JP4560768B2 - 印刷用透明ポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
本発明に用いられる基材フィルムのポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポリエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させる方法のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によって製造することができる。かかるポリエステルの代表例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレートあるいはポリエチレン−2、6−ナフタレートなどが挙げられる。このポリエステルはホモポリマーであってもよく、第三成分を共重合したものであっても良い。いずれにしても本発明においては、エチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレン−2、6−ナフタレート単位が70モル%以上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であるポリエステルが好ましい。
本発明のグラフト重合は、一般には、疎水性共重合ポリエステル樹脂を有機溶剤中に溶解させた状態において、ラジカル開始剤およびラジカル重合性単量体混合物を反応せしめることにより実施される。グラフト化反応終了後の反応生成物は、所望の疎水性共重合ポリエステル−ラジカル重合性単量体混合物間のグラフト重合体の他に、グラフト化を受けなかった疎水性共重合ポリエステル及び疎水性共重合ポリエステルにグラフト化しなかったラジカル重合体をも含有しているが、本発明におけるグラフト重合体とは、これらすべてが含まれる。
本発明において、疎水性共重合ポリエステル樹脂とは、本来それ自身で水に分散または溶解しない本質的に水不溶性である必要がある。水に分散するまたは溶解するポリエステル樹脂を、グラフト重合に使用すると、本発明の目的である接着性、耐水性が悪くなる。
また、重合性不飽和二重結合を含有するジカルボン酸が0.5モル%未満の場合、ポリエステル樹脂に対するラジカル重合性単量体の効率的なグラフト化が行われにくくなり、逆に10モル%を越える場合は、グラフト化反応の後期に余りにも粘度が上昇し、反応の均一な進行を妨げるので好ましくない。より好ましくは、芳香族ジカルボン酸は70〜98モル%、脂肪族ジカルボン酸および/または脂環族ジカルボン酸0〜30モル%、重合性不飽和二重結合を含有するジカルボン酸2〜7モル%である。
本発明の重合性不飽和単量体を例示する
フマル酸、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどのフマル酸のモノエステルまたはジエステルマレイン酸とその無水物、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどのマレイン酸のモノエステルまたはジエステル、イタコン酸とその無水物、イタコン酸のモノエステルまたはジエステル、フェニルマレイミド等のマレイミド等また、スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのスチレン誘導体、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどである。またアクリル重合性単量体は、例えば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基等):2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートのヒドロキシ含有アクリル単量体:アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミドのアミド基含有アクリル単量体:N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートのアミノ基含有アクリル単量体:グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートのエポキシ基含有アクリル単量体:アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩)等のカルボキシル基またはその塩を含有するアクリル単量体が挙げられる。好ましくは、マレイン酸無水物とそのエステルである。上記モノマーは1種もしくは2種以上を用いて共重合させることが出来る。
本発明で用い得るグラフト重合開始剤としては、当業者には公知の有機過酸化物類や有機アゾ化合物類を用い得る。
本発明の実施のためのグラフト化反応溶媒は沸点が50〜250℃の水性有機溶媒から構成されることが好ましい。ここで水性有機溶媒とは20℃における水に対する溶解性が少なくとも10g/L以上、望ましくは20g/L以上であるものをいう。沸点が250℃を越えるものは、余りに蒸発速度がおそく、塗膜の高温焼付によっても充分に取り除くことが出来ないので不適当である。また沸点が50℃以下では、それを溶媒としてグラフト化反応を実施する場合、50℃以下の温度でラジカルに解裂する開始剤を用いねばならないので取扱上の危険が増大し、好ましくない。共重合ポリエステル樹脂をよく溶解しかつカルボキシル基含有重合性単量体を含む重合性単量体混合物およびその重合体を比較的良く溶解する第一群の水性有機溶媒としては、エステル類例えば酢酸エチル、ケトン類例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、環状エーテル類例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、グリコ−ルエーテル類例えばエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコ−ルメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、カルビトール類例えばメチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、グリコール類若しくはグリコールエーテルの低級エステル類例えばエチレングリコールジアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ケトンアルコール類例えばダイアセトンアルコール、更にはN−置換アミド類例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を例示することが出来る。
本発明にかかわるグラフト化反応生成物は塩基性化合物で中和することが好ましく、中和することによって容易に水分散化することが出来る。塩基性化合物としては塗膜形成時、或は硬化剤配合による焼付硬化時に揮散する化合物が望ましく、アンモニア、有機アミン類などが好適である。望ましい化合物の例としては、トリエチルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを挙げることが出来る。塩基性化合物は、グラフト化反応生成物中に含まれるカルボキシル基含有量に応じて、少くとも部分中和、若しくは、完全中和によって水分散体のPH値が5.0〜9.0の範囲であるように使用するのが望ましい。沸点が100℃以下の塩基性化合物を使用した場合であれば、乾燥後の塗膜中の残留塩基性化合物も少なく、金属や無機蒸着膜の接着性や他材料と積層した時の耐水性や耐熱水接着性が優れる。また100℃以上の塩基性化合物使用した場合や乾燥条件を制御し、乾燥後の塗膜中に塩基化合物を500ppm以上残留させることにより、印刷インクの転移性が向上する。
該共重合ポリエステルとスルホン酸塩基を有する化合物は親水性の差があり分離し易いため、コート液は塗布直前に1000(1/秒)以上のせん断速度をかけた直後2秒以内に基材に塗布、その後2秒以内に70℃以下、湿度50%RH、風速10〜20m/秒で1〜3秒予備乾燥後、90℃以上で乾燥する。これにより共重合ポリエステル樹脂とスルホン酸塩基を有する化合物が均一に分散し、良好な表面抵抗値が得られる。乾燥後、延伸後の熱固定条件はに規制は無いが、特に印刷層で使用するポリエステル系グラフト共重合体のもつ自己架橋性を発現するために、基材フィルム及び該グラフト共重合体に熱劣化が起こらない範囲内で、熱量を多くする条件が好ましい。具体的には200℃〜250℃、さらに好ましくは220℃〜250℃である。ただし熱固定時間を長くすることにより、比較的低い温度でも、十分な自己架橋性を発現するため、上記の条件に限らない。
塗布層の厚みは特に限定しないが、本発明においては乾燥塗布厚みが0.05〜1.0μm、好ましく、より好ましくは0.07〜0.5μm、更に好ましくは0.09〜0.3μmである。
(試験方法)
(1)摩擦係数
易印刷面と易滑面との間の静摩擦係数(μs)および動摩擦係数(μs)についての測定は、JIS−C2151に準拠
平板用試験片:幅130mm、長さ250mmで非印刷面側を使用
そり用試験片:幅120mm、長さ120mmで印刷面側を使用
測定雰囲気:23℃、50%RH
そり重量:200g
試験速度:150mm/min。
JIS−K7105に準拠
積分球式光線透過率測定装置使用(日本電色製)
(3)表面固有抵抗率
三菱油化(株)製の表面高抵抗計(商品名:HIRESUTA MCP HT−260)を用い、23℃、50%RHの雰囲気中におけるポリエステルフィルムの帯電防止層の表面固有抵抗率(Ω/□)を測定した。測定条件は次の通り。
測定時間:10秒
使用プローブ:TypeHRS
(4)印刷機テスト
・使用印刷機:ハイデルベルグ スピードマスター 5色刷り機
印刷速度:4000枚/時間
・フィルム寸法:菊全判(636×939 mm)
・判定基準:
○は、紙詰まりが未発生であったことを示す;
△は、印刷開始後、1000枚当たりに1回は搬送不良発生であったことを示す;
×は、印刷開始後、30枚以内で搬送不良が発生したことを示す。
RIテスターの2分割ローラーに対して、インキを0.05cc計量したものを滴下、2分間練り合わせ後、試験フィルムに転色した。この印刷部分を「マクベス濃度計(サカタエンジニアリング(株)、TR−927型)」にてインキ濃度を評価した。使用インキは東華色素「ベストキュアー161」(100mjのUV照射)である。実施例1を基準(○)とし、0.1以上の濃度低下を生じたものを不良(×)とした。
JIS−K5400に示す碁盤目評価に準拠
フィルムの印刷面に下記インキを印刷後、クロスカットガイドを用いて1mm桝目100個をカッター刃で作成。のちニチバンセロハンテープを用いて桝目部分の密着力を評価した(残存升目数96以上で○、80〜95で△、79以下は×)。
・UV硬化型インキ:
東華色素「ベストキュアー161」(RIテスターによる印刷後100mjのUV照射)
セイコーアドバンス「UVA」(#300スクリーン印刷後500mjのUV照射
・溶剤型インキ:
東洋インキ「TSP−400G」(RIテスターによる印刷後24時間放置乾燥)
十條インキ「テトロン」(#250スクリーン印刷後24時間放置乾燥)
(7)湿し水適性
RIテスターを用いて印刷する際、インキ展色前のフィルム印刷面を、スポイドを用いて水を0.2ml、0.4ml、0.6ml滴下して湿らせたモルトンローラーで圧着した後、インキを展色、インキの転移不良の有無(面積で5mm角以上のインキ未転移発生で×)を確認した。
・使用インキ:溶剤型オフセット印刷インキ:東洋インキ製TSP−400G
(8)平均粒子径
少なくとも200個以上の粒子を電子顕微鏡法により複数枚写真撮影し、OHPフィルムに粒子の輪郭をトレースし、該トレース像を画像解析装置にて円相当径に換算して算出した。種類の異なる粒子を併用している場合は、X線マイクロアナライザーでマッピング処理して、粒子の種類と存在位置を電子顕微鏡写真と対比させて判別した。
(1.1 疎水性共重合性ポリエステルの調整)
攪拌機、温度計および部分還流式冷却器を具備したステンレス製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート218部、ジメチルイソフタレート194部、エチレングリコール488部、ネオペンチルグリコール200部およびテトラ‐n−ブチルチタネート0.5部を仕込み、160℃から220℃まで4時間かけてエステル交換反応を行った。次いでフマル酸13部およびセバシン酸51部を加え、200℃から220℃まで1時間かけて昇温しエステル化反応を行った。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、0.22mmHgの減圧下で1時間30分反応させポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステルは、淡黄色透明であった。
撹拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応器に、疎水性共重合性ポリエステル75部、メチルエチルケトン56部およびイソプロピルアルコール19部を入れ、65℃で加熱、撹拌し樹脂を溶解した。樹脂が完溶した後、無水マレイン酸15部をポリエステル溶液に添加した。次いで、スチレン10部、およびアゾビスジメチルバレロニトリル1.5部を12部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を0.1ml/min.でポリエステル溶液中に滴下し、さらに2時間撹拌を続けた。反応溶液から分析用のサンプリングを行った後、メタノールを5部添加した。次いで、水300部とトリエチルアミン15部を反応溶液に加え、1時間半撹拌した。その後、反応器内温を100℃に上げメチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、過剰のトリエチルアミンを蒸留により留去し、水分散したポリエステル系グラフト共重合体を得た。得られたポリエステル系グラフト共重合体は、淡黄色透明で、ガラス転移温度は40℃であった。
水とイソプルピルアルコールの重量比60/40の混合溶媒に全固形分濃度が5%となるように、水分散したポリエステル系グラフト共重合体と、粒子として平均粒径2.2μmのスチレン−ベンゾグアナミン系球状有機粒子(日本触媒製)、平均粒径0.02μmのコロイダルシリカ(触媒化成製)をそれぞれ固形分重量比で「50/1/3」になるよう混合し、塗液Aを調製した。
水とイソプルピルアルコールの重量比60/40の混合溶媒に全固形分濃度が5%となるように、水分散性ポリエステル系共重合体(東洋紡製、バイロナールMD−16)と、スルホン酸金属塩としてドデシルジフェニルオキサイドジスルホン酸ナトリウム(松本油脂製、アニオン系帯電防止剤)、高分子系ワックス剤としてポリエチレン系エマルジョンワックス(東邦化学製)、粒子として平均粒径2.2μmのスチレン−ベンゾグアナミン系球状有機粒子(日本触媒製)、平均粒径0.04μmのコロイダルシリカ(日産化学製)をそれぞれ固形分重量比で「50/2.5/2.5/0.5/5」になるよう混合し、塗液Bを調整した。
原料として固有粘度が0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)を用いかつ粒子を含有しないペレットを135℃で6時間減圧乾燥(1.3hPa)した後、押し出し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出して表面温度20℃に保った金属ロール上で静電密着法を用いて急冷固化し、厚さ1900μmのキャストフィルムを得た。次にこのキャストフィルムを、加熱されたロール群および赤外線ヒーターで100℃に加熱し、その後、周速差のあるロール群で長手方向に3.5倍延伸して一軸配向PETフィルムを得た。次いで上記の塗液AおよびBを一軸配向PETフィルムのそれぞれの面にリバースコート法で塗布した。ロールギャップ間で1000(1/秒)以上のせん断速度をかけ、2秒以内に基材に塗布後、65℃、湿度60%RH、風速15m/秒、2秒間乾燥後、130℃、風速20m/秒で3秒間乾燥し水分を除去した後、連続的に端部をクリップで把持しながらテンターに導き、120℃に加熱して3.7倍に横延伸し、幅固定して230℃で5秒間の熱処理を施し、更に200℃で幅方向に4%緩和させることにより、厚さ188μmの二軸延伸された両面塗布ポリエステルフィルムを得た。最終的な塗液A、Bの乾燥塗布量は共に0.1g/m2であった。評価結果を表1に示す。
易滑面の塗液Bを水分散性ポリエステル系共重合体(東洋紡製、バイロナールMD−16)/ドデシルジフェニルオキサイドジスルホン酸ナトリウム(松本油脂製、アニオン系帯電防止剤)/ポリエチレン系エマルジョンワックス(東邦化学製)/平均粒径2.2μmのスチレン−ベンゾグアナミン系球状有機粒子(日本触媒製)/平均粒径0.04μmのコロイダルシリカ(日産化学製)をそれぞれ固形分重量比で「50/5/2.5/0.5/5」に変えた以外は、実施例1と同様にして最終的にフィルム厚みが150μmの両面塗布ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
易滑面の塗液Bの水分散性ポリエステル系共重合体(東洋紡製、バイロナールMD−16)を印刷面の塗布液で使用したポリエステル系グラフト共重合体に変えた以外は、実施例1と同様にして最終的にフィルム厚みが75μmの両面塗布ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
印刷面の塗液Aを、ポリエステル系グラフト共重合体/ドデシルジフェニルオキサイドジスルホン酸ナトリウム/平均粒径2.2μmのスチレン−ベンゾグアナミン系球状有機粒子/平均粒径0.02μmのコロイダルシリカをそれぞれ固形分重量比で「50/0.4/1/3」に変えた以外は、実施例1と同様にして最終的にフィルム厚みが125μmの両面塗布ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
印刷面の塗液Aを水分散したポリエステル系グラフト共重合体/ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩、分子量70、000(日本NSC(株)製)/平均粒径2.2μmのスチレン−ベンゾグアナミン系球状有機粒子(日本触媒製)/平均粒径0.02μmのコロイダルシリカ(触媒化成製)をそれぞれ固形分重量比で「50/10/1/3」になるよう混合した以外は、実施例1と同様にして最終的にフィルム厚みが150μmの両面塗布ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
実施例1において、裏面の塗液Bから高分子系ワックス剤を抜いた以外は、実施例1と同様にして両面塗布ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
実施例1において、印刷面の塗液Aから平均粒子径2.2μmの粒子を抜いた以外は、実施例1と同様にして両面塗布ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
実施例1において、印刷面の塗液Aに用いる水分散したポリエステル系グラフト共重合体を塗液Bに用いた水分散性ポリエステル系共重合体に入れ替えた以外は、実施例1と同様にして両面塗布ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1に示す。
Claims (3)
- ポリエステル基材フィルムの両面に塗布層を有するフィルムであって、該フィルムの片面は、以下:
(A)疎水性共重合性ポリエステル樹脂に少なくとも1種の二重結合を有する酸無水物がグラフト化したガラス転移温度40℃以上のポリエステル系グラフト共重合体;ならびに
(B)平均粒子径φ1〜5μmの粒子、
を含む塗布層で形成された易印刷面であり、
該易印刷面の反対面は、以下:
(a)共重合性ポリエステル樹脂、または疎水性共重合性ポリエステル樹脂に少なくとも1種の二重結合を有する酸無水物がグラフト化したポリエステル系グラフト共重合体;
(b)スルホン酸基を有する物質;
(c)平均粒子径φ1〜5μmの粒子;ならびに
(d)高分子系ワックス、
を含む塗布層で形成された易滑面であり、
該成分(b)が、R−SO3X(ここで、Rはアルキル基、アリール基、またはアルキル基を有する芳香族基を、Xは金属イオン、アンモニウムイオン、アミンイオン、リン酸エステルイオンを示す)で示される低分子型耐電防止剤であり、
該成分(a)が、塗布層中に30〜95重量%であり、
該成分(b)が、塗布層中に0.5〜15重量%であり、
該成分(c)が、樹脂成分に対して0.3〜10%(重量比)であり、
該成分(d)が、樹脂成分に対して1〜10%(重量比)であり、
該フィルムの厚みが50〜250μmであり、ヘーズが2%以下であり、易印刷面と易滑面と間の静摩擦係数および動摩擦係数が共に0.5以下であり、静摩擦係数が動摩擦係数より小さいことを特徴とする、印刷用透明ポリエステルフィルム。 - 易滑面の表面抵抗値が、23℃、50%RHにおいて、10の13乗Ω/□以下である、請求項1に記載の印刷用透明ポリエステルフィルム。
- 前記易印刷面または易滑面の塗布層の少なくとも一方が、少なくとも一軸以上に延伸され、熱固定されたことを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の印刷用透明ポリエステルフィルム。
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