WO2014156345A1 - 導電膜形成用組成物およびこれを用いる導電膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
式(1)で表される繰返し単位を有するポリマーと、酸化銅粒子および/または銅粒子とを含む、比較的低温で焼成しても優れた導電性を示す導電膜を形成することができる導電膜形成用組成物およびこれを用いる導電膜の形成方法が提供される。式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、もしくは置換基を有していてもよいアミノ基を表すか、またはR1とR2とが結合して環を形成してもよい。R3は、水素原子、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、または置換基を有していてもよいアミノ基を表し、Lは2価の連結基を表す。
Description
本発明は導電膜形成用組成物に関する。より詳細には、本発明は、銅粒子および/または酸化銅粒子と、特定の繰返し単位を有するポリマーとを含む導電膜形成用組成物に関する。
基材上に金属膜を形成する方法として、金属粒子または金属酸化物粒子の分散体を印刷法により基材に塗布し、加熱処理して焼結させることによって金属膜や回路基板における配線等の電気的銅通部位を形成する技術が知られている。
上記方法は、従来の高熱・真空プロセス(スパッタ)やめっき処理による配線作製法に比べて、簡便・省エネ・省資源であることから、次世代エレクトロニクス開発において大きな期待を集めている。
上記方法は、従来の高熱・真空プロセス(スパッタ)やめっき処理による配線作製法に比べて、簡便・省エネ・省資源であることから、次世代エレクトロニクス開発において大きな期待を集めている。
より具体的には、特許文献1には、平均粒子径0.5~20μmの銅フィラーと、平均粒子径200nm以下の酸化銅超微粒子と、炭素数10以下の多価アルコールおよび/またはポリエーテル化合物と、分散媒とを含み、銅フィラーと酸化銅超微粒子との含有比率が、酸化銅超微粒子100質量部当たり、銅フィラーが10~1000質量部である導電膜形成用組成物が開示されている。また、特許文献2には、一次粒子径が200nm以下の酸化銅超微粒子と、多価アルコールおよびポリエーテル化合物から選ばれた少なくとも1種の添加剤と、分散媒とを含む導電膜形成用組成物が開示されている。
一方、近年、電子機器の小型化、高機能化の要求に対応するため、プリント配線板などにおいては配線のより一層の微細化および高集積化が進んでいる。また、基材の汎用性やプロセスの省エネルギー化に伴い、比較的低温で焼成しても、基材の上に優れた導電性を示す導電膜を形成できることが要求されている。
本発明者らが、特許文献1および特許文献2に記載された導電膜形成用組成物を用いて導電膜の作製を試みたところ、いずれの場合も、得られた導電膜の導電性は昨今要求されるレベルまで達しておらず、更なる改良が必要であった。
本発明者らが、特許文献1および特許文献2に記載された導電膜形成用組成物を用いて導電膜の作製を試みたところ、いずれの場合も、得られた導電膜の導電性は昨今要求されるレベルまで達しておらず、更なる改良が必要であった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑みて、比較的低温で焼成しても優れた導電性を示す導電膜を形成することができる導電膜形成用組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、この導電膜形成用組成物を用いた導電膜の製造方法を提供することも目的とする。
また、本発明は、この導電膜形成用組成物を用いた導電膜の製造方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、後述する式(1)で表される繰返し単位を有するポリマーを使用することにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 式(1)で表される繰返し単位を有するポリマーと、酸化銅粒子および/または銅粒子とを含む導電膜形成用組成物。
[式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、もしくは置換基を有していてもよいアミノ基を表すか、またはR1とR2とが結合して環を形成してもよい。R3は、水素原子、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、または置換基を有していてもよいアミノ基を表し、Lは2価の連結基を表す。]
(2) ポリマーが、式(i)~式(iv)で表される部分構造のいずれか1つを繰返し単位中に持つ、請求項1に記載の導電膜形成用組成物。
[式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、もしくは置換基を有していてもよいアミノ基を表すか、またはR1とR2とが結合して環を形成してもよく、R3、RおよびR´は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、または置換基を有していてもよいアミノ基を表し、*は他の原子との結合位置を示す。]
(3) R3が水素原子である、(1)または(2)に記載の導電膜形成用組成物。
(4) ポリマーが式(2)で表される部分構造を繰り返し単位中に持つ、(1)~(3)のいずれか1つに記載の導電膜形成用組成物。
[式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、もしくは置換基を有していてもよいアミノ基を表すか、またはR1とR2とが結合して環を形成してもよく、*は他の原子との結合位置を示す。]
(5) R1およびR2が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基である、(1)~(4)のいずれか1つに記載の導電膜形成用組成物。
(6) さらに、溶媒を含む、(1)~(5)のいずれか1つに記載の導電膜形成用組成物。
(7) (6)に記載の導電膜形成用組成物を基材上に付与して、塗膜を形成する塗膜形成工程と、塗膜に対して加熱処理および/または光照射処理を行い、金属銅を含有する導電膜を形成する導電膜形成工程とを備える、導電膜の製造方法。
[式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、もしくは置換基を有していてもよいアミノ基を表すか、またはR1とR2とが結合して環を形成してもよい。R3は、水素原子、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、または置換基を有していてもよいアミノ基を表し、Lは2価の連結基を表す。]
(2) ポリマーが、式(i)~式(iv)で表される部分構造のいずれか1つを繰返し単位中に持つ、請求項1に記載の導電膜形成用組成物。
[式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、もしくは置換基を有していてもよいアミノ基を表すか、またはR1とR2とが結合して環を形成してもよく、R3、RおよびR´は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、または置換基を有していてもよいアミノ基を表し、*は他の原子との結合位置を示す。]
(3) R3が水素原子である、(1)または(2)に記載の導電膜形成用組成物。
(4) ポリマーが式(2)で表される部分構造を繰り返し単位中に持つ、(1)~(3)のいずれか1つに記載の導電膜形成用組成物。
[式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、もしくは置換基を有していてもよいアミノ基を表すか、またはR1とR2とが結合して環を形成してもよく、*は他の原子との結合位置を示す。]
(5) R1およびR2が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基である、(1)~(4)のいずれか1つに記載の導電膜形成用組成物。
(6) さらに、溶媒を含む、(1)~(5)のいずれか1つに記載の導電膜形成用組成物。
(7) (6)に記載の導電膜形成用組成物を基材上に付与して、塗膜を形成する塗膜形成工程と、塗膜に対して加熱処理および/または光照射処理を行い、金属銅を含有する導電膜を形成する導電膜形成工程とを備える、導電膜の製造方法。
本発明によれば、比較的低温で焼成しても優れた導電性を示す導電膜を形成することができる導電膜形成用組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、該導電膜形成用組成物を用いた導電膜の製造方法を提供することもできる。
また、本発明によれば、該導電膜形成用組成物を用いた導電膜の製造方法を提供することもできる。
以下に、本発明の導電膜形成用組成物および導電膜の製造方法の好適態様について詳述する。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
上述したように、本発明の一つの特徴点は、式(1)で表される繰返し単位を有するポリマーを使用する点が挙げられる。このポリマーは潜在性還元剤に該当し、導電膜形成時の加熱処理および/または光照射処理により、300℃以下の比較的低温で分解されて、還元性を有するアルコールを生成する。アルコールは酸化銅粒子または銅粒子表面の酸化銅を金属銅に還元する還元剤として機能し、酸化銅粒子および/または銅粒子に由来する銅粒子の融着が促進される。ポリマーの分解は主鎖の切断によるものであり、例えば、式(1)中の切断位置としては、酸素原子の右側の結合が挙げられる。R1およびR2がいずれも水素原子でないことから、生成するアルコールのβ位の炭素は四級炭素であり、酸化銅の還元によりアルコールが酸化されて生じるアルデヒドの副反応(ポリマー化など)が抑制される。これにより、分解生成物の分子量が小さくなり、揮発効果も高くなるので、加熱処理および/または光照射処理により導電膜中から除去され、残存しない。また、このポリマーはバインダーとしても機能するため、従来のポリマーバインダーに代えて本発明の導電膜形成用組成物に含有することで、酸化銅の還元と有機物の低減を両立することができ、体積抵抗値が低い導電膜を得ることができる。
まず、本発明の従来技術と比較した特徴点について詳述する。
上述したように、本発明の一つの特徴点は、式(1)で表される繰返し単位を有するポリマーを使用する点が挙げられる。このポリマーは潜在性還元剤に該当し、導電膜形成時の加熱処理および/または光照射処理により、300℃以下の比較的低温で分解されて、還元性を有するアルコールを生成する。アルコールは酸化銅粒子または銅粒子表面の酸化銅を金属銅に還元する還元剤として機能し、酸化銅粒子および/または銅粒子に由来する銅粒子の融着が促進される。ポリマーの分解は主鎖の切断によるものであり、例えば、式(1)中の切断位置としては、酸素原子の右側の結合が挙げられる。R1およびR2がいずれも水素原子でないことから、生成するアルコールのβ位の炭素は四級炭素であり、酸化銅の還元によりアルコールが酸化されて生じるアルデヒドの副反応(ポリマー化など)が抑制される。これにより、分解生成物の分子量が小さくなり、揮発効果も高くなるので、加熱処理および/または光照射処理により導電膜中から除去され、残存しない。また、このポリマーはバインダーとしても機能するため、従来のポリマーバインダーに代えて本発明の導電膜形成用組成物に含有することで、酸化銅の還元と有機物の低減を両立することができ、体積抵抗値が低い導電膜を得ることができる。
以下では、まず、導電膜形成用組成物の各種成分(ポリマー、酸化銅粒子、銅粒子など)について詳述し、その後、導電膜の製造方法について詳述する。
(式(1)で表される繰返し単位を有するポリマー)
導電膜形成用組成物に含まれるポリマー(以下、単に「ポリマー」ともいう。)は、式(1)で表される繰り返し単位を含む。
導電膜形成用組成物に含まれるポリマー(以下、単に「ポリマー」ともいう。)は、式(1)で表される繰り返し単位を含む。
式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、もしくは置換基を有していてもよいアミノ基を表すか、またはR1とR2とが結合して環を形成してもよい。
また、式(1)中、R3は、水素原子、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、または置換基を有していてもよいアミノ基を表す。
上記脂肪族炭化水素基としてはアルキル基が好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよい。なかでも、炭素数1~6個の直鎖状または分枝鎖状アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
上記置換基の種類は特に制限されない。例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(-B(OH)2)、ホスファト基(-OPO(OH)2)、スルファト基(-OSO3H)、その他の公知の置換基が挙げられる。なお、置換基は複数含まれていてもよい。
Lは2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくは炭素数1~8、より好ましくは炭素数1~5)、2価の芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6~12)、-O-、-S-、-SO2-、-NH-、-N(R)-(R:アルキル基)、-C(=O)-(カルボニル基)、アミド結合、-C(=O)O-(エステル結合)、-CONH-(ウレタン結合)、アセタール結合、エーテル結合またはこれらを組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。2価の連結基としては、有機基が好ましい。
さらに、Lは置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、上記した置換基が挙げられる。
さらに、Lは置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、上記した置換基が挙げられる。
ポリマーの好適態様としては、式(i)~式(iv)で表される部分構造のいずれか1つを繰り返し単位中に持つものが挙げられる。
式中、R1、R2およびR3は、それぞれ上述したものと同じ意味である。
また、式中、RおよびR´は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、または置換基を有していてもよいアミノ基を表す。
なお、*は他の原子との結合位置を表す。
また、式中、RおよびR´は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、または置換基を有していてもよいアミノ基を表す。
なお、*は他の原子との結合位置を表す。
置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましい。置換基としては上記したものが挙げられる。なかでも、炭素数1~6個の直鎖状または分枝鎖状アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
式(i)で表される部分構造を持つ繰返し単位としては、例えば、式(I)で表されるものや、式(I´)で表されるものが好適なものとして挙げられる。
式(ii)で表される部分構造を持つ繰返し単位としては、例えば、式(II)で表されるものや、式(II´)で表されるものが好適なものとして挙げられる。
式(iii)で表される部分構造を持つ繰返し単位としては、例えば、式(III)で表されるものや、式(III´)で表されるものが好適なものとして挙げられる。
式(iv)で表される部分構造を持つ繰返し単位としては、例えば、式(IV)で表されるものや、式(IV´)で表されるものが好適なものとして挙げられる。
式(I)~式(IV)および式(I´)~式(IV´)中、R1~R3、RおよびR´は、それぞれ上記したものと同じ意味である。
また、式中、L1およびL2は、それぞれ独立に、2価の連結基であり、例えば、上述した2価の連結基を使用することができる。
また、式中、L1およびL2は、それぞれ独立に、2価の連結基であり、例えば、上述した2価の連結基を使用することができる。
式(1)で表される繰り返し単位の好適態様としては、式(2)で表される部分構造を持つものが挙げられる。
式中、R1およびR2は、それぞれ上記したものと同じ意味である。
なお、*は他の原子との結合位置を表す。
なお、*は他の原子との結合位置を表す。
ポリマーの質量平均分子量は特に制限されないが、反応速度(焼結時間)を高める観点からは低分子量が良く、導電膜形成用組成物の基材塗布性を高める観点からは高分子量が良いため、500~1000000が好ましく、1000~100000がより好ましい。
なお、重量平均分子量の測定方法としては、東ソー社製ゲル透過クロマトグラフ(GPC)を用いて、N-メチルピロリドンを溶媒としてポリスチレン換算で測定する。
なお、重量平均分子量の測定方法としては、東ソー社製ゲル透過クロマトグラフ(GPC)を用いて、N-メチルピロリドンを溶媒としてポリスチレン換算で測定する。
ポリマーの製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、所望の繰り返し単位を形成するモノマーを用いて、ラジカル重合、カチオン重合またはアニオン重合を行うことにより、所望のポリマーを得ることができる。
なお、各重合様式においては、必要に応じて各種開始剤(例えば、ラジカル重合開始剤など)を使用することができる。
なお、各重合様式においては、必要に応じて各種開始剤(例えば、ラジカル重合開始剤など)を使用することができる。
(酸化銅粒子および/または銅粒子)
導電膜形成用組成物には、酸化銅粒子および/または銅粒子が含まれる。
本発明における「酸化銅」とは、酸化されていない銅を実質的に含まない化合物であり、具体的には、X線回折による結晶解析において、酸化銅由来のピークが検出され、かつ金属由来のピークが検出されない化合物のことを指す。銅を実質的に含まないとは、銅の含有量が酸化銅粒子の全質量中、1質量%以下であることをいう。
導電膜形成用組成物には、酸化銅粒子および/または銅粒子が含まれる。
本発明における「酸化銅」とは、酸化されていない銅を実質的に含まない化合物であり、具体的には、X線回折による結晶解析において、酸化銅由来のピークが検出され、かつ金属由来のピークが検出されない化合物のことを指す。銅を実質的に含まないとは、銅の含有量が酸化銅粒子の全質量中、1質量%以下であることをいう。
酸化銅としては、酸化銅(I)または酸化銅(II)が好ましく、安価に入手可能であること、低抵抗であることから酸化銅(II)であることが更に好ましい。
酸化銅粒子の平均粒子径は、特に制限されないが、100nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。下限も特に制限されないが、1nm以上が好ましい。
平均粒子径が1nm以上であれば、粒子表面の活性が高くなりすぎず、組成物中で分散が容易となり、取扱い性、保存性に優れるため好ましい。また、平均粒子径が100nm以下であれば、組成物をインクジェット用インク組成物として用い、印刷法により配線等のパターン形成を行うことが容易となる。また組成物を導体化する際に、活性面が広がるため金属銅への還元が起こりやすく、得られる導電膜の導電性が良好であるため好ましい。
平均粒子径が1nm以上であれば、粒子表面の活性が高くなりすぎず、組成物中で分散が容易となり、取扱い性、保存性に優れるため好ましい。また、平均粒子径が100nm以下であれば、組成物をインクジェット用インク組成物として用い、印刷法により配線等のパターン形成を行うことが容易となる。また組成物を導体化する際に、活性面が広がるため金属銅への還元が起こりやすく、得られる導電膜の導電性が良好であるため好ましい。
酸化銅粒子としては、例えば、関東化学社製のCuOナノ粒子、シグマ・アルドリッチ社製のCuOナノ粒子等を好ましく使用することができる。
銅粒子の平均粒子径は、特に制限されないが、10.0μm以下が好ましく、5.0μm以下がより好ましく、1.5μm以下がさらに好ましい。下限も特に制限されないが、0.1μm以上が好ましい。
平均粒子径が0.1μm以上であれば、導電膜形成用組成物の流動特性が良好となるため好ましい。また、平均粒子径が5.0μm以下であれば、微細配線が作製しやすくなるため好ましい。
平均粒子径が0.1μm以上であれば、導電膜形成用組成物の流動特性が良好となるため好ましい。また、平均粒子径が5.0μm以下であれば、微細配線が作製しやすくなるため好ましい。
銅粒子としては導電膜形成用組成物に用いられる公知の金属銅粒子が挙げられる。銅粒子の表面は通常、酸化銅に被覆された状態となっているため、上記ポリマーが分解して発生したアルコールによって還元されて生じる金属銅が銅粒子間の融着を促進する。
なお、本発明における平均粒子径は、平均一次粒径のことを指す。平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察または走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、少なくとも50個以上の酸化銅粒子または銅粒子の粒子径(直径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、観察図中、酸化銅粒子または銅粒子の形状が真円状でない場合、長径を直径として測定する。
(溶媒)
導電膜形成用組成物は、溶媒を含んでもよい。酸化銅粒子および/または銅粒子の分散媒として機能する。
溶媒の種類は特に制限されないが、例えば、水や、アルコール類、エーテル類、エステル類などの有機溶媒などを使用することができる。なかでも、ポリマーならびに酸化銅粒子および/または銅粒子との相溶性がより優れる点から、水、1~3価のヒドロキシル基を有する脂肪族アルコール、この脂肪族アルコール由来のアルキルエーテル、この脂肪族アルコール由来のアルキルエステル、またはこれらの混合物が好ましく用いられる。
導電膜形成用組成物は、溶媒を含んでもよい。酸化銅粒子および/または銅粒子の分散媒として機能する。
溶媒の種類は特に制限されないが、例えば、水や、アルコール類、エーテル類、エステル類などの有機溶媒などを使用することができる。なかでも、ポリマーならびに酸化銅粒子および/または銅粒子との相溶性がより優れる点から、水、1~3価のヒドロキシル基を有する脂肪族アルコール、この脂肪族アルコール由来のアルキルエーテル、この脂肪族アルコール由来のアルキルエステル、またはこれらの混合物が好ましく用いられる。
溶媒として、水を用いる場合には、イオン交換水のレベルの純度を有するものが好ましい。
1~3価のヒドロキシル基を有する脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、シクロヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、グリシドール、メチルシクロヘキサノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール、4-メチル-2-ペンタノール、イソプロピルアルコール、2-エチルブタノール、2-エチルヘキサノール、2-オクタノール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-n-ブトキシエタノール、カルビトール、エチルカルビトール、n-ブチルカルビトール、ジアセトンアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、へキシレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
なかでも、1~3価のヒドロキシル基を有する炭素数1~6の脂肪族アルコールは、沸点が高すぎず導電膜形成後に残存しにくいこと、上記ビニル系ポリマーおよび酸化銅粒子の相溶性を図りやすいことから好ましく、具体的には、メタノール、エチレングリコール、グリセリン、2-メトキシエタノール、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコールがより好ましい。
1~3価のヒドロキシル基を有する脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、シクロヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、グリシドール、メチルシクロヘキサノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール、4-メチル-2-ペンタノール、イソプロピルアルコール、2-エチルブタノール、2-エチルヘキサノール、2-オクタノール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-n-ブトキシエタノール、カルビトール、エチルカルビトール、n-ブチルカルビトール、ジアセトンアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、へキシレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
なかでも、1~3価のヒドロキシル基を有する炭素数1~6の脂肪族アルコールは、沸点が高すぎず導電膜形成後に残存しにくいこと、上記ビニル系ポリマーおよび酸化銅粒子の相溶性を図りやすいことから好ましく、具体的には、メタノール、エチレングリコール、グリセリン、2-メトキシエタノール、ジエチレングリコール、イソプロピルアルコールがより好ましい。
エーテル類としては、上記アルコール由来のアルキルエーテルが挙げられ、ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジブチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、メチルシクロヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン等が例示される。なかでも、1~3価のヒドロキシル基を有する炭素数1~4の脂肪族アルコール由来の炭素数2~8のアルキルエーテルが好ましく、具体的には、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランがより好ましい。
エステル類としては、上記アルコール由来のアルキルエステルが挙げられ、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ-ブチロラクトン等が例示される。なかでも、1~3価のヒドロキシル基を有する炭素数1~4の脂肪族アルコール由来の炭素数2~8のアルキルエステルが好ましく、具体的には、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチルがより好ましい。
上記溶媒の中でも、沸点が高すぎないことから、特に水を主溶媒として用いることが好ましい。主溶媒とは、溶媒の中で含有率が最も多い溶媒である。
(その他成分)
導電膜形成用組成物には、ポリマー、酸化銅粒子および/または銅粒子、ならびに溶媒以外にも他の成分が含まれていてもよい。
例えば、導電膜形成用組成物には、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤は、酸化銅粒子の分散性を向上させる役割を果たす。界面活性剤の種類は特に制限されず、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これら界面活性剤は、1種を単独、または2種以上を混合して用いることができる。
導電膜形成用組成物には、ポリマー、酸化銅粒子および/または銅粒子、ならびに溶媒以外にも他の成分が含まれていてもよい。
例えば、導電膜形成用組成物には、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤は、酸化銅粒子の分散性を向上させる役割を果たす。界面活性剤の種類は特に制限されず、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これら界面活性剤は、1種を単独、または2種以上を混合して用いることができる。
[導電膜形成用組成物]
導電膜形成用組成物には、上述した式(1)で表される繰返し単位を有するポリマー(以下、単に「ポリマー」という。)と、酸化銅粒子および/または銅粒子とが含まれる。
導電膜形成用組成物には、上述した式(1)で表される繰返し単位を有するポリマー(以下、単に「ポリマー」という。)と、酸化銅粒子および/または銅粒子とが含まれる。
導電膜形成用組成物中におけるポリマーの含有量は、特に限定されないが、導電性により優れる導電膜が得られる点から、ポリマーの全質量は、組成物全質量に対して、1~50質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましい。
導電膜形成用組成物中における酸化銅粒子および銅粒子の含有量は特に制限されないが、導電特性により優れる十分な膜厚の導電膜が得られると共に、粘度の上昇が抑制され、組成物をインクジェット用インク組成物として用いることができる点から、酸化銅粒子および銅粒子の合計質量は、組成物全質量に対して、5~75質量%が好ましく、10~60質量%がより好ましい。
導電膜形成用組成物中における、酸化銅粒子および銅粒子の合計質量に対する、ポリマーの全質量の割合〔(ポリマーの全質量/酸化銅粒子および銅粒子の合計質量)×100〕は、特に制限されないが、導電特性により優れる導電膜が得られる点から、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。なお、下限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、5質量%以上が好ましい。
導電膜形成用組成物が溶媒を含む場合、溶媒の含有量は、特に限定されないが、粘度の上昇が抑制され、取扱い性により優れる点から、組成物全質量に対して、5~90質量%が好ましく、15~70質量%がより好ましい。
導電膜形成用組成物中に界面活性剤が含まれる場合、界面活性剤の含有量は特に制限されないが、塗布性向上の点から、組成物全質量に対して、0.0001~1質量%が好ましく、0.001~0.1質量%がより好ましい。
導電膜形成用組成物の粘度は、インクジェット、スクリーン印刷等の印刷用途に適するような粘度に調整させることが好ましい。インクジェット吐出を行う場合、1~50cPが好ましく、1~40cPがより好ましい。スクリーン印刷を行う場合は、1000~100000cPが好ましく、10000~80000cPがより好ましい。
導電膜形成用組成物の調製方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、溶媒中に酸化銅粒子および/または銅粒子と、ポリマーとを添加した後、超音波法(例えば、超音波ホモジナイザーによる処理)、ミキサー法、3本ロール法、ボールミル法などの公知の手段により成分を分散させることによって、組成物を得ることができる。
[導電膜の製造方法]
本発明の導電膜の製造方法は、少なくとも塗膜形成工程と導電膜形成工程とを有する。以下に、それぞれの工程について詳述する。
本発明の導電膜の製造方法は、少なくとも塗膜形成工程と導電膜形成工程とを有する。以下に、それぞれの工程について詳述する。
(塗膜形成工程)
本工程は、上述した導電膜形成用組成物を基材上に付与して、塗膜を形成する工程である。本工程により焼成処理が施される前の前駆体膜が得られる。
使用される導電膜形成用組成物については、上述の通りである。
本工程は、上述した導電膜形成用組成物を基材上に付与して、塗膜を形成する工程である。本工程により焼成処理が施される前の前駆体膜が得られる。
使用される導電膜形成用組成物については、上述の通りである。
本工程で使用される基材としては、公知のものを用いることができる。基材に使用される材料としては、例えば、樹脂、紙、ガラス、石英、シリコン系半導体、化合物半導体、金属酸化物、金属窒化物、木材、またはこれらの複合物が挙げられる。
より具体的には、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、ポリアセタール樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、セルロース誘導体等の樹脂基材;非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙(アート紙、コート紙)、特殊印刷用紙、コピー用紙(PPC用紙)、未晒包装紙(重袋用両更クラフト紙、両更クラフト紙)、晒包装紙(晒クラフト紙、純白ロール紙)、コートボール、チップボール、段ボール等の紙基材;ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカガラス、石英ガラス等のガラス基材;アモルファスシリコン、ポリシリコン等のシリコン系半導体基材;CdS、CdTe、GaAs等の化合物半導体基材;銅板、鉄板、アルミ板等の金属基材;アルミナ、サファイア、ジルコニア、チタニア、酸化イットリウム、酸化インジウム、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、ネサ(酸化錫)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛、窒化アルミニウム基材、炭化ケイ素等のその他無機基材;紙-フェノール樹脂、紙-エポキシ樹脂、紙-ポリエステル樹脂等の紙-樹脂複合物、ガラス布-エポキシ樹脂、ガラス布-ポリイミド系樹脂、ガラス布-フッ素樹脂等のガラス-樹脂複合物等の複合基材等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂基材、ポリエーテルイミド樹脂基材、紙基材、ガラス基材が好ましく使用される。
より具体的には、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、ポリアセタール樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、セルロース誘導体等の樹脂基材;非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙(アート紙、コート紙)、特殊印刷用紙、コピー用紙(PPC用紙)、未晒包装紙(重袋用両更クラフト紙、両更クラフト紙)、晒包装紙(晒クラフト紙、純白ロール紙)、コートボール、チップボール、段ボール等の紙基材;ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、シリカガラス、石英ガラス等のガラス基材;アモルファスシリコン、ポリシリコン等のシリコン系半導体基材;CdS、CdTe、GaAs等の化合物半導体基材;銅板、鉄板、アルミ板等の金属基材;アルミナ、サファイア、ジルコニア、チタニア、酸化イットリウム、酸化インジウム、ITO(インジウム錫酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、ネサ(酸化錫)、ATO(アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛、窒化アルミニウム基材、炭化ケイ素等のその他無機基材;紙-フェノール樹脂、紙-エポキシ樹脂、紙-ポリエステル樹脂等の紙-樹脂複合物、ガラス布-エポキシ樹脂、ガラス布-ポリイミド系樹脂、ガラス布-フッ素樹脂等のガラス-樹脂複合物等の複合基材等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂基材、ポリエーテルイミド樹脂基材、紙基材、ガラス基材が好ましく使用される。
導電膜形成用組成物を基材上に付与する方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。例えば、バーコーター法、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、スプレー塗布法、スピンコーティング法、インクジェット法などの塗布法が挙げられる。
塗布の形状は特に制限されず、基材全面を覆う面状であっても、パターン状(例えば、配線状、ドット状)であってもよい。
基材上への導電膜形成用組成物の塗布量としては、所望する導電膜の膜厚に応じて適宜調整すればよいが、通常、塗膜の膜厚は0.01~5000μmが好ましく、0.1~1000μmがより好ましい。
塗布の形状は特に制限されず、基材全面を覆う面状であっても、パターン状(例えば、配線状、ドット状)であってもよい。
基材上への導電膜形成用組成物の塗布量としては、所望する導電膜の膜厚に応じて適宜調整すればよいが、通常、塗膜の膜厚は0.01~5000μmが好ましく、0.1~1000μmがより好ましい。
本工程においては、必要に応じて、導電膜形成用組成物を基材へ塗布した後に乾燥処理を行い、溶媒を除去してもよい。残存する溶媒を除去することにより、後述する導電膜形成工程において、溶媒の気化膨張に起因する微小なクラックや空隙の発生を抑制することができ、導電膜の導電性および導電膜と基材との密着性の点で好ましい。
乾燥処理の方法としては温風乾燥機などを用いることができ、温度としては、酸化銅粒子の還元が生じないような温度が好ましく、40℃~200℃で加熱処理を行なうことが好ましく、50℃以上150℃未満で加熱処理を行なうことがより好ましく、70℃~120℃で加熱処理を行うことがさらに好ましい。
(導電膜形成工程)
本工程は、上記塗膜形成工程で形成された塗膜に対して加熱処理および/または光照射処理を行い、酸化銅粒子中の酸化銅および/または銅粒子表面の酸化銅を還元して、金属銅を含有する導電膜を形成する工程である。
本工程は、上記塗膜形成工程で形成された塗膜に対して加熱処理および/または光照射処理を行い、酸化銅粒子中の酸化銅および/または銅粒子表面の酸化銅を還元して、金属銅を含有する導電膜を形成する工程である。
加熱処理および/または光照射処理を行うことにより、上記ポリマーが分解して生成するアルコールが酸化銅粒子の酸化銅および/または銅粒子表面の酸化銅に対して還元剤として働き、酸化銅が還元され、さらに焼結されて金属銅が得られる。より具体的には、上記処理を施すことにより、塗膜中の金属銅粒子同士が互いに融着してグレインを形成し、さらにグレイン同士が接着・融着して銅膜を形成する。
加熱処理の条件は、使用されるポリマーの種類によって適宜最適な条件が選択される。なかでも、短時間で、導電性により優れる導電膜を形成することができる点で、加熱温度は100~300℃が好ましく、150~250℃がより好ましく、また、加熱時間は5~120分が好ましく、10~60分がより好ましい。なお、加熱手段は特に制限されず、オーブン、ホットプレート等公知の加熱手段を用いることができる。
本発明では、300℃以下の比較的低温での加熱処理により導電膜の形成が可能であり、従って、プロセスコストが安いという利点を有する。
光照射処理は、上述した加熱処理とは異なり、室温にて塗膜が付与された部分に対して光を短時間照射することで酸化銅の還元および焼結が可能となり、長時間の加熱による基材の劣化が起こらず、導電膜の基材との密着性がより良好となる。なお、光照射した際には、酸化銅粒子が光を吸収して、熱に変換し、その熱によってポリマーが分解してアルコールが発生し、還元作用を生じるようになると共に、形成された金属銅同士の融着が進行する。
光照射処理で使用される光源は特に制限されず、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。また、g線、i線、Deep-UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。具体的な態様としては、赤外線レーザーによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光、赤外線ランプ露光などが好適に挙げられる。
光照射は、フラッシュランプによる光照射が好ましく、フラッシュランプによるパルス光照射であることがより好ましい。高エネルギーのパルス光の照射は、塗膜を付与した部分の表面を、極めて短い時間で集中して加熱することができるため、基材への熱の影響を極めて小さくすることができる。
パルス光の照射エネルギーとしては、1~100J/cm2が好ましく、1~30J/cm2がより好ましく、パルス幅としては1μ秒~100m秒が好ましく、10μ秒~10m秒がより好ましい。パルス光の照射時間は、1~100m秒が好ましく、1~50m秒がより好ましく、1~20m秒が更に好ましい。
上記加熱処理および光照射処理は、単独で実施してもよく、両者を同時に実施してもよい。また、一方の処理を施した後、さらに他方の処理を施してもよい。
上記加熱処理および光照射処理を実施する雰囲気は特に制限されず、大気雰囲気下、不活性雰囲気下、または還元性雰囲気下などが挙げられる。なお、不活性雰囲気とは、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素等の不活性ガスで満たされた雰囲気であり、また、還元性雰囲気とは、水素、一酸化炭素等の還元性ガスが存在する雰囲気を指す。
(導電膜)
上記工程を実施することにより、金属銅を含有する導電膜(金属銅膜)が得られる。
導電膜の膜厚は特に制限されず、使用される用途に応じて適宜最適な膜厚が調整される。なかでも、プリント配線基板用途の点からは、0.01~1000μmが好ましく、0.1~100μmがより好ましい。なお、膜厚は、導電膜の任意の点における厚みを3箇所以上測定し、その値を算術平均して得られる値(平均値)である。
上記工程を実施することにより、金属銅を含有する導電膜(金属銅膜)が得られる。
導電膜の膜厚は特に制限されず、使用される用途に応じて適宜最適な膜厚が調整される。なかでも、プリント配線基板用途の点からは、0.01~1000μmが好ましく、0.1~100μmがより好ましい。なお、膜厚は、導電膜の任意の点における厚みを3箇所以上測定し、その値を算術平均して得られる値(平均値)である。
導電膜の体積抵抗値は、導電特性の点から、1×10-2Ωcm以下が好ましく、1×10-3Ωcm以下がより好ましく、5×10-4Ωcm以下がさらに好ましい。
体積抵抗値は、導電膜の表面抵抗値を四探針法にて測定後、得られた表面抵抗値に膜厚を乗算することで算出することができる。
体積抵抗値は、導電膜の表面抵抗値を四探針法にて測定後、得られた表面抵抗値に膜厚を乗算することで算出することができる。
導電膜は基材の全面、または、パターン状に設けられてもよい。パターン状の導電膜は、プリント配線基板などの導体配線(配線)として有用である。
パターン状の導電膜を得る方法としては、上記導電膜形成用組成物をパターン状に基材に付与して、上記加熱処理および/または光照射処理を行う方法や、基材全面に設けられた導電膜をパターン状にエッチングする方法などが挙げられる。エッチングの方法は特に制限されず、公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを採用できる。
パターン状の導電膜を多層配線基板として構成する場合、パターン状の導電膜の表面に、さらに絶縁層(絶縁樹脂層、層間絶縁膜、ソルダーレジスト)を積層して、その表面にさらなる配線(金属パターン)を形成してもよい。
絶縁膜の材料は特に制限されないが、例えば、エポキシ樹脂、アラミド樹脂、結晶性ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、フッ素含有樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、全フッ素化ポリイミド、全フッ素化アモルファス樹脂など)、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶樹脂など挙げられる。これらの中でも、密着性、寸法安定性、耐熱性、電気絶縁性等の観点から、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、または液晶樹脂を含有するものであることが好ましく、より好ましくはエポキシ樹脂である。具体的には、味の素ファインテクノ(株)製、ABF GX-13などが挙げられる。
また、配線保護のために用いられる絶縁層の材料の一種であるソルダーレジストについては、例えば、特開平10-204150号公報や、特開2003-222993号公報等に詳細に記載され、ここに記載の材料を所望により本発明にも適用することができる。ソルダーレジストは市販品を用いてもよく、具体的には、例えば、太陽インキ製造(株)製PFR800、PSR4000(商品名)、日立化成工業(株)製 SR7200G、などが挙げられる。
上記で得られた導電膜を有する基材(導電膜付き基材)は、種々の用途に使用することができる。例えば、プリント配線基板、TFT、FPC、RFIDなどが挙げられる。
[ポリマーの合成]
(ポリマー合成例1)
1,1,3,3-テトラメトキシプロパン(10質量部)に対し、塩化アセチル(12質量部)および塩化チオニル(0.3質量部)を加え、50℃で4時間加熱した。反応終了をNMRで確認し、濃縮して、中間体1を得た。
2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(100質量部)と、トリエチルアミン(102質量部)と、テトラヒドロフラン(300質量部)とを含む溶液を氷浴につけ、そこに中間体1(166質量部)とテトラヒドロフラン(30質量部)とを含む溶液を滴下した。室温で4時間撹拌した後、蒸留水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を濃縮してポリマーAを得た。得られたポリマーの質量平均分子量(Mw)は2100であった。なお、質量平均分子量は東ソー社製ゲル透過クロマトグラフ(GPC)を用いて、N-メチルピロリドンを溶媒としてポリスチレン換算で測定した。
(ポリマー合成例1)
1,1,3,3-テトラメトキシプロパン(10質量部)に対し、塩化アセチル(12質量部)および塩化チオニル(0.3質量部)を加え、50℃で4時間加熱した。反応終了をNMRで確認し、濃縮して、中間体1を得た。
2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(100質量部)と、トリエチルアミン(102質量部)と、テトラヒドロフラン(300質量部)とを含む溶液を氷浴につけ、そこに中間体1(166質量部)とテトラヒドロフラン(30質量部)とを含む溶液を滴下した。室温で4時間撹拌した後、蒸留水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を濃縮してポリマーAを得た。得られたポリマーの質量平均分子量(Mw)は2100であった。なお、質量平均分子量は東ソー社製ゲル透過クロマトグラフ(GPC)を用いて、N-メチルピロリドンを溶媒としてポリスチレン換算で測定した。
(ポリマー合成例2)
ジエチレングリコールジビニルエーテル(30質量部)と、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(46質量部)と、テトラヒドロフラン(300質量部)とを含む溶液を0℃に冷却した。カンファースルホン酸(0.7質量部)を加え、室温で24時間撹拌した。撹拌後、トリエチルアミン(10質量部)を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を濃縮してポリマーBを得た。得られたポリマーの質量平均分子量(Mw)は5500であった。なお、質量平均分子量は東ソー社製ゲル透過クロマトグラフ(GPC)を用いて、N-メチルピロリドンを溶媒としてポリスチレン換算で測定した。
ジエチレングリコールジビニルエーテル(30質量部)と、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(46質量部)と、テトラヒドロフラン(300質量部)とを含む溶液を0℃に冷却した。カンファースルホン酸(0.7質量部)を加え、室温で24時間撹拌した。撹拌後、トリエチルアミン(10質量部)を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を濃縮してポリマーBを得た。得られたポリマーの質量平均分子量(Mw)は5500であった。なお、質量平均分子量は東ソー社製ゲル透過クロマトグラフ(GPC)を用いて、N-メチルピロリドンを溶媒としてポリスチレン換算で測定した。
(ポリマー合成例3)
トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(21質量部)と、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール(13質量部)と、N-メチルピロリドン(80質量部)とを含む溶液にネオスタンU-600(0.1質量部)を加え、70℃で6時間加熱した。反応溶液を純水で再沈殿し、ポリマーCを得た。得られたポリマーの質量平均分子量(Mw)は13000であった。なお、質量平均分子量は東ソー社製ゲル透過クロマトグラフ(GPC)を用いて、N-メチルピロリドンを溶媒としてポリスチレン換算で測定した。
トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート(21質量部)と、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール(13質量部)と、N-メチルピロリドン(80質量部)とを含む溶液にネオスタンU-600(0.1質量部)を加え、70℃で6時間加熱した。反応溶液を純水で再沈殿し、ポリマーCを得た。得られたポリマーの質量平均分子量(Mw)は13000であった。なお、質量平均分子量は東ソー社製ゲル透過クロマトグラフ(GPC)を用いて、N-メチルピロリドンを溶媒としてポリスチレン換算で測定した。
(ポリマー合成例4)
2,2,3,3-テトラメチルブタンジオール(49質量部)と、パラホルムアルデヒド(11質量部)と、フェニルナフチルアミン(0.02質量部)と、パラトルエンスルホン酸(0.05質量部)とを混合し、130℃に加熱しながらディーン・スターク管で水を除去した。水の発生が止まった後、酢酸エチルで抽出し、得られた粗生成物を減圧蒸留により精製して中間体Dを得た。
中間体D(50質量部)に対し、トリエチルオキソニウムテトラフルオロボラート(0.05質量部)を加え、室温で4時間撹拌した。撹拌後、反応液を、水酸化ナトリウムを含むメタノール溶液に加え、生じた沈殿をメタノールで洗浄して、ポリマーDを得た。得られたポリマーの質量平均分子量(Mw)は74000であった。なお、質量平均分子量は東ソー社製ゲル透過クロマトグラフ(GPC)を用いて、N-メチルピロリドンを溶媒としてポリスチレン換算で測定した。
2,2,3,3-テトラメチルブタンジオール(49質量部)と、パラホルムアルデヒド(11質量部)と、フェニルナフチルアミン(0.02質量部)と、パラトルエンスルホン酸(0.05質量部)とを混合し、130℃に加熱しながらディーン・スターク管で水を除去した。水の発生が止まった後、酢酸エチルで抽出し、得られた粗生成物を減圧蒸留により精製して中間体Dを得た。
中間体D(50質量部)に対し、トリエチルオキソニウムテトラフルオロボラート(0.05質量部)を加え、室温で4時間撹拌した。撹拌後、反応液を、水酸化ナトリウムを含むメタノール溶液に加え、生じた沈殿をメタノールで洗浄して、ポリマーDを得た。得られたポリマーの質量平均分子量(Mw)は74000であった。なお、質量平均分子量は東ソー社製ゲル透過クロマトグラフ(GPC)を用いて、N-メチルピロリドンを溶媒としてポリスチレン換算で測定した。
(ポリマー合成例5)
2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(21質量部)と、ジエチルカルボナート(24質量部)と、ナトリウムメトキシド(0.05質量部)とを混合し、90℃に加熱して、生成したエタノールを留去した。エタノールの発生が止まった後、減圧下200℃で1時間加熱し、ポリマーEを得た。得られたポリマーの質量平均分子量(Mw)は15000であった。なお、質量平均分子量は東ソー社製ゲル透過クロマトグラフ(GPC)を用いて、N-メチルピロリドンを溶媒としてポリスチレン換算で測定した。
2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(21質量部)と、ジエチルカルボナート(24質量部)と、ナトリウムメトキシド(0.05質量部)とを混合し、90℃に加熱して、生成したエタノールを留去した。エタノールの発生が止まった後、減圧下200℃で1時間加熱し、ポリマーEを得た。得られたポリマーの質量平均分子量(Mw)は15000であった。なお、質量平均分子量は東ソー社製ゲル透過クロマトグラフ(GPC)を用いて、N-メチルピロリドンを溶媒としてポリスチレン換算で測定した。
[導電膜形成用組成物の調製および導電膜の製造と導電性評価]
〈実施例1〉
CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm、粒径分布27~95nm)(100質量部)と、ポリマー合成例1で合成したポリマーA(24質量部)と、ジエチレングリコール(40質量部)と、純水(36質量部)とを混合し、練太郎(2200rpm、3分)で分散させ、導電膜形成用組成物(以下「組成物1」という。)を調製した。
調製した組成物1を、40μmギャップの塗布バーを用いて、石英基板上に塗布した。100℃で10分間加熱乾燥した後、アルゴン雰囲気下、焼結温度200℃で1時間焼成し、基材上に導電膜(以下「導電膜1」という。)を形成した。
形成した導電膜1の体積抵抗値を、四探針法抵抗率計を用いて測定したところ、8.5×10-4Ω・cmであった。
〈実施例1〉
CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm、粒径分布27~95nm)(100質量部)と、ポリマー合成例1で合成したポリマーA(24質量部)と、ジエチレングリコール(40質量部)と、純水(36質量部)とを混合し、練太郎(2200rpm、3分)で分散させ、導電膜形成用組成物(以下「組成物1」という。)を調製した。
調製した組成物1を、40μmギャップの塗布バーを用いて、石英基板上に塗布した。100℃で10分間加熱乾燥した後、アルゴン雰囲気下、焼結温度200℃で1時間焼成し、基材上に導電膜(以下「導電膜1」という。)を形成した。
形成した導電膜1の体積抵抗値を、四探針法抵抗率計を用いて測定したところ、8.5×10-4Ω・cmであった。
〈実施例2〉
焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例1と同様にして、基材上に導電膜2を形成し、導電膜2の体積抵抗値を測定したところ、4.3×10-4Ω・cmであった。
焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例1と同様にして、基材上に導電膜2を形成し、導電膜2の体積抵抗値を測定したところ、4.3×10-4Ω・cmであった。
〈実施例3〉
焼結温度を200℃から300℃に変更した点を除き、実施例1と同様にして、基材上に導電膜3を形成し、導電膜3の体積抵抗値を測定したところ、2.8×10-5Ω・cmであった。
焼結温度を200℃から300℃に変更した点を除き、実施例1と同様にして、基材上に導電膜3を形成し、導電膜3の体積抵抗値を測定したところ、2.8×10-5Ω・cmであった。
〈実施例4〉
CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、Cu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(100質量部)を使用した点を除き、実施例1と同様にして組成物4を調製した。調製した組成物4を組成物1の代わりに用いて、基材上に導電膜4を形成した。形成した導電膜4の体積抵抗値を測定したところ、3.4×10-4Ω・cmであった。
CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、Cu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(100質量部)を使用した点を除き、実施例1と同様にして組成物4を調製した。調製した組成物4を組成物1の代わりに用いて、基材上に導電膜4を形成した。形成した導電膜4の体積抵抗値を測定したところ、3.4×10-4Ω・cmであった。
〈実施例5〉
焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例4と同様にして、基材上に導電膜5を形成した。形成した導電膜5の体積抵抗値を測定したところ、8.8×10-5Ω・cmであった。
焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例4と同様にして、基材上に導電膜5を形成した。形成した導電膜5の体積抵抗値を測定したところ、8.8×10-5Ω・cmであった。
〈実施例6〉
焼結温度を200℃から300℃に変更した点を除き、実施例4と同様にして基材上に導電膜6を形成した。形成した導電膜6の体積抵抗値を測定したところ、3.2×10-5Ω・cmであった。
焼結温度を200℃から300℃に変更した点を除き、実施例4と同様にして基材上に導電膜6を形成した。形成した導電膜6の体積抵抗値を測定したところ、3.2×10-5Ω・cmであった。
〈実施例7〉
CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(50質量部)およびCu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(50質量部)を配合した点を除き、実施例1と同様にして組成物7を調製した。調製した組成物7を組成物1の代わりに用いて、実施例1と同様にして、基材上に導電膜7を形成した。形成した導電膜7の体積抵抗値を測定したところ、5.5×10-5Ω・cmであった。
CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(50質量部)およびCu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(50質量部)を配合した点を除き、実施例1と同様にして組成物7を調製した。調製した組成物7を組成物1の代わりに用いて、実施例1と同様にして、基材上に導電膜7を形成した。形成した導電膜7の体積抵抗値を測定したところ、5.5×10-5Ω・cmであった。
〈実施例8〉
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリマー合成例2で合成したポリマーB(24質量部)を使用した点を除いて実施例1と同様にして組成物8を調製した。調製した組成物8を組成物1の代わりに用いて、焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例1と同様にして、基材上に導電膜8を形成した。形成した導電膜8の体積抵抗値を測定したところ、5.7×10-4Ω・cmであった。
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリマー合成例2で合成したポリマーB(24質量部)を使用した点を除いて実施例1と同様にして組成物8を調製した。調製した組成物8を組成物1の代わりに用いて、焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例1と同様にして、基材上に導電膜8を形成した。形成した導電膜8の体積抵抗値を測定したところ、5.7×10-4Ω・cmであった。
〈実施例9〉
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリマー合成例2で合成したポリマーB(24質量部)を使用した点、およびCuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、Cu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(100質量部)を使用した点を除き、実施例1と同様にして組成物9を調製した。組成物1の代わりに調製した組成物9を用いて、実施例1と同様にして、基材上に導電膜9を形成した。形成した導電膜9の体積抵抗値を測定したところ、4.7×10-4Ω・cmであった。
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリマー合成例2で合成したポリマーB(24質量部)を使用した点、およびCuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、Cu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(100質量部)を使用した点を除き、実施例1と同様にして組成物9を調製した。組成物1の代わりに調製した組成物9を用いて、実施例1と同様にして、基材上に導電膜9を形成した。形成した導電膜9の体積抵抗値を測定したところ、4.7×10-4Ω・cmであった。
〈実施例10〉
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリマー合成例3で合成したポリマーC(24質量部)を使用した点を除いて実施例1と同様にして組成物10を調製した。調製した組成物10を組成物1の代わりに用いて、焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例1と同様にして、基材上に導電膜10を形成した。形成した導電膜10の体積抵抗値を測定したところ、4.0×10-3Ω・cmであった。
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリマー合成例3で合成したポリマーC(24質量部)を使用した点を除いて実施例1と同様にして組成物10を調製した。調製した組成物10を組成物1の代わりに用いて、焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例1と同様にして、基材上に導電膜10を形成した。形成した導電膜10の体積抵抗値を測定したところ、4.0×10-3Ω・cmであった。
〈実施例11〉
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリマー合成例3で合成したポリマーC(24質量部)を使用した点、およびCuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、Cu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(100質量部)を使用した点を除き、実施例1と同様にして組成物11を調製した。組成物1の代わりに調製した組成物11を用いて、実施例1と同様にして、基材上に導電膜11を形成した。形成した導電膜11の体積抵抗値を測定したところ、2.5×10-3Ω・cmであった。
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリマー合成例3で合成したポリマーC(24質量部)を使用した点、およびCuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、Cu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(100質量部)を使用した点を除き、実施例1と同様にして組成物11を調製した。組成物1の代わりに調製した組成物11を用いて、実施例1と同様にして、基材上に導電膜11を形成した。形成した導電膜11の体積抵抗値を測定したところ、2.5×10-3Ω・cmであった。
〈実施例12〉
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリマー合成例4で合成したポリマーD(24質量部)を使用した点を除き、実施例1と同様にして組成物12を調製した。組成物1の代わりに調製した組成物12を用いて、実施例1と同様にして、基材上に導電膜12を形成した。形成した導電膜12の体積抵抗値を測定したところ、8.8×10-4Ω・cmであった。
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリマー合成例4で合成したポリマーD(24質量部)を使用した点を除き、実施例1と同様にして組成物12を調製した。組成物1の代わりに調製した組成物12を用いて、実施例1と同様にして、基材上に導電膜12を形成した。形成した導電膜12の体積抵抗値を測定したところ、8.8×10-4Ω・cmであった。
〈実施例13〉
焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例12と同様にして、基材上に導電膜13を形成した。形成した導電膜13の体積抵抗値を測定したところ、4.1×10-4Ω・cmであった。
焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例12と同様にして、基材上に導電膜13を形成した。形成した導電膜13の体積抵抗値を測定したところ、4.1×10-4Ω・cmであった。
〈実施例14〉
CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、Cu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(100質量部)を使用した点を除き、実施例12と同様にして組成物14を調製した。調製した組成物14を組成物12の代わりに用いて、基材上に導電膜14を形成した。形成した導電膜14の体積抵抗値を測定したところ、5.9×10-4Ω・cmであった。
CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、Cu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(100質量部)を使用した点を除き、実施例12と同様にして組成物14を調製した。調製した組成物14を組成物12の代わりに用いて、基材上に導電膜14を形成した。形成した導電膜14の体積抵抗値を測定したところ、5.9×10-4Ω・cmであった。
〈実施例15〉
焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例14と同様にして、基材上に導電膜14を形成した。形成した導電膜14の体積抵抗値を測定したところ、1.0×10-4Ω・cmであった。
焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例14と同様にして、基材上に導電膜14を形成した。形成した導電膜14の体積抵抗値を測定したところ、1.0×10-4Ω・cmであった。
〈実施例16〉
CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(50質量部)およびCu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(50質量部)を配合した点を除き、実施例12と同様にして組成物16を調製した。調製した組成物16を組成物12の代わりに用いて、実施例12と同様にして、基材上に導電膜16を形成した。形成した導電膜16の体積抵抗値を測定したところ、9.5×10-5Ω・cmであった。
CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(50質量部)およびCu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(50質量部)を配合した点を除き、実施例12と同様にして組成物16を調製した。調製した組成物16を組成物12の代わりに用いて、実施例12と同様にして、基材上に導電膜16を形成した。形成した導電膜16の体積抵抗値を測定したところ、9.5×10-5Ω・cmであった。
〈実施例17〉
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリマー合成例5で合成したポリマーE(24質量部)を使用した点を除いて実施例1と同様にして組成物17を調製した。調製した組成物17を組成物1の代わりに用いて、焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例1と同様にして、基材上に導電膜17を形成した。形成した導電膜17の体積抵抗値を測定したところ、6.2×10-4Ω・cmであった。
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリマー合成例5で合成したポリマーE(24質量部)を使用した点を除いて実施例1と同様にして組成物17を調製した。調製した組成物17を組成物1の代わりに用いて、焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例1と同様にして、基材上に導電膜17を形成した。形成した導電膜17の体積抵抗値を測定したところ、6.2×10-4Ω・cmであった。
〈実施例18〉
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリマー合成例5で合成したポリマーE(24質量部)を使用した点、およびCuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、Cu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(100質量部)を使用した点を除き、実施例1と同様にして組成物18を調製した。組成物1の代わりに調製した組成物18を用いて、実施例1と同様にして、基材上に導電膜18を形成した。形成した導電膜18の体積抵抗値を測定したところ、4.5×10-4Ω・cmであった。
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリマー合成例5で合成したポリマーE(24質量部)を使用した点、およびCuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、Cu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(100質量部)を使用した点を除き、実施例1と同様にして組成物18を調製した。組成物1の代わりに調製した組成物18を用いて、実施例1と同様にして、基材上に導電膜18を形成した。形成した導電膜18の体積抵抗値を測定したところ、4.5×10-4Ω・cmであった。
〈比較例1〉
ポリマーA(24質量部)に代えて、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(以下「ポリオール1」という。)を使用した点を除き、実施例1と同様にして組成物C1を調製した。調製した組成物C1を用いて、実施例1と同様にして、基材上に導電膜C1を形成した。形成した導電膜C1は導電性を示さなかった。
ポリマーA(24質量部)に代えて、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(以下「ポリオール1」という。)を使用した点を除き、実施例1と同様にして組成物C1を調製した。調製した組成物C1を用いて、実施例1と同様にして、基材上に導電膜C1を形成した。形成した導電膜C1は導電性を示さなかった。
〈比較例2〉
CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、Cu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(100質量部)を使用した点を除き、比較例1と同様にして組成物C2を調製した。調製した組成物C2を用いて、比較例1と同様にして、基材上に導電膜C2を形成した。形成した導電膜C2の体積抵抗値を測定したところ、5.5×10-1Ω・cmであった。
CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、Cu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(100質量部)を使用した点を除き、比較例1と同様にして組成物C2を調製した。調製した組成物C2を用いて、比較例1と同様にして、基材上に導電膜C2を形成した。形成した導電膜C2の体積抵抗値を測定したところ、5.5×10-1Ω・cmであった。
〈比較例3〉
焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、比較例1と同様にして、基材上に導電膜C3を形成した。形成した導電膜C3は導電性を示さなかった。
焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、比較例1と同様にして、基材上に導電膜C3を形成した。形成した導電膜C3は導電性を示さなかった。
〈比較例4〉
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリエチレンオキシド(シグマ・アルドリッチ社製、数平均分子量(Mn)=14000)(以下「ポリエーテル1」という。)(24質量部)を使用した点を除いて実施例1と同様にして組成物C4を調製した。調製した組成物C4を組成物1の代わりに用いて、焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例1と同様にして、基材上に導電膜C4を形成した。形成した導電膜C4は導電性を示さなかった。
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリエチレンオキシド(シグマ・アルドリッチ社製、数平均分子量(Mn)=14000)(以下「ポリエーテル1」という。)(24質量部)を使用した点を除いて実施例1と同様にして組成物C4を調製した。調製した組成物C4を組成物1の代わりに用いて、焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、実施例1と同様にして、基材上に導電膜C4を形成した。形成した導電膜C4は導電性を示さなかった。
〈比較例5〉
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリエーテル1(24質量部)を使用した点、およびCuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、Cu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(100質量部)を使用した点を除き、実施例1と同様にして組成物C5を調製した。組成物1の代わりに調製した組成物C5を用いて、実施例1と同様にして、基材上に導電膜C5を形成した。形成した導電膜C5は導電性を示さなかった。
ポリマーA(24質量部)に代えて、ポリエーテル1(24質量部)を使用した点、およびCuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、Cu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(100質量部)を使用した点を除き、実施例1と同様にして組成物C5を調製した。組成物1の代わりに調製した組成物C5を用いて、実施例1と同様にして、基材上に導電膜C5を形成した。形成した導電膜C5は導電性を示さなかった。
〈比較例6〉
焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、比較例5と同様にして、基材上に導電膜C6を形成した。形成した導電膜C6の体積抵抗値を測定したところ、6.9×10-2Ω・cmであった。
焼結温度を200℃から250℃に変更した点を除き、比較例5と同様にして、基材上に導電膜C6を形成した。形成した導電膜C6の体積抵抗値を測定したところ、6.9×10-2Ω・cmであった。
〈比較例7〉
CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(50質量部)およびCu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(50質量部)を配合した点を除き、比較例6と同様にして組成物C7を調製した。調製した組成物C7を組成物C6の代わりに用いて、比較例6と同様にして、基材上に導電膜C7を形成した。形成した導電膜C7の体積抵抗値を測定したところ、5.2×10-2Ω・cmであった。
CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(100質量部)に代えて、CuOナノ粒子(関東化学社製、平均粒子径50nm)(50質量部)およびCu粒子(三井金属鉱業社製、平均粒子径1.1μm)(50質量部)を配合した点を除き、比較例6と同様にして組成物C7を調製した。調製した組成物C7を組成物C6の代わりに用いて、比較例6と同様にして、基材上に導電膜C7を形成した。形成した導電膜C7の体積抵抗値を測定したところ、5.2×10-2Ω・cmであった。
表1に実施例1~18および比較例1~7の導電膜形成用組成物の組成、導電膜形成工程での焼結温度および体積抵抗値を示す。
表1中、ポリマー、酸化銅粒子、銅粒子、ジエチレングリコールおよび水の欄の数字は、それぞれ、導電膜形成用組成物中の含有量であり、酸化銅粒子および銅粒子の合計質量を100質量部とした場合の相対質量で表す。
また、表1中、「(ポリオール1)」は、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオールを意味し、「(ポリエーテル1)」は、ポリエチレンオキシド(シグマ・アルドリッチ社製、数平均分子量(Mn)=14000)を意味する。
また、表1中、体積抵抗値の欄の「-」は導電性を示さず、測定できなかったことを示す。
また、表1中、「(ポリオール1)」は、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオールを意味し、「(ポリエーテル1)」は、ポリエチレンオキシド(シグマ・アルドリッチ社製、数平均分子量(Mn)=14000)を意味する。
また、表1中、体積抵抗値の欄の「-」は導電性を示さず、測定できなかったことを示す。
表1に示すように、本発明の導電膜形成用組成物を使用した場合、300℃以下で焼成しても、体積抵抗値が低く、優れた導電性を有する導電膜を得ることができた。
なかでも、繰返し単位中にアセタール構造を持つポリマーA、ポリマーBまたはポリマーDを使用した実施例は、アセタール構造を持たず、ウレタン構造を持つポリマーCまたはカルボナート構造を持つポリマーEを使用した実施例に比べて、優れた導電性を有する導電膜を得ることができた。
なかでも、繰返し単位中にアセタール構造を持つポリマーA、ポリマーBまたはポリマーDを使用した実施例は、アセタール構造を持たず、ウレタン構造を持つポリマーCまたはカルボナート構造を持つポリマーEを使用した実施例に比べて、優れた導電性を有する導電膜を得ることができた。
Claims (7)
- 前記ポリマーが、式(i)~式(iv)で表される部分構造のいずれか1つを繰返し単位中に持つ、請求項1に記載の導電膜形成用組成物。
[式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、もしくは置換基を有していてもよいアミノ基を表すか、またはR1とR2とが結合して環を形成してもよく、R3、RおよびR´は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい1価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基、アルキルオキシ基、または置換基を有していてもよいアミノ基を表し、*は他の原子との結合位置を表す。] - 前記R3が水素原子である、請求項1または2に記載の導電膜形成用組成物。
- 前記R1および前記R2が、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基である、請求項1~4のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
- さらに、溶媒を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の導電膜形成用組成物。
- 請求項6に記載の導電膜形成用組成物を基材上に付与して、塗膜を形成する塗膜形成工程と、
前記塗膜に対して加熱処理および/または光照射処理を行い、金属銅を含有する導電膜を形成する導電膜形成工程と
を備える、導電膜の製造方法。
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