JP4596107B2 - 導電性ペーストおよび回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は導電性ペーストに関するものであり、さらに詳しくは導電性ペーストをフィルムまたは基板上に塗布または印刷、硬化することにより導電性を与え、回路を形成したり、電子部品の端子やリード線の接着を行ったり、電子装置を電磁波障害(EMI)から保護することに利用する導電性ペーストに関わるものであり、特に耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性に優れ、高い導電性、耐屈曲性、ファインパターン印刷性の要求される回路用に適した導電ペーストに関する。
【0002】
【従来の技術】
PETフィルムなどに導電性ペーストを印刷したメンブレン回路は低コストで軽量であり、キーボードやスイッチなどに広く使用されている。しかしながら、年々要求特性は厳しくなってきており、従来以上の高度の耐屈曲性やコネクター使用時の耐挿抜性、耐ブロッキング性、よりファインパターンの印刷性などが要求されている。特に、コネクター装着時の耐挿抜性、耐ブロッキング性はコネクター端子のピッチがファインになるほど微少な圧着面積で強度を出す必要があり、その局部的な圧力は相当なものとなり、厳しい条件となる。現状では耐屈曲性をかなり犠牲にしても充分な耐コネクター性を有するものはない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
公知の導電性ペーストとしては、特開昭59−206459号公報がある。このものは、ポリブタジエン系樹脂とイソシアネート基をオキシム系化合物やカプロラクタムでブロック化したブロック化イソシアネート化合物を結合剤に使用したメンブレン回路用の銀ペーストであるが、比較的良好な耐屈曲性を有しているものの、耐屈曲性を出すためにかなり軟質の結合剤を使用しており、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性が不良である。
【0004】
また、特開平1−159906号公報ではフレーク状(りん片状)銀粉と共重合ポリエステル樹脂とブロック化イソシアネート化合物を結合剤に使用した耐屈曲性に優れた銀ペーストが知られている。充分硬化させると、良好な耐屈曲性が得られるが、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性は不良である。
【0005】
特開平9−306240号公報では特殊な形状の銀粉を高ガラス転移点温度の結合剤と組み合わせることにより、比較的耐屈曲性が良好で、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性もある程度改善されることが知られている。しかし、高ガラス転移点温度の結合剤を使うため、MIT耐屈曲試験では良好であるが、より厳しい360度屈曲試験では不充分である。また、結合剤に10℃以下の低ガラス転移点温度のポリエステル樹脂を用いた場合は、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性が不充分である。また、60℃以上の高ガラス転移点温度のポリエステルを用いた場合でも、近年の要求、すばわちファインピッチのコネクターに対しては不充分である。また、高ガラス転移点温度の塩ビ酢ビ共重合体をバインダーに用いた場合においても同様にファインピッチのコネクターに対して耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性は不充分である。
【0006】
特開平9−286968号公報ではポリアルキレングリコールやポリカプロラクトンを共重合したポリエステル樹脂を用いた蒸発乾燥タイプの導電性ペーストを提案しているが、これも比較的耐屈曲性は良好であるが、耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性は不良である。
【0007】
このように従来技術では、良好な耐屈曲性を付与したものは耐コネクター挿抜性および耐コネクターブロッキング性が不良であり、また、高ガラス転移点温度の結合剤を用いて比較的良好な耐コネクター性を付与したものでも、近年のファインピッチのコネクターにおいては、不充分であり強く改良が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解決するために、鋭意検討した結果、導電粉と結合剤として繊維素誘導体を含むことを特徴とする導電性ペーストは、端子部のピッチが300μm以下のファインピッチにおいても非常に優れた耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性が得られ、さらには優れた耐屈曲性、高導電性を両立できることを見いだし本発明に到達した。
すなわち本発明は、導電粉(A)、結合剤として平均重合度が100以上の繊維素誘導体(B)およびその他の有機樹脂(C)を含むことを特徴とする導電性ペーストである。
【0009】
本発明に使用する導電粉(A)は、銀粉単独または銀粉を60重量%以上、特には70重量%以上、さらには80重量%以上とするものであることが好ましい。銀粉の形状としては、公知のフレーク状(リン片状)、球状、樹枝状(デンドライト状)、特開平9−306240号公報に記載されている球状の1次粒子が3次元状に凝集した形状などがあるが、この内、導電性の面よりフレーク状銀粉、前述した球状の1次粒子が3次元状に凝集した形状の銀粉が好ましいが、分散性、コスト面より一般的なフレーク状銀粉が特に好ましい。
導電粉としては、銀粉の他にカーボンブラック、グラファイト粉などの炭素系のフィラー、金粉、白金粉、パラジウム粉などの貴金属粉、銅粉、ニッケル粉、アルミ粉、真鍮粉などの卑金属粉、銀などの貴金属でめっき、合金化した卑金属粉、シリカ、タルク、マイカ、硫酸バリウムなどの無機フィラー、などを銀粉に混合して使用できるが、導電性、耐湿性などの環境特性、コスト面より、カーボンブラック、グラファイト粉を全導電粉中に20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下で配合することが好ましい。
【0010】
本発明に使用する導電粉(A)の配合量は、(A)/結合剤比が60/40〜95/5(重量比)が好ましく、より好ましくは80/20〜90/10である。(A)が(A)/結合剤比において60/40未満では良好な導電性、耐屈曲性が得られないことがあり、95/5を越えると耐屈曲性、密着性、印刷性が低下することがあるので好ましくない。
【0011】
本発明に使用する結合剤は、繊維素誘導体(B)を含むことが必要である。これを含むことによりファインパターン時の耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性が大幅に向上する。
繊維素誘導体(B)としては、例えば、セルロースアセテートブチレート(CAB)、酢酸セルロース(CA)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、硝化綿(ニトロセルロース)などが挙げられる。この内、汎用有機溶剤に溶解性の良好なCAB、CA、CAP、硝化綿が好ましい。硝化綿はJIS K6703により工業用ニトロセルロースと呼ばれるもので、窒素分がおよそ10〜13%のものを用いることが好ましい。繊維素誘導体(B)の平均重合度は耐屈曲性の面から、50以上であることが好ましく、より好ましくは100以上であり、重合度が高い程良好な耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性が得られる。
【0012】
本発明に使用する結合剤は、繊維素誘導体(B)の他にその他の有機樹脂(C)を併用する必要がある。繊維素誘導体(B)単独では基材への密着性が不良となり、耐屈曲性も劣る。配合するその他の有機樹脂(C)はその種類に制限はないが、数平均分子量が3、000以上が好ましく、より好ましくは8、000以上である。数平均分子量が3、000未満であると良好な耐屈曲性が得にくく、また、ペースト粘度が低下して好ましくない。耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性は繊維素誘導体(B)により付与できるので、その他の樹脂のガラス転移点温度は25℃未満でも使用でき、良好な耐屈曲性と耐コネクター性が両立できる。その他の有機樹脂(C)のより好ましいガラス転移点温度は10〜−30℃である。
【0013】
その他の有機樹脂(C)の種類としては、共重合ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。このうちPETフィルムを基材として使用する場合は、耐屈曲性と基材に対する密着性の面から、共重合ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。また、硬化剤を配合して熱硬化型にすることが耐屈曲性、耐コネクターブロッキング性、挿抜性の面から特に好ましい。
繊維素誘導体(B)は微量の配合でも効果的であるが、好ましい配合量は、全結合剤の内少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも3重量%であり、多くとも30重量%、より好ましくは多くとも20重量%である。繊維素誘導体(B)が30重量%を越えると耐屈曲性、密着性が低下することがあるので好ましくない。
【0014】
その他の有機樹脂(C)としてポリウレタン樹脂を使用する場合は公知の方法により、ポリオールと必要に応じて鎖延長剤をイソシアネート化合物と反応させて合成したものを使用できる。
ポリウレタン樹脂に使用する分子量500以上のポリオールはポリエーテルポリオール、(メタ)アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンポリオールなどがあるが、接着性、耐屈曲性、耐久性より芳香族ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオールまたはポリエステルカーボネートジオールが特に好ましい。鎖延長剤として使用する分子量500未満のポリオールとしてはネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、HPN(ネオペンチルグリコールのヒドロキシピバリン酸エステル)、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの公知のポリオールが挙げられる。さらにジメチロールプロピオン酸のようなカルボキシル基含有ポリオールなども鎖延長剤として使用できる。
【0015】
ポリウレタン樹脂に使用するジイソシアネート化合物は、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。
その他の有機樹脂(C)としてのポリウレタン樹脂のウレタン基濃度は密着性、耐屈曲性の面から500〜4000当量/106gが好ましい。数平均分子量は耐屈曲性およびペースト粘性から8、000〜40、000が好ましい。
【0016】
その他の有機樹脂(C)として共重合ポリエステル樹脂を使用する場合は公知の方法により常圧または減圧下で重縮合して得られたものを使用できる。共重合ポリエステルは飽和ポリエステルが好ましい。また、ポリエステル樹脂を重合後、180〜230℃でε−カプロラクトンなどの環状エステルを後付加(開環付加)してブロック化したり、無水トリメリット酸、無水フタル酸などの酸無水物を後付加して酸価を付与してもよい。
ポリエステルに共重合するジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、炭素数12〜28の2塩基酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3ーシクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、2−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールA、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールS、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸、水素添加ナフタレンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられる。
また、発明の内容を損なわない範囲で、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多価のカルボン酸、フマール酸などの不飽和ジカルボン酸、さらに、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩などのスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を併用してもよい。
【0017】
その他の有機樹脂(C)として使用されるポリエステルに用いられるアルキレングリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、ダイマージオールなどが挙げられる。また、発明の内容を損なわない範囲でトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリグリセリンなどの多価ポリオールを併用してもよい。
このうち、耐久性の面より、酸成分は芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、炭素数10以上の脂肪族ジカルボン酸の組み合わせが好ましく、グリコール成分はネオペンチルグリコール、炭素数5〜10の長鎖脂肪族ジオールが特に好ましい。
【0018】
その他の有機樹脂(C)として使用される塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体は公知の市販品を使用することができる。ポリマー中の塩化ビニルの含有量は85〜95%のものが好ましい。また、塩化ビニル、酢酸ビニル以外のモノマーとして、マレイン酸、ビニルアルコールなどを少量共重合して極性基を導入してもよい。マレイン酸によりカルボキシル基を導入すると金属に対する密着性が向上し、ビニルアルコールにより水酸基を導入するとイソシアネート化合物を硬化剤として使用できる。
【0019】
その他の有機樹脂(C)として公知のエポキシ樹脂、フェノール樹脂を使用してもよい。耐屈曲性の面からこれらの樹脂は単独ではなく、前述したポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などと併用することが好ましい。エポキシ樹脂またはフェノール樹脂を適量配合することにより、密着性を向上することができる。
【0020】
本発明の結合剤には、繊維素誘導体(B)および/またはその他の有機樹脂(C)に反応し得る硬化剤を配合しても良い。硬化剤の種類は限定しないが接着性、耐屈曲性、硬化性などからイソシアネート化合物が特に好ましい。さらに、これらのイソシアネート化合物はブロック化して使用すことが貯蔵安定性から好ましい。イソシアネート化合物以外の硬化剤としては、メチル化メラミン、ブチル化メラミン、ベンゾグアナミン、尿素樹脂などのアミノ樹脂、酸無水物、イミダゾール類、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの公知の化合物が挙げられる。
【0021】
イソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよい。例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネート化合物の3量体、及びこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などと反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
【0022】
ブロックイソシアネート化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類,エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−ペンタノールなどの第三級アルコール類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、イミダゾール類、尿素類、ジアリール化合物類、重亜硫酸ソーダ等も挙げられる。このうち、硬化性よりオキシム類、イミダゾール類、アミン類がとくに好ましい。
【0023】
これらの架橋剤には、その種類に応じて選択された公知の触媒あるいは促進剤を併用することもできる。
【0024】
本発明に使用される溶剤はその種類に制限はなく、エステル系、ケトン系、エーテルエステル系、塩素系、アルコール系、エーテル系、炭化水素系などが挙げられる。このうち、スクリーン印刷する場合はエチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブアセテート、イソホロン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンなどの高沸点溶剤が好ましい。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて説明する。実施例中、単に部とあるものは重量部を示す。また、各測定項目は以下の方法に従った。
【0026】
1.還元粘度、ηsp/c(dl/g)
サンプル樹脂をフェノール/テトラクロロエタン(60/40重量比)混合
溶媒に0.400g/100mlの濃度で溶解し、オストワルト粘度計を用いて、
30℃で測定した。
【0027】
2.分子量
GPCによりポリスチレン換算の数平均分子量を測定した。
【0028】
3.ガラス転移点温度(Tg)
示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温速度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム押え蓋型容器に入れ、クリンプした。
【0029】
4.酸価
試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタレイン溶液を用いた。
【0030】
5.テストピースの作成
導電性ペーストを厚み100μmのアニール処理PETフィルムに乾燥後の膜厚が8〜10μmになるように線幅150μm、ピッチ300μm(線幅150μm、線間150μm)で長さ75mmのパターン(耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性、耐屈曲試験用)と25mm幅で長さ50mmのパターン(比抵抗測定用)をスクリーン印刷した。これを、コンベア式の遠赤外線オーブンを用い、基材フィルムの表面温度が150℃で3分の条件で乾燥したものをテストピースとした。
【0031】
6.比抵抗
5.で作成したテストピースを用い、膜厚と4深針抵抗測定器を用いてシート抵抗膜厚を測定し、これらより比抵抗を算出した。
【0032】
7.耐屈曲性
5.で作成したテストピースを加重50g/cm2、R=0の条件で同一箇所で360度屈曲を5回繰り返し導体の抵抗変化率で評価した。
耐屈曲性(%)={(R−R○)/R○}×100
ただし、R○=初期回路抵抗 R=屈曲試験後の抵抗値
【0033】
8.耐コネクター挿抜性
5で作成したテストピースの裏面に125μmの補強フィルムを粘着したものにファインピッチのコネクター(ピッチ300μm)を用いて10回挿抜を繰り返し、導電ペースト塗膜の剥がれの程度で評価した。
○:剥がれなし
△:わずかに剥離する
×:剥離する
【0034】
9.耐コネクターブロッキング性
5で作成したテストピースの裏面に125μmの補強フィルムを粘着したものにファインピッチのコネクター(ピッチ300μm)を装着し、60℃、95%RHの条件下で500時間放置し、コネクターから抜き取り導電ペースト塗膜の穴あきの程度で評価した。
○:穴あきなし
△:わずかに穴あきあり
×:穴あきあり
【0035】
合成例.1(ポリエステル樹脂I)
グビリュー精留塔を具備した四口フラスコにジメチルテレフタル酸101部、ジメチルイソフタル酸35部、エチレングリコール93部、ネオペンチルグリコール73部、テトラブチルチタネート0.068部を仕込み、180℃、3時間エスエル交換を行なった。ついで、セバシン酸61部を仕込み、さらにエステル化反応を行なった。次に、1mmHg以下まで徐々に減圧し、240℃、1時間重合した。得られた共重合ポリエステルの組成は、テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=52/18/30//55/45(モル比)で還元粘度0.64dl/g、数平均分子量22、000、酸価1.5mgKOH/g、Tg=7℃であった。
【0036】
合成例.2(ポリエステル樹脂II)
合成例.1と同様に合成した。 得られた共重合ポリエステルの組成は、テレフタル酸/イソフタル酸/アジピン酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール/1,4−ブタンジオール=33/27/40//30/36/46(モル比)で還元粘度0.57dl/g、数平均分子量20、000、酸価15mgKOH/g、Tg=−7℃であった。
【0037】
銀粉A−1の調整
濃度37%の硝酸銀水溶液275部と濃度18%の水酸化ナトリウム水溶液220部とを40〜50℃で攪拌下で反応させ、反応終了後に蒸留水70部を添加した。ついで、これに濃度23%のホルマリン水溶液60部を加え、30〜40℃で反応させた。反応終了後のpHは8であった。
得られた銀粉を濾過し、水洗、脱水を繰り返した後、メタノールで置換した上で濾過し、80℃で24時間減圧乾燥した。
得られた銀粉は図1に示す形状を有し、1次粒子の平均粒子径は走査型電子顕微鏡写真より0.5μmであり、2次粒子の平均粒子径は光散乱法により測定したところ11μm、比表面積1.62m2/gであった。
【0038】
銀粉A−2の調整
市販のフレーク状銀粉(福田金属箔粉工業(株)製)をそのまま用いた。光散乱法による平均粒子径は4.5μm、比表面積0.7m2/gであった。
【0039】
実施例.1
銀粉A−2、89部、ポリエステル樹脂(I)7.7固形部、セルロースアセテートブチレート樹脂CAB−381−20(イーストマンケミカルジャパン(株))0.8固形部、ブロックイソシアネート化合物C−1(ヘキサメチレンジイソシアネート、イソシアヌレートアダクトのメチルエチルケトオキシムブロック体、固形分80%)2.5固形部、レベリング剤0.5部、硬化触媒としてのジブチルチンジラウレート0.04部を配合し、充分プレミックスした後、チルド3本ロール混練り機で、3回通して分散した。各樹脂の溶解には酢酸ブチルカルビトールを用いた。得られた銀ペーストは比抵抗6.5×10-5Ω・cmと低抵抗であり、耐屈曲性は360度屈曲5回後の抵抗増加が+40%で非常に良好であった。ファインパターンの印刷性は太り幅25μmで良好であった。また、低Tgポリエステルを主バインダー樹脂に用いているにもかかわらず、CABを配合することにより、非常に優れたファインピッチの耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性が得られており、上記した耐屈曲性との両立が可能である。
【0040】
実施例.1と同様に実施例2〜5の導電性ペーストを作成、評価した。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004596107
【0042】
1)導電性カーボンブラック(ライオンアクゾ(株)製)
2)セルロースアセテートブチレート樹脂(イーストマンケミカルジャパン(株)製)
3)セルロースアセテートプロピオネート樹脂(イーストマンケミカルジャパン(株)製)
4)セルロースアセテート(イーストマンケミカルジャパン(株)製)
5)硝化綿(旭化成工業(株)製)
6)硝化綿(旭化成工業(株)製)
7)ビニルアルコールを共重合した塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイド(株)製)
8)ポリエステルウレタン樹脂(東洋紡績(株)製)の溶剤を酢酸エチルカルビトールに置換したもの
9)ブロックイソシアネート化合物(ヘキサメチレンジイソシアネート、イソシアヌレートアダクトのメチルエチルケトオキシムブロック体)
10)ブロックイソシアネート化合物(ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット3量体のメチルエチルケトオキシムブロック体)
【0043】
実施例.1と同様に比較例1〜5の導電性ペーストを作成評価した。結果を表2に示す。繊維素誘導体を配合しない場合は、とくに耐コネクターブロッキング性に劣ることが分かる。
【0044】
【表2】
Figure 0004596107
【0045】
1)ポリエステルウレタン樹脂(東洋紡績(株)製)の溶剤を酢酸エチルカルビトールに置換したもの
【0046】
【発明の効果】
本発明の導電性ペーストは、結合剤として繊維素誘導体を含むことにより、高度の耐屈曲性とファインピッチの耐コネクター挿抜性、耐コネクターブロッキング性を両立でき、従来技術の問題点を克服することができる。このことにより、より製品の高密度化、小型化が可能となり、また不良率の低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願実施例で用いた銀粉A−1の走査型原子顕微鏡写真である。

Claims (5)

  1. 導電粉(A)、結合剤として繊維素誘導体(B)その他の有機樹脂(C)、および、前記繊維素誘導体(B)および前記その他の有機樹脂(C)に反応し得る硬化剤(D)を含むことを特徴とする導電性ペースト。
  2. 前記硬化剤(D)がイソシアネート化合物である請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 前記その他の有機樹脂(C)がポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、塩化ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種類を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の導電性ペースト。
  4. 前記繊維素誘導体(B)がセルロースアセテートブチレート、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネートおよび硝化綿から選ばれる少なくとも1種類である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ペースト。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペーストをフィルムまたは基板上に塗布または印刷して得た回路。
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