体である。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2記載の発明に基づき、前記プライマー層が、生分解性樹脂であることを特徴とする生分解性を有するバリア積層体である。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3記載の発明に基づき、前記生分解性樹脂が、ポリ乳酸であることを特徴とする生分解性を有するバリア積層体である。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明に基づき、前記無機酸化物が、酸化アルミニウム、酸化珪素或いはそれらの混合物であることを特徴とする生分解性を有するバリア積層体である。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明に基づき、前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、或いはそれらの混合物であることを特徴とする生分解性を有するバリア積層体である。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明に基づき、前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする生分解性を有するバリア積層体である。
【0016】
〈作用〉
本発明によれば、生分解性樹脂からなる基材の少なくとも片面にプライマー層を介して無機酸化物からなる蒸着薄膜層及びガスバリア性被膜を順次積層した構成になっているので、包装材料として要求されるガスバリア性及び機械的な強度を保持させながら環境適合性の高い実用性の高い包装材料が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明を図面を用いて更に詳細に説明する。図1は、本発明の生分解性を有するバリア積層体を説明する断面図である。
【0018】
まず、図1の本発明の生分解性を有するバリア積層体を説明する。図1における基材1は生分解性樹脂からなる基材であり、その少なくとも片面上にプライマー層2、無機酸化物からなる蒸着薄膜層3、ガスバリア性被膜層4が順次積層されている。
【0019】
上述した基材1は、生分解性を有する樹脂からなるフィルムのものであれば特に限定しない。例えば、上述した微生物によって産出される脂肪族ポリエステルやカードラン、プルラン等の多糖類、化学合成によって得られる高分子量脂肪族ポリエステル、乳酸を化学重合して得られるポリ乳酸、ラクトンの開環重合によって得られるポリカプロラクトン、天然に由来のデンプン、セルロース、キチン・キトサン等がある使用可能である。これらをフィルム状に加工して用いられる。これらの中では、比較的加工適性に優れる二軸方向に任意に延伸されたポリ乳酸がより好ましい。また、この基材1の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良く、薄膜との密着性を良くするために、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理を施しておいても良く、さらに薬品処理、溶剤処理などを施しても構わない。
【0020】
基材1の厚さはとくに制限を受けるものではないが、包装材料としての適性、他の層を積層する場合も在ること、プライマー層2、無機酸化物からなる蒸着薄膜層3、ガスバリア性被膜層4を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲で、用途によって6〜30μmとすることが好ましい。
【0021】
また、量産性を考慮すれば、連続的に各層を形成できるように長尺フィルムとすることが望ましい。
【0022】
本発明のプライマー層2は、生分解性樹脂からなる基材1上に設けられ、基材と無機酸化物からなる蒸着薄膜層3との間の密着性を高め、包装材料として十分な強度を持たせることを目的に設けられる層である。上記目的を達成することができればその成分は特に限定しないが、基材の生分解性を活かすためには、プライマー層を形成する成分も上述したような生分解性樹脂であることがより好ましい。その中では、加工性及び塗工生、コスト等を考慮するとポリ乳酸を用いることがより好ましい。
【0023】
この上記ポリ乳酸中に、生分解性を損わない範囲で各種添加剤、例えば、イソシアネート化合物等の硬化剤、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤や、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、充填剤等を必要に応じて添加することも可能である。
【0024】
プライマー層2の厚さは、均一に塗膜が形成することができれば特に限定しない。しかし、乾燥膜厚は一般的に0.01〜2μmの範囲であることが好ましい。厚さが0.01μmより薄いと均一な塗膜が得られにくく密着性が低下する場合がある。また、厚さが2μmを越える場合は厚いために塗膜にフレキシビリティを保持させることができず、外的要因により塗膜に亀裂を生じる恐れがあるため好ましくない。プライマー層の厚みとして、特に好ましいのは0.05〜0.5μmの範囲内にあることである。
【0025】
プライマー層2の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。乾燥条件については、一般的に使用される条件が採用される。
【0026】
無機酸化物からなる蒸着薄膜層3は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、或いはそれらの混合物などの無機酸化物の蒸着膜からなり、透明性を有し、かつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよい。その中でも、特に酸化アルミニウム及び酸化珪素が酸素透過率及び水蒸気透過率に優れるので好ましい。ただし、本発明の蒸着薄膜層3は、上述した無機酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることができる。
【0027】
蒸着薄膜層3の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし、膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また、膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、5〜100nmの範囲内である。
【0028】
無機酸化物からなる蒸着薄膜層3をプライマー層2上に形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。但し、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式等が好ましく、薄膜と基材の密着成及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行っても一向に構わない。
【0029】
ガスバリア性被膜層4は、高度なガスバリア性を付与と蒸着膜の機械適性を向上させるために無機酸化物からなる蒸着薄膜層3上に設けられるものである。
【0030】
上記目的を達成するために、ガスバリア性被膜層4は、水溶性高分子と(a)1種以上の金属アルコキシド及び加水分解物又は、(b)塩化錫、の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤から形成される必要がある。水溶性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、或いはこれに金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を無機化酸化物からなる蒸着薄膜層3にコーティング、加熱乾燥し形成したものである。コーティング剤に含まれる各成分について更に詳細に説明する。
【0031】
本発明でコーティング剤に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特に、ポリビニルアルコール(以下、PVAとする)を本発明の積層体のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れるので好ましい。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVAまでを含み、特に限定されない。
【0032】
また、塩化錫は塩化第一錫(SnCl )、塩化第二錫(SnCl )、或いはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
【0033】
更に、金属アルコキシドは、テトラエトキシシラン〔Si(OC H ) 〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C H ) 〕などの一般式、M(OR)n (M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH ,C H 等のアルキル基)で表せるものである。中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
【0034】
上述した各成分を単独又はいくつかを組み合わせてコーティング剤に加えることができ、さらにコーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を加えることができる。
【0035】
例えば、コーティング剤に加えられるイソシアネート化合物は、その分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレンジイソシアネート(以下TDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート(以下TTI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(以下TMXDI)などのモノマー類と、これらの重合体、誘導体などがある。
【0036】
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の手段を用いることができる。被膜の厚さは、コーティング剤の種類や加工機や加工条件によって異なる。乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一が塗膜が得られなく十分なガスバリア性を得られない場合があるので好ましくない。また、厚さが50μmを超える場合は膜にクラックが生じ易くなるため問題がある。好ましくは0.01〜50μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にあることである。
【0037】
更に、ガスバリア性被膜層4上に他の層を積層することも可能である。例えば、印刷層やヒートシール層等である。印刷層は、包装袋などとして実用的に用いるために形成されるものであり、公知のウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層であり、文字、絵柄等が形成されている。環境適性を考慮するならば、生分解性樹脂からなるインキを用いることがより好ましい。印刷層の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアーコート等の周知の塗布方式を用いることができる。厚さは0.1〜2.0μmで良い。
【0038】
また、ヒートシール層は袋状包装体などを形成する際に接着層として設けられるものである。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いることができるが、環境適性を考慮するならば、生分解性樹脂を用いることがより好ましい。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの範囲である。形成方法としては、上記樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン樹脂などの接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法等を用いることが一般的であるがいずれも公知の方法により積層することができる。
【0039】
【実施例】
本発明の生分解性を有するバリア積層体を具体的な実施例を挙げて更に説明する。
【0040】
〈実施例1〉
基材1として、厚さ15μmの2軸延伸ポリ乳酸(PLA)フィルムの片面に、ポリ乳酸樹脂からなるコート溶液をグラビアコート法により厚さ0.3μmのプライマー層2、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを導入し、厚さ15nmの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物からなる蒸着薄膜層3、次いでガスバリア性被膜層4として下記組成からなるコーティング剤をグラビアコート法により厚さ0.5μm形成し、本発明の生分解性からなるバリア積層体を得た。
【0041】
〈ガスバリア性被膜溶液の調整〉
コーティング剤の組成は、▲1▼液と▲2▼液を配合比(wt%)で60/40に混合したもの。(但し、▲1▼はテトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO 換算)の加水分解溶液である。▲2▼はポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)である。)
【0042】
〈実施例2〉
実施例1において、無機酸化物からなる蒸着薄膜層3として図示しない抵抗加熱方式による真空蒸着方式により、厚さ約30nmの酸化珪素を蒸着した以外は、同様に本発明の生分解性を有するバリア積層体を得た。
【0043】
〈実施例3〉
実施例1において、基材1として、厚さ25μmの2軸延伸ポリ乳酸(PLA)フィルムを用いた以外は、同様に本発明の生分解性を有するバリア積層体を得た。
【0044】
〈比較例1〉
実施例1において、ガスバリア性被膜層4を設けなかった以外は、同様に生分解性を有する積層体を得た。
【0045】
〈比較例2〉
実施例1において、プライマー層2を設けなかった以外は、同様に生分解性を有する積層体を得た。
【0046】
〈ドライラミネート〉
実施例及び比較例のガスバリア性被膜層側に、ヒートシール層として厚さ30μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを2液硬化型ウレタン系接着剤を介してドライラミネート法により積層し、実施例及び比較例のそれぞれについて積層体を得た。
【0047】
〈テスト〉
実施例及び比較例のそれぞれについて、酸素透過率(cm/m ・day・atm 測定条件:30℃−70%RH)及び水蒸気透過率(gr/m ・day 測定条件:40℃−90%RH)を測定した。その結果を表1にします。また実施例及び比較例の積層体について、ラミネート強度(300mm/minの剥離速度で測定、単位:N/15mm)の測定を実施した。その結果も併せて表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 2004106314
【0049】
実施例に対して比較例は上述した環境適合性の指標である生分解性は満足するものの、包装材料の基本的性能であるガスバリア性や強度等をすべて満足させるものではないが、実施例はそれを全て満たしていると言える。
【0050】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の生分解性を有するバリア積層体は、基材やプライマー層に生分解性樹脂を用いていることを特徴とするものである。そのため、使用後環境中に廃棄させても分解されるので環境を汚染することがない。また、基材となる生分解性樹脂上に、無機酸化物からなる蒸着層及び水溶性高分子を含む被覆層を積層することにより、ガスバリア性、機械的強度、環境適合性を含めて実用性の高い包装材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生分解性を有するバリア積層体の構成の一例を示した断面図である。
【符号の説明】
1 生分解性樹脂からなる基材
2 プライマー層
3 無機酸化物からなる蒸着薄膜層
4 ガスバリア性被膜層

Claims (7)

  1. 生分解性樹脂からなる基材の少なくとも片面に、プライマー層、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシド及びその加水分解物又は、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布してなるガスバリア性被膜層を順次積層したことを特徴とする生分解性を有するバリア積層体。
  2. 前記生分解性樹脂が、ポリ乳酸であることを特徴とする請求項1記載の生分解性を有するバリア積層体。
  3. 前記プライマー層が、生分解性樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の生分解性を有するバリア積層体。
  4. 前記生分解性樹脂が、ポリ乳酸であることを特徴とする請求項3記載の生分解性を有するバリア積層体。
  5. 前記無機酸化物が、酸化アルミニウム、酸化珪素或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の生分解性を有するバリア積層体。
  6. 前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の生分解性を有するバリア積層体。
  7. 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の生分解性を有するバリア積層体。
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