JPH0422692B2 - - Google Patents

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JPH0422692B2
JPH0422692B2 JP58128456A JP12845683A JPH0422692B2 JP H0422692 B2 JPH0422692 B2 JP H0422692B2 JP 58128456 A JP58128456 A JP 58128456A JP 12845683 A JP12845683 A JP 12845683A JP H0422692 B2 JPH0422692 B2 JP H0422692B2
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film
water
polyester
dicarboxylic acid
polyester film
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JP58128456A
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Akito Hamano
Katsuhiko Nose
Hajime Suzuki
Hikoichi Nagano
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Publication of JPH0422692B2 publication Critical patent/JPH0422692B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
この発明はコーテイングポリエステルフイルム
の製造法に関する。 二軸延伸された線状ポリエステルフイルム、特
にポリエチレンテレフタレートからなる二軸延伸
フイルムは、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、透
明性、寸法安定性等が優れているので、磁気テー
プ用ベースフイルム、絶縁用テープ、写真フイル
ム、トレーシングフイルム、食品包装用フイルム
などの多方面で使用されている。しかしながら一
般にポリエステルフイルムは接着性が低いため、
磁性体、感光剤、マツト剤などを積層する場合に
は、フイルム表面にコロナ放電処理を施し、更に
アンカコート剤を設けることが一般的である。ま
た食品包装に用いる場合は、印刷層やヒートシー
ル層との接着性が弱いため、全体のヒートシール
強度も低下するという欠点がある。ポリエステル
フイルム表面の接着性を改良する方法として、コ
ロナ放電処理が一般に行なわれており、この他
に、紫外線照射処理、プラズマ放電処理、火炎処
理、窒素雰囲気下のコロナ放電処理などの物理的
処理方法や、アルカリ処理、プライマー処理など
の化学的処理方法や、これらを併用した処理方法
が知られている。コロナ放電処理後に適当なプラ
イマーをコーテイングする方法は比較的高い接着
性能が得られるが、工程数が増加し、コスト高と
なるために用途が限定される。またプライマー処
理を低コストで行なう方法として、製膜工程でプ
ライマー処理を行なう方法が知られている。すな
わち、縦方向に一軸延伸した熱可塑性樹脂フイル
ムに、高分子物質を主成分とする溶液もしくはエ
マルジヨンをコーテイングし、しかる後に横方向
に延伸することによつて製膜工程においてコーテ
イングした二軸延伸フイルムを得る方法が知られ
ており、この方法はインラインコート法といわれ
ている。このインラインコート法は、製膜工程中
にコーテイング剤がフイルムに混入しているめ、
製膜フイルムの耳切断などによつて生ずる屑フイ
ルムの再生利用ができないという問題があるとと
もに、コーテイング剤の選定によつては接着性不
足などの問題がある。たとえば、ポリエステルフ
イルムのインラインコート法のコーテイング剤と
して、ポリアクリル酸エステル系エマルジヨン、
水溶性ポリウレタン樹脂が知られているが、これ
らのコーテイング剤はフイルムの透明性を低下さ
せ、再生利用するためには再生フイルムを洗浄す
る必要があつてコスト高となる。ポリエステルフ
イルムのインラインコート法のコーテイング剤と
して、全ジカルボン酸成分の50モル%以上が芳香
族ジカルボン酸成分であり、エステル形成性スル
ホン酸アルカリ金属塩化合物2〜40モル%(対ジ
カルボン酸成分)およびグリコールを含有するポ
リエステルセグメントに、分子量600〜6000のポ
リエチレングリコール20〜80重量%(対生成ポリ
マー)共重合させたブロツクポリエーテルエステ
ルが知られている(特公昭54−16557号公報参
照)。しかしながらこの公知のコーテイング剤は
水溶性であるために水溶液としてコーテイングで
きるので、コーテイング工程中に有機溶剤に対す
る防爆対策を必要としない利点がある反面、極め
て耐水性が悪く、高温多湿下ではコート層が剥離
し易く、また食品包装用として用いる場合、包装
品のボイル処理やレトルト処理を行なうことはで
きない。 本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研
究した結果、水に不溶である特定のポリエステル
共重合体を水溶性有機溶媒とともに水に分散させ
たコーテイング剤をインラインコート法によつて
積層することによつて、フイルムの再生利用がで
き、かつコーテイング工程において防爆安全性が
よい接着性の改善されたコーテイングポリエステ
ルフイルムの製造法を提供するものである。 すなわちこの発明は、溶融押出された未延伸ポ
リエステルフイルムまたは一軸延伸ポリエステル
フイルムの少なくとも片面にコロナ放電処理を施
し、この処理面に、(A)カルボン酸成分が芳香族ジ
カルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸とスル
ホン酸金属塩基含有ジカルボン酸との混合ジカル
ボン酸からなるポリエステル共重合体であつて、
上記スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸の含有
量が全ジカルボン酸成分の0.5〜7モル%、過剰
の80℃熱水中で24時間攪拌処理した後の重量減少
が5重量%以下の水不溶性ポリエステル共重合
体、(B)沸点60〜200℃の水溶性有機溶媒および(C)
水からなり、(A)/(B)=100/20〜5000、(B)/(C)=
100/50〜10000の重量割合に配合されたポリエス
テル樹脂の水系分散液を塗布したのち、この塗布
フイルムを更に二軸延伸または一軸延伸すること
を特徴とするコーテイングポリエステルフイルム
の製造法である。 この発明の水系分散液に含有されるポリエステ
ル共重合体(A)は、スルホン酸金属塩基含有ジカル
ボン酸0.5〜7モル%と、スルホン酸金属塩基を
含有しないジカルボン酸93〜99.5モル%との混合
ジカルボン酸をポリオール成分と反応させて得ら
れた実質的に水不溶性のポリエステル共重合体で
ある。実質的に水不溶性とは、ポリエステル共重
合体を80℃の熱水中で攪拌しても熱水中にポリエ
ステル共重合体が消散しないことを意味し、具体
的にはポリエステル共重合体を過剰の80℃熱水中
で24時間攪拌処理した後のポリエステル共重合体
の重量減少が5重量%以下のものである。 上記のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸と
しては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフ
タル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタ
レン−2,7−ジカルボン酸、5〔4−スルホフ
エノキシ〕イソフタル酸等の金属塩があげられ、
特に好ましいのは5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、ナトリウムスルホテレフタル酸である。こ
られのスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分
は、全ジカルボン酸成分に対して0.5〜7モル%
であり、7モル%を越えると水に対する分散性は
向上するがポリエステル共重合体の耐水性が著し
く低下し、また0.5モル%未満では水に対する分
散性が著しく低下する。ポリエステル共重合体の
水に対する分散性は、共重合組成分、水溶性有機
溶媒の種類および配合比などによつて異なるが、
上記スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸は水に
対する分散性を損わない限り、少量の方が好まし
い。 スルホン酸金属塩基を含まないジカルボン酸と
しては、芳香族、脂環族のジカルボン酸が使用で
きる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸等をあげることができる。
これらの芳香族ジカルボン酸は全ジカルボン酸成
分の40モル%以上であることが好ましく、40モル
%未満ではポリエステル共重合体の機械的強度や
耐水性が低下する。脂環族のジカルボン酸として
は、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シク
ロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸などがあげられる。これらの非芳
香族ジカルボン酸成分を加えると、場合によつて
は接着性能が高められるが、一般的にはポリエス
テル共重合体の機械的強度や耐水性を低下させ
る。 上記混合ジカルボン酸と反応させるポリオール
成分としては、炭素数2〜8個の脂肪族グリコー
ルまたは炭素数6〜12個の脂環族グリコールであ
り、具体的には、エチレングリコール、1,2−
プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シ
クロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキ
サンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、p−キシリレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコールなどであ
る。またポリエーテルとして、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコールなごがあげられる。 ポリエステル共重合体は、通常の溶融重縮合に
よつて得られる。すなわち上記のジカルボン酸成
分およびグリコール成分を直接反応させて水を留
去しエステル化したのち、重縮合を行なう直接エ
ステル化法、あるいは上記ジカルボン酸成分のジ
メチルエステルとグリコール成分を反応させてメ
チルアルコールを留出しエステル交換を行なわせ
たのち重縮合を行なうエステル交換法などによつ
て得られる。その他、溶液重縮合、界面重縮合な
ども使用され、この発明のポリエステル共重合体
は重縮合の方法によつて限定されるものではな
い。溶融重縮合の際には、酸化防止剤、滑り剤、
無機質微粒子、帯電防止剤などを必要に応じて適
宜加えることができる。 上記のポリエステル共重合体の水系分散液を得
るには、水溶性有機溶媒とともに水に分散するこ
とが必要である。例えば、上記ポリエステル共重
合体と水溶性有機溶媒とを50〜200℃であらかじ
め混合し、この混合物に水を加え攪拌して分散す
る方法、あるいは逆に、混合物を水に加え攪拌し
て分散する方法、あるいはポリエステル共重合体
と水溶性有機溶媒と水とを共存させて40〜120℃
で攪拌する方法がある。 上記水溶性有機溶媒は、20℃で1の水に対す
る溶解度が20g以上の有機溶媒であり、具体的に
脂肪族および脂環族のアルコール、エーテル、エ
ステル、ケトン化合物であり、例えばメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール等の1価アルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のグリコール類、メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−ブチル
セロソルブ等のグリコール誘導体、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル
等のエステル類、メチルエチルケトン等のケトン
類である。これら水溶性有機溶媒は、単独または
2種以上を併用することができる。上記化合物の
うち、水への分散性、フイルムへの塗布性からみ
て、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブが好適
である。 上記の(A)ポリエステル共重合体、(B)水溶性有機
溶媒および(C)水の配合重量割合は (A)/(B)=100/20〜5000 (B)/(C)=100/50〜10000 を満足することが重要である。ポリエステル共重
合体に対して水溶性有機溶媒が少なく(A)/(B)が
100/20を越える場合は、水系分散液の分散性が
低下する。この場合、界面活性剤を添加すること
によつて、分散性を補助するとができるが、界面
活性剤の量が多過ぎると接着性、耐水性が低下す
る。逆に(A)/(B)が100/5000未満の場合、または
(B)/(C)が100/50を越える場合は、水系分散液中
の水溶性有機溶媒量が多くなりインラインコート
時の溶剤による爆発の危険性が生じ、このために
防爆対策を講ずる必要があり、さらに環境汚染、
コスト高となるので化合物回収を考慮する必要が
ある。(B)/(C)が100/10000未満の場合は、水系分
散液の表面張力が大きくなり、フイルムへの濡れ
性が低下し、塗布斑を生じ易くなる。この場合、
界面活性剤の添加によつて濡れ性を改良すること
ができるが、界面活性剤の量が多過ぎると上記し
たと同様に接着性や耐水性が低下する。 上記の水系分散液には、滑り剤、帯電防止剤、
耐ブロツキング剤、紫外線吸収剤、架橋剤等を添
加してもよい。 ポリエステル樹脂の水系分散液をポリエステル
フイルムに塗布するには、ポリエステルフイルム
が溶融押出された未延伸フイルム、あるいは一軸
延伸フイルムである。二軸延伸フイルムに塗布す
るには、フイルムが広幅になつており、かつフイ
ルムの走行速度が速くなつているため均一に塗布
しにくいので好ましくない。 ポリエステルフイルムに塗布される水系分散液
の塗布量は、二軸延伸後のフイルムに対してポリ
エステル共重合体として0.01〜5g/m2である。
塗布量が0.01g/m2未満の場合は上記ポリエステ
ル共重合体層上に設けるインキ層、磁気材層、感
光剤層などの接着性が不十分である。塗布量が5
g/m2を越えると、ポリエステルフイルムの機械
的強度を低下し、また回収再生されたフイルム中
のポリエステル共重合体が増加するので再生フイ
ルムの機械的強度や耐熱性が劣化する。しかし塗
布量が5g/m2を越えるとヒートシール性を付与
することが可能となるが、フイルムの滑り性、耐
ブロツキング性が低下する。この滑り性、耐ブロ
ツキング性の低下は、水系分散液に無機化合物、
有機化合物の微粒子を添加することにより防止可
能である。 上記ポリエステル樹脂の水系分散液を塗布する
前に、ポリエステルフイルムにコロナ放電処理を
施すことによつて、水系分散液の塗布性がよくな
り、かつポリエステルフイルムとポリエステル共
重合体塗膜との間の接着強度が改善される。 またインラインコート後あるいは二軸延伸後の
ポリエステル共重合体層に、コロナ放電処理、窒
素雰囲気下でのコロナ放電処理、紫外線照射処理
などを施すことによつてフイルム表面の濡れ性や
接着性を向上させることができる。 上記の方法によつて製造されたコーテイングポ
リエステルフイルムは、磁気テープ用ベースフイ
ルム、ラベルステーカ用ベースフイルム、ケミカ
ルマツト用ベースフイルム、オーバヘツドプロジ
エクタ用フイルム、食品包装用フイルム、その他
の用途のフイルムに使用される。 以下にこの発明の実施例を説明する。実施例
中、部、%は重量基準を示す。 実施例 1 (イ) ポリエステル共重合体の水系分散液の製造 ジメチルテレフタレート117部、ジメチルイソ
フタレート117部、エチレングリコール140部、ジ
エチレンエチレングリコール44部、酢酸亜鉛0.08
部、三酸化アンチモン0.08部を反応容器中で40〜
220℃に昇温させて3時間エステル交換反応させ、
次いで5−ナトリウムスルホイソフタル酸9部
(2モル%)を添加して220〜260℃、1時間エス
テル化反応させ、更に減圧下(10〜0.2mmHg)で
2時間重縮合反応を行ない、平均分子量18000、
軟化点140℃のポリエステル共重合体を得た。こ
のポリエステル共重合体300部とn−ブチルセロ
ソルブ140部とを容器中で150〜170℃、約3時間
攪拌して、均一にして粘稠な溶融液を得、この溶
融液に水560部を徐々に添加し約1時間後に均一
な淡白色の固形分濃度30%の水分散液を得、これ
に更に水4500部、エチルアルコール4500部を加え
て希釈し固形分濃度3%の塗布液を得た。 (2) インラインコートフイルムの製造 ポリエチレンテレフタレートを280〜300℃で溶
融押出し、15℃の冷却ロールで冷却して厚さ130
ミクロンの未延伸フイルムを得、この未延伸フイ
ルムを周速の異なる85℃の一対のロール間で縦方
向に3.5倍延伸し、この一軸延伸フイルムにコロ
ナ放電処理を施し、コロナ放電処理面へ前記の塗
布液をエアナイフ方式で塗布し、70℃の熱風で乾
燥し、次いでテンターで98℃で横方向に3.5倍延
伸し、さらに200〜210℃で熱固定し厚さ12ミクロ
ンの二軸延伸コーテイングポリエステルフイルム
を得た。なおコロナ放電処理は、フイルムに対す
る水の接触角が未処理の場合の73〜76度が64〜68
度まで減少する程度で行なつた。水の接触角はゴ
ニオメータ式接触角測定器エルマG−1型(エル
マ光学器械製作所製)で測定した。 実施例 2〜4 上記実施例1において、水系分散液をエアナイ
フ方式で塗布する際に、エア圧を調節してポリエ
ステル共重合体の塗布量を第1表に示すように変
化させた以外は実施例1と同様にして二軸延伸コ
ーテイングポリエステルフイルムを得た。 実施例 5〜6 実施例1において、水系分散液のポリエステル
共重合体の共重合成分を第1表に示すように変化
させた以外は実施例1と同様にして二軸延伸コー
テイングポリエステルフイルムを得た。 比較例 1 実施例1において水系分散液を塗布する前にポ
リエステルフイルムにコロナ放電処理をしなかつ
た以外は実施例1と同様にしてコーテイングポリ
エステルフイルムを得た。 比較例 2,3 実施例1において、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸を全ジカルボン酸に対して10モル%加え
かつポリオール成分配合量を第1表のように変え
て熱水可溶性のポリエステル共重合体の水系分散
液を使用した以外は実施例1と同様にしてコーテ
イングポリエステルフイルムを得た。 比較例 4 実施例1において、ポリエステル共重合体の水
系分散液の代りに、メチルメタクリレート:エチ
ルアクリレート:グリシジルアクリレート:ヒド
ロキシエチルメタクリレートを41:41:8:3の
モル比でエマルジヨン重合して得られたアクリル
系エマルジヨンを塗布液として用いた以外は、実
施例1と同様にしてコーテイングポリエステルフ
イルムを得た。なお、エマルジヨン重合は、乳化
剤としてラウリル硫酸ナトリウムをアクリルモノ
マーに対して3.2%、連鎖移動剤としてはドデシ
ルメルカプタン、触媒として過硫酸カリウムを用
いて行なつた。 比較例 5 実施例1において縦延伸後に水系分散液を塗布
しないで横延伸および熱固定を行ない、しかるの
ちコロナ放電処理を施した以外は実施例1と同様
にしてポリエステルフイルムを得た。 上記各実施例および比較例のポリエステル共重
合成分の配合、塗布量及び各種物性を下記第1
表、第2表、第3表および第4表に示す。
【表】
【表】 表中、TPAはテレフタル酸換算、IPAはイソ
フタル酸換算、SSIは5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、AAはアジピン酸、EGはエチレング
リコール、DEGはジエチレングリコール、NPG
はネオペンチルグリコール、PEGはポリエチレ
ングリコール(平均分子量4000)である。 また第1表のジカルボン酸、ポリオールのモル
%は核磁気共鳴スペクトルで測定した値である。 また、上記第1表中の水不溶性とは、ポリエス
テル共重合体を過剰の80℃熱水中で24時間攪拌処
理した後のポリエステル共重合体の重量減少率
(%)を測定したものである。
【表】 第2表中、ヘーズはJIS−K6714に準じ、日本
精密光学社製ヘーズメータを用いて測定した。再
生は再生フイルムのヘーズを示し、インラインコ
ートフイルムの破砕片と重合後のポリエチレンテ
レフタレートとを1:1に混合して、280〜300℃
で溶融押出し、60℃の冷却ロールで冷却して厚さ
130ミクロンの未延伸フイルムを、フイルムスト
レツチヤー(TMロング社製)で3.5×3.5倍に逐
次延伸し、更に熱風乾燥器で1分間熱固定したフ
イルムのヘーズを上記の方法で測定した値であ
る。 摩擦係数は、ASTM−1894に準じ、東洋精機
社製テンシロンを使用し、塗布面と未塗布面とを
合わせて測定した値である。 ブロツキング性は、塗布面と未塗布面とを密着
させて8×12cmに切断し、これを2枚のシリコー
ンゴムシートで挾着し、更にガラス板で挾み、ガ
ラス板上から2Kgの荷重を掛け、これを40℃、80
%PHの雰囲気中で24時間放置し、しかる後にフ
イルムを取外してフイルム間のブロツキング状態
を目視で判定し、ブロツキング面積の5%以下
を、○、5〜20%を△、20%以上を×で示した。 上記第2表で見られるように各実施例のフイル
ムは再生フイルムのヘーズが、ポリエステル共重
合体を塗布しない従来のポリエチレンテレフタレ
ートフイルム(比較例5)と同様であるのに対し
て、アクリル系エマルジヨン塗布のフイルム(比
較例4)は再生フイルムのヘイズが劣化して再生
は困難である。またフイルムの滑り性も比較例5
とほとんど同じである。さらにポリエステル共重
合成分の5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分
が過多で水溶性である比較例2,3はブロツキン
グ性が大きい。なおポリエステル共重合体の塗布
量が多い実施例3,4はブロツキング性が大きく
なる傾向にある。
【表】 第3表はインキ接着性を示し、コーテツドポリ
エステルフイルムに、ニトロセルロース系インキ
(商品名セロカラーCCST、61白、16紅/61白、
東洋インキ社製)、酢酸ビニル系インキ(商品名
マルチセツト62白、3赤/62白、東洋インキ社
製)および水性インキ(商品名アクアカラー39
藍、東洋インキ社製)のそれぞれのインキをグラ
ビア印刷機で塗布量2g/m2(赤/白の場合は4
g/m2)になるように印刷し、テープ剥離(a)、引
掻き(b)、もみ(c)の各試験を行なつた。テープ剥離
試験(a)は、インキ印刷面にセロハンテープ(商品
名Lパツク、ニチバン社製)を均一に貼着したの
ち、180度および360度方向に速やかに引剥がし、
フイルム上に残つたインキ量を目視で判定し、イ
ンキが残つている部分が全面積の95%以上を◎、
50〜95%を○、10〜50%を△、10%以下を×で示
した。引掻き試験(b)は、インキ面に爪を立てて横
にこすつてもほとんどインキが剥がれないのを
○、爪の背でこすつてもインキが剥がれないが、
爪を立てて横にこすればインキが剥がれるのを
△、爪の背でこすつてインキが剥がれるのを×で
示した。もみ試験(c)は、インキ印刷面同士を重ね
合わせて両手の親指で抑さえ、20往復揉んでイン
キの剥がれ状態を目視で判定し、インキがほとん
ど剥がれない場合を○、インキが僅かに剥がれる
のを△、インキが著しく剥がれるのを×で示し
た。 上記第3表で見られるように、各実施例は、イ
ンキの接着性が良好で、特に(a)テープ剥離試験は
比較例に比べて優れている。なおコロナ放電処理
をしなかつた比較例1は(b)引掻き試験による接着
性が劣つている。
【表】
【表】 第4表は、上記第3表のインキ印刷面に他のフ
イルムをラミネートした場合の剥離強度を示すも
ので、第4表中、PE押出は、第3表のセロカラ
ーCCSTの印刷面に、ポリエチレンイミン(商品
名EL420、東洋モートン社製)をグラビアコータ
ーでアンカコートしたのち、低密度ポリエチレン
(商品名スミカセンL705,住友化学工業社製)を
押出し温度300℃で押出しラミネートした。この
ラミネートフイルムを幅15mmの短冊状に切断した
試料を、東洋精機社製テンシロンを使用して引張
速度200mm/分でポリエステルフイルムとポリエ
チレンフイルムとの間の90度剥離強度(g/15
mm)の測定値である。CPドライは、第3表のマ
ルチセツトの印刷面に商品名タケラツク971/タ
ケネートA−3(武田薬品工業社製)=9/1の酢
酸エチル溶液をグラビアコーターでアンカコート
したのち、厚さ60ミクロンの未延伸ポリプロピレ
ンフイルム(敦賀フイルム社製)を50℃の加熱ロ
ールでドライラミネートし、このラミネートフイ
ルムを40℃、4日間シーズニングしたのち、上記
と同様に幅15mmに切断した試料の90度剥離強度の
測定値を示したものである。CPドライ後ボイル
とは、上記のドライラミネートフイルムを90℃の
熱水中に30分間浸漬したのち上記と同様の90度剥
離強度の測定値を示した。 上記第4表に見られるように、比較例1はいず
れの剥離強度も劣る。また比較例2,3,4はポ
リプロピレンフイルムをラミネート後に熱水で加
熱したときラミネートフイルムが剥離するが、こ
の実施例では剥離しない。このことはこの発明の
フイルムは耐水性の要求される食品包装フイルム
に好適なことを示している。 なお、実施例1の縦延伸後に比較例5と同様に
横延伸、熱固定およびコロナ放電処理を施し、し
かるのち実施例1で用いた水系分散液を塗布量が
0.25g/m2となるように塗布し、120℃で乾燥し
て比較例6のフイルムを製造し、前記第3表のイ
ンキ接着性をテストしたところ、すべて△(爪を
立ててこすると剥がれる)であつた。また、第4
表の剥離強度(CPドライ後ボイル)をテストし
たところ、白部が120g/15mm、赤/白部が115
g/15mmであつた。すなわち、実施例1における
処理順序を入替え、縦延伸後の水系分散液の塗
布・乾燥を横延伸後に変更することにより、イン
キ接着性および剥離強度(CPドライ後ボイル)
が実施例1に比して大幅に低下した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 溶融押出された未延伸ポリエステルフイルム
    または一軸延伸ポリエステルフイルムの少なくと
    も片面にコロナ放電処理を施し、この処理面に、
    (A)カルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸及び/又
    は脂環肪族ジカルボン酸とスルホン酸金属塩基含
    有ジカルボン酸との混合ジカルボン酸からなるポ
    リエステル共重合体であつて、上記スルホン酸金
    属塩基含有ジカルボン酸の含有量が全ジカルボン
    酸成分の0.5〜7モル%、過剰の80℃熱水中で24
    時間攪拌処理した後の重量減少が5重量%以下の
    水不溶性ポリエステル共重合体、(B)沸点60〜200
    ℃の水溶性有機溶媒および(C)水からなり、(A)/(B)
    =100/20〜5000、(B)/(C)=100/50〜10000の重
    量割合に配合されたポリエステル樹脂の水系分散
    液を塗布したのち、この塗布フイルムを更に二軸
    延伸または一軸延伸することを特徴とするコーテ
    イングポリエステルフイルムの製造法。 2 ポリエステルフイルムがポリエチレンテレフ
    タレートフイルムである特許請求の範囲第1項記
    載のコーテイングポリエステルフイルムの製造
    法。
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