JP3257429B2 - ガスバリアー性構造物及びそれを用いた包装材料 - Google Patents

ガスバリアー性構造物及びそれを用いた包装材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にエレクトロニ
クス機器用表示体、フレキシブル電子回路用基盤材料、
包装材料等の分野に使用可能なガスバリアー性構造物に
関するものであり、特に高ガスバリアー性を要求される
包装材料用として適したガスバリアー性構造物及びそれ
を用いた包装材料である。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子フィルム基材の表面に金
属、又は金属酸化物の蒸着層を積層した蒸着フィルムは
良く知られている(特開平1−255661号、特開平
2−34330号等)。金属蒸着層を有するフィルムは
光沢性、意匠性、酸素ガス遮断性の点で優れており、そ
の特徴を生かして食品や医薬品の包装材料、その他産業
資材として広く用いられている。
【0003】また、金属酸化物層を有するフィルムは一
般的に透明であり、電気絶縁性であり、酸素、炭酸ガス
等の遮断性に優れることから、やはり食品等の包装材
料、電気部品用フィルム材料として用いられている。し
かしながら、これらの基材フィルムはポリエチレンテレ
フタレート樹脂やポリプロピレン樹脂の延伸フィルムが
基材として通常、使われており、基材フィルムの耐熱性
あるいは基材フィルム自体のガスバリアー性が充分なも
のではなく、また、折り曲げによるクラック発生でガス
バリアー性が低下したり、高温、高圧処理あるいはこれ
らの環境下での性能低下が少なくなく、自ずと、産業上
での利用分野、用途に制約を受けざるを得なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、酸化珪素蒸着
層を一般のプラスチックフィルム上に施した場合には、
2000Å程度の層厚みにしないと充分なガスバリアー
性を確保できず、また、このような厚膜を施した場合に
は折り曲げによるクラック発生、高温処理、高圧処理に
よる基材フィルムの収縮に伴うクラック発生によってガ
スバリアー性が低下するという問題点があった。このよ
うな問題点を鑑みて、本発明は防湿性、耐圧性、保湿性
の保持性能及び酸化防止等のためのガスバリアー性に優
れ、耐熱性、非収縮性、強度、可撓性に優れた包装材料
用あるいは電気部品構成用フィルムとして適したガスバ
リアー性構造物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は従来のフィルム
の上記問題点を解決するべくなされたもので、基本的に
熱可塑性液晶樹脂層の片面あるいは両面に金属、又は
無機質酸化物の層を施すことにより解決したものであ
る。
【0006】具体的には、請求項1の発明は、熱可塑性
液晶樹脂層がその片面側と、該片面側の反対側におい
て、樹脂配向方向が90度乃至20度の差を有してお
り、該熱可塑性液晶樹脂層の少なくとも片面に、金属又
は無機質酸化物の層が蒸着層で厚みが400〜1500
Åである金属あるいは無機質酸化物の層を有することを
特徴とするガスバリアー性構造物である。請求項2の発
明は、熱可塑性液晶樹脂層の片面側に順次、少なくとも
下引き樹脂層、金属又は無機質酸化物層を設けたことを
特徴とする請求項1記載のガスバリアー性構造物であ
る。請求項3の発明は、熱可塑性液晶樹脂層の片面側に
順次、少なくとも下引き樹脂層、金属又は無機質酸化物
層および上引き樹脂層を設けたことを特徴とする請求項
1又は請求項2記載のガスバリアー性構造物である。請
求項4の発明は、熱可塑性液晶樹脂層の一方の片面側に
順次、少なくとも下引き樹脂層、金属又は無機質酸化物
層および上引き樹脂層を設け、熱可塑性液晶樹脂層の他
方の片面側にポリエチレンテレフタレート樹脂層を設け
たことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の何れか
のガスバリアー性構造物である。請求項5の発明は、
リエチレンテレフタレート樹脂層側にさらにポリオレフ
ィン樹脂層を設けたことを特徴とする請求項4記載のガ
スバリアー性構造物である。請求項6の発明は、請求項
1乃至請求項5記載の何れかの構造物から成る包装材料
である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を詳
細に説明する。
【0008】なお、図1乃至図5は本発明の構造物のそ
れぞれ別の例の断面構造を模式的に表したものである。
まず、図1に示す構造物は、液晶樹脂層1の少なくとも
片面に金属あるいは無機質酸化物層2を設けた構造であ
る。なお、液晶樹脂層1は熱可塑性液晶樹脂である場合
もある。図2に示す構造物は、熱可塑性液晶樹脂層1の
片面に順次、下引き樹脂層3、金属あるいは無機質酸化
物層2を少なくとも設けた構造である。なお、熱可塑性
液晶樹脂層1の片面とその反対面を構成している樹脂が
互いにその配向方向が90度乃至20度の差を有してい
るのが好ましい。図3に示す構造物は、熱可塑性液晶樹
脂層1の片面に順次、下引き樹脂層3、金属あるいは無
機質酸化物層2、および上引き層4を少なくとも設けた
構造である。図4に示す構造物は、熱可塑性液晶樹脂層
1の一方の面にポリエチレンテレフタレート樹脂層5を
設け、他方の面に順次、下引き樹脂層3、金属あるいは
無機質酸化物層2、および上引き層4を少なくとも設け
た構造である。図5に示す構造物は、熱可塑性液晶樹脂
層1の一方の面に順次、ポリオレフイン樹脂層6、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂層5を設け、他方の面に順
次、下引き樹脂層3、金属あるいは無機質酸化物層2お
よび上引き層4を少なくとも設けた構造である。
【0009】次に本発明の構造物の各層を構成する材質
について説明するする。まず、液晶樹脂層としては、ラ
イオトロピック液晶樹脂あるいは熱可塑性液晶樹脂を用
いることができ、ライオトロピック液晶樹脂としては芳
香族ポリアミド、ポリフェニレンビスベンゾチアゾール
等の樹脂を用いることができる。これらの樹脂を溶媒中
に溶解し、溶媒を除去してフィルム状構造物としてもよ
いし、熱可塑性液晶樹脂を溶融押出してフィルム状構造
物としてもよい。
【0010】熱可塑性液晶樹脂としては芳香族ジオー
ル、芳香族ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、脂肪
族グリコール等の共重合により得られるものを用いるこ
とができる。具体的なモノマーとしてはパラオキシ安息
香酸や2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸のようなオキシ
カルボン酸、4,4’−ヒドロキシ−1,1’−ヒフェ
ノールやハイドロキノンのようなフェノール性ジオー
ル、あるいは2,6ナフタリンカルボン酸、四,四’−
ビフェニルジカルボン酸のようなジカルボン酸を剛直モ
ノマーとして持つモノマーの重合物を用いることができ
る。
【0011】液晶樹脂をバリアー性樹脂として用いるた
めに熱可塑性液晶樹脂をフィルム状構造物に加工する技
術は、米国特許第4963428号、米国特許第496
6807号、米国特許第5288529号等により開示
されており、これらにより開示されている回転ダイを用
いた技術により成形されたフィルム状構造物は、そのま
まの状態で未延伸フィルムとして使用しても構わない
し、さらに一軸あるいは二軸方向に延伸して熱固定して
も構わない。
【0012】最終的なフィルムの内部配向状態として
は、フィルムの表面とその反対面において20度から9
0度の配向角度の違いを持たせる必要があり、図6およ
び図7における配向角度Aは20度から160度の範囲
が好ましい。さらに好ましくは40度から130度の範
囲が適している。配向角度が20度未満ではフィルム構
造物の縦および横方向の引っ張り強さに大きな差が出る
ことになり、フィルムとしての強度維持ができなくな
る。その結果、本発明の構造物としての強度、耐熱性、
機械的強度、ガスバリアー性の面で好ましくない。ま
た、液晶樹脂層の厚みとしては10μmから100μm
が好ましい。さらに、液晶樹脂層は図8に示すように三
層構造であってもよく、上記同様に配向角度が20度か
ら160度の範囲であればよい。
【0013】金属あるいは無機酸化物2としては珪素、
アルミニウム、チタン、マグネシウム、ジルコニウム、
スズ等の酸化物あるいはこれらの混合物を単体、又は複
合物として用いることができ、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、プラズマ気相成長法等の真空プロセスにより形
成することができる。この金属あるいは無機酸化物2の
厚みは構造物の使用目的により異なるが、ガス遮断目的
で使う場合は400Å以上あればよく、通常、1500
Å以下の厚みで形成される。
【0014】下引き樹脂層3としてはウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、エチレンアクリル無水マレイン酸共重
合樹脂等を用いることができ、下引き樹脂層3を施す前
に液晶樹脂層2にフレーム処理、コロナ処理、プラズマ
処理等の表面処理を施してもよい。
【0015】下引き樹脂層3の厚みは特に制約はない
が、3μm以下の厚みが好ましい。下引き樹脂層3を施
す目的は、金属あるいは無機酸化物との密着性向上及び
層表面の平滑性を確保することにより堆積した金属ある
いは無機酸化物の連続性を確保するためである。特に液
晶樹脂層2が表面平滑性に欠ける場合は下引き樹脂層3
が重要となる。
【0016】上引き樹脂層4は金属あるいは無機酸化物
層の表面を保護する目的で施されることが多く、樹脂と
しては用途に応じて、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポ
リビニルアルコール樹脂、ポリエステル樹脂等が用いら
れる。
【0017】ポリエステル樹脂層5は液晶樹脂層2の強
度保持、コストダウン等の目的で用いられ、通常の二軸
延伸フィルムあるいは未延伸フィルムを用いることがで
きる。液晶樹脂は比較的高価な材料であるので、液晶樹
脂の使用量を減らし、より産業的に使いやすい構造物と
するために用いられることが多い。ポリエステル樹脂は
一般的にはエチレングリコールとテレフタル酸の縮合反
応により重合されたものが用いられるが、上記多塩基酸
および多価アルコールはそれぞれコモノマー成分として
他の多塩基酸および多価アルコールを含むことができる
し、他の多塩基酸および多価アルコールから成るエステ
ル樹脂であっても構わない。但し、主体となるポリエス
テル樹脂は材料価格を考慮すると一般的にポリエチレン
テレフタレート樹脂を用いるのが好ましい。その他にも
ポリエチレンイソフタレート樹脂、ポリエチレンナフタ
レート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等を用い
ることができる。
【0018】ポリオレフィン樹脂としては通常のポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン
樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等
を目的に応じて使い分けることができる。
【0019】本発明は上記したような構成になってお
り、異方性を少なくした液晶樹脂層上に金属あるいは無
機物の酸化物層を施すことにより基材としての液晶樹脂
層の耐熱性、寸法安定性、ガスバリアー性の優れた性能
がさらに向上し、金属あるいは無機物の酸化物層の特徴
であるガスバリアー性が相乗的に発揮される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0021】<実施例1>多層延伸ダイを用いて、液晶
樹脂(ベクトラA950:ヘキストセラニーズ社製)を
溶融押出しし、ブロウンフィルム法により厚み15μ
m、最大配向角度90度の図8に示す構造の液晶樹脂フ
ィルムを作製した。この液晶樹脂フィルムにコロナ表面
処理を施した後、ポリエステル樹脂(バイロン300:
東洋紡績株式会社製)を1μmの厚みで塗工し、さらに
スパッタリング法により酸化珪素SiOX (X=1〜
1.5)を500Åの厚みで蒸着し、さらにアクリル樹
脂を保護層として2μmの厚みで塗工した。得られた構
造物は柔軟性の優れたフィルムであった。
【0022】<実施例2>多層延伸ダイを用いて、液晶
樹脂(ベクトラA950:ヘキストセラニーズ社製)を
溶融押出しし、厚み10μm、最大配向角度90度の図
8に示す構造の液晶樹脂フィルムを作製した。この液晶
樹脂フィルムにコロナ表面処理を施した後、ポリエステ
ル樹脂(バイロン300:東洋紡績株式会社製)を1μ
mの厚みで塗工し、さらにスパッタリング法により酸化
珪素SiOX (X=1〜1.5)を500Åの厚みで蒸
着し、さらにアクリル樹脂を保護層として2μmの厚み
で塗工した。液晶樹脂面側に厚み12μmの二軸延伸ポ
リエステルフィルムを接着剤を用いて貼り合わせ、さら
に厚み30μmのポリプロピレン樹脂フィルムを貼り合
わせた。得られた構造物は柔軟性および引っ張り強度の
優れたフィルムであった。
【0023】<実施例3>四層延伸ダイを用いて、最内
層樹脂層としてポリエチレンテレフタレート樹脂、最内
層から二番目の樹脂層としてエチレングリシジルメタク
リレート共重合樹脂、液晶樹脂(ベクトラA950:ヘ
キストセラニーズ社製)、液晶樹脂を溶融押出しし、総
厚み30μm(最内層より5:1:2:2の層厚比)、
液晶樹脂層の最大配向角度70度の図8に示す構造の液
晶樹脂フィルムを作製した。この液晶樹脂フィルムにコ
ロナ表面処理を施した後、ポリエステル樹脂(バイロン
300:東洋紡績株式会社製)を1μmの厚みで塗工
し、さらにスパッタリング法により酸化珪素SiO
X (X=1〜1.5)を500Åの厚みで蒸着し、さら
にアクリル樹脂を保護層として2μmの厚みで塗工し
た。ポリエチレンテレフタレート樹脂側に厚み30μm
のポリプロピレンフィルムを貼り合わせた。得られた構
造物は柔軟性および引っ張り強度の優れたフィルムであ
った。
【0024】<実施例4>四層延伸ダイを用いて、最内
層樹脂層としてポリエチレンテレフタレート樹脂、最内
層から二番目の樹脂層としてエチレングリシジルメタク
リレート共重合樹脂、液晶樹脂(ベクトラA950:ヘ
キストセラニーズ社製)、液晶樹脂を溶融押出しし、総
厚み30μm(最内層より5:1:2:2の層厚比)、
液晶樹脂層の最大配向角度70度の図8に示す構造の液
晶樹脂フィルムを作製した。この液晶樹脂フィルムにコ
ロナ表面処理を施した後、ポリエステル樹脂(バイロン
300:東洋紡績株式会社製)を1μmの厚みで塗工
し、さらにスパッタリング法により酸化アルミニウム
(Al2 3 )を500Åの厚みで蒸着し、さらにポリ
ビニルアルコール樹脂を主原料とする保護層を1μmの
厚みで塗工した。ポリエチレンテレフタレート樹脂側に
厚み30μmのポリプロピレン樹脂フィルムを貼り合わ
せた。得られた構造物は柔軟性および引っ張り強度の優
れたフィルムであった。
【0025】<実施例5>四層延伸ダイを用いて、最内
層樹脂層としてポリエチレンテレフタレート樹脂、最内
層から二番目の樹脂層としてエチレングリシジルメタク
リレート共重合樹脂、液晶樹脂(ベクトラA950:ヘ
キストセラニーズ社製)、液晶樹脂を溶融押出しし、総
厚み30μm(最内層より5:1:2:2の層厚比)、
液晶樹脂層の最大配向角度70度の図8に示す構造の液
晶樹脂フィルムを作製した。この液晶樹脂フィルムにコ
ロナ表面処理を施した後、ポリエステル樹脂(バイロン
300:東洋紡績株式会社製)を1μmの厚みで塗工
し、さらにスパッタリング法により酸化珪素SiO
X (X=1〜1.5)を500Åの厚みで蒸着し、さら
にアクリル樹脂を保護層として2μmの厚みで塗工し
た。ポリエチレンテレフタレート樹脂側に厚み30μm
のポリプロピレンフィルムを貼り合わせた。得られたフ
ィルムを長方形状に切断し、ポリプロピレン側を内面と
して中央から二つ折りにして三方をヒートシールし、四
角形状の包装袋とした。
【0026】<比較例1>実施例1において、液晶樹脂
層の配向角度を15度とした以外は全く同一の構造物を
得た。得られた構造物は縦方向の引っ張り強度は強い
が、横方向の引っ張り強度が弱いフィルムであった。
【0027】<比較例2>実施例1において、液晶樹脂
を用いる代わりにポリエチレンテレフタレート樹脂を用
いた以外は、全く同様の方法で実施例1と同様のフィル
ム構造物を作製し、柔軟なフィルムを得た。
【0028】<比較例3>実施例2において、酸化珪素
の蒸着層を設けなかった以外は実施例2と同様の方法に
よりフィルム構造物を作製し、柔軟なフィルムを得た。
【0029】<比較例4>実施例3において、酸化珪素
の蒸着層を設けなかった以外は実施例3と同様の方法に
よりフィルム構造物を作製し、柔軟なフィルムを得た。
【0030】<比較例5>実施例3において、液晶樹脂
を用いる代わりにポリプロピレン樹脂を用いた以外は、
全く同様の方法で実施例3と同様のフィルム構造物を作
製し、柔軟なフィルムを得た。
【0031】<比較例6>実施例4において、液晶樹脂
を用いる代わりにポリプロピレン樹脂を用いた以外は、
全く同様の方法で実施例4と同様のフィルム構造物を作
製し、柔軟なフィルムを得た。以上の各実施例、比較例
に示された構造物の物性を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示す結果からわかるように、本発明
に係る実施例のものは何れも、酸素透過率、水蒸気透過
率が優れた数値を示しており、また、ストレス付与後に
おいても酸素透過率の低下はあるものの、実用上、何ら
問題のない数値であった。また、耐熱性の点でも収縮が
全く生じず、問題ないことがわかる。これに対して、比
較例2乃至6のものは酸素透過性、水蒸気透過性が劣っ
ていることがわかる。ただ、比較例1のものが実施例の
ものと比較して、酸素透過性、水蒸気透過性が同等であ
るが、ストレス付与後の酸素透過率が大きく低下してい
ることがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明により得られたガスバリアー性構
造物は優れたガス遮断性、折り曲げ等のストレスを付与
した後でもクラックが生じにくく、ガス遮断性が損なわ
れることがなく、異方性のないガスバリアー性構造物で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の一例を示す断面図である。
【図5】本発明の一例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る構造物のフィルムの内部配向状態
を表す説明図である。
【図7】本発明に係る構造物のフィルムの内部配向状態
を表す説明図である。
【図8】本発明に係る構造物のフィルムの内部配向状態
を表す説明図である。
【図9】本発明に係る構造物のフィルムの内部配向状態
を表す説明図である。
【符号の説明】
1:液晶樹脂層 5:ポリエ
ステル樹脂層 2:金属あるいは無機質酸化物層 6:ポリオ
レフィン樹脂層 3:下引き樹脂層 4:上引き樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原沢 敦子 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 審査官 平井 裕彰 (56)参考文献 特開 昭61−130046(JP,A) 特開 昭58−31718(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性液晶樹脂層がその片面側と、該片
    面側の反対側において、樹脂配向方向が90度乃至20
    度の差を有しており、該熱可塑性液晶樹脂層の少なくと
    も片面に、金属又は無機質酸化物の層が蒸着層で厚みが
    400〜1500Åである金属あるいは無機質酸化物の
    層を有することを特徴とするガスバリアー性構造物。
  2. 【請求項2】熱可塑性液晶樹脂層の片面側に順次、少な
    くとも下引き樹脂層、金属又は無機質酸化物層を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載のガスバリアー性構造
    物。
  3. 【請求項3】熱可塑性液晶樹脂層の片面側に順次、少な
    くとも下引き樹脂層、金属又は無機質酸化物層および上
    引き樹脂層を設けたことを特徴とする請求項1又は請求
    項2記載のガスバリアー性構造物。
  4. 【請求項4】熱可塑性液晶樹脂層の一方の片面側に順
    次、少なくとも下引き樹脂層、金属又は無機質酸化物層
    および上引き樹脂層を設け、熱可塑性液晶樹脂層の他方
    の片面側にポリエチレンテレフタレート樹脂層を設けた
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の何れかの
    ガスバリアー性構造物。
  5. 【請求項5】ポリエチレンテレフタレート樹脂層側にさ
    らにポリオレフィン樹脂層を設けたことを特徴とする請
    求項4記載のガスバリアー性構造物。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5記載の何れかの構造
    物から成る包装材料。
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