JP2003292654A - 帯電防止性積層ポリエステルフィルム - Google Patents

帯電防止性積層ポリエステルフィルム

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JP2003292654A
JP2003292654A JP2002102281A JP2002102281A JP2003292654A JP 2003292654 A JP2003292654 A JP 2003292654A JP 2002102281 A JP2002102281 A JP 2002102281A JP 2002102281 A JP2002102281 A JP 2002102281A JP 2003292654 A JP2003292654 A JP 2003292654A
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polyester film
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antistatic
weight
film
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JP2002102281A
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Satoshi Kitazawa
諭 北澤
Koji Kubo
耕司 久保
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Toyobo Film Solutions Ltd
Original Assignee
Teijin DuPont Films Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止性、耐ブロッキング性に優れ、しか
も接着性、背面転写性、耐削れ性、回収性に優れる帯電
防止性積層ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に塗布層組成物からなる塗布層が設けられ、該塗布層組
成物は塗布層組成物の合計100重量部あたり、ポリエ
ステル樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれた
少なくとも1種のバインダー樹脂(A)20〜80重量
部、ポリカチオンポリマーからなる帯電防止剤(B)1
0〜60重量部、平均粒径20〜120nmの微粒子
(C)3〜20重量部ならびに界面活性剤(D)1〜1
5重量部からなることを特徴とする、帯電防止性積層ポ
リエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性積層ポ
リエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートやポリエチ
レン−2,6−ナフタレート等のポリエステルからなる
フィルムは、包装材料用として、また印刷材料用、磁気
カード用、写真材料用、磁気記録媒体用等のベースフィ
ルムに広く使用されている。ポリエステルフィルムは、
耐水性、耐薬品性、機械的強度、寸法安定性、電気特性
に優れたポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナ
フタレートからなるフィルムが用いられ、或は検討され
ているが、かかるポリエステルフィルムは帯電し易い欠
点を有している。フィルムが帯電すると、その表面にゴ
ミやほこりが付着し、品質上のトラブルが生じる。ま
た、フィルム加工工程で有機溶剤を用いる場合には、帯
電したフィルムからの放電により引火の危険が生じる。
【0003】このような帯電による問題の対策として、
ポリエステルフィルムに有機スルホン酸塩基等のアニオ
ン性化合物、金属粉、カーボン粉等を練り込む方法や、
ポリエステルフィルムの表面に金属化合物を蒸着する方
法等が提案され、実用化されている。しかしながら、こ
のような方法ではフィルムの透明性が低下してしまう問
題や、加工コストが高いといった問題がある。
【0004】また、別の方法として、フィルム表面に制
電性塗膜を形成する方法が種々提案され、かつ実用化さ
れている。この制電性塗膜に含有させる帯電防止剤とし
ては、低分子型のものや高分子型のものが知られている
が、それぞれ長短所を有する。そこで、帯電防止剤はそ
の特性を用途に合わせて使い分けられる。例えば、低分
子型の帯電防止剤としては、スルホン酸塩基を有する長
鎖アルキル化合物(特開平4−28728号公報)等の
ような界面活性剤型のアニオン系帯電防止剤が知られて
おり、また高分子型の帯電防止剤としては、主鎖にイオ
ン化された窒素元素を有するポリマー(特開平3−25
5139号公報、特開平4−288127号公報、特開
平6−320390号公報)や、スルホン酸塩基変性ポ
リスチレン(特開平5−320394号公報)等が知ら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低分子
型の帯電防止剤を用いた制電性塗膜では、帯電防止剤の
一部が塗膜中を移動して界面に集積しフィルムの反対面
等に移行する問題や、帯電防止性が経時的に低下すると
いう問題がある。一方、高分子型の帯電防止剤を用いた
制電性塗膜では、良好な制電性を得るために多量の帯電
防止剤の配合が必要であったり、膜厚の厚い制電性塗膜
を形成させることが必要であるため経済的でない。
【0006】また、製品にならなかった屑フィルム(例
えば、製造工程で切断除去したフィルム端部等)を回収
し、フィルム製造用の再生材料として使用すると、溶融
製膜の際に該再生材料中に含まれる塗膜成分が熱劣化
し、得られたフィルムが著しく着色し実用性に欠ける
(回収性が劣る)ものとなる等の問題が生じる。更に、
フィルム同士が剥離し難い(ブロッキングする)、塗膜
が削れ易い等の欠点が生じる。
【0007】本発明の目的は、かかる従来技術の問題点
を解消し、コロナ放電処理等の前処理を施すことなく低
加工コストで帯電防止性被膜を塗設でき、かつ優れた帯
電防止性、背面転写性、耐ブロッキング性、回収性およ
び接着性を有する帯電防止性積層ポリエステルフィルム
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明本発明
は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層組
成物からなる塗布層が設けられ、該塗布層組成物は塗布
層組成物の合計100重量部あたり、ポリエステル樹脂
およびアクリル樹脂からなる群から選ばれた少なくとも
1種のバインダー樹脂(A)20〜80重量部、ポリカ
チオンポリマーからなる帯電防止剤(B)10〜60重
量部、平均粒径20〜120nmの微粒子(C)3〜2
0重量部ならびに界面活性剤(D)1〜15重量部から
なることを特徴とする、帯電防止性積層ポリエステルフ
ィルムである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0010】[ポリエステルフィルム]本発明において
ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、ジカ
ルボン酸成分とグリコール成分とからつくられる線状飽
和ポリエステルである。このジカルボン酸成分として
は、テレルタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4´−
ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ド
デカンジカルボン酸を例示することができる。フィルム
の機械的性質の点から、テレフタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸が好ましい。
【0011】また、このグリコール成分としてはエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジ
オール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレング
リコールを例示することができる。フィルムの剛直性の
点から、エチレングリコールが好ましい。
【0012】かかるポリエステルのうち、ポリエチレン
テレフタレートあるいはポリエチレン−2,6−ナフタ
レートが、機械的特性(例えば高ヤング率)に優れ、熱
的特性(例えば耐熱寸法安定性)に優れたフィルムが得
られるため好ましい。
【0013】上記ポリエステルは、第三成分として上記
ジカルボン酸成分あるいはグリコール成分を共重合した
コポリエステルであってもよく、三官能以上の多価カル
ボン酸成分あるいはポリオール成分を得られるポリエス
テルが実質的に線状となる範囲(例えば、5mol%以
下)で少量共重合したポリエステルであってもよい。
【0014】かかるポリエステルは常法により製造する
ことができ、ポリエステルの固有粘度が0.45dl/
g以上であるとフィルムの剛性が大きい等の機械的特性
が良好となるため好ましい。
【0015】上記ポリエステルには、フィルムの滑り性
を良好なものとするため、滑剤として平均粒径が0.0
1〜2.0μm程度の有機や無機の微粒子を、例えば
0.01〜5重量%の配合割合で含有させることができ
る。かかる微粒子の具体例として、酸化珪素、酸化アル
ミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム等のような無機
微粒子、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、
架橋アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等のような
耐熱性ポリマーからなる有機微粒子を好ましく挙げるこ
とができる。
【0016】前記微粒子以外にも、着色剤、帯電防止
剤、有機滑剤(滑り剤)、触媒、安定剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、蛍光増白剤を含有してもよく、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンコポリマ
ー、オレフィン系アイオノマーのような他の樹脂を含有
してもよい。
【0017】本発明におけるポリエステルフィルムの厚
さは、好ましくは20〜500μm、さらに好ましくは
50〜450μm、特に好ましくは75〜300μmで
ある。この厚さが20μm未満ではフィルムの腰が弱く
なり、一方フィルムが厚すぎ、例えば500μmを超え
ると製膜性が劣る傾向が見られ好ましくない。
【0018】透明な帯電防止性積層ポリエステルフィル
ムを得る場合には、ポリエステルフィルムとして、厚さ
100μmでのヘーズ0.5〜2.0%の透明ポリエス
テルフィルムを用いることが好ましい。
【0019】白色の帯電防止性積層ポリエステルフィル
ムを得る場合には、ポリエステルフィルムのポリエステ
ルには白色顔料を5〜25重量%配合することが好まし
い。すなわち本発明において白色の帯電防止性積層ポリ
エステルフィルムを得るためには、酸化チタン、硫酸バ
リウム等の白色顔料を5〜25重量%配合することが好
ましい。この場合、表面光沢度は所望により任意に選択
することができる。
【0020】[塗布層]本発明の帯電防止性積層ポリエ
ステルフィルムにおいて、ポリエステルフィルムの少な
くとも片面には、塗布層組成物からなる塗布層が設けら
れる。この塗布層組成物は、ポリエステル樹脂およびア
クリル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のバ
インダー樹脂(A)20〜80重量部、ポリカチオンポ
リマーからなる帯電防止剤(B)10〜60重量部、平
均粒径20〜120nmの微粒子(C)3〜20重量部
および界面活性剤(D)1〜15重量部からなる。ここ
で、バインダー樹脂(A)、導電性高分子ポリマー
(B)、平均粒径20〜120nmの微粒子(C)およ
び界面活性剤(D)を含有する塗布層組成物の合計重量
は100重量部である。
【0021】塗布層組成物の好ましい態様を以下に説明
する。塗布層組成物の100重量%に対して、バインダ
ー樹脂(A)は20〜80重量%、好ましくは35〜6
5重量%、さらに好ましくは25〜75重量%含有され
る。バインダー樹脂(A)がこれより少ないと塗膜(帯
電防止性被膜)のポリエステルフィルムへの密着力が不
足し、これより多いと塗布フィルムのブロッキング性が
悪化する。
【0022】塗布層組成物の100重量%に対して、ポ
リカチオンポリマーからなる帯電防止剤(B)は10〜
60重量%,好ましくは10〜50重量%である。導電
性高分子ポリマー(B)がこれより少ないと帯電防止性
が不足し、これより多いと塗膜のポリエステルフィルム
への密着力が不足する。
【0023】塗布層組成物の100重量%に対して、平
均粒径20〜120nmの微粒子(C)は3〜20重量
%、好ましくは5〜15重量%含有される。微粒子
(C)がこれより少ないと塗布フィルムのブロッキング
性が悪化し、これより多いと塗膜のポリエステルフィル
ムへの密着力が不足する。
【0024】塗布層組成物の100重量%に対して、界
面活性剤(D)は1〜15重量%、好ましくは3〜10
重量%含有される。界面活性剤がこれより少ないと水性
塗液のポリエステルフィルムへの濡れ性が不足すること
があり、これより多いと塗膜のポリエステルフィルムへ
の密着力が不足したり、耐ブロッキング性が不足するこ
とがある。
【0025】[バインダー樹脂(A)]本発明において
バインダー樹脂(A)は共重合ポリエステル樹脂(A−
1)およびアクリル系共重合体(B−2)から選ばれる
少なくとも1種である。
【0026】[共重合ポリエステル樹脂(A−1)]共
重合ポリエステル樹脂(A−1)を構成する酸成分とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、フェニルインダ
ンジカルボン酸、ダイマー酸を例示することができる。
これら成分は二種以上を用いることができる。さらに、
これら成分とともにマレイン酸、フマル酸、イタコン酸
等の如き不飽和多塩基酸やp−ヒドロキシ安息香酸、p
−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の如きヒドロ
キシカルボン酸を少割合用いることができる。不飽和多
塩基酸成分やヒドロキシカルボン酸成分が共重合される
場合、共重合割合は、全ジカルボン酸成分に対して高々
10モル%、好ましくは5モル%以下である。また、ポ
リオール成分としては、エチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キ
シリレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキ
シ)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシ)グリコ
ールを例示することができる。これらは二種以上を用い
ることができる。かかるポリオール成分の中でもエチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタ
ンジオールが好ましく、更にエチレングリコールが好ま
しい。
【0027】共重合ポリエステル樹脂(A−1)には、
水性液化を容易にするために若干量の、スルホン酸塩基
を有する化合物やカルボン酸塩基を有する化合物を共重
合させることが可能であり、その方が好ましい。
【0028】このスルホン酸塩基を有する化合物として
は、例えば5−Naスルホイソフタル酸、5−アンモニ
ウムスルホイソフタル酸、4−Naスルホイソフタル
酸、4−メチルアンモニウムスルホイソフタル酸、2−
Naスルホイソフタル酸、5−Kスルホイソフタル酸、
4−Kスルホイソフタル酸、2−Kスルホイソフタル
酸、Naスルホコハク酸等のスルホン酸アルカリ金属塩
系またはスルホン酸アミン塩系化合物が好ましく挙げら
れる。また、このカルボン酸塩基を有する化合物として
は、例えば無水トリメリット酸、トリメリット酸、無水
ピロメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、シク
ロブタンテトラカルボン酸、ジメチロールプロピオン酸
等、あるいはこれらのモノアルカリ金属塩が挙げられ
る。なお、遊離カルボキシル基は共重合後にアルカリ金
属化合物やアミン化合物を作用させてカルボン酸塩基と
する。
【0029】この共重合ポリエステル樹脂(A−1)
は、変性ポリエステル共重合体、たとえば前記ポリエス
テル共重合体をアクリル、ポリウレタン、シリコーン、
エポキシ、フェノール樹脂等で変性したブロック重合
体、あるいはグラフト重合体として用いることもでき
る。
【0030】かかる共重合ポリエステル樹脂(A−1)
は、従来から知られまたは用いられているポリエステル
の製造技術によって製造することができる。例えば、
2,6−ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形
成性誘導体(特にジメチルエステル)、イソフタル酸ま
たはそのエステル形成性誘導体(特にジメチルエステ
ル)および無水トリメリット酸をエチレングリコールお
よびビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物と
反応せしめてモノマーもしくはオリゴマーを形成し、そ
の後真空下で重縮合反応せしめることによって所定の固
有粘度(o−クロロフェノールを用いて35℃で測定し
た固有粘度が0.2〜0.8が好ましい。)の共重合ポ
リエステルとし、さらに遊離のカルボキシ基をアルカリ
化合物またはアミン化合物と反応させて塩とする方法で
製造することができる。その際、反応を促進する触媒、
例えばエステル化もしくはエステル交換触媒、重縮合触
媒等を用いることが好ましく、また種々の添加剤、例え
ば安定剤を添加することもできる。
【0031】[アクリル系共重合体(A−2)]アクリ
ル系共重合体(A−2)の構成成分としては、アクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸ソーダ、アクリル酸アンモニウム、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、メタクリル酸、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸ソーダ、メタクリル酸アンモニウ
ム、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジル
メタクリレート、アクリルメタクリレート、ビニルスル
ホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、ス
チレンスルホン酸ナトリウム、アクリルアミド、メタク
リルアミド,N−メチロールメタクリルアミドを例示す
ることができる。これらのモノマーは、例えばスチレ
ン、酢酸ビニル、アクリルニトリル、メタクリルニトリ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ジビニルベンゼン等
の他の不飽和単量体と併用することもできる。
【0032】また前記アクリル系共重合体として、変性
アクリル共重合体、例えば前記アクリル共重合体をポリ
エステル、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、フェ
ノール樹脂等で変性したブロック重合体、あるいはグラ
フト重合体として用いることもできる。
【0033】[帯電防止剤(B)]本発明において、帯
電防止剤(B)としてはポリカチオンポリマーを用いる
が、下記式(I)〜(III)のいずれかで表わされる
構造を繰り返し単位とするポリカチオンポリマーを用い
ることが好ましい。
【0034】
【化4】
【0035】(ただし、上記式(I)において、R1
2はそれぞれHまたはCH3であり、R3は炭素数が2
〜10のアルキレン基であり、R4、R6はそれぞれ炭素
数が1〜5の飽和炭化水素基であり、R6は炭素数が2
〜10のアルキレン基であり、pは1〜20の数であ
り、qは1〜40の数であり、Y-はハロゲンイオンで
あり、モノもしくはポリハロゲン化アルキルイオン、ナ
イトレートイオン、サルフェートイオン、アルキルサル
フェートイオン、スルホネートイオンまたはアルキルス
ルホネートイオンである。)上記式(I)の帯電防止剤
のうち、式(I)中のY-がR7SO3 -で表わされるアル
キルスルホネートイオン(ただし、R7は炭素数が1〜
5の飽和炭化水素基)であり、−(OR3p−のR3
エチレン基であり、pが1〜20の数、−(R6O)q
のR6がエチレン基であり、qが1〜40の数であるも
のは、塗膜とポリエステルフィルムとの接着性、塗膜の
耐熱性が良好であり、特に制電性に優れるので好まし
い。
【0036】上記式(I)の帯電防止剤は、例えば下記
の方法で好ましく製造することができる。すなわち、ア
クリル酸エステルモノマーを、乳化重合により、重量平
均分子量2000〜100000のポリアクリル酸エス
テルとし、次いでN,N−ジアルキルアミノアルキルア
ミン(例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミ
ン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン等)と反応
させてアミド化し、最後に4級ヒドロキシアルキル化反
応を行わせて4級カチオン対を導入することで製造でき
る。
【0037】帯電防止剤の平均分子量(数平均分子量)
は任意であるが、3000〜300000、更に500
0〜100000であることが好ましい。この平均分子
量が3000未満であると、帯電防止剤の背面転写性が
悪化する傾向があり、一方平均分子量が300000を
超えると、水性塗液の粘度が高くなりすぎフィルムに均
一に塗布し難くなるため好ましくない。
【0038】上記の帯電防止性被膜に用いる帯電防止剤
は、前記式(I)中のY-が、CH3SO3 -、C25SO
3 -、またはC37SO3ーであり、−(OR3p−が−
(OC24p−であり、かつpが1〜5であることが
好ましい。また、−(R6O) q−が−(C24O)q
であり、かつqが1〜10であることが好ましい。
【0039】
【化5】
【0040】上記式(II)のR11、R12は各々炭素数
1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラキラル基である。これらの中で炭素数1〜6の
アルキル基が好ましい。
【0041】
【化6】
【0042】上記式(III)のR13〜R16は各々炭素
数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラキラル基であり、R17、R18は各々炭素数2〜
10のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン
基、アレルキレン基、ヘテロ原子(O、N等)含有の2
価の脂肪族基である。この脂肪族基としては、−CH
(OH)CH2−、−CH2CH(OH)CH2−、−C
2CH2CH2NHCOCH2CH2CH2−が例示され
る。
【0043】これらはホモポリマーでも、他の不飽和モ
ノマーと共重合として用いることもできる。他の不飽和
モノマーと共重合して用いる場合、上記の繰り返し単位
は50mol%以上で構成されていることが好ましい。
50mol%未満では帯電防止性が不足して好ましくな
い。他の不飽和モノマーとしては、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸ブチル、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、クロトン酸メチル、グリシジルメタク
リレート、アクリルメタクリレート、アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、エ
チレン、スチレン、酢酸ビニル、アクリルニトリル、メ
タクリルニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ジビ
ニルベンゼン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸を挙げることができる。
【0044】[微粒子(C)]本発明における塗布幕に
は、滑り性、耐ブロッキング性を良好なものとするため、
平均粒径20〜120nmの微粒子(C)を配合する。
この微粒子(C)としては、無機または有機の微粒子を
用いることができる。微粒子(C)として好ましいもの
は導電性フィラーである。
【0045】無機または有機の微粒子としては、例えば
炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、
カオリン、酸化珪素、酸化亜鉛、架橋アクリル樹脂粒
子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、架
橋シリコーン樹脂粒子が挙げられ、塗液の安定性、帯電
防止性よりコロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、架
橋アクリル樹脂粒子を好ましく挙げることができる。
【0046】導電性フィラーとしては、酸化チタン、酸
化スズが挙げられる。特に本用途では、帯電防止性向上
と耐ブロッキング性の観点から導電フィラーの酸化スズ
を好ましく挙げることができる。
【0047】微粒子(C)の平均粒径は、好ましくは2
0〜120nm、更に好ましくは20〜80nmであ
る。該微粒子の粒径が20nm未満ではフィルムがブロ
ッキングしやすく、120nmを超えると削れが低下す
るので好ましくない。
【0048】[界面活性剤(D)]本発明における塗布
層には、塗布層とポリエステルフィルムとの接着性を強
固なものとし、帯電防止性積層フィルムの耐ブロッキン
グ性を良好なものとするため、界面活性剤(D)を配合
する。
【0049】かかる界面活性剤(D)としては、例えば
アルキレンオキサイド単独重合体、アルキレンオキサイ
ド共重合体、脂肪族アルコール・アルキレンオキサイド
付加物、長鎖脂肪族置換フェノール・アルキレンオキサ
イド付加重合物、多価アルコール脂肪族エステル、長鎖
脂肪族アミドアルコール等のノニオン系界面活性剤、4
級アンモニウム塩を有する化合物、アルキルピリジニウ
ム塩を有する化合物、スルホン酸塩を有する化合物等の
カチオン系又はアニオン系界面活性剤を挙げることがで
き、特にノニオン界面活性剤が塗膜とベースフィルムと
の接着性や制電性ポリエステルフィルムの耐ブロッキン
グ性に対する効果が優れるため好ましい。
【0050】[製造方法] [水性塗液]本発明において塗布層は、上記の塗布層組
成物を含む水性塗液を、ポリエステルフィルムの少なく
とも片面に塗布し、乾燥、延伸することにより塗設す
る。用いる水性塗液は、水を媒体とし、前記成分の組成
物が溶解および/または分散されているものである。な
お、水性塗液には、塗液の安定性を助ける目的で若干量
の有機溶剤を含ませても良い。この有機溶剤としては、
メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、n−ヘキ
サン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノールを例示することが
できる。有機溶剤は複数種含まれていてもよい。
【0051】本発明において、水性塗液には本発明の目
的を損なわない範囲で、他の界面活性剤、紫外線吸収
剤、顔料、潤滑剤、ブロッキング防止剤、水溶性高分子
樹脂、オキサゾリン、メラミン、エポキシ、アジリジン
等の架橋剤や他の帯電防止剤等の添加剤を配合すること
ができる。
【0052】本発明における水性塗液中の固形分濃度
は、通常30重量%以下であり、0.5〜30重量%で
あることが好ましい。この割合が0.5重量%未満であ
ると、ポリエステルフィルムへの塗れ性が不足し、また
30重量%を超えると被膜外観が悪化するので好ましく
ない。
【0053】[塗布幕の塗設]本発明においては、上述
の水性塗液をポリエステルフィルムの少なくとも片面に
塗布するが、このフィルムとしては結晶配向が完了する
前のポリエステルフィルムが好ましい。この配向結晶が
完了する前のポリエステルフィルムとしては、ポリエス
テルを熱溶融してそのままフィルム状とした未延伸フィ
ルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れかの
方向に延伸した一軸延伸フィルム、未延伸フィルムを縦
方向および横方向の二方向に低倍率で延伸した更に延伸
可能な二軸延伸フィルム(最終的に縦方向および横方向
に再延伸して配向結晶化を完了させる前の二軸延伸フィ
ルム)を例示することができる。
【0054】ポリエステルフィルムへの水性塗液の塗布
方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例え
ばロールコート法、グラビアコート法、マイクログラビ
アコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、
スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法およ
びカーテンコート法を単独または組み合わせて適用する
と良い。
【0055】塗布量は走行しているフィルム1m2あた
り0.5〜50g、さらには5〜30gが好ましい。最
終乾燥塗膜(被膜)の厚さとしては0.02〜1μm、
好ましくは0.05〜0.8μmである。塗膜の厚さが
0.02μm未満であると帯電防止性が不十分となり、
1μmを超えると耐ブロッキング性が低下する。塗布は
フィルムの用途に応じて片面のみに行うことも両面に行
うこともできる。塗布後、乾燥することにより均一な塗
膜となる。
【0056】本発明においては、ポリエステルフィルム
に水性塗液を塗布した後、乾燥、好ましくは延伸処理を
行うが、この乾燥は90〜130℃で2〜20秒間行う
のが好ましい。この乾燥は延伸処理の予熱処理ないし延
伸時の加熱処理をかねることができる。ポリエステルフ
ィルムの延伸処理は、温度70〜140℃で縦方向に
2.5〜7倍、横方向に2.5〜7倍、面積倍率で8倍
以上、さらには9〜28倍延伸するのが好ましい。再延
伸する場合には、1.05〜3倍の倍率で延伸するのが
好ましい(但し、面積倍率は前記と同じ)。延伸後の熱
固定処理は最終延伸温度より高く融点以下の温度で1〜
30秒行うのが好ましい。例えばポリエチレンテレフタ
レートフィルムでは170〜240℃で2〜30秒熱固
定するのが好ましい。
【0057】かくして得られた帯電防止性積層ポリエス
テルフィルムは、帯電防止性、耐ブロッキング性、接着
性、背面転写性等に優れた、電子材料包装用フィルム、
印刷材料、磁気カード(例えばテレホンカード、プリペ
ードカード)、ICカード、電子材料、グラフィック材
料、製版フィルム、OHPフィルム、ラベルに有用であ
る。
【0058】[印刷インキ層]本発明の帯電防止性積層
ポリエステルフィルムには、塗布層の一部もしくは全部
の上に印刷インキ層を設けることができる。この印刷イ
ンキ層は特に限定されないが、従来より知られている紫
外線硬化型印刷インキ、電子線硬化型インキ、感熱記録
型インキ等を用いることができる。
【0059】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。各種物性は下記の方法により評価した。
【0060】1.表面固有抵抗(帯電防止性) サンプルフィルムの表面固有抵抗を、タケダ理研社製固
有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度60
%の条件で、印加電圧500Vで1分後の表面固有抵抗
値(Ω/□)を測定する。なお、表面固有抵抗値は3×
1012(Ω/□)以下が好ましく、3×1011以下が更
に好ましい。
【0061】2.耐ブロッキング性 50mm幅に切断したサンプルフィルムの塗布層塗設面
と非塗設面とを重ねあわせ.50kg/cm2の荷重
下、60℃×80%RHにて17時間処理した後、塗設
面と非塗設面との剥離力を測定し、耐ブロッキング性を
下記の通り評価する。 ランクA: 剥離力≦10g(耐ブロッキング性良好) ランクB: 10g<剥離力≦30g(耐ブロッキング性やや不良) ランクC: 30g<剥離力 (耐ブロッキング性不良)
【0062】3.背面転写性 帯電防止性積層ポリエステルフィルムのサンプルフィル
ムの塗布層塗設塗面と非塗設面とを重ねて6kg/cm
2の荷重を加え、50℃×70%RHの条件で17時間
処理した後、非塗布面の水接触角(θ:背面転写性の代
用特性)を測定し、下記の基準により評価する。 ランクA: θ≧55°(背面転写性良好) ランクB: 55°>θ≧48°(背面転写性やや良好) ランクC: 48°>θ (背面転写性不良) 水接触角は上記サンプルフィルムを、非塗布面を上にし
て接触角測定装置(エルマ社製)にセットし、温度23
℃の条件にて水滴を落下させてから1分後の接触角を読
み取ることにより測定する。なお、背面転写性が全く無
いフィルムの水接触角は60〜72°であり、背面転写
性良好なフィルムの水接触角は55°以上であり、背面
転写性が著しい(背面転写性不良)フィルムの水接触角
は48°未満である。
【0063】4.耐削れ性 20mm幅に切断したフィルムサンプルを用い、フィル
ムの塗布層塗設面を直径10mmの円柱状ステンレス製
固定バーにあてて200gの荷重を加えた状態で80m
走行させた後、バーに付着した塗布層の白粉を観察し、
耐削れ性を下記の通り評価する。 ランクA:バーに白粉の付着が無い(耐削れ性良好) ランクB:バーに白粉がやや付着する(耐削れ性やや不
良) ランクC:バーに白粉が多量に付着する(耐削れ性不
良)
【0064】5.再生フィルムの着色度(回収性) 塗布層を設けないフィルムを粉砕し、押出機にて約30
0℃で溶融しチップ化し、次いで得られたチップを用い
て溶融製膜し、ブランクフィルムを作成する。このフィ
ルムの着色度をブランクとする。一方、塗布層を設けな
いサンプルフィルムを粉砕し、押出機にて約300℃で
溶融しチップ化し、次いで得られたチップを用いて溶融
製膜し、再生フィルムを作成する。このフィルムの着色
度を下記の基準により評価する。 ランクA:着色度がブランクフィルム並み ランクB:フィルムがやや着色している ランクC:フィルムの着色度が大で実用性に欠ける
【0065】6.UVインキの接着性 サンプルフィルムの塗膜塗設面に紫外線硬化型印刷イン
キ(東洋インキ製フラッシュドライFDO紅APN)を
RIテスター(明製作所製)により印刷した後、中圧水
銀灯(80W/cm、一灯式;日本電池製)UVキュア
装置でキュアリングを行い、厚み3.0μmのUVイン
キ層を形成する。このUVインキ層上にセロハンテープ
(18mm幅;ニチバン製セロテープ)を15cmの長
さに貼り、この上を2Kgの手動式荷重ロールで一定の
荷重を与え、フィルムを固定してセロハンテープの一端
を90゜方向に剥離することにより剥離接着力を評価す
る。接着性は次の基準で評価する。 ランクA:インキ層が全く剥離しない(インキ接着性良
好) ランクB:塗膜とインキ層間が部分的に凝集破壊状に剥
離する(インキ接着性やや良好) ランクC:塗膜とインキ層間が層状に剥離する(インキ
接着性不良)
【0066】[実施例1]固有粘度(オルソクロロフェ
ノール、35℃)0.65であり、粒子径1.7μmの
多孔質SiO2を0.01wt%含むポリエチレンテレ
フタレート(PET)を溶融して冷却ドラム上にキャス
トし、次いで得られた未延伸フィルムを縦方向に3.6
倍延伸した。この一軸延伸フィルムの片面に、酸成分が
テレフタル酸(67モル%)、イソフタル酸(27モル
%)および5―Naスルホイソフタル酸(6モル%)、
グリコール成分がエチレングリコール(30モル%)、
ジエチレングリコール(40モル%)およびネオペンチ
ルグリコール(30モル%)よりなる共重合ポリエステ
ル(Tg=51℃)(A−1)56wt%、下記式(I
−1)で示される高分子帯電防止剤(B−1)30wt
%、平均粒径80nmのコロイダルシリカ粒子(C−
1)5wt%、ならびにポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル9wt%からなる固形分組成(塗布層組成物)の
10wt%水性液を4g/m2(wet)の塗布量でマ
イクログラビアコート法にてフィルムの片面に塗布し
た。
【0067】
【化7】
【0068】乾燥後、横方向に3.6倍延伸し、230
℃で熱処理して厚さ100μmの帯電防止性塗布層を塗
設した帯電防止性積層ポリエステルフィルムを得た。こ
のフィルムはヘーズが0.9%だった。この帯電防止性
積層ポリエステルフィルムの帯電防止性塗布層面の特性
を表2にまとめて示す。
【0069】[実施例2〜10]塗布層組成物の種類と
比率を表1に示すように変える以外は、実施例1と同様
にして帯電防止性積層ポリエステルフィルムを得た。こ
の帯電防止性積層ポリエステルフィルムの帯電防止性塗
布層面の特性を表2にまとめて示す。
【0070】
【表1】
【0071】表1においてアクリル共重合体(A−2)
は、下記の化合物である。 (A−2):メタクリル酸メチル(45mol%)、ア
クリル酸エチル(40mol%)、アクリロニトリル
(10mol%)、およびN−メチロールメタクリルア
ミド(5mol%)から作成されたノニオン性アクリル
共重合体(数平均分子量:235000、Tg=34
℃) 表1において、帯電防止剤(B−1、B−2、B−
3)、微粒子(C−1,C−2,C−3、C−4)は、
下記の化合物である。 帯電防止剤 (B−1):下記化合物(I−1)
【0072】
【化8】
【0073】(B−2):下記化合物(II−1)
【0074】
【化9】
【0075】(B−3):下記化合物(III−1)
【0076】
【化10】
【0077】微粒子 (C−1):平均粒径80nmのコロイダルシリカ粒子 (C−2):平均粒径40nmの架橋アクリル樹脂粒子 (C−3):平均粒径100nmの酸化チタン粒子 (C−4):平均粒径40nmの酸化スズ粒子
【0078】
【表2】
【0079】[実施例11]固有粘度(オルソクロロフ
ェノール、35℃)0.65のポリエチレンテレフタレ
ート(PET)90wt%と平均粒径0.4μmの酸化
チタン10wt%からなる組成物を溶融して冷却ドラム
上にキャストし、次いで得られた未延伸フィルムを縦方
向に3.6倍延伸した。この一軸延伸フィルムの片面に
酸成分がテレフタル酸(67モル%)、イソフタル酸
(27モル%)および5―Naスルホイソフタル酸(6
モル%)、グリコール成分がエチレングリコール(30
モル%)、ジエチレングリコール(40モル%)および
ネオペンチルグリコール(30モル%)よりなる共重合
ポリエステル(Tg=51℃)(A−1)56wt%、
下記式(I−1)で示される高分子帯電防止剤(B−
1)30wt%、平均粒径80nmのコロイダルシリカ
粒子(C−1)5wt%、ならびにポリオキシエチレン
ラウリルエーテル9wt%からなる固形分組成(塗布層
組成物)の10wt%水性液を4g/m2(wet)の
塗布量でマイクログラビアコート法にてフィルムの片面
に塗布した。乾燥後、横方向に3.6倍延伸し、230
℃で熱処理して厚さ188μmの帯電防止性積層ポリエ
ステルフィルムを得た。この帯電防止性積層ポリエステ
ルフィルムの帯電防止性塗布層面の特性を表2にまとめ
て示す。
【0080】
【化11】
【0081】[実施例12]ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)をポリエチレンナフタレート(PEN)に
変える以外は、実施例1と同様にして帯電防止性積層ポ
リエステルフィルムを得た。このフィルムの帯電防止性
塗布層面の特性を表2にまとめて示す。
【0082】[比較例1〜8]塗布層組成物の種類と比
率を表1に示すように変える以外は、実施例1と同様に
して帯電防止性被膜被服二軸延伸ポリエステルフイルム
を得た。このフイルムの特性を表2に示す。
【0083】表1において、帯電防止剤(B−4、B−
5)、微粒子(C−5,C−6)は、下記の化合物であ
る。 帯電防止剤 (B−4):ポリスチレンスルホン酸Na(ケミスタッ
トSA−9、三洋化成製) (B−5):ドデシルベンゼンスルホン酸Na 微粒子 (C−5):平均粒径10nmのコロイダルシリカ粒子 (C−6):平均粒径160nmの架橋アクリル樹脂粒
【0084】[比較例9]実施例1において、塗布層組
成物をコーテイングをせずに得た二軸延伸ポリエステル
フィルムの特性を表1に示す。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、帯電防止性、耐ブロッ
キング性に優れ、しかも接着性、背面転写性、耐削れ
性、回収性に優れる帯電防止性積層ポリエステルフィル
ムを提供することができる。本発明の帯電防止性積層ポ
リエステルフィルムは、電子材料包装用フィルム、印刷
材料、磁気カード(例えばテレホンカード、プリペード
カード)、ICカード、電子材料、グラフィック材料、
製版フィルム、OHPフィルム、ラベル等に有用な、特
にICキャリアテープ、キャリアケース等の電子部品包
装用に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 (72)発明者 久保 耕司 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人デュポンフィルム株式会社相模原研究セ ンター内 Fターム(参考) 4F006 AA35 AB24 AB32 AB35 AB64 AB65 AB73 AB74 AB76 BA07 CA02 CA03 CA07 DA04 4F100 AA19B AA19C AA20B AA20C AK01B AK01C AK25B AK25C AK41A AK41B AK41C AK42A BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA10B BA10C BA10D BA10E CA13C CA18B CA18C CA21B CA21C CA22B CA22C CA23B CA23C DE01B DE01C EH46B EH46C EJ37B EJ37C EJ86B EJ86C HB31D HB31E JB09B JB09C JB13D JB13E JB14D JB14E JG01B JG01C JG03 JN01A YY00A YY00B YY00C 4F210 AA24 AA26 AB09 AB10 AB12 AC06 AE03 AG01 AG03 QC06 QD08 QG01 QG18

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に塗布層組成物からなる塗布層が設けられ、該塗布層組
    成物は塗布層組成物の合計100重量部あたり、ポリエ
    ステル樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれた
    少なくとも1種のバインダー樹脂(A)20〜80重量
    部、ポリカチオンポリマーからなる帯電防止剤(B)1
    0〜60重量部、平均粒径20〜120nmの微粒子
    (C)3〜20重量部ならびに界面活性剤(D)1〜1
    5重量部からなることを特徴とする、帯電防止性積層ポ
    リエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 塗布層が、塗布層組成物の水性塗液をポ
    リエステルフィルムに塗布し、乾燥、延伸して得られる
    塗膜である、請求項1記載の帯電防止性積層ポリエステ
    ルフィルム。
  3. 【請求項3】 水性塗液が、塗布層組成物100重量部
    あたりポリエステル樹脂およびアクリル樹脂からなる群
    から選ばれる少なくとも1種のバインダー樹脂(A)3
    5〜75重量部、ポリカチオンポリマーからなる帯電防
    止剤20〜50重量部、平均粒径20〜120nmの微
    粒子(C)5〜15重量部、ならびに界面活性剤(D)
    3〜10重量部を含有する、請求項2記載の帯電防止性
    積層ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 平均粒径20〜120nmの微粒子が、
    導電性フィラーである、請求項1または2に記載の帯電
    防止性積層ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 平均粒径20〜120nmの微粒子が、
    コロイダルシリカ、コロイダルアルミナおよび/または
    アクリルフィラーである請求項1乃至3のいずれかに記
    載の帯電防止性積層ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 ポリカチオンポリマーからなる帯電防止
    剤(B)のポリカチオンポリマーが下記式で表わされる
    ポリカチオンポリマーのいずれかである請求項1乃至4
    のいずれかに記載の帯電防止性積層ポリエステルフィル
    ム。 【化1】 (ただし、R1、R2はそれぞれHまたはCH3であり、R
    3は炭素数が2〜10のアルキレン基であり、R4、R5
    それぞれ炭素数が1〜5の飽和炭化水素基であり、R6
    炭素数が2〜5のアルキレン基であり、pは1〜20の
    数であり、qは1〜40の数であり、Y-はハロゲンイオ
    ン、モノもしくはポリハロゲン化アルキルイオン、ナイト
    レートイオン、サルフェートイオン、アルキルサルフェー
    トイオン、スルホネートイオンまたはアルキルスルホネ
    ートイオンである。) 【化2】 (ただし、R11、R12は各々炭素数1〜10のアルキル
    基、シクロアルキル基、アリール基またはアラキラル基
    であり、mは40〜80の数である。) 【化3】 (ただし、R13〜R16は各々炭素数1〜10のアルキル
    基、シクロアルキル基、アリール基またはアラキラル基
    であり、R17、R18は各々炭素数2〜10のアルキレン
    基、シクロアルキレン基、アリーレン基、アレルキレン
    基、ヘテロ原子(O、N等)含有の2価の脂肪族基であ
    り、mは40〜80である。)
  7. 【請求項7】 ポリエステルフィルムのポリエステルが
    ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,
    6−ナフタレートフィルムである、請求項1乃至6のい
    ずれかに記載の帯電防止性積層ポリエステルフィルム。
  8. 【請求項8】 ポリエステルフィルムが白色顔料を5〜
    25重量%含有する白色ポリエステルフィルムである請
    求項1乃至7のいずれかに記載の帯電防止性積層ポリエ
    ステルフィルム。
  9. 【請求項9】 ポリエステルフィルムが厚さ100μm
    でのヘーズが0.5〜2.0%である透明ポリエステル
    フィルムである、請求項1乃至7のいずれかに記載の帯
    電防止性積層ポリエステルフィルム。
  10. 【請求項10】 塗布層の上にさらに紫外線硬化インキ
    層または熱硬化性インキ層を設けた請求項1記載の帯電
    防止性積層ポリエステルフィルム。
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