JP2013131319A - 透明導電膜及び有機エレクトロルミネッセンス素子並びに透明導電膜の製造方法 - Google Patents

透明導電膜及び有機エレクトロルミネッセンス素子並びに透明導電膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性、導電性及び膜強度に優れると共に、高温、高湿度環境下においても透明性、導電性及び膜強度の劣化が少ない透明導電膜を提供する。
【解決手段】透明導電膜1は、透明な基材11上に、導電性ポリマー及びバインダー樹脂を含有する透明な導電層13が形成された透明導電膜であって、バインダー樹脂は、水系溶媒に分散可能なポリエステル樹脂から構成され、ポリエステル樹脂の構成成分中の全カルボン酸成分中に占めるスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸の割合は、1モル%未満である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示素子、有機発光素子、無機電界発光素子、太陽電池、電磁波シールド、電子ペーパー、タッチパネル等の各種分野において好適に用いることができる透明導電膜、及び、当該透明導電膜を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子(以後、有機EL素子ともいう)並びに前記した透明導電膜の製造方法に関する。
近年、薄型テレビ需要の高まりに伴い、液晶、プラズマ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)、フィールドエミッション等、各種方式のディスプレイ技術が開発されている。これら表示方式の異なる何れのディスプレイにおいても、透明電極は必須の構成技術となっている。また、テレビ以外のタッチパネル、携帯電話、電子ペーパー、各種太陽電池、各種エレクトロルミネッセンス調光素子等においても、透明電極は欠くことのできない技術要素となっている。
従来、透明電極としては、ガラスや透明なプラスチックフィルム等の透明基板上に、インジウム−スズの複合酸化物(ITO)膜を真空蒸着法やスパッタリング法で製膜したITO透明電極が主に使用されてきた。しかし、ITOに用いられているインジウムはレアメタルであり、かつ価格の高騰により、脱インジウムが望まれている。また、ディスプレイの大画面化、生産性向上に伴い、フレキシブル基板を用いたロール to ロールの生産技術が所望されている。
近年、このような大面積かつ低抵抗値が要求される製品にも対応できるよう、特許文献1には、導電性繊維上に導電性ポリマーと水系溶媒に均一分散可能なバインダー樹脂を用いる技術が開示されている。
特開2010−244746号公報
しかし、特許文献1記載の技術では、吸湿性の解離性基の影響により、乾燥後の水分残留を抑えることが不十分となり、透明電極の長期間、高温、高湿度環境下の耐久性試験での透明性、導電性、及び膜強度、また透明電極を用いた素子性能にも悪影響を及ぼすことが判明した。本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、樹脂被膜の耐水性を大きく向上させ、長期間、高温、高湿度環境下にあっても透明性、導電性及び膜強度の劣化が少ない透明導電膜、並びに、当該透明導電膜を用いた、発光均一性に優れ、長期間、高温、高湿度環境下にあっても発光均一性の劣化が少なく、発光寿命に優れる有機EL素子並びに前記した透明導電膜の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の前記課題解決には、導電性ポリマー及びバインダー樹脂を用いること、かつ該バインダー樹脂が水系溶媒に分散可能なポリエステル樹脂から構成され、その構成成分中の全カルボン酸成分中に占めるスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸の割合が1モル%未満であることを特徴とするポリエステル樹脂を用いることが重要であり、より詳しくは、以下の構成により課題が解決される。
1.透明な基材上に、導電性ポリマー及びバインダー樹脂を含有する透明な導電層が形成された透明導電膜であって、前記バインダー樹脂は、水系溶媒に分散可能なポリエステル樹脂から構成され、前記ポリエステル樹脂の構成成分中の全カルボン酸成分中に占めるスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸の割合は、1モル%未満であることを特徴とする透明導電膜。
2.前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、30℃以上であることを特徴とする前記1に記載の透明導電膜。
3.前記ポリエステル樹脂の酸価は、2mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることを特徴とする前記1又は2に記載の透明導電膜。
4.前記ポリエステル樹脂の数平均分子量は、10000以上であることを特徴とする前記1から4のいずれかに記載の透明導電膜。
5.金属材料からなる導電層を備え、前記導電性ポリマー及び前記バインダー樹脂を含有する透明な前記導電層は、前記金属材料からなる前記導電層と電気的に接続されていることを特徴とする前記1から4のいずれかに記載の透明導電膜。
6.前記1から5のいずれかに記載の透明導電膜を透明電極として備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
7.ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解させることによって溶解液を作製するステップと、前記溶解液と塩基性化合物とを水性媒体に分散させることによって分散液を作製するステップと、前記分散液から前記有機溶剤及び/又は前記塩基性化合物を除去することによってポリエステル樹脂水性分散体を作製するステップと、前記ポリエステル樹脂水性分散体を透明な基材上に塗布することによって透明な導電層を形成するステップと、を含み、前記ポリエステル樹脂の構成成分中の全カルボン酸成分中に占めるスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸の割合は、1モル%未満であることを特徴とする透明導電膜の製造方法。
本発明により、透明性、導電性及び膜強度に優れると共に、長期間、高温、高湿度環境下にあっても透明性、導電性及び膜強度の劣化が少ない透明導電膜、並びに、当該透明導電膜を用いた、発光均一性に優れ、長期間、高温、高湿度環境下にあっても発光均一性の劣化が少なく、発光寿命に優れる有機EL素子を提供することができる。
本発明の実施形態に係る透明電極の一例を示す概略図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のX矢視断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、導電性ポリマー及びバインダー樹脂を用いること、かつ該バインダー樹脂が水系溶媒に分散可能なポリエステル樹脂から構成され、その構成成分中の全カルボン酸成分中にスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸の割合が1モル%未満であることを特徴とするポリエステル樹脂を用いることより、乾燥後の水分残留を極力抑えつつ、透明導電膜、及び透明電極の透明性と導電性が両立でき、かつ膜強度に優れ、さらに高温、高湿度環境下における環境試験後でも高い導電性、高い透明性及び良好な膜強度を併せ持ち、安定性の優れた透明導電膜及び当該透明導電膜を透明電極として用いた高寿命の有機EL素子が得られることを見出したものである。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る透明導電膜の一例を示す概略図であり、(a)は上面図、(b)はX矢視断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る透明導電膜1は、基板11と、第1導電層12と、第2導電層13と、を備えることが好ましい。第1導電層12は、パターン状に形成された金属材料からなることが好ましく、第2導電層13は、導電性ポリマー及び水系溶媒に分散可能なバインダー樹脂を含有する。本発明の特徴は、第1導電層12が、金属材料から形成される導電層、及び、第2導電層13が、導電性ポリマー及びバインダー樹脂を含有し、かつ該バインダー樹脂が水系溶媒に分散可能なポリエステル樹脂から構成され、その構成成分中の全カルボン酸成分中にスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸の割合が1モル%未満であることを特徴とするポリエステル樹脂を用いることである。
<水系溶媒に分散可能なバインダー樹脂>
本発明は、導電性ポリマー及びバインダー樹脂を有する透明導電膜及び当該透明導電膜を備えた有機EL素子において、当該バインダー樹脂が水系溶媒に分散可能なポリエステル樹脂から構成され、その構成成分中の全カルボン酸成分中にスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸の割合が1モル%未満であることを特徴とするポリエステル樹脂であることを特徴とする。
本発明において、バインダー樹脂は、水系溶媒(水系溶剤ともいう)に分散可能なものであり、本発明において、「水系溶媒に分散可能」とは、水系溶媒中に凝集せずにポリエステル樹脂からなるコロイド粒子が分散している状況であることをいう。コロイド粒子の大きさは、一般的に0.001〜1μm(1〜1000nm)程度である。コロイド粒子の大きさは、好ましくは3〜500nmであり、より好ましくは5〜300nmであり、さらに好ましくは10〜100nmである。コロイド粒子が大きい場合(500nmよりも大きい場合)には、コロイド粒子を用いて造膜する際に平滑性が悪くなる。また、コロイド粒子が極端に小さい場合(3nmよりも小さい場合)には、コロイド粒子の製造に制限があり、また高コストになる。造膜する際の平滑性を高めるとともに低コストを実現するためには、コロイド粒子の大きさは、5〜300nmであることがより好ましく、10〜100nmであることがさらに好ましい。かかるコロイド粒子の大きさについては、光散乱光度計により測定することができる。
また、本発明において、水系溶媒とは、純水(蒸留水、脱イオン水を含む)のみならず、酸、アルカリ、塩等を含む水溶液、含水の有機溶媒、又は、親水性の有機溶媒である。水系溶媒としては、純水(蒸留水、脱イオン水を含む)、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、水とアルコールとの混合溶媒等が挙げられる。
続いて、本発明における水系溶媒に分散可能なポリマーを構成するポリエステル樹脂について説明する。本発明におけるポリエステル樹脂としては、ガラス転移温度が30℃以上、酸価が2mgKOH/g以上かつ40mgKOH/g以下、数平均分子量が10000以上であるポリエステル樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)が30℃未満である場合は、樹脂被膜の耐水性が低下し、熱水処理後の透明性が悪化することがある。また、耐ブロッキング性に劣る樹脂被膜となり、例えば、フィルムに該樹脂被膜をコートしたものを巻き取った時に、コートフィルムがブロッキングしてしまう等、操業性が悪化してしまう。樹脂被膜の耐水性、透明性及び耐ブロッキング性を向上させるためには、ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、40℃以上であることがより好ましい。
ポリエステル樹脂の酸価が40mgKOH/gを超える場合は、樹脂被膜の造膜性、加工性等の特性が不足する。一方、ポリエステル樹脂の酸価が2mgKOH/g未満である場合には、ポリエステル樹脂を後記する水性媒体に分散させることが難しくなる。樹脂被膜の造膜製、加工性等の特性を向上させるとともにポリエステル樹脂の水性媒体への分散性を高めるためには、ポリエステル樹脂の酸価は、4〜30mgKOH/gであることがより好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量が10000未満である場合には、樹脂被膜が脆いものとなるため、基材への密着性及び耐久性が不足する。樹脂被膜の基材への密着性及び耐久性をさらに高めるためには、ポリエステル樹脂の数平均分子量は、12000以上であることがより好ましい。また、ポリエステル樹脂の数平均分子量は、製造の容易性の観点から、100000以下であることが好ましく、20000以下であることがより好ましい。
また、本願発明で用いるポリエステル樹脂水性分散体は、ポリエステル樹脂の構成成分中の全カルボン酸成分中に占めるスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸の割合が、1モル%未満であることを必要とする。
ポリエステル樹脂の酸成分は、全酸成分のうち、少なくとも50モル%以上が芳香族ジカルボン酸成分であることが好ましい。芳香族ジカルボン酸成分が50モル%未満である場合には、樹脂被膜の耐水性が低下する場合がある。また、芳香族ジカルボン酸成分の割合が多いポリエステル樹脂では、耐水性の他に、硬度、耐溶媒性、加工性等が向上する。
芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−tert−ブチルイソフタル酸、ジフェン酸等が挙げられる。これらの芳香族ジカルボン酸成分は、単独で用いられてもよく、2種類以上で併用されてもよい。
特に好適に用いられる芳香族ジカルボン酸成分としては、工業的に多量に生産されており、安価であること等から、テレフタル酸、イソフタル酸が挙げられる。
本発明におけるポリエステル樹脂は、全カルボン酸成分中のスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分が1モル%未満である必要がある。スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分が1モル%以上である場合には、樹脂被膜の耐水性が大きく低下し、高温、高湿度環境下の耐久性試験での樹脂被膜の透明性、導電性、及び膜強度が著しく悪化する。一般的に、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸をポリエステル樹脂の組成に配合することで、乳化剤を使用することなく、当該ポリエステル樹脂を容易に水性媒体に分散することができるが、一方で、そのような配合では、被膜化を行った際に、当該樹脂被膜の耐水性を著しく損ねる欠点を有する。そのために、特に、水分により影響を受ける有機エレクトロルミネッセンス素子には適さないものとなる。本発明においては、特に、透明性及び導電性に優れ、さらには高温かつ高湿下での透明性、導電性及び膜強度の低下を抑制した透明導電膜、並びに、当該透明導電膜を透明電極として用いた有機EL素子に関するものであり、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸の含有量を極力少なくする必要がある。なお、全カルボン酸成分中のスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分は、0モル%であってもよく、0モル%よりも大きく1モル%未満であってもよい。
本発明において、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分は、1モル%未満に設定される。スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(SIPA−Na)、5−ナトリウムスルホテレフタル酸(STPA−Na)、5−カリウムスルホイソフタル酸(SIPA−K)、5−カリウムスルホテレフタル酸(STPA−K)、5−リチウムスルホイソフタル酸(SIPA−Li)、5−リチウムスルホテレフタル酸(STPA−Li)、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(SIPG−Na)、2,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(STPG−Na)、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸カリウム(SIPG−K)、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸リチウム(SIPG−Li)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル(SIPM−Na)、5−ナトリウムスルホテレフタル酸ジメチル(STPM−Na)、5−カリウムスルホイソフタル酸ジメチル(SIPM−K)、5−リチウムスルホイソフタル酸ジメチル(SIPM−Li)等が挙げられる。本発明のポリエステル樹脂水性分散体においては、ポリエステル樹脂を構成する酸成分として、前記したスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分のモノマーの添加量をできるだけ抑えるべきであり、また、ポリエステル樹脂を乳化分散させるための乳化剤等の各種添加剤の添加も控えるべきである。
本発明におけるポリエステル樹脂の構成成分としては、前記した芳香族ジカルボン酸成分の割合を満たす程度、また、前記したガラス転移温度の範囲内となるならば、飽和脂肪族ジカルボン酸成分(シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、水添ダイマー酸等)、不飽和脂肪族ジカルボン酸成分(フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、ダイマー酸等)、脂環式ジカルボン酸成分(1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸又はこれらの無水物、テトラヒドロフタル酸又はその無水物等)等が用いられる。また、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等といった3官能以上のカルボン酸成分もポリエステル樹脂の構成成分として使用可能である。
アルコール成分としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族グリコール成分(エチレングリコール、1,2‐プロパンジオール、1,3‐プロパンジオール、1,4‐ブタンジオール、2‐メチル―1,3‐プロパンジオール、1,5‐ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6‐ヘキサンジオール、3‐メチル‐1,5‐ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2‐エチル‐2‐ブチルプロパンジオール等)、脂環式グリコール成分(1,4−シクロヘキサンジメタノール等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA)のエチレンオキシド付加体(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2−ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン等)、ビスフェノール類(ビスフェノールS)のエチレンオキシド付加体(ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン等)、エーテル結合含有グリコール成分(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等)等が挙げられる。また、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上のアルコール成分も使用可能である。
特に好適に用いられるアルコール成分としては、工業的に量産されているので安価であり、しかも樹脂被膜の耐溶剤性及び耐候性が向上する等、諸性能にバランスがとれていることから、エチレングリコール、ネオペンチルグリコールが挙げられる。
また、本発明におけるポリエステル樹脂の構成成分には、モノカルボン酸成分、モノアルコール成分、ヒドロキシカルボン酸成分等が共重合されていてもよく、例として、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール、ε−カプロラクトン、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、又は、p−ヒドロキシ安息香酸のエチレンオキシド付加体等が挙げられる。また、3官能以上のポリオキシカルボン酸成分が共重合されていてもよく、例として、リンゴ酸、グリセリン酸、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
続いて、本発明におけるポリエステル樹脂の製造方法について説明する。ポリエステル樹脂を製造する方法としては、例えば、前記した酸成分の1種類以上とアルコール成分の1種類以上とを、公知の方法により、縮重合させることにより製造することができる。全モノマー成分、及び/又は、その低重合体を不活性雰囲気下で180〜260℃、2.5〜10時間反応させてエステル化反応を行い、続いて、縮重合触媒の存在下、130Pa以下の減圧下に220〜280℃の温度で、所望の分子量に達するまで縮重合反応を進めて、ポリエステル樹脂を得る方法等が行われる。
ポリエステルの縮重合触媒としては、特に限定されることなく、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン等の公知の化合物が用いられる。
ポリエステル樹脂に所望の酸価を付与する方法として、前記した縮重合反応の後に、酸成分をさらに添加し、不活性雰囲気下、解重合反応を行う方法等が挙げられる。
また、ポリエステル樹脂に所望の酸価を付与する方法として、前記した縮重合反応の後に、無水物の酸成分をさらに添加し、不活性雰囲気下、ポリエステル樹脂のヒドロキシル基と付加反応する方法を用いることもできるが、かかる方法では、製造途中の溶融粘度が非常に高くなり、ポリエステル樹脂を払い出せなくなることがあるので、注意が必要である。
解重合反応、及び/又は、付加反応で用いる酸成分としては、前記した3官能以上のカルボン酸が好ましい。3官能以上のカルボン酸を使用することにより、特に、解重合によるポリエステル樹脂の分子量低下を抑制しながら、所望の酸価を付与することができる。3官能以上のカルボン酸としては、芳香族のカルボン酸成分であるトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸が特に好ましい。
続いて、本発明における、水系溶媒に分散可能なポリエステル樹脂から構成されるポリマー(以下、ポリエステル樹脂水性分散体とも記載する)について説明する。
本発明において、ポリエステル樹脂水性分散体とは、前記したポリエステル樹脂が、水性媒体中に分散されてなる液状物である。ここで、水性媒体とは、水を含む液体からなる媒体であり、有機溶媒、塩基性化合物を含んでいてもよい。
本発明において、ポリエステル樹脂水性分散体におけるポリエステル樹脂の含有率は、5〜50質量%が好ましく、15〜40質量%であることがより好ましい。ポリエステル樹脂の含有率が50質量%を超えると、分散していたポリエステル樹脂が凝集しやすくなり、安定性が乏しくなる傾向にある。ポリエステル樹脂の含有率が5質量%未満では、実用的でない。ポリエステル樹脂の分散の安定性を工場させるとともにポリエステルの硬化を実用的に発揮するためには、ポリエステル樹脂水性分散体におけるポリエステル樹脂の含有率は、15〜40質量%であることがより好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂水性分散体のpHは、特に限定されないが、6以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましく、8以上であることが特に好ましい。pHが6未満であるものは、分散していた樹脂が凝集してしまい、もはや均一な水性分散体としては得られなくなるため好ましくない。樹脂の凝集を防ぐためには、ポリエステル樹脂水性分散体のpHは、7以上であることがより好ましく、8以上であることが特に好ましい。
本発明において、水性分散体中のポリエステル樹脂微粒子の粒子径は、特に限定されないが、保存安定性を良好に保つ点から、体積平均粒子径が500nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが特に好ましい。
水については特に制限されず、蒸留水、イオン交換水、市水、工業用水等が挙げられるが、蒸留水又はイオン交換水を使用することが好ましい。
続いて、本発明におけるポリエステル樹脂水性分散体の製造方法について説明する。本発明におけるポリエステル樹脂水性分散体は、前記ポリエステル樹脂の末端にあるカルボキシル基を、塩基性化合物を用いて、少なくとも一部、又は、全部中和することで、水性媒体に分散させる方法で製造される。詳しくは、カルボキシル基を中和することで、カルボキシルアニオンが生成され、このアニオン間の電気反発力によって、ポリエステル樹脂微粒子は凝集せず、安定に分散することができる。
前記したポリエステル樹脂水性分散体の製造方法以外にも、例えば、ポリエステル樹脂としてスルホン酸塩基を有するものを用いたり、分散剤として界面活性剤を用いることで、塩基性化合物を用いずに、水性分散体を製造することは可能であるが、これらの水性分散体からなるポリエステル樹脂被膜は、耐水性に劣る傾向にあり、本発明においては好ましくない。
本発明において、ポリエステル樹脂水性分散体の製造に用いられるポリエステル樹脂は、好ましくは数平均分子量10000以上のポリエステル樹脂を用いるため、転相乳化法で製造されることが好ましい。
ポリエステル樹脂水性分散体を転相乳化法で製造する詳細な製造工程としては、はじめに、前記したポリエステル樹脂を有機溶媒に溶解させる工程(溶解工程)、次に、有機溶媒に溶解した樹脂溶液(溶解液)を塩基性化合物とともに水に分散させる工程(転相乳化工程)、さらに、得られた内容物(分散液)から、有機溶媒、及び/又は、塩基性化合物を除去する工程(脱溶媒工程)、の3工程を行うことでポリエステル樹脂水性分散体を製造することができる。必要に応じて、未分散物及び凝集物をろ過して取り除くことにより、沈殿物、相分離等の見られない、均一な状態の水性分散体が得られる。
なお、本発明において、「転相乳化」とは、樹脂溶液に、当該樹脂溶液に含まれる有機溶媒量(質量%)を超える量の水(質量%)を添加して、有機溶媒よりも水を多く含む液相に当該樹脂を微分散させることを意味する。
本発明において、ポリエステル樹脂水性分散体を製造する際に用いられる有機溶媒は、温度を40℃以下に保った状態で、前記ポリエステル樹脂を少なくとも10質量%以上溶解することができ、当該有機溶媒の沸点が150℃以下、かつ、20℃における当該有機溶媒の水への溶解性が5g/L以上であることが好ましい。
前記した有機溶媒が、温度を40℃以下に保った状態で、前記ポリエステル樹脂を10質量%未満しか溶解することができない場合には、完成した水性分散体の固形分濃度を上げることが困難となり、非常に非実用的、かつ、非経済的なものとなるため好ましくない。また、有機溶媒の沸点が150℃を超える場合には、脱溶媒工程の際に、有機溶媒の完全な除去が非常に困難になり、水性分散体の安定性が乏しくなるため好ましくなく、20℃における有機溶媒の水への溶解性が5g/L未満である場合には、均一な水性分散体を得られなくなり好ましくない。
これらの条件を満たす有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン(以下、MEKと表記する)、テトラヒドロフラン(以下、THFと表記する)、1,4−ジオキサン等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、2種以上を混合して使用されてもよい。なお、MEKの沸点は80℃、THFの沸点は65℃、1,4−ジオキサンの沸点は101℃である。
本発明において、ポリエステル樹脂水性分散体を製造する際に用いる塩基性化合物としては、カルボキシル基を中和することができるものであれば特に限定されず、例えば、金属水酸化物(水酸化リチウム(LiOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)等)、有機アミン(アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等)等が挙げられる。
本発明において、塩基性化合物としては、樹脂被膜から乾燥する際に揮散させやすいという理由から、沸点が150℃以下の塩基性化合物を使用することが好ましく、その中でも、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミンを使用することがより好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂水性分散体製造の溶解工程で用いられる装置については、液体を投入できる槽を備え、適度な攪拌ができるものであれば特に限定されない。そのような装置としては、固/液撹拌装置又は乳化機(例えばホモミキサー)として広く当業者に知られている装置が挙げられる。また、樹脂が溶解しにくい場合には、加熱を行う機構を装置に設けてもよい。
本発明において、ポリエステル樹脂水性分散体製造の転相乳化工程については、塩基性化合物を樹脂溶液に加えておき、これに水を徐々に投入して転相乳化を行う方法が好ましい。また、水の投入速度については、1000gの(樹脂溶液+塩基性化合物)に対して、25〜100g/minで水を投入することが好ましい。水の投入速度が速い場合には、樹脂の塊が形成され、この塊は水性媒体に分散しなくなる傾向にあり、最終的に得られる水性分散体の収率が下がり好ましくない。水の投入速度が遅い場合には、生産効率が悪くなり実用的ではない。
転相乳化を行う装置としては、液体を投入できる槽を備え、適度な攪拌ができるものであれば特に限定されない。また、転相乳化は、常圧、減圧、加圧下のいずれの条件で行われてもよい。
本発明において、ポリエステル樹脂水性分散体製造の脱溶媒工程については、常圧、減圧下のいずれの条件で行われてもよく、脱溶媒を行う装置としては、液体を投入できる槽を備え、適度な攪拌ができるものであれば特に限定されない。
また、脱溶媒工程後の水性分散体に、前記した塩基性化合物を添加することができる。脱溶媒工程後に塩基性化合物を再度添加することで、水性分散体のpHを6以上に容易に上げることができる。このとき、水性分散体を攪拌している状態で、徐々に塩基性化合物を添加するのが好ましい。水性分散体を攪拌しない状態で添加したり、一気に塩基性化合物を添加したりすると、添加の衝撃により、水性分散体中のポリエステル樹脂が凝集し、沈殿することがある。
ポリエステル樹脂水性分散体には、必要に応じて硬化剤、各種添加剤、保護コロイド作用を有する化合物、水、有機溶媒、酸化チタン、亜鉛華、顔料(カーボンブラック等)、染料、水性樹脂(水性ポリエステル樹脂、水性ウレタン樹脂、水性オレフィン樹脂、水性アクリル樹脂等)を配合して使用することができる。
水系溶媒に分散可能なポリマーの市販品としては、ユニチカ社製エマルジョン「エリーテル」シリーズを用いることができる。水系溶媒に分散可能なポリマーは、これら市販品のポリマーを、1種含有するものであってもよく、複数種含有するものであってもよい。
本発明において、水系溶媒に分散可能なポリマーの使用量は、好ましくは導電性高分子に対して50〜1000質量%であり、より好ましくは導電性高分子に対して100〜900質量%であり、さらに好ましくは導電性高分子に対して200〜800質量%である。ここで、水系溶媒に分散可能なポリマーの使用量が導電性高分子に対して50〜1000質量%であることがより好ましい理由は、50質量%未満の場合には、透過率の向上効果が不十分となり(導電性ポリマーは可視光領域の光を吸収するため、透過率を向上させるためには導電性を低下させない範囲で導電性ポリマーをできるだけ減らしたい)、1000質量%を超える場合には、導電性ポリマーの比率が小さくなりすぎて導電性が低下するためである。透過率の向上効果を得るとともに導電性の低下を防ぐためには、水系溶媒に分散可能なポリマーの使用量は、導電性高分子に対して100〜900質量%であることがより好ましく、導電性高分子に対して200〜800質量%であることがさらに好ましい。
<導電性ポリマー>
本発明において、「導電性」とは、電気が流れる状態を指し、JIS K 7194の「導電電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法」に準拠した方法で測定したシート抵抗が1×10Ω/□よりも低いことをいう。
本発明において、導電性ポリマーとは、π共役系導電性高分子とポリ陰イオンとを有してなる導電性ポリマーである。こうした導電性ポリマーは、後記するπ共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを、適切な酸化剤と酸化触媒と後記するポリ陰イオンとの存在下で化学酸化重合することによって、容易に製造することができる。
(π共役系導電性高分子)
本発明において、π共役系導電性高分子としては、特に限定されず、ポリチオフェン(基本のポリチオフェンを含む、以下同様)類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリアズレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリイソチアナフテン類、又は、ポリチアジル類の鎖状導電性ポリマーを利用することができる。中でも、導電性、透明性、安定性等の観点からポリチオフェン類又はポリアニリン類が好ましく、ポリエチレンジオキシチオフェンが最も好ましい。
(π共役系導電性高分子前駆体モノマー)
本発明において、π共役系導電性高分子の形成に用いられる前駆体モノマーとは、分子内にπ共役系を有し、適切な酸化剤の作用によって高分子化した際にもその主鎖にπ共役系が形成されるものである。かかる前駆体モノマーとしては、例えば、ピロール類及びその誘導体、チオフェン類及びその誘導体、アニリン類及びその誘導体等が挙げられる。
前駆体モノマーの具体例としては、ピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−ブチルピロール、3−オクチルピロール、3−デシルピロール、3−ドデシルピロール、3,4−ジメチルピロール、3,4−ジブチルピロール、3−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシルピロール、3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、3−ヒドロキシピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−ブトキシピロール、3−ヘキシルオキシピロール、3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−ドデシルチオフェン、3−オクタデシルチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−ヨードチオフェン、3−シアノチオ
フェン、3−フェニルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、3,4−ジブチルチオフェン、3−ヒドロキシチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−ヘキシルオキシチオフェン、3−ヘプチルオキシチオフェン、3−オクチルオキシチオフェン、3−デシルオキシチオフェン、3−ドデシルオキシチオフェン、3−オクタデシルオキシチオフェン、3,4−ジヒドロキシチオフェン、3,4−ジメトキシチオフェン、3,4−ジエトキシチオフェン、3,4−ジプロポキシチオフェン、3,4−ジブトキシチオフェン、3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、3,4−ジオクチルオキシチオフェン、3,4−ジデシルオキシチオフェン、3,4−ジドデシルオキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、3,4−プロピレンジオキシチオフェン、3,4−ブテンジオキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3−メチル−4−エトキシチオフェン、
3−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシチオフェン、3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、アニリン、2−メチルアニリン、3−イソブチルアニリン、2−アニリンスルホン酸、3−アニリンスルホン酸等が挙げられる。
(ポリ陰イオン)
本発明において、導電性ポリマーに用いられるポリ陰イオンは、置換又は未置換のポリアルキレン、置換又は未置換のポリアルケニレン、置換又は未置換のポリイミド、置換又は未置換のポリアミド、置換又は未置換のポリエステル、及び、これらの共重合体のいずれかであって、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるものである。
このポリ陰イオンは、π共役系導電性高分子を溶媒に可溶化させる可溶化高分子である。また、ポリ陰イオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性及び耐熱性を向上させる。
ポリ陰イオンのアニオン基としては、π共役系導電性高分子への化学酸化ドープが起こりうる官能基であればよい。かかるアニオン基は、製造の容易さ及び安定性の観点から、一置換硫酸エステル基、一置換リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシ基、スルホ基等が好ましい。さらに、かかるアニオン基は、官能基のπ共役系導電性高分子へのドープ効果の観点から、スルホ基、一置換硫酸エステル基、又は、カルボキシ基がより好ましい。
ポリ陰イオンの具体例としては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。また、ポリ陰イオンは、これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
また、ポリ陰イオンは、化合物内にさらにF(フッ素原子)を有するものであってもよい。かかるポリ陰イオンとして、具体的には、パーフルオロスルホン酸基を含有するナフィオン(Dupont社製)、カルボン酸基を含有するパーフルオロ型ビニルエーテルからなるフレミオン(旭硝子社製)等を挙げることができる。
これらのうち、ポリ陰イオンとしてスルホン酸を有する化合物を用いた場合には、塗布及び乾燥によって導電性ポリマー含有層を形成した後に、さらに100〜120℃で5分以上の加熱乾燥処理を施してからマイクロ波を照射してもよい。かかる加熱乾燥処理は、架橋反応が促進し、塗布膜の洗浄耐性や溶媒耐性が著しく向上するという観点から好ましい。
さらに、スルホン酸を有する化合物の中でも、ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸エチルスルホン酸、又は、ポリアクリル酸ブチルスルホン酸が好ましい。これらのポリ陰イオンは、ヒドロキシ基含有非導電性ポリマーとの相溶性が高く、また、得られる導電性ポリマーの導電性をより高くすることができる。
ポリ陰イオンの重合度は、導電性ポリマーの分散性の観点からは、モノマー単位が10〜100000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の観点からは、モノマー単位が50〜10000個の範囲であることがより好ましい。
ポリ陰イオンの製造方法としては、例えば、酸を用いてアニオン基を有しないポリマーにアニオン基を直接導入する方法、アニオン基を有しないポリマーをスルホ化剤によりスルホン酸化する方法、アニオン基含有重合性モノマーの重合により製造する方法等が挙げられる。
アニオン基含有重合性モノマーを重合により製造する方法は、溶媒中、アニオン基含有重合性モノマーを、酸化剤及び/又は重合触媒の存在下で、酸化重合又はラジカル重合によって製造する方法が挙げられる。具体的には、所定量のアニオン基含有重合性モノマーを溶媒に溶解させ、これを一定温度に保ち、それに予め溶媒に所定量の酸化剤及び/又は重合触媒を溶解した溶液を添加し、所定時間で反応させる。その反応により得られたポリマーは溶媒によって一定の濃度に調整される。なお、この製造方法において、アニオン基含有重合性モノマーにアニオン基を有さない重合性モノマーを共重合させてもよい。
アニオン基含有重合性モノマーの重合に際して使用する酸化剤、酸化触媒及び溶媒は、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを重合する際に使用するものと同様である。
得られたポリマーがポリ陰イオン塩である場合には、ポリ陰イオン酸に変質させることが好ましい。ポリ陰イオン酸に変質させる方法としては、イオン交換樹脂を用いたイオン交換法、透析法、限外ろ過法等が挙げられ、これらの中でも、作業が容易な点から限外ろ過法が好ましい。
導電性ポリマーに含まれるπ共役系導電性高分子とポリ陰イオンの比率、「π共役系導電性高分子」:「ポリ陰イオン」は、導電性及び分散性の観点から、好ましくは質量比で1:1〜20の範囲であり、より好ましくは質量比で1:2〜10の範囲である。
π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーをポリ陰イオンの存在下で化学酸化重合して、本発明に係る導電性ポリマーを得る際に使用される酸化剤は、例えばJ.Am.Soc.,85、454(1963)に記載されるピロールの酸化重合に適する、いずれかの酸化剤である。かかる酸化剤としては、実際的な理由のために、安価かつ取り扱い易い酸化剤、例えば鉄(III)塩(例えばFeCl3、Fe(ClO4)3、有機酸を含む無機酸の鉄(III)塩、有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩)、過酸化水素、重クロム酸カリウム、過硫酸アルカリ(例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム)、アンモニウム、過ホウ酸アルカリ、過マンガン酸カリウム、又は、銅塩(例えば四フッ化ホウ酸銅)を用いることが好ましい。加えて、酸化剤として、随時触媒量の金属イオン(例えば鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、モリブデンイオン、バナジウムイオン)の存在下における空気又は酸素も使用することができる。これらの中でも、過硫酸塩、有機酸を含む鉄(III)塩又は有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩の使用が腐食性でないために大きな応用上の利点を有する。
有機残基を含む無機酸の鉄(III)塩の例としては、炭素数1〜20のアルカノールの硫酸半エステルの鉄(III)塩(例えばラウリル硫酸)、炭素数1〜20のアルキルスルホン酸(例えばメタン、ドデカンスルホン酸)、脂肪族炭素数1〜20のカルボン酸(例えば2−エチルヘキシルカルボン酸)、脂肪族パーフルオロカルボン酸(例えばトリフルオロ酢酸、パーフルオロオクタノン酸)、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸)、殊に芳香族の、随時炭素数1〜20のアルキル置換されたスルホン酸(例えばベンゼセンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸のFe(III)塩)が挙げられる。
こうした導電性ポリマーとしては、市販の材料も好ましく利用することができる。例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸とからなる導電性ポリマー(PEDOT−PSSと略す)が、H.C.Starck社からCleviosシリーズとして、Aldrich社からPEDOT−PSSの483095、560596として、Nagase Chemtex社からDenatronシリーズとして市販されている。また、ポリアニリンが、日産化学社からORMECONシリーズとして市販されている。本発明において、こうした剤も好ましく用いることができる。
導電性ポリマーは、第2ドーパントとして有機化合物を含有してもよい。本発明で用いることができる有機化合物には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げられる。前記酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、例えば、ヒドロキシ基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物等が挙げられる。前記ヒドロキシ基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等が挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。前記カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、等が挙げられる。前記スルホキシド基含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよいが、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種が用いられることが好ましい。
<基材>
本発明における基材11は、導電性ポリマー及びバインダー樹脂を担持しうる透明な板状体であり、基板とも呼ばれる。透明導電膜1を得るためには、JIS K 7361−1:1997(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠した方法で測定した可視光波長領域における全光線透過率が80%以上のものが基板として好ましく用いられる。
基材11としては、フレキシブル性に優れており、誘電損失係数が十分小さくて、マイクロ波の吸収が導電層12,13よりも小さい材質であるものが好ましく用いられる。
基材11としては、例えば、樹脂基板、樹脂フィルム等が好適に挙げられるが、生産性の観点並びに軽量性及び柔軟性といった性能の観点から、透明樹脂フィルムを用いることが好ましい。透明樹脂フィルムとは、JIS K 7361−1:1997(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠した方法で測定した可視光波長領域における全光線透過率が50%以上のものをいう。
好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限はなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。かかる透明樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができる。
前記した全光線透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る基材11としてより好ましく用いられる。かかる基材11としては、中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの観点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム又はポリカーボネートフィルムが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又は二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムがより好ましい。
本発明に係る基材11には、塗布液(ポリエステル樹脂水性分散体)の濡れ性及び接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理及び易接着層については、従来公知の技術を使用することができる。
例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。
また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるために2層以上の構成にしてもよい。
また、フィルム状の基材11の表面又は裏面には、無機物の被膜、有機物の被膜、又は、無機物及び有機物のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、かかる被膜が形成された基材11は、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定した水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定した酸素透過度が、1×10−3ml/m・24h・atm以下、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
高バリア性フィルムとするためにフィルム状の基材11の表面又は裏面に形成されるバリア膜を形成する材料としては、水分、酸素等といった素子の劣化をもたらすものの侵入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに当該バリア膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層との積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
<金属材料からなる第1導電層>
本発明は、前記した基材11上に、導電性ポリマー及び水系溶媒に分散可能なバインダー樹脂を含有する導電層が形成された透明導電膜1に、さらに金属材料からなる導電層を設けることで透明電極を構成することを特徴とする。本発明に係る金属材料からなる導電層は、パターン状に形成された金属材料からなることが好ましい。
図1に示すように、本発明に係る透明導電膜1は、基材11上にパターン状に形成された金属材料からなる第1導電層12(以下、金属パターン導電層12とも記載する)を有することが好ましい。特に、パターン形成のしやすさ、経時安定性、金属パターンの緻密化に有利であることから、第1導電層12が金属粒子を用いて形成されることが好ましい。
(金属粒子)
金属粒子の金属としては、導電性に優れていれば特に制限はなく、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム等の金属の他に合金などを挙げることができる。導電性の観点から銀又は銅が好ましく、銀又は銅単独でもよいし、それぞれの組み合わせでもよく、銀と銅との合金、銀又は銅が他方の金属でめっきされていてもよい。
金属粒子の平均粒径としては、原子スケールから1000nmの範囲のものが好ましく適用できる。金属粒子の平均粒径が小さいほど金属細線の緻密化(導電性向上)及び表面平滑性に有利であるが、平均粒径が極端に小さい場合には、製造上の制限があり、高コストにもなる。かかる観点から、本発明においては、特に平均粒径が3〜300nmであるものが好ましく、5〜100nmであるものがより好ましく用いられる。前記した中でも特に、平均粒径3nm〜100nmの銀ナノ粒子が好ましい。
金属粒子のアスペクト比(長径長/短径長)は、表面平滑性向上や金属パターンの緻密化の観点から、2.0以下の球状に近い金属粒子が好ましい。本発明において、平均粒径とは、光散乱方式を用いた市販の測定装置を使用して簡便に計測することが可能である。具体的にはゼータサイザー1000(マルバーン社製)を用いて、レーザドップラー法によりS25℃、サンプル希釈液量1mlにて測定した値をいう。
(金属パターン導電層)
本発明に好ましく用いられる金属パターン導電層12は、金属を含有する層であり、透明な基材11上に開口部12aを有するようにパターン状に形成された層である。
開口部12aとは、透明な基材11のうち、金属パターン導電層12を有さない部分であり金属パターンの透光性部分である。パターンの形状には特に制限はないが、例えば、ストライプ状、格子状、ハニカム状等であることが好ましい。透明導電膜1全体の面に対して開口部12aが占める割合、すなわち、開口率は、透明性の観点から、80%以上であることが好ましい。
例えば、金属パターン導電層12がストライプ状であるとき、線幅100μm、線間隔1mmのストライプ状パターンの開口率は、およそ90%である。パターンの線幅は、透明性及び導電性の観点から、10〜200μmが好ましい。ストライプ状又は格子状のパターンにおいて、金属パターン導電層12の細線の間隔は、透明性及び導電性の観点から、0.5〜4mmが好ましい。また、ハニカム状のパターンにおいては、金属パターン導電層12の一辺の長さは、透明性及び導電性の観点から、0.5〜4mmが好ましい。また、金属パターン導電層12において、細線の高さは、導電性及び電流リンク防止の面から、0.1〜3.0μmが好ましい。
(金属パターン導電層の製造方法)
本発明に係る金属パターン導電層12は、基材11上に、金属粒子を含有する金属パターン導電層用塗布液を印刷によってパターン形成することで得られる。金属粒子を含有する金属パターン導電層用塗布液は、後記する金属粒子を含有する金属粒子分散液である。金属粒子分散液は、水、アルコール等の溶媒中に金属粒子を含有するが、必要に応じバインダー、金属を分散させるための分散剤等を含んでもよい。金属粒子分散液を用い、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等の印刷方式により金属パターン導電層12を基材11上に形成することができる。
各印刷方式は、一般的に電極パターン形成に使われる手法が本発明に関しても適用可能である。具体的な例として、グラビア印刷法については特開2009−295980号公報、特開2009−259826号公報、特開2009−96189号公報、特開2009−90662号公報等に記載の方法が、フレキソ印刷法については特開2004−268319号公報、特開2003−168560号公報等に記載の方法が、スクリーン印刷法については特開2010−34161号公報、特開2010−10245号公報、特開2009−302345号公報等に記載の方法が例として挙げられる。
また、金属パターン導電層12は、フィルム状の基板11にダメージを与えない範囲で加熱処理が施されることが好ましい。これにより、金属粒子の融着及び緻密化が進み、金属パターン導電層12が高導電化する。
(表面比抵抗の測定)
金属パターン導電層12の細線部の表面比抵抗は、100Ω/□以下であることが好ましく、10Ω/□以下であることがより好ましく、さらには大面積化の観点から、5Ω/□以下であることがより好ましい。表面比抵抗は、例えば、JIS K6911、ASTM D257、等に準拠して測定することができ、また、市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。
(表面の粗さRaの測定)
本発明において、金属パターン導電層12の表面の粗さRaは、20nm以下である。Raの値は、JIS、B601(1994)に規定される表面粗さであり、本発明においては、下記のように測定した値である。
本発明のRaは、金属パターン導電層12の細線上のRaを測定したものであり、金属パターン導電層12の細線に対して平行に、長さ10μmの直線上のRaを測定したものである。
本発明において、Raの測定には、市販の原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)が用いられ、以下の方法で測定される。AFMとして、セイコーインスツル社製SPI3800Nプローブステーション及びSPA400多機能型ユニットを使用し、ピエゾスキャナー上の水平な試料台上にセットし、カンチレバーを試料表面にアプローチし、原子間力が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際の試料の凹凸をZ方向のピエゾの変位で捉える。ピエゾスキャナーとしては、XY20150μm、Z25μmが走査可能なものを使用される。カンチレバーとしては、セイコーインスツル社製シリコンカンチレバーSI−DF20で、共振周波数120〜150kHz、バネ定数12〜30nmのものが用いられ、Raを、DFMモード(Dynamic Force Mode)で測定する。測定は、CCDカメラを用いて、金属パターンの細線と測定エリアとが平行又は垂直になるように、探針の先が細線の幅手方向の中心部にくるように調整し、細線の中心部10×10μmを走査周波数0.1Hzで行った。測定後、細線に平行に0.9μmおきに10ヵ所、長さ10μmの線を引き、その線上のRaを算出し、その平均値をRaの値とする。
<第2導電層>
本発明に好ましく用いられる第2導電層13は、金属パターン導電層12が形成された基材11上に、前記の導電性ポリマー、及び水系溶媒に分散可能なバインダー樹脂を含有する塗布液(ポリエステル樹脂水性分散体)を、基材11及び金属パターン導電層12上に塗布し、加熱、乾燥することによって形成される。ここで、第2導電層13は、金属パターン導電層12と電気的に接続されていればよく、金属パターン導電層12を完全に被覆してもよいし、金属パターン導電層12の一部を被覆してもよいし、金属パターン導電層12に接触してもよい。
導電性ポリマー、及び、水系溶媒に分散可能なバインダー樹脂からなる塗布液の塗布は、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の印刷方法に加えて、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、インクジェット法等の塗布法のいずれかを用いることができる。
また、金属パターン導電層(第1導電層)12の一部を、導電性ポリマーと水系溶媒に分散可能なバインダー樹脂とを含有する第2導電性層13が被覆又は接触している透明導電膜1を製造する方法としては、転写フィルムに第1導電層12を前記した方法で形成し、さらに導電性ポリマーと水系溶媒に分散可能なバインダー樹脂を含有する第2導電層13を前記した方法で転写フィルムに積層したしたものを、フィルム状の基材11に転写する方法、金属パターン導電層(第1導電層)12が形成された基材11の非導電部にインクジェット法等で公知の方法で、導電性ポリマーと水系溶媒に分散可能なバインダー樹脂を含有する第2導電層13を形成する方法等が挙げられる。
本発明の透明導電膜1は、第1導電層12及び第2導電層13を有することで、金属細線又は導電性ポリマー層単独では得ることのできない高い導電性を、透明導電膜1の面内において均一に得ることができる。
導電性ポリマーと水系溶媒に分散可能なバインダー樹脂を含有する第2導電層13において、導電性ポリマーと水系溶媒に分散可能なバインダー樹脂との比率は、導電性ポリマーを100質量部としたとき、水系溶媒に分散可能なバインダー樹脂が30〜900質量部であることが好ましく、電流リーク防止、水系溶媒に分散可能なバインダー樹脂の導電性増強効果、及び、透明性の観点から、導電性ポリマーを100質量部としたとき、水系溶媒に分散可能なバインダー樹脂が100質量部以上であることがより好ましい。
第2導電層13の乾燥膜厚は、表面平滑性及び透明性の観点から、30〜2000nmであることが好ましく、導電性の観点から、100nm以上であることがより好ましく、透明電極1の表面平滑性の点から、200nm以上であることがさらに好ましい。また、第2導電層13の乾燥膜厚は、透明性の観点から、1000nm以下であることがより好ましい。
導電性ポリマーと水系溶媒に分散可能なバインダー樹脂を含有する塗布液を塗布した後、適宜乾燥処理を施すことができる。乾燥処理の条件として特に制限はないが、基材11及び導電層12,13が損傷しない範囲の温度で乾燥処理することが好ましい。例えば、80〜150℃で10秒から15分の乾燥処理をすることができる。これにより透明導電膜1の洗浄耐性及び溶媒耐性が著しく向上し、さらに素子性能が向上する。特に、当該透明導電膜1を備える有機EL素子においては、駆動電圧の低減及び寿命の向上といった効果が得られる。
さらに、前記した塗布液は、塗布性等の作業性を高める観点から、溶媒(例えば、水、有機溶媒(アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、炭化水素類等))を含んでいてもよい。
本発明において、透明導電層である第2導電層13の表面の平滑性を表すRyの値は、導電性の向上という観点から、50nm以下であることがより好ましく、40nm以下であることがさらに好ましい。同様に、透明導電層である第2導電層13のRaの値は10nm以下であることがより好ましく、5nm以下であることがさらに好ましい。
本発明において、第2導電層13の表面の平滑性を表すRyとRaは、Ry=最大高さ(表面の山頂部と谷底部との高低差)とRa=算術平均粗さを意味し、JIS B601(1994)に規定される表面粗さに準ずる値である。本発明に係る透明電極1は、透明導電層である第2導電層13の表面の平滑性がRy≦50nm、かつ、透明導電層である第2導電層13の表面の平滑性がRa≦10nmであることが好ましい。本発明において、Ry及びRaの測定には、前記記載と同様に市販の原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)を用いることができる。
本発明において、透明導電膜1は、全光線透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが特に好ましい。全光透過率は、分光光度計等を用いた公知の方法に従って測定することができる。また、本発明の透明導電膜1における透明導電層である第2導電層13の電気抵抗値としては、電流駆動型オプトエレクトロニクスデバイスに適用した際の性能向上という観点から、表面抵抗率として1000Ω/□以下であることが好ましく、100Ω/□以下であることがより好ましい。さらには、透明導電膜1を電流駆動型オプトエレクトロニクスデバイスに適用するためには、透明導電層である第2導電層13の電気抵抗値としては、電流駆動型オプトエレクトロニクスデバイスに適用した際の性能向上という観点から、表面抵抗率として50Ω/□以下であることが好ましく、10Ω/□以下であることがより好ましい。特に、10Ω/□以下であると各種オプトエレクトロニクスデバイスにおいて、透明電極として機能することができて好ましい。前記した表面抵抗率は、例えば、JIS K 7194:1994(導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)等に準拠して測定することができ、また、市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。
本発明の透明導電膜1の厚みには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一般的に10μm以下であることが好ましく、厚みが薄くなるほど透明性及び柔軟性が向上するためより好ましい。
<有機EL素子>
本発明の実施形態に係る有機EL素子は、透明導電膜1を電極として備えることを特徴とするものであり、有機発光層を含む有機層と、透明導電膜1と、を備える。本発明の実施形態に係る有機EL素子は、透明導電膜1を陽極として備えることが好ましく、有機発光層及び陰極については、有機EL素子に一般的に使われている材料、構成等の任意のものを用いることができる。
有機EL素子の素子構成としては、陽極/有機発光層/陰極、陽極/ホール輸送層/有機発光層/電子輸送層/陰極、陽極/ホール注入層/ホール輸送層/有機発光層/電子輸送層/陰極、陽極/ホール注入層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、陽極/ホール注入層/有機発光層/電子注入層/陰極、等の各種の構成のものを挙げることができる。
また、本発明において、有機発光層に使用できる発光材料又はドーピング材料としては、アントラセン、ナフタレン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチルベンゼン誘導体、ジスチルアリーレン誘導体、各種蛍光色素、希土類金属錯体、燐光発光材料等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの化合物のうちから選択された発光材料を90〜99.5質量部、ドーピング材料を0.5〜10質量部含むようにすることも好ましい。有機発光層は、前記した材料等を用いて、蒸着、塗布、転写等の公知の方法によって製造される。この有機発光層の厚みは、発光効率の観点から、0.5〜500nmが好ましく、0.5〜200nmがより好ましい。
本発明に係る透明導電膜1は、高い導電性と透明性とを併せ持ち、液晶表示素子、有機発光素子、無機電界発光素子、電子ペーパー、有機太陽電池、無機太陽電池等の各種オプトエレクトロニクスデバイスに加え、電磁波シールド、タッチパネル等の分野において好適に用いることができる。その中でも、透明電極表面の平滑性が厳しく求められる有機EL素子や有機薄膜太陽電池素子の電極として特に好ましく用いることができる。
また、本発明に係る有機EL素子は、均一にムラなく発光させることができるため、照明用途で用いることが好ましいものであり、自発光型ディスプレイ、液晶用バックライト、照明等に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」及び「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」及び「質量%」を表す。
(ポリエステル樹脂の数平均分子量の測定)
GPC分析(東ソー社製 HLC−8220、溶剤:テトラヒドロフラン、ポリスチレン換算)より求めた。
(ポリエステル樹脂の酸価)
ポリエステル樹脂0.5gを精秤し、50mlの水/ジオキサン=1/9(体積比)に溶解して、クレゾールレッドを指示薬として0.1モル/Lの水酸化カリウムメタノール溶液で滴定を行い、中和に消費されたKOHのmg数を、ポリエステル樹脂のg数で割った値を酸価として求めた。
(ポリエステル樹脂のガラス転移温度Tgの測定)
ポリエステル樹脂10mgをサンプルとし、DSC装置(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用いてJIS K7121(1987)に従い求めた。
<ポリエステル樹脂の製造>
(ポリエステル樹脂P−1)
酸成分として、テレフタル酸(TPA)2160g、イソフタル酸(IPA)1578g、セバシン酸(SEA)505g、アルコール成分としてエチレングリコール(EG)931g、ネオペンチルグリコール(NPG)1953gをオートクレーブ中に仕込んで、250℃で4時間加熱してエステル化反応を行った。仕込み原料比率はTPA/IPA/SEA/EG/NPG=52/38/10/60/75(モル比)であった。ついで、触媒として酢酸亜鉛二水和物を3.3g添加した後、系の温度を260℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1時間後に13Paとした。この条件下でさらに5時間縮重合反応を続け、系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、255℃になったところで無水トリメリット酸7.2gを添加し、255℃で2時間攪拌して解重合反応を行った。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしておいて、ストランド状に樹脂を払い出し、水温が35℃のクエンチングバスを経由してペレタイザーでカッティングすることで、ペレット状のポリエステル樹脂P−1を得た。得られたポリエステル樹脂P−1の数平均分子量、酸価、ガラス転移温度(Tg)を表1に示す。
(ポリエステル樹脂P−2)
酸成分として仕込むイソフタル酸を1574gに、また、5−スルホイソフタル酸を6.7gに、それぞれ変更すること以外は、前記のポリエステル樹脂P−1と同様の方法で樹脂を重合、及び、払い出しすることで、ペレット状のポリエステル樹脂P−2を得た。得られたポリエステル樹脂P−2の数平均分子量、酸価、ガラス転移温度を表1に示す。
(ポリエステル樹脂P−3)
酸成分として仕込むイソフタル酸を1557gに、また、5−スルホイソフタル酸を34gに、それぞれ変更すること以外は、前記のポリエステル樹脂P−1と同様の方法で樹脂を重合、及び、払い出しすることで、ペレット状のポリエステル樹脂P−3を得た。得られたポリエステル樹脂P−3の数平均分子量、酸価、ガラス転移温度を表1に示す。
(ポリエステル樹脂P−4)
酸成分として仕込むイソフタル酸を1541gに、また、5−スルホイソフタル酸を60gに、それぞれ変更すること以外は、前記のポリエステル樹脂P−1と同様の方法で樹脂を重合、及び、払い出しすることで、ペレット状のポリエステル樹脂P−4を得た。得られたポリエステル樹脂P−4の数平均分子量、酸価、ガラス転移温度を表1に示す。
(ポリエステル樹脂P−5)
酸成分として仕込むイソフタル酸を1533gに、また、5−スルホイソフタル酸を74gに、それぞれ変更すること以外は、前記のポリエステル樹脂P−1と同様の方法で樹脂を重合、及び、払い出しすることで、ペレット状のポリエステル樹脂P−5を得た。得られたポリエステル樹脂P−5の数平均分子量、酸価、ガラス転移温度を表1に示す。
(ポリエステル樹脂P−6)
酸成分として仕込むイソフタル酸を1516gに、また、5−スルホイソフタル酸を101gに、それぞれ変更すること以外は、前記のポリエステル樹脂P−1と同様の方法で樹脂を重合、及び、払い出しすることで、ペレット状のポリエステル樹脂P−6を得た。得られたポリエステル樹脂P−6の数平均分子量、酸価、ガラス転移温度を表1に示す。
(ポリエステル樹脂P−7)
酸成分として仕込むイソフタル酸を1454gに、また、5−スルホイソフタル酸を201gに、それぞれ変更すること以外は、前記のポリエステル樹脂P−1と同様の方法で樹脂を重合、及び、払い出しすることで、ペレット状のポリエステル樹脂P−7を得た。得られたポリエステル樹脂P−7の数平均分子量、酸価、ガラス転移温度を表1に示す。
(ポリエステル樹脂P−8)
酸成分として、テレフタル酸(TPA)2077g、イソフタル酸(IPA)2077g、アルコール成分としてエチレングリコール(EG)931g、ネオペンチルグリコール(NPG)1172g、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)1082gをオートクレーブ中に仕込んで、250℃で4時間加熱してエステル化反応を行った。仕込み原料比率はTPA/IPA/EG/NPG/CHDM=50/50/60/45/30(モル比)であった。ついで、触媒として酢酸亜鉛二水和物を3.3g添加した後、系の温度を265℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1時間後に13Paとした。この条件下でさらに3時間縮重合反応を続け、系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、250℃になったところで無水トリメリット酸283gを添加し、250℃で2時間攪拌して解重合反応を行った。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしておいて、ストランド状に樹脂を払い出し、水温が35℃のクエンチングバスを経由してペレタイザーでカッティングすることで、ペレット状のポリエステル樹脂P−8を得た。得られたポリエステル樹脂P−8の数平均分子量、酸価、ガラス転移温度を表1に示す。
(ポリエステル樹脂P−9)
解重合反応時に添加する成分を、無水トリメリット酸300gに変更すること以外は、前記のポリエステル樹脂P−8と同様の方法で樹脂を重合、及び、払い出しすることで、ペレット状のポリエステル樹脂P−9を得た。得られたポリエステル樹脂P−9の数平均分子量、酸価、ガラス転移温度を表1に示す。
(ポリエステル樹脂P−10)
酸成分として仕込むイソフタル酸を1574gに、また、5−スルホイソフタル酸を6.7gに、解重合反応時に添加する成分を、無水トリメリット酸を5.9gにそれぞれ変更すること以外は、前記のポリエステル樹脂P−1と同様の方法で樹脂を重合、及び、払い出しすることで、ペレット状のポリエステル樹脂P−10を得た。得られたポリエステル樹脂P−10の数平均分子量、酸価、ガラス転移温度を表1に示す。
(ポリエステル樹脂P−11)
酸成分として仕込むイソフタル酸を1574gに、また、5−スルホイソフタル酸を6.7gに、解重合反応時に添加する成分を、無水トリメリット酸を131gにそれぞれ変更すること以外は、前記のポリエステル樹脂P−1と同様の方法で樹脂を重合、及び、払い出しすることで、ペレット状のポリエステル樹脂P−11を得た。得られたポリエステル樹脂P−11の数平均分子量、酸価、ガラス転移温度を表1に示す。
(ポリエステル樹脂P−12)
酸成分として、テレフタル酸(TPA)1490g、イソフタル酸(IPA)1452g、セバシン酸(SEA)1069g、アルコール成分としてエチレングリコール(EG)1014g、ネオペンチルグリコール(NPG)1533gをオートクレーブ中に仕込んで、250℃で4時間加熱してエステル化反応を行った。仕込み原料比率はTPA/IPA/SEA/EG/NPG=39/38/23/71/64(モル比)であった。ついで、触媒として酢酸亜鉛二水和物を3.0g添加した後、系の温度を275℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1時間後に13Paとした。この条件下でさらに4時間縮重合反応を続け、系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、250℃になったところでトリメリット酸39gを添加し、250℃で2時間攪拌して解重合反応を行った。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしておいてシート状に樹脂を払い出した。これを室温まで冷却し、シート状の樹脂P−12を得た。得られたポリエステル樹脂P−12の数平均分子量、酸価、ガラス転移温度を表2に示す。
(ポリエステル樹脂P−13)
酸成分として、テレフタル酸(TPA)2442g、イソフタル酸(IPA)1047g、アルコール成分としてエチレングリコール(EG)925g、ネオペンチルグリコール(NPG)1334g、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)630gをオートクレーブ中に仕込んで、250℃で4時間加熱してエステル化反応を行った。仕込み原料比率はTPA/IPA/EG/NPG/PTMG=70/30/71/61/3(モル比)であった。ついで、触媒として酢酸亜鉛二水和物を2.8g添加した後、系の温度を275℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1時間後に13Paとした。この条件下でさらに4時間縮重合反応を続け、系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、250℃になったところで無水トリメリット酸24gを添加し、250℃で2時間攪拌して解重合反応を行った。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしておいてシート状に樹脂を払い出した。これを室温まで冷却し、シート状の樹脂P−13を得た。得られたポリエステル樹脂P−13の数平均分子量、酸価、ガラス転移温度を表1に示す。
<ポリエステル樹脂水性分散体の製造>
(ポリエステル樹脂水性分散体E−1)
ジャケット付きガラス2L容器にポリエステル樹脂P−1を400gとMEKを600g投入し、ジャケットに60℃の温水を通して加熱しながら、攪拌することにより、完全にポリエステル樹脂を溶解させ、固形分濃度40質量%のポリエステル樹脂溶液1000gを得た。つぎに、ジャケットに冷水を通して系内温度を13℃に保ち、回転速度50rpmで攪拌しながら、塩基性化合物としてトリエチルアミン23.8gを添加し、続いて100g/minの速度で13℃の蒸留水を1107g添加して転相乳化を行った。続いて、得られた水性分散体のうち、1600gを2Lのフラスコに入れ、常圧下で蒸留を行うことで有機溶剤を留去した。蒸留は留去量が630gになったところで終了し、室温まで冷却後、ポリエステル樹脂水性分散体を攪拌しながら、25質量%アンモニア水1.1gを添加した。その後、1000メッシュのステンレス製フィルターで濾過し、ポリエステル樹脂水性分散体E−1を得た。
(ポリエステル樹脂水性分散体E−1)
ポリエステル樹脂をP−2〜P−13にそれぞれ変更する以外は、前記のポリエステル樹脂水性分散体E−1と同様の方法でポリエステル樹脂水性分散体E−2〜E−13をそれぞれ得た。
<基板の作製>
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(コスモシャインA4100、東洋紡績株式会社製)の下引き加工していない面に、JSR株式会社製UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材:OPSTAR Z7501を塗布、乾燥後の平均膜厚が4μmになるようにワイヤーバーで塗布した後、80℃、3分で乾燥後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプ使用して硬化条件1.0J/cm2で硬化を行い、平滑層を形成した。
続いて、前記平滑層を設けた試料上にガスバリア層を、以下に示す条件で形成した。
(ガスバリア層塗布液)
パーヒドロポリシラザン(PHPS、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製アクアミカ NN320)の20質量%ジブチルエーテル溶液をワイヤレスバーにて、乾燥後の(平均)膜厚が、0.30μmとなるように塗布し、塗布試料を得た。
(第一工程;乾燥処理)
得られた塗布試料を温度85℃、湿度55%RHの雰囲気下で1分処理し、乾燥試料を得た。
(第二工程;除湿処理)
乾燥試料をさらに温度25℃、湿度10%RH(露点温度−8℃)の雰囲気下に10分間保持し、除湿処理を行った。
(改質処理A)
除湿処理を行った試料を下記の条件で改質処理を行い、ガスバリア層を形成した。改質処理時の露点温度は−8℃で実施した。
(改質処理装置)
株式会社エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200、波長172nm、ランプ封入ガス Xe 稼動ステージ上に固定した試料を以下の条件で改質処理を行った。
(改質処理条件)
エキシマ光強度 60mW/cm2(172nm)
試料と光源の距離 1mm
ステージ加熱温度 70℃
照射装置内の酸素濃度 1%
エキシマ照射時間 3秒
前記のようにしてガスバリア性を有する透明電極(透明導電膜)用のフィルム基板(基材)を作製した。
<実施例1>
(透明電極TC−101の作製)
まず第一に、前記したように得られたガスバリア性を有する透明電極用フィルム基板上のバリアのない面に、下記塗布液Aを、押し出し法を用いて、乾燥膜厚300nmになるように押し出しヘッドのスリット間隙を調整して塗布し、110℃、5分で加熱乾燥し、導電性ポリマーとポリエステル樹脂からなる導電層(図1の第2導電層のみ)を形成し、得られた電極を8×8cmに切り出した。さらに得られた電極を、オーブンを用いて110℃、30分加熱処理することで透明電極TC−101を作製した。
(塗布液A)
導電性ポリマー分散液:PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分濃度1.89%、H.C.Starck社製) 1.59g
ポリエステル樹脂水性分散体:E−1 0.35g(固形分70mg)
ジメチルスルホキシド(DMSO、導電性ポリマー溶液質量の10分の1) 0.16g
(透明電極TC−102〜TC−113の作製)
透明電極TC−101の作製において、塗布液Aのポリエステル樹脂水性分散体であるE−1を表1記載のポリエステル樹脂水性分散体に変更した以外は透明電極TC−101の作製と同様にして、透明電極TC−102〜TC−113を作製した。
(透明電極TC−114の作製)
透明電極TC−101の作製において、塗布液AのPEDOT−PSSを、ポリアニリンM(固形分濃度6.0%、ティーエーケミカル)0.5gに変更したこと以外は透明電極TC−101の作製と同様にして、透明電極TC−114を作製した。
<透明電極の評価>
得られた透明電極の透明性、表面抵抗(導電性)、膜強度を下記に記載のように評価した。また、透明電極の安定性を評価するため、80℃90%RHの環境下で6日間置く強制劣化試験後の透明電極試料の、透明性、表面抵抗、膜強度の評価を行った。
(透明性)
JIS K 7361−1:1997に準拠して、東京電色社製 HAZE METER NDH5000を用いて、全光線透過率を測定し、下記基準で評価した。
○:80%以上
△:75%以上80%未満
×:75%未満
評価基準:強制劣化試験後、○,△と評価された試料が本発明として合格
(表面抵抗)
JIS K 7194:1994に準拠して、抵抗率計(ロレスタGP(MCP−T610型):(株)ダイヤインスツルメンツ社製)を用いて表面抵抗を測定した。
(膜強度)
導電層の膜の強度を、テープ剥離法により評価した。
導電層の上に住友スリーエム社製スコッチテープを用いて圧着/剥離を10回繰り返し、導電層の脱落を目視観察し、下記基準で評価した。
○:影響を受けている部分が5%以下
△:影響を受けている部分が5%を超えるが30%以下
×:影響を受けている部分が30%を超える
評価基準:強制劣化試験後、○,△と評価された試料が本発明として合格
評価の結果を表1に示す。表1において、備考における「本発明」は本発明の実施例に該当することを表し、「比較」は比較例であることを表す。
Figure 2013131319
表1から、比較例の透明電極TC−105〜TC−107と比べて、本発明の透明電極TC−101〜TC−104、TC−108〜TC−114は、高温、高湿度環境下においても導電性、光透過性及び膜強度の劣化が少なく、安定性に優れることが分かる。
<実施例2>
(透明電極TE−101の作製)
まず第一に、前記したように得られたガスバリア性を有する透明電極用フィルム基板上のバリアのない面に、以下に示すグラビア印刷によりパターン状に形成された金属材料からなる第1導電層を形成した。
銀ナノ粒子ペースト(M−Dot SLP:三ツ星ベルト製、平均粒径20nm、粒子50個観察した時のアスペクト比は1.5以下であった。)をRK Print Coat Instruments Ltd製グラビア印刷試験機K303MULTICOATERを用いて線幅50μm、高さ1.5μm、間隔1.0mmの細線格子を印刷した後、110℃、5分の乾燥処理を行った。
次に第1導電層を形成した透明電極上に、下記塗布液Aを、押し出し法を用いて、乾燥膜厚300nmになるように押し出しヘッドのスリット間隙を調整して塗布し、110℃、5分で加熱乾燥し、導電性ポリマーとポリエステル樹脂からなる第2導電層を形成し、得られた電極を8×8cmに切り出した。さらに得られた電極を、オーブンを用いて110℃、30分加熱処理することで透明電極TE−101を作製した。
(塗布液A)
導電性ポリマー分散液:PEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分濃度1.89%、H.C.Starck社製) 1.59g
ポリエステル樹脂水性分散体:E−1 0.35g(固形分70mg)
ジメチルスルホキシド(DMSO、導電性ポリマー溶液質量の10分の1) 0.16g
(透明電極TE−102〜TE−113の作製)
透明電極TE−101の作製において、塗布液Aのバインダー樹脂分散液であるE−1を表1記載のバインダー樹脂分散液に変更した以外は透明電極TE−101の作製と同様にして、透明電極TE−102〜TE−113を作製した。
(透明電極TE−114の作製)
透明電極TE−101の作製において、塗布液AのPEDOT−PSS CLEVIOS PH510(固形分1.89%、H.C.Starck社製)を、ポリアニリンM(固形分濃度6.0%、ティーエーケミカル)0.5gに変更したこと以外は透明電極TE−101の作製と同様にして、透明電極TE−114を作製した。
(透明電極TE−115の作製)
透明電極TE−101の作製において、銀ナノ粒子ペーストに代えて銅ナノ粒子ペースト(前記、銅ナノ粒子ペーストは平均分子量10000のポリビニルピロリドン(東京化成社製)0.28gを0.72gのエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、2,3−ブタンジオールに溶解させ、平均粒径50nmの銅ナノ粒子(シグマアルドリッチ社製)4.0gと3本ロール及びミキサーを用いて混練しを作製した銅ナノ粒子ペーストである。粒子50個観察した時のアスペクト比は2.0以下であった。)を用いてパターン状に形成された金属材料からなる第1導電層を形成した以外は、TE−101の作製と同様にして、透明電極TE−115を作製した。
(透明電極TE−116の作製)
透明電極TE−101の作製において、銀ナノ粒子ペーストに代えて銀ナノワイヤ分散液を用いてパターン状に形成された金属材料からなる第1導電層を形成した以外は、TE−101の作製と同様にして、透明電極TE−116を作製した。
銀ナノワイヤ分散液は、Adv.Mater.,2002,14,833〜837に記載の方法を参考に、PVP K30(分子量5万;ISP社製)を利用して、平均短径75nm、平均長さ35μmの銀ナノワイヤを作製し、限外濾過膜を用いて銀ナノワイヤを濾別、洗浄処理した後、ヒドロキシプロピルメチルセルロース60SH−50(信越化学工業社製)を銀に対し25質量%加えた水溶液に再分散し、銀ナノワイヤ分散液を調製した。
<透明電極の評価>
得られた透明電極は実施例1と同様に評価した。
評価の結果を表2に示す。表2において、備考における「本発明」は本発明の実施例に該当することを表し、「比較」は比較例であることを表す。
Figure 2013131319
表2から、金属材料からなる導電層を有することで導電性が格段に向上し、かつ比較例の透明電極TE−105〜TE−107と比べて、本発明の透明電極TE−101〜TE−104、TE−108〜TE−116は、高温、高湿度環境下においても導電性、光透過性及び膜強度の劣化が少なく、安定性に優れることが分かる。
<実施例3>
(有機ELデバイスの作製)
実施例2で作製した透明電極基板を超純水で洗浄後、パターン辺長20mmの正方形タイル状透明パターン一個が中央に配置されるように30mm角に切り出し、アノード電極に用いて、以下の手順でそれぞれ有機ELデバイスを作製した。正孔輸送層以降は蒸着により形成した。透明電極TE−101〜TC−116を用い、それぞれ有機EL素子OEL−101〜OEL−116を作製した。
市販の真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を各々素子作製に必要量を充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製又はタングステン製の抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。
まず、正孔輸送層、有機発光層、正孔阻止層、電子輸送層からなる有機EL層を順次形成した。
(正孔輸送層の形成)
真空度1×10−4Paまで減圧した後、化合物1の入った前記蒸着用るつぼに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、厚さ30nmの正孔輸送層を設けた。
(有機発光層の形成)
次に、以下の手順で各発光層を設けた。
形成した正孔輸送層上に、化合物2が13.0質量%、化合物3が3.7質量%、化合物5が83.3質量%になるように、化合物2、化合物3及び化合物5を蒸着速度0.1nm/秒で正孔輸送層と同じ領域に共蒸着し、発光極大波長が622nm、厚さ10nmの緑赤色燐光発光の有機発光層を形成した。
続いて、化合物4が10.0質量%、化合物5が90.0質量%になるように、化合物4及び化合物5を蒸着速度0.1nm/秒で緑赤色燐光発光の有機発光層と同じ領域に共蒸着し、発光極大波長が471nm、厚さ15nmの青色燐光発光の有機発光層を形成した。
(正孔阻止層の形成)
さらに、形成した有機発光層と同じ領域に、化合物6を膜厚5nmに蒸着して正孔阻止層を形成した。
(電子輸送層の形成)
引き続き、形成した正孔阻止層と同じ領域に、CsFを膜厚比で10%になるように化合物6と共蒸着し、厚さ45nmの電子輸送層を形成した。
Figure 2013131319
(カソード電極の形成)
形成した電子輸送層の上に、透明電極を陽極として陽極外部取り出し端子及び15mm×15mmの陰極形成用材料としてAlを5×10−4Paの真空下にてマスク蒸着し、厚さ100nmの陽極を形成した。
さらに、陰極及び陽極の外部取り出し端子が形成できるように、端部を除き陽極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基板としAlを厚さ300nmで蒸着した可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させ封止膜を形成し、発光エリア15mm×15mmの有機EL素子を作製した。
<有機EL素子の評価>
得られた有機EL素子について発光ムラ及び寿命を下記のように評価した。
(発光均一性)
発光均一性は、KEITHLEY製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加し発光させた。1000cd/mで発光させた有機EL素子OEL−101〜OEL−116について、50倍の顕微鏡で各々の発光輝度ムラを観察した。また、有機EL素子をオーブンにて60%RH、80℃、3時間加熱したのち、再び前記23±3℃、55±3%RHの環境下で1時間以上調湿した後、同様に発光均一性を観察した。
○:完全に均一発光している
△:部分的に発光ムラが見られる
×:全面にわたって発光ムラが見られる
評価基準:強制劣化試験後、○,△と評価された試料が本発明として合格
(寿命)
得られた有機EL素子の、初期の輝度を5000cd/mで連続発光させて、電圧を固定して、輝度が半減するまでの時間を求めた。アノード電極をITOとした有機EL素子を前記した方法と同様の方法で作製し、これに対する比率を求め、以下の基準で評価した。
◎:150%以上
○:100以上150%未満
△:80以上100%未満
×:80%未満
評価基準:強制劣化試験後、◎,○,△と評価された試料が本発明として合格
評価の結果を表3に示す。表3において、備考における「本発明」は本発明の実施例に該当することを表し、「比較」は比較例であることを表す。
Figure 2013131319
表3から、比較例の有機EL素子OEL−105〜OEL−107は60%RH、80℃、3時間の加熱後、発光均一性、寿命が劣化するのに対し、本発明の有機EL素子OEL−101〜OEL−104、OEL−108〜OEL−116の発光均一性、寿命は加熱後でも安定しており耐久性に優れることが分かる。
1 透明導電膜
11 基材
12 第1導電層
13 第2導電層

Claims (7)

  1. 透明な基材上に、導電性ポリマー及びバインダー樹脂を含有する透明な導電層が形成された透明導電膜であって、
    前記バインダー樹脂は、水系溶媒に分散可能なポリエステル樹脂から構成され、
    前記ポリエステル樹脂の構成成分中の全カルボン酸成分中に占めるスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸の割合は、1モル%未満である
    ことを特徴とする透明導電膜。
  2. 前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、30℃以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜。
  3. 前記ポリエステル樹脂の酸価は、2mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の透明導電膜。
  4. 前記ポリエステル樹脂の数平均分子量は、10000以上である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の透明導電膜。
  5. 金属材料からなる導電層を備え、
    前記導電性ポリマー及び前記バインダー樹脂を含有する透明な前記導電層は、前記金属材料からなる前記導電層と電気的に接続されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の透明導電膜。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の透明導電膜を透明電極として備える
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解させることによって溶解液を作製するステップと、
    前記溶解液と塩基性化合物とを水性媒体に分散させることによって分散液を作製するステップと、
    前記分散液から前記有機溶剤及び/又は前記塩基性化合物を除去することによってポリエステル樹脂水性分散体を作製するステップと、
    前記ポリエステル樹脂水性分散体を透明な基材上に塗布することによって透明な導電層を形成するステップと、
    を含み、
    前記ポリエステル樹脂の構成成分中の全カルボン酸成分中に占めるスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸の割合は、1モル%未満である
    ことを特徴とする透明導電膜の製造方法。
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