JP2002225196A - ダミー缶用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

ダミー缶用積層ポリエステルフィルム

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JP2002225196A
JP2002225196A JP2001027853A JP2001027853A JP2002225196A JP 2002225196 A JP2002225196 A JP 2002225196A JP 2001027853 A JP2001027853 A JP 2001027853A JP 2001027853 A JP2001027853 A JP 2001027853A JP 2002225196 A JP2002225196 A JP 2002225196A
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polyester film
dummy
antistatic
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JP2001027853A
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Satoshi Kitazawa
諭 北澤
Masayuki Fukuda
雅之 福田
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 帯電防止性、寸法安定性、印刷層との接着
性、搬送性、耐熱性、耐ブロッキング性、背面転写性、耐
削れ性、回収性等に優れたダミー缶用フィルム等に有用
なダミー缶用積層ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、(1)ガラス転移温度−20℃〜40℃のアクリル
系共重合体40〜85重量%、(2)下記式(I)で示
される構造の繰り返し単位を主成分とする帯電防止剤5
〜50重量%、(3)オキサゾリン基を有する重合体1
〜20重量%及び(4)界面活性剤5〜15重量%から
なる組成物を用いた制電性塗膜を塗装したダミー缶用積
層ポリエステルフィルム。 (ただし、式中のR1、R2はそれぞれ水素又はメチル基、
3は炭素数が2〜5のアルキレン基、R4、R5はそれぞ
れ炭素数が1〜5の飽和炭化水素基、R6は炭素数が2〜
5のアルキレン基、Y-はハロゲンイオン等である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダミー缶用積層ポリ
エステルフィルムに関し、更に詳しくは寸法安定性、帯
電防止性、印刷インキとの接着性、フィルム滑り性、透
明性、背面転写性、耐削れ性、耐ブロッキング性等に優
れたダミー缶用積層ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】自動販売機では、通常、その前面パネル
に商品を表わすものが表示又は展示され、購買者はこれ
に対応するボタン等を操作することで所望の商品を購入
するようになっている。例えば、飲料缶の自動販売機で
は、その前面パネルに商品を表わす缶が展示され、購買
者はこれに対応するボタン等を操作することで所望の缶
を購入するようになっている。この展示は、当初、販売
する飲料缶と同じもの(但し、内容物はなし)であった
が、その後この缶の代わりにプラスチック及び/又はプ
ラスチックフィルムを缶状に加工し、缶胴部に商品と同
じデザインを印刷し、かつ該胴部を内部に光を導いて照
らすようにしたダミー缶で行なうようになってきてい
る。例えば、或るダミー缶は商品と同じデザインに印刷
された缶胴部を表わす筒状ないし半筒状フィルム(シー
ト)と該筒状ないし半筒状フィルム(シート)を支持台
に固定する支持枠とからなり、該支持台は蛍光灯を内部
に収めた中空の支持台で、その上板には支持枠取付け用
の貫通孔が設けてあり、該支持枠は該貫通孔に接合する
状態で支持台に取り付けられる。支持台に取り付けられ
たダミー缶は該貫通孔を通して入ってくる蛍光灯の光に
よって缶胴部の印刷面を内部より照らし、これによって
商品イメージを明瞭に表示している。このダミー缶は支
持枠、筒状ないし半筒状フィルム(シート)ともにプラ
スチック製であって、通常、支持枠は略円盤ないし円輪
状の天板と底板を背柱で繋いだ形態をしている。なお、
半筒状フィルムの場合、通常該半筒状フィルムは缶胴部
の前半分を構成する構造となるから、該缶胴部の後半分
は支持枠で構成するようにする。
【0003】かかるダミー缶はコスト低減もさることな
がら、内部から照明することで缶を綺麗に表示できる利
点があり、昨今では、殆どの自動販売機がこのシステム
を採用している。
【0004】ダミー缶用フィルムには、耐侯性、耐熱性
の観点より、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプ
ロピレン、またはアクリル樹脂からなるフィルムが使用
されていたが、近年、耐水性、耐薬品性、機械的強度、寸法
安定性、等の点から、これらに優れたポリエステルフィ
ルム、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレン
ナフタレートからなるフィルムの検討がより一層進めら
れ、また用いられるようになっている。しかし、ポリエ
ステルフィルムは帯電し易い欠点を有している。フィル
ムが帯電すると、その表面にゴミやほこりが付着し、品
質上のトラブルが生じる。また、フィルム加工工程で有機
溶剤を用いる場合には、帯電したフィルムからの放電に
より引火する危険が生じる。
【0005】このような帯電による問題の対策として、
ポリエステルフィルムに有機スルホン酸塩基等のアニオ
ン性化合物、金属粉、カーボン粉等を練り込む方法や、ポ
リエステルフィルムの表面に金属化合物を蒸着する方法
等が提案され、実用化されている。しかし、これらの方法
は、得られる積層フィルムの透明性が低下してしまう問
題や、加工コストが高いといった問題を抱えている。
【0006】また、別の方法として、フィルム表面に制電
性塗膜を形成する方法が種々提案され、かつ実用化され
ている。この制電性塗膜に含有させる帯電防止剤として
は、低分子型のものや高分子型のものが知られているが、
それぞれ長短を有する。そこで、帯電防止剤はその特性、
用途に合わせて使い分ける必要がある。
【0007】例えば、低分子型の帯電防止剤としては、
スルホン酸塩基を有する長鎖アルキル化合物(特開平4
−28728号)等のような界面活性剤型のアニオン系
帯電防止剤が知られ、また高分子型の帯電防止剤として
は、主鎖にイオン化された窒素元素を有するポリマー
(特開平3−255139号、特開平4−288127
号、特開平6−320390号)や、スルホン酸塩基変性
ポリスチレン(特開平5−320394号)等が知られ
ている。
【0008】しかし、低分子型の帯電防止剤を用いた制
電性塗膜には、帯電防止剤の一部が塗膜中を移動して界
面に集積しフィルムの反対面等に移行する問題や、帯電
防止性(制電性)が経時的に低下するという問題があ
る。一方、高分子型の帯電防止剤を用いた制電性塗膜で
は、一般に、良好な制電性を得るために多量の帯電防止
剤の配合が必要であったり、膜厚の厚い制電性塗膜を形
成させることが必要であるため経済的でない。また、製品
にならなかった屑フィルム(例えば、製造工程で切断除
去したフィルム端部等)を回収し、フィルム製造用の再
生材料として使用すると、溶融製膜の際に該再生材料中
に含まれる塗膜成分が熱劣化し、得られたフィルムが著
しく着色し実用性に欠ける(回収性が劣る)ものとなる
等の問題が生じる。更に、フィルム同士が剥離し難い(ブ
ロッキングする)、塗膜が削れ易い等の欠点が生じ、そ
の解決が望まれている。
【0009】また、上記の処理では、印刷層との接着性
が不十分であり、更に、ダミー缶用積層ポリエステルフ
ィルムは、多種の色を重ねて印刷されるため、印刷のず
れが問題となることがあり、フィルムの熱収縮性の改良
が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を解消し、コロナ放電処理等の前処
理を施すことなく低加工コストで制電性被膜を塗設で
き、かつ優れた寸法安定性、帯電防止性、印刷インキと
の接着性、フィルムの滑り性、透明性、背面転写性、耐
削れ性、耐ブロッキング性、回収性を有するダミー缶用
積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に
(1)ガラス転移温度が−20℃〜40℃のアクリル系
共重合体40〜85重量%、(2)下記式(I)で示さ
れる繰返し単位を主成分とする帯電防止剤5〜50重量
%、(3)オキサゾリン基を有する重合体1〜20重量
%及び(4)界面活性剤5〜15重量%の組成を用いた
制電性塗膜を設けた積層フィルムであって、該フィルム
が150℃で30分間保持したときの熱収縮率が1〜
0.01%であり、摩擦係数が0.2〜0.4であり、
かつ23℃、相対湿度50%における表面固有抵抗が3
×1012Ω/□以下であることを特徴とするダミー缶用
積層ポリエステルフィルムによって達成される。
【0012】
【化2】
【0013】(ただし、式中のR1、R2はそれぞれ水素
又はメチル基、R3は炭素数が2〜5のアルキレン基、
4、R5はそれぞれ炭素数が1〜5の飽和炭化水素基、
6は炭素数が2〜5のアルキレン基、mは1〜20の
数、nは1〜40の数、Y-はハロゲンイオン、モノもし
くはポリハロゲン化アルキルイオン、ナイトレートイオ
ン、サルフェートイオン、アルキルサルフェートイオン、
スルホネートイオン又はアルキルスルホネートイオンで
ある。) 以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】本発明においてポリエステルとは、ジカル
ボン酸成分とグリコール成分からつくられる線状飽和ポ
リエステルである。このジカルボン酸成分としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4´−ジフェ
ニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン
ジカルボン酸、等を好ましく例示することができる。特
にフィルムの機械的性質の点から、テレフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
【0015】また、このグリコール成分としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキサン
ジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレン
グリコール、等を好ましく例示することができる。特に
フィルムの剛直性の点から、エチレングリコールが好ま
しい。
【0016】かかるポリエステルのうち、ポリエチレン
テレフタレートあるいはポリエチレン−2,6−ナフタ
レートが機械的特性(例えば高ヤング率)に優れ、熱的
特性(例えば耐熱寸法安定性)に優れたフィルムが得ら
れるため好ましい。
【0017】上記ポリエステルは、第三成分として上記
ジカルボン酸成分あるいはグリコール成分を共重合した
コポリエステルであってもよく、三官能以上の多価カル
ボン酸成分あるいはポリオール成分を得られるポリエス
テルが実質的に線状となる範囲(例えば、5mol%以
下)で少量共重合したコポリエステルであっても良い。
【0018】かかるポリエステルは従来から知られた方
法により製造することができる。ポリエステルの固有粘
度(オルソクロロフェノール、35℃)は0.45以上
であることが好ましい。この固有粘度が0.45以上で
あると、フィルムの剛性が大きい等の機械的特性が良好
となる。
【0019】上記ポリエステルには、フィルムの滑り性
を良好なものとするため、滑剤として平均粒径が0.0
1〜2.0μm程度の有機や無機の微粒子を、例えば
0.01〜5重量%の配合割合で含有させることが好ま
しい。かかる微粒子の具体例として、酸化珪素、酸化ア
ルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオ
リン、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム等のような無機
微粒子、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、
架橋アクリル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等のような
耐熱性ポリマーからなる有機微粒子等を好ましく挙げる
ことができる。
【0020】前記微粒子以外にも着色剤、公知の帯電防
止剤、有機滑剤(潤滑剤)、触媒、安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン・プロピレンコポリマー、オレフィ
ン系アイオノマーのような他の樹脂等を必要に応じて含
有することもできる。
【0021】本発明におけるポリエステルフィルムは、
厚さが20〜500μm、さらには50〜450μm、
特に75〜300μmであることが好ましい。この厚さ
が20μm未満ではフィルムの腰が弱くなり、一方フィ
ルムが厚すぎ、例えば500μmを超えると製膜性が劣
る傾向が見られる、ので好ましくない。
【0022】前記ポリエステルフィルムは、厚さ100
μmでのヘーズが2〜0.5%であることが好ましい。
【0023】本発明においてポリエステルフィルムの少
なくとも片面に設けられる制電性塗膜は、23℃、相対
湿度50%におけて表面固有抵抗が3×1012Ω/□以
下、好ましくは3×1011Ω/□以下、更に好ましくは3
×1010Ω/□以下である塗膜である。この表面固有抵
抗が3×1012Ω/□を超えると、帯電防止効果が小さ
く、印刷工程等での剥離時の静電気により、印刷時重ね
送りが発生したり、ゴミの付着により、印刷欠点が発生
する可能性が高くなる。
【0024】本発明における積層ポリエステルフィルム
は、更に、印刷のずれを防止するため、150℃で30
分間保持したときの熱収縮率が1〜0.01%であるこ
とが必要である。このような熱収縮率を有するフィルム
は、例えば二軸延伸後の熱固定やポリエステルの二次転
移温度(Tg)以上の温度での熱処理により、フィルム
の密度を1.390g/m2以上とすることにより得る
ことができる。
【0025】前記積層ポリエステルフィルムは、さら
に、摩擦係数が0.2〜0.4であることが必要であ
る。好ましくは0.2〜0.35である。この摩擦係数
が0.2未満ではフィルムの製造時や加工時の滑りが良
すぎ、例えばオフセット印刷時にフィルムが滑りすぎ
て、端面のずれが大きくなり、印刷のずれを発生させる
可能性があり、一方0.4超では、滑り性が不足し、例
えばオフセット印刷時の滑りが不足して、重ね送りが発
生する可能性があるため、好ましくない。この摩擦係数
は、例えばポリエステルフィルム中に含有させる滑剤の
大きさや量、塗膜に含有させる微粒の大きさや量を調整
することで調整することができる。
【0026】本発明において前記制電性塗膜は、ガラス
転移温度が−20〜40℃のアクリル系共重合体
(1)、式(I)で示される繰り返し単位を主成分とす
る帯電防止剤(2)、オキサゾリン基を有する重合体
(3)および界面活性剤(4)を含む成分を用いたもの
である。
【0027】このアクリル系共重合体(1)の構成成分
としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ソーダ、アクリ
ル酸アンモニウム、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ソーダ、メ
タクリル酸アンモニウム、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、グリシジルメタクリレート、アクリルメタク
リレート、メタリルスルホン酸ナトリウム、メタクリル
アミド,N−メチロールメタクリルアミド等を例示する
ことができる。これらのモノマーは、例えばスチレン、
スチレンスルホン酸ナトリウム、酢酸ビニル、ビニルス
ルホン酸ナトリウム、アクリルニトリル、アクリルアミ
ド、メタクリルニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、ジビニルベンゼン等の他の不飽和単量体と併用する
こともできる。
【0028】前記アクリル系共重合体(1)のガラス転
移温度は、構成成分の種類や量によって変わるが、この
ガラス転移温度を−20〜40℃とするには、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、2−ヒドロキシエチルア
クリレート等を使用乃至併用することが好ましい。
【0029】前記アクリル系共重合体(1)は、変性ア
クリル共重合体、例えば前記アクリル共重合体をポリエ
ステル、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、フェノ
ール樹脂等で変性したブロック重合体あるいはグラフト
重合体として用いることもできる。
【0030】本発明における制電性塗膜形成の帯電防止
剤(2)は、下記式(I)で示される繰り返し単位を主
成分とする化合物である。
【0031】
【化3】
【0032】(ただし、式中のR1、R2はそれぞれ水素
又はメチル基、R3は炭素数が2〜5のアルキレン基、
4、R5はそれぞれ炭素数が1〜5の飽和炭化水素基、
6は炭素数が2〜5のアルキレン基、mは1〜20の
数、nは1〜40の数、Y-はハロゲンイオン、モノもし
くはポリハロゲン化アルキルイオン、ナイトレートイオ
ン、サルフェートイオン、アルキルサルフェートイオン、
スルホネートイオン又はアルキルスルホネートイオンで
ある。)
【0033】前記R3の炭素数が2〜5のアルキレン基
としては、エチレン、プロピレン、ブチレン等を例示す
ることができ、特に好ましくはエチレンである。また、
前記R4、R6の炭素数が1〜5の飽和炭化水素基として
は、メチル、エチル、プロピル等を例示することがで
き、特に好ましくはメチルである。また、前記R6の炭
素数が2〜5のアルキレン基としては、エチレン、プロ
ピレン、ブチレン等を例示することができ、特に好まし
くはエチレンである。
【0034】前記帯電防止剤のうち、式(I)中のY-
7SO3 -で示されるアルキルスルホネートイオン(た
だし、R7は炭素数が1〜5の飽和炭化水素基、例えばメ
チル基であり、−(OR3)m−のR3がエチレン基であり、
mが1〜20の数、−(R6O)n−のR6がエチレン基
であり、nが1〜40の数であるものは、塗膜とポリエス
テルフィルムとの接着性、塗膜の耐熱性が良好であり、特
に帯電防止性に優れるので好ましい。
【0035】前記帯電防止剤(2)は、例えば下記の方
法で好ましく製造することができる。すなわち、アクリル
酸エステルモノマーを、乳化重合法で重合させて、重量平
均分子量2000〜100000のポリアクリル酸エス
テルとし、次いでN,N−ジアルキルアミノアルキルア
ミン(例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、
N,N−ジエチルアミノプロピルアミン等)と反応させ
てアミド化し、最後に4級ヒドロキシアルキル化反応を
行わせて4級カチオン対を導入することで製造できる。
【0036】前記帯電防止剤(2)の平均分子量(数平
均分子量)は任意であるが、3000〜300000、更
に5000〜100000であることが好ましい。この
平均分子量が3000未満であると、帯電防止剤の背面
転写性が悪化する傾向があり、一方平均分子量が300
000を超えると、水性塗液の粘度が高くなりすぎ、フ
ィルムに均一に塗布し難くなるため好ましくない。
【0037】前記帯電防止剤(2)は、前記式(I)中
のY-が、CH3SO3 -、C25SO3 -またはC37SO3 -
であり、−(OR3)m−が−(OC24)m−であり、か
つmが1〜5であることが好ましい。また、−(R6O)
n−が−(C24O)n−であり、かつnが1〜10で
あることが好ましい。
【0038】本発明における制電性塗膜には、塗膜とポ
リエステルフィルムとの接着を強固なものとし、かつ耐
熱性を良好なものにするため、オキサゾリン基を有する
重合体(3)を配合する。オキサゾリン基を有する重合
体としては、特公昭63−48884号公報、特開平2
−60941号公報、特開平2−99537号公報等に
記載の重合体、あるいはこれらに準じた重合体を挙げる
ことができる。
【0039】具体的には、下記一般式(II)で表わされ
る付加重合性オキサゾリン(a)、および必要に応じて
他のモノマー(b)を共重合させて得られる(共)重合
体が好ましく挙げられる。
【0040】
【化4】
【0041】(但し、式(II)中のR1、R2、R3およ
びR4は、それぞれ、水素、ハロゲン、アルキル基、ア
ラルキル基、フェニル基および置換フェニル基から選ば
れる置換基を示し、R5は付加重合性不飽和結合基を有
する非環状有機基を示す。)
【0042】前記付加重合性オキサゾリン(a)の具体
例としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニ
ル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−
メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−
オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−
オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−
オキサゾリン等を挙げることができる。これらは1種ま
たは2種以上の混合物を使用することができる。これら
の中、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的
に入手しやすく好適である。
【0043】また、付加重合性オキサゾリン以外のモノ
マー(b)としては、付加重合性オキサゾリン(a)と
共重合可能なモノマーであれば特に制限はなく、例えば
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル
類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などの不飽
和カルボン酸類、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ルなどの不飽和ニトリル類、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロ
ールメタクリルアミドなどの不飽和アミド類、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニル
エーテル類、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィ
ン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなど
の含ハロゲン−α,β−不飽和モノマー類、スチレン、
α−メチルスチレンなどのα,β−不飽和芳香族モノマ
ー類などを挙げることができる。これらは1種または2
種以上の混合物を使用することができる。
【0044】前記付加重合性オキサゾリン(a)および
必要に応じて少なくとも1種以上の他のモノマー(b)
を用いて重合体を得るためには、従来から公知の重合法
によって重合することができる。例えば、乳化重合法
(重合触媒、水、界面活性剤およびモノマーを一括混合
して重合する方法)、モノマー滴下法、多段重合法、プ
レエマルジョン法など各種の方法を採用できる。前記重
合触媒としては、従来から公知のものを使用することが
でき、例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、2,2’−
アゾビス(2−アミノジプロパン)2塩酸塩など通常の
ラジカル重合開始剤を使用することができる。また、界
面活性剤としては、従来から公知のアニオン系、ノニオ
ン系、カチオン系および両性界面活性剤や反応性界面活
性剤を使用することができる。さらに、重合温度は、通
常0〜100℃、好ましくは50〜80℃であり、また
重合時間は、通常1〜10時間である。
【0045】前記付加重合性オキサゾリン(a)および
少なくとも1種以上の他のモノマー(b)を用いて重合
体を得る場合、付加重合性オキサゾリン(a)の配合量
は全モノマーに対して0.5重量%以上の範囲で適宜決
めることが好ましい。付加重合性オキサゾリン(a)の
配合量が0.5重量%未満では、本発明の目的を達成す
ることが困難となることがある。
【0046】前記オキサゾリン基を有する重合体(3)
は、塗膜を形成する組成物中に1〜20重量%、さらに
5〜10重量%含まれていることが好ましい。この含有
量が1重量%未満では、塗膜の耐熱性、耐溶剤性、耐ブ
ロッキング性が不十分であり、他方20重量%を超える
と接着性が不十分となる。
【0047】本発明における制電性塗膜には、塗膜とポ
リエステルフィルムとの接着を強固なものとし、積層ポ
リエステルフィルムの耐ブロッキング性を良好なものと
するため、界面活性剤(4)を配合する。
【0048】この界面活性剤としては、例えばアルキレ
ンオキサイド単独重合体、アルキレンオキサイド共重合
体、脂肪族アルコール・アルキレンオキサイド付加物、長
鎖脂肪族置換フェノール・アルキレンオキサイド付加重
合物、多価アルコール脂肪族エステル、長鎖脂肪族アミド
アルコール等のノニオン系界面活性剤、4級アンモニウ
ム塩を有する化合物、アルキルピリジニウム塩を有する
化合物、スルホン酸塩を有する化合物等のカチオン系又
はアニオン系界面活性剤を挙げることができる。特にノ
ニオン界面活性剤が、塗膜とベースフィルムとの接着性
や制電性ポリエステルフィルムの耐ブロッキング性に対
する効果が優れるため好ましい。
【0049】本発明においては、ガラス転移温度−20
〜40℃のアクリル系共重合体(1)、前記式(I)で
示される帯電防止剤(2)、オキサゾリン基を有する重
合体(3)及び界面活性剤(4)からなる組成当たり、
該アクリル系共重合体(1)の割合は40〜85重量
%、好ましくは50〜80重量%である。この割合が4
0重量%未満では、塗膜のポリエステルフィルムへの密
着力が不足し、好ましくない。他方、85重量%を超え
ると、塗布フィルムのブロッキング性が悪化するので好
ましくない。また、前記帯電防止剤(2)の割合は5〜
50重量%、好ましくは10〜40重量%である。この
割合が5重量%未満では帯電防止性が不足し、他方50
重量%を超えると塗膜のポリエステルフィルムへの密着
力が不足するので好ましくない。また、オキサゾリン基
を有する重合体(3)の割合は1〜20重量%、好まし
くは5〜10重量%である。この含有量が1重量%未満
では、塗膜の耐熱性、耐溶剤性、耐ブロッキング性が不
十分であり、他方20重量%を超えると接着性が不十分
となる。さらにまた、界面活性剤(4)の割合は5〜1
5重量%、好ましくは5〜10重量%である。この割合
が5重量%未満では、水性塗液のポリエステルフィルム
への濡れ性が不足することがあり、他方15重量%を超
えると、塗膜のポリエステルフィルムへの密着力が不足
したり、耐ブロッキング性が不足することがあり好まし
くない。
【0050】本発明において制電性塗膜を形成する前記
成分の組成物は、水性塗液(水を媒体とするもの)とし
て塗布することが好ましいが、有機溶剤を溶剤として塗
布することも可能である。この有機溶剤としては、メチ
ルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、n−ヘキサ
ン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n
−プロパンノール、イソプロパノール等を例示すること
ができる。これらは単独で、もしくは複数を組み合わせ
て用いることができる。
【0051】本発明においては、好ましくは前記組成を
含む水性塗液を用いて塗膜を塗設するが、この水性塗液
には塗膜表面の滑り性を良好なものとし、かつフィルム
の耐ブロッキング性を良好なものとするため、接着性等
の特性を損なわない範囲で滑剤を添加することが好まし
い。この滑剤としては、例えばポリスチレン樹脂、アクリ
ル樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、尿素
樹脂、ベンゾグナミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂等の微粒子を好ましく挙げることができる。これ
らの樹脂の微粒子は、塗膜中に微粒子で含まれるもので
あれば熱可塑性のものであっても熱硬化性のものであっ
てもよい。この微粒子の平均粒径は20〜80nmであ
り、含有量は5〜20重量%であることが好ましい。
【0052】さらに本発明の目的を損なわない範囲にお
いて、他の界面活性剤、紫外線吸収剤、顔料、潤滑剤、
ブロッキング防止剤、メラミン、エポキシ、アジリジン
等の架橋剤や他の帯電防止剤等の他の添加剤を配合する
ことができる。
【0053】本発明における塗剤の固形分濃度は、通常
30重量%以下であり、更には0.5〜30wt%である
ことが好ましい。この割合が0.5重量%未満であると、
ポリエステルフィルムへの塗れ性が不足し、また30重
量%を超えると、塗膜外観が悪化するので好ましくな
い。
【0054】本発明においては上述の成分を含む塗剤を
ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布するが、
該フィルムとしては結晶配向が完了する前のポリエステ
ルフィルムが好ましい。この配向結晶が完了する前のポ
リエステルフィルムとしては、該ポリエステルを熱溶融
してそのままフィルム状となした未延伸状フィルム、未
延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向
せしめた一軸延伸フィルム、縦方向及び横方向の二方向
に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向及び横
方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二
軸延伸フィルム)等を例示することができる。この配向
結晶が完了する前のポリエステルフィルムへ制電性塗剤
を塗布すると、前処理として該フィルムにコロナ放電処
理をしなくても、接着性に優れた塗膜を形成することが
できる。
【0055】ポリエステルフィルムへの制電性塗剤の塗
布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例
えばロールコート法、グラビアコート法、マイクログラ
ビアコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ
法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法
及びカーテンコート法等を単独または組み合わせて適用
すると良い。なお、水性塗液を用いる場合には、塗液の
安定性を助ける目的で若干量の有機溶剤を含ませても良
い。
【0056】塗布量は走行しているフィルム1m2あた
り0.5〜50g、さらには5〜30gが好ましい。最
終乾燥塗膜の厚さとしては、0.02〜1μmが必要で
あり、好ましくは0.05〜0.8μmである。塗膜の
厚さが0.02μm未満であると、帯電防止性が不十分
となり、他方1μmを超えると、耐ブロッキング性が低
下するので好ましくない。塗布はフィルムの用途に応じ
て片面のみに行うことも両面に行うこともできる。塗布
後、乾燥することにより、均一な塗膜となる。
【0057】本発明においては、ポリエステルフィルム
に制電性塗剤を塗布した後、乾燥、好ましくは延伸処理
を行うが、この乾燥は90〜130℃で2〜20秒間行
うのが好ましい。この乾燥は延伸処理の予熱処理ないし
延伸時の加熱処理を兼ねることができる。ポリエステル
フィルムの延伸処理は、温度70〜140℃で縦方向に
2.5〜7倍、横方向に2.5〜7倍、面積倍率で8倍
以上、さらには9〜28倍延伸するのが好ましい。再延
伸する場合には、1.05〜3倍の倍率で延伸するのが
好ましい(但し、面積倍率は前記と同じ)。延伸後の熱
固定処理は最終延伸温度より高く融点以下の温度で1〜
30秒行うのが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムでは170〜240℃で2〜30秒熱
固定するのが好ましい。
【0058】かくして得られた積層ポリエステルフィル
ムは、例えば表面固有抵抗(温度23℃、湿度50%)が
3×1012Ω/□以下、さらに3×1011Ω/□以下、
特に3×1010Ω/□以下であり、寸法安定性、帯電防
止性、印刷層との接着性、耐熱性、耐ブロッキング性、背
面転写性、耐削れ性、回収性に優れたものであり、ダミー
缶用積層フィルムとして有用である。
【0059】本発明における積層ポリエステルフィルム
は、好ましくは、その制電性塗膜の面上の少なくとも一
部(通常、缶胴部に相当する部分)に印刷層(例えば、
商品イメージの印刷層)を設けたフィルムであることも
できる。この印刷層は、従来からのものを用いることが
できる。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。また、本発明における評価は次に示す方法で行っ
た。
【0061】1.表面固有抵抗(帯電防止性) サンプルフィルムの表面固有抵抗を、タケダ理研社製・
固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度60
%の条件で、印加電圧500Vで1分後の表面固有抵抗
値(Ω/□)を測定する。
【0062】2.熱収縮率 ポリエステルフィルムを150℃×30分熱処理した後
の収縮率を標点間距離30cmで測定する。
【0063】3.摩擦係数 ASTM・D1894―63に準じ、東洋テスター社製
のスリッパ―測定器を使用し、フイルムの表面と裏面を
合わせ、荷重1kgを加えて静摩擦係数(μs)を測定
する。摩擦係数が0.4を超えると、フィルムの搬送性
に支障をきたす。
【0064】4.印刷インキの接着性 サンプルの非塗膜面に厚さ100μmのポリエステルフ
ィルムを接着剤で貼り付ける。塗膜面の上に印刷インキ
(セイコーアドバンス製SG700、120WHITE
/平均粒径0.25μmの酸化チタン=100/40配
合)、濃度50%をマイヤバー24番でコート後、60
℃で5分間乾燥し、厚み10μmの印刷インキ層を形成
する。このUVインキ層上にセロテープ(18mm幅;
ニチバン製)を15cmの長さに貼り、この上を2Kg
の手動式荷重ロールで一定の荷重を与え、フィルムを固
定してセロハンテープの一端を90゜方向に剥離するこ
とにより剥離接着力を評価する。接着性は次の基準で評
価する。 ランクA:インキ層が全く剥離しない(インキ接着性良
好) ランクB:塗膜とインキ層間が部分的に凝集破壊状に剥
離する(インキ接着性やや良好) ランクC:塗膜とインキ層間が層状に剥離する(インキ
接着性不良)
【0065】5.耐ブロッキング性 50mm幅に切断したサンプルフィルムの積層物塗膜塗
設面と非塗設面とを重ねあわせ、50kg/cm2の荷
重下、60℃×80%RHにて17時間処理した後、塗設
面と非塗設面との剥離力を測定し、耐ブロッキング性を
下記の通り評価する。 ランクA: 剥離力≦10g(耐ブロッキング性良好) ランクB: 10g<剥離力≦30g(耐ブロッキング性やや不良) ランクC: 30g<剥離力 (耐ブロッキング性不良)
【0066】6.背面転写性 サンプルフィルムの塗布面と非塗布面とを重ねて6kg
/cm2の荷重を加え、50℃×70%RHの条件で17
時間処理した後、非塗布面の水接触角(θ:背面転写性
の代用特性)を測定し、下記の基準により評価する。 ランクA: θ≧55°(背面転写性良好) ランクB: 55°>θ≧48°(背面転写性やや良好) ランクC: 48°>θ (背面転写性不良) 水接触角は上記サンプルフィルムを、非塗布面を上にし
て接触角測定装置(エルマ社製)にセットし、温度23
℃の条件にて水滴を落下させてから1分後の接触角を読
み取ることにより測定する。尚、背面転写性が全く無いフ
ィルムの水接触角は60〜72°であり、背面転写性良
好なフィルムの水接触角は55°以上であり、背面転写
性が著しい(背面転写性不良)フィルムの水接触角は4
8°未満である。
【0067】7.耐削れ性 20mm幅に切断したフィルムサンプルを用い、フィル
ムの塗膜面を直径10mmの円柱状ステンレス製固定バ
ーにあてて200gの荷重を加えた状態で80m走行さ
せた後、バーに付着した塗膜の白粉を観察し、耐削れ性を
下記の通り評価する。 ランクA:バーに白粉の付着が無い(耐削れ性良好) ランクB:バーに白粉がやや付着する(耐削れ性やや不
良) ランクC:バーに白粉が多量に付着する(耐削れ性不
良)
【0068】8.再生フィルムの着色度(回収性) 塗膜を設けないフィルムを粉砕し、押出機にて約300
℃で溶融しチップ化し、次いで得られたチップを用いて
溶融製膜し、ブランクフィルムを作成する。このフィルム
の着色度をブランクとする。一方、塗膜を設けたサンプル
フィルムを粉砕し、押出機にて約300℃で溶融しチッ
プ化し、次いで得られたチップを用いて溶融製膜し、再
生フィルムを作成する。このフィルムの着色度を下記の
基準により評価する。 ランクA:着色度がブランクフィルム並み ランクB:フィルムがやや着色している ランクC:フィルムの着色度が大で実用性に欠ける
【0069】[実施例1]固有粘度(オルソクロロフェ
ノール、35℃)0.65のポリエチレンテレフタレー
ト(PET)を溶融して冷却ドラム上にキャストし、次い
で得られた未延伸フィルムを温度90℃で縦方向に3.
6倍延伸した。この一軸延伸フィルムの片面にメタクリ
ル酸メチル(30mol%),アクリル酸エチル(55mol%),アク
リロニトリル(10mol%)及びN−メチロールメタクリルア
ミド(5mol%)から作成されたTg=20℃のアクリル共
重合体(数平均分子量:258000)(A−1)65
wt%、下記式(I−2)で示される繰り返し単位から
なる高分子帯電防止剤20wt%、2−プロぺニル−2
−オキサゾリン重合体10wt%およびポリオキシエチ
レンラウリルエーテル5wt%からなる固形分組成の1
0wt%水性液を4g/m2(wet)の塗布量でマイ
クログラビアコート法にてフィルムの両面に塗布した。
乾燥後、温度110℃で横方向に3.6倍延伸し、23
0℃で熱処理して厚さ100μmの制電性塗膜被覆二軸
延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの制電
性塗膜面の特性を表1にまとめて示す。
【0070】
【化5】
【0071】[実施例2]アクリル共重合体(A−1)
をメタクリル酸メチル(10mol%),アクリル酸ブチル(75m
ol%),アクリロニトリル(10mol%)及びN−メチロールメ
タクリルアミド(5mol%)から作成されたTg=−18℃
のアクリル共重合体(数平均分子量:254000)
(A−2)に変更する以外は、実施例1と全く同様にし
て制電性塗膜被覆二軸延伸ポリエステルフィルムを得
た。このフィルムの制電性塗膜面の特性を表1にまとめ
て示す。
【0072】[実施例3]固形分組成をアクリル共重合
体(A−1)を、メタクリル酸メチル(40mol%),アクリ
ル酸エチル(45mol%),アクリロニトリル(10mol%)及びN
−メチロールメタクリルアミド(5mol%)から作成された
Tg=34℃のアクリル共重合体(数平均分子量:26
4000)(A−3)に変更する以外は、実施例1と全
く同様にして制電性塗膜被覆二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを得た。このフィルムの制電性塗膜面の特性を表1
にまとめて示す。
【0073】[実施例4]高分子帯電防止剤として[Y
-]がC25SO3 -の高分子帯電防止剤(I−3)に変更
する以外は、実施例3と全く同様にして制電性塗膜被覆
二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの
制電性塗膜面の特性を表1にまとめて示す。
【0074】[実施例5]固形分組成をアクリル共重合
体(A−1)83wt%、前記式(I-2)で示される繰
り返し単位からなる高分子帯電防止剤7wt%、2−プ
ロペニル−2−オキサゾリン重合体5wt%及びポリオ
キシエチレンラウリルエーテル5wt%からなる組成に
変更する以外は、実施例1と全く同様にして制電性塗膜
被覆二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィル
ムの制電性塗膜面の特性を表1にまとめて示す。
【0075】[実施例6]固形分組成をアクリル共重合
体(A−1)40wt%、前記式(I-2)で示される繰
り返し単位からなる高分子帯電防止剤48wt%、2−
プロペニル−2−オキサゾリン(90mol%)およびメタ
クリル酸ブチル(10mol%)共重合体7wt%、及びポ
リオキシエチレンラウリルエーテル5wt%からなる組
成に変更する以外は、実施例1と全く同様にして制電性
塗膜被覆二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフ
ィルムの制電性塗膜面の特性を表1にまとめて示す。
【0076】[実施例7]ポリエチレンテレフタレート
(PET)をポリエチレンナフタレート(PEN)に変え、
かつ延伸温度を145℃にする以外は、実施例3と同様
にして制電性塗膜被覆二軸延伸ポリエステルフィルムを
得た。このフィルムの制電性塗膜面の特性を表1にまと
めて示す。
【0077】[比較例1]固形分組成をアクリル共重合
体(A−1)を75wt%、前記式(I-2)で示される繰
り返し単位からなる高分子帯電防止剤20wt%、及び
ポリオキシエチレンラウリルエーテル5wt%からなる
組成に変更する以外は、実施例1と全く同様にして制電
性塗膜被覆二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。この
フィルムの制電性塗膜面の特性を表1にまとめて示す。
【0078】[比較例2]固形分組成をアクリル共重合
体(A−1)を82wt%、前記式(I-2)で示される繰
り返し単位からなる高分子帯電防止剤3wt%、2−プ
ロぺニル−2−オキサゾリン重合体10wt%及びポリ
オキシエチレンラウリルエーテル5wt%からなる組成
に変更する以外は、実施例1と全く同様にして制電性塗
膜被覆二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィ
ルムの制電性塗膜面の特性を表1にまとめて示す。
【0079】[比較例3]固形分組成をアクリル共重合
体(A−1)25wt%、前記式(I-2)で示される繰り
返し単位からなる高分子帯電防止剤60wt%、2−プ
ロぺニル−2−オキサゾリン重合体10wt%及びポリ
オキシエチレンラウリルエーテル5wt%からなる組成
に変更する以外は、実施例1と全く同様にして制電性塗
膜被覆二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィ
ルムの処理面の特性を表1にまとめて示す。
【0080】[比較例4]固形分組成をメタクリル酸メ
チル(70mol%),アクリル酸エチル(15mol%),アクリロニ
トリル(10mol%)及びN−メチロールメタクリルアミド(5
mol%)から作成されたTg=54℃のアクリル共重合体
(数平均分子量:218000)(A−4)65wt
%、下記式(I−2)で示される繰り返し単位からなる
高分子帯電防止剤20wt%、2−プロぺニル−2−オ
キサゾリン重合体10wt%およびポリオキシエチレン
ラウリルエーテル5wt%からなる組成に変更する以外
は、実施例1と全く同様にして制電性塗膜被覆二軸延伸
ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの処理面の
特性を表1にまとめて示す。
【0081】[比較例5]固形分組成をメタクリル酸メ
チル(5mol%),アクリル酸ブチル(80mol%),アクリロニ
トリル(10mol%)及びN−メチロールメタクリルアミド(5
mol%)から作成されたTg=−35℃のアクリル共重合
体(数平均分子量:238000)(A−4)65wt
%、下記式(I−2)で示される繰り返し単位からなる
高分子帯電防止剤20wt%、2−プロぺニル−2−オ
キサゾリン重合体10wt%およびポリオキシエチレン
ラウリルエーテル5wt%からなる組成に変更する以外
は、実施例1と全く同様にして制電性塗膜被覆二軸延伸
ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの処理面の
特性を表1にまとめて示す。
【0082】[比較例6]固形分組成をアクリル共重合体
(A−1)70wt%、帯電防止剤をポリスチレンスル
ホン酸ナトリウム25wt%、及びポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル5wt%からなる組成に変更す
る以外は、実施例1と全く同様にして制電性塗膜被覆二
軸延伸ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの制
電性塗膜面の特性を表1にまとめて示す。
【0083】[比較例7]固形分組成をアクリル共重合
体(A−1)70wt%、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム25wt%、及びポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル5wt%からなる組成に変更する以外
は、実施例1と全く同様にして積層塗膜被覆二軸延伸ポ
リエステルフィルムを得た。このフィルムの処理面の特
性を表1にまとめて示す。
【0084】[比較例8]実施例1において、組成物を
コーテイングをせずに得た二軸延伸ポリエステルフィル
ムの特性を表1にまとめて示す。
【0085】
【表1】
【0086】
【発明の効果】本発明におけるダミー缶用積層ポリエス
テルフィルムは、従来のものに比べて、低湿度下におけ
る帯電防止性に優れ、しかも寸法安定性、印刷層に対す
る接着性、搬送性、耐熱性、耐ブロッキング性、背面転
写性、耐削れ性、回収性に優れた、ダミー缶用フィルムと
して有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 171/02 C09D 171/02 201/02 201/02 Fターム(参考) 4F100 AH03B AH03C AK02B AK02C AK25B AK25C AK25J AK27 AK27J AK41A AK42A AK54B AK54C AL01 AL05B AL05C AL06B AL06C BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C CA18B CA18C CA22B CA22C CC00B CC00C EJ38 GB15 HB31B HB31C JA03 JA05B JA05C JA20 JG03B JG03C JJ03 JL00 JL04 JL11 JL16 JM02B JM02C JN01A JN30A 4J038 CG141 CG192 CG212 CH121 CK022 DF012 GA02 GA03 GA06 GA07 GA08 GA09 GA10 GA12 GA13 JA22 JA57 JB01 JB29 JC13 KA09 MA10 MA13 NA01 NA11 NA12 NA20 PA19 PB04 PC08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に(1)ガラス転移温度が−20℃〜40℃のアクリル
    系共重合体40〜85重量%、(2)下記式(I)で示
    される繰返し単位を主成分とする帯電防止剤5〜50重
    量%、(3)オキサゾリン基を有する重合体1〜20重
    量%及び(4)界面活性剤5〜15重量%の組成を用い
    た制電性塗膜を設けた積層フィルムであって、該フィル
    ムが150℃で30分間保持したときの熱収縮率が1〜
    0.01%であり、摩擦係数が0.2〜0.4であり、
    かつ23℃、相対湿度50%における表面固有抵抗が3
    ×1012Ω/□以下であることを特徴とするダミー缶用
    積層ポリエステルフィルム。 【化1】 (ただし、式中のR1、R2はそれぞれ水素又はメチル基、
    3は炭素数が2〜5のアルキレン基、R4、R5はそれぞ
    れ炭素数が1〜5の飽和炭化水素基、R6は炭素数が2〜
    5のアルキレン基、mは1〜20の数、nは1〜40の
    数、Y-はハロゲンイオン、モノもしくはポリハロゲン化
    アルキルイオン、ナイトレートイオン、サルフェートイオ
    ン、アルキルサルフェートイオン、スルホネートイオン又
    はアルキルスルホネートイオンである。)
  2. 【請求項2】 制電性塗膜が、(1)アクリル系共重合
    体50〜80重量%、(2)帯電防止剤10〜40重量
    %、(3)オキサゾリン基を有する重合体5〜10重量
    %及び(4)界面活性剤5〜10重量%の組成を用いた
    塗膜である請求項1に記載のダミー缶用積層ポリエステ
    ルフィルム。
  3. 【請求項3】 制電性塗膜が、(1)ガラス転移温度が
    −20℃〜40℃のアクリル系共重合体40〜85重量
    %、(2)前記式(I)で示される構造の繰返し単位を
    主成分とする帯電防止剤5〜50重量%、(3)オキサ
    ゾリン基を有する重合体1〜20重量%及び(4)界面
    活性剤5〜15重量%の組成を含む水性塗液をフィルム
    の表面に塗布し、乾燥、延伸して塗設した塗膜である請
    求項1に記載のダミー缶用積層ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルフィルムが透明で、フィル
    ム厚み100μmでのヘーズが2〜0.5%である請求
    項1に記載のダミー缶用積層ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルフィルムがポリエチレンテ
    レフタレートまたはポリエチレンー2,6ーナフタレー
    トからなるフィルムである請求項1記載のダミー缶用積
    層ポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の積層ポリエステルフィ
    ルムの制電性塗膜の面上の少なくとも一部に印刷層を設
    けたダミー缶用積層ポリエステルフィルム。
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