JP2016112755A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 良好な粘着特性が求められる各種の用途、例えば、樹脂板、金属板等の輸送時、保管時や加工時の傷付き防止や汚れ付着防止用等に使用する表面保護フィルム等の用途に好適に利用することができる積層ポリエステルフィルムを提供する。【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ガラス転移点が0℃以下である樹脂を主として含有するインラインコーティング塗布層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。【選択図】 なし

Description

本発明は、積層ポリエステルフィルムに関するものであり、例えば、樹脂板、金属板等の輸送時、保管時や加工時の傷付き防止や汚れ付着防止用等の表面保護フィルム等として、フィッシュアイが少なく、機械的強度および耐熱性に優れ、良好な粘着特性を有する積層ポリエステルフィルムに関するものである。
従来、樹脂板、金属板やガラス板等の輸送時、保管時や加工時の傷付き防止や汚れ付着防止、液晶パネルや偏光板等の電子関連分野に使用される部材の加工時における傷付き防止や粉塵・汚れ付着防止、自動車の輸送時、保管時における汚れ付着防止や酸性雨からの自動車塗装の保護、フレキシブルプリント基板のメッキやエッチング処理時の保護等の用途において、表面保護フィルムが幅広く使用されている。
これらの表面保護フィルムには、樹脂板、金属板やガラス板等、各種の被着体の輸送時、保管時や加工時等において、当該被着体に対して適度な粘着力を有し、被着体の表面に付着することで、その被着体の表面を保護し、目的終了後には容易に剥がせられることが求められている。これらの課題を克服するために、ポリオレフィン系のフィルムを表面保護のために使用する提案がなされている(特許文献1、2)。
しかしながら、表面保護フィルム基材としてポリオレフィン系のフィルムを使用しているため、フィッシュアイと一般的に呼ばれる、フィルム基材原料に起因するゲル状物や劣化物による欠陥を除去することができず、例えば、表面保護フィルムを貼り合わせた状態で被着体を検査する際に、表面保護フィルムの欠陥を検知してしまう等の障害となるという問題がある。
また、表面保護フィルムの基材としては、被着体との貼り合わせ時等、各種の加工時の張力により、当該基材が引き伸ばされてしまわないようにある程度の機械的強度を有するフィルムが求められるが、ポリオレフィン系のフィルムは一般的に機械的強度が劣るため、生産性を重視するために加工速度を上げること等に起因する、高張力の加工には不向きであるという欠点がある。
さらに、加工速度や種々の特性向上等のための、加工温度の高温化においても、ポリオレフィン系のフィルムは熱による収縮安定性に優れていないため、寸法安定性が悪い。そのため、高温加工しても熱変形が少なく、寸法安定性に優れたフィルムが求められている。
特開平5−98219号公報 特開2007−270005号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、各種表面保護フィルム用等に使用する、フィッシュアイが少なく、機械的強度および耐熱性に優れ、良好な粘着特性を有する積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなる積層ポリエステルフィルムを用いれば、上述の課題を容易に解決できることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ガラス転移点が0℃以下である樹脂を主として含有する、インラインコーティングにより形成された塗布層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルムに存する。
本発明の積層ポリエステルフィルムによれば、各種表面保護フィルムとして、フィッシュアイが少なく、機械的強度および耐熱性に優れ、良好な粘着特性を有するフィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
課題であるフィッシュアイの低減、機械的強度の向上および耐熱性の向上には基材フィルムの根本材料を大きく変える必要があると考え、種々検討の結果、従来使用のポリオレフィン系の材料から大きく異なるポリエステル系の材料を使用することで達成できることを見いだした。しかしながら、基材フィルムの材料系を大きく変えることにより、粘着特性は大幅に低下し、一般的なポリエステルフィルムでは到底達成できないものとなってしまった。
そこで、塗布層を積層することによる粘着特性の付与を考えたが、ポリエステルフィルム製造工程後に行うオフラインコーティングでは、塗布層を塗布、乾燥する工程で熱がかかるため、できあがりのフィルムの寸法が変ってしまう懸念、また、塗布という工程が1つ増えることによる傷付きや異物付着のリスクアップ、さらには製造コストアップにも繋がるという欠点があり、ポリエステルフィルム製造工程で、同時に塗布も行うインラインコーティングによる方法で形成することを考え、検討を行った。
インラインコーティングによる粘着特性を有する塗布層形成を検討した結果、ガラス転移点が0℃以下である樹脂を主として含有する塗布層であれば、良好な粘着特性を有するフィルムとすることができることを見出し本発明に至った。以下、本発明の詳細に関して説明する。
本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムは単層構成であっても多層構成であってもよく、2層、3層構成以外にも本発明の要旨を越えない限り、4層またはそれ以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。2層以上の多層構成とし、それぞれの層に特徴を持たせ、多機能化を図ることが好ましい。
本発明において使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート等が例示される。一方、共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
種々の加工条件に耐えられるフィルムにするという観点から、機械的強度や耐熱性(加熱による寸法安定性)が高いことが好ましく、そのためには共重合ポリエステル成分が少ないことが好ましい。具体的には、ポリエステルフィルム中に占める共重合ポリエステルを形成するモノマーの割合が、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下の範囲であり、さらに好ましくはホモポリエステル重合時に副産物として生成してしまう程度である、3モル%以下のジエーテル成分を含む程度である。ポリエステルとしてより好ましい形態は、機械的強度や耐熱性を考慮すると、前記化合物の中でも、テレフタル酸とエチレングリコールから重合されてなる、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートから形成されたフィルムがより好ましく、製造のしやすさ、表面保護フィルム等の用途としての取扱い性を考慮すると、ポリエチレンテレフタレートから形成されたフィルムがより好ましい。
ポリエステルの重合触媒としては、特に制限はなく、従来公知の化合物を使用することができ、例えば、アンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、マンガン化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等が挙げられる。この中でも、アンチモン化合物は安価であることから好ましく、また、チタン化合物やゲルマニウム化合物は触媒活性が高く、少量で重合を行うことが可能であり、フィルム中に残留する金属量が少ないことから、フィルムの透明性が高くなるため好ましい。さらに、ゲルマニウム化合物は高価であることから、チタン化合物を用いることがより好ましい。
チタン化合物を用いたポリエステルの場合、チタン元素含有量は、好ましくは50ppm以下、より好ましくは1〜20ppm、さらに好ましくは2〜10ppmの範囲である。チタン化合物の含有量が多すぎる場合は、ポリエステルを溶融押出する工程でポリエステルの劣化が促進され黄色味が強いフィルムとなる場合があり、また、含有量が少なすぎる場合は、重合効率が悪くコストアップや十分な強度を有するフィルムが得られない場合がある。また、チタン化合物によるポリエステルを用いる場合、溶融押出する工程での劣化抑制の目的で、チタン化合物の活性を下げるためにリン化合物を使用することが好ましい。リン化合物としては、ポリエステルの生産性や熱安定性を考慮すると正リン酸が好ましい。リン元素含有量は、溶融押出するポリエステル量に対して、好ましくは1〜300ppm、より好ましくは3〜200ppm、さらに好ましくは5〜100ppmの範囲である。リン化合物の含有量が多すぎる場合は、ゲル化や異物の原因となる可能性があり、また、含有量が少なすぎる場合は、チタン化合物の活性を十分に下げることができず、黄色味のあるフィルムとなる場合がある。
本発明のフィルムのポリエステル層中には、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を配合することも可能である。粒子を配合する場合、配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機粒子、アクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機粒子等が挙げられる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。これらの中でも特に少量で効果が出やすいという点でシリカ粒子や炭酸カルシウム粒子が好ましい。
また、粒子の平均粒径は、好ましくは5.0μm以下、より好ましくは0.01〜3.0μmの範囲である。平均粒径が5.0μmを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程の種々の加工で不具合が生じる場合がある。また、上記範囲で使用することで、ヘーズが低く抑えられ、フィルム全体として透明性を確保しやすい。
さらにポリエステル層中の粒子含有量は、好ましくは5重量%未満、より好ましくは0.0003〜1重量%の範囲、さらに好ましくは0.0005〜0.5重量%の範囲である。粒子が無い場合、あるいは少ない場合は、フィルムの透明性が高くなり、良好なフィルムとなるが、滑り性が不十分となる場合があるため、塗布層中に粒子を入れることにより、滑り性を向上させる等の工夫が必要な場合がある。また、粒子含有量が多い場合にはヘーズが高くなり、透明性に欠けることから、例えば、種々の検査時に、異物等の欠陥検査の難易度が上がってしまう等の不具合が生じる場合がある。
使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。
これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
ポリエステル層中に粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、各層を構成するポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化もしくはエステル交換反応終了後、添加するのが良い。
ポリエステルフィルムの透明性の観点から、フィルム中全体に渡って粒子を含有させるのではなく、フィルムを多層構成とし、ポリエステルフィルムの最表層にのみ粒子を含有させることが好ましい。特に、フィルムを3層構成とし、中間層よりも両表層側に粒子を含有させるような構成がより好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルム中には、上述の粒子以外に必要に応じて従来公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を添加することができる。
本発明におけるポリエステルフィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、好ましくは2〜350μm、より好ましくは5〜200μmの範囲である。
本発明のフィルムの製膜方法としては、通常知られている製膜法を採用でき、特に制限はない。例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムを製造する場合、まず先に述べたポリエステル原料を、押出機を用いてダイから溶融押し出しし、溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法や液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に、通常70〜170℃で、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍で延伸する。引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る方法が挙げられる。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明においては積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルム製造に関しては同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70〜120℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
次に本発明における積層ポリエステルフィルムを構成する塗布層の形成について説明する。本発明の塗布層は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に積層され、インラインコーティングにより形成されたものである。
インラインコーティングは、ポリエステルフィルム製造の工程内でコーティングを行う方法であり、具体的には、ポリエステルを溶融押出ししてから延伸後熱固定して巻き上げるまでの任意の段階でコーティングを行う方法である。通常は、溶融、急冷して得られる未延伸シート、延伸された一軸延伸フィルムの何れかにコーティングすることが好ましい。
以下に限定するものではないが、例えば逐次二軸延伸においては、特に長手方向(縦方向)に延伸された一軸延伸フィルムにコーティングした後に横方向に延伸する方法が優れている。かかる方法によれば、製膜と塗布層形成を同時に行うことができるため製造コスト上のメリットがあり、また、コーティング後に延伸を行うために、塗布層の厚みを延伸倍率により変化させることもでき、オフラインコーティングに比べ、薄膜コーティングをより容易に行うことができる。
また、延伸前にフィルム上に塗布層を設けることにより、塗布層を基材フィルムと共に延伸することができ、それにより塗布層を基材フィルムに強固に密着させることができる。さらに、二軸延伸ポリエステルフィルムの製造において、クリップ等によりフィルム端部を把持しつつ延伸することで、フィルムを縦および横方向に拘束することができ、熱固定工程において、しわ等が入らず平面性を維持したまま高温をかけることができる。それゆえ、塗布後に施される熱処理が他の方法では達成されない高温とすることができるために、塗布層の造膜性が向上し、塗布層と基材フィルムをより強固に密着させることができ、さらには、強固な塗布層とすることができる。
上述のインラインコーティングによる工程によれば、塗布層の形成有無でフィルム寸法が大きく変わることはなく、傷付きや異物付着のリスクも塗布層の形成有無で大きく変わることはないため、塗布という工程を1つ余分に行うオフラインコーティングに比べ大きな利点である。さらに、種々検討の結果、インラインコーティングの方が被着体への糊残りを低減させることができるという利点もあることを見出した。これは、オフラインコーティングでは得られない高温で熱処理することが可能であり、塗布層と基材フィルムとがより強固に密着した結果であると考えている。
本発明においては、ガラス転移点が0℃以下である樹脂を主として含有する塗布層を有することを必須の要件とするものである。「主として」とは、塗布層中の割合として50重量%以上であることを意味する。
ガラス転移点が0℃以下の樹脂を主として用いることにより、ポリエステルフィルムに適度な粘着特性を付与することができることを見出した。ガラス転移点が0℃以下の樹脂としては、従来公知の樹脂を使用することができる。樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニル樹脂(ポリビニルアルコール、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等)等が挙げられ、その中でも特に粘着特性や塗布性を考慮すると、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。さらに、より強力な粘着特性やフィルムの再利用性を考慮した場合、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂が好ましく、また、基材であるポリエステルフィルムとの密着性や被着体への糊残りの少なさを考慮した場合はポリエステル樹脂、さらに強力な粘着特性を考慮した場合はアクリル樹脂が最も好ましい。
ポリエステル樹脂とは、主な構成成分として例えば、下記のような多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物からなるものが挙げられる。すなわち、多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸および、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、5−ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩およびそれらのエステル形成性誘導体などを用いることができ、多価ヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ−ル、2−メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、p−キシリレングリコ−ル、ビスフェノ−ルA−エチレングリコ−ル付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ポリテトラメチレンオキシドグリコ−ル、ジメチロ−ルプロピオン酸、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ジメチロ−ルエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロ−ルプロピオン酸カリウムなどを用いることができる。これらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上を選択し、常法の重縮合反応によりポリエステル樹脂を合成すればよい。
上記の中でもガラス転移点を0℃以下と低くするために脂肪族多価カルボン酸や脂肪族多価ヒドロキシ化合物を構成成分に含有することが好ましい。一般的に、ポリエステル樹脂は芳香族多価カルボン酸と脂肪族も含めた多価ヒドロキシ化合物で構成されるので、一般的なポリエステル樹脂よりもガラス転移点を低くするためには、脂肪族多価カルボン酸を含有することが効果的である。ガラス転移点を低くする観点においては脂肪族多価カルボン酸の中でも炭素数は長いことが良く、好ましくは炭素数6以上(アジピン酸)、より好ましくは炭素数8以上、さらに好ましくは10以上の範囲であり、好ましい範囲の上限は20である。
また、粘着特性向上の観点から、上記脂肪族多価カルボン酸のポリエステル樹脂中の酸成分における含有量としては、好ましくは2モル%以上、より好ましくは4モル%以上、さらに好ましくは6モル%以上、特に好ましくは10モル%以上であり、好ましい範囲の上限は50モル%である。
脂肪族多価ヒドロキシ化合物において、ガラス転移点を低くするためには、炭素数が4以上(ブタンジオール)であることが好ましく、そのポリエステル樹脂中のヒドロキシ成分における含有量としては、好ましくは10モル%以上、より好ましくは30モル%以上の範囲である。
インラインコーティングへの適正を考慮すると水系にすることが好ましく、そのためにスルホン酸、スルホン酸金属塩、カルボン酸、カルボン酸金属塩がポリエステル樹脂に含有していることが好ましい。特に水への分散性が良好であるという点において、スルホン酸やスルホン酸金属塩が好ましく、特にスルホン酸金属塩が好ましい。
上記、スルホン酸、スルホン酸金属塩、カルボン酸、カルボン酸金属塩を使用する場合、ポリエステル樹脂中の含有量として、好ましくは0.1〜10モル%、より好ましくは0.2〜8モル%の範囲である。上記範囲で使用することで水への分散性が良好なものとなる。
また、インラインコーティングにおける塗布外観、ポリエステルフィルムへの密着性やブロッキング、さらには表面保護フィルムとして用いた場合の被着体への糊残りの低減を考慮すると、ポリエステル樹脂中の酸成分として、ある程度の芳香族多価カルボン酸を含有していることが好ましい。芳香族多価カルボン酸の中でも粘着特性の観点からテレフタル酸やイソフタル酸等のベンゼン環構造がナフタレン環構造より好ましい。さらに粘着特性をより向上させるには2種類以上の芳香族多価カルボン酸を併用することがより好ましい。
粘着特性を向上させるためのポリエステル樹脂のガラス転移点としては、0℃以下が必須であり、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−20℃以下の範囲であり、好ましい範囲の下限としては−60℃である。上記範囲で使用することで最適な粘着特性を有するフィルムとすることが容易となる。
アクリル樹脂とは、アクリル系、メタアクリル系のモノマーを含む重合性モノマーからなる重合体である(以下、アクリルおよびメタアクリルを合わせて(メタ)アクリルと略記する場合がある)。これらは、単独重合体あるいは共重合体、さらにはアクリル系、メタアクリル系のモノマー以外の重合性モノマーとの共重合体、いずれでも差し支えない。また、それら重合体と他のポリマー(例えばポリエステル、ポリウレタン等)との共重合体も含まれる。例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体である。あるいは、ポリエステル溶液、またはポリエステル分散液中で重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にポリウレタン溶液、ポリウレタン分散液中で重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマーの混合物)も含まれる。同様にして他のポリマー溶液、または分散液中で重合性モノマーを重合して得られたポリマー(場合によってはポリマー混合物)も含まれる。
上記重合性モノマーとしては、特に限定はしないが、特に代表的な化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸のような各種カルボキシル基含有モノマー類、およびそれらの塩;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、モノブチルヒドロキルフマレート、モノブチルヒドロキシイタコネートのような各種の水酸基含有モノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートのような各種の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドまたは(メタ)アクリロニトリル等のような種々の窒素含有化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンのような各種スチレン誘導体、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニルのような各種のビニルエステル類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のような種々の珪素含有重合性モノマー類;燐含有ビニル系モノマー類;塩化ビニル、塩化ビリデンのような各種のハロゲン化ビニル類;ブタジエンのような各種共役ジエン類が挙げられる。
ガラス転移点を0℃以下と低くするために、ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下の(メタ)アクリル系を使用する必要があり、例えば、エチルアクリレート(ガラス転移点:−22℃)、n−プロピルアクリレート(ガラス転移点:−37℃)、イソプロピルアクリレート(ガラス転移点:−5℃)、ノルマルブチルアクリレート(ガラス転移点:−55℃)、n−へキシルアクリレート(ガラス転移点:−57℃)、2−エチルへキシルアクリレート(ガラス転移点:−70℃)、イソノニルアクリレート(ガラス転移点:−82℃)、ラウリルメタアクリレート(ガラス転移点:−65℃)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(ガラス転移点:−15℃)等が挙げられる。
粘着特性の観点から、アクリル樹脂を構成するモノマーとして、ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下であるモノマーの含有量は、アクリル樹脂全体に対する割合として、好ましくは30重量%以上、より好ましくは45重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上の範囲である。また、好ましい範囲の上限は99重量%である。当該範囲で使用することで良好な粘着特性が得られやすい。
また、粘着特性を向上させる、ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下であるモノマーのガラス転移点としては、好ましくは−20℃以下、より好ましくは−30℃以下、さらに好ましくは−40℃以下、特に好ましくは−50℃以下であり、好ましい範囲の下限は−100℃である。当該範囲で使用することで、適度な粘着特性を有するフィルムとすることが容易となる。
粘着特性を向上させるために使用するモノマーとしては、好ましくはアルキル基の炭素数が4〜30の範囲、より好ましくは4〜20の範囲、さらに好ましくは4〜12の範囲であるアルキル(メタ)アクリレートである。工業的に量産されており、取扱い性や供給安定性の観点から、ノルマルブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレートを含有するアクリル樹脂が最適である。
粘着特性を向上させるためのさらに最適なアクリル樹脂の形態としては、ノルマルブチルアクリレートおよび2−エチルへキシルアクリレートのアクリル樹脂中の合計の含有量が、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上の範囲であり、好ましい範囲の上限は99重量%である。
粘着特性を向上させるためのアクリル樹脂のガラス転移点としては、0℃以下であることが必須であり、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−20℃以下の範囲、さらに好ましくは−30℃以下の範囲であり、好ましい範囲の下限としては−80℃である。上記範囲で使用することで最適な粘着特性を有するフィルムとすることが容易となる。
ウレタン樹脂とは、ウレタン結合を分子内に有する高分子化合物のことであり、通常ポリオールとイソシアネートの反応により作成される。ポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリオレフィンポリオール類、アクリルポリオール類が挙げられ、これらの化合物は単独で用いても、複数種用いてもよい。
ポリカーボネートポリオール類は、多価アルコール類とカーボネート化合物とから、脱アルコール反応によって得られる。多価アルコール類としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン等が挙げられる。カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート等が挙げられ、これらの反応から得られるポリカーボネート系ポリオール類としては、例えば、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等が挙げられる。
粘着特性向上の観点から、鎖状のアルキル鎖の炭素数は、好ましくは4〜30、より好ましくは4〜20、さらに好ましくは6〜12の範囲であるジオール成分から構成されるポリカーボネートポリオールであり、工業的に量産されており、取扱い性や供給安定性が良いという観点において、1,6−ヘキサンジオール、あるいは1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールの中から選ばれる少なくとも2種のジオールを含有させた共重合ポリカーボネートポリオールであることが最適である。
ポリエーテルポリオール類としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
粘着特性向上の観点から、ポリエーテルを形成するモノマーは、炭素数が、好ましくは2〜30、より好ましくは3〜20、さらに好ましくは4〜12の範囲である脂肪族ジオール、特に直鎖脂肪族ジオールを含有するポリエーテルポリオールである。
ポリエステルポリオール類としては、多価カルボン酸(マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)またはそれらの酸無水物と多価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ジメタノールベンゼン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、アルキルジアルカノールアミン、ラクトンジオール等)の反応から得られるもの、ポリカプロラクトン等のラクトン化合物の誘導体ユニットを有するもの等が挙げられる。
粘着特性を考慮すると、上記ポリオール類の中でもポリカーボネートポリオール類およびポリエーテルポリオール類がより好適に用いられ、特にポリカーボネートポリオール類が好適である。
ウレタン樹脂を得るために使用されるポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が例示される。これらは単独で用いても、複数種併用してもよい。
ウレタン樹脂を合成する際に鎖延長剤を使用しても良く、鎖延長剤としては、イソシアネート基と反応する活性基を2個以上有するものであれば特に制限はなく、一般的には、水酸基またはアミノ基を2個有する鎖延長剤を主に用いることができる。
水酸基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等の脂肪族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート等のエステルグリコールといったグリコール類を挙げることができる。また、アミノ基を2個有する鎖延長剤としては、例えば、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、トリメチルヘキサンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、1 ,8−オクタンジアミン、1 ,9−ノナンジアミン、1 ,10−デカンジアミン等の脂肪族ジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソプロビリチンシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1 ,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂環族ジアミン等が挙げられる。
本発明におけるウレタン樹脂は、溶剤を媒体とするものであってもよいが、好ましくは水を媒体とするものである。ウレタン樹脂を水に分散または溶解させるには、乳化剤を用いる強制乳化型、ウレタン樹脂中に親水性基を導入する自己乳化型あるいは水溶型等がある。特に、ウレタン樹脂の構造中にイオン基を導入しアイオノマー化した自己乳化タイプが、液の貯蔵安定性や得られる塗布層の耐水性、透明性に優れており好ましい。
また、導入するイオン基としては、カルボキシル基、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、第4級アンモニウム塩等、種々のものが挙げられるが、カルボキシル基が好ましい。ウレタン樹脂にカルボキシル基を導入する方法としては、重合反応の各段階の中で種々の方法が取り得る。例えば、プレポリマー合成時に、カルボキシル基を持つ樹脂を共重合成分として用いる方法や、ポリオールやポリイソシアネート、鎖延長剤などの一成分としてカルボキシル基を持つ成分を用いる方法がある。特に、カルボキシル基含有ジオールを用いて、この成分の仕込み量によって所望の量のカルボキシル基を導入する方法が好ましい。
例えば、ウレタン樹脂の重合に用いるジオールに対して、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ブタン酸等を共重合させることができる。またこのカルボキシル基はアンモニア、アミン、アルカリ金属類、無機アルカリ類等で中和した塩の形にするのが好ましい。特に好ましいものは、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンである。かかるウレタン樹脂は、塗布後の乾燥工程において中和剤が外れたカルボキシル基を、他の架橋剤による架橋反応点として用いることが出来る。これにより、塗布前の液の状態での安定性に優れる上、得られる塗布層の耐久性、耐溶剤性、耐水性、耐ブロッキング性等をさらに改善することが可能となる。
粘着特性を向上させるためのウレタン樹脂のガラス転移点としては、0℃以下であることが必須であり、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−20℃以下の範囲、さらに好ましくは−30℃以下の範囲であり、好ましい範囲の下限としては−80℃である。上記範囲で使用することで最適な粘着特性を有するフィルムとすることが容易となる。
また、塗布層の強度や粘着特性の調整のために、架橋剤を併用することも可能である。架橋剤とは従来公知の材料を使用することができ、例えば、エポキシ化合物、メラミン化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、シランカップリング化合物、ヒドラジド化合物、アジリジン化合物等が挙げられる。塗布層の強度の観点、粘着特性の調整の観点から、エポキシ化合物、メラミン化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物、シランカップリング化合物が好ましく、エポキシ化合物が特に好ましい。
エポキシ化合物以外の架橋剤を使用する場合は、塗布層中の含有量が多くなりすぎると粘着特性が低下しすぎる場合がある。それゆえ、エポキシ化合物以外の架橋剤を使用する場合には、塗布層中の含有量に注意する必要がある。
エポキシ化合物とは、分子内にエポキシ基を有する化合物であり、例えば、エピクロロヒドリンとエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、ビスフェノールA等の水酸基やアミノ基との縮合物が挙げられ、ポリエポキシ化合物、ジエポキシ化合物、モノエポキシ化合物、グリシジルアミン化合物等がある。ポリエポキシ化合物としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジエポキシ化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、モノエポキシ化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルアミン化合物としてはN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン等が挙げられる。
粘着特性が良好であるという観点において、上記中でも、ポリエーテル系のエポキシ化合物が好ましい。またエポキシ基の量としては、2官能より、3官能以上の多官能であるポリエポキシ化合物が好ましい。
メラミン化合物とは、化合物中にメラミン骨格を有する化合物のことであり、例えば、アルキロール化メラミン誘導体、アルキロール化メラミン誘導体にアルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。エーテル化に用いるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール等が好適に用いられる。また、メラミン化合物としては、単量体、あるいは2量体以上の多量体のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。各種化合物との反応性を考慮すると、メラミン化合物中に水酸基を含有していることが好ましい。さらに、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものも使用できるし、メラミン化合物の反応性を上げるために触媒を使用することも可能である。
オキサゾリン化合物とは、分子内にオキサゾリン基を有する化合物であり、特にオキサゾリン基を含有する重合体が好ましく、付加重合性オキサゾリン基含有モノマー単独もしくは他のモノマーとの重合によって作成できる。付加重合性オキサゾリン基含有モノマーは、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等を挙げることができ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手しやすく好適である。他のモノマーは、付加重合性オキサゾリン基含有モノマーと共重合可能なモノマーであれば制限なく、例えばアルキル(メタ)アクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基)等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等の不飽和カルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲンα,β−不飽和モノマー類;スチレン、α−メチルスチレン、等のα,β−不飽和芳香族モノマー等を挙げることができ、これらの1種または2種以上のモノマーを使用することができる。
オキサゾリン化合物のオキサゾリン基量は、好ましくは0.5〜10mmol/g、より好ましくは1〜9mmol/g、さらに好ましくは3〜8mmol/g、特に好ましくは4〜6mmol/gの範囲である。上記範囲で使用することで、塗膜の耐久性が向上し、粘着特性の調整がしやすくなる。
イソシアネート系化合物とは、イソシアネート、あるいはブロックイソシアネートに代表されるイソシアネート誘導体構造を有する化合物のことである。イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族イソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族イソシアネート等が例示される。また、これらイソシアネートのビュレット化物、イソシアヌレート化物、ウレトジオン化物、カルボジイミド変性体等の重合体や誘導体も挙げられる。これらは単独で用いても、複数種併用してもよい。上記イソシアネートの中でも、紫外線による黄変を避けるために、芳香族イソシアネートよりも脂肪族イソシアネートまたは脂環族イソシアネートがより好ましい。
ブロックイソシアネートの状態で使用する場合、そのブロック剤としては、例えば重亜硫酸塩類、フェノール、クレゾール、エチルフェノールなどのフェノール系化合物、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノールなどのアルコール系化合物、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン系化合物、ε‐カプロラクタム、δ‐バレロラクタムなどのラクタム系化合物、ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミンなどのアミン系化合物、アセトアニリド、酢酸アミドの酸アミド化合物、ホルムアルデヒド、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物が挙げられ、これらは単独でも2種以上の併用であってもよい。
また、本発明におけるイソシアネート系化合物は単体で用いてもよいし、各種ポリマーとの混合物や結合物として用いてもよい。イソシアネート系化合物の分散性や架橋性を向上させるという意味において、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂との混合物や結合物を使用することが好ましい。
カルボジイミド系化合物とは、カルボジイミド構造を有する化合物のことであり、塗布層上に形成され得る各種の表面機能層との密着性の向上や、塗布層の耐湿熱性の向上のために用いられるものである。カルボジイミド系化合物は、分子内にカルボジイミド、あるいはカルボジイミド誘導体構造を1つ以上有する化合物であるが、より良好な密着性等のために、分子内に2つ以上有するポリカルボジイミド系化合物がより好ましい。
カルボジイミド系化合物は従来公知の技術で合成することができ、一般的には、ジイソシアネート化合物の縮合反応が用いられる。ジイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではなく、芳香族系、脂肪族系いずれも使用することができ、具体的には、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
さらに本発明の効果を消失させない範囲において、ポリカルボジイミド系化合物の水溶性や水分散性を向上させるために、界面活性剤を添加することや、ポリアルキレンオキシド、ジアルキルアミノアルコールの四級アンモニウム塩、ヒドロキシアルキルスルホン酸塩などの親水性モノマーを添加して用いてもよい。
なお、これら架橋剤は、乾燥過程や、製膜過程において、反応させて塗布層の性能を向上させる設計で用いている。できあがった塗布層中には、これら架橋剤の未反応物、反応後の化合物、あるいはそれらの混合物が存在しているものと推測できる。
また、塗布層の形成には、ブロッキングや滑り性改良、粘着特性の調整のために粒子を併用することも可能である。
さらに本発明の主旨を損なわない範囲において、塗布層の形成には必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、発泡剤、染料、顔料等を併用することも可能である。
本発明における積層ポリエステルフィルムを構成する塗布層中の割合として、ガラス転移点が0℃以下である樹脂は、主として使用することが必須であり、その量としては、50重量%以上であり、好ましくは65重量%以上、より好ましくは75重量%以上、さらに好ましくは85重量%以上の範囲であり、好ましい範囲の上限としては99重量%である。上記範囲を外れる場合、十分な粘着特性が得られない。
本発明における積層ポリエステルフィルムを構成する塗布層中の割合として、エポキシ化合物の割合は、50重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下の範囲である。上記範囲で使用することで良好な塗膜強度と粘着特性が得られやすい。
本発明における積層ポリエステルフィルムを構成する塗布層中の割合として、エポキシ化合物以外の架橋剤の割合は、30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下の範囲である。上記範囲で使用することで良好な塗膜強度と調整された粘着特性が得られやすいが、塗布層中に使用する材料や組成によっては、粘着特性が低下しすぎる懸念から、使用しない方が好ましい場合もある。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、ガラス転移点が0℃以下である樹脂を主として含有する塗布層とは反対面側にも、各種の塗布層を設けることが可能である。例えば、ブロッキングを防止する目的で離型層、塵埃付着防止のための帯電防止層、あるいはその両者を併せ持った帯電防止離型層等が挙げられる。
塗布層中の成分の分析は、例えば、TOF−SIMS、ESCA、蛍光X線、IR等の分析によって行うことができる。
塗布層の形成に関して、上述の一連の化合物を溶液または溶媒の分散体として、固形分濃度が0.1〜80重量%程度を目安に調整した塗布液をポリエステルフィルム上に塗布する要領にて積層ポリエステルフィルムを製造することが好ましい。特にインラインコーティングによって塗布層を設けるので、水溶液または水分散体であることがより好ましい。水への分散性改良、造膜性改良等を目的として、塗布液中には少量の有機溶剤を含有していてもよい。また、有機溶剤は1種類のみでもよく、適宜、2種類以上を使用してもよい。
本発明における積層ポリエステルフィルムに関して、ポリエステルフィルム上に設けられる塗布層の膜厚は、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.03〜5μm、さらに好ましくは0.05〜3μm、特に好ましくは0.08〜1.5μm、最も好ましくは0.15〜0.90μmの範囲である。膜厚が上記範囲で使用することにより、適度な粘着特性、ブロッキング性を保持することが容易となる。
本発明のフィルムにおいて、塗布層を形成する方法としては、例えば、グラビアコート、リバースロールコート、ダイコート、エアドクターコート、ブレードコート、ロッドコート、バーコート、カーテンコート、ナイフコート、トランスファロールコート、スクイズコート、含浸コート、キスコート、スプレーコート、カレンダコート、押出コート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。
本発明において、ポリエステルフィルム上に塗布層を形成する際の乾燥および硬化条件に関しては特に限定されるわけではないが、塗布液に使用している水等の溶媒の乾燥に関しては、好ましくは70〜150℃、より好ましくは80〜130℃、さらに好ましくは90〜120℃の範囲である。乾燥の時間としては、目安として3〜200秒、好ましくは5〜120秒の範囲である。また、塗布層の離型性能や強度を向上させるため、フィルム製造工程において、好ましくは180〜270℃、より好ましくは200〜250℃、さらに好ましくは210〜240℃の範囲の熱処理工程を経ることである。当該熱処理工程の時間としては、目安として3〜200秒、好ましくは5〜120秒の範囲である。
また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。本発明における積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルフィルムにはあらかじめ、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
本発明のポリエステルフィルムのヘーズは特に制限はないが、例えば、偏光板用途等、検査の厳しい用途に使用する場合には、より精度の高い検査のために、検査光の透過性が重要となるため、ヘーズが低い方が好ましい場合がある。そのような用途に使用する場合には、好ましいヘーズとしては、5.0%以下、より好ましくは、3.0%以下、さらに好ましくは2.0%以下、特に好ましくは0.2〜1.5%の範囲である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法および評価方法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定方法
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)塗布層の膜厚測定方法
塗布層の表面をRuOで染色し、エポキシ樹脂中に包埋した。その後、超薄切片法により作成した切片をRuOで染色し、塗布層断面をTEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 H−7650、加速電圧100V)を用いて測定した。なお、膜厚は粒子の部分を含まない箇所で測定した。
(3)ガラス転移点
株式会社パーキンエルマージャパン製、示差走査熱量測定装置(DSC) 8500を使用して、−100〜200℃において毎分10℃の昇温条件で測定した。
(4)ヘーズの測定方法
株式会社村上色彩技術研究所製、ヘーズメーター HM−150を使用して、JIS K 7136で測定した。
(5)塗布層の粘着特性評価方法(粘着1)
1枚のA4サイズの積層ポリエステルフィルムの塗布層側同志を重ねて指で押さえて粘着特性を評価した。指で軽く押さえただけでフィルムが貼りついて丸まった状態で保持できる場合を5点、指で強く押さえることでフィルムが貼りついて丸まった状態で保持できる場合を4点、指で強く押さえることでフィルムが貼りついて丸まった状態を保持できるが、3秒以内に剥がれてしまう場合を3点、指で強く押さえることでフィルムには粘着特性が微小に見られるが丸まった状態を全く保持できない場合を2点、指で強く押さえても全く粘着特性が見られない場合を1点とした。実使用上、3点以上が好ましい。
(6)塗布層の粘着特性評価方法(粘着2)
1枚のA4サイズの積層ポリエステルフィルムの塗布層側と、後述する比較例1の塗布層がないA4サイズのポリエステルフィルムを重ねて指で押さえて粘着特性を評価した。指で軽く押さえただけでフィルムが貼りついて、塗布層を有する方のフィルムのみを持っても貼りついた状態を保持できる場合を5点、指で強く押さえることでフィルムが貼りついて、塗布層を有する方のフィルムのみを持っても貼りついた状態を保持できる場合を4点、指で強く押さえることでフィルムが貼りついて、塗布層を有する方のフィルムのみを持っても貼りついた状態を保持できるが、3秒以内に剥がれてしまう場合を3点、指で強く押さえることでフィルムには粘着特性が微小に見られるが、貼りついた状態を保持できない場合を2点、指で強く押さえても全く粘着特性が見られない場合を1点とした。実使用上、2点以上が好ましい。
(7)塗布層のリワーク性評価方法
上記評価方法(5)および(6)において、フィルムを剥がした後、再度同様な操作を同一箇所で行ったとき、評価結果が同等となる場合を○、粘着特性が悪化する場合を×とした。
(8)塗布層の糊残り評価方法
上記評価方法(6)において、貼りつけたフィルムを剥がした後を観察し、糊残り(塗布層の転着跡)がない場合を○、糊残りがある場合を×とした。
実施例および比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステル(A)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、エチルアシッドフォスフェートを生成ポリエステルに対して30ppm、触媒として酢酸マグネシウム・四水和物を生成ポリエステルに対して100ppmを窒素雰囲気下、260℃でエステル化反応をさせた。引き続いて、テトラブチルチタネートを生成ポリエステルに対して50ppm添加し、2時間30分かけて280℃まで昇温すると共に、絶対圧力0.3kPaまで減圧し、さらに80分、溶融重縮合させ、極限粘度0.63、ジエチレングリコール量が2モル%のポリエステル(A)を得た。
<ポリエステル(B)の製造方法>
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部、触媒として酢酸マグネシウム・四水和物を生成ポリエステルに対して900ppmを窒素雰囲気下、225℃でエステル化反応をさせた。引き続いて、正リン酸を生成ポリエステルに対して3500ppm、二酸化ゲルマニウムを生成ポリエステルに対して70ppm添加し、2時間30分かけて280℃まで昇温すると共に、絶対圧力0.4kPaまで減圧し、さらに85分、溶融重縮合させ、極限粘度0.64、ジエチレングリコール量が2モル%のポリエステル(B)を得た。
<ポリエステル(C)の製造方法>
ポリエステル(A)の製造方法において、溶融重合前に平均粒径2μmのシリカ粒子を0.3重量部添加する以外はポリエステル(A)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(C)を得た。
塗布層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・ポリエステル樹脂:(IA)
下記組成からなるポリエステル樹脂(ガラス転移点:−20℃)の水分散体
モノマー組成:(酸成分)ドデカンジカルボン酸/テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール=20/38/38/4//40/60(mol%)
・ポリエステル樹脂:(IB)
下記組成からなるポリエステル樹脂(ガラス転移点:−30℃)の水分散体
モノマー組成:(酸成分)ドデカンジカルボン酸/テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール=30/33/33/4//40/60(mol%)
・ポリエステル樹脂:(IC)
下記組成からなるポリエステル樹脂(ガラス転移点:30℃)の水分散体
モノマー組成:(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4−ブタンジオール/ジエチレングリコール=40/56/4//45/25/30(mol%)
・アクリル樹脂:(IIA)
下記組成からなるアクリル樹脂(ガラス転移点:−25℃)の水分散体
ノルマルブチルアクリレート/メチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=72/23/3/2(重量%)
・アクリル樹脂:(IIB)
下記組成からなるアクリル樹脂(ガラス転移点:−40℃)の水分散体
ノルマルブチルアクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/エチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=30/30/36/2/2(重量%)
・アクリル樹脂:(IIC)
下記組成からなるアクリル樹脂(ガラス転移点:−50℃)の水分散体
2−エチルへキシルアクリレート/ラウリルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸/メタクリル酸=50/25/15/5/5(重量%)
・アクリル樹脂:(IID)
下記組成からなるアクリル樹脂(ガラス転移点:−55℃)の水分散体
2−エチルへキシルアクリレート/酢酸ビニル/アクリル酸=78/20/2(重量%)
・アクリル樹脂:(IIE)
下記組成からなるアクリル樹脂(ガラス転移点:−15℃)の水分散体
ノルマルブチルアクリレート/エチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸=45/23/30/2(重量%)
・アクリル樹脂:(IIF)
下記組成からなるアクリル樹脂(ガラス転移点:10℃)の水分散体
エチルアクリレート/ノルマルブチルメタクリレート/アクリル酸=25/73/2(重量%)
・ウレタン樹脂:(III)
1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートからなる数平均分子量が2000のポリカーボネートポリオール80部、数平均分子量400のポリエチレングリコール4部、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)12部、ジメチロールブタン酸4部からなるウレタン樹脂をトリエチルアミンで中和した水分散体(ガラス転移点:−30℃)。
・エポキシ化合物:(IVA)多官能ポリエポキシ化合物である、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル
・メラミン化合物:(IVB)ヘキサメトキシメチロールメラミン
・オキサゾリン化合物:(IVC)
オキサゾリン基及びポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリルポリマー エポクロス(オキサゾリン基量=4.5mmol/g、株式会社日本触媒製)
・粒子:(V) 平均粒径0.15μmのシリカ粒子
実施例1:
ポリエステル(A)、(B)、(C)をそれぞれ91%、3%、6%の割合で混合した混合原料を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)、(B)をそれぞれ97%、3%の割合で混合した混合原料を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層=2:21:2の吐出量)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸シートを得た。
次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.2倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、下記表1に示す塗布液1を塗布層の膜厚(乾燥後)が0.20μmになるように塗布し、テンターに導き、95℃で10秒間乾燥させた後、横方向に120℃で4.3倍延伸し、230℃で10秒間熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。
でき上がったポリエステルフィルムを評価したところ、粘着特性は良好であった。このフィルムの特性を下記表2に示す。
実施例2〜18:
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり、粘着特性は良好であった。
比較例1:
実施例1において、塗布層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムを評価したところ、下記表2に示すとおり、粘着特性はないフィルムであった。
比較例2〜4:
実施例1において、塗布剤組成を表1に示す塗布剤組成に変更する以外は実施例1と同様にして製造し、ポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり、粘着特性はないフィルムであった。
比較例5:
比較例1で得られた塗布層のないポリエステルフィルム上に、下記表1に示す塗布液1を塗布層の膜厚(乾燥後)が0.40μmになるように塗布し、100℃で60秒間の乾燥を行い、オフラインコーティングによる塗布層が積層されたポリエステルフィルムを得た。でき上がったポリエステルフィルムは表2に示すとおり、粘着特性は良好であったが、糊残りが悪いフィルムであった。
Figure 2016112755
Figure 2016112755
本発明のフィルムは、例えば、樹脂板、金属板等の輸送時、保管時や加工時の傷付き防止や汚れ付着防止用等に使用する表面保護フィルム等の用途において、フィッシュアイが少なく、機械的強度および耐熱性に優れ、良好な粘着特性が必要な用途に好適に利用することができる。
すなわち、本発明の要旨は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ガラス転移点が0℃以下である樹脂を主として含有するインラインコーティング塗布層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルムに存する。
上記、スルホン酸、スルホン酸金属塩、カルボン酸、カルボン酸金属塩を使用する場合、ポリエステル樹脂を構成する酸成分中の含有量として、好ましくは0.1〜10モル%、より好ましくは0.2〜8モル%の範囲である。上記範囲で使用することで水への分散性が良好なものとなる。
また、インラインコーティング塗布層における塗布外観、ポリエステルフィルムへの密着性やブロッキング、さらには表面保護フィルムとして用いた場合の被着体への糊残りの低減を考慮すると、ポリエステル樹脂中の酸成分として、ある程度の芳香族多価カルボン酸を含有していることが好ましい。芳香族多価カルボン酸の中でも粘着特性の観点からテレフタル酸やイソフタル酸等のベンゼン環構造がナフタレン環構造より好ましい。さらに粘着特性をより向上させるには2種類以上の芳香族多価カルボン酸を併用することがより好ましい。
カルボジイミド系化合物とは、カルボジイミド構造を有する化合物のことであり、塗布層の耐湿熱性の向上のために用いられるものである。カルボジイミド系化合物は、分子内にカルボジイミド、あるいはカルボジイミド誘導体構造を1つ以上有する化合物であるが、より良好な密着性等のために、分子内に2つ以上有するポリカルボジイミド系化合物がより好ましい。

Claims (1)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、ガラス転移点が0℃以下である樹脂を主として含有する、インラインコーティングにより形成された塗布層を有することを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
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