JPH09316309A - ポリエステル水分散体及びこれを塗布したポリエステルフイルム - Google Patents

ポリエステル水分散体及びこれを塗布したポリエステルフイルム

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JPH09316309A
JPH09316309A JP8133160A JP13316096A JPH09316309A JP H09316309 A JPH09316309 A JP H09316309A JP 8133160 A JP8133160 A JP 8133160A JP 13316096 A JP13316096 A JP 13316096A JP H09316309 A JPH09316309 A JP H09316309A
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polyester
mol
film
copolyester
acid
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JP8133160A
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Mitsuru Teramoto
満 寺本
Manabu Kimura
学 木村
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐水性、耐ブロッキング性に優れた
易接着性塗膜(プライマー層)を形成しうるポリエステ
ル水分散体、およびこれを塗布した易接着性ポリエステ
ルフイルムを提供する。 【解決手段】 共重合ポリエステルの微粒子を水媒体に
均一に分散させたポリエステル水分散体であって、該共
重合ポリエステルが、80〜99モル%のテレフタル
酸、0.1〜5モル%のスルホン酸塩の基を有する芳香
族ジカルボン酸および0〜20モル%の他の芳香族ジカ
ルボン酸成分と、30〜80モル%のエチレングルコー
ル、20〜50モル%のビスフェノールAのエチレンオ
キシド付加物および0〜20モル%の他のグリコール成
分とから構成される共重合ポリエステルであることを特
徴とするポリエステル水分散体、並びにこれをポリエス
テルフイルムの少なくとも一方の表面に塗布し、乾燥さ
せて該表面の上に易接着層を形成させた易接着性ポリエ
ステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル水分散
体およびこれを塗布した易接着性ポリエステルフイルム
に関し、更に詳しくは耐熱性、耐水性、耐ブロッキング
性に優れた易接着性塗膜(易接着層)を形成し得るポリ
エステル水分散体およびこれを塗布した、包装材料、磁
気カード、磁気テープ、磁気ディスク、印刷材料等に有
用な易接着性ポリエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチ
レンテレフタレートもしくはその共重合体、ポリエチレ
ンナフタレートもしくはその共重合体、あるいはこれら
と少量の他の樹脂とのブレンド物等を溶融押出し、二軸
延伸後、熱固定したポリエステルフイルムは、機械強
度、耐熱性、耐薬品性等に優れ、産業上種々の分野で利
用されている。しかし、その表面は高度に結晶配向され
ているので、塗料、接着剤、インキ等の受容性に乏しい
という問題がある。
【0003】ポリエステルフイルム表面の受容性を高め
る方法として、予めフイルム表面に合成樹脂によるプラ
イマー層(下塗り層)を設け、ベースフイルムとは異質
の表面層を薄く形成する方法がある。プライマー層の形
成は、合成樹脂の有機溶媒溶液または水性液(水溶液、
水分散体)を用い、これをフイルム表面に塗設すること
により実施される。
【0004】このプライマー層形成のための樹脂水性液
として、ポリエステル系ポリマーの水性液、アクリル系
ポリマーの水性液などが挙げられる。特に、ポリエステ
ル系ポリマーの水性液については、例えば特公昭56−
5476号、特開昭60−248232号など多くの提
案がなされている。しかし、従来のポリエステル系ポリ
マーの水性液より形成されたプライマー層は、耐熱性、
耐水性の点で不満足なものであり、このため製膜工程上
および製品フイルムの取扱上問題となり、とくに高温
度、高湿度下でのポリマーの張り付き(ブロッキング)
が問題となる。一方、ブロッキングを抑制するにはプラ
イマー層の塗布量を少なく制限することが有効である
が、塗布量を少なく制限すると、接着性能が発現できな
くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
欠点を解消し、耐熱性、耐水性、耐ブロッキング性およ
び易接着性に優れたプライマー層を開発すべく鋭意検討
した結果、本発明に到達した。
【0006】本発明の目的は、耐熱性、耐水性、耐ブロ
ッキング性の優れた易接着性塗膜(プライマー層:易接
着層)を形成し得るポリエステル水分散体およびこれを
塗布した易接着性ポリエステルフイルムを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
本発明によれば、 1.共重合ポリエステルの微粒子を水媒体に均一に分散
させたポリエステル水分散体であって、該共重合ポリエ
ステルが、80〜99モル%のテレフタル酸、0.1〜
5モル%のスルホン酸塩の基を有する芳香族ジカルボン
酸および0〜20モル%の他の芳香族ジカルボン酸成分
と、30〜80モル%のエチレングルコール、20〜5
0モル%の下記式(1)で示されるビスフェノールAの
エチレンオキシド付加物、0〜20%の他のグリコール
成分とから構成される共重合ポリエステルであることを
特徴とするポリエステル水分散体、並びに、
【0008】
【化2】
【0009】(式(1)で、m+nは平均値が2以上3
未満の数である。)
【0010】2.ポリエステルフイルムの少なくとも一
方の表面に上記1のポリエステル水分散体を塗布し、乾
燥させて該表面の上に易接着層を形成させた易接着性ポ
リエステルフイルムによって達成される。
【0011】本発明における共重合ポリエステルは、ポ
リマーを構成する酸成分の80〜99モル%がテレフタ
ル酸、0.1〜5モル%がスルホン酸塩の基を有する芳
香族ジカルボン酸および0〜20モル%が他の芳香族ジ
カルボン酸からなり、かつグリコール成分が30〜80
モル%のエチレングリコール、20〜50モル%のビス
フェノールAのエチレンオキシド付加物、0〜20モル
%が他のグリコールよりなる共重合ポリエステルであ
る。
【0012】前記共重合ポリエステルの酸成分におい
て、テレフタル酸の割合が80モル%未満になるとフイ
ルムの耐ブロッキング性が低下するので好ましくなく、
一方95モル%を超えると、共重合ポリエステルの、使
用する親水性有機溶媒への溶解が困難となり、このた
め、水分散化が難しくなる。この場合、後述するグリコ
ール成分を共重合させて非晶性を向上させることが有効
で、かつ好ましいが、テレフタル酸の割合が99モル%
を超えると非晶性向上のグリコール成分を共重合しても
もはや親水性有機溶媒に溶解しなくなるため好ましくな
い。さらに、スルホン酸塩の基を有する芳香族ジカルボ
ン酸の割合が0 .1モル%未満になると、該共重合ポリ
エステルの親水性が低下し、このため、水分散化が難し
くなるので好ましくない。一方、5モル%を超えると、
フイルムの親水性が大きくなり耐ブロッキング性が低下
するので好ましくなく、この点において好ましくは3モ
ル%以下である。
【0013】このスルホン酸塩の基を有する芳香族ジカ
ルボン酸としては、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、5−リチウムス
ルホイソフタル酸、5−ホスホニウムスルホイソフタル
酸等が好ましく挙げられルが、水分散性良化には、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイ
ソフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸がより好
ましく、なかでも5−ナトリウムスルホイソフタル酸が
最も好ましい。
【0014】前記共重合ポリエステルの酸成分は、上述
した割合のテレフタル酸およびスルホン酸塩の基を有す
る芳香族ジカルボン酸を有するが、これらといっしょに
他の芳香族ジカルボン酸を使用することができる。この
他の芳香族ジカルボン酸としては、例えばイソフタル
酸、フタル酸、ビフェニルジカルボン酸等を挙げること
ができる。これらのなかでイソフタル酸が特に好まし
い。
【0015】また、前記共重合ポリエステルのグリコー
ル成分において、エチレングリコールの割合が30モル
%未満になると、フイルムの耐ブロッキング性が低下す
るので好ましくない。
【0016】本発明において共重合ポリエステルの非晶
性を向上させる目的でエチレングリコールと併用するビ
スフェノールAのエチレンオキシド付加物は、下記式
(1)で示される化合物であり、この化合物の併用は水
分散性に効果がある。ここで、この化合物の割合が20
モル%未満になると水分散化難しくなり、一方、50モ
ル%を超えるとフイルムの耐ブロッキング性が低下する
だけでなく、共重合ポリエステルの重合速度が低下する
ため実用的でない。また、m+nが3以上であると共重
合ポリマーのガラス転移点が低いものとなり耐湿熱ブロ
ッキング性が低下するので、m+nは小さいほど好まし
く、m+n=2が最も好ましい。
【0017】
【化3】
【0018】(式(1)で、m+nは平均値が2以上3
未満の数である。)
【0019】前記共重合ポリエステルのグリコール成分
は、上述した割合のエチレングリコールおよびビスフェ
ノールAのエチレンオキシド付加物を有するが、20モ
ル%未満の割合であれば、これらと一緒に他の脂肪族ま
たは脂環族グリコールを使用することができる。この他
の脂肪族または脂環族グリコールとしては、例えば1,
4ーブタンジオール、1,4ーシクロヘキサンジメタノ
ール等を好ましく挙げることができる。
【0020】本発明における共重合ポリエステルの固有
粘度は0.2〜0.8dl/gが好ましい。ここで固有
粘度とはオルトクロロフェノールを用いて35℃で測定
した値である。
【0021】本発明における共重合ポリエステルは、従
来からのポリエステルの製造技術によって製造すること
ができる。例えばテレフタル酸またはそのエステル形成
性誘導体、イソフタル酸またはそのエステル形成性誘導
体および5−リチウムスルホイソフタル酸またはそのエ
ステル形成性誘導体をエチレングリコールおよびビスフ
ェノールAのエチレンオキシド付加物と反応せしめてモ
ノマーもしくはオリゴマーを形成し、その後真空下で重
縮合せしめることによって所定の固有粘度の共重合ポリ
エステルとする方法で製造できる。その際、反応を促進
する触媒、例えばエステル化もしくはエステル交換触
媒、重縮合触媒を用いることができ、また種々の添加
剤、例えば安定剤等を添加することもできる。
【0022】本発明においてポリエステル水分散体とく
にポリエステルフイルムに塗布するためのポリエステル
水分散体は、以下の方法で製造することができる。
【0023】共重合ポリエステルはまず、20℃で1リ
ットルの水に対する溶解度が20g以上でかつ沸点が1
00℃以下、また100℃以下で水と共沸する親水性の
有機溶媒に溶解する。この有機溶媒としてはジオキサ
ン、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケト
ン等を例示することができる。かかる溶液にさらに少量
の界面活性剤を添加することもできる。
【0024】共重合ポリエステルを溶解した有機溶媒に
は次いで、攪拌下好ましくは加温高速攪拌下で水を添加
し、青白色から乳白色の分散体とする。また攪拌下の水
に前記有機溶液を添加する方法によっても青白色から乳
白色の分散体とすることもできる。
【0025】得られた分散体を、さらに常圧または減圧
下に蒸留し親水性の有機溶媒を留去すると目的のポリエ
ステル水分散体が得られる。共重合ポリエステルを水と
共沸する親水性の有機溶媒に溶解した場合には、該有機
溶媒留去時に水が共沸するので水の減量分を考慮し、前
もって多めの水に分散しておくことが望ましい。加え
て、蒸留後の固形分濃度が40重量%を超えると、水に
分散する共重合ポリエステルの微粒子の再凝集が起こり
易くなり、水分散体の安定性が低下するため、蒸留後の
固形分濃度は40重量%以下とすることが好ましい。一
方、固形分濃度の下限はとくにないが、濃度が小さすぎ
ると乾燥に要する時間が長くなるため、0.1重量%以
上とするのが好ましい。前記共重合ポリエステルの微粒
子の平均粒径は通常1μm以下であり、好ましくは0.
8μm以下である。
【0026】かくして得られるポリエステル水分散体
は、後述するポリエステルフイルムの片面または両面に
塗布し、乾燥することによって該フイルムに易接着性を
付与することができる。
【0027】ポリエステル水分散体は、塗布に際してア
ニオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤等の界面活
性剤を必要量添加して用いることができる。有効な界面
活性剤としては、ポリエステルの表面張力を40dyn
e/cm以下に降下でき、ポリエステルフイルムへの濡
れを促進するものであり、公知の多くの界面活性剤を使
用することができる。その一例としてポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アル
キルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級
アンモニウムクロリド、アルキルアミン塩酸塩、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ塩等をあげることができ
る。
【0028】ポリエステル水分散体には、必要に応じて
帯電防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤等を
添加してもよい。
【0029】本発明においてポリエステルフイルムの好
ましい例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、またはこれらに他の共重合成分を共重合させ
たコポリマーからなるフイルムが挙げられる。ポリエス
テルは未延伸フイルム、一軸延伸フイルム、ニ軸延伸フ
イルムのいずれでもよいが、延伸フイルムが好適であ
る。
【0030】ポリエステル水分散体をポリエステルフイ
ルムに塗布する工程は任意に選定しうる。未延伸フイル
ムまたは一軸延伸フイルムにポリエステル水分散体を塗
布した後、加熱乾燥してからさらに延伸するか、ニ軸延
伸フイルムに塗布し乾燥する。これらのうち、一軸延伸
フイルムに塗布するのが好ましい。
【0031】塗布は常法により可能であり、例えばキス
コート、リバースコート、グラビアコート、ダイコート
等を用いて塗布することができる。塗布量は、最終的層
厚で0.01〜5μm(dry)が好ましく、さらに好
ましくは0.01〜2μm(dry)、最も好ましくは
0.01〜0.3μm(dry)である。
【0032】かくして得られる易接着性ポリエステルフ
イルムは、接着力が高く、耐熱性、耐水性、耐ブロッキ
ング性に優れるため、例えば磁気カード、磁気テープ、
磁気ディスク、印刷材料、グラフィック材料、感光材料
等に有用である。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例中の「部」は重量部を意味す
る。また、各特性値は下記の方法によって測定した。
【0034】1.接着性 (プライマー被覆処理した)ポリエステルフイルムに下
記の磁気塗料を所定の条件においてコーティングし、ス
コッチテープNo.600(3M社製)巾19.4m
m、長さ8cmを気泡の入らないように貼着し、この上
をJIS.C2701(1975)記載の手動式荷重ロ
ールでならし、貼着積層部5cm間を東洋ボールドウィ
ン社製テンシロンUM−11を使用してヘッド速度30
0mm/分で、この試料をT字剥離し、この際の剥離強
さを求め、これをテープ巾で除してg/cmとして求
め、下記の基準にて接着性を評価した。なお、T字剥離
において積層体はテープ側を下にして引き取り、チャッ
ク間を5cmとする。 ○:剥離強度が90g/cm以上 ……磁気塗料の接着
性良好 ×:剥離強度が90g/cm未満 ……磁気塗料の接着
性不良
【0035】[評価用磁気塗料の調製]塗料用ラッカー
シンナーにニトロセルロースRS1/2(イソプロパノ
ール25%含有フレークス:ダイセル(株)製)を溶解
して40wt%溶液を調製し、該液を43.9部、続い
てポリエステル樹脂(デスモフェン#1700:バイエ
ル社製)32.5部、ニ酸化クロム磁性粉末26.0
部、分散剤・潤滑剤として大豆油脂肪酸(レシオンP:
理研ビタミン(株)製)カチオン系活性剤(カチオンA
B:日本油脂(株)製)およびスクワレン(鮫肝油)を
それぞれ1部、0.5部、0.8部ボールミルに投入す
る。メチルエチルケトン/シクロヘキサノン/トルエン
=3/4/3(重量比)からなる混合溶液282部をさ
らに追加混合し、十分微粉化して母液塗料を調製する。
この母液50部に対して、トリメチロールプロパンとト
リレンジイソシアナートとの付加反応物(コロネート
L:日本ポリウレタン(株)製)48部と酢酸ブチル
6.25部を加え、最終的に42.7wt%の評価用磁
気塗料を得た。
【0036】2.耐ブロッキング性 2枚のフイルムの処理面と非処理面とを重ねあわせ、こ
れに6kg/cm2 の圧力を60℃×80%RHの雰囲
気下17時間かけた後剥離し、その剥離力で評価する
(5cmあたりのg数)。
【0037】[実施例1] [共重合ポリエステルの製造]テレフタル酸ジメチル1
00部、イソフタル酸ジメチル3.2部、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸ジメチル3.2部、エチレングリ
コール57部および前記式(1)で示されるビスフェノ
ールAのエチレンオキシド付加物(式(1)で、m+n
は平均値が2.0の数のもの)52部をエステル交換反
応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.1部を
添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロール
して加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル
交換反応を行った。
【0038】次いで、この反応系に、イルガノックス1
010(チバガイギー社製)0.5部を添加した後、温
度を徐々に255℃まで上昇させ、系内を1mmHgま
で減圧して重縮合反応を行ない、固有粘度0.60dl
/gの共重合ポリエステルを得た。この共重合ポリエス
テルの組成を表1に示す。
【0039】[ポリエステル水分散体の調製]この共重
合ポリエステル20部をテトラヒドロフラン80部に溶
解し、得られた溶液に10000回転/分の高速攪拌下
で水180部を滴下して青みがかった乳白色の分散体を
得た。次いでこの分散体を20mmHgの減圧下で蒸留
し、テトラヒドロフランを留去した。かくして固形分濃
度10wt%のポリエステル水分散体を得た。
【0040】さらに、該ポリエステル水分散体180部
にノニオン系界面活性剤:ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル(HLB=12.8)2部を加え、さら
に水618部を加えて塗布液を調製した。
【0041】[易接着性ポリエステルフイルムの製造]
35℃のオルトクロロフェノール中で測定した固有粘度
が0.65dl/gのポリエチレンテレフタレートを溶
融押出して厚み158μmの未延伸フイルムを得、次い
でこれを機械軸方向に3.5倍延伸した後、前記で調製
した塗布液を一軸延伸フイルムの片面に塗布した。その
後、105℃で3.9倍に横方向に延伸し、200℃で
4.2秒間熱処理を施し、平均塗布量20mg/m2
厚さ12.2μmのニ軸延伸プライマー被覆ポリエステ
ルフイルムを得た。このフイルムの処理面の接着性を測
定した。その結果を表1に示す。
【0042】[実施例2〜9および比較例1〜5]共重
合成分の種類およびその割合を変える以外は実施例1と
同様に行なって、表1に示す割合の共重合ポリエステル
を得た。次いで、これら共重合ポリエステルを用いる以
外は、実施例1と同様に行なってポリエステル水分散
体、さらには塗布液を調製した。
【0043】さらにこれらの塗布液を用いる以外は実施
例1と同様に行なって、二軸延伸プライマー被覆ポリエ
ステルフイルムを得た。このフイルムの処理面の接着性
および耐ブロッキングを測定した。その結果をまとめて
表1に示す。
【0044】[比較例6]実施例1においてコーティン
グをせずに得た二軸配向ポリエステルフイルムの特性を
表1に示す。接着力が低く実用的に不満足であった。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示した結果から明らかなように、本
発明のポリエステル水分散体を塗布して得られた易接着
性ポリエステルフイルムは、接着性、耐ブロッキング性
に優れたものであった。
【0047】尚、表1の共重合ポリエステルの成分の欄
で記号はそれぞれ下記の成分であることを示す。 TA:テレフタル酸 IA:イソフタル酸 PA:フタル酸 DPDA:4,4´−ビフェニルジカルボン酸 NSIA:5−ナトリウムスルホイソフタル酸 LSIA:5−リチウムスルホイソフタル酸 EG:エチレングリコール TMG:1、4−ブタンジオール BPA−E2:ビスフェノールAのエチレンオキシド
2.0モル付加物 BPA−E4:ビスフェノールAのエチレンオキシド
4.0モル付加物
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、耐水性、耐ブ
ロッキング性に優れた易接着性塗膜(プライマー層)を
形成しうるポリエステル水分散体、およびこれを塗布し
た易接着性ポリエステルフイルムを提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 63/688 NNK C08G 63/688 NNK C08J 7/04 CFD C08J 7/04 CFDE C09J 167/02 JFT C09J 167/02 JFT

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共重合ポリエステルの微粒子を水媒体に
    均一に分散させたポリエステル水分散体であって、該共
    重合ポリエステルが80〜99モル%のテレフタル酸、
    0.1〜5モル%のスルホン酸塩の基を有する芳香族ジ
    カルボン酸および0〜20モル%の他の芳香族ジカルボ
    ン酸成分と、30〜80モル%のエチレングルコール、
    20〜50モル%の下記式(1)で示されるビスフェノ
    ールAのエチレンオキシド付加物および0〜20モル%
    の他のグリコール成分とから構成される共重合ポリエス
    テルであることを特徴とするポリエステル水分散体。 【化1】 (式(1)で、m+nは平均値が2以上3未満の数であ
    る。)
  2. 【請求項2】 ポリエステルフイルムの少なくとも一方
    の表面に、請求項1記載のポリエステル水分散体を塗布
    し、乾燥させて該表面の上に易接着層を形成させた易接
    着性ポリエステルフイルム。
JP8133160A 1996-05-28 1996-05-28 ポリエステル水分散体及びこれを塗布したポリエステルフイルム Pending JPH09316309A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012072308A (ja) * 2010-09-29 2012-04-12 Unitika Ltd ポリエステル樹脂水性分散体

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JP2012072308A (ja) * 2010-09-29 2012-04-12 Unitika Ltd ポリエステル樹脂水性分散体

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