JP2001096696A - 被覆ポリエステルフィルム - Google Patents

被覆ポリエステルフィルム

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JP2001096696A
JP2001096696A JP27457399A JP27457399A JP2001096696A JP 2001096696 A JP2001096696 A JP 2001096696A JP 27457399 A JP27457399 A JP 27457399A JP 27457399 A JP27457399 A JP 27457399A JP 2001096696 A JP2001096696 A JP 2001096696A
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polyester film
water
particles
resin
weight
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JP27457399A
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Inventor
Fumio Nishimura
文男 西村
Kozo Maeda
浩三 前田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は被覆ポリエステルフィル
ム、詳しくは、透明性、易滑性、平滑性に優れた被覆ポ
リエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくと
も片面に、平均粒子径1.0〜5.0μmの架橋有機高
分子粒子と、平均粒子径0.01〜0.05μmの無機
粒子とを含有する、水溶性樹脂および/または水分散性
樹脂から主としてなる樹脂組成物から形成される、厚さ
0.01〜0.5μmの被覆層を有するポリエステルフ
ィルムであって、前記樹脂組成物における配合比率が、
前記平均粒子径1.0〜5.0μmの架橋有機高分子粒
子が0.1〜1.0重量%、前記平均粒子径0.01〜
0.05μmの無機粒子が5〜20重量%であって、架
橋有機高分子粒子と無機粒子の重量比が1/100〜1
/10(架橋有機高分子粒子/無機粒子)の範囲である
ことを特徴とする被覆ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被覆ポリエステルフ
ィルム、詳しくは、透明性、易滑性、平滑性に優れた被
覆ポリエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、耐水性、吸湿
寸法安定性、表面平滑性に加え、機械的強度等に優れて
いることから、包装材、粘着、ラベル、離型剤、OH
P、写真製版材等に広く利用されている。このような用
途のうち、製版工程で利用される貼り込みベース材やO
HPフィルムやラベルは、透明性及びハンドリング性の
ための滑り性が必要である。しかし、従来のポリエステ
ルフィルムは、透明性が充分でなかったり、滑り性が不
充分で、例えば貼り込みベース材では滑り性の不足によ
ってネガとの位置の見当合わせに手間がかかっていた。
また、OHPフィルムでは、OHPフィルムを2枚以上
重ね合せて透映する場合には、光の透過性が悪化して透
過した映像が暗くなったり、さらに重ね合せる時のフィ
ルム間の滑り性が悪く、像の重ね合せに手間取る等の欠
点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
透明性を有し、かつ優れた滑り性を有して、貼り込み用
途やOHP用途等におけるハンドリング性が向上したポ
リエステルフィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリエステル
フィルムの少なくとも片面に、平均粒子径1.0〜5.
0μmの架橋有機高分子粒子と平均粒子径0.01〜
0.05μmの無機粒子とを含有する、水溶性樹脂およ
び/または水分散性樹脂から主としてなる樹脂組成物か
ら形成される、厚さ0.01〜0.5μmの被覆層を有
するポリエステルフィルムであって、前記樹脂組成物に
おける配合比率が、前記架橋有機高分子粒子が0.1〜
1.0重量%、前記無機粒子が5〜20重量%であっ
て、架橋有機高分子粒子と無機粒子の重量比が1/10
0〜1/10(架橋有機高分子粒子/無機粒子)の範囲
である被覆ポリエステルフィルムである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、基材として用い
るポリエステルフィルムを構成するポリエステルの種類
は特に限定されず、例えばテレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、又はそのエステルと、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、1、4−ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコールなどのグリコールとを重縮合させて製造さ
れるものが挙げられるが、好ましくはポリエチレンテレ
フタレートが良い。また、上記ポリエステルは、2種類
以上の混合物であっても良く、添加剤等を含有していて
も良い。
【0006】さらに、上記ポリエステルフィルムのフィ
ルム成形方法も特に限定されず、Tダイなどを使用した
押し出し成形による方法等が挙げられる。また、上記ポ
リエステルフィルムは、単層であっても良いし、2層以
上の多層であっても良い。
【0007】上記ポリエステルフィルムの厚みも特に限
定されず、本発明の被覆ポリエステルフィルムの所望の
透明性や強度等により適宜設定できる。
【0008】本発明において被覆層を構成する樹脂組成
物に使用される水溶性樹脂および/または水分散性樹脂
は、、水に可溶、乳化または分散できる樹脂であれば特
に限定されず、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリ
アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース誘
導体等が挙げられる。これらは、単独であっても、2種
以上を混合して使用しても良い。好ましくは、ポリエス
テル共重合体を主体とするポリエステル系樹脂が良い。
【0009】上記ポリエステル共重合体は、主としてジ
カルボン酸とグリコールからなり、水に乳化または分散
できるものである。ポリエステル共重合体を構成するジ
カルボン酸としては、芳香族、脂肪族、脂環族のそれぞ
れのジカルボン酸が用いられる。これらのジカルボン酸
は置換基を有していても良い。また、これらは単独であ
っても、2種以上の混合成分であってもよい。芳香族ジ
カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オ
ルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸など等
が挙げられる。これらの芳香族ジカルボン酸は全ジカル
ボン酸成分の40モル%以上であることが好ましい。芳
香族ジカルボン酸が40モル%未満であると、ポリエス
テル共重合体の機械的強度や耐水性が低下しやすい。脂
肪族、脂環族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、1,3−シクロペンタンジカルボ
ン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸などがあげられる。これらの脂肪族、脂環
族のジカルボン酸成分を加えると接着性能が高められる
場合がある。
【0010】上記ポリエステル共重合体は、ジカルボン
酸成分としてスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を含
むのが好ましい。スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸
成分の含有率は、全ジカルボン酸成分の内、好ましくは
0.5〜15モル%であるのがよい。15モル%を超え
ると、上記ポリエステル系樹脂の水に対する分散性は良
くなるが、被覆層の耐水性が低下し、0.5モル%未満
であると、架橋有機高分子粒子および無機粒子の樹脂組
成物中への分散性が低下する。
【0011】上記スルホン酸金属塩含有ジカルボン酸と
しては、例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソ
フタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン
−2,7−ジカルボン酸、5[4−スルホフェノキシ]
イソフタル酸等の金属塩があげられ、特に好ましいのは
5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホ
テレフタル酸である。
【0012】上記ポリエステル共重合体を構成するグリ
コール成分としては、例えば、エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオールなどの炭素数2〜8個の
脂肪族グリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、p−キシレングリコールな
どの6〜12個の脂環族グリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコールなどの炭素数4個以上の
脂肪族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの
ポリエーテルがあげられる。これらは単独であっても、
2種以上の混合成分であってもよい。
【0013】上記ポリエステル共重合体の製造方法は特
に限定されず、通常の溶融重縮合方法を使用することが
できる。具体的には、前述のジカルボン酸成分およびグ
リコール成分を直接反応させ水を留去してエステル化し
たのち重縮合を行う直接エステル化法、あるいはジカル
ボン酸成分のジメチルエステルとグリコール成分を反応
させ、メチルアルコールを留去してエステル交換を行っ
たのち重縮合を行うエステル交換法が挙げられる。この
ほかに溶液重縮合法や界面重縮合法などによってもポリ
エステル共重合体を得ることができる。
【0014】水分散性ポリエステル樹脂とは、全ジカル
ボン酸成分に0.5〜15モル%のスルホン酸金属塩基
含有ジカルボン酸を含有する混合ジカルボン酸成分とグ
リコール成分とを反応させて得られた実質的に水不溶性
のポリエステル共重合体である。実質的に水不溶性と
は、ポリエステル共重合体を80℃の熱水中で攪拌して
も熱水中にポリエステル共重合体が消散しないことを意
味し、具体的にはポリエステル共重合体を過剰の80℃
熱水中で24時間攪拌処理した後のポリエステル共重合
体の重量減少が5重量%以下のものである。
【0015】本発明において被覆層を構成する樹脂組成
物に使用される平均粒子径1.0〜5.0μmの架橋有
機高分子粒子の材質、形状は特に限定されず、材質とし
ては例えばベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合
体、スチレンジビニルベンゼン、アクリルジビニルベン
ゼン等が挙げられ、なかでも、球状の架橋縮合タイプの
重合体粒子が好ましい。なお、本発明において「架橋有
機高分子」とは、軟化点がなく、示差熱分析による分解
開始温度が300℃以上であり、すべての有機溶剤に不
溶である特性を有するものを指す。
【0016】本発明において被覆層を構成する樹脂組成
物に使用される平均粒子径0.01〜0.5μmの無機
粒子の材質、形状は特に限定されず、材質としては、例
えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、極微細
炭酸カルシウム、塩素性炭酸マグネシウム、ドロマイ
ト、特殊炭酸カルシウム、カオリン、焼成クレー、バイ
ロフィライト、ベントナイト、セリサライト、ゼオライ
ト、ネフェリン、シナイト、タルク、アタパルジャナイ
ト、合成珪酸アルミニウム、合成珪酸カルシウム、珪藻
土、珪石粉、含有微粉珪酸、無水微粉珪酸、水酸化アル
ミニウム、バライト、沈降硫酸バリウム、天然石膏、亜
硫酸カルシウム等が挙げられる。なかでも透明性の点か
ら被覆層を構成する樹脂成分の屈折率に近い屈折率を有
するコロイダルシリカが好ましい。
【0017】本発明において被覆層を構成する樹脂組成
物には、まず平均粒子径1.0〜5.0μmの架橋有機
高分子粒子を、前記樹脂組成物における配合比率として
0.1〜1.0重量%含有する必要がある。上記架橋有
機高分子粒子の平均粒子径が1.0μm未満であると本
発明の被覆ポリエステルフィルムの滑り性が低下し、
5.0μmを超えると被覆層表面の擦過等による上記粒
子の被覆層からの脱落が生じたり、被覆層表面の表面粗
さが大きくなりすぎる。また、上記平均粒子径1.0〜
5.0μmの架橋有機高分子粒子の配合量が0.1重量
%未満であると、本発明の被覆ポリエステルフィルムの
滑り性が低下し、1.0重量%を超えると本発明の被覆
ポリエステルフィルムの透明性が低下し、さらに滑り性
が向上しすぎて巻き取り時などの取り扱い性が低下す
る。好ましくは、上記架橋有機高分子粒子の平均粒子径
が2.0〜3.0μmであるのがよい。また、上記架橋
有機高分子粒子の前記樹脂組成物における配合比率は
0.1〜0.5重量%であるのが好ましい。
【0018】さらに、本発明において被覆層を構成する
樹脂組成物には、平均粒子径0.01〜0.05μmの
無機粒子を、前記樹脂組成物における配合比率として5
〜20重量%含有する必要がある。上記無機粒子の平均
粒子径が0.01μm未満であると本発明の被覆ポリエ
ステルフィルムの滑り性が低下し、0.05μmを超え
ると本発明の被覆ポリエステルフィルムの透明性が低下
する。また、上記平均粒子径0.01〜0.05μmの
無機粒子の配合量が5重量%未満であると、本発明の被
覆ポリエステルフィルムの滑り性が低下し、20重量%
を超えると本発明の被覆ポリエステルフィルムが乳白色
がかった状態になる。好ましくは、上記無機粒子の平均
粒子径が0.03〜0.05μmであるのがよい。ま
た、上記無機粒子の前記樹脂組成物における配合比率は
10〜15重量%であるのが好ましい。
【0019】また、本発明において被覆層を構成する樹
脂組成物は、含有する上記の架橋有機高分子粒子と無機
粒子の重量比を1/100〜1/10(架橋有機高分子
粒子/無機粒子)の範囲とする必要があり、さらに架橋
有機高分子粒子と無機粒子の重量の総和を前記樹脂組成
物に対して5〜20重量%とするのが好ましい。架橋有
機高分子粒子と無機粒子の重量比は、好ましくは1/4
0〜1/70(架橋有機高分子粒子/無機粒子)の範囲
であるのがよい。架橋有機高分子粒子と無機粒子の重量
の総和は、さらに好ましくは10〜15重量%であるの
がよい。
【0020】被覆層に上記のように粒子径の大きい架橋
有機高分子粒子および粒子径の小さい無機粒子を含有さ
せることにより、粒子径の大きい粒子間に粒子径の小さ
い粒子が入り込み被覆層の強度および滑り性を向上させ
る。
【0021】本発明において被覆層を構成する樹脂組成
物には、帯電防止剤および/または高分子ワックス成分
を含有させてもよい。帯電防止剤としては、特に限定さ
れず、例えばアニオン系界面活性剤にラウリルスルホネ
ート金属塩、ラウリルベンゼンスルホネート金属塩、ラ
ウリルジフェニルエーテルジスルホネート金属塩等を配
合したものが挙げられる。アニオン系界面活性剤と上記
金属塩との配合割合は0.1〜20重量%であるのが好
ましい。帯電防止剤の樹脂組成物中における配合割合は
特に限定されない。
【0022】上記高分子ワックス成分としては、本発明
の被覆ポリエステルフィルムの透明性を阻害しないもの
であれば特に限定されるものではなく、従来公知の、例
えば、ポリエチレン系、アクリル系、ポリプロピレン
系、脂肪酸系等のワックスエマルジョン等が使用でき
る。好ましくは、粘着感の無い硬質タイプの熱分解安定
性に優れた高分子ワックス成分が良い。高分子ワックス
成分は、さらに好ましくは、分子量1000〜1000
0、特に好ましくは1500〜6000のものがよく、
樹脂組成物中における含有量は2〜10重量%が好まし
い。
【0023】本発明において被覆層を構成する樹脂組成
物には、本発明の作用を損なわない範囲で、各種の添加
剤を含有していても良い。
【0024】本発明において被覆層の形成方法は特に限
定されないが、具体的には、水溶性樹脂および/または
水分散性樹脂と前記の架橋有機高分子粒子および無機粒
子を主として水からなる溶媒に乳化あるいは分散させた
塗液を、基材であるポリエステルフィルムの少なくとも
一方の面に塗布後、溶媒を乾燥除去させて形成する方法
が挙げられる。
【0025】本発明において、水溶性樹脂および/また
は水分散性樹脂の主として水からなる溶媒への乳化ある
いは分散方法としては、水溶性樹脂および/または水分
散性樹脂を水溶性有機化合物と共に水に分散する方法が
挙げられる。具体的には、水溶性樹脂および/または水
分散性樹脂と水溶性有機化合物と溶媒を加熱した状態で
攪拌し続ける方法、熱可塑性樹脂を水溶性有機化合物に
加熱溶解した後に、溶媒と混合して分散させる方法など
が挙げられる。
【0026】水溶性樹脂および/または水分散性樹脂と
して、前記のポリエステル共重合体を使用する場合に
は、ポリエステル共重合体と水溶性有機化合物とを50
〜200℃であらかじめ混合物とし、この混合物に溶媒
を加え攪拌して分散する方法、あるいは逆に、上記混合
物を溶媒に加え攪拌して分散する方法、あるいはポリエ
ステル共重合体と水溶性有機化合物と水とを共存させて
40〜120℃で攪拌する方法が挙げられる。
【0027】上記水溶性有機化合物としては、20℃で
1lの水に対する溶解度が20g以上の有機化合物が好
ましく、例えば、脂肪族及び脂環族のアルコール、エー
テル、エステル、ケトン化合物、具体的には、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等
の一価アルコール類、エチレングリコール、プロピレン
グリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、n−ブチルセロソルブ等のグリコール誘
導体、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、酢酸エチル等のエステル類、メチルエチルケトン類
のケトン類が挙げられる。これらの水溶性有機化合物
は、単独又は2種以上を併用することができる。上記水
溶性有機化合物のうち、水への分散性、基材であるポリ
エステルフィルムへの塗布性から、ブチルセロソルブ、
あるいはエチルセロソルブが好適である。
【0028】水溶性樹脂および/または水分散性樹脂と
前記の架橋有機高分子粒子および無機粒子と溶媒との配
合割合は特に限定されないが、水溶性樹脂および/また
は水分散性樹脂として上記ポリエステル共重合体、溶媒
として水を用いる場合、ポリエステル共重合体(下記式
において(A)とする)水溶性有機化合物(下記式にお
いて(B)とする)及び水(下記式において(C)とす
る)の配合割合は、重量比で、下記式のようであるのが
好ましい。 100/20>(A)/(B)>100/5000 100/50>(B)/(C)>100/10000
【0029】ポリエステル共重合体に対して水溶性有機
化合物が少なく、(A)/(B)が100/20を超え
る場合は、ポリエステル共重合体の水への分散性が低下
する。(A)/(B)が100/5000未満の場合、
または(B)/(C)=100/50を超える場合は、
水分散液中の水溶性有機化合物量が多くなり、インライ
ンコート時の水分散液の取り扱い性が低下し、コストが
大きくなる。さらに、(B)/(C)が100/100
00未満の場合は、水分散液の表面張力が大きくなり、
基材のポリエステルフィルムへの濡れ性が低下し、塗布
斑を生じ易くなる。
【0030】上記水溶性樹脂および/または水分散性樹
脂と前記の架橋有機高分子粒子および無機粒子の溶媒へ
の分散時には、分散性を補助や基材のポリエステルフィ
ルムへの濡れ性の増大を目的として、本発明の作用を阻
害しない範囲で、界面活性剤を添加しても良い。界面活
性剤の添加量は特に限定されないが、添加量が増大する
と被覆層の接着性、耐水性が低下するため、添加量は少
なくすることが望ましい。
【0031】上記水溶性樹脂および/または水分散性樹
脂と前記の架橋有機高分子粒子および無機粒子の溶媒分
散液(以下塗液と記載する)を、基材であるポリエステ
ルフィルムの少なくとも一方の面に塗布するが、塗布時
において、基材であるポリエステルフィルムは、溶融押
出しされた未延伸フィルム、あるいは一軸延伸フィルム
又は二軸延伸フィルムのいずれであっても良い。しかし
ながら、二軸延伸フィルムに塗布する場合は、フィルム
が広巾になっており、且つフィルムの走行速度が速くな
っているため、均一に塗布しにくく、更に未延伸フィル
ムあるいは縦一軸延伸フィルムの場合、塗布時において
塗液の密着性、耐久性等の点でも優れるため、未延伸フ
ィルムあるいは縦一軸延伸フィルムへの塗布が好まし
い。
【0032】塗液の基材表面への塗布方法は、特に限定
されず、通常一般に使用される、グラビアコーター、リ
バースコーター、リバースキスコーター、エアーナイフ
コーター、バーコーター等コート用装置を用いて塗布す
ることができる。
【0033】本発明の被覆ポリエステルフィルムの延伸
状態は特に限定されず、未延伸の基材に塗液を塗布した
後一軸方向あるいは二軸方向延伸する、あるいは一軸方
向に延伸された基材に塗液を塗布した後、更に先の一軸
延伸と直角方向に延伸するいわゆるインラインコート法
や、二軸延伸された基材に塗液を塗布するオフラインコ
ート法等が挙げられるが、好ましくは、被覆層が、少な
くとも一軸方向に延伸されるのが良い。
【0034】本発明において、被覆層の厚みは0.01
〜0.5μmである必要があり、好ましくは0.05〜
0.15μmであるのがよい。厚みが0.01μm未満
では、被覆層と基材との密着性が充分に得られないばか
りか、架橋有機高分子および無機粒子の被覆層への密着
性が充分に得られない。厚みが0.5μm以上を超える
と、本発明の被覆ポリエステルフィルムの透明性が低下
する。また、本発明の被覆ポリエステルフィルムの総厚
みも特に限定されない。
【0035】なお、本発明の被覆ポリエステルフィルム
は、本発明の作用を阻害しない範囲で、例えば、被覆層
形成面と反対側の面等に他の層を有したり、加工処理を
行っても良い。
【0036】以下の試験例および実施例を用いて本発明
を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。 試験例 1.試験方法 (1)透明性 JIS K6714に準拠して、東洋精機(株)製ヘイ
ズメーターを用い、実施例1、比較例1、2の被覆ポリ
エステルフィルムのヘイズ(%)を測定した。 (2)滑り性 実施例1、比較例1、2の被覆ポリエステルフィルムを
温度20℃、湿度65%の恒温恒湿槽で24時間シーズ
ニングした後、1枚の被覆ポリエステルフィルムの被覆
層を有する側と他の被覆ポリエステルフィルムの被覆層
を有しない側とを重ねて、ASTMD1894に準拠し
た測定方法により、50g/cm2の荷重下で静摩擦係
数(μs)及び動摩擦係数(μd)を東洋ボールドウィ
ン(株)製テンシロン試験機を用いて測定した。
【0037】2.試験結果 上記試験(1)、(2)の結果を表1に示す。
【0038】
【実施例】実施例1 (1)基材のポリエステルフィルムを構成するポリエチ
レンテレフタレートの製造 エチレングリコール200ml中に、水酸化鉛[PbO
・Pb(OH)2]2.2g(Pb:0.95×10-2
モル)を溶解し、この溶液にGeO22.2g(Ge:
1.9×10-2モル)を添加して、197℃のエチレン
グリコールの沸点で約30分還流加熱し、透明な溶液を
得た。次にこの溶液を重縮合触媒溶液としてポリエチレ
ンテレフタレートの製造を行なった。エステル交換反応
器に、ジメチルテレフタレート620重量部、エチレン
グリコール480重量部を投入し、エステル交換触媒と
して酢酸亜鉛Zn(CH3COO)2・2H2O0.03
6重量部を添加した。エステル交換反応は150℃より
230℃に徐々に昇温しつつ行い、120分を要してメ
タノールの留出を終了した。次いで反応物を重縮合装置
に移し、上記重縮合触媒溶液2.7重量部を加え、徐々
に昇温すると共に減圧し、1時間を要して、280℃、
0.5mmHgの高減圧下とし、重縮合反応を25分間
行って、ポリエチレンテレフタレートのポリマーを得
た。得られたポリマーは極限粘度0.63g/dl、融
点262℃であった。
【0039】(2)被覆層用のポリエステル共重合体水
系分散液の製造 ジメチルテレフタレート117重量部、(49モル
%)、ジメチルイソフタレート117重量部、(49モ
ル%)、エチレングリコール(以下、EGと略称する)
103部(50モル%)、ジエチレングリコール(DE
Gと略称する)58重量部(50モル%)、酢酸亜鉛
0.08重量部、三酸化アンチモン0.08重量部を反
応容器中で40〜220℃に昇温させて3時間エステル
交換反応させ、次いで5−ナトリウムスルホイソフタル
酸(以下、NSIと略称する)9重量部(2モル%)を
添加して、220〜260℃、1時間エステル化反応さ
せ、更に減圧下(10〜0.2mmHg)で2時間重縮
合反応を行ない、平均分子量18000、軟化点140
℃のポリエステル共重合体を得た。このポリエステル共
重合体300重量部とn−ブチルセロソルブ140重量
部とを容器中で150〜170℃、約3時間攪拌して、
均一にして粘稠な溶融液を得、この溶融液に水560重
量部を徐々に添加し約1時間後に均一な淡白色の固形分
濃度30重量%の水分散液を得た。この水分散液マスタ
ーバッチを固形分濃度6重量%に希釈後、これに更に架
橋有機高分子粒子として平均粒径2μmの球状ベンゾグ
アナミンホルムアルデヒド縮合体(エポスターMS、
(株)日本触媒製)を樹脂固形分比率で0.2重量%、
及び無機粒子として平均粒径0.04μmのコロイダル
シリカ(スノーテックスOL、日産化学(株)製)を樹
脂固型分比率で10重量%加え、更に、水4500重量
部、イソプロピルアルコール4500重量部を加えて希
釈し固形分濃度5重量%の塗布液を得た。この液を40
℃で24時間放置し次の工程に供した。
【0040】(3)被覆ポリエステルフィルムの製造 (1)で製造したポリエチレンテレフタレートを280
〜300℃で溶融押出し、15℃の冷却ロールで冷却し
て厚さ1000μmの未延伸フィルムを得た。この未延
伸フィルムを基材として、周速の異なる85℃の一対の
ロール間で縦方向に3.5倍延伸し、(2)で製造した
塗布液をエアナイフ方式により基材の両面に乾燥時の厚
み0.1μmとなるように塗布し、70℃の熱風で乾燥
した後、次いでテンターで98℃で横方向に3.5倍延
伸し、更に200〜210℃で熱固定して、厚さ100
μmの二軸延伸された被覆ポリエステルフィルムを得
た。得られたフィルムの物性は、表1に示されたよう
に、透明性が高く、滑り性も良好であった。
【0041】比較例1 実施例1の(2)において、平均粒径0.04μmのコ
ロイダルシリカを添加しない塗布液を用いる以外は実施
例1と同様にして、二軸延伸された被覆ポリエステルフ
ィルムを得た。得られたフィルムの物性は、表1に示さ
れたように、得られたフィルムは実施例1よりも滑り性
が劣っていた。
【0042】比較例2 実施例1の(2)において、平均粒径2μmの架橋有機
高分子粒子(ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合
体)を添加しない塗布液を用いる以外は実施例1と同様
にして、二軸延伸された被覆ポリエステルフィルムを得
た。得られたフィルムの物性は、表1に示されたよう
に、実施例1よりも透明性は優れるものの、滑り性は大
きく劣り、実用上使用に支障をきたすものであった。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の被覆ポリエステルフィルムは、
高い透明性を有し、かつ高い滑り性を有するためハンド
リング性に優れ、貼り込み用ベースフィルム、OHPフ
ィルム用等の工業用ベース材料に好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA35 AB02 AB03 AB13 AB16 AB20 AB24 AB33 AB35 AB64 AB69 AB73 AB74 AB76 BA07 BA09 DA04 EA05 4F100 AA00B AA00C AA20B AA20C AJ11B AJ11C AK01B AK01C AK41A AK41B AK41C AK41J AK42 AL01B AL01C BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C BA15 CA22B CA22C DE01B DE01C DE04B DE04C EJ05B EJ05C EJ37B EJ37C GB90 JA20B JA20C JB05B JB05C JB09B JB09C JK15 JK16 JN01 YY00B YY00C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、平均粒子径1.0〜5.0μmの架橋有機高分子粒
    子と、平均粒子径0.01〜0.05μmの無機粒子と
    を含有する、水溶性樹脂および/または水分散性樹脂か
    ら主としてなる樹脂組成物から形成される、厚さ0.0
    1〜0.5μmの被覆層を有するポリエステルフィルム
    であって、前記樹脂組成物における配合比率が、前記平
    均粒子径1.0〜5.0μmの架橋有機高分子粒子が
    0.1〜1.0重量%、前記平均粒子径0.01〜0.
    05μmの無機粒子が5〜20重量%であって、架橋有
    機高分子粒子と無機粒子の重量比が1/100〜1/1
    0(架橋有機高分子粒子/無機粒子)の範囲であること
    を特徴とする被覆ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 前記水溶性樹脂および/または水分散性
    樹脂が、ジカルボン酸成分とグリコール成分とからな
    り、全ジカルボン酸成分中、0.5〜15モル%のスル
    ホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を含有するポリエステ
    ル共重合体であることを特徴とする請求項1記載の被覆
    ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 前記架橋有機高分子粒子が、示差熱分析
    による熱分解開始温度が300℃以上の球状粒子である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の被覆ポリエステ
    ルフィルム。
  4. 【請求項4】 前記無機粒子が、球状のコロイダルシリ
    カであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一
    項に記載の被覆ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 前記被覆層を構成する樹脂組成物が、帯
    電防止剤および/または高分子ワックス成分を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載
    の被覆ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 前記被覆層が、少なくとも一軸方向に延
    伸されてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
    か一項に記載の被覆ポリエステルフィルム。
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