JP5933845B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、積層体に関する。
近年、光学活性を有する脂肪族系ポリエステル(例えばポリ乳酸系高分子)を用いた高分子圧電体が報告されている。
例えば、ポリ乳酸の成型物を延伸処理することで、常温で、10pC/N程度の圧電率を示す高分子圧電体が開示されている(例えば、特開平5−152638号公報参照)。
また、ポリ乳酸結晶を高配向にするために、鍛造法と呼ばれる特殊な配向方法により18pC/N程度の高い圧電性を出すことも報告されている(例えば、特開2005−213376号公報参照)。
ところで、高分子圧電体上には、高分子圧電体の保護や、高分子圧電体と他の部材(高分子フィルム、ガラス、電極等)との接着等を目的として、少なくとも一部が高分子圧電体に接触する層を設ける場合がある。かかる層としては、酸価を有する層が用いられる場合がある。
しかしながら、本発明者等の検討により、脂肪族系ポリエステルを含む高分子圧電体とこの高分子圧電体に接触し酸価を有する層とを備えた積層体では、単に高分子圧電体の表面に酸価を有する層が接触しているに過ぎないにも関わらず、酸価を有する層中の酸成分によって高分子圧電体全体の安定性(特に、85℃85%RH試験などの負荷の大きな環境下での耐湿熱性)が高分子圧電体単独に比べ、低下する場合があることが判明した。具体的には、この酸成分によって脂肪族系ポリエステルのエステル結合が切れて脂肪族系ポリエステルが分解され(即ち、分子量が低下し)、さらにこの分解が脂肪族ポリエステル全体に伝播し、その結果、高分子圧電体の機械的強度や電気特性(圧電定数等)が低下する場合があることがわかった。つまり、高分子圧電体を、例えばセンサーやアクチュエーターとして用いた場合、湿熱環境下で高分子圧電体にクラックが発生して外観を悪化したり、センサーやアクチュエーターの動作不良が発生することになる。
一方、上記の層中の酸性分を極めて少ない量とするか又は層中に酸成分が含有されないようにすることにより、上記安定性の低下(例えば上記分子量の低下)は抑制できるが、高分子圧電体と酸価を有する層との密着力が低下することも見出された。
本発明は上記に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、高分子圧電体と酸価を有する層とを備え、高分子圧電体の安定性(特に、耐湿熱性)に優れ、かつ、高分子圧電体と酸価を有する層との密着力に優れた積層体を提供することである。
課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有する脂肪族系ポリエステル(A)を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%である高分子圧電体と、前記高分子圧電体に接触し、10mgKOH/g以下の酸価を有する層(X)と、を備える、積層体。
<2> 前記層(X)が、易接着層、接着層、粘着層、ハードコート層、帯電防止層、アンチブロック層、又は屈折率調整層である、<1>に記載の積層体。
<3> 前記層(X)が、粘着層又は接着層である、<1>又は<2>に記載の積層体。
<4> 前記層(X)の酸価が、0.01mgKOH/g以上である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の積層体。
<5> 前記層(X)中の全窒素量が、0.05質量%〜10質量%である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の積層体。
<6> 前記高分子圧電体が、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基を有する重量平均分子量が200〜60000の安定化剤(B)を、前記脂肪族系ポリエステル(A)100質量部に対して0.01質量部〜10質量部含む、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の積層体。
<7> 前記安定化剤(B)が、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基を有する重量平均分子量が200〜900の安定化剤(B1)と、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基を1分子内に2以上有する重量平均分子量が1000〜60000の安定化剤(B2)と、を含む、<6>に記載の積層体。
<8> 前記高分子圧電体は、可視光線に対する内部ヘイズが50%以下であり、且つ、25℃において応力−電荷法で測定した圧電定数d14が1pC/N以上である、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の積層体。
<9> 前記高分子圧電体は、可視光線に対する内部ヘイズが13%以下であり、且つ、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基を有する重量平均分子量が200〜60000の安定化剤(B)を、前記脂肪族系ポリエステル(A)100質量部に対して0.01質量部〜2.8質量部含む、<1>〜<8>のいずれか1項に記載の積層体。
<10> 前記高分子圧電体は、マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が25〜700である、<1>〜<9>のいずれか1項に記載の積層体。
<11> 前記脂肪族系ポリエステル(A)が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子である、<1>〜<10>のいずれか1項に記載の積層体。

<12> 前記脂肪族系ポリエステル(A)は、光学純度が95.00%ee以上である、<1>〜<11>のいずれか1項に記載の積層体。
<13> 前記高分子圧電体中における前記脂肪族系ポリエステル(A)の含有量が、80質量%以上である、<1>〜<12>のいずれか1項に記載の積層体。
なお、本明細書において、「フィルム」(例えば「高分子フィルム」)は、シート(例えば高分子シート)を包含する概念である。
また、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明によれば、高分子圧電体と酸価を有する層とを備え、高分子圧電体の安定性(特に、耐湿熱性)に優れ、かつ、高分子圧電体と酸価を有する層との密着力に優れた積層体が提供される。
実施例1において、圧電体と粘着層との剥離強度(密着力)測定に用いた3層積層体の断面(長手方向及び厚さ方向に平行な面で切断したときの断面)を概念的に示す概略側面図である。
本発明の積層体は、重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有する脂肪族系ポリエステル(A)を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%である高分子圧電体(以下、単に「圧電体」ともいう)と、前記高分子圧電体に接触し、10mgKOH/g以下の酸価を有する層(X)と、を備える。
本発明者等の検討により、脂肪族系ポリエステルを含む圧電体とこの圧電体に接触し酸価を有する層とを備えた積層体では、単に高分子圧電体の表面に酸価を有する層が接触しているに過ぎないにも関わらず、酸価を有する層中の酸成分によって、脂肪族系ポリエステル全体が分解されて分子量が低下し、その結果、高分子圧電体の安定性(特に、85℃85%RH試験などの負荷の大きな環境下での耐湿熱性)が高分子圧電体単独に比べ、低下する場合があることが判明した。
一方、上記の層中の酸性分を極めて少ない量とするか又は層中に酸成分が含有されないようにすることにより、上記安定性の低下(例えば上記分子量の低下)は抑制できるが、圧電体と酸価を有する層との密着力が低下することも判明した。
そこで本発明者等は、酸価を有する層の酸価を10mgKOH/g以下とすることで、圧電体の安定性(特に、耐湿熱性)を保ちつつ、かつ、圧電体と酸価を有する層との密着力を高めることができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明において、層(X)と圧電体との密着力が高められる理由は、層(X)中の酸成分によって脂肪族系ポリエステル(A)の一部が分解して極性基が生じ、その結果、層(X)と圧電体との接触面において、層(X)の極性基と圧電体の極性基との相互作用が生じるため、と推測される。
本発明において、「10mgKOH/g以下の酸価を有する層(X)」とは、酸価が0mgKOH/gを超えて10mgKOH/g以下である層(X)を意味する。
層(X)の酸価が0mgKOH/gであると、圧電体と層(X)との密着力が低下する。
一方、層(X)の酸価が10mgKOH/gを超えると、圧電体の安定性が低下する。具体的には、圧電体中の脂肪族系ポリエステルの分子量が低下し、圧電性(圧電定数)が低下する。更に、この分子量の低下により、圧電体の機械的強度が損なわれる傾向となる。
本発明の積層体において、層(X)の酸価は、圧電体と層(X)との密着力をより向上させる観点から、0.01mgKOH/g以上であることが好ましい。
即ち、層(X)の酸価は、好ましくは0.01mgKOH/g〜10mgKOH/gである。層(X)の酸価は、より好ましくは0.05mgKOH/g〜5mgKOH/g、更に好ましくは0.1mgKOH/g〜1mgKOH/gである。
本発明の積層体において、層(X)の酸価は、層(X)1g中の遊離酸を中和するのに要するKOHの量(mg)を指す。このKOHの量(mg)は、溶媒に溶解又は膨潤させた層(X)を、フェノールフタレインを指示薬として0.005M KOH(水酸化カリウム)エタノール溶液によって滴定することにより測定される。
本発明の積層体において、層(X)中の全窒素量は、0.05質量%〜10質量%であることが好ましく、0.1質量%〜8質量%であることがより好ましく、0.2質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。層(X)中の全窒素量が0.05質量%以上であることにより、高い圧電性を維持した状態で層(X)と圧電体との密着性をより向上させることができる。更に層(X)中の全窒素量が1.0質量%以上であることにより、耐湿熱性が向上する。また、層(X)中の全窒素量が10質量%以下であることにより、層(X)の黄色味が低下するという効果が得られる。なお、層(X)中の全窒素量は、後述する実施例に記載の方法により測定すればよい。
層(X)と圧電体との密着性がより向上する理由は、以下のように推測される。つまり、脂肪族系ポリエステル(A)の酸素原子を含む部分が層(X)中の酸成分によって分解されて酸素原子を含む極性基が生じ、層(X)と圧電体との接触面において、層(X)の窒素原子を含む極性基と圧電体の酸素原子を含む極性基との相互作用が生じることで、層(X)と圧電体との密着性がより向上する。
また耐湿熱性が向上する理由は明確では無いが、以下のように推測される。つまり、層(X)中の酸成分が層(X)中の窒素成分によってトラップされ、圧電体への酸成分の移行が抑制されることで、耐湿熱性が向上すると推測される。
また、本発明の積層体は、層(X)上に他の部材を備えていてもよい。
ここで、「層(X)上」とは、層(X)からみて高分子圧電体が存在する側の反対側を指す。
他の部材としては、例えば、高分子フィルム、ガラス、電極が挙げられる。
上記高分子フィルムの材料(高分子)としては、耐熱性が高い高分子が好適であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルアルコール(PVA)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリイミド(PI)等が挙げられる。
上記電極の材料としては、Al、Cu、Ag、Agペースト、カーボンブラック等の不透明材料、ITO(結晶化ITO及び非晶ITO)、ZnO、IGZO、IZO、導電性高分子(ポリチオフェン、PEDOT)、Agナノワイヤー、カーボンナノチューブ、グラフェン等の透明材料が挙げられる。
上記電極は、層(X)を全て覆う電極層であってもよいし、層(X)の一部を覆うように形成された、電極パターンであってもよい。また、上記電極は高分子フィルムやガラスなどの基材上に形成されていてもよい。
積層体が電極を備える場合、層(X)は、電極と接していても、基材と接していても、電極及び基材の両方と接していてもよい。例えば、電極が基材上の一部を覆うように形成された電極パターンである場合、層(X)は、電極及び基材の両方と接する場合がある。
また、電極は、高分子圧電体の一方の主面の側のみに設けられていてもよく、両方の主面の側に設けられていてもよい。また、高分子圧電体の一方の主面の側に層(X)を介して電極が設けられ、かつ、高分子圧電体の他方の主面の側に直接(即ち、高分子圧電体に接して)電極が設けられた形態であってもよい。
本発明の積層体の積層構造の例としては、例えば、高分子圧電体をA、層(X)をX、基材(高分子フィルム又はガラス)をB、電極をCとすると、以下の例が挙げられる。
即ち、積層構造の例として、A/X、X/A/X、A/X/B、X/A/X/B、B/X/A/X/B、A/X/C、X/A/X/C、C/X/A/X/C、C/A/X、C/A/X/C、X/C/A/X/C、A/X/B/C、A/X/C/B、X/A/X/B/C、X/A/X/C/B、C/A/X/B、C/A/X/B/C、C/A/X/C/B、X/C/A/X/B、X/C/A/X/B/C、X/C/A/X/C/B、B/X/C/A/X/B/C、B/X/C/A/X/C/B等が挙げられる。更に、これらの積層構造を部分構造として有する積層構造も挙げられる。
〔層(X)〕
本発明における層(X)は、高分子圧電体に接触する層である。
本発明の積層体では、層(X)の少なくとも一部が高分子圧電体に接触していればよい。
また、本発明の積層体は、層(X)を、高分子圧電体の一方の主面の側にのみ備えていてもよいし、高分子圧電体の両方の主面の側に備えていてもよい。
また、本発明における高分子圧電体上には、複数の機能層が積層されてなる多層膜が設けられていてもよく、その場合における層(X)とは、少なくとも一部が圧電体に接触するように配置されてなる層を指す。
<層(X)の種類(機能)>
本発明における層(X)としては、様々な機能層が挙げられる。
機能層としては、例えば、易接着層、ハードコート層、屈折率調整層、アンチリフレクション層、アンチグレア層、易滑層、アンチブロック層、保護層、接着層、粘着層、帯電防止層、放熱層、紫外線吸収層、アンチニュートンリング層、光散乱層、偏光層、ガスバリア層などが挙げられる。また、機能層としては、これらの機能のうちの2つ以上を兼ね備えた層であってもよい。
層(X)は、易接着層、接着層、粘着層、ハードコート層、帯電防止層、アンチブロック層、又は屈折率調整層であることが好ましく、接着層又は粘着層であることがより好ましい。
高分子圧電体の両方の主面に層(X)を備える場合は、2つの層(X)は同じ機能層であっても、異なる機能層であっても良い。
また、積層体が層(X)を備えることにより、圧電体表面のダイラインや打痕などの欠陥が埋められ、外観が向上するという効果もある。この場合は圧電体と層(X)との屈折率差が小さいほど圧電体と層(X)と界面の反射が低減し、より外観が向上する。
<層(X)の材料>
層(X)の材料には特に制限はないが、層(X)は、樹脂を含むことが好ましい。
樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン−エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、クロロプレンゴム系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、水性高分子−イソシアネート系樹脂、スチレン-ブタジエンゴム系樹脂、ニトリルゴム系樹脂、アセタール樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、臭素樹脂、デンプン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
特に、層(X)が接着層又は粘着層である場合には、樹脂としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂が好ましく、アクリル樹脂、メタクリル樹脂が特に好ましい。
上記接着層は、例えば、溶剤系、無溶剤系、水系などの接着コート液、ホットメルト接着剤などを用いて形成することができる。
上記粘着層としては、例えば、両面をセパレータでラミネートしてある両面テープ(OCA;Optical Clear Adhensive)の粘着層を用いることができる。また、上記粘着層は、溶剤系、無溶剤系、水系などの粘着コート液、UV硬化型OCR(Optical Clear Resin)などを用いて形成することもできる。
OCAとしては、日東電工株式会社製光学用透明粘着シートLUCIACSシリーズや積水化学工業株式会社製高透明両面テープ5400Aシリーズ、リンテック株式会社製光学粘着シートOpteriaシリーズ、住友スリーエム株式会社製高透明性接着剤転写テープシリーズ、株式会社サンエー化研製SANCUARYシリーズ、東洋包材株式会社製高透明ベースレス両面粘着フィルム、株式会社スミロン製光学用芯無両面テープRAシリーズ、株式会社巴川製紙所製光学用粘着剤ノンキャリアシリーズ、藤森工業株式会社製マスタックシリーズ、パナック株式会社製パナクリーンシリーズなどが挙げられる。
粘着コート液としては綜研化学株式会社製SKダインシリーズ、DIC株式会社製ファインタックシリーズ、ボンコートシリーズ、藤倉化成株式会社製LKGシリーズ、日本合成化学工業株式会社製コーポニールシリーズなどが挙げられる。
層(X)が樹脂を含む場合、層(X)は、その機能を発現するために、樹脂以外の成分(溶剤、添加剤等)を含んでいてもよい。
ただし、添加剤が特定の環境下(特に高温高湿環境下)で着色したり、ヘイズの増加などを引き起こすこともあるため、そのような材料を含まないことが望ましい。
層(X)が樹脂を含む場合、層(X)中における樹脂の含有量は、60質量%以上であることが好ましい。
上記樹脂は、硬化性樹脂(熱硬化性樹脂又は活性エネルギー線硬化樹脂)であることも好ましい。
硬化性樹脂としては、例えば、国際公開第2010/114056号パンフレットの段落0040〜0044、0076〜0078、0100〜0107に記載の樹脂など、公知の硬化性樹脂を適宜選択して用いることができる。
また、圧電体と層(X)との密着力をより向上させる観点から、上記層(X)は、カルボニル基(−C(=O)−)を含むことも好ましい。
また、同様の観点から、上記層(X)は、三次元架橋構造を有する樹脂を含むことも好ましい。
カルボニル基を含み且つ樹脂(重合体)を含む層(X)を形成する方法としては、カルボニル基を有する化合物と反応性基を持つ官能性化合物とを含有する組成物を重合する方法が挙げられる。この際、上記カルボニル基を有する化合物と上記官能性化合物は同一であっても、同一でなくてもよい。
上記カルボニル基を有する化合物と上記官能性化合物が同一の場合、上記官能性化合物の持つ反応性基自身にカルボニル基が含まれていてもよく、上記官能性化合物の持つ反応性基以外の構造にカルボニル基が含まれていてもよい。上記カルボニル基を有する化合物と上記官能性化合物が同一でない場合、上記カルボニル基を有する化合物は、上記官能性化合物と反応できる反応性基を1つ以上有する。
さらに重合反応は1種類の反応性基同士の反応でも、異なる2種類以上の反応性基の反応でもよい。異なる2種類以上の反応性基の反応の場合は、同一化合物内に反応する異なる2種類以上の反応性基を有しても、同一の反応性基を2つ以上持つ官能性化合物と前記反応性基と反応可能な別の反応性基を2つ以上持つ官能性化合物を混合してもよい。
上記1種類の反応性基同士の反応を行う反応性基(以下単に「同種反応性基」とも称す)としてはアクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基、イソシアネート基、エポキシ基などが挙げられる。アクリル基、メタクリル基、イソシアネート基はその反応性基の中にカルボニル基を有する。ビニル基、アリル基、エポキシ基を用いる場合は、反応性基以外の構造中にカルボニル基を有する化合物が使用できる。
尚、前記重合体に三次元架橋構造を持たせる観点では、これらの同種反応性基は2官能以上の化合物が組成物中に一部でも存在すれば三次元架橋構造を形成できる。
上記2種類以上の反応性基の反応を行う反応性基(以下単に「異種反応性基」とも称す)としてはエポキシ基とカルボキシル基、エポキシ基とアミノ基、エポキシ基とヒドロキシル基、エポキシ基と酸無水物基、エポキシ基とヒドラジド基、エポキシ基とチオール基、エポキシ基とイミダゾール基、エポキシ基とイソシアネート基、イソシアネート基とカルボキシル基、イソシアネート基とアミノ基、イソシアネート基とヒドロキシル基、カルボジイミド基とアミノ基、カルボジイミド基とカルボキシル基、オキサゾリノ基とカルボキシル基、ヒドラジド基とカルボキシル基などの組み合わせが利用できる。
尚、前記重合体に三次元架橋構造を持たせる観点では、これらの異種反応性基はどちらか、もしくは両方が3官能以上の化合物が組成物中に一部でも存在すれば三次元架橋構造を形成できる。
これらのうちカルボキシル基、酸無水物基、ヒドラジド基、イソシアネート基はその反応性基の中にカルボニル基を有する。それ以外の反応性基を用いる場合は反応性基以外の構造中にカルボニル基を有する化合物が使用できる。
エポキシ基とカルボニル基を同一分子内に有する官能性化合物としてはエポキシアクリレートなどが挙げられる。
ヒドロキシル基とカルボニル基を同一分子内に有する官能性化合物としてはポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、部分カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
アミノ基とカルボニル基を同一分子内に有する官能性化合物としては末端アミンポリアミド、末端アミンポリイミド、末端アミンポリウレタンなどが挙げられる。
重合体としては、上記の中でも(メタ)アクリル基を有する化合物の重合体がより好ましい。
尚、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタクリルを含むことを意味する。
<形成方法>
圧電体上に層(X)を形成する方法としては、従来一般的に用いられていた公知の方法が適宜使用できるが、例えばウェットコート法が挙げられる。例えば、層(X)を形成するための材料(重合性化合物または重合性化合物の重合物)が分散または溶解されたコート液を塗布し、必要に応じて乾燥等の操作を行うことで、層(X)が形成される。重合性化合物の重合は塗布前に行われていても、塗布後に行われてもよい。
尚、さらに必要に応じて、上記重合の際に前記材料(重合性化合物)に対して熱や活性エネルギー線(紫外線、電子線、放射線等)照射により層(X)を硬化させてもよい。尚、層(X)を形成するための材料(重合性化合物)における反応性基の当量を小さくすることで(つまり、前記重合性化合物の単位分子量当たりに含まれる反応性基の数を増やすことで)架橋密度が高められ、圧電体との密着性を更に向上させることができる。
尚、上記重合体の中でも、活性エネルギー線(紫外線、電子線、放射線等)照射により硬化された活性エネルギー線硬化樹脂が好ましい。活性エネルギー線硬化樹脂を含むことで、製造効率が向上し、また圧電体との密着性を更に向上させることができる。
また、圧電体上に層(X)を形成する方法としては、高分子フィルム等の仮支持体上に設けられた層(X)を、圧電体に貼着(転写)する方法(以下、「貼着法」ともいう)も挙げられる。貼着後は、仮支持体をそのまま残してもよいし、必要に応じ剥離除去してもよい。上記貼着法において、仮支持体上に層(X)を形成する方法としては、上述のウェットコート法が挙げられる。
上記貼着法は、層(X)が粘着層である場合に特に好適である。
また、上記貼着法は、圧電体への熱履歴(乾燥工程等を設けたことによる熱履歴)を少なくすることができる点で有利である。従って、圧電体の耐熱性が低い場合に特に好適である。
上記貼着法の例としては、セパレータ(上記「仮支持体」に相当)上に設けられた粘着層(上記「層(X)」に相当)を、圧電体に貼着する方法が挙げられる。
<三次元架橋構造>
層(X)は、カルボニル基を含み且つ三次元架橋構造を有する重合体を含むことも好ましい。三次元架橋構造を含むことで、圧電体との密着性や、層(X)の耐溶剤性を更に向上させることができる。
三次元架橋構造を有する重合体を作製する手段としては、反応性基を2つ以上持つ官能性化合物を含有する組成物を重合する方法が挙げられる。また架橋剤としてイソシアネートやポリオール、有機過酸化物などを用いる方法も挙げられる。尚、これらの手段を複数組み合わせて用いてもよい。
2官能以上の官能性化合物としては、例えば、1分子に2つ以上の(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリル化合物などが挙げられる。
3官能以上の官能性化合物としては、例えば、1分子に3つ以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物や、1分子に3つ以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物等が挙げられる。
ここで、層(X)に含まれる材料が三次元架橋構造を有する重合体であるか否かを確認する方法としては、ゲル分率を測定する方法が挙げられる。
具体的には、層(X)を溶剤に24時間浸漬した後の不溶分からゲル分率を導くことができる。特に溶剤が水などの親水性の溶媒でも、トルエンのような親油性の溶媒でも、ゲル分率が一定以上のものが三次元架橋構造を有すると推定することができる。
ウェットコート法の場合、コート液を圧電体の延伸前原反に塗工した後に圧電体を延伸し、その後に硬化しても、圧電体原反を延伸後にコート液を塗布、硬化してもよい。
また層(X)にはその目的に応じて屈折率調整剤や紫外線吸収剤、レベリング剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤などの各種有機物、無機物を添加することもできる。
<表面処理>
圧電体表面と層(X)との密着性や、圧電体表面への層(X)の塗工性を更に向上させる観点から、コロナ処理やイトロ処理、オゾン処理、プラズマ処理などによって圧電体表面を処理することもできる。
<厚さ>
層(X)の厚さ(平均厚さ;以下、「厚さd」ともいう)は、特に限定されるものではないが、0.01μm〜200μmの範囲が好ましく、0.1μm〜100μmの範囲がより好ましく、0.2μm〜80μmの範囲が更に好ましく、1μm〜70μmの範囲が特に好ましい。
厚さdが上記下限値以上であることにより、圧電体表面と層(X)との密着性がより向上する。
一方厚さが上記上限値以下であることにより、層(X)上に更に電極を設けた際に電極により大きな電荷が発生する。
但し、層(X)は圧電体の両面にあってもよく、その場合上記厚さdは両面の厚さを足したものである。
層(X)の厚さ(厚さd)は、ニコン社製デジタル測長機DIGIMICRO STAND MS−11Cを用いて以下の式により決定される。
式 d=dt−dp
dt:積層体10箇所の平均厚み
dp:層(X)形成前または層(X)を除去した後の圧電体10箇所の平均厚み
<比誘電率>
層(X)の比誘電率は、1.5以上であることが好ましく、更には2.0以上20000以下がより好ましく、2.5以上10000以下が更に好ましい。
比誘電率が上記範囲であることにより、積層体における層(X)上に更に電極を設けた際に電極により大きな電荷が発生する。
尚、層(X)の比誘電率は、以下の方法により測定される。
圧電体の片面に層(X)を形成した後、昭和真空SIP−600を用いて積層体の両面に約50nmのAlを蒸着する。この積層体より50mm×50mmのフィルムを切り出す。この試験片をHEWLETT PACKARD社製LCR METER 4284Aに接続して静電容量Cを測定し、以下の式で層(X)の比誘電率εcを計算する。
εc=(C×dc×2.7)/(ε×2.7×S−C×dp)
dc:層(X)厚み、ε:真空誘電率、S:試験片面積、dp:圧電体厚み
<層(X)の内部ヘイズ>
層(X)の内部ヘイズは、10%以下であることが好ましく、更には0.0%以上5%以下がより好ましく、0.01%以上2%以下が更に好ましい。
内部ヘイズが上記範囲であることにより、優れた透明性が発揮され、例えばタッチパネル等として有効に利用し得る。
尚、層(X)の内部ヘイズHcは、以下の式により計算される。
Hc=H−Hp
H:積層体の内部ヘイズ
Hp:層(X)形成前または層(X)を除去した後の圧電体の内部ヘイズ
ここで、圧電体の内部ヘイズは、厚さ0.03mm〜0.05mmの高分子圧電体に対して、JIS−K7105に準拠して、ヘイズ測定機〔(有)東京電色製、TC−HIII DPK〕を用いて25℃で測定したときの値であり、測定方法の詳細は実施例において詳述する。
また、積層体の内部ヘイズも、上記圧電体の内部ヘイズの測定方法に準じて測定される。
〔高分子圧電体〕
本発明における高分子圧電体は、重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有する脂肪族系ポリエステル(A)を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%である。
<光学活性を有する脂肪族系ポリエステル(A)>
本発明における高分子圧電体は、重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有する脂肪族系ポリエステル(A)(以下、単に、「脂肪族系ポリエステル(A)」ともいう)を含む。
ここで、光学活性を有する脂肪族系ポリエステルとは、分子構造が螺旋構造である分子光学活性を有する脂肪族系ポリエステルなど、分子構造に起因する光学活性を有する脂肪族系ポリエステルをいう。
光学活性を有する脂肪族系ポリエステル(以下、「光学活性高分子」ともいう)としては、例えば、ポリ乳酸系高分子、ポリ(β―ヒドロキシ酪酸)等を挙げることができる。 また、光学活性を有する脂肪族系ポリエステルとしては、圧電性を増加させやすいヘリカルキラル高分子であることが好ましい。
脂肪族系ポリエステル(A)(光学活性高分子)は、高分子圧電体の圧電性を向上する観点から、光学純度が95.00%ee以上であることが好ましく、96.00%ee以上であることがより好ましく、99.00%ee以上であることがさらに好ましく、99.99%ee以上であることがさらにより好ましい。望ましくは100.00%eeである。脂肪族系ポリエステル(A)の光学純度を上記範囲とすることで、圧電性を発現する高分子結晶のパッキング性が高くなり、その結果、圧電性が高くなるものと考えられる。
本実施形態において、脂肪族系ポリエステル(A)(光学活性高分子)の光学純度は、下記式にて算出した値である。
光学純度(%ee)=100×|L体量−D体量|/(L体量+D体量)
すなわち、『「光学活性高分子のL体の量〔質量%〕と光学活性高分子のD体の量〔質量%〕との量差(絶対値)」を「光学活性高分子のL体の量〔質量%〕と光学活性高分子のD体の量〔質量%〕との合計量」で割った(除した)数値』に、『100』をかけた(乗じた)値を、光学純度とする。
なお、光学活性高分子のL体の量〔質量%〕と光学活性高分子のD体の量〔質量%〕は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法により得られる値を用いる。具体的な測定の詳細については後述する。
以上の脂肪族系ポリエステル(A)(光学活性高分子)の中でも、光学純度を上げ、圧電性を向上させる観点から、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有する化合物が好ましい。

前記式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とする化合物としては、ポリ乳酸系高分子が挙げられる。
中でも、ポリ乳酸が好ましく、L−乳酸のホモポリマー(PLLA)またはD−乳酸のホモポリマー(PDLA)が最も好ましい。
なお、本実施形態における前記ポリ乳酸系高分子とは、「ポリ乳酸(L−乳酸及びD−乳酸から選ばれるモノマー由来の繰り返し単位のみからなる高分子化合物)」、「L−乳酸またはD−乳酸と、該L−乳酸またはD−乳酸と共重合可能な化合物とのコポリマー」、又は、両者の混合物をいう。
前記「ポリ乳酸」は、乳酸がエステル結合によって重合し、長く繋がった高分子であり、ラクチドを経由するラクチド法と、溶媒中で乳酸を減圧下加熱し、水を取り除きながら重合させる直接重合法などによって製造できることが知られている。前記「ポリ乳酸」としては、L−乳酸のホモポリマー、D−乳酸のホモポリマー、L−乳酸およびD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むブロックコポリマー、及び、L−乳酸およびD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むグラフトコポリマーが挙げられる。
前記「L−乳酸またはD−乳酸と共重合可能な化合物」としては、グリコール酸、ジメチルグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシメチルカプロン酸、マンデル酸等のヒドロキシカルボン酸、グリコリド、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状エステル、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸等の多価カルボン酸、及びこれらの無水物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ヘキサンジメタノール等の多価アルコール、セルロース等の多糖類、及び、α−アミノ酸等のアミノカルボン酸等を挙げることができる。
前記「L−乳酸またはD−乳酸と、該L−乳酸またはD−乳酸と共重合可能な化合物とのコポリマー」としては、らせん結晶を生成可能なポリ乳酸シーケンスを有する、ブロックコポリマーまたはグラフトコポリマーが挙げられる。
また、上記コポリマー中のコポリマー成分に由来する構造の濃度は20mol%以下であることが好ましい。
例えば、脂肪族系ポリエステル(A)がポリ乳酸系高分子の場合、前記高分子中の乳酸に由来する構造と乳酸と共重合可能な化合物(コポリマー成分)に由来する構造のモル数の合計に対して、前記コポリマー成分が20mol%以下であることが好ましい。
前記ポリ乳酸系高分子は、例えば、特開昭59−096123号公報、及び特開平7−033861号公報に記載されている乳酸を直接脱水縮合して得る方法や、米国特許2,668,182号及び4,057,357号等に記載されている乳酸の環状二量体であるラクチドを用いて開環重合させる方法などにより製造することができる。
さらに、前記の各製造方法により得られた脂肪族系ポリエステル(A)は、光学純度を95.00%ee以上とするために、例えば、ポリ乳酸をラクチド法で製造する場合、晶析操作により光学純度を95.00%ee以上の光学純度に向上させたラクチドを、重合することが好ましい。
また、脂肪族系ポリエステル(A)の重量平均分子量(Mw)は、5万〜100万である。
脂肪族系ポリエステル(A)の重量平均分子量が5万未満であると、高分子圧電体の機械的強度が不十分となる。脂肪族系ポリエステル(A)の重量平均分子量は、10万以上であることが好ましく、15万以上であることがさらに好ましい。
一方、脂肪族系ポリエステル(A)の重量平均分子量の上限が100万を超えると、高分子圧電体を成形すること(例えば、押出成型などによりフィルム形状などに成形すること)が難しくなる。脂肪族系ポリエステル(A)の重量平均分子量は、80万以下であることが好ましく、30万以下であることがさらに好ましい。
また、脂肪族系ポリエステル(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、高分子圧電体の強度の観点から、1.1〜5であることが好ましく、1.2〜4であることがより好ましい。さらに1.4〜3であることが好ましい。
なお、脂肪族系ポリエステル(A)の重量平均分子量Mw及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用い、下記GPC測定方法により、測定される。
−GPC測定装置−
Waters社製GPC−100
−カラム−
昭和電工社製、Shodex LF−804
−サンプルの調製−
脂肪族系ポリエステル(A)を40℃で溶媒(例えば、クロロホルム)へ溶解させ、濃度1mg/mlのサンプル溶液を準備する。
−測定条件−
サンプル溶液0.1mlを溶媒〔クロロホルム〕、温度40℃、1ml/分の流速でカラムに導入する。
カラムで分離されたサンプル溶液中のサンプル濃度を示差屈折計で測定する。ポリスチレン標準試料にてユニバーサル検量線を作成し、脂肪族系ポリエステル(A)の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を算出する。
ポリ乳酸系高分子としては、市販のポリ乳酸を用いてもよく、例えば、PURAC社製のPURASORB(PD、PL)、三井化学社製のLACEA(H−100、H−400)、NatureWorks社製Ingeo4032D、4043D等が挙げられる。
脂肪族系ポリエステル(A)としてポリ乳酸系高分子を用いるときに、ポリ乳酸系高分子の重量平均分子量(Mw)を5万以上とするためには、ラクチド法、または直接重合法により脂肪族系ポリエステル(A)を製造することが好ましい。
本発明の高分子圧電体に含有される脂肪族系ポリエステル(A)の含有量は、80質量%以上が好ましい。
ここで、分子量変化率(耐湿熱性試験前の重量平均分子量Mwで、耐湿熱性試験後の重量平均分子量Mwを除した値)が1以上であること、あるいは、1より小さい場合であっても1近傍であることが好ましい。これにより、加水分解性が抑制され信頼性が良好であることが裏付けられる。分子量変化率としては、0.5以上であることが好ましく、0.6以上であることがより好ましく、0.65以上であることがさらに好ましく、0.7以上であることがさらにより好ましい。
<安定化剤(B)>
本発明の高分子圧電体は、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる1種類以上の官能基を有する重量平均分子量が200〜60000の安定化剤(B)を含むことが好ましい。
これにより、脂肪族系ポリエステル(A)の加水分解反応をより抑制でき、高分子圧電体の耐湿熱性をより向上させることができる。
安定化剤(B)については、国際公開第2013/054918号パンフレットの段落0039〜0055の記載を適宜参照できる。
(カルボジイミド化合物)
安定化剤(B)として用い得る、カルボジイミド基を有する化合物(カルボジイミド化合物)としては、モノカルボジイミド化合物、ポリカルボジイミド化合物、環状カルボジイミド化合物が挙げられる。
モノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド等を例示することができ、これらの中では、特に工業的に入手が容易であるという面から、ジシクロヘキシルカルボジイミド、またはビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドが好適である。
また、ポリカルボジイミド化合物としては、種々の方法で製造したものを使用することができる。従来のポリカルボジイミドの製造方法(例えば、米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.0rg.Chem.28,2069−2075(1963)、Chemical Review 1981,Vol.81 No.4、p619−621)により、製造されたものを用いることができる。具体的には特許4084953号公報に記載のカルボジイミド化合物を用いることもできる。
ポリカルボジイミド化合物としては、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、ポリ(テトラメチルキシリレンカルボジイミド)、ポリ(N,N−ジメチルフェニルカルボジイミド)、ポリ(N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド)等があり、そのような機能を有する分子中に1個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物であれば、特に限定されない。
環状カルボジイミド化合物において、環状構造は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている。一つの環状構造中には、1個のカルボジイミド基のみを有する。環状カルボジイミド化合物はその分子中に1つ又は複数のカルボジイミド基を有し得る。環状カルボジイミド化合物が、例えば、スピロ環など、その分子中に複数の環状構造を有する場合には、スピロ原子に結合するそれぞれの環状構造中に1個のカルボジイミド基を有し、以って化合物の1分子中に複数のカルボジイミド基を有し得る。環状構造中の原子数は、好ましくは8〜50、より好ましくは10〜30、さらに好ましくは10〜20、一層好ましくは10〜15であり得る。
ここで、環状構造中の原子数とは、環状構造を直接構成する原子の数を意味する。例えば、環状構造が8員環であれば当該原子数は8であり、環状構造が50員環であれば当該原子数は50である。環状構造中の原子数が8以上であると、環状カルボジイミド化合物の安定性が向上し、保管及び使用が容易となり得る。反応性の観点よりは環員数の上限値に関しては特別の制限はないが、合成上の困難によるコスト上昇を回避し得る観点からは、環状構造中の原子数が50であることが好適であり得る。環状カルボジイミド化合物は、環状構造を複数有していてもよい。
環状カルボジイミド化合物は、特開2011−256337号公報に記載の方法などに基づいて合成することができる。
カルボジイミド化合物としては、市販品を用いてもよく、例えば、東京化成製、B2756(商品名)、日清紡ケミカル社製、カルボジライトLA−1、ラインケミー社製、Stabaxol P、Stabaxol P400、Stabaxol I(いずれも商品名)等が挙げられる。
(イソシアネート化合物)
安定化剤(B)として用い得る、イソシアネート基を有する化合物(イソシアネート化合物)としては、ヘキシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェネチルイソシアネート、イソシアナト酢酸ブチル、ドデシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、イソシアン酸3−(トリエトキシシリル)プロピル、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジクロロ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4− シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、又は、3,3'−ジメチル−4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート系ポリイソシアネート等が挙げられる。
(エポキシ化合物)
安定化剤(B)として用い得る、エポキシ基を有する化合物(エポキシ化合物)としては、N−グリシジルフタルイミド、オルソフェニルフェニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
安定化剤(B)の重量平均分子量は、上述のとおり200〜60000であるが、200〜30000がより好ましく、300〜18000がさらに好ましい。
分子量が前記範囲内ならば、安定化剤(B)がより移動しやすくなり、耐湿熱性改良効果がより効果的に奏される。
安定化剤(B)は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
安定化剤(B)の好ましい態様としては、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる1種類以上の官能基を有し、且つ、数平均分子量が200〜900の安定化剤(B1)と、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群よりばれる1種類以上の官能基を1分子内に2以上有し、且つ、重量平均分子量が1000〜60000の安定化剤(B2)とを併用するという態様が挙げられる。比較的低分子量の安定化剤(B1)と、多官能で比較的高分子量の安定化剤(B2)とを併用することで、耐湿熱性が特に向上する。なお、数平均分子量が200〜900の安定化剤(B1)の重量平均分子量は、大凡200〜900であり、安定化剤(B1)の数平均分子量と重量平均分子量とはほぼ同じ値となる。
ここで、安定化剤(B1)としては、具体的には、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、ヘキシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、イソシアン酸3−(トリエトキシシリル)プロピル、N−グリシジルフタルイミド、オルソフェニルフェニルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、安定化剤(B2)としては、具体的には、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、ポリ(テトラメチルキシリレンカルボジイミド)、ポリ(N,N−ジメチルフェニルカルボジイミド)、ポリ(N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−カルボジイミド)、ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート系ポリイソシアネート、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
安定化剤(B)として安定化剤(B1)と安定化剤(B2)とを併用する場合、安定化剤(B1)を多く含むことが透明性向上の観点から好ましい。
具体的には、安定化剤(B1)100質量部に対して、安定化剤(B2)が10質量部〜150質量部の範囲であることが、透明性と耐湿熱性の両立という観点から好ましく、50質量部〜100質量部の範囲であることがより好ましい。
本発明の高分子圧電体が安定化剤(B)を含む場合、安定化剤(B)の含有量は、脂肪族系ポリエステル(A)100質量部に対して0.01質量部〜10質量部であることが好ましい。
また、透明性の観点からは、上記含有量は、2.8質量部以下であることが好ましい。
また、より高い信頼性を得るためには、上記含有量は、0.7質量部以上がより好ましい。更に、耐湿熱性をより向上させる観点から、上記含有量は、1.5質量部以上がさらに好ましい。
<その他の成分>
本発明における高分子圧電体は、本発明の効果を損なわない限度において、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン樹脂やポリスチレン樹脂に代表される公知の樹脂や、シリカ、ヒドロキシアパタイト、モンモリロナイト等の無機フィラー、フタロシアニン等の公知の結晶核剤等他の成分を含有していてもよい。
無機フィラー、結晶核剤等の他の成分については、国際公開第2013/054918号パンフレットの段落0057〜0060の記載を適宜参照できる。
なお、高分子圧電体が脂肪族系ポリエステル(A)以外の成分を含む場合、脂肪族系ポリエステル(A)以外の成分の含有量は、高分子圧電体の全質量中に対して、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
<結晶化度>
本発明における高分子圧電体は、DSC法(示差走査熱分析法)で得られる結晶化度が20%〜80%である。
結晶化度が20%未満であると、高分子圧電体の圧電性(圧電定数)や強度が不足する傾向がある。
結晶化度が80%を超えると、高分子圧電体の透明性が不足する(即ち、内部ヘイズが高くなる)傾向がある。
また、結晶化度が20%〜80%であることは、内部ヘイズの面内均一性を向上させる点でも有利である。
結晶化度は、30%〜70%が好ましい。
<圧電定数d14(応力−電荷法)>
本発明における高分子圧電体は、25℃において応力−電荷法で測定した圧電定数d14が1pC/N以上であることが好ましい。
以下、「25℃において応力−電荷法で測定した圧電定数d14」を、単に「圧電定数d14」や「圧電定数」ともいう。
以下、応力−電荷法による圧電定数d14の測定方法の一例について説明する。
まず、高分子圧電体を、高分子圧電体の延伸方向(例えばMD方向)に対して45°なす方向に150mm、45°なす方向に直交する方向に50mmにカットして、矩形の試験片を作製する。次に、昭和真空SIP−600の試験台に得られた試験片をセットし、アルミニウム(以下、Alとする)の蒸着厚が約50nmとなるように、試験片の一方の面にAlを蒸着する。次いで試験片の他方の面に同様に蒸着して、試験片の両面にAlを被覆し、Alの導電層を形成する。
両面にAlの導電層が形成された150mm×50mmの試験片を、高分子圧電体の延伸方向(例えばMD方向)に対して45°なす方向に120mm、45°なす方向に直交する方向に10mmにカットして、120mm×10mmの矩形のフィルムを切り出す。これを、圧電定数測定用サンプルとする。
得られたサンプルを、チャック間距離70mmとした引張試験機(AND社製、TENSILON RTG−1250)に、弛まないようにセットする。クロスヘッド速度5mm/minで、印加力が4Nと9N間を往復するように周期的に力を加える。このとき印加力に応じてサンプルに発生する電荷量を測定するため、静電容量Qm(F)のコンデンサーをサンプルに並列に接続し、このコンデンサーCm(95nF)の端子間電圧Vを、バッファアンプを介して測定する。以上の測定は25℃の温度条件下で行う。発生電荷量Q(C)は、コンデンサー容量Cmと端子間電圧Vmとの積として計算する。圧電定数d14は下式により計算される。
14=(2×t)/L×Cm・ΔVm/ΔF
t:サンプル厚(m)
L:チャック間距離(m)
Cm:並列接続コンデンサー容量(F)
ΔVm/ΔF:力の変化量に対する、コンデンサー端子間の電圧変化量比
圧電定数d14は高ければ高いほど、高分子圧電体に印加される電圧に対する高分子圧電体の変位、逆に高分子圧電体に印加される力に対し発生する電圧が大きくなり、高分子圧電体としては有用である。
具体的には、本発明における高分子圧電体において、25℃における応力−電荷法で測定した圧電定数d14は、1pC/N以上が好ましく、3pC/N以上がより好ましく、4pC/N以上が更に好ましい。また圧電定数d14の上限は特に限定されないが、後述する透明性などのバランスの観点からは、ヘリカルキラル高分子を用いた高分子圧電体では50pC/N以下が好ましく、30pC/N以下がより好ましい。
また、同様に透明性とのバランスの観点からは共振法で測定した圧電定数d14が15pC/N以下であることが好ましい。
なお、本明細書中において、「MD方向」とはフィルムの流れる方向(Machine Direction)であり、「TD方向」とは、前記MD方向と直交し、フィルムの主面と平行な方向(Transverse Direction)である。
<規格化分子配向MORc>
また、本発明における高分子圧電体は、規格化分子配向MORcが2.0〜10.0であることが好ましい。
規格化分子配向MORcが2.0〜10.0の範囲にあれば、フィルムの強度を高く維持し、かつ、特定方向(例えば、主たる延伸方向とフィルムの面内で直交する方向)のフィルムの強度の低下が抑制される。
また、MORcが上記範囲にあれば、延伸方向に配列する高分子圧電体が多く、その結果、配向結晶の生成する率が高くなり、高い圧電性を発現することが可能となる。
ここで、規格化分子配向MORcについて説明する前に、まず、分子配向度MOR(Molecular Orientation Ratio)について説明する。
分子配向度MORは、分子の配向の度合いを示す値であり、以下のようなマイクロ波測定法により測定される。
すなわち、試料(フィルム)を、周知のマイクロ波分子配向度測定装置(マイクロ波透過型分子配向計ともいう)のマイクロ波共振導波管中に、マイクロ波の進行方向に前記試料面(フィルム面)が垂直になるように配置する。そして、振動方向が一方向に偏ったマイクロ波を試料に連続的に照射した状態で、試料をマイクロ波の進行方向と垂直な面内で0〜360°回転させて、試料を透過したマイクロ波強度を測定することにより分子配向度MORを求める。
上記規格化分子配向MORcとは、基準厚さtcを50μmとしたときのMOR値であって、下記式により求めることができる。
MORc = (tc/t)×(MOR−1)+1
(tc:補正したい基準厚さ、t:試料厚さ)
規格化分子配向MORcは、公知の分子配向計、例えば王子計測機器株式会社製マイクロ波方式分子配向計MOA−2012AやMOA−6000等により、4GHzもしくは12GHz近傍の共振周波数で測定することができる。
また、規格化分子配向MORcは、高分子圧電体を製造する際の結晶化の条件(例えば、加熱温度および加熱時間)及び延伸の条件(例えば、延伸温度および延伸速度)によって制御されうる。
なお、規格化分子配向MORcは、位相差量(レターデーション)をフィルムの厚さで除した複屈折率Δnに変換することもできる。
具体的には、レターデーションは大塚電子株式会社製RETS100を用いて測定することができる。またMORcとΔnとは大凡、直線的な比例関係にあり、かつΔnが0の場合、MORcは1になる。
例えば、高分子(A)がポリ乳酸系高分子で複屈折率Δnを測定波長550nmで測定した場合、規格化分子配向MORcの好ましい範囲の下限である2.0は、複屈折率Δn 0.005に変換できる。また高分子圧電体の規格化分子配向MORcと結晶化度の積のより好ましい範囲の下限である40は、高分子圧電体の複屈折率Δnと結晶化度の積が0.1に変換することができる。
<規格化分子配向MORcと結晶化度との積>
高分子圧電体の規格化分子配向MORcと結晶化度との積は、好ましくは25〜700、より好ましくは40〜700、さらに好ましくは75〜680、さらに好ましくは90〜660、さらに好ましくは125〜650、さらに好ましくは180〜350である。
上記の積が25〜700の範囲にあれば、透明性及び寸法安定性が好適に維持される。 更に、高分子圧電体の圧電性も好適に維持される。
本発明では、例えば、高分子圧電体を製造する際の結晶化及び延伸の条件を調整することにより、高分子圧電体の結晶化度と規格化分子配向MORcとの積を上記範囲に調整することができる。
<内部ヘイズ>
高分子圧電体の透明性は、例えば、目視観察やヘイズ測定により評価することができる。
高分子圧電体は、可視光線に対する内部ヘイズが50%以下であることが好ましい。 ここで内部ヘイズは、厚さ0.03mm〜0.05mmの高分子圧電体に対して、JIS−K7105に準拠して、ヘイズ測定機〔(有)東京電色製、TC−HIII DPK〕を用いて25℃で測定したときの値であり、測定方法の詳細は実施例において詳述する。
高分子圧電体の前記内部ヘイズは、更に40%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、13%以下であることが更に好ましく、5%以下であることが更に好ましい。更に、高分子圧電体の前記内部ヘイズは、縦裂強度をより向上させる観点からは、2.0%以下が好ましく、1.0%以下が特に好ましい。
また、高分子圧電体の前記内部ヘイズは、低ければ低いほどよいが、圧電定数などとのバランスの観点からは、0.0%〜40%であることが好ましく、0.01%〜20%であることがさらに好ましく、0.01%〜5%がさらに好ましく、0.01%〜2.0%がさらに好ましく、0.01%〜1.0%が特に好ましい。
なお、本願でいう高分子圧電体の「内部ヘイズ」とは、実施例において後述するように前記高分子圧電体の外表面の形状によるヘイズを除外したヘイズである。
<厚さ>
本発明の高分子圧電体の厚さには特に制限はないが、例えば、10μm〜1000μmとすることができ、10μm〜400μmが好ましく、20μm〜200μmがより好ましく、20μm〜100μmが更に好ましく、30μm〜80μmが特に好ましい。
<高分子圧電体の製造方法>
本発明の高分子圧電体を製造する製造方法には特に制限はないが、例えば、国際公開第2013/054918号パンフレットの段落0065〜0099の記載を適宜参照できる。
即ち、本発明の高分子圧電体の好ましい製造方法としては、高分子(A)と安定化剤(B)とを含む予備結晶化フィルムを得る第一の工程と、予備結晶化フィルムを主として1軸方向に延伸する第二の工程と、(さらに、必要に応じ、アニール処理をする工程と、)を含む、高分子圧電体の製造方法が挙げられる。
また、別の好ましい製造方法としては、高分子(A)と安定化剤(B)とを含むフィルムを主として1軸方向に延伸する工程と、アニール処理をする工程と、をこの順で含む高分子圧電体の製造方法が挙げられる。
〔積層体の用途〕
本発明の積層体は、スピーカー、ヘッドホン、タッチパネル、リモートコントローラー、マイクロホン、水中マイクロホン、超音波トランスデューサ、超音波応用計測器、圧電振動子、機械的フィルター、圧電トランス、遅延装置、センサー、加速度センサー、衝撃センサー、振動センサー、感圧センサー、触覚センサー、電界センサー、音圧センサー、ディスプレイ、ファン、ポンプ、可変焦点ミラー、遮音材料、防音材料、キーボード、音響機器、情報処理機、計測機器、医用機器などの種々の分野で利用することができる。
尚、本発明の積層体は、更に電極を有し、高分子圧電体と層(X)と電極とをこの順で備える圧電デバイスとして好適に用いられる。
この圧電デバイスは、上記以外の部材を有していてもよく、例えば、層(X)と電極との間に、高分子フィルムやガラスを備えていてもよい。
ここで、高分子フィルムの材質(高分子)の例については前述したとおりである。
また、電極の材質の例、電極の構成の例、及び圧電デバイス(積層体)の積層構成の例についても、前述したとおりである。
また、本発明における高分子圧電体と、電極と、を繰り返し重ね、少なくともその一部の圧電体と電極との間に前記層(X)を介在させて積層圧電素子として用いることもできる。
例としては、両面に層(X)を備える高分子圧電体と電極とのユニットを繰り返し重ね、最後に電極で覆われていない高分子圧電体の主面を、電極で覆ったものが挙げられる。具体的にはユニットの繰り返しが2回のものは、電極、層(X)、高分子圧電体、層(X)、電極、層(X)、高分子圧電体、層(X)、電極をこの順で重ねた積層圧電素子であり得る。積層圧電素子に用いられる高分子圧電体は、そのうち1層の高分子圧電体と1層の層(X)とが本発明における積層体であればよく、その他の層は本発明の積層体における層(X)及び高分子圧電体でなくてもよい。
また、積層圧電素子に複数の本発明の積層体が含まれる場合は、ある層の高分子圧電体に含まれる脂肪族系ポリエステル(A)の光学活性がL体ならば、他の層の高分子圧電体に含まれる脂肪族系ポリエステル(A)はL体であってもD体であってもよい。高分子圧電体の配置は圧電素子の用途に応じて適宜調整することができる。
電極としては、透明性のある電極が好ましい。
ここで、電極について、透明性があるとは、具体的には、内部ヘイズが40%以下(全光線透過率が60%以上)であることをいう。
本発明の積層体を用いた前記圧電素子は、スピーカーやタッチパネル等、上述の種々の圧電デバイスに応用することができる。特に、透明性のある電極を備えた圧電素子は、スピーカー、タッチパネル、アクチュエーター等への応用に好適である。
以下、本発明の実施形態を実施例により更に具体的に説明するが、本実施形態はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<圧電体の作製>
〔圧電体Aの作製〕
NatureWorks LLC社製ポリ乳酸(登録商標Ingeo4032D)100質量部に対して、下記添加剤Xを1.0質量部添加しドライブレンドし原料を作製した。
作製した原料を押出成形機ホッパーに入れて、220℃〜230℃に加熱しながらTダイから押し出し、50℃のキャストロールに0.3分間接触させて、厚さ150μmの予備結晶化フィルムを製膜した(予備結晶化工程)。前記予備結晶化フィルムの結晶化度を測定したところ6%であった。
得られた予備結晶化フィルムを70℃に加熱しながらロールツーロールで、延伸速度3m/分で延伸を開始し、3.5倍までMD方向に一軸延伸した(延伸工程)。得られたフィルムの厚さは47.2μmであった。
その後、前記一軸延伸フィルムを、ロールツーロールで、145℃に加熱したロール上に15秒間接触させアニール処理し、その後急冷を行って、高分子圧電体(圧電体)を作製した(アニール処理工程)。
−添加剤X−
添加剤Xとしては、ラインケミー社製Stabaxol P400(20質量部)、ラインケミー社製Stabaxol I(50質量部)、及び日清紡ケミカル社製カルボジライトLA−1(30質量部)の混合物を用いた。
上記混合物における各成分の詳細は以下のとおりである。
Stabaxol I … ビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(分子量(=重量平均分子量):363)
Stabaxol P400 … ポリ(1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−カルボジイミド)(重量平均分子量:20000)
カルボジライトLA−1 … ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)(重量平均分子量:約2000)
〔圧電体Bの作製〕
添加剤Xの添加量を、ポリ乳酸100質量部に対し2質量部に変更したこと以外は圧電体Aの作製と同様にして、圧電体Bを作製した。
〔圧電体の物性測定〕
以上のようにして得られた圧電体(圧電体A、圧電体B)について、キラリティ、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、光学純度、融点(Tm)、結晶化度、厚さ、規格化分子配向MORc(基準厚さ50μm)、面内位相差、複屈折率、内部ヘイズ、圧電定数d14、及び規格化分子配向MORcと結晶化度との積を測定した。結果を表1に示す。
具体的には、次のようにして測定した。
(Mw、Mw/Mn、光学純度、及びキラリティ)
圧電体に含まれるポリ乳酸の、Mw、Mw/Mn、光学純度、及びキラリティを、国際公開第2013/054918号パンフレットの段落0126〜0128に記載された方法によって測定した。
(融点、結晶化度)
高分子圧電体を、10mg正確に秤量し、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC−1)を用い、昇温速度500℃/分の条件で140℃まで昇温し、さらに昇温速度10℃/分の条件で200℃まで昇温して融解曲線を得た。得られた融解曲線から融点Tm及び結晶化度を得た。
(規格化分子配向MORc)
規格化分子配向MORcは、王子計測機器株式会社製マイクロ波方式分子配向計MOA−6000により測定した。基準厚さtcは、50μmに設定した。
(面内位相差および複屈折率)
面内位相差(面内方向の位相差)Reは、以下の測定条件で測定した。また、複屈折率は上記面内位相差を圧電体の厚さで除した値で表される。
・測定波長 … 550nm
・測定装置 … 大塚電子社製 位相差フィルム・光学材料検査装置RETS−100
(内部ヘイズ)
圧電体の内部ヘイズ値は、下記測定条件下で下記装置を用いて、厚さ方向の光透過性を測定することにより測定した。
より詳細には、予めガラス板2枚の間に、シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製信越シリコーン(商標)、型番:KF96−100CS)のみを挟んでヘイズ(H2)を測定し、次にシリコーンオイルで表面を均一に塗らした圧電体を、ガラス板2枚で挟んでヘイズ(H3)を測定し、下記式のようにこれらの差をとることで本実施例の圧電体の内部ヘイズ(H1)を得た。
内部ヘイズ(H1)=ヘイズ(H3)−ヘイズ(H2)
上記ヘイズ(H2)及び上記ヘイズ(H3)は、下記測定条件下で下記装置を用いて、厚さ方向の光透過性を測定することにより測定した。
測定装置:東京電色社製、HAZE METER TC−HIIIDPK
試料サイズ:幅3mm×長さ30mm、厚さ0.05mm
測定条件:JIS−K7105に準拠
測定温度:室温(25℃)
(圧電定数d14(応力−電荷法))
前述した測定方法(応力−電荷法)により、圧電体の圧電定数d14を測定した。
〔実施例1〕
<積層体(5層積層体)の作製>
圧電体Bを、延伸方向(MD方向)に対して45°なす方向に150mm、45°なす方向に直交する方向に50mmにカットすることにより、圧電体Bから試験片を切り出した。
次に、日東電工社製の光学用透明粘着シート「LUCIACS CS9661TS」(厚さ50μmのPETフィルム/厚さ25μmのアクリル樹脂系粘着剤層(以下、「粘着層B」ともいう)/厚さ50μmのPETフィルムの三層構成の積層体)を上記試験片と同じサイズに切り出し、次いで一方のPETフィルムを剥離除去することにより、粘着層B/PETフィルムの2層構成の積層体を準備した。この2層構成の積層体を、2つ準備した。
次に、上記で切り出された試験片(圧電体B)の両面に、それぞれ、上記2層構成の積層体を、粘着層Bと圧電体Bとが接する向きで貼り合わせた。このとき、圧電体B、2つの粘着層B、及び2つのPETフィルムは、各々の中心及び外周が重なるようにして貼り合わせた。
以上により、PETフィルム/粘着層B/圧電体B/粘着層B/PETフィルムの積層構造を有する5層構成の積層体(以下、「積層体(5層)」ともいう)を得た。
上記粘着層Bの酸価を前述の方法によって測定したところ、表2に示す通りであった。この酸価の測定は、粘着層Bをクロロホルムに溶解させて行った。
<評価>
上記で得られた圧電体B及び5層積層体について、以下の評価を行った。
評価結果を下記表2に示す。
(密着性)
圧電体Bと粘着層Bとの剥離強度を以下の方法で測定することにより、圧電体Bと粘着層Bとの密着性を評価した。言うまでもないが、剥離強度が高い程、密着性に優れている(密着力が大きい)。
−剥離強度の測定方法−
圧電体Bから、延伸方向(MD方向)に150mm、延伸方向に直交する方向に25mmのサイズの試験片を2枚切り出した。
次に、上記「LUCIACS CS9661TS」を100mm×25mmのサイズにカットし、カットされた「LUCIACS CS9661TS」から両面(2枚)のPETフィルムを剥離除去し、粘着層Bの両面に、上記試験片(圧電体B)を貼り付けた。このとき、図1に示すように、2枚の圧電体B(図1中の圧電体11)及び1層の粘着層B(図1中の粘着層12)は、各々の長辺方向の一端が重なるようにし(図1)、かつ、各々の幅方向の両端が重なるようにして貼り合わせた。ここで、図1は、3層積層体を、長手方向及び厚さ方向に平行な面で切断したときの断面を概念的に示している。
以上により、圧電体B/粘着層B/圧電体Bの積層構造を有する積層体(以下、「3層積層体」ともいう)を得た。
次に、上記で得られた3層積層体における圧電体Bと粘着層BとのT形剥離強度を、引張試験機(AND社製、TENSILON RTG−1250)を用い、JIS K6854−3に準拠して測定した。
(信頼性試験前の重量平均分子量(Mw)及び圧電定数d14
上記5層積層体からPETフィルム2枚及び粘着層B2層を剥離することにより、積層体から圧電体Bを取り出した。
次いで、取り出された圧電体Bについて、上記と同様にして、重量平均分子量(Mw)及び圧電定数d14を測定した。
(信頼性試験後の重量平均分子量(Mw)及び圧電定数d14
上記5層積層体を高温高湿下で保管した(以下、「信頼性試験」とする)。
次いで、信頼性試験後の5層積層体からPETフィルム2枚及び粘着層B2層を剥離することにより、積層体から圧電体Bを取り出した。
次いで、取り出された圧電体Bについて、上記と同様にして、重量平均分子量(Mw)及び圧電定数d14を測定した。
なお、信頼性試験は、60℃95%RHで504時間の条件、及び、85℃85%RHで240時間の条件の2条件について行った。
〔比較例1〕
実施例1において、圧電体Bを圧電体Aに変更し、かつ、「LUCIACS CS9661TS」を、日東電工社製の光学用透明粘着シート「LUCIACS CS9621T」(厚さ50μmのPETフィルム/厚さ25μmのアクリル樹脂系粘着剤層(以下、「粘着層A」ともいう)/厚さ50μmのPETフィルムの三層構成の積層体)に変更したこと以外は実施例1と同様の評価を行った。上記粘着層Aの酸価を前述の方法によって測定したところ、表2に示す通りであった。
評価結果を下記表2に示す。
〔比較例2〕
比較例1において、圧電体Aを圧電体Bに変更したこと以外は比較例1と同様の評価を行った。
評価結果を下記表2に示す。
表2に示すように、粘着層の酸価が10mgKOH/g以下である実施例1では、信頼性試験後において、ポリ乳酸のMw変化率がある程度高く維持され、かつ、圧電体の高い圧電定数が維持されていた。更に、この実施例1では、圧電体と粘着層との密着性に優れていた。
一方、粘着層の酸価が10mgKOH/g超である比較例1及び2では、特に85℃85%RHで240時間の信頼性試験後においてMw変化率が大きく低下しており、ポリ乳酸が分解し、ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)が低下した。このため、圧電体が劣化して崩壊してしまい、圧電定数の測定を行うことができなかった。
〔実施例2〜5〕
実施例2〜5では、高分子圧電体として圧電体Aを準備し、さらに、以下に示す粘着シートをそれぞれ粘着層B〜Eとして実施例1と同様に5層積層体を作製した。粘着層B〜Eとして用いた粘着シートは以下の通りである。
粘着層B:日東電工社製光学用透明粘着シート「LUCIACS CS9661TS」
粘着層C:積水化学工業社製高透明両面テープ「5402A」
粘着層D:スリーエム社製高透明性接着剤転写テープ「8146−1」
粘着層E:東洋包材社製「OAD−CF」
(粘着層B〜Eの酸価及び全窒素量)
上記粘着層B〜Eの酸価及び全窒素量を測定したところ、表3に示す通りであった。なお、粘着層B〜Eの全窒素量は、パーキンエルマー社製CHN元素分析装置2400II型を用いて測定した。
さらに、前述の方法により、圧電体Aと粘着層B〜Eとの剥離強度をそれぞれ測定し、圧電体Aと粘着層B〜Eとの密着性を評価した。
また、信頼性試験前の重量平均分子量(Mw)及び圧電定数d14ならびに信頼性試験後の重量平均分子量(Mw)及び圧電定数d14を前述の方法により測定した。なお、信頼性試験は、85℃85%RHで120時間の条件で行った。
評価結果を下記表3に示す。
表3に示すように、粘着層中の全窒素量が増加することによって、剥離強度が向上して密着性が高くなり、かつ全窒素量が増加した場合であっても圧電体の高い圧電定数が維持されていることがわかった。
2013年9月2日に出願された日本国特許出願2013−181698の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
11 圧電体(高分子圧電体)
12 粘着層(層(X))

Claims (13)

  1. 重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有する脂肪族系ポリエステル(A)を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%である高分子圧電体と、
    前記高分子圧電体に接触し、10mgKOH/g以下の酸価を有する層(X)と、
    を備える、積層体。
  2. 前記層(X)が、易接着層、接着層、粘着層、ハードコート層、帯電防止層、アンチブロック層、又は屈折率調整層である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記層(X)が、粘着層又は接着層である、請求項1又は請求項2に記載の積層体。
  4. 前記層(X)の酸価が、0.01mgKOH/g以上である、請求項1請求項3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記層(X)中の全窒素量が、0.05質量%〜10質量%である、請求項1請求項4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記高分子圧電体が、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基を有する重量平均分子量が200〜60000の安定化剤(B)を、前記脂肪族系ポリエステル(A)100質量部に対して0.01質量部〜10質量部含む、請求項1請求項5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記安定化剤(B)が、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基を有する重量平均分子量が200〜900の安定化剤(B1)と、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基を1分子内に2以上有する重量平均分子量が1000〜60000の安定化剤(B2)と、を含む、請求項6に記載の積層体。
  8. 前記高分子圧電体は、可視光線に対する内部ヘイズが50%以下であり、且つ、25℃において応力−電荷法で測定した圧電定数d14が1pC/N以上である、請求項1請求項7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 前記高分子圧電体は、可視光線に対する内部ヘイズが13%以下であり、且つ、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群から選ばれる1種類以上の官能基を有する重量平均分子量が200〜60000の安定化剤(B)を、前記脂肪族系ポリエステル(A)100質量部に対して0.01質量部〜2.8質量部含む、請求項1請求項8のいずれか1項に記載の積層体。
  10. 前記高分子圧電体は、マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が25〜700である、請求項1請求項9のいずれか1項に記載の積層体。
  11. 前記脂肪族系ポリエステル(A)が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子である、請求項1請求項10のいずれか1項に記載の積層体。

  12. 前記脂肪族系ポリエステル(A)は、光学純度が95.00%ee以上である、請求項1請求項11のいずれか1項に記載の積層体。
  13. 前記高分子圧電体中における前記脂肪族系ポリエステル(A)の含有量が、80質量%以上である、請求項1請求項12のいずれか1項に記載の積層体。
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