JPH08300589A - 被覆層形成用フィルムと被覆フィルム - Google Patents

被覆層形成用フィルムと被覆フィルム

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JPH08300589A
JPH08300589A JP13845195A JP13845195A JPH08300589A JP H08300589 A JPH08300589 A JP H08300589A JP 13845195 A JP13845195 A JP 13845195A JP 13845195 A JP13845195 A JP 13845195A JP H08300589 A JPH08300589 A JP H08300589A
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film
layer
coating layer
forming
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JP13845195A
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Mamoru Sekiguchi
守 関口
Nobuhiko Imai
伸彦 今井
Mitsuru Kano
満 加納
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成膜される被覆層のガス遮断性と耐剥離性に
優れた被覆層形成用フィルムとこれを用いた被覆フィル
ムを提供する。 【構成】 被覆層形成用フィルム1はポリエチレンテレ
フタレートから成るベースフィルム10(Tg:72℃)と、
ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンイソフタレ
ート(80/20モル%)から成るフィルム層11(Tg:55℃,
表面粗さRa=0.03μm)とで構成され、被覆フィルム2
はベースフィルムとフィルム層と酸化珪素から成る被覆
層(蒸着膜)12とで構成される。そしてフィルム層が被
覆層に対し接着剤として機能するため被覆層の剥離が起
こり難く、またベースフィルムはフィルム層より高いガ
ラス転移温度を有するため被覆層の成膜時において表面
平滑性が損なわれることがなく、フィルム層も表面平滑
性を具備している。従って、フィルム層上に成膜される
被覆層にピンホール等が形成さることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属若しくは金属化合
物(金属酸化物や合金等)から成る被覆層が蒸着、スパ
ッタリング等の気相成長法により成膜される被覆層形成
用フィルムとこれを用いた被覆フィルムに係り、特に、
成膜される被覆層のガス遮断性と耐剥離性に優れた被覆
層形成用フィルムとこれを用いた被覆フィルムの改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミ箔に代わるガス遮断性フィルムと
して、近年、高分子フィルムから成るベースフィルム上
にアルミニウム等の金属薄膜を成膜して構成された被覆
フィルムが包装材料として利用されている。また、最近
ではアルミニウム等の金属薄膜に代わって酸化ケイ素や
酸化アルミニウム等金属酸化物の薄膜を成膜した被覆フ
ィルムが実用化されている。そして、これ等金属酸化物
の薄膜を成膜した被覆フィルムは上記金属薄膜の被覆フ
ィルムにはない透明性と易焼却性を有しているため、今
日の世界的な環境問題からその開発が注目されている。
【0003】ところで、二軸延伸された結晶性ポリエス
テルフィルムは、寸法安定性、耐熱性、電気的特性、ガ
ス遮断性、耐薬品性等が他のフィルムに較べて優れてい
るため、蒸着用フィルムと一般に称される被覆層形成用
フィルムとして広く包装用資材として利用されている。
しかし、その使用目的によっては被覆層形成用フィルム
と被覆層との接着性が不十分で耐剥離性に劣る場合があ
るため、被覆層を構成する材料との接着性に優れた共重
合成分をベースフィルムの主成分であるポリエステル成
分にブレンドしたり、アクリルエマルジョンで代表され
る各種エマルジョンを用いてポリエステルフィルム上に
中間層を形成し、この中間層の作用により被覆層との接
着性を向上させる方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特定の共重合
成分をブレンドする方法においては、被覆層との接着性
は向上するもののベースフィルム自体の機械的強度、耐
熱性等が低下し易く、特に被覆層が金属酸化物で構成さ
れる被覆フィルムにおいては成膜時の熱的負荷にベース
フィルムが耐えられなくなって表面平滑性が損なわれ、
これに起因してベースフィルム上に成膜された被覆層に
微小クラックやピンホール等が形成されそのガス遮断性
が大きく低下してしまう問題があった。
【0005】また、各種エマルジョンで構成された中間
層を設ける方法についても未だ不十分であった。すなわ
ち、成膜時の温度条件が高温に設定される蒸着法やスパ
ッタリング法にて上記中間層上に金属などの被覆層を成
膜した場合、中間層への熱的負荷に起因して中間層が軟
化・分解しこの中間層から低分子ガスが放出されること
があり、中間層上に成膜された被覆層にピンホール等が
形成されそのガス遮断性が改善されない問題点を有して
いた。更に、ポリエステルフィルムから成るベースフィ
ルムと中間層とは別系の材料にて通常構成されているた
め、成膜時の温度条件によってはベースフィルムと中間
層間で剥離が起こる場合もあった。
【0006】本発明はこの様な問題点に着目してなされ
たもので、その課題とするところは、成膜される被覆層
のガス遮断性と耐剥離性に優れた被覆層形成用フィルム
とこれを用いた被覆フィルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、金属若しくは金属化合物から成る被覆層が気
相成長法により成膜される被覆層形成用フィルムを前提
とし、結晶性ポリエステルフィルムから成るベースフィ
ルムと、このベースフィルムの少なくとも片面に積層さ
れ上記ベースフィルムよりそのガラス転移温度が低いポ
リエステルフィルムから成るフィルム層とで構成され、
かつ、このフィルム層の平均粗さ(Ra)が0.005
μm〜0.06μmであることを特徴とするものであ
る。
【0008】そして、この発明に係る被覆層形成用フィ
ルムにおいては、ベースフィルムよりそのガラス転移温
度が低いポリエステルフィルムから成るフィルム層を具
備し、このフィルム層がこの上に成膜される被覆層に対
し接着剤として機能するため被覆層の剥離が起こり難
く、かつ、ベースフィルムとフィルム層とは同系のポリ
エステル樹脂にて構成されているためこれ等間の剥離も
起こり難い。従って、上記フィルム層の作用により被覆
層形成用フィルムに成膜された被覆層の耐剥離性能を改
善することができる。
【0009】また、この被覆層形成用フィルムにおいて
結晶性ポリエステルフィルムから成るベースフィルムは
フィルム層より高いガラス転移温度を有しており、被覆
層の成膜時における熱的負荷に起因した熱収縮や弾性率
の低下が起り難いためベースフィルムの表面平滑性が損
なわれることがなく、かつ、ベースフィルム上に積層さ
れたフィルム層の平均粗さ(Ra)も0.06μm以下
と表面平滑性を具備している。従って、上記フィルム層
上に成膜される被覆層にピンホール等が形成され難くな
りそのガス遮断性も改善することができる。
【0010】ここで、上記フィルム層の平均粗さ(R
a)が0.005μm未満であるとこのフィルム層の動
摩擦係数が大きくなり、被覆層形成用フィルムの安定し
た巻取り性が損なわれて皺が発生するため好ましくな
い。従って、上記フィルム層の平均粗さ(Ra)につい
ては0.005μm以上であることを要する。また、フ
ィルム層の平均粗さ(Ra)が0.06μmを越える
と、フィルム層の表面平滑性が低下して被覆層にクラッ
ク等が発生し易くなるため、フィルム層の平均粗さ(R
a)については0.06μm以下であることを要する。
【0011】尚、中心線平均粗さ(Ra)と動摩擦係数
は一般的に負の相関があり、Raが大きくなると動摩擦
係数は小さくなることが知られており、添加する無機粒
子の平均粒径、形態、種類により値は違ってくる。この
ため、上記フィルム層には平均粒径0.01〜1μmの
無機粒子を0.01〜0.3重量%含有させることが好
ましい。代表的な無機粒子としては、湿式シリカ、乾式
シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、サイロイド、架
橋型シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等があり、
また、有機粒子の適用も可能である。
【0012】また、上記ベースフィルムとフィルム層の
ガラス転移温度の差は、10℃〜130℃、好ましくは
20℃〜40℃である。10℃未満であるとフィルム層
が接着剤として機能しなくなったりあるいはベースフィ
ルムの機械的強度や耐熱性等が低下し易くなり、また、
130℃を越えると被覆層形成用フィルムの巻き取りの
際にブロッキングを起こしてしまい好ましくないからで
ある。
【0013】この様な技術的手段においてベースフィル
ム並びにフィルム層を構成するポリエステルフィルムと
は、ジカルボン酸とジオール成分との縮重合により生成
されるエステル基を有するポリマーの総称を意味し、上
記ジカルボン酸として、テレフタール酸、イソフタール
酸、フタール酸、アジピン酸、セバチン酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等
が例示され、また、上記ジオール成分として、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール
等が例示される。また、これ等の中から選ばれた2種以
上のジカルボン酸とジオール成分から成る共重合体、他
のモノマー、ポリマーを共重合させたものでもよい。
【0014】そして、上記ベースフィルムを構成する結
晶性ポリエステルフィルムとはエチレンテレフタレート
成分を90モル%以上含むポリエステルフィルムで、1
0モル%未満を条件に上記エチレンテレフタレート成分
以外の成分を含んでいてもよい。エチレンテレフタレー
ト成分以外の成分が10モル%以上になると、ベースフ
ィルムのガラス転移温度、融点が低下してしまい、その
機械的強度や寸法安定性あるいは弾性率が低下してしま
うため好ましくない。尚、このフィルムの製法として
は、テレフタール酸とエチレングリコールに加えてこれ
以外の上記ジカルボン酸またはジオール成分を共重合さ
せる方法や、テレフタール酸とエチレングリコールとで
ポリエステル樹脂を合成しこれにテレフタール酸とエチ
レングリコール以外の上記ジカルボン酸とジオール成分
から得られる他のポリエステル樹脂又は共重合体等をブ
レンドし溶融混合する方法等が挙げられる。
【0015】他方、上記フィルム層を構成するポリエス
テルフィルムとはベースフィルムに較べてエチレンテレ
フタレート成分以外の成分を多く含むポリエステルフィ
ルム(すなわち、エチレンテレフタレート成分を90モ
ル%未満含むポリエステルフィルム)で、エチレンテレ
フタレートを主成分とし、これにアジピン酸、セバチン
酸、イソフタール酸等を10モル%以上含有する共重合
体、他の共重合体を混合したもの等が例示される。上記
アジピン酸やセバチン酸を共重合成分に用いた場合、ガ
ラス転移温度が60℃〜−60℃(好ましくは50℃〜
30℃)の範囲のフィルム層を設計することができる。
請求項2に係る発明は上記ベースフィルムとフィルム層
を特定した発明に関する。
【0016】すなわち、請求項2に係る発明は、請求項
1記載の発明に係る被覆層形成用フィルムを前提とし、
エチレンテレフタレート成分を90モル%以上含むポリ
エステルフィルムにより上記ベースフィルムが構成さ
れ、かつ、エチレンテレフタレート成分を90モル%未
満含むポリエステルフィルムにより上記フィルム層が構
成されていることを特徴とするものである。
【0017】次に、ベースフィルムとフィルム層から成
る被覆層形成用フィルムの厚みについては6μm〜75
μm程度に設定され、また、フィルム層の厚みについて
は0.01μm〜0.1μmの範囲に設定される(請求
項3)。フィルム層の厚みが0.01μm未満であると
フィルム層の成膜が均一にできなくなり、この上に形成
される被覆層との接着性にばらつきが生じてしまうので
好ましくない。他方、フィルム層の厚みが0.1μmを
越えると被覆層の成膜時における熱的負荷によりフィル
ム層の収縮、軟化が起り、これに起因して被覆層を均一
に成膜できなくなってガス遮断性が低下するので好まし
くない。
【0018】尚、本発明に係る被覆層形成用フィルムの
製造方法については任意であるが、その一例を以下説明
する。まず、ベースフィルムとフィルム層を構成する原
料樹脂をそれぞれ別々のホッパーに入れ押出し機内で溶
融させた後、これ等溶融樹脂をTダイ内で合流させて積
層状態で押出し未延伸積層フィルムを得る。次に、この
未延伸積層フィルムをベースフィルムのガラス転移温度
以上でフィルム層の融点以下の温度範囲内で縦及び横方
向へそれぞれ2倍〜5倍延伸し、かつ、延伸された積層
フィルムをフィルム層の結晶溶融温度以上でベースフィ
ルムの結晶溶融温度未満の温度範囲で熱処理して得られ
る。また、延伸方法としては、逐次延伸法あるいは同時
延伸法のいずれでもよい。
【0019】次に、本発明に係る被覆層形成用フィルム
の上記フィルム層上に成膜される被覆層は、アルミニウ
ム、マグネシウム、チタン、亜鉛、錫、ジルコニウム、
珪素、インジウム等の金属酸化物であり(請求項4)、
特に、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム及び酸化ケ
イ素より選択された1種又は2種以上の混合体が好まし
い(請求項5)。また、上記被覆層の形成手段として
は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリ
ング法等の物理的気相成長法や、プラズマCVD法等の
化学的気相成長法等周知の成膜手段が適用できる。ま
た、被覆層の膜厚については20nm〜200nmの範
囲であって、特に25nm〜60nmの範囲が好まし
い。20nm未満であるとガス遮断性が不十分となり、
他方、200nmを越えた場合には被覆層内の残応力に
より被覆層にクラックが発生し易くなり、被覆層形成用
フィルムから被覆層が剥がれる等の問題を生ずるからで
ある。
【0020】
【作用】請求項1〜3記載の発明に係る被覆層形成用フ
ィルムによれば、結晶性ポリエステルフィルムから成る
ベースフィルムよりそのガラス転移温度が低いポリエス
テルフィルムから成るフィルム層を具備し、このフィル
ム層がこの上に成膜される被覆層に対し接着剤として機
能するため被覆層の剥離が起こり難く、かつ、ベースフ
ィルムとフィルム層とは同系のポリエステル樹脂にて構
成されているためこれ等間の剥離も起こり難い。従っ
て、上記フィルム層の作用により被覆層形成用フィルム
に成膜された被覆層の耐剥離性能を改善することが可能
となる。
【0021】また、この被覆層形成用フィルムにおいて
結晶性ポリエステルフィルムから成るベースフィルムは
フィルム層より高いガラス転移温度を有しており、被覆
層の成膜時における熱的負荷に起因した熱収縮や弾性率
の低下が起り難いためベースフィルムの表面平滑性が損
なわれることがなく、かつ、ベースフィルム上に積層さ
れたフィルム層の平均粗さ(Ra)も0.06μm以下
と表面平滑性を具備している。従って、上記フィルム層
上に成膜される被覆層にピンホール等が形成され難くな
りそのガス遮断性も改善することが可能となる。
【0022】他方、請求項4〜5記載の発明に係る被覆
フィルムによれば、被覆層形成用フィルムが、結晶性ポ
リエステルフィルムから成るベースフィルムとベースフ
ィルムの少なくとも片面に積層され上記ベースフィルム
よりそのガラス転移温度が低いポリエステルフィルムか
ら成ると共に平均粗さ(Ra)が0.005μm〜0.
06μmであるフィルム層とで構成されることから上記
フィルム層上に形成されている被覆層は優れたガス遮断
性と耐剥離性能を具備し、かつ、上記被覆層が金属酸化
物により構成されていることから易焼却性をも具備して
いる。従って、被覆フィルム全体として優れたガス遮断
性と耐剥離性能並びに易焼却性を有している。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0024】[実施例1]ベースフィルム用樹脂材料と
してポリエチレンテレフタレート(平均粒径1μmの球
状シリカを0.05重量%含有する)を、また、フィル
ム層用樹脂材料としてポリエチレンテレフタレート/ポ
リエチレンイソフタレート=80/20モル%(平均粒
径0.5μmの球状シリカを0.04重量%含有する)
を別々のホッパーに入れ、かつ、別々の押出し機により
溶融させTダイ内で合流させて積層フィルムを得た。
【0025】次に、この積層フィルムを縦、横方向にそ
れぞれ3.3倍に延伸させ、かつ、220℃で3秒間熱
処理した後、冷却工程によりフィルム温度が30℃にな
るまで冷却した。この積層フィルムの総厚は12μm
で、フィルム層の厚さは0.05μmであった。尚、図
1(A)はこの被覆層形成用フィルム1の断面図で、ポ
リエチレンテレフタレートから成るベースフィルム10
とこの上に設けられたポリエチレンテレフタレート/ポ
リエチレンイソフタレート=80/20モル%から成る
フィルム層11とで構成されている。
【0026】この被覆層形成用フィルム(すなわち延伸
積層フィルム)1のガラス転移温度をDSC(示差走査
熱量測定)により調べたところ、ベースフィルム10、
フィルム層11のガラス転移温度Tgはそれぞれ72
℃,55℃であった。尚、このDSCは、試料を一度3
00℃にで溶融させた後、液体窒素により急冷させ、1
0℃/分で昇温してガラス転移温度Tgを検出してい
る。また、フィルム層11の平均表面粗さ(Ra)につ
いては、JIS B0601による触針式表面粗さ計を
用いて測定した。この結果を以下の表1に示す。
【0027】次に、この被覆層形成用フィルム1のフィ
ルム層11上に酸化珪素を50nm真空蒸着して被覆フ
ィルムを得た。
【0028】尚、図1(B)はこの被覆フィルム2の断
面図で、ベースフィルム10と、この上に設けられたポ
リエチレンテレフタレート/ポリエチレンイソフタレー
ト=80/20モル%から成るフィルム層11と、この
フィルム層11上に設けられた酸化珪素から成る被覆層
12とで構成されている。
【0029】[実施例2]フィルム層用樹脂材料として
ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンセバチレー
ト=85/15モル%(平均粒径0.5μmの球状シリ
カを0.04重量%含有する)を適用した点を除き実施
例1と同一の方法により同様の被覆層形成用フィルム及
び被覆フィルムを得た。尚、フィルム層のガラス転移温
度Tgと平均表面粗さ(Ra)については表1に示す。
【0030】[実施例3]実施例1において得た被覆層
形成用フィルム1のフィルム層11上に酸化マグネシウ
ムから成る50nm厚の被覆層を真空蒸着した点を除き
実施例1と同一の方法により同様の被覆フィルムを得
た。尚、フィルム層のガラス転移温度Tgと平均表面粗
さ(Ra)については表1に示す。
【0031】[実施例4]実施例2において得た被覆層
形成用フィルムのフィルム層上に酸化マグネシウムと酸
化アルミニウムの混合体から成る50nm厚の被覆層を
真空蒸着した点を除き実施例2と同一の方法により同様
の被覆フィルムを得た。尚、フィルム層のガラス転移温
度Tgと平均表面粗さ(Ra)については表1に示す。
【0032】[実施例5]実施例1においてフィルム層
11の厚さを0.01μmにしている点を除き実施例1
と同一の方法により同様の被覆層形成用フィルム及び被
覆フィルムを得た。尚、フィルム層のガラス転移温度T
gと平均表面粗さ(Ra)については表1に示す。
【0033】[実施例6]実施例1においてフィルム層
11の厚さを0.1μmにしている点を除き実施例1と
同一の方法により同様の被覆層形成用フィルム及び被覆
フィルムを得た。尚、フィルム層のガラス転移温度Tg
と平均表面粗さ(Ra)については表1に示す。
【0034】[実施例7]実施例1のフィルム層用樹脂
材料としてポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン
イソフタレート=80/20モル%(平均粒径0.5μ
mの球状シリカを0.04重量%含有する)に代えて、
ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンイソフタレ
ート=80/20モル%(平均粒径1.5μmの球状シ
リカを0.2重量%含有する)を適用した点を除き実施
例1と同一の方法により同様の被覆層形成用フィルム及
び被覆フィルムを得た。尚、フィルム層のガラス転移温
度Tgと平均表面粗さ(Ra)については表1に示す。
【0035】[比較例1]実施例1のフィルム層用樹脂
材料としてポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン
イソフタレート=80/20モル%(平均粒径0.5μ
mの球状シリカを0.04重量%含有する)に代えて、
ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンイソフタレ
ート=80/20モル%(平均粒径0.3μmの球状シ
リカを0.02重量%含有する)を適用した点を除き実
施例1と同一の方法により同様の被覆層形成用フィルム
及び被覆フィルムを得た。尚、フィルム層のガラス転移
温度Tgと平均表面粗さ(Ra)については表1に示
す。
【0036】[比較例2]ガラス転移温度が70℃であ
る厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルムの片面にアクリルエマルジョンから成る厚さ2
μmの中間層をグラビアコーティング法により形成して
被覆層形成用フィルムを得た後、この中間層上に酸化珪
素を50nm真空蒸着して被覆フィルムを得た。尚、中
間層の平均表面粗さ(Ra)は0.05μmであった。
【0037】『評価試験』次に、得られた各実施例に係
る被覆フィルムと比較例に係る被覆フィルムについてそ
の耐剥離性能(接着性)とガス遮断性(酸素透過度並び
に水蒸気透過度)を評価するための試験を行った。
【0038】(1)耐剥離性能(接着性)試験(その1) フィルム層若しくは中間層上に成膜された各被覆層(蒸
着膜)上に二液硬化型のウレタン系接着剤を塗布し、か
つ、厚さ50μmの未延伸ポリプロピレンフィルムをド
ライラミネート法により積層し、40℃で3日エージン
グさせた後、引っ張り試験機により被覆層(蒸着膜)と
被覆層形成用フィルム間の接着強度を測定した。そし
て、接着強度の大小により耐剥離性能(接着性)を評価
した。
【0039】評価基準 ランク1:300g/15mm以上 ランク2:200g/15mm以上、300g/15m
m未満 ランク3:100g/15mm以上、200g/15m
m未満 ランク4:50g/15mm以上、100g/15mm
未満 これ等の結果を下記の表1に示す。
【0040】(2)耐剥離性能(接着性)試験(7days/30
days) 実施例並びに比較例に係る被覆フィルムにより3方シー
ルの袋を作成し、この袋内に水を充填すると共に、40
℃90%RH下で7日間保管した後、上記耐剥離性能
(接着性)試験(その1)と同様の方法により被覆層
(蒸着膜)と被覆層形成用フィルム間の接着強度を測定
した。同様に、40℃90%RH下で30日間保管した
後、接着強度を測定した。
【0041】評価基準 ランク1:300g/15mm以上 ランク2:200g/15mm以上、300g/15m
m未満 ランク3:100g/15mm以上、200g/15m
m未満 ランク4:50g/15mm以上、100g/15mm
未満 これ等の結果を下記の表1に示す。
【0042】(3)ガス遮断性(酸素透過度)試験 JIS K7126 B法(同圧法)による酸素ガスの
透過度を測定した。
【0043】測定器 :MoconOxtran 測定条件:27℃−75%RH雰囲気で測定 これ等の結果を下記の表1に示す。尚、表では数値のみ
表示されているがその単位は(cc/m2/day/a
tm)である。
【0044】(4)ガス遮断性(水蒸気透過度)試験 JIS K7129 B法(赤外センサー法)による水
蒸気の透過度を測定した。
【0045】測定器 :MoconPermatran これ等の結果を下記の表1に示す。尚、表では数値のみ
表示されているがその単位は(g/m2/day)であ
る。
【0046】
【表1】
【0047】『確認』表1のデータから、比較例2に較
べて実施例1〜4に係る被覆フィルムはその耐剥離性能
(接着性)とガス遮断性(酸素透過度並びに水蒸気透過
度)が大幅に改善されていることが確認できる。
【0048】尚、実施例5についてはフィルム層の厚さ
が0.01μmと他の実施例に較べて薄く設定されてい
るため、若干、耐剥離性能(接着性)の低下が確認され
た。他方、実施例6についてはフィルム層の厚さが0.
1μmと他の実施例に較べて厚く設定されているため、
若干、ガス遮断性(酸素透過度並びに水蒸気透過度)の
低下が確認された。但し、耐剥離性能(接着性)とガス
遮断性(酸素透過度並びに水蒸気透過度)が共に悪い比
較例2に較べ優れた特性を有している。
【0049】また、実施例7についてはフィルム層の平
均表面粗さ(Ra)が0.06μmと他の実施例に較べ
て大きく設定されているため、実施例1〜4に係る被覆
フィルムに較べて、若干、ガス遮断性(酸素透過度並び
に水蒸気透過度)の低下が確認された。
【0050】尚、比較例1についてはフィルム層の平均
表面粗さ(Ra)が0.004μmと他の実施例に較べ
て小さく設定されていることから安定したフィルムの巻
取性が得られなくなり、皺の発生によりフィルム化が困
難となり上記特性の測定はできなかった。
【0051】
【発明の効果】請求項1〜3の発明によれば、被覆層形
成用フィルム上にガス遮断性と耐剥離性に優れた被覆層
を形成できる効果を有する。
【0052】また、請求項4〜5に係る発明によれば、
ガス遮断性と耐剥離性並びに易焼却性に優れた被覆フィ
ルムを提供できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は実施例に係る被覆層形成用フィル
ムの断面図、図1(B)は実施例に係る被覆フィルムの
断面図である。
【符号の説明】
1 被覆層形成用フィルム 2 被覆フィルム 10 ベースフィルム 11 フィルム層 12 被覆層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属若しくは金属化合物から成る被覆層が
    気相成長法により成膜される被覆層形成用フィルムにお
    いて、 結晶性ポリエステルフィルムから成るベースフィルム
    と、このベースフィルムの少なくとも片面に積層され上
    記ベースフィルムよりそのガラス転移温度が低いポリエ
    ステルフィルムから成るフィルム層とで構成され、か
    つ、このフィルム層の平均粗さ(Ra)が0.005μ
    m〜0.06μmであることを特徴とする被覆層形成用
    フィルム。
  2. 【請求項2】エチレンテレフタレート成分を90モル%
    以上含むポリエステルフィルムにより上記ベースフィル
    ムが構成され、かつ、エチレンテレフタレート成分を9
    0モル%未満含むポリエステルフィルムにより上記フィ
    ルム層が構成されていることを特徴とする請求項1記載
    の被覆層形成用フィルム。
  3. 【請求項3】上記フィルム層の厚みが0.01μm〜
    0.1μmであることを特徴とする請求項1又は2記載
    の被覆層形成用フィルム。
  4. 【請求項4】被覆層形成用フィルムと気相成長法により
    成膜された被覆層とを備える被覆フィルムにおいて、 上記被覆層形成用フィルムが、結晶性ポリエステルフィ
    ルムから成るベースフィルムとベースフィルムの少なく
    とも片面に積層され上記ベースフィルムよりそのガラス
    転移温度が低いポリエステルフィルムから成ると共に平
    均粗さ(Ra)が0.005μm〜0.06μmである
    フィルム層とで構成され、かつ、上記被覆層が金属酸化
    物により構成されていることを特徴とする被覆フィル
    ム。
  5. 【請求項5】上記金属酸化物が、酸化マグネシウム、酸
    化アルミニウム及び酸化ケイ素より選択された1種又は
    2種以上の混合体であることを特徴とする請求項4記載
    の被覆フィルム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009012310A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Toppan Printing Co Ltd ガスバリアフィルム
JP2011202268A (ja) * 2010-03-04 2011-10-13 Mitsubishi Materials Corp 薄膜形成用の蒸着材及び該薄膜を備える薄膜シート並びに積層シート
WO2013031703A1 (ja) * 2011-08-26 2013-03-07 東洋紡株式会社 ガスバリア性フィルム
JP2014065292A (ja) * 2012-09-10 2014-04-17 Toyobo Co Ltd 透明バリアフィルム

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