JP2006252807A - 導電性ペースト及びこれを用いた積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ホワイトPETなどの耐熱性の低い基材に導電性ペーストを印刷、塗布する場合において、100以下の低温乾燥条件においても良好な導電性、耐屈曲性、耐コネクター挿抜性および鉛筆硬度を有する導電性ペーストを提供する。
【解決手段】 フレーク状銀粉、還元粘度が0.5dl/g以上でガラス転移点温度が0〜40℃のポリエステル樹脂および/または変性ポリエステル樹脂、レベリング剤および/または泡消剤を含むことを特徴とする導電性ペーストは、これらの課題を解決できる。
【選択図】 なし
【解決手段】 フレーク状銀粉、還元粘度が0.5dl/g以上でガラス転移点温度が0〜40℃のポリエステル樹脂および/または変性ポリエステル樹脂、レベリング剤および/または泡消剤を含むことを特徴とする導電性ペーストは、これらの課題を解決できる。
【選択図】 なし
Description
本発明は導電性ペーストに関するものであり、さらに詳しくは導電性ペーストを耐熱性の低いホワイトPETフィルムまたはプラスチック合成紙に塗布または印刷、乾燥または硬化することにより導電性を与え、回路を形成したり、電子部品の端子やリード線の接着を行ったり、電子装置を電磁波障害(EMI)から保護することに利用する導電性ペーストに関わるものであり、特に低温乾燥または低温硬化条件において、高い導電性と耐屈曲性の要求される回路用またはEMIシールド用に適した導電ペーストに関する。
PETフィルムなどに導電性ペーストを印刷したメンブレン回路は低コストで軽量であり、キーボードやスイッチなどに広く使用されている。これらの内、LEDや発光ダイオードを搭載した医療用機器などのスイッチ、携帯電話、マウスなどには基材として、光が散乱しないホワイトPETや各種プラスチック合成紙が使用される。しかしながら、これらの基材は耐熱性が低いため、導電性ペーストの乾燥または硬化条件は100℃以下の低温にする必要があるが、これらの用途は高度の耐屈曲性が要求されるため、従来技術の導電性ペーストでは、低温乾燥または硬化では充分な耐屈曲性を初めとする塗膜物性が得られない。さらには、近年、一層のファインパターン印刷性が要望され、改良が要望されている。
例えば特許文献1ではフレーク状の銀粉とポリエステル系樹脂とブロック化イソシアネート化合物を結合剤に使用したメンブレン回路用の銀ペーストについて記載されている。しかしながらこの導電性は比較的良好であるが、硬化剤のブロック剤を解離する必要があり、最低でも130℃以上の硬化温度が必要である。本発明の用途における硬化条件の100℃未満では、耐屈曲性はもとより、鉛筆硬度、耐コネクター抜差性などにおいて性能がでない問題がある。また、特許文献2では導電粉として3次元高次構造の銀粉を使用したメンブレン回路用の銀ペーストが提案されているが、ファインパターン印刷性、耐屈曲性、導電性共には現代の要求には不足している。
本発明の課題は、これら従来の導電性ペーストが抱えている100以下の低温乾燥条件においても良好な導電性、耐屈曲性および鉛筆硬度を有する導電性ペーストを提供することである。
以上のような問題を解決するために、鋭意検討した結果、フレーク状銀粉、還元粘度が0.5dl/g以上でガラス転移点温度が0〜40℃のポリエステル樹脂および/または変性ポリエステル樹脂、レベリング剤および/または泡消剤を含むことを特徴とする導電性ペーストは、100℃以下の低温で乾燥または硬化する必要のあるホワイトPETフィルムまたはプラスチック合成紙を基材とする回路形成において、良好な印刷性を有し、良好な導電性と優れた耐屈曲性、耐コネクター挿抜性を有することを見いだし、本発明に到達した。
さらには、フレーク片状銀粉のレーザー光散乱法による平均粒子径(50D)が、0.1〜5μmとすることにより、密着性が向上し、100℃以下の低温乾燥または硬化条件においても、塗膜表層の銀粉の粉落ちを防ぐことができ、さらには、耐屈曲性を向上できる。さらに、バインダー樹脂としてハロゲン元素含有有機樹脂を併用することにより、低温乾燥または硬化条件においても、より良好な導電性、耐コネクター挿抜性を発現できる。
本発明の導電性ペーストにより、100℃以下の低温で乾燥または硬化しても良好な導電性と耐屈曲性が得られるため、基材として耐熱性の低いホワイトPETフィルムや各種プラスチック合成紙を使用することが可能となる。
本発明で用いる銀粉はその形状がフレーク状である必要がある。ここで言うフレーク状とは、レーザー光散乱法により測定した50%平均粒子径を後述する電子顕微鏡で測定した平均厚さで徐した値(アスペクト比)が2以上のものを示す。より具体的には、50%平均粒子径は銀粉をミクロスパテラで1〜2杯、100mlトールビーカーに採り、イソプロピルアルコールを60ml入れ、超音波ホモジナイザーで1分間分散し、粒度分布計(マイクロトラックFRA型(日機装(株))で測定することができる。測定時間は、30秒で2回測定して、50%の累積径の平均値を平均粒径とする。測定条件は、粒子の光透過性(T、P);YES、粒子の形状(S、P);NO、粒子屈折率(Pri);2.25、分散媒屈折率(Cri);1.37とする。平均厚さは、具体的には次の方法で測定できる。銀粉2gを水溶性エポキシ樹脂(Quetol651(日新EM(株)製))10ccとよく混合し、60℃の恒温槽中で1時間30分静置後、注射器(ニプロシリンジ1ml(ニプロ(株)製))でサンプルを吸い出し、注射器に入れたまま60℃の恒温槽中に8時間置く。硬化した樹脂を、注射器より取り出し、ミクロトームで面出し加工を行い、カーボン蒸着後、電解放射型走査型電子顕微鏡(日立(株)製S4500型)で5000倍又は10000倍の倍率で写真を撮影し、銀粉の厚みを測定する。測定個数50個の平均値で表す。
本発明において用いられる銀粉(A)は、フレーク状であることにより、低温乾燥または硬化においても、良好な導電性が得られる。さらに、平均粒子径が0.1以上、5μm未満であることが好ましい。平均粒子径がこの範囲であると、より耐屈曲性が向上する。
0.1μm未満では導電性が低下し、5μm超では耐屈曲性が低下する可能性がある。
0.1μm未満では導電性が低下し、5μm超では耐屈曲性が低下する可能性がある。
本発明に使用するその他の導電粉としては、特性を低下しない範囲で球状銀粉、3次元高次構造の銀粉、樹枝状銀粉、グラファイト粉、カーボン粉、ニッケル粉、銅粉、金粉、パラジウム粉、アルミ粉、インジウム粉などを併用しても良いが、フレーク状銀粉(A)を少なくとも全導電粉量の70重量%以上、より好ましくは80重量%以上含むことが好ましい。その他の導電粉の内、好ましいものとしては、グラファイト粉、導電性カーボンブラックが挙げられる。特に、導電性カーボンブラックを少量併用することが、導電性、コスト面より好ましい。この他、ペースト粘性を調整する目的などでシリカ粉、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、タルク、硫酸バリウムなどの非導電性フィラーを少量配合しても良い。
本発明の導電性ペーストは、フレーク状銀粉(A)とバインダー樹脂として還元粘度が0.5dl/g以上でガラス転移点温度が0〜40℃のポリエステル樹脂および/または変性ポリエステル樹脂(B)、と組み合わせて使用することにより、硬化剤を配合することなく良好な耐屈曲性が得られるため、100℃以下の乾燥条件で使用可能となる。
さらにバインダー樹脂として、ハロゲン元素含有有機樹脂(D)を併用することにより、より導電性を向上できる。ハロゲン元素含有有機樹脂(D)としては、汎用の有機溶剤に溶解するものが好ましく、塩化ビニル=酢酸ビニル共重合体、ブロム化エポキシ樹脂、塩素化ポリプロピレン、変性ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられるが、PETフィルムなどの基材への密着性、耐屈曲性の面より、塩化ビニル=酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。
さらには、塩化ビニル=酢酸ビニル共重合体において、溶解性と塗膜物性よりポリマー中の塩化ビニルの含有量は85〜95%のものが好ましい。また、塩化ビニル、酢酸ビニル以外のモノマーとして、マレイン酸、ビニルアルコールなどを少量共重合して極性基を導入してもよい。マレイン酸によりカルボキシル基を導入すると金属に対する密着性が向上し、ビニルアルコールにより水酸基を導入するとイソシアネート化合物を硬化剤として使用できる。さらに、基材への密着性、分散性などの面より、アミノ基、スルホン酸金属塩基、リン酸塩基などの極性基を含むことも好ましい。
ハロゲン元素含有有機樹脂(D)は耐屈曲性の面から数平均分子量3000以上が好ましく、より好ましくは8000以上である。数平均分子量が3000未満であると良好な耐屈曲性が得にくく、また、ペースト粘度が低下し、印刷性の低下する虞がある。上限はペースト粘度等作業性を考慮すると60000未満が好ましい。
また、ハロゲン元素含有有機樹脂(D)の他に、別の有機樹脂を併用することができる。その他の有機樹脂としては、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリアミドイミド、ニトロセルロース、セルロース・アセテート・ブチレート(CAB)、セルロース・アセテート・プロピオネート(CAP)などの変性セルロース類などが挙げられる。
本発明に使用するポリエステル樹脂および/または変性ポリエステル樹脂(B)は、還元粘度が0.5dl/g以上であり、より好ましくは0.8dl/g以上、さらに好ましくは1.0dl/g以上である。上限はとくに限定するものではないが、2.0dl/g以下が好ましい。還元粘度が0.5dl/g以上とすることにより、硬化剤なしでも良好な耐屈曲性、耐コネクター挿抜性が得られる。0.5dl/g未満では、良好な耐屈曲性、耐コネクター挿抜性が得られないことがある。さらに、ガラス転移点温度は、0℃以上40℃以下であり、好ましくは10℃以上、30℃以下である。ガラス転移点温度が0℃未満では、鉛筆硬度が低下し、40℃超では、耐屈曲性が低下する傾向にある。本発明のポリエステル樹脂(B)は公知の方法により常圧または減圧下で重縮合して得られたものを使用できる。ポリエステル樹脂は飽和ポリエステルが好ましい。また、ポリエステル樹脂を重合後、180〜230℃でε−カプロラクトンなどの環状エステルを後付加(開環付加)したり、ポリアルキレングリコールを共重合してブロック化することが耐屈曲性の面より好ましい。また、無水トリメリット酸、無水フタル酸などの酸無水物を後付加してカルボキシル基をポリエステル分子末端に導入してもよい。
本発明に用いられる樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)に共重合するジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、炭素数12〜28の二塩基酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、2−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールA、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールS、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸、水素添加ナフタレンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられる。また、発明の内容を損なわない範囲で、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多価のカルボン酸、フマール酸などの不飽和ジカルボン酸、さらに、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩などのスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を併用してもよい。具体的には、全ジカルボン酸量を100モル%としたとき、芳香族ジカルボン酸及び/または脂環族ジカルボン酸を50モル%以上共重合されたものが、硬度、密着性などの塗膜物性および耐湿性の点より好ましい。またより好ましくは60モル%以上である。
本発明のポリエステル樹脂及び変性ポリエステル樹脂(B)に使用されるグリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、ダイマージオールなどが挙げられる。また、発明の内容を損なわない範囲でトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリグリセリンなどの多価ポリオールを併用してもよい。これらのうち、耐湿性の面より、全グリコール成分量100モル%としたとき、ネオペンチルグリコール、脂環族グリコール、主鎖の炭素数5〜10の脂肪族ジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を20モル%以上共重合されたものが耐加水分解性の点より好ましい。またより好ましくは30モル%以上、最も好ましくは40モル%以上である。ここで言う主鎖の炭素数5〜10のグリコールとしては具体的には、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどが挙げられる。脂環族グリコールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
また、本発明の導電ペーストに使用するポリエステル樹脂はウレタン変性、エポキシ変性、(メタ)アクリレート変性、(メタ)アクリルグラフト変性など公知の方法により変性して使用できる。このうち、耐屈曲性、密着性の面よりウレタン変性が特に好ましい。ウレタン変性樹脂は公知の方法により、ポリエステルポリオールと必要に応じて鎖延長剤を用いてイソシアネート化合物と反応させて合成したものを使用できる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂に使用するポリオールには前述したポリエステルポリオールを使用するが、この他にポリエーテルポリオール、(メタ)アクリルポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンポリオール、その他のポリオールを併用してもよい。その他のポリオールとしては、接着性、耐屈曲性、耐久性よりポリカーボネートジオールが特に好ましい。鎖延長剤として使用するポリオールとしてはネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、HPN(ネオペンチルグリコールのヒドロキシピバリン酸エステル)、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの公知のポリオールが挙げられる。さらにジメチロールプロピオン酸のようなカルボキシル基含有ポリオールなども鎖延長剤として使用できる。
ウレタン変性に使用するジイソシアネート化合物は、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。
変性ポリエステル樹脂(B)としてのポリエステルウレタン樹脂のウレタン基濃度の下限は、密着性、耐屈曲性の面から500当量/106g以上が好ましく、上限は溶解性の面から4000当量/106g以下が好ましい。
本発明に使用するハロゲン元素含有有機樹脂(D)、ポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(C)は硬化剤を配合して使用しても良い。これらの樹脂に反応し得る硬化剤は、種類は限定しないが接着性、耐屈曲性、硬化性などからイソシアネート化合物が特に好ましい。さらに、これらのイソシアネート化合物はブロック化して使用することが貯蔵安定性から好ましい。イソシアネート化合物以外の硬化剤としては、メチル化メラミン、ブチル化メラミン、ベンゾグアナミン、尿素樹脂などのアミノ樹脂、酸無水物、イミダゾール類、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの公知の化合物が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートがあり、低分子化合物、高分子化合物のいずれでもよい。例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートあるいはこれらのイソシアネート化合物の3量体、及びこれらのイソシアネート化合物の過剰量と、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子活性水素化合物または各種ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリアミド類の高分子活性水素化合物などと反応させて得られる末端イソシアネート基含有化合物が挙げられる。
イソシアネート基のブロック化剤としては、例えばフェノール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、ニトロフェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類,エチレンクロルヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどのハロゲン置換アルコール類、t−ブタノール、t−ペンタノールなどの第三級アルコール類、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピロラクタムなどのラクタム類が挙げられ、その他にも芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エチルエステルなどの活性メチレン化合物、メルカプタン類、イミン類、イミダゾール類、尿素類、ジアリール化合物類、重亜硫酸ソーダ等も挙げられる。このうち、硬化性よりオキシム類、イミダゾール類、アミン類がとくに好ましい。
これらの架橋剤には、その種類に応じて選択された公知の触媒あるいは促進剤を併用することもできる。
本発明の導電性ペーストには、レベリング剤および/または泡消剤(C)を配合することが必要である。これらを配合することにより、ホワイトPETフィルムなど本発明に使用する基材に対して良好な印刷性が得られると共に、導電性フィラーのバインダー樹脂への濡れ性が向上するため、低温乾燥または硬化条件においても良好な導電性が得られる。
レベリング剤および/または泡消剤(C)としては、アクリル系樹脂オリゴマー、シリコーン系樹脂、シリコーンオイル、高沸点溶剤、ポリアミド系オリゴマーなどが挙げられる。この内、アクリル系オリゴマーが、本発明の導電性ペーストと組み合わせて使用される絶縁コート剤との層間密着性の面およびハジキなどを発生しない良好な印刷性が得られることより、最も好ましい。
本発明の導電性ペーストに用いるに溶剤はその種類に制限はなく、エステル系、ケトン系、エーテルエステル系、塩素系、アルコール系、エーテル系、炭化水素系などが挙げられる。このうち、スクリーン印刷する場合はエチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブアセテート、イソホロン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンなどの高沸点溶剤が好ましい。
本発明の導電性ペーストを印刷または塗布する際に使用する基材は、酸化チタンをポリエチレンテレフタレート系のホモPETまたは共重合PETに溶融混練して作製されるホワイトPET、ポリプロピレン系合成紙であるユポ(ユポ・コーポレーション製)、ポリエステル系合成紙であるクリスパー(東洋紡績(株)製)に代表されるプラスチック合成紙などが用いられる。
本発明の導電性ペーストはスクリーン印刷、タンポ印刷、グラビア印刷、転写印刷、ロールコート、フローコート、ディスペンサー、スプレー塗装等公知の方法で、ホワイトPETフィルム、各種プラスチック合成紙に印刷して、LEDや発光ダイオードを搭載した医療用機器などのスイッチ、携帯電話、マウスなどの回路、EMIシールド用などに使用できる。また、導電性接着剤としても使用できる。
本発明の導電性ペーストは100℃以下の温度で乾燥および/または硬化することが出来る。熱風乾燥であれば5分程度、遠赤外線炉であれば2〜3分程度で乾燥および/または硬化が可能である。
以下、本発明を実施例により説明する。実施例中、単に部とあるものは重量部を示す。また、各測定項目は以下の方法に従った。
1.還元粘度
測定用サンプル0.1gをフェノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)混合溶媒25mlに溶解し、ウベローデ粘度管を用いて30℃にて測定した。単位をdl/gで示す。
測定用サンプル0.1gをフェノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)混合溶媒25mlに溶解し、ウベローデ粘度管を用いて30℃にて測定した。単位をdl/gで示す。
2.ガラス転移点温度(Tg)
サンプル5mgをアルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、200℃まで、昇温速度20℃/分にて測定し、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と遷移部における最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
サンプル5mgをアルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、200℃まで、昇温速度20℃/分にて測定し、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と遷移部における最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
3.酸価
試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタレイン溶液を用いた。
試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタレイン溶液を用いた。
4.比表面積
銀粉15gをサンプル管に採り、60±5℃、60±5分の条件で前処理をし、比表面積自動測定装置(マイクロネリティクス2300津島製作所;BET法装置N2ガス吸着1点法)にて総表面積を測定した。総表面積をサンプル量で除いて1g当たりの比表面積を算出した。
銀粉15gをサンプル管に採り、60±5℃、60±5分の条件で前処理をし、比表面積自動測定装置(マイクロネリティクス2300津島製作所;BET法装置N2ガス吸着1点法)にて総表面積を測定した。総表面積をサンプル量で除いて1g当たりの比表面積を算出した。
5.タップ密度
銀粉100gをはかり、ロートで100ccメスシリンダーに静かに落した。タップ密度測定機にのせ、落差距離20mm・60回/分の速さで600回落下させ、圧縮した銀粉の容積を測定し、銀粉の重量と容積より算出した。
銀粉100gをはかり、ロートで100ccメスシリンダーに静かに落した。タップ密度測定機にのせ、落差距離20mm・60回/分の速さで600回落下させ、圧縮した銀粉の容積を測定し、銀粉の重量と容積より算出した。
6.レーザー光散乱法による平均粒子径(50%D)の測定
銀粉をミクロスパテラで1〜2杯、100mlトールビーカーに採り、イソプロピルアルコールを約60ml入れ、超音波ホモジナイザーで1分間分散し、粒度分布計(マイクロトラックFRA型(日機装(株))で測定した。測定時間は、30秒で2回測定して、50%の累積径の平均値を平均粒径とした。測定条件は、
粒子の光透過性(T、P);YES
粒子の形状 (S、P);NO
粒子屈折率 (Pri);2.25
分散媒屈折率 (Cri);1.37
とした。
銀粉をミクロスパテラで1〜2杯、100mlトールビーカーに採り、イソプロピルアルコールを約60ml入れ、超音波ホモジナイザーで1分間分散し、粒度分布計(マイクロトラックFRA型(日機装(株))で測定した。測定時間は、30秒で2回測定して、50%の累積径の平均値を平均粒径とした。測定条件は、
粒子の光透過性(T、P);YES
粒子の形状 (S、P);NO
粒子屈折率 (Pri);2.25
分散媒屈折率 (Cri);1.37
とした。
7.フレーク状銀粉の平均厚さの測定
銀粉2gを水溶性エポキシ樹脂(Quetol651(日新EM(株)製))10ccとよく混合し、60℃の恒温槽中で1時間30分静置後、注射器(ニプロシリンジ1ml(ニプロ(株)製))でサンプルを吸い出し、注射器に入れたまま60℃の恒温槽中に8時間置いた。硬化した樹脂を、注射器より取り出し、ミクロトームで面出し加工を行い、カーボン蒸着後、電解放射型走査型電子顕微鏡(日立(株)製S4500型)で5000倍又は10000倍の倍率で写真を撮影し、銀粉の厚みを測定した。測定個数50個の平均値で表した。
銀粉2gを水溶性エポキシ樹脂(Quetol651(日新EM(株)製))10ccとよく混合し、60℃の恒温槽中で1時間30分静置後、注射器(ニプロシリンジ1ml(ニプロ(株)製))でサンプルを吸い出し、注射器に入れたまま60℃の恒温槽中に8時間置いた。硬化した樹脂を、注射器より取り出し、ミクロトームで面出し加工を行い、カーボン蒸着後、電解放射型走査型電子顕微鏡(日立(株)製S4500型)で5000倍又は10000倍の倍率で写真を撮影し、銀粉の厚みを測定した。測定個数50個の平均値で表した。
8.比抵抗
80℃で30分間加熱乾燥(加熱硬化)した導電性ペーストのシート抵抗を、4深針抵抗測定器を用いて測定し、シート抵抗と膜厚より比抵抗を算出した。基材は、厚み50μmのホワイトPETフィルムを使用した。
80℃で30分間加熱乾燥(加熱硬化)した導電性ペーストのシート抵抗を、4深針抵抗測定器を用いて測定し、シート抵抗と膜厚より比抵抗を算出した。基材は、厚み50μmのホワイトPETフィルムを使用した。
9.密着性
8.で作成したテストピースを用いて、JIS K5400 6−15に準じて評価した。粘着テープは、セロハンテープCT−12(ニチバン(株)製)を用いた。
8.で作成したテストピースを用いて、JIS K5400 6−15に準じて評価した。粘着テープは、セロハンテープCT−12(ニチバン(株)製)を用いた。
10.耐屈曲性
厚み50μmのホワイトPETフィルム上に導電性銀ペーストを線幅0.5mm、長さ75mmのパターンをスクリーン印刷し80℃で30分加熱乾燥(加熱硬化)したものを試料とし、荷重50g/cm2、R=0の条件で同一箇所で360°屈曲をくり返し、導体の抵抗値がKΩオーダーに達するまでの回数で評価した。また、印刷パターンの乾燥膜厚は6〜8μmで評価した。
厚み50μmのホワイトPETフィルム上に導電性銀ペーストを線幅0.5mm、長さ75mmのパターンをスクリーン印刷し80℃で30分加熱乾燥(加熱硬化)したものを試料とし、荷重50g/cm2、R=0の条件で同一箇所で360°屈曲をくり返し、導体の抵抗値がKΩオーダーに達するまでの回数で評価した。また、印刷パターンの乾燥膜厚は6〜8μmで評価した。
11.耐コネクター挿抜性
10と同様に作成したテストピースの裏面に125μmの補強フィルムを粘着したものにコネクターを10回挿抜を繰り返し、導電ペースト塗膜の剥がれの程度で評価した。
○:剥がれなし
△:わずかに剥離する
×:剥離する
10と同様に作成したテストピースの裏面に125μmの補強フィルムを粘着したものにコネクターを10回挿抜を繰り返し、導電ペースト塗膜の剥がれの程度で評価した。
○:剥がれなし
△:わずかに剥離する
×:剥離する
合成例1(ポリエステル樹脂I)
グビリュー精留塔を具備した四口フラスコにジメチルテレフタル酸101部、ジメチルイソフタル酸35部、エチレングリコール93部、ネオペンチルグリコール73部、テトラブチルチタネート0.068部を仕込み、180℃、3時間エスエル交換を行なった。ついで、セバシン酸61部を仕込み、さらにエステル化反応を行なった。次に、1mmHg以下まで徐々に減圧し、240℃、1.5時間重合した。得られた共重合ポリエステルの組成は、テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=52/18/30//55/45(モル比)、還元粘度0.90dl/g、酸価1.5mgKOH/g、Tg9℃であった。結果を表1に示す。
グビリュー精留塔を具備した四口フラスコにジメチルテレフタル酸101部、ジメチルイソフタル酸35部、エチレングリコール93部、ネオペンチルグリコール73部、テトラブチルチタネート0.068部を仕込み、180℃、3時間エスエル交換を行なった。ついで、セバシン酸61部を仕込み、さらにエステル化反応を行なった。次に、1mmHg以下まで徐々に減圧し、240℃、1.5時間重合した。得られた共重合ポリエステルの組成は、テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=52/18/30//55/45(モル比)、還元粘度0.90dl/g、酸価1.5mgKOH/g、Tg9℃であった。結果を表1に示す。
合成例2〜5(ポリエステル樹脂II〜V)
合成例1と同様に合成した。結果を表1、2に示す。還元粘度の低いポリエステル樹脂IVは、ウレタン変性用のベース樹脂である。
合成例1と同様に合成した。結果を表1、2に示す。還元粘度の低いポリエステル樹脂IVは、ウレタン変性用のベース樹脂である。
合成例6(ポリエステル樹脂VI)
グビリュー精留塔を具備した四口フラスコにジメチルテレフタル酸97部、ジメチルイソフタル酸97部、エチレングリコール71部、ネオペンチルグリコール89部、テトラブチルチタネート0.1部を仕込み、180℃、3時間エスエル交換を行なった。次に、1mmHg以下まで徐々に減圧し、240℃、1.0時間重合した。ついで、窒素気流中で210℃に冷却し、ε−カプロラクトン34部を仕込み、30分付加反応させた。得られた共重合ポリエステルVIの組成は、テレフタル酸/イソフタル酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール//ポリε−カプロラクトン=50/50//45/55//30(モル比)、ポリε−カプロラクトンのポリマー中の含有量は14重量%で、還元粘度1.20dl/g、酸価2.0mgKOH/g、Tg26℃であった。結果を表2に示す。
グビリュー精留塔を具備した四口フラスコにジメチルテレフタル酸97部、ジメチルイソフタル酸97部、エチレングリコール71部、ネオペンチルグリコール89部、テトラブチルチタネート0.1部を仕込み、180℃、3時間エスエル交換を行なった。次に、1mmHg以下まで徐々に減圧し、240℃、1.0時間重合した。ついで、窒素気流中で210℃に冷却し、ε−カプロラクトン34部を仕込み、30分付加反応させた。得られた共重合ポリエステルVIの組成は、テレフタル酸/イソフタル酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール//ポリε−カプロラクトン=50/50//45/55//30(モル比)、ポリε−カプロラクトンのポリマー中の含有量は14重量%で、還元粘度1.20dl/g、酸価2.0mgKOH/g、Tg26℃であった。結果を表2に示す。
合成例7(ウレタン変性ポリエステル樹脂VII)
温度計、攪拌機、冷却器を具備した反応容器中に合成例のポリエステル樹脂IV100部、鎖延長剤としてのネオペンチルグリコール3部、溶剤として酢酸エチルカルビトールを仕込み、80℃で溶解後、ジフェニルメタンジイイソシアネート(MDI)19.6部及びジブチル錫ジラウレート0.05部を仕込み、固形分濃度50%、70〜80℃で3時間以上かけて残存イソシアネートが無くなるまで反応させた後、酢酸ブチルカルビトール/シクロヘキサノン=7/3(重量比)で固形分濃度30%に希釈し、ウレタン変性ポリエステル樹脂VIIを得た。還元粘度1.40dl/g、酸価1.0mgKOH/g、ガラス転移点温度18℃であった。
温度計、攪拌機、冷却器を具備した反応容器中に合成例のポリエステル樹脂IV100部、鎖延長剤としてのネオペンチルグリコール3部、溶剤として酢酸エチルカルビトールを仕込み、80℃で溶解後、ジフェニルメタンジイイソシアネート(MDI)19.6部及びジブチル錫ジラウレート0.05部を仕込み、固形分濃度50%、70〜80℃で3時間以上かけて残存イソシアネートが無くなるまで反応させた後、酢酸ブチルカルビトール/シクロヘキサノン=7/3(重量比)で固形分濃度30%に希釈し、ウレタン変性ポリエステル樹脂VIIを得た。還元粘度1.40dl/g、酸価1.0mgKOH/g、ガラス転移点温度18℃であった。
合成例8〜10(比較ポリエステル樹脂VIII〜X)
合成例1と同様にして、比較ポリエステル樹脂VIII〜Xを合成した。結果を表3に示す。
合成例1と同様にして、比較ポリエステル樹脂VIII〜Xを合成した。結果を表3に示す。
銀粉A−1の調整
市販のフレーク状銀粉(AgC−A、福田金属箔粉業(株)製)をそのまま用いた。銀フレークの厚みは1540Åであった。レーザー光散乱法による平均粒子径は4.5μm、比表面積0.7m2/gであり、タップ密度は3.1g/cm3、アスペクト比29であった。
市販のフレーク状銀粉(AgC−A、福田金属箔粉業(株)製)をそのまま用いた。銀フレークの厚みは1540Åであった。レーザー光散乱法による平均粒子径は4.5μm、比表面積0.7m2/gであり、タップ密度は3.1g/cm3、アスペクト比29であった。
銀粉A−2の調整
市販のタップ密度が2.8g/cm3、比表面積が1.3m2/g、レーザー散乱法による平均粒子径が0.5μmの球状の銀粉100重量部、エチレングリコール60重量部、滑剤としてオレイン酸を0.3重量部添加し直径1mmのジルコニアビーズを用いてダイノーミルKDL−Special型(WILLY A.BACHOFEN AG製)を用いてシャフト速度3200rpm、アジテーターディスクの周速16m/s(ディスク直径96mm)で2パスミリングした。ついで、減圧濾過した後にメタノールで洗浄を2回くり返し、80℃、24時間減圧乾燥してフレーク状銀粉(A−1)を得た。
得られたフレーク状銀粉の厚みを測定したところ1100Åであった。また、タップ密度は2.7g/cm3、比表面積は0.9m2/g、平均粒子径は4.5μm、アスペクト比41であった。
市販のタップ密度が2.8g/cm3、比表面積が1.3m2/g、レーザー散乱法による平均粒子径が0.5μmの球状の銀粉100重量部、エチレングリコール60重量部、滑剤としてオレイン酸を0.3重量部添加し直径1mmのジルコニアビーズを用いてダイノーミルKDL−Special型(WILLY A.BACHOFEN AG製)を用いてシャフト速度3200rpm、アジテーターディスクの周速16m/s(ディスク直径96mm)で2パスミリングした。ついで、減圧濾過した後にメタノールで洗浄を2回くり返し、80℃、24時間減圧乾燥してフレーク状銀粉(A−1)を得た。
得られたフレーク状銀粉の厚みを測定したところ1100Åであった。また、タップ密度は2.7g/cm3、比表面積は0.9m2/g、平均粒子径は4.5μm、アスペクト比41であった。
銀粉A−3の調整
市販のタップ密度が2.8g/cm3、比表面積が1.3m2/g、レーザー散乱法による平均粒子径が0.1μmの粒状の銀粉を用いて、銀粉(A−1)と同様にミリング、洗浄、乾燥を行った。ただし、回転速度は2500rpmで行った。
得られたフレーク状銀粉(A−2)の厚みを測定したところ1200Åであった。また、タップ密度は3.0g/cm3、比表面積は0.8m2/g、平均粒子径は3.0μm、アスペクト比25であった。
市販のタップ密度が2.8g/cm3、比表面積が1.3m2/g、レーザー散乱法による平均粒子径が0.1μmの粒状の銀粉を用いて、銀粉(A−1)と同様にミリング、洗浄、乾燥を行った。ただし、回転速度は2500rpmで行った。
得られたフレーク状銀粉(A−2)の厚みを測定したところ1200Åであった。また、タップ密度は3.0g/cm3、比表面積は0.8m2/g、平均粒子径は3.0μm、アスペクト比25であった。
銀粉A−4の調整
濃度37%の硝酸銀水溶液275部と濃度18%の水酸化ナトリウム水溶液220部とを40〜50℃において攪拌下で反応させ、反応終了後に蒸留水70部を添加した。ついで、これに濃度23%のホルマリン水溶液60部を加え、30〜40℃で反応させた。反応終了後のpHは8であった。得られた銀粉を濾過し、水洗、脱水を繰り返した後、メタノールで洗浄した上で濾過し、80℃で24時間減圧乾燥した。
得られた銀粉は、球状の1次粒子が3次元状に結合した3次元高次構造であり、1次粒子の平均粒子径は走査型電子顕微鏡写真より0.5μmであり、2次粒子の平均粒子径は光散乱法により測定したところ11μm、比表面積1.62m2/gで、タップ密度は0.8g/cm3、であった。ただし、この銀粉はフレーク状ではなく3次元高次構造であるので厚みは測定不可である。
濃度37%の硝酸銀水溶液275部と濃度18%の水酸化ナトリウム水溶液220部とを40〜50℃において攪拌下で反応させ、反応終了後に蒸留水70部を添加した。ついで、これに濃度23%のホルマリン水溶液60部を加え、30〜40℃で反応させた。反応終了後のpHは8であった。得られた銀粉を濾過し、水洗、脱水を繰り返した後、メタノールで洗浄した上で濾過し、80℃で24時間減圧乾燥した。
得られた銀粉は、球状の1次粒子が3次元状に結合した3次元高次構造であり、1次粒子の平均粒子径は走査型電子顕微鏡写真より0.5μmであり、2次粒子の平均粒子径は光散乱法により測定したところ11μm、比表面積1.62m2/gで、タップ密度は0.8g/cm3、であった。ただし、この銀粉はフレーク状ではなく3次元高次構造であるので厚みは測定不可である。
実施例1
銀粉A−1、89部、合成例1のポリエステル樹脂の酢酸カルビトール/アノン=7/3(重量比)溶解品11固形部、レべリング剤としてポリフローS(共栄社樹脂化学(株)製)0.5固形部を配合し、充分プレミックスした後、チルド3本ロール混練り機で、3回通して分散した。得られた銀ペーストを80℃で30分乾燥し評価した。ホワイトPETフィルムへの印刷性は、ハジキ、ピンホールはなく良好であった。塗膜物性は、低温で乾燥したにもかかわらず、比抵抗5.5×10-5Ω・cmと低抵抗であり、耐屈曲性は6回で良好であった。また、耐コネクター挿抜性試験を行ったところ、わずかに塗膜の剥離が認められたが、良好であった。結果を表4に示す。
銀粉A−1、89部、合成例1のポリエステル樹脂の酢酸カルビトール/アノン=7/3(重量比)溶解品11固形部、レべリング剤としてポリフローS(共栄社樹脂化学(株)製)0.5固形部を配合し、充分プレミックスした後、チルド3本ロール混練り機で、3回通して分散した。得られた銀ペーストを80℃で30分乾燥し評価した。ホワイトPETフィルムへの印刷性は、ハジキ、ピンホールはなく良好であった。塗膜物性は、低温で乾燥したにもかかわらず、比抵抗5.5×10-5Ω・cmと低抵抗であり、耐屈曲性は6回で良好であった。また、耐コネクター挿抜性試験を行ったところ、わずかに塗膜の剥離が認められたが、良好であった。結果を表4に示す。
実施例2〜7
実施例1と同様に評価した。実施例で使用したジブチルチンジラウレートは硬化触媒である。結果を表4、5に示す。いずれも、良好な結果であるが、実施例1と比較して、銀粉の粒子径が小さい実施例2〜5は、さらに耐屈曲性および耐コネクター性が良好であった。バインダー樹脂としては、より分子量の高いウレタン変性ポリエステル樹脂VII、ブロックポリエステルであるポリエステル樹脂V、VIがより優れていることが分かる。
実施例1と同様に評価した。実施例で使用したジブチルチンジラウレートは硬化触媒である。結果を表4、5に示す。いずれも、良好な結果であるが、実施例1と比較して、銀粉の粒子径が小さい実施例2〜5は、さらに耐屈曲性および耐コネクター性が良好であった。バインダー樹脂としては、より分子量の高いウレタン変性ポリエステル樹脂VII、ブロックポリエステルであるポリエステル樹脂V、VIがより優れていることが分かる。
比較例1〜4
実施例1と同様に作成した。結果を表6に示す。
実施例1と同様に作成した。結果を表6に示す。
比較例1〜3は、比較ポリエステル樹脂を用いた例であるが、耐屈曲性が不良であり、屈曲のともなう用途には使用できない。また、比較例1、3、4は耐コネクター挿抜性が不良である。比較例4は、フレーク状銀粉を使用しない例であるが、比抵抗が高すぎて使用できない。
本発明の導電性ペーストはスクリーン印刷、タンポ印刷、グラビア印刷、転写印刷、ロールコート、フローコート、ディスペンサー、スプレー塗装等公知の方法で、ホワイトPETフィルム、各種プラスチック合成紙に印刷して、LEDや発光ダイオードを搭載した医療用機器などのスイッチ、携帯電話、マウスなどの回路、EMIシールド用などに使用できる。また、導電性接着剤としても使用できる。
Claims (7)
- フレーク状銀粉(A)、還元粘度が0.5dl/g以上でガラス転移点温度が0〜40℃のポリエステル樹脂および/または変性ポリエステル樹脂(B)、レベリング剤および/または泡消剤(C)を含むことを特徴とする導電性ペースト。
- フレーク状銀粉(A)のレーザー光散乱法による平均粒子径が、0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1に記載の導電性ペースト。
- さらに、バインダー樹脂として、ハロゲン元素含有有機樹脂(D)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の導電性ペースト。
- ポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)が、全ジカルボン酸、グリコール成分の合計をそれぞれ100モル%としたとき、酸成分として芳香族ジカルボン酸及び/または脂環族ジカルボン酸を50モル%以上、かつグリコール成分としてネオペンチルグリコール、炭素数5〜10の脂肪族ジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を20モル%以上共重合されている請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ペースト。
- さらに、カーボンブラック及び/またはグラファイト微粉末を含む請求項1〜4のいずれかに記載の導電性ペースト。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の導電ペーストの塗膜とホワイトPETフィルムまたはプラスチック合成紙からなる積層体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の導電ペーストをホワイトPETフィルムまたはプラスチック合成紙に印刷または塗布した後に100℃以下で乾燥および/または硬化する積層体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005063924A JP2006252807A (ja) | 2005-03-08 | 2005-03-08 | 導電性ペースト及びこれを用いた積層体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010055742A1 (ja) * | 2008-11-14 | 2010-05-20 | 住友電気工業株式会社 | 導電性ペースト及びそれを用いた電磁波シールドフィルム、電磁波シールドフレキシブルプリント配線板 |
WO2014156345A1 (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-02 | 富士フイルム株式会社 | 導電膜形成用組成物およびこれを用いる導電膜の製造方法 |
US8986575B2 (en) | 2008-10-24 | 2015-03-24 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Low-temperature curable conductive paste for plating and electric wiring using the same |
CN110039855A (zh) * | 2019-04-29 | 2019-07-23 | 江苏铁锚玻璃股份有限公司 | 一种电加热夹层纳米银pet导电膜玻璃制备工艺 |
-
2005
- 2005-03-08 JP JP2005063924A patent/JP2006252807A/ja not_active Withdrawn
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JP2010118280A (ja) * | 2008-11-14 | 2010-05-27 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 導電性ペースト及びそれを用いた電磁波シールドフィルム、電磁波シールドフレキシブルプリント配線板 |
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