JP2005197226A - 導電性ペーストおよび導電性シートならびにその製造方法 - Google Patents

導電性ペーストおよび導電性シートならびにその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005197226A
JP2005197226A JP2004342364A JP2004342364A JP2005197226A JP 2005197226 A JP2005197226 A JP 2005197226A JP 2004342364 A JP2004342364 A JP 2004342364A JP 2004342364 A JP2004342364 A JP 2004342364A JP 2005197226 A JP2005197226 A JP 2005197226A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
acid
paste
electroconductive
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004342364A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4800609B2 (ja
Inventor
Atsutoshi Takano
敦俊 高野
Hiroaki Watanabe
博明 渡邉
Yoshitaka Nagara
佳孝 長柄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Kasei Co Ltd
Unitika Ltd
Original Assignee
Fujikura Kasei Co Ltd
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Kasei Co Ltd, Unitika Ltd filed Critical Fujikura Kasei Co Ltd
Priority to JP2004342364A priority Critical patent/JP4800609B2/ja
Publication of JP2005197226A publication Critical patent/JP2005197226A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4800609B2 publication Critical patent/JP4800609B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

【課題】 導電性塗膜のレベリング性と耐折り曲げ性とが高い導電性ペーストを提供する。さらには、導電性シートおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の導電性ペーストは、導電性粉末と、酸価が0.3〜2.2mgKOH/gであるポリエステル樹脂とを含有する。本発明の導電性ペーストにおいて、前記ポリエステル樹脂は、多価アルコール成分と、下記式(1)で表される飽和脂肪族ジカルボン酸を含む多価塩基酸成分とから構成されていることが好ましい。HOOC−(CH−COOH(1)(ただし、nは8〜20の整数である。)本発明の導電性シートは、基材上に、上述した導電性ペーストから形成された導電性塗膜を有するものである。本発明の導電性シートの製造方法は、基材上に、上述した導電性ペーストを付与することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂基材、金属基材、ガラス基材上に塗布または印刷される導電性ペーストに関する。さらには、基材上に導電性塗膜が形成された導電性シートおよびその製造方法に関する。
樹脂基材上に回路が形成されたメンブレン回路は、可撓性を有し、軽量であることから、キーボードやスイッチなどに広く用いられている。このメンブレン回路を製造するには、例えば、樹脂シート上に導電性ペーストを印刷して回路を形成する方法が採用される。
メンブレン回路を作製する際に使用される導電性ペーストとしては、その塗膜の導電性、耐熱性、耐屈曲性が高いものが要求されている。このような要求を満たす導電性ペーストとして、導電性粉体と、特定の成分からなり特定の分子量であるポリエステル樹脂とを含有するものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−8441号公報
しかしながら、特許文献1に記載の導電性ペーストなどの従来品では、樹脂基材に塗布または印刷して形成された導電性塗膜のレベリング性が十分ではなかった。レベリング性が低いと、塗膜厚みが均一でなくなり、薄い部分が生じる。塗膜の厚みの薄い部分では抵抗が大きくなるので、それが原因となって塗膜の導電性が低下した。
また、図1に示すように、例えば、基材10上の導電性塗膜11上に絶縁層12を形成し、絶縁層12の上に導電層13を形成した場合には、導電性塗膜11表面の凸になった部分14が絶縁層12から突き出て導電層13に直接接触することがあった。したがって、意図しない箇所で導通して、正確な回路形成が困難になった。そこで、絶縁層を厚くして前記問題点を回避することが考えられるが、絶縁層を厚くしてしまうと回路を高密度に形成させることが困難になった。
また、このような問題は、樹脂基材を用いたメンブレン回路に限らず、基材として金属基材、ガラス基材を用いたものでも同様に生じた。
さらに、可撓性を有する基材上に導電性ペーストで回路を形成した場合には、それが装着される機器の製造時あるいは使用時に回路が折り曲げられることがある。そのため、耐折り曲げ性が低いと、回路が断線してしまうので、導電性塗膜としては耐折り曲げ性が高いものが要求されている。特に、近年では要求特性がより厳しくなっており、高湿度での耐折り曲げ性が高いことが求められている。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、導電性塗膜のレベリング性と耐折り曲げ性とが高い導電性ペーストを提供することを目的とする。さらには、導電性シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の導電性ペーストは、導電性粉末と、酸価が0.3〜2.2mgKOH/gであるポリエステル樹脂とを含有することを特徴とする。
本発明の導電性ペーストにおいては、前記ポリエステル樹脂が、多価アルコール成分と、下記式(1)で表される飽和脂肪族ジカルボン酸を含む多価塩基酸成分とから構成されていることが好ましい。
HOOC−(CH−COOH (1)
(nは8〜20の整数である。)
また、本発明の導電性ペーストは、前記ポリエステル樹脂と反応しうる硬化剤をさらに含有することが好ましい。
本発明の導電性シートは、基材上に、上述した導電性ペーストから形成された導電性塗膜を有するものである。
本発明の導電性シートにおいては、導電性塗膜は、JIS B0601に準拠して測定した算術平均表面粗さ(Ra)が1.0μm以下であることが好ましい。
本発明の導電性シートの製造方法は、基材上に、上述した導電性ペーストを付与することを特徴とする。
本発明の導電性シートの製造方法においては、導電性ペーストの付与方法が、スクリーン印刷であることが好ましい。
本発明の導電性ペーストでは、導電性塗膜のレベリング性が高くなり、抵抗が大きい薄い部分が少なくなるので、導電性塗膜の導電性を高くできる。また、導電性塗膜の上に絶縁層を形成し、絶縁層の上に導電層を形成した場合に、導電性ペーストの導電性塗膜と導電層とが直接接触することが防止されている。また、導電性塗膜の耐折り曲げ性が高い。
本発明の導電性シートは、導電性塗膜の導電性が高い上に、耐湿試験後の耐折り曲げ性に優れている。
本発明の導電性シートの製造方法によれば、導電性および耐折り曲げ性の高い導電性シートを製造することができ、特に導電性ペーストの付与にスクリーン印刷を適用すれば、基材上に精密な回路を形成できる。
本発明の導電性ペーストは、導電性粉末とポリエステル樹脂とを含有し、これらが溶媒中に混合されたものである。
この導電性ペーストに含まれる導電性粉末としては、金属やカーボンなどの粉末が挙げられるが、中でも、銀粉末が好ましい。また、粉末の形状としては、フレーク状(鱗片状)、樹枝状、球状、不定形のいずれであってもよいが、これら形状の中でも、導電性の点で、フレーク状のものが好ましい。
導電性粉末の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して150〜900質量部であることが好ましい。導電性粉末の配合量が150質量部未満であると、導電性ペーストから得られる導電性塗膜の導電性が不十分になることがあり、900質量部を超えると、導電性ペースト中の導電性粉末の分散性が低下して導電性塗膜のレベリング性が低下するおそれがある。
ポリエステル樹脂は、多価塩基酸成分と多価アルコール成分とから構成されている。多価塩基酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、オクタデカン二酸、アイコサン二酸、水添ダイマー酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ダイマー酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸の脂環族ジカルボン酸などを例示できる。これらは無水物であってもよい。
上記多価塩基酸成分の中でも、芳香族ジカルボン酸が好ましく、中でもテレフタル酸、イソフタル酸は、工業的に多量に生産されており安価である点で好ましい。また、芳香族ジカルボン酸と飽和脂肪族ジカルボン酸とを組み合わせて用いることがさらに好ましく、飽和脂肪族ジカルボン酸としては、耐折り曲げ性がより高くなることから、上記式(1)で表される飽和脂肪族ジカルボン酸を含むことが好ましい。具体的には、多価塩基酸成分として、セバシン酸、ドデカン二酸、オクタデカン二酸、アイコサン二酸を含むことが好ましく、長い直鎖構造を有するため、耐折り曲げ性が特に高くなることから、オクタデカン二酸、アイコサン二酸がより好ましい。
多価アルコール成分としては、炭素数2〜10の脂肪族グリコール、炭素数6〜12の脂環族グリコールもしくはエーテル結合含有グリコール等が好ましい。具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。
また、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのようなビスフェノール類のエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
上記多価アルコール成分の中でも、中でもエチレングリコール、ネオペンチルグリコールは、工業的に多量に生産されており安価であるので好ましい。
ポリエステル樹脂には、モノカルボン酸、モノアルコール、ヒドロキシカルボン酸が共重合されていてもよい。この共重合されてもよい成分としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリルアルコール、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸などが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂には、分子量を上げるため酸化防止剤などの各種添加剤が添加されていてもよい。
さらに、ポリエステル樹脂は、酸価が0.3〜2.2mgKOH/g、好ましくは0.5〜2.0mgKOH/gのものである。ポリエステル樹脂の酸価が0.3mgKOH/g未満では、導電性粉末の分散性が低下するので、導電性ペーストから得られる導電性塗膜のレベリング性が低下する。そして、レベリング性が低下すると、厚みの薄い部分が形成され、厚みが薄い部分での抵抗が大きくなるので、導電性塗膜の導電性が低下する。また、導電性塗膜の上に絶縁層を形成し、絶縁層の上に導電層を形成した場合に、導電性塗膜が絶縁層から突き出て導電層に直接接触することが防止されている。
一方、酸価が2.2mgKOH/gを超えると、導電性塗膜の耐湿試験後の耐折り曲げ性が低下し、繰り返し折り曲げた後の導電性が低下する。
ここで、酸価は以下のようにして測定された値である。すなわち、試料0.2gをジオキサンに溶解し、その溶液を0.01N水酸化カリウムメタノール溶液で滴定して求めた値である。滴定の指示薬としては、クレゾールレッド溶液を用いる。
このポリエステル樹脂は、数平均分子量が4000以上であることが好ましく、8000以上であることがより好ましく、12000以上であることがさらに好ましく、15000以上であることが最も好ましい。数平均分子量が4000未満であると、加工性が不足する傾向にある。なお、数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定できる。
ポリエステル樹脂の分子量分布の分散度は、8以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。ここで、分子量分布の分散度とは、GPCで測定した質量平均分子量を数平均分子量で除した値のことである。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−18〜85℃であることが好ましく、十分な屈曲性を得るためには、上限が15℃であることがさらに好ましい。
導電性ペーストには、導電性塗膜の機械的物性を高めることを目的として、上記ポリエステル樹脂と反応しうる硬化剤をさらに含有することが好ましい。硬化剤の配合量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましい。硬化剤の配合量が1質量部未満であると、硬化剤を配合する効果が発揮されず、20質量部を超えると、導電性塗膜の機械的物性をかえって損ねるおそれがある。
硬化剤としては、耐折り曲げ性をより高めることから、イソシアネート化合物が好ましい。イソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。また、これらの誘導体であってもよい。さらに、これらイソシアネート化合物はブロック化されたブロックドイソシアネートであることが好ましい。イソシアネート化合物がブロック化されていると、導電性ペーストの貯蔵安定性が高くなる。
上記成分を分散させる溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルや、これらのエステル化物等のグリコールエーテル誘導体が挙げられ、これらを1種単独で、または2種以上混合して使用できる。
この導電性ペーストは、導電性粉末と上記ポリエステル樹脂と必要に応じて硬化剤とを溶媒中に混合して製造される。この製造の際には、用途に応じた粘度になるように、各成分を混合する。
本発明の導電性シートは、基材上に、上述した導電性ペーストから形成された導電性塗膜を有するものである。
ここで、基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどのプラスチックからなる樹脂製シート、シリコン基板などの金属基板、ガラス基板などである。導電性シートがメンブレン回路である場合には、これらの中でも、ポリエステルからなるシートが、可撓性、電気的特性、機械的特性、コストなどの点で好ましい。
この導電性シートの導電性塗膜においては、JIS B0601に準拠して測定した算術平均表面粗さ(Ra)が1.0μm以下であることが好ましい。導電性塗膜の算術平均表面粗さ(Ra)が1.0μm以下であれば、導電性塗膜表面の凹凸が十分に小さくなっているので、導電性が十分高い。
また、この導電性シートは、基材上に上記導電性ペーストを付与することで製造される。導電性ペーストの付与方法としては、各種塗布方法または印刷方法を採用できるが、中でも、スクリーン印刷法が好ましい。導電性ペーストの付与方法がスクリーン印刷であれば、基材上に導電性塗膜からなる回路を精密に形成できる。
(製造例1)
テレフタル酸490g、イソフタル酸490g、オクタデカン二酸350g、ε−カプロラクトン342g、エチレングリコール335g、ネオペンチルグリコール531gからなる混合物を、攪拌しながらオートクレーブ中、240℃で3時間加熱してエステル化反応を行った。次いで、260℃に昇温し、触媒としてテトラブチルチタネート2.0gを投入し、オートクレーブ内の圧力を徐々に減少させて1.5時間後に13Paとして、重縮合反応を行った。4時間後、常圧に戻してイソフタル酸を添加し、260℃で攪拌した後、オートクレーブ内を窒素ガスで加圧状態にして内容物をシート状に抜き出してポリエステル樹脂(1)を得た。
(製造例2)
テレフタル酸498g、イソフタル酸498g、アイコサン二酸343g、ε−カプロラクトン342g、エチレングリコール335g、ネオペンチルグリコール531gからなる混合物を、攪拌しながらオートクレーブ中、240℃で3時間加熱してエステル化反応を行った。次いで、240℃のまま、触媒としてテトラブチルチタネート2.0gを投入し、オートクレーブ内の圧力を徐々に減少させて1.5時間後に13Paとして、重縮合反応を行った。4時間後、常圧に戻してイソフタル酸を添加し、260℃で攪拌した後、オートクレーブ内を窒素ガスで加圧状態にして内容物をシート状に抜き出してポリエステル樹脂(2)を得た。
(製造例3)
テレフタル酸449g、イソフタル酸449g、セバシン酸323g、ε−カプロラクトン342g、エチレングリコール335g、ネオペンチルグリコール531gからなる混合物を、攪拌しながらオートクレーブ中、240℃で3時間加熱してエステル化反応を行った。次いで、240℃のまま、触媒としてテトラブチルチタネート2.0gを投入し、オートクレーブ内の圧力を徐々に減少させて1.5時間後に13Paとして、重縮合反応を行った。4時間後、常圧に戻してイソフタル酸を添加し、260℃で攪拌した後、オートクレーブ内を窒素ガスで加圧状態にして内容物をシート状に抜き出してポリエステル樹脂(3)を得た。
ポリエステル樹脂(1)〜(3)において、後に添加するイソフタル酸の量を変えて酸価を調整した。イソフタル酸添加量は下記表2〜4に示す。
(実施例1〜10、比較例1〜5)
各種酸価のポリエステル樹脂と硬化剤であるブロックドイソシアネートと銀粉とを表1に記載の割合で配合し、三本ロールで混練した。そして、リオン社製粘度計VT−04(測定温度23℃、No.2ロータ使用)で測定した際の粘度が150dPa・s程度になるように、溶剤としてエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを添加して銀ペースト(導電性ペースト)を得た。
この銀ペーストを、東レ社製PETフィルム(ルミラーS、155℃で1時間アニールしたもの)に、シルクスクリーン印刷により、乾燥後の膜厚が8〜11μmになるように、線幅0.4mm、長さ50mmの導電性塗膜からなるパターンを5mm間隔で5本形成した。そして、箱型熱風乾燥機150℃で30分間乾燥させ、硬化して評価用メンブレン回路(導電性シート)を作製した。
Figure 2005197226
なお、ポリエステル樹脂は、濃度36質量%のエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート溶液として用いた。また、硬化剤であるブロックドイソシアネートとしては、旭化成株式会社製デュラネートTPA−B80E(ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体)を用いた。また、銀粉としては、粒径3〜10μmのフレーク銀粉を用いた。
Figure 2005197226
Figure 2005197226
Figure 2005197226
得られた評価用メンブレン回路を以下のようにして評価した。評価結果を表2〜4に示す。
<比抵抗>
4深針抵抗測定器によりシート抵抗膜厚を測定し、この値と膜厚とから比抵抗を算出した。
<鉛筆硬度>
銀ペーストで形成された導電性塗膜からなるパターンについて、JIS K5400に準拠して鉛筆硬度を測定した。
<耐折り曲げ性>
評価用メンブレン回路を温度65℃、湿度95%RHの環境下に1000時間放置した(耐湿試験)。その後、導電性塗膜からなるパターンが内側に位置するように折り曲げ、333g/cm(5kg/15cm)の荷重を5秒間かけ、次に、同じ場所でパターンが外側に位置するように折り曲げ、333g/cm(5kg/15cm)の荷重を5秒間かけた。これを1サイクルとして11回繰り返して抵抗値を測定した。そして、下記式により耐折り曲げ性を求めた。
(耐折り曲げ性)={(R−R)/R}×100(%)R:耐湿試験前の抵抗値R:11回折り曲げた後の抵抗値<表面粗さ>
測定装置として株式会社小阪研究所製SE3500を用い、JIS B0601に準拠して中心線平均粗さ(Ra75)を測定した。
表2〜4に示すように、酸価が0.3〜2.2mgKOH/gの範囲にあるポリエステル樹脂を配合した銀ペースト(実施例1〜10)は、折り曲げ性およびレベリング性がともに高く、導電性に優れていることが分かった。
これに対し、酸価が2.2mgKOH/gを超えるポリエステル樹脂を配合した銀ペースト(比較例2〜4)は、表面粗さの値は大きくないものの、測定できないほど耐折り曲げ性が低かった。
酸価が0.3mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を配合した銀ペースト(比較例1,5)は、表面粗さの値が大きく、銀粉の分散性が低かった。
本発明の導電性ペーストは、樹脂基材、金属基材、ガラス基材上に回路を形成する際に好適に使用される。
従来の導電性ペーストから形成された塗膜を示す図である。

Claims (7)

  1. 導電性粉末と、酸価が0.3〜2.2mgKOH/gであるポリエステル樹脂とを含有することを特徴とする導電性ペースト。
  2. 前記ポリエステル樹脂が、多価アルコール成分と、下記式(1)で表される飽和脂肪族ジカルボン酸を含む多価塩基酸成分とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の導電性ペースト。
    HOOC−(CH−COOH (1)
    (nは8〜20の整数である。)
  3. 前記ポリエステル樹脂と反応しうる硬化剤をさらに含有することを特徴とする請求項1または2に記載の導電性ペースト。
  4. 基材上に、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ペーストから形成された導電性塗膜を有することを特徴とする導電性シート。
  5. 導電性塗膜は、JIS B0601に準拠して測定した算術平均表面粗さ(Ra)が1.0μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の導電性シート。
  6. 基材上に、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ペーストを付与することを特徴とする導電性シートの製造方法。
  7. 導電性ペーストの付与方法が、スクリーン印刷であることを特徴とする請求項6に記載の導電性シートの製造方法。
JP2004342364A 2003-12-12 2004-11-26 導電性ペーストおよび導電性シートならびにその製造方法 Active JP4800609B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004342364A JP4800609B2 (ja) 2003-12-12 2004-11-26 導電性ペーストおよび導電性シートならびにその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003414907 2003-12-12
JP2003414907 2003-12-12
JP2004342364A JP4800609B2 (ja) 2003-12-12 2004-11-26 導電性ペーストおよび導電性シートならびにその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005197226A true JP2005197226A (ja) 2005-07-21
JP4800609B2 JP4800609B2 (ja) 2011-10-26

Family

ID=34829086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004342364A Active JP4800609B2 (ja) 2003-12-12 2004-11-26 導電性ペーストおよび導電性シートならびにその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4800609B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011515510A (ja) * 2008-02-26 2011-05-19 カンブリオス テクノロジーズ コーポレイション 導電性特徴をスクリーン印刷するための方法および組成物
JP2013131319A (ja) * 2011-12-20 2013-07-04 Konica Minolta Inc 透明導電膜及び有機エレクトロルミネッセンス素子並びに透明導電膜の製造方法
JP2015079656A (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 東洋紡株式会社 導電性ペースト及びこれを用いた印刷回路
JP2021170510A (ja) * 2020-04-17 2021-10-28 十条ケミカル株式会社 スクリーン印刷用導電性樹脂組成物、及びプリント配線板

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07254308A (ja) * 1994-03-16 1995-10-03 Alps Electric Co Ltd 導電性ペースト
JP2000260224A (ja) * 1999-03-10 2000-09-22 Toyobo Co Ltd 導電性ペースト
JP2002008441A (ja) * 2000-06-19 2002-01-11 Toyobo Co Ltd 導電性ペースト
JP2003203523A (ja) * 2002-01-08 2003-07-18 Fujikura Ltd 導電ペースト
JP2003272442A (ja) * 2002-03-19 2003-09-26 Toyobo Co Ltd 導電性ペースト及びこれを用いた印刷回路

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07254308A (ja) * 1994-03-16 1995-10-03 Alps Electric Co Ltd 導電性ペースト
JP2000260224A (ja) * 1999-03-10 2000-09-22 Toyobo Co Ltd 導電性ペースト
JP2002008441A (ja) * 2000-06-19 2002-01-11 Toyobo Co Ltd 導電性ペースト
JP2003203523A (ja) * 2002-01-08 2003-07-18 Fujikura Ltd 導電ペースト
JP2003272442A (ja) * 2002-03-19 2003-09-26 Toyobo Co Ltd 導電性ペースト及びこれを用いた印刷回路

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011515510A (ja) * 2008-02-26 2011-05-19 カンブリオス テクノロジーズ コーポレイション 導電性特徴をスクリーン印刷するための方法および組成物
JP2013131319A (ja) * 2011-12-20 2013-07-04 Konica Minolta Inc 透明導電膜及び有機エレクトロルミネッセンス素子並びに透明導電膜の製造方法
JP2015079656A (ja) * 2013-10-17 2015-04-23 東洋紡株式会社 導電性ペースト及びこれを用いた印刷回路
JP2021170510A (ja) * 2020-04-17 2021-10-28 十条ケミカル株式会社 スクリーン印刷用導電性樹脂組成物、及びプリント配線板
JP7409654B2 (ja) 2020-04-17 2024-01-09 十条ケミカル株式会社 スクリーン印刷用導電性樹脂組成物、及びプリント配線板

Also Published As

Publication number Publication date
JP4800609B2 (ja) 2011-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6363048B2 (ja) レーザーエッチング加工用導電性ペースト、導電性薄膜および導電性積層体
JP4968410B2 (ja) 導電性ペースト、導電性膜、タッチパネル、及び導電性薄膜の製造方法
JP3748095B2 (ja) 導電性ペースト
KR20100015580A (ko) 도전성 페이스트 및 이것을 이용한 인쇄 회로, 면상 발열체
KR101601996B1 (ko) 면상 발열체용 도전성 페이스트 및 이를 이용한 인쇄 회로, 면상 발열체
JP2008171828A (ja) 導電性ペースト及びこれを用いた印刷回路
JP6343903B2 (ja) 導電性ペースト及びこれを用いた印刷回路
JP4800609B2 (ja) 導電性ペーストおよび導電性シートならびにその製造方法
JPH01159905A (ja) 導電性ペースト
JP4158080B2 (ja) 導電性ペースト
JP4514390B2 (ja) 導電性ペースト及びこれを用いた印刷回路
JP4596107B2 (ja) 導電性ペーストおよび回路
JP2005259546A (ja) ロータリースクリーン印刷機用導電性ペースト及びそれを用いた導体回路
JP3790869B2 (ja) 金属めっき下地用導電性ペースト
JP2014080555A (ja) 熱硬化性組成物及び熱硬化性導電性ペースト
JP4815719B2 (ja) 導電ペーストおよびプリント配線板
JP2006252807A (ja) 導電性ペースト及びこれを用いた積層体
JP2005044771A (ja) 導電性ペースト
JP2006100081A (ja) 導電性ペースト
JP2006260818A (ja) 導電性ペースト及びこれを用いた印刷回路
JP7409654B2 (ja) スクリーン印刷用導電性樹脂組成物、及びプリント配線板
JP2002094201A (ja) 導電性ペースト
JP2008269876A (ja) 導電性ペースト及びこれを用いた印刷回路、面状発熱体
JP2005174797A (ja) ポリマー型導電性ペースト
JP2004111366A (ja) ポリマー型導電性ペースト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070829

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100223

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110712

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110804

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4800609

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250