JP2005078967A - 導電性ペースト - Google Patents
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Abstract
【課題】 導電性、作業性が良好で、従来両立が困難であった、耐熱性と耐ヒートサイクル性が良好な導電性ペーストを提供する。
【解決手段】 導電性フィラー(A)をバインダー樹脂に分散させた導電性ペーストにおいて、バインダー樹脂として全カルボン酸成分を100モル%とした場合、芳香族ジカルボン酸が50モル%以上共重合されたポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)とレゾール型フェノール樹脂(C)を含むことを特徴とする導電性ペーストに関する。
【選択図】 なし
【解決手段】 導電性フィラー(A)をバインダー樹脂に分散させた導電性ペーストにおいて、バインダー樹脂として全カルボン酸成分を100モル%とした場合、芳香族ジカルボン酸が50モル%以上共重合されたポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)とレゾール型フェノール樹脂(C)を含むことを特徴とする導電性ペーストに関する。
【選択図】 なし
Description
本発明は導電性ペーストに関するものであり、さらに詳しくは回路用あるいは導電性を有する素子、金属などへの導電性塗布剤や導電性接着剤に関する。
近年、環境対策として鉛フリー半田が使用されるようになり、ますます電子機器の耐熱性が要求されるようになり、これらの用途に使用される導電性ペーストにも従来以上の耐熱性が要求されるようになってきた。導電性ペーストには種々のバインダー樹脂が使用されるが、基材への密着性、耐屈曲性、耐ヒートサイクル性、顔料分散性などの面よりポリエステル系樹脂をバインダーに使用したものが優れている。例えば、特許文献1では、飽和共重合ポリエステル樹脂とブロックイソシアネート化合物をバインダーに用いた導電性ペーストが、特許文献2では、同様のバインダー系で銀粉とカーボンブラックを分散した導電性ペーストが知られている。
しかし、前者は主に回路用に設計され、イソシアネート化合物を硬化剤に用いているため、リフロー半田耐熱性など、近年の高度の耐熱性には不十分なものとなっている。後者は、カーボンブラックの分散性が良好で、主に回路用として導電性の面で優れた特性が得られるが、同様に耐熱性に劣る問題がある。
一方、接着用途を中心に広く使用されている、エポキシ系の導電性ペーストは耐熱性、接着性は良好であるが、基本的にバインダー樹脂が硬質で低分子量のため、耐ヒートサイクル性に劣り、また、カーボンブラックや比表面積の大きい樹脂状あるいは球状の金属微粉末などの微粉末フィラーを単独または他のフレーク状などの金属粉と併用した場合には、分散性に劣り、高固形分化が困難、揺変性(チキソ性)が強すぎて作業性が悪いなどの問題がある。
一方、接着用途を中心に広く使用されている、エポキシ系の導電性ペーストは耐熱性、接着性は良好であるが、基本的にバインダー樹脂が硬質で低分子量のため、耐ヒートサイクル性に劣り、また、カーボンブラックや比表面積の大きい樹脂状あるいは球状の金属微粉末などの微粉末フィラーを単独または他のフレーク状などの金属粉と併用した場合には、分散性に劣り、高固形分化が困難、揺変性(チキソ性)が強すぎて作業性が悪いなどの問題がある。
本発明者らは、発明の目的を達成すべく導電性ペーストを鋭意検討した結果、導電性ペーストに用いられるバインダー樹脂として全カルボン酸成分中、芳香族ジカルボン酸が50モル%以上であるポリエステル系樹脂と硬化剤としてレゾール型フェノール樹脂を配合することにより、フィラーの分散性、導電性が良好で、密着性、耐屈曲性、耐ヒートサイクル性などの諸物性を低下させることなく、耐熱性が大幅に向上できることを見いだし本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の導電性ペーストである。
(1)導電性フィラー(A)をバインダー樹脂に分散させた導電性ペーストにおいて、バインダー樹脂として全カルボン酸成分を100モル%とした場合、芳香族ジカルボン酸が50モル%以上共重合されたポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)とレゾール型フェノール樹脂(C)を含むことを特徴とする導電性ペースト。
(1)導電性フィラー(A)をバインダー樹脂に分散させた導電性ペーストにおいて、バインダー樹脂として全カルボン酸成分を100モル%とした場合、芳香族ジカルボン酸が50モル%以上共重合されたポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)とレゾール型フェノール樹脂(C)を含むことを特徴とする導電性ペースト。
(2)ポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)が、グリコール成分としてエチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、脂環族グリコール、1,4−ブタンジオール及び主鎖の炭素数5〜10の脂肪族グリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を20モル以上共重合されていることを特徴とする(1)に記載の導電性ペースト。
(3)ポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)とレゾール型フェノール樹脂(C)の配合重量比(B)/{(B)+(C)}が0.6以上、0.95以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の導電性ペースト。
(4)導電性フィラー(A)が銀粉並びに、カーボンブラック及び/またはグラファイトを含むことを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の導電性ペースト。
本発明により従来両立が困難であった耐熱性と耐ヒートサイクル性に優れ、また、分散性に優れるため導電性カーボンブラックなどの比表面積の高い導電性フィラーを用いた場合でも低粘度で良好な作業性の導電性ペーストが得られる。本発明の導電性ペーストは、リジット基板、ポリイミドなどのフレキシブル基板、PETメンブレン回路などの回路用はもちろんのこと、各種電子部品の導電性接着剤、固体電解コンデンサなどの素子への導電性塗布剤および同素子とリードフレームとの導電性接着剤として好適である。
本発明に用いられる導電性フィラー(A)としては、銀粉、金粉、白金粉、パラジウム粉などの貴金属粉、銅粉、ニッケル粉、アルミ粉、真鍮粉、ステンレス粉などの卑貴金属粉、銀などの貴金属でめっき、合金化した卑貴金属粉、カーボンブラック、グラファイト粉などのカーボン系フィラーなどが挙げられる。これらの金属粉の形状としては、フレーク状(リン片状)、球状、粟状、樹枝状(デンドライト状)、球状の一次粒子が3次元状に凝集した形状などがある。この内、導電性、コスト、信頼性の面より銀粉を主体とすることが好ましく、導電性の面より、銀粉に少量のカーボンブラック及び/またはグラファイト粉を併用することがより好ましい。
また、必要により、シリカ、タルク、マイカ、硫酸バリウム、酸化インジウムなどの無機フィラーなどを少量配合しても良い。
また、必要により、シリカ、タルク、マイカ、硫酸バリウム、酸化インジウムなどの無機フィラーなどを少量配合しても良い。
銀粉並びにカーボンブラック及び/またはグラファイト微粉末の好ましい配合比(重量比)は、銀粉としての上限は好ましくは99.5重量%以下、より好ましくは99重量%以下である。銀粉としての下限は10重量%以上、より好ましくは8重量%以上である。
導電性粉とバインダー樹脂の配合比は、フレーク状の銀粉を主体とする場合は、主に導電性の面より、銀粉と他の導電性粉末の合計量/バインダー樹脂の配合比(重量比)として下限は75重量%以上が好ましく、より好ましくは80重量%以上である。上限は接着性、インキの粘性の面より95重量%以下が好ましく、より好ましくは90重量%以下である。
バインダー樹脂としては、全カルボン酸成分を100モル%とした場合、芳香族ジカルボン酸が50モル%以上共重合されたポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)とレゾール型フェノール樹脂(C)を配合することが必要である。芳香族成分を導入することによる耐熱性向上と硬化剤としてのレゾール型フェノール樹脂の配合の相乗効果で、ポリエステル樹脂の特徴である、基材への密着性、耐屈曲性、耐ヒートサイクル性、顔料分散性などを低下することなく、耐熱性を向上できる。一般に耐熱性とは、熱履歴前後の接着力、密着性などの物性変化を意味するが、ここでいう耐熱性とは、これ以外に導電性ペーストで接着後の抵抗値の変化が少ないことをいう。チップ部品や固体電解コンデンサ素子などへの導電性ペーストの塗布、基板への搭載、リードフレームへの接着など用途においては、特に重要な特性として、接着後の導電性の変化が挙げられる。本発明の導電性ペーストは、初期の導電性に優れ、熱履歴後の導電性の安定性に特に優れるものである。
ポリエステル樹脂(B)とレゾール型フェノール樹脂(C)の好ましい配合比は、(B)/{(B)+(C)}が0.6以上が好ましく、より好ましくは0.7以上である。上限は、0.95以下が好ましく、より好ましくは0.90以下である。この配合比が0.6未満では耐屈曲性、耐ヒートサイクル性が低下する可能性があり、0.05より少ないと硬化性が悪化する可能性がある。
ポリエステル樹脂(B)は公知の方法により常圧または減圧下で重縮合して得られたものを使用できる。また、後述するような変性をしても良い。
ポリエステル樹脂(B)に共重合するジカルボン酸は、耐熱性、接着力、耐久性の面より、全酸成分中、芳香族ジカルボン酸を50モル%以上共重合することが必要であり、好ましくは60モル%以上、最も好ましくは70モル%以上である。上限は特に制限はなく、100モル%でも良い。芳香族ジカルボン酸が50モル%未満では、耐熱性、接着力、耐久性などが低下することがある。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。この内、耐熱性、接着性などの特性と溶剤溶解性より、テレフタル酸とイソフタル酸を併用することが好ましい。
その他のジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、炭素数12〜28の2塩基酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、2−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールA、ジカルボキシ水素添加ビスフェノールS、ダイマー酸、水素添加ダイマー酸、水素添加ナフタレンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸が挙げられ、芳香族ジカルボン酸と共重合することができる。
この内、耐久性の面より、脂肪族ジカルボン酸としては、アゼライン酸、セバシン酸などの主鎖の炭素数が9以上のものが好ましい。その他のジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
ポリエステル樹脂(B)に用いられるアルキレングリコールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、ダイマージオールなどが挙げられる。また、発明の内容を損なわない範囲でトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリグリセリンなどの多価ポリオールを併用してもよい。
このうち、レゾール型フェノール樹脂との反応性の面より、エチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、炭素数5〜10の長鎖脂肪族ジオールが特に好ましく、エチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールが最も好ましい。共重合量は全グリコール成分中20モル%以上が好ましく、より好ましくは30モル%以上である。上限は特に定めるものではなく100モル%でも良い。
ポリエステル樹脂(B)はレゾール型フェノール樹脂との反応性の面より、酸価が10当量/t以上であることが好ましい。より好ましくは、30当量/t以上、さらに好ましくは50当量/t以上である。酸価が10当量/t未満では、エポキシ樹脂との反応性が悪くなり、硬化性が低下し、良好な耐熱性が得られない可能性がある。上限は、800当量/t以下が好ましく、より好ましくは500当量/t以下、最も好ましくは250当量/t以下である。800当量/tを超えると塗膜が脆くなる傾向にあり、耐ヒートサイクル性、耐熱性が低下する可能性がある。
ポリエステル樹脂(B)に酸価を導入する方法としては、重合後に溶融加熱しながらエアー中で撹拌して加水分解しても付与できるが、無水トリメリット酸、無水フタル酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロヘプタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などの酸無水物をポリエステル樹脂重合後に付加反応させてカルボキシル基を導入することが好ましい。この内、酸無水物としては、無水トリメリット酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)が特に好ましい。
ポリエステル樹脂(B)の好ましい数平均分子量は、下限は2,000以上が好ましく、より好ましくは3,000以上、最も好ましくは4,000以上である。上限は特に限定しないが、本発明の導電性ペーストを導電性接着剤として使用する場合は、溶剤の影響を少なくするために高固形分濃度化することが好ましく、高固形分濃度を達成するために15,000以下が好ましく、より好ましくは10,000以下である。分子量が2,000未満では、耐屈曲性、耐ヒートサイクル性が低下する傾向にある。
また、ポリエステル樹脂を重合後、180〜230℃でε−カプロラクトンなどの環状エステルを後付加(開環付加)してブロック化してもよい。
また、発明の内容を損なわない範囲で、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多価のカルボン酸を共重合して分岐構造にしたり、フマール酸などの不飽和ジカルボン酸、さらに、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩などのスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を併用してもよい。
ポリエステル樹脂は変性して使用できる。変性方法としては、ウレタン変性、エポキシ変性、アクリル変性などが挙げられる。
ポリエステル樹脂をウレタン変性する場合は、例えばポリエステルポリオールと必要に応じて鎖延長剤をイソシアネート化合物と反応させて合成したものを使用できる。鎖延長剤として使用する分子量500未満のポリオールとしてはネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、HPN(ネオペンチルグリコールのヒドロキシピバリン酸エステル)、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの公知のポリオールが挙げられる。さらに、ジメチロールプロピオン酸のようなカルボキシル基含有ポリオールを鎖延長剤として使用すると酸価を付与できる。
ウレタン変性に使用するジイソシアネート化合物は、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂のウレタン基濃度は密着性、耐屈曲性の面から500〜4000当量/106gが好ましい。数平均分子量は耐屈曲性およびペースト粘性から8,000〜20,000が好ましい。
ポリエステル樹脂をエポキシ変性する場合は、上述したように無水トリメリット酸、無水フタル酸などの酸無水物を後付加して酸価を導入したポリエステルを用い、例えば溶液中、トリフェニルホスフィンなどの触媒の存在下でエポキシ樹脂と反応して製造できる。
これらの変性ポリエステル樹脂の内、耐熱性の面よりエポキシ変性が好ましい。
本発明に用いるレゾール型フェノール樹脂(C)とは、フェノール化合物をホルマリン類にてメチロール化した後、その一部、または全部をアルコール類にてアルコキシメチル化したものなどである。該フェノール樹脂の原料となるフェノール化合物としては、例えばフェノール、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の3官能以上のフェノール化合物、o−クレゾール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール等の2官能フェノール化合物が挙げられる。ポリエステル樹脂との硬化性を得るには3官能以上のフェノール樹脂が好ましく、硬化性と耐熱性の面より、ビスフェノールA、フェノール、m−クレゾール、m−エチルフェノール、3,5−キシレノール、m−メトキシフェノールが好ましい。原料のフェノール化合物中に前記した3官能フェノール化合物が1種または2種以上、合わせて70重量%以上含まれることが望ましい。
前記したフェノール化合物をメチロール化の際に使用されるホルマリン類としてはホルマリン、パラホルムアルデヒドまたはトリオキサンなどが挙げられ、これらから1種、または2種以上を使用することができる。得られたメチロール基は芳香環1核あたり1.0個以上が望ましい。メチロール化した後、このメチロール基をアルコキシメチル化する。好ましくはメチロール基の50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。フェノール樹脂をアルコキシメチル化することでポリエスエル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)との相溶性、硬化性が高くなる。50%未満であるとポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)との相溶性が低くなり、硬化性が低下する傾向にある。アルコキシメチル化する際に使用されるアルコールとしては炭素原子数1〜8個、好ましくは1〜4個の1価アルコールであり、好適な1価アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどを挙げることができ、より好ましくはn−ブタノールである。また、アルコキシメチル化する際にはリン酸などの触媒を使用しても良い。
本発明のレゾール型フェノール樹脂(C)は、ポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)との反応性の面より、その自己縮合によるゲル化到達時間が長い方が好ましい。ゲル化到達時間とは150℃に熱した金属プレートにレゾール型フェノール樹脂を滴下した後、ゲル(メチルエチルケトンに不溶化)に到達するまでの時間で示す。このゲル化到達時間は、30秒以上が好ましく、より好ましくは100秒以上、さらに好ましくは150秒以上である。ゲル化到達時間が30秒未満では、レゾール型フェノール樹脂の自己縮合は進み、ポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂との硬化性が低下する可能性がある。
また、本発明のレゾール型フェノール樹脂(C)はポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)との相溶性の面より、数平均分子量は2000以下が好ましく、より好ましくは1000以下、最も好ましくは750以下である。下限は100以上が好ましい。2000を超えると、ポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)との相溶性が低下し、硬化性が悪化する場合がある。
本発明のレゾール型フェノール樹脂(C)にその他の硬化剤を併用しても良い。その他の硬化剤としてはアルキルエーテル化アミノ樹脂、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂等が挙げられるが、耐熱性、アウトガスの面よりエポキシ樹脂が特に好ましい。
エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、日本化薬(株)製NC−3000などのビフェノール骨格を含有したノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬(株)製CER−3000Lなどのビフェノール骨格を含有したエポキシ樹脂、高分子量のフェノキシ樹脂、水添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂などが挙げられ、耐熱性、硬化性の面より、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェノール骨格を含有したノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール骨格を含有したエポキシ樹脂が好ましい。さらに好ましくは、これらの内のノボラック型エポキシ樹脂である。
エポキシ樹脂には、イミダゾール系化合物、酸無水物、トリフェニルホスフィンなどの硬化触媒を配合することが出来る。この内、硬化性が良好で腐食性が少ないことよりイミダゾール系化合物が特に好ましい。イミダゾール系化合物の例としては、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾリウムトリメリテート、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリンなどが挙げられる。この内、硬化性と貯蔵安定性の面より、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物が好ましい。
これらの硬化剤には、その種類に応じて選択された公知の触媒あるいは促進剤を併用することもできる。
本発明の導線性ペーストには、その他の樹脂を併用してもよい。その他の樹脂としては、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂などが挙げられる。
本発明に使用される溶剤はその種類に制限はなく、エステル系、ケトン系、エーテルエステル系、塩素系、アルコール系、エーテル系、炭化水素系などが挙げられる。このうち、作業性の面より沸点140℃以上の高沸点溶剤が好ましい。高沸点溶剤としては、エチルカルビトールアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、イソホロン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
本発明の導電性ペーストを導電性接着剤として使用する場合は、溶剤の悪影響を低減する意味で、固形分は75%以上が好ましく、より好ましくは80%以上である。この場合の導電性ペーストの粘度は、ブルックフィールドBH型回転粘度計、20rpm、25℃において、1000dP・s以下が好ましく、より好ましくは800dPa・s以下である。下限は、100dPa・s以上が好ましく、より好ましくは200dPa・s以上である。この範囲を超えると印刷性やディスペンサーでの作業性が悪化する傾向にある。
また、揺変度(チキソ性)も重要であり、後述する測定方法においては2.0以上が好ましく、より好ましくは3.0以上である。上限は7.0以下が好ましく、より好ましくは6.0以下である。揺変度が2.0未満ではディスペンサー塗布時にタレる傾向にあり、7.0を超えると逆にフローしなくなる傾向にある。
以下、本発明を実施例を用いて説明する。実施例中、単に部とあるものは重量部を示す。また、各測定項目は以下の方法に従った。
1.分子量
GPCによりポリスチレン換算の数平均分子量を測定した。
GPCによりポリスチレン換算の数平均分子量を測定した。
3.ガラス転移点温度(Tg)
示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温速度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム押え蓋型容器に入れ、クリンプした。
示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温速度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム押え蓋型容器に入れ、クリンプした。
4.酸価
試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタレイン溶液を用いた。単位は、当量/tで表した(t=1000kg)。
試料0.2gを精秤し20mlのクロロホルムに溶解した。ついで、0.01Nの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬には、フェノールフタレイン溶液を用いた。単位は、当量/tで表した(t=1000kg)。
5.導電性ペーストの粘度および揺変度(チキソ性)の測定
粘度は、ブルックフィールドBH型回転粘度計を用いて20rpmで測定した。揺変度は同様に2rpmで粘度を測定し、次式にて算出した。測定は25℃で行った。
揺変度=粘度(2rpm)/粘度(20rpm)
粘度は、ブルックフィールドBH型回転粘度計を用いて20rpmで測定した。揺変度は同様に2rpmで粘度を測定し、次式にて算出した。測定は25℃で行った。
揺変度=粘度(2rpm)/粘度(20rpm)
6.比抵抗の測定
導電性ペーストを厚み50μmのポリイミドフィルムに乾燥後の膜厚が8〜10μmになるように25mm幅で長さ50mmのパターンをスクリーン印刷した。これを熱風オーブンで170℃で1時間加熱硬化した。作成したテストピースを用い、膜厚と4深針抵抗測定器を用いてシート抵抗と別途膜厚を測定し、これらより比抵抗を算出した。
導電性ペーストを厚み50μmのポリイミドフィルムに乾燥後の膜厚が8〜10μmになるように25mm幅で長さ50mmのパターンをスクリーン印刷した。これを熱風オーブンで170℃で1時間加熱硬化した。作成したテストピースを用い、膜厚と4深針抵抗測定器を用いてシート抵抗と別途膜厚を測定し、これらより比抵抗を算出した。
7.初期抵抗の測定および耐熱性の評価
厚み100μmの銅箔をスコッチブライトで水中で研磨し、イオン交換水で洗浄、乾燥した。この銅箔を10×25mmに切断し、長手方向の先端から10mmの部分に導電性ペーストを乾燥厚みが50±5μmになるように塗布し、同じ銅箔を重なる部分が10×10mmになるようにして、接着しない部分が反対方向になるようにして貼り合わせた。接着後、熱風オーブンで170℃で1時間加熱硬化した。ついで、4深針抵抗測定器を用いて、上下のそれぞれ接着していない(銅箔が重なっていない)銅箔の部分に端子を接続して初期抵抗(Ro)を測定した。ついで、半田リフローを想定した250℃×1分の加熱1回をかけた後に抵抗値(R1)を測定し、Roに対するR1の抵抗変化率で評価した。繰り返し測定回数(以下Nと表す)=5の平均値で表した。計算式を以下に示す。
抵抗変化率(%)={(R1−Ro)/Ro}×100
厚み100μmの銅箔をスコッチブライトで水中で研磨し、イオン交換水で洗浄、乾燥した。この銅箔を10×25mmに切断し、長手方向の先端から10mmの部分に導電性ペーストを乾燥厚みが50±5μmになるように塗布し、同じ銅箔を重なる部分が10×10mmになるようにして、接着しない部分が反対方向になるようにして貼り合わせた。接着後、熱風オーブンで170℃で1時間加熱硬化した。ついで、4深針抵抗測定器を用いて、上下のそれぞれ接着していない(銅箔が重なっていない)銅箔の部分に端子を接続して初期抵抗(Ro)を測定した。ついで、半田リフローを想定した250℃×1分の加熱1回をかけた後に抵抗値(R1)を測定し、Roに対するR1の抵抗変化率で評価した。繰り返し測定回数(以下Nと表す)=5の平均値で表した。計算式を以下に示す。
抵抗変化率(%)={(R1−Ro)/Ro}×100
8.剪断接着力の測定
7.で作成した接着テストピースを用いて、20℃、引っ張り速度10mm/分で初期の剪断接着力(Fo)を測定した。N=5の平均値で表した。
7.で作成した接着テストピースを用いて、20℃、引っ張り速度10mm/分で初期の剪断接着力(Fo)を測定した。N=5の平均値で表した。
9.耐ヒートサイクル性
7.で作成した接着テストピースを同様に作成し、初期抵抗(Ro)および初期剪断接着力(Fo)を測定した。同じテストピースを−40×30分、80℃×30分のヒートサイクルを250サイクル行い、試験後の抵抗値(R2)、剪断接着力(F2)を測定し、それぞれの抵抗変化率で評価した。それぞれ、N=5の平均値で表した。計算式を以下に示す。
抵抗変化率(%)={(R2−Ro)/Ro}×100
剪断接着力の変化率(%)={(F1−Fo)/Fo}×100
7.で作成した接着テストピースを同様に作成し、初期抵抗(Ro)および初期剪断接着力(Fo)を測定した。同じテストピースを−40×30分、80℃×30分のヒートサイクルを250サイクル行い、試験後の抵抗値(R2)、剪断接着力(F2)を測定し、それぞれの抵抗変化率で評価した。それぞれ、N=5の平均値で表した。計算式を以下に示す。
抵抗変化率(%)={(R2−Ro)/Ro}×100
剪断接着力の変化率(%)={(F1−Fo)/Fo}×100
合成例.1(ポリエステル樹脂a)
グビリュー精留塔を具備した四口フラスコにジメチルテレフタル酸97部、ジメチルイソフタル酸97部、エチレングリコール93部、ネオペンチルグリコール73部、テトラブチルチタネート0.068部を仕込み、180℃、3時間エスエル交換を行なった。次に、1mmHg以下まで徐々に減圧し、240℃、約2時間重合した。得られた共重合ポリエステルaの組成は、テレフタル酸/イソフタル酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/50//55/45(モル比)で、数平均分子量15,000、酸価25当量/t、Tg=65℃であった。結果を表−1に示す。
グビリュー精留塔を具備した四口フラスコにジメチルテレフタル酸97部、ジメチルイソフタル酸97部、エチレングリコール93部、ネオペンチルグリコール73部、テトラブチルチタネート0.068部を仕込み、180℃、3時間エスエル交換を行なった。次に、1mmHg以下まで徐々に減圧し、240℃、約2時間重合した。得られた共重合ポリエステルaの組成は、テレフタル酸/イソフタル酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/50//55/45(モル比)で、数平均分子量15,000、酸価25当量/t、Tg=65℃であった。結果を表−1に示す。
合成例.2(ポリエステル樹脂b)
グビリュー精留塔を具備した四口フラスコにジメチルテレフタル酸97部、ジメチルイソフタル酸78部、エチレングリコール93部、ネオペンチルグリコール73部、テトラブチルチタネート0.068部を仕込み、180℃、3時間エスエル交換を行なった。ついで、セバシン酸20部を仕込み、エステル化反応を行った。次に、1mmHg以下まで徐々に減圧し、240℃、約1時間重合した。ついで、常圧、窒素中で200℃まで冷却し、無水トリメリット酸を2.9部仕込み、30分反応し後付加してカルボキシル基(酸価)を付与した。得られた共重合ポリエステルbの組成は、テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸/トリメリット酸(後付加)//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/40/10/1.5(後付加)//55/45(モル比)で、数平均分子量8,000、酸価135当量/t、Tg=45℃であった。結果を表−1に示す。
グビリュー精留塔を具備した四口フラスコにジメチルテレフタル酸97部、ジメチルイソフタル酸78部、エチレングリコール93部、ネオペンチルグリコール73部、テトラブチルチタネート0.068部を仕込み、180℃、3時間エスエル交換を行なった。ついで、セバシン酸20部を仕込み、エステル化反応を行った。次に、1mmHg以下まで徐々に減圧し、240℃、約1時間重合した。ついで、常圧、窒素中で200℃まで冷却し、無水トリメリット酸を2.9部仕込み、30分反応し後付加してカルボキシル基(酸価)を付与した。得られた共重合ポリエステルbの組成は、テレフタル酸/イソフタル酸/セバシン酸/トリメリット酸(後付加)//エチレングリコール/ネオペンチルグリコール=50/40/10/1.5(後付加)//55/45(モル比)で、数平均分子量8,000、酸価135当量/t、Tg=45℃であった。結果を表−1に示す。
合成例.3、
合成例.2と同様にポリエステル樹脂c、dを合成した。結果を表−1に示す。
合成例.2と同様にポリエステル樹脂c、dを合成した。結果を表−1に示す。
合成例.4(エポキシ変性ポリエステル樹脂e)
合成例.2と同様にして、組成がテレフタル酸/イソフタル酸/トリメリット酸(後付加)//エチレングリコール/ビスフェノールAエチレンオキサイド2.2モル付加物=50/50/2.0(後付加)//50/50(モル比)、酸価120当量/t、数平均分子量6,500のポリエステルを得た。このポリエステル100部とビスフェノールAエポキシ樹脂であるエピコート1004(ジャパンエポキシレジン(株)製)15部をエチルカルビトールアセテートに固形分60%で溶解し、触媒としてトリフェニルホスフィン0.16部を加えた後、窒素気流中120℃で4時間反応し、酸価が初期酸価の60%になるまで反応させた後、エチルカルビトールアセテートで固形分40%に希釈し、エポキシ変性ポリエステル樹脂eを得た。得られた樹脂溶液は淡黄色透明の液体であった。
合成例.2と同様にして、組成がテレフタル酸/イソフタル酸/トリメリット酸(後付加)//エチレングリコール/ビスフェノールAエチレンオキサイド2.2モル付加物=50/50/2.0(後付加)//50/50(モル比)、酸価120当量/t、数平均分子量6,500のポリエステルを得た。このポリエステル100部とビスフェノールAエポキシ樹脂であるエピコート1004(ジャパンエポキシレジン(株)製)15部をエチルカルビトールアセテートに固形分60%で溶解し、触媒としてトリフェニルホスフィン0.16部を加えた後、窒素気流中120℃で4時間反応し、酸価が初期酸価の60%になるまで反応させた後、エチルカルビトールアセテートで固形分40%に希釈し、エポキシ変性ポリエステル樹脂eを得た。得られた樹脂溶液は淡黄色透明の液体であった。
比較合成例.1(比較ポリエステル樹脂f)
合成例2と同様にして、比較ポリエステル樹脂fを合成した。結果を表−1に示す。
合成例2と同様にして、比較ポリエステル樹脂fを合成した。結果を表−1に示す。
合成例.5レゾール型フェノール樹脂(g)の合成
m−クレゾール100部、37%ホルマリン水溶液180部、及び水酸化ナトリウム1部を加え、60℃で3時間反応させた後、減圧下50℃で1時間脱水した。ついでn−ブタノール100部を加え、110〜120℃で4時間反応を行った。反応終了後、得られた溶液を濾過して、固形分約50%のm−クレゾール系のレゾール型フェノール樹脂(g)を得た。レゾール型フェノール樹脂(g)の数平均分子量は750、ゲル化到達時間は350秒であった。
m−クレゾール100部、37%ホルマリン水溶液180部、及び水酸化ナトリウム1部を加え、60℃で3時間反応させた後、減圧下50℃で1時間脱水した。ついでn−ブタノール100部を加え、110〜120℃で4時間反応を行った。反応終了後、得られた溶液を濾過して、固形分約50%のm−クレゾール系のレゾール型フェノール樹脂(g)を得た。レゾール型フェノール樹脂(g)の数平均分子量は750、ゲル化到達時間は350秒であった。
合成例.6レゾール型フェノール樹脂(h)の合成
合成例.5と同様にして、m−クレゾールの代わりに3,5−キシレノールを用いてレゾール型フェノール樹脂(h)を合成した。レゾール型フェノール樹脂(h)の数平均分子量は650、ゲル化到達時間は260秒であった。
合成例.5と同様にして、m−クレゾールの代わりに3,5−キシレノールを用いてレゾール型フェノール樹脂(h)を合成した。レゾール型フェノール樹脂(h)の数平均分子量は650、ゲル化到達時間は260秒であった。
銀粉A
市販のフレーク状銀粉(福田金属箔粉工業(株)製)をそのまま用いた。光散乱法による平均粒子径は4.5μm、比表面積0.8m2/g、タップ密度3.3g/cm3であった。
市販のフレーク状銀粉(福田金属箔粉工業(株)製)をそのまま用いた。光散乱法による平均粒子径は4.5μm、比表面積0.8m2/g、タップ密度3.3g/cm3であった。
銀粉B
市販の球状で微細な銀粉K−ED(フェロー(株)製)をそのまま用いた。光散乱法による平均粒子径は0.6μm、比表面積1.9m2/g、タップ密度3.1g/cm3であった。
市販の球状で微細な銀粉K−ED(フェロー(株)製)をそのまま用いた。光散乱法による平均粒子径は0.6μm、比表面積1.9m2/g、タップ密度3.1g/cm3であった。
実施例.1
銀粉A、88部、ポリエステル樹脂a、10.2固形部、レゾール型フェノール樹脂(g)1.8固形部、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.02部、レベリング剤としてポリフローS(共栄社化学(株)製)0.5部、溶剤としてのエチルカルビトールアセテートを配合し、固形分83%に調整した。充分プレミックスした後、チルド3本ロール混練り機で、3回通して分散した。得られた銀ペーストは比抵抗5.5×10-5Ω・cmであった。初期剪断接着力は400N/cm2と良好であった。耐熱性は、抵抗変化率+19%で比較に用いたエポキシ系の導電性接着剤(比較例4,5)より良好であった。耐ヒートサイクル性は、抵抗値変化率±0%、剪断接着力の変化率±0%と安定していた。配合および評価結果を表−2に示す。
銀粉A、88部、ポリエステル樹脂a、10.2固形部、レゾール型フェノール樹脂(g)1.8固形部、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.02部、レベリング剤としてポリフローS(共栄社化学(株)製)0.5部、溶剤としてのエチルカルビトールアセテートを配合し、固形分83%に調整した。充分プレミックスした後、チルド3本ロール混練り機で、3回通して分散した。得られた銀ペーストは比抵抗5.5×10-5Ω・cmであった。初期剪断接着力は400N/cm2と良好であった。耐熱性は、抵抗変化率+19%で比較に用いたエポキシ系の導電性接着剤(比較例4,5)より良好であった。耐ヒートサイクル性は、抵抗値変化率±0%、剪断接着力の変化率±0%と安定していた。配合および評価結果を表−2に示す。
実施例.2
実施例.1と同様に表−2に示す配合で、導電性フィラーとして銀粉の他に導電性カーボンブラックであるバルカンXC−72とバルカンVXC−305(いずれもキャボット(株)製)を配合してペーストを作成した。非常に比表面積が大きく、微細なカーボンブラックを配合しても良好な分散性が得られ、固形分濃度83%において410dPa・sと適切な粘度であり、スクリーン印刷やディスペンサーでの作業性も良好であった。また、接着後の初期抵抗(Ro)は55mΩであり、導電性フィラーとして銀粉だけの場合の実施例1より低い値を示した。表−2に示すとおり、その他の物性も良好であった。
実施例.1と同様に表−2に示す配合で、導電性フィラーとして銀粉の他に導電性カーボンブラックであるバルカンXC−72とバルカンVXC−305(いずれもキャボット(株)製)を配合してペーストを作成した。非常に比表面積が大きく、微細なカーボンブラックを配合しても良好な分散性が得られ、固形分濃度83%において410dPa・sと適切な粘度であり、スクリーン印刷やディスペンサーでの作業性も良好であった。また、接着後の初期抵抗(Ro)は55mΩであり、導電性フィラーとして銀粉だけの場合の実施例1より低い値を示した。表−2に示すとおり、その他の物性も良好であった。
実施例.3〜5
実施例.1と同様に表−3に示す配合で評価した。実施例.3では導電性フィラーとしてフレーク状銀粉と微細な球状銀粉の組み合わせを検討したが、フレーク状銀粉単独系の実施例.1より良好な初期抵抗が得られている。実施例.5では、エポキシ変性ポリエステル樹脂をバインダー樹脂に用いた例を示したが、良好な剪断接着力を得た。いずれの実施例も、従来のエポキシ系導電性接着剤の欠点であった、耐ヒートサイクル性も良好であった。結果を表−2に示す。
実施例.1と同様に表−3に示す配合で評価した。実施例.3では導電性フィラーとしてフレーク状銀粉と微細な球状銀粉の組み合わせを検討したが、フレーク状銀粉単独系の実施例.1より良好な初期抵抗が得られている。実施例.5では、エポキシ変性ポリエステル樹脂をバインダー樹脂に用いた例を示したが、良好な剪断接着力を得た。いずれの実施例も、従来のエポキシ系導電性接着剤の欠点であった、耐ヒートサイクル性も良好であった。結果を表−2に示す。
比較例.1〜5
実施例と同様に導電性ペーストを作成した評価した。比較例.1、2では、バインダー樹脂にポリエステル樹脂と硬化剤としてのブロックイソシアネートの組み合わせであるが、耐ヒートサイクル性は良好であるが、初期の剪断接着力が不足しており、耐熱性が著しく不良である。比較例.3は、芳香族ジカルボン酸が50モル%未満の比較ポリエステル樹脂を用いたものであるが、接着力、耐熱性が悪化している。比較例.4は、ビスフェノールAエポキシ樹脂を用いた銀ペーストの例であるが、剪断接着力、耐熱性は比較的良好であるが、耐ヒートサイクル性が不良である。比較例.5はフェノールノボラック型エポキシ樹脂を用いた銀カーボンペーストであるが、導電性接着剤として要求される高固形分化が困難で、粘度が著しく高く、また揺変度も高く作業性が悪い。この例でも耐ヒートサイクル性が不良である。結果を表−4、5に示す。
実施例と同様に導電性ペーストを作成した評価した。比較例.1、2では、バインダー樹脂にポリエステル樹脂と硬化剤としてのブロックイソシアネートの組み合わせであるが、耐ヒートサイクル性は良好であるが、初期の剪断接着力が不足しており、耐熱性が著しく不良である。比較例.3は、芳香族ジカルボン酸が50モル%未満の比較ポリエステル樹脂を用いたものであるが、接着力、耐熱性が悪化している。比較例.4は、ビスフェノールAエポキシ樹脂を用いた銀ペーストの例であるが、剪断接着力、耐熱性は比較的良好であるが、耐ヒートサイクル性が不良である。比較例.5はフェノールノボラック型エポキシ樹脂を用いた銀カーボンペーストであるが、導電性接着剤として要求される高固形分化が困難で、粘度が著しく高く、また揺変度も高く作業性が悪い。この例でも耐ヒートサイクル性が不良である。結果を表−4、5に示す。
本発明の導電性ペーストは、バインダー樹脂として全カルボン酸成分を100モル%とした場合、芳香族ジカルボン酸50モル%以上共重合されたポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)とレゾール型フェノール樹脂(C)を含むことを特徴とする導電性ペーストで、従来両立が困難であった耐熱性と耐ヒートサイクル性に優れ、また、分散性に優れるため導電性カーボンブラックなどの比表面積の高い導電性フィラーを用いた場合でも低粘度で良好な作業性の導電性ペーストが得られる。本発明の導電性ペーストは、リジット基板、ポリイミドなどのフレキシブル基板、PETメンブレン回路などの回路用はもちろんのこと、各種電子部品の導電性接着剤、固体電解コンデンサなどの素子への導電性塗布剤および同素子とリードフレームとの導電性接着剤として好適である。
Claims (4)
- 導電性フィラー(A)をバインダー樹脂に分散させた導電性ペーストにおいて、バインダー樹脂として全カルボン酸成分を100モル%とした場合、芳香族ジカルボン酸が50モル%以上共重合されたポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)とレゾール型フェノール樹脂(C)を含むことを特徴とする導電性ペースト。
- ポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)が、グリコール成分としてエチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、脂環族グリコール、1,4−ブタンジオール及び主鎖の炭素数5〜10の脂肪族グリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を20モル以上共重合されていることを特徴とする請求項1に記載の導電性ペースト。
- ポリエステル樹脂及び/または変性ポリエステル樹脂(B)とレゾール型フェノール樹脂(C)の配合重量比(B)/{(B)+(C)}が0.6以上、0.95以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性ペースト。
- 導電性フィラー(A)が銀粉並びに、カーボンブラック及び/またはグラファイトを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の導電性ペースト。
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2003
- 2003-09-01 JP JP2003308982A patent/JP2005078967A/ja not_active Withdrawn
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