JP2001060315A - 磁気カード用積層フィルム - Google Patents

磁気カード用積層フィルム

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JP2001060315A
JP2001060315A JP11237015A JP23701599A JP2001060315A JP 2001060315 A JP2001060315 A JP 2001060315A JP 11237015 A JP11237015 A JP 11237015A JP 23701599 A JP23701599 A JP 23701599A JP 2001060315 A JP2001060315 A JP 2001060315A
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film
weight
ion
coating
polyester
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JP11237015A
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English (en)
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Masayuki Fukuda
雅之 福田
Satoshi Kitazawa
諭 北澤
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 プリペードカードに有用な磁気カード用積層
フィルムの提供。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に塗膜を積層せしめたフィルムで、該塗膜が(A)バイ
ンダー樹脂40〜85重量%、(B)式(1)で示され
る構造の繰り返し単位を主成分とする帯電防止剤5〜5
0重量%、(C)水溶性高分子5〜20重量%及び
(D)界面活性剤5〜15重量%からなる組成物を含む
水性塗液を塗布し、乾燥、延伸して得られる制電性塗膜
積層フィルム。 (R、RはH又はCH、R〜Rは特定の炭化
水素基、mは1〜20、nは1〜40、Yはハロゲン
イオンその他。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気カード用積層フ
ィルムに関し、更に詳しくは磁気記録層との接着性、ロ
イコ染料発色性、帯電防止性、背面転写性、耐削れ性、
耐ブロッキング性、印刷性等に優れたプリペードカード
に有用な磁気カード用積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気カードは、いわゆるキャッシュレス
の便利さからクレジットカードとして広く利用され、金
融機関では現金の自動入金、引き出し等、公共の通信、
運輸機関ではテレホンカード、オレンジカード等として
使用されている。最近では、パチンコ業界でパチンコカ
ードとして使用され始め、普及している。
【0003】一方、基材となるプラスチックフィルムと
しては、耐水性、耐薬品性、機械的強度、寸法安定性、
電気特性に優れたポリエステルフィルム、特にポリエチ
レンテレフタレートやポリエチレンナフタレートからな
るフィルムが用いられ、或いは検討されているが、かか
るポリエステルフィルムは帯電し易い欠点を有してい
る。フィルムが帯電すると、その表面にゴミやほこりが
付着し、品質上のトラブルが生じる。また、フィルム加
工工程で有機溶剤を用いる場合には、帯電したフィルム
からの放電により引火の危険が生じる。
【0004】このような帯電による問題の対策として、
ポリエステルフィルムに有機スルホン酸塩基等のアニオ
ン性化合物、金属粉、カーボン粉等を練り込む方法や、
ポリエステルフィルムの表面に金属化合物を蒸着する方
法等が提案され、実用化されている。しかしながら、こ
のような方法ではフィルムの透明性が低下してしまう問
題や、加工コストが高いといった問題がある。
【0005】また、別の方法として、フィルム表面に制
電性塗膜を形成する方法が種々提案され、かつ実用化さ
れている。この制電性塗膜に含有させる帯電防止剤とし
ては、低分子型のものや高分子型のものが知られている
が、それぞれ長所短所を有する。そこで、帯電防止剤は
その特性を用途に合わせて使い分けられる。
【0006】例えば、低分子型の帯電防止剤としては、
スルホン酸塩基を有する長鎖アルキル化合物(特開平4
−28728号公報)等のような界面活性剤型のアニオ
ン系帯電防止剤が知られており、また高分子型の帯電防
止剤としては、主鎖にイオン化された窒素元素を有する
ポリマー(特開平3−255139号公報、特開平4−
288127号公報、特開平6−320390号公報)
や、スルホン酸塩基変性ポリスチレン(特開平5−32
0394号公報)等が知られている。
【0007】しかしながら、低分子型の帯電防止剤を用
いた制電性塗膜では、帯電防止剤の一部が塗膜中を移動
して界面に集積し、フィルムの反対面等に移行する(背
面転写)問題や、帯電防止性(制電性)が経時的に低下
するという問題がある。
【0008】一方、高分子型の帯電防止剤を用いた制電
性塗膜では、良好な制電性を得るために多量の帯電防止
剤の配合が必要であったり、膜厚の厚い制電性塗膜を形
成させることが必要であるため経済的でない。また、製
品にならなかった屑フィルム(例えば、製造工程で切断
除去したフィルム端部等)を回収し、フィルム製造用の
再生材料として使用すると、溶融製膜の際に上記再生材
料中に含まれる塗膜成分が熱劣化し、得られたフィルム
が著しく着色し実用性に欠ける(回収性が劣る)ものと
なる等の問題が生じる。更に、フィルム同士が剥離し難
い(ブロッキングする)、塗膜が削れ易い等の欠点が生
じ、その解決が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の問題点を解消し、コロナ放電処理等の前処
理を施すことなく低加工コストで制電性塗膜を塗設で
き、かつ優れた帯電防止性、背面転写性、耐削れ性、耐
ブロッキング性、回収性を有するとともに、ロイコ染料
発色性に優れたプリペードカード等の磁気カード用積層
フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ポリエ
ステルフィルムの少なくとも片面に塗膜を積層せしめた
フィルムであって、該塗膜が(A)バインダー樹脂40
〜85重量%、(B)下記式(1)で示される構造の繰
り返し単位を主成分とする帯電防止剤5〜50重量%、
(C)水溶性高分子5〜20重量%及び(D)界面活性
剤5〜15重量%からなる組成物を含む水性塗液を塗布
し、乾燥、延伸して得られる制電性塗膜であることを特
徴とする磁気カード用積層フィルムにより達成される。
【0011】
【化2】
【0012】(ただし、式中のR、RはそれぞれH
又はCH、Rは炭素数が4〜10のアルキレン基、
、Rはそれぞれ炭素数が1〜5の飽和炭化水素
基、Rは炭素数が2〜5のアルキレン基、mは1〜2
0の数、nは1〜40の数、Yはハロゲンイオン、モ
ノもしくはポリハロゲン化アルキルイオン、ナイトレー
トイオン、サルフェートイオン、アルキルサルフェート
イオン、スルホネートイオン又はアルキルスルホネート
イオンである。)以下、本発明について詳細に説明す
る。
【0013】(ポリエステルフィルム)本発明において
ポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、ジカ
ルボン酸成分とグリコール成分からなる線状飽和ポリエ
ステルである。このジカルボン酸成分としては、テレル
タル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、4,4´−ジフェニル
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカ
ルボン酸等を例示することができる。特にフィルムの機
械的性質の点から、テレフタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸が好ましい。
【0014】また、このグリコール成分としてはエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジ
オール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレング
リコール等を例示することができる。特にフィルムの剛
直性の点から、エチレングリコールが好ましい。
【0015】本発明の積層フィルムを白色のプリペード
カードに用いる場合、ポリエステルフィルムは成分とし
て白色顔料、例えば酸化チタン及び/又は硫酸バリウム
を含有した白色ポリエステルフィルムであることが好ま
しい。ポリエステル中の酸化チタン、硫酸バリウム等の
白色顔料の含有量は5〜25重量%、特に15〜25重
量%であることが好ましい。また、白色顔料は、平均粒
径0.1〜0.5μmのものであることが好ましい。白
色ポリエステルフィルムの表面光沢度は所望により任意
に選択することができる。
【0016】白色ポリエステルフィルムには、この他に
酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸
カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、硫酸バリ
ウム等のような無機微粒子、架橋シリコーン樹脂、架橋
ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂等のような耐熱性ポリマーからなる有機微粒
子、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピ
レンコポリマー、オレフィン系アイオノマーのような他
の樹脂、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白
剤等を必要に応じて含有させることもできる。
【0017】一方、本発明の積層フィルムを透明性が要
求される用途に用いる場合は、ポリエステルフィルムは
ヘーズ値が0.5〜3.0%、厚さが20〜200μm
の透明ポリエステルフィルムであることが好ましい。
【0018】透明ポリエステルフィルムには、この他に
酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸
カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、硫酸バリ
ウム等のような無機微粒子、架橋シリコーン樹脂、架橋
ポリスチレン樹脂、架橋アクリル樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂等のような耐熱性ポリマーからなる有機微粒
子、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピ
レンコポリマー、オレフィン系アイオノマーのような他
の樹脂、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白
剤等を必要に応じて透明性を損なわない範囲の量含有さ
せることもできる。
【0019】本発明においてポリエステルフィルムは、
二軸延伸フィルムであることが好ましい。また、ポリエ
ステルフィルムの厚さは20〜500μmであることが
好ましい。フィルムの厚さの上限は450μmであるこ
とが更に好ましく、300μmであることが特に好まし
い。この厚さが例えば500μmを超えると製膜性が劣
る傾向が見られる。一方、フィルムの厚さの下限は50
μmであることが更に好ましく、75μmであることが
特に好ましい。この厚さが20μm未満ではフィルムの
腰が弱くなることがあり好ましくない。
【0020】(バインダー樹脂)本発明において制電性
塗膜(以下、単に『塗膜』ということがある)は、
(A)バインダー樹脂、(B)帯電防止剤、(C)水溶
性高分子及び(D)界面活性剤からなる組成物を含むも
のであるが、この(A)バインダー樹脂は共重合ポリエ
ステル樹脂、アクリル共重合体、アクリル変性ポリエス
テルからなる群から選ばれる少なくとも1種のバインダ
ー樹脂であることが好ましい。
【0021】この共重合ポリエステル樹脂を構成する酸
成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、フェ
ニルインダンジカルボン酸、ダイマー酸等を例示するこ
とができる。これら成分は二種以上を用いることができ
る。更に、これら成分とともにマレイン酸、フマル酸、
イタコン酸等の如き不飽和多塩基酸やp−ヒドロキシ安
息香酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等の
如きヒドロキシカルボン酸を少割合用いることができ
る。不飽和多塩基酸成分やヒドロキシカルボン酸成分の
割合は高々10モル%、好ましくは5モル%以下であ
る。また、ポリオール成分としては、エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、キシリレングリコール、ジメチロールプロ
ピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ポリ
(エチレンオキシ)グリコール、ポリ(テトラメチレン
オキシ)グリコール、更に下記式(2)または式(3)
で示されるビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物やプロピレンオキサイド付加物等を例示することがで
きる。これらは二種以上を用いることができる。
【0022】
【化3】
【0023】(但し、p+q=2〜10、PH=フェニ
レン基である。)
【0024】
【化4】
【0025】(但し、p+q=2〜10、PH=フェニ
レン基である。) かかるポリオール成分の中でもエチレングリコール、ビ
スフェノールAのエチレンオキサイド付加物やプロピレ
ンオキサイド付加物、1,4−ブタンジオールが好まし
く、更にエチレングリコール、ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加物やプロピレンオキサイド付加物が
好ましい。
【0026】また、前記共重合ポリエステル樹脂には、
水性液化を容易にするために若干量の、スルホン酸塩基
を有する化合物やカルボン酸塩基を有する化合物を共重
合させることが可能であり、その方が好ましい。
【0027】このスルホン酸塩基を有する化合物として
は、例えば5−Naスルホイソフタル酸、5−アンモニ
ウムスルホイソフタル酸、4−Naスルホイソフタル
酸、4−メチルアンモニウムスルホイソフタル酸、2−
Naスルホイソフタル酸、5−Kスルホイソフタル酸、
4−Kスルホイソフタル酸、2−Kスルホイソフタル
酸、Naスルホコハク酸等のスルホン酸アルカリ金属塩
系またはスルホン酸アミン塩系化合物等が好ましく挙げ
られる。また、このカルボン酸塩基を有する化合物とし
ては、例えば無水トリメリット酸、トリメリット酸、無
水ピロメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、シ
クロブタンテトラカルボン酸、ジメチロールプロピオン
酸等、あるいはこれらのモノアルカリ金属塩等が挙げら
れる。なお、遊離カルボキシル基は共重合後にアルカリ
金属化合物やアミン化合物を作用させてカルボン酸塩基
とする。
【0028】前記共重合ポリエステル樹脂は、変性ポリ
エステル共重合体、たとえば前記ポリエステル共重合体
をアクリル、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、フ
ェノール樹脂等で変性したブロック重合体、あるいはグ
ラフト重合体として用いることもできる。これらのうち
アクリル変性ポリエステル共重合体が好ましい。
【0029】かかる共重合ポリエステル樹脂は、従来か
ら知られまたは用いられているポリエステルの製造技術
によって製造することができる。例えば、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体
(特にジメチルエステル)、イソフタル酸またはそのエ
ステル形成性誘導体(特にジメチルエステル)及び無水
トリメリット酸をエチレングリコール及びビスフェノー
ルAのプロピレンオキサイド付加物と反応せしめてモノ
マーもしくはオリゴマーを形成し、その後真空下で重縮
合反応せしめることによって所定の固有粘度(o−クロ
ロフェノールを用いて35℃で測定した固有粘度が0.
2〜0.8dl/gが好ましい)の共重合ポリエステル
とし、さらに遊離のカルボキシ基をアルカリ化合物また
はアミン化合物と反応させて塩とする方法で製造するこ
とができる。その際、反応を促進する触媒、例えばエス
テル化もしくはエステル交換触媒、重縮合触媒等を用い
ることが好ましく、また種々の添加剤、例えば安定剤等
を添加することもできる。
【0030】本発明において(A)バインダー樹脂とし
て用いるアクリル系共重合体の構成成分としては、アク
リル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸ソーダ、アクリル酸アンモニウ
ム、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸ソーダ、メタクリル酸アン
モニウム、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリ
シジルメタクリレート、アクリルメタクリレート、ビニ
ルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウ
ム、スチレンスルホン酸ナトリウム、アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等
を例示することができる。これらのモノマーは、例えば
スチレン、酢酸ビニル、アクリルニトリル、メタクリル
ニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ジビニルベン
ゼン等の他の不飽和単量体と併用することもできる。
【0031】また前記アクリル系共重合体として、変性
アクリル共重合体、例えば前記アクリル共重合体をポリ
エステル、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、フェ
ノール樹脂等で変性したブロック重合体、あるいはグラ
フト重合体として用いることもできる。
【0032】(帯電防止剤)本発明における(B)帯電
防止剤は下記式(1)で示される構造の繰り返し単位を
主成分とする化合物である。
【0033】
【化5】
【0034】(ただし、式中のR、RはそれぞれH
又はCH、Rは炭素数が4〜10のアルキレン基、
、Rはそれぞれ炭素数が1〜5の飽和炭化水素
基、Rは炭素数が2〜5のアルキレン基、mは1〜2
0の数、nは1〜40の数、Yはハロゲンイオン、モ
ノもしくはポリハロゲン化アルキルイオン、ナイトレー
トイオン、サルフェートイオン、アルキルサルフェート
イオン、スルホネートイオン又はアルキルスルホネート
イオンである。) 上記の帯電防止剤のうち、式(1)中のYがRSO
で示されるアルキルスルホネートイオン(ただし、
は炭素数が1〜5の飽和炭化水素基)であり、−
(OR)m−のRがエチレン基であり、mが1〜2
0の数、−(RO)n−のRがエチレン基であり、
nが1〜40の数であるものは、塗膜とポリエステルフ
ィルムとの接着性、塗膜の耐熱性が良好であり、特に制
電性に優れるので好ましい。
【0035】特に上記の帯電防止剤は、式(1)中のY
が、CHSO 、CSO 、またはC
SO であり、−(OR)m−が−(OC
)m−であり、かつmが1〜5であることが好まし
い。また、−(RO)n−が−(CO)n−で
あり、かつnが1〜10であることが好ましい。
【0036】前記帯電防止剤は、例えば下記の方法で好
ましく製造することができる。すなわち、アクリル酸エ
ステルモノマーを、乳化重合により、重量平均分子量2
000〜100000のポリアクリル酸エステルとし、
次いでN,N−ジアルキルアミノアルキルアミン(例え
ば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−
ジエチルアミノプロピルアミン等)と反応させてアミド
化し、最後に4級ヒドロキシアルキル化反応を行わせて
4級カチオン対を導入することで製造できる。
【0037】帯電防止剤の平均分子量(数平均分子量)
は任意であるが、3000〜300000であることが
好ましい。平均分子量の下限値は5000であることが
更に好ましく、上限値は100000であることが更に
好ましい。この平均分子量が3000未満であると、帯
電防止剤の背面転写性が悪化する傾向があり、一方平均
分子量が300000を超えると、水性塗液の粘度が高
くなりすぎフィルムに均一に塗布し難くなるため好まし
くない。
【0038】(水溶性高分子)本発明における(C)水
溶性高分子は、水に溶解可能な高分子であり、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドンを好ましく挙げる
ことができる。
【0039】ポリビニルアルコールは、ケン化度が75
〜95mol%であることが好ましい。このケン化度が
75mol%未満では塗膜の耐湿性が低下することがあ
り、一方95mol%を超えるとインク受像層に対する
接着性が低下することがある。更に、ポリビニルアルコ
ールはカチオン変性したものが、インク受像層との接着
性が良好のため好ましい。
【0040】ポリビニルピロリドンは、K価が26〜1
00であることが好ましい。このK価が26未満では塗
膜の強度弱くなることがある。また、K価が100を超
えるとインク受像層に対する接着性が低下することがあ
る。尚、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン
は、平均分子量が10000以上であると塗膜の耐削れ
性が優れたものとなるので好ましい。
【0041】(界面活性剤)本発明における制電性塗膜
には、塗膜とポリエステルフィルムとの接着を強固なも
のとし、プリペードカード用ポリエステルフィルムの耐
ブロッキング性を良好なものとするため、(D)界面活
性剤を配合する。この界面活性剤としては、例えばアル
キレンオキサイド単独重合体、アルキレンオキサイド共
重合体、脂肪族アルコール・アルキレンオキサイド付加
物、長鎖脂肪族置換フェノール・アルキレンオキサイド
付加重合物、多価アルコール脂肪族エステル、長鎖脂肪
族アミドアルコール等のノニオン系界面活性剤、4級ア
ンモニウム塩を有する化合物、アルキルピリジニウム塩
を有する化合物、スルホン酸塩を有する化合物等のカチ
オン系又はアニオン系界面活性剤を挙げることができ、
特にノニオン界面活性剤が塗膜とベースフィルムとの接
着性や制電性ポリエステルフィルムの耐ブロッキング性
に対する効果が優れるため好ましい。
【0042】(制電性塗膜)本発明における塗膜は、ポ
リエステルフィルムの少なくとも片面に、(A)バイン
ダー樹脂40〜85重量%、(B)前記式(1)で示さ
れる構造の繰り返し単位を主成分とする帯電防止剤5〜
50重量%、(C)水溶性高分子5〜20重量%及び
(D)界面活性剤5〜15重量%からなる組成物を含む
水性塗液を塗布し、乾燥、延伸して得ることができる。
【0043】本発明において水性塗液に含まれる組成物
中の(A)バインダー樹脂の割合は40〜85重量%で
あり、好ましくは50〜80重量%である。この割合が
40重量%未満では、塗膜のポリエステルフィルムへの
密着力が不足する。他方85重量%を超えると、塗布フ
ィルムのブロッキング性が悪化する。
【0044】また、水性塗液に含まれる組成物中の
(B)帯電防止剤の割合は5〜50重量%であり、好ま
しくは10〜40重量%である。この割合が5重量%未
満では帯電防止性が不足し、他方50重量%を超えると
塗膜のポリエステルフィルムへの密着力が不足する。
【0045】水性塗液に含まれる組成物中の(C)水溶
性高分子の割合は5〜20重量%であり、好ましくは1
0〜15重量%である。この割合が5重量%未満では磁
気記録層やインキ層との接着性が不足し、一方20重量
%を超えると耐ブロッキング性が低下するので好ましく
ない。
【0046】水性塗液に含まれる組成物中の界面活性剤
(D)の割合は5〜15重量%であり、好ましくは5〜
10重量%である。この割合が5重量%未満では水性塗
液のポリエステルフィルムへの濡れ性が不足することが
あり、他方15重量%を超えると塗膜のポリエステルフ
ィルムへの密着力が不足したり、耐ブロッキング性が不
足することがあり好ましくない。
【0047】本発明において塗膜を形成する前記成分の
組成物は、水性塗液(水を媒体とするもの)として塗布
することが好ましいが、有機溶剤を溶剤として塗布する
ことも可能である。この有機溶剤としては、メチルエチ
ルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、ト
ルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロ
パンノール、イソプロパノール等を例示することができ
る。これらは単独で、もしくは複数を組み合わせて用い
ることができる。
【0048】本発明においては、前記組成物を含む水性
塗液を用いて塗膜を塗設するが、この水性塗液には塗膜
表面の滑り性を良好なものとし、かつフィルムの耐ブロ
ッキング性を良好なものとするため、接着性等の特性を
損なわない範囲で滑剤を添加することが好ましい。この
滑剤としては、例えばポリスチレン樹脂、アクリル樹
脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、尿素
樹脂、ベンゾグナミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエス
テル樹脂等の微粒子を好ましく挙げることができる。こ
れらの樹脂の微粒子は、塗膜中に微粒子で含まれるもの
であれば熱可塑性であっても熱硬化性のものであっても
よい。この微粒子の平均粒径は0.01〜0.1μmの
ものが好ましく、配合量は1〜20重量%であることか
好ましい。
【0049】更に、水性塗液には本発明の目的を損なわ
ない範囲で他の界面活性剤、紫外線吸収剤、顔料、潤滑
剤、ブロッキング防止剤、メラミン、エポキシ、アジリ
ジン等の架橋剤や他の帯電防止剤等の他の添加剤を配合
することができる。
【0050】本発明における水性塗液中の固形分濃度
は、通常30重量%以下であるが、0.5〜30重量%
の範囲であることが好ましい。この割合が0.5重量%
未満であると、ポリエステルフィルムへの塗れ性が不足
することがあり、また30重量%を超えると塗膜外観が
悪化することがあるので好ましくない。
【0051】本発明における塗膜は、表面酸性度が5.
7〜13であることが好ましい。表面酸性度の上限値は
10であることが更に好ましく、9.5であることが特
に好ましい。この表面酸性度が13を超えると、ジアゾ
染料の発色が起こってしまうことがあり好ましくない。
一方、表面酸性度の下限値は6.0であることが更に好
ましく、6.3であることが特に好ましい。この表面酸
性度が5.7に満たない場合は、カードとして使用前に
ロイコ染料の発色が起こってしまうことがあり、プリペ
ードカードには使用できない。
【0052】また、本発明における塗膜は23℃、相対
湿度60%におけて表面固有抵抗が3×1012Ω/□
以下であることが好ましく、更に3×1011Ω/□以
下、特に3×1010Ω/□以下であることが好まし
い。この表面固有抵抗が3×1012Ω/□を超える
と、帯電防止効果が小さく、印刷などの工程で塵埃が付
着し、印刷欠点になる可能性やプリペードカードとなっ
た時のカードの搬送性が悪くなる可能性が高くなる。
【0053】(塗膜の塗設)本発明においては上述の成
分を含む水性塗液をポリエステルフィルムの少なくとも
片面に塗布するが、該フィルムとしては結晶配向が完了
する前のポリエステルフィルムが好ましい。この配向結
晶が完了する前のポリエステルフィルムとしては、該ポ
リエステルを熱溶融してそのままフィルム状となした未
延伸状フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向
の何れか一方に配向せしめた一軸延伸フィルム、縦方向
及び横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最
終的に縦方向及び横方向に再延伸せしめて配向結晶化を
完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を例示すること
ができる。
【0054】ポリエステルフィルムへの水性塗液の塗布
方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例え
ばロールコート法、グラビアコート法、マイクログラビ
アコート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、
スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法及び
カーテンコート法等を単独または組み合わせて適用する
と良い。なお、水性塗液を用いる場合には、塗液の安定
性を助ける目的で若干量の有機溶剤を含ませても良い。
【0055】塗布量は走行しているフィルム1mあた
り0.5〜50g、さらには5〜30gが好ましい。最
終乾燥塗膜(被膜)の厚さとしては、0.02〜1μm
が必要であり、好ましくは0.05〜0.8μmであ
る。塗膜の厚さが0.02μm未満であると、帯電防止
性が不十分となり、他方1μmを超えると、耐ブロッキ
ング性が低下するので好ましくない。塗布はフィルムの
用途に応じて片面のみに行うことも両面に行うこともで
きる。塗布後、乾燥することにより、均一な塗膜とな
る。
【0056】本発明においては、ポリエステルフィルム
に水性塗液を塗布した後、乾燥、好ましくは延伸処理を
行うが、この乾燥は90〜130℃で2〜20秒間行う
のが好ましい。この乾燥は延伸処理の予熱処理ないし延
伸時の加熱処理をかねることができる。ポリエステルフ
ィルムの延伸処理は、温度70〜140℃で縦方向に
2.5〜7倍、横方向に2.5〜7倍、面積倍率で8倍
以上、さらには9〜28倍延伸するのが好ましい。再延
伸する場合には、1.05〜3倍の倍率で延伸するのが
好ましい(但し、面積倍率は前記と同じ)。延伸後の熱
固定処理は最終延伸温度より高く融点以下の温度で1〜
30秒行うのが好ましい。例えばポリエチレンテレフタ
レートフィルムでは170〜240℃で2〜30秒熱固
定するのが好ましい。
【0057】(磁気記録層)本発明の磁気カード用積層
フィルムには、塗膜の少なくとも一部の上に磁気記録層
を設けることができる。この磁気記録層は、特に限定さ
れないが、代表例として以下の物を挙げることができ
る。すなわち磁性粉として、例えばγ−Fe、C
rOCo−γ−Fe、Fe、BaO・6
FeO、メタル磁性粉等を用い、またバインダーとし
て、例えば酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン,PVCな
どのビニル樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル/ブ
タジエン共重合体などのゴム系樹脂、ニトロセルロース
などのセルロース系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール
系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を用い、さらに必要に応
じ分散剤、滑剤、安定剤、カーボン等の帯電防止剤、可
塑剤等を混合した物を挙げることができる。
【0058】(印刷インキ層)本発明の磁気カード用積
層フィルムには、塗膜の少なくとも一部の上に印刷イン
キ層を設けることができる。この印刷インキ層は、特に
限定されないが、従来より知られている紫外線硬化型印
刷インキ、電子線硬化型インキ、感熱記録型インキ等を
用いることができる。
【0059】かくして得られたプリペードカード用積層
フィルムは、例えば表面酸性度が5.7〜13、特に
6.3〜9.5であり、かつ表面固有抵抗(温度23
℃、湿度60%)が3×1012[Ω/□]以下、特に
2×1010〜2×1011[Ω/□]であり、磁気記
録層との接着性、耐ブロッキング性、背面転写性、耐削
れ性、回収性に優れ、かつロイコ染料発色性に優れたも
のであり、プリペードカード用フィルムとして有用であ
る。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。また、本発明における評価は次に示す方法で行っ
た。尚、平均分子量は、数平均分子量を示す。
【0061】1.表面固有抵抗(帯電防止性) サンプルフィルムの表面固有抵抗を、タケダ理研社製・
固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度6
0%の条件で、印加電圧500Vで1分後の表面固有抵
抗値ρs(Ω/□)を測定し、得られた結果から帯電防
止性を次の基準で評価する。 ◎:ρs≦3×1011 (帯電防止性極めて良好) ○:3×1011<ρs≦3×1012 (帯電防止性良好) △:3×1012<ρs≦3×1013 (帯電防止性やや不良) ×:3×1013<ρs (帯電防止性不良)
【0062】2.表面酸性度 面積30cmのフィルムサンプルを1cm角(面積1
cm)にカットする。カットしたフィルムサンプルを
MEK(メチルエチルケトン)/イオン交換水(pH=
6.8)=1/1溶液500mlで30分超音波処理を
行う。フィルムサンプルを取り除き、溶液をイオン交換
水500mlで抽出し、分液ロートで水を分離する。分
離した水のpHを、pHメーター(東亜電波工業(株)
製、HM−30S)で測定する。
【0063】3.耐ブロッキング性 50mm幅に切断したサンプルフィルムの塗膜塗設面と
非塗設面とを重ねあわせ.50kg/cmの荷重下、
60℃×80%RHにて17時間処理した後、塗設面と
非塗設面との剥離力を測定し、耐ブロッキング性を下記
の通り評価する。 ランクA: 剥離力≦10g(耐ブロッキング性良好) ランクB: 10g<剥離力≦30g(耐ブロッキング性やや不良) ランクC: 30g<剥離力 (耐ブロッキング性不良)
【0064】4.背面転写性 サンプルフィルムの塗膜塗設面と非塗設面とを重ねて6
kg/cmの荷重を加え、50℃×70%RHの条件
で17時間処理した後、非塗設面の水接触角(θ:背面
転写性の代用特性)を測定し、下記の基準により評価す
る。 ランクA: θ≧55°(背面転写性良好) ランクB: 55°>θ≧48°(背面転写性やや良好) ランクC: 48°>θ (背面転写性不良) 水接触角は上記サンプルフィルムを、非塗設面を上にし
て接触角測定装置(エルマ社製)にセットし、温度23
℃の条件にて水滴を落下させてから1分後の接触角を読
み取ることにより測定する。尚、背面転写性が全く無い
フィルムの水接触角は60〜72°であり、背面転写性
良好なフィルムの水接触角は55°以上であり、背面転
写性が著しい(背面転写性不良)フィルムの水接触角は
48°未満である。
【0065】5.耐削れ性 20mm幅に切断したフィルムサンプルを用い、フィル
ムの塗膜面を直径10mmの円柱状ステンレス製固定バ
ーにあてて200gの荷重を加えた状態で80m走行さ
せた後、バーに付着した塗膜の白粉を観察し、耐削れ性
を下記の通り評価する。 ランクA:バーに白粉の付着が無い(耐削れ性良好) ランクB:バーに白粉がやや付着する(耐削れ性やや不
良) ランクC:バーに白粉が多量に付着する(耐削れ性不
良)
【0066】6.再生フィルムの着色度(回収性) 塗膜を設けないフィルムを粉砕し、押出機にて約300
℃で溶融しチップ化し、次いで得られたチップを用いて
溶融製膜し、ブランクフィルムを作成する。このフィル
ムの着色度をブランクとする。一方、塗膜を設けたサン
プルフィルムを粉砕し、押出機にて約300℃で溶融し
チップ化し、次いで得られたチップを用いて溶融製膜
し、再生フィルムを作成する。このフィルムの着色度を
下記の基準により評価する。 ランクA:着色度がブランクフィルム並み ランクB:フィルムがやや着色している ランクC:フィルムの着色度が大で実用性に欠ける
【0067】7.UVインキの接着性 サンプルの非塗膜面に厚さ250μmのポリエステルフ
ィルムを接着剤で貼り付ける。塗膜面の上に紫外線硬化
型印刷インキ(東洋インキ製フラッシュドライFDO紅
APN)をRIテスター(明製作所製)により印刷した
後、中圧水銀灯(80W/cm、一灯式;日本電池製)
UVキュア装置でキュアリングを行い、厚み3.0μm
のUVインキ層を形成する。このUVインキ層上にセロ
テープ(18mm幅;ニチバン製)を15cmの長さに
貼り、この上を2Kgの手動式荷重ロールで一定の荷重
を与え、フィルムを固定してセロハンテープの一端を9
0゜方向に剥離することにより剥離接着力を評価する。
接着性は次の基準で評価する。 ランクA:インキ層が全く剥離しない(インキ接着性良
好) ランクB:塗膜とインキ層間が部分的に凝集破壊状に剥
離する(インキ接着性やや良好) ランクC:塗膜とインキ層間が層状に剥離する(インキ
接着性不良)
【0068】8.磁気記録層(磁性塗料)接着力 フィルムの塗膜塗布面に下記に示す評価用塗料(磁性塗
料)をマイヤバーで乾燥後の厚さが、約4μmになるよ
うに塗布し、100℃で3分間乾燥して磁性塗料被膜を
塗設する。その後60℃で24時間エージィングし、次
いでスコッチテープNo.600(3M社製)巾12.
7mm,長さ15cmを気泡の入らないように粘着し、
この上をJISC2701(1975)記載の手動式荷
重ロールでならし密着させ、テープ巾に切り出す。この
サンプルの塗膜と磁性塗料被膜とを180°剥離した時
の強力を測定し、磁性塗料接着力とした。
【0069】評価用塗料:固形分換算で、 ウレタン樹脂 ニッポラン2304(日本ポリウレタン製) 25部 塩ビ・酢ビ樹脂 エスレックA(積水化学製) 50部 分散剤 レシオンP (理研ビタミン製) 1部 磁性剤 CTX−860 (戸田化学製) 500部 をメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン混
合溶剤に溶解して40%液とし、サンドグラインダーで
2時間分散する。その後架橋剤のコロネートL25部
(固形分換算)を添加し、よく撹拌して磁性塗料を得
る。
【0070】接着性は次の基準で評価する。 ランクA:磁気記録層が全く剥離しない(接着性良好) ランクB:塗膜と磁気記録層間が部分的に凝集破壊状に
剥離する(接着性やや良好) ランクC:塗膜と磁気記録層間が層状に剥離する(接着
性不良)
【0071】9.ロイコ染料発色性 サンプルフィルムの塗膜の上に、下記のロイコ染料系塗
料を塗布し、80℃で乾燥し、塗設された塗膜(ロイコ
発色性層)の発色の有無を評価する。 ○: 発色なし ×: 発色あり ロイコ染料系塗料の調製 下記式で示される化合物2.5重量部、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)酢酸メチルエステル5.0重量部、5
−ヒドロキシエチルセルロース水溶液25.0重量部、
ステアリン酸アマイド5.0重量部、ポリウレタン系バ
インダー42.0重量部及び水73.5重量部を均一混
合してロイコ染料系塗料の調製した。
【0072】
【化6】
【0073】[実施例1]固有粘度(オルソクロロフェ
ノール溶液にて35℃で測定:単位dl/g)0.65
のポリエチレンテレフタレート(PET)90重量%と
平均粒径0.3μmの酸化チタン10重量%からなる組
成物を押出機にて溶融し、冷却ドラム上にシート状に押
出しキャストして未延伸フィルムを得た。次いで、この
未延伸フィルムを縦方向に3.6倍延伸した。
【0074】この一軸延伸フィルムの片面にテレフタル
酸(22mol%)、イソフタル酸(1mol%)、
2,6−ナフタレンジカルボン酸(65mol%)、
4,4´−ジフェニルジカルボン酸(12mol%)、
エチレングリコール(75mol%)、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール(10mol%)、下記式(4)
で示されるビスフェノールAのプロピレンオキサイド付
加物(15mol%)からつくられた共重合ポリエステ
ル樹脂(Tg=80℃、平均分子量=21,500)
(A−1)60重量%、下記式(5)で示される繰返し
単位の高分子帯電防止剤(平均分子量=12,000)
(B−1)20重量%、ケン化度86〜89モル%のポ
リビニルアルコール(C−1)10重量%、およびポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル(D−1)10
重量%からなる固形分組成の10重量%水性液を4g/
(wet)の塗布量でマイクログラビアコート法に
てフィルムの片面に塗布した。乾燥後、横方向に3.6
倍延伸し、230℃で熱処理して厚さ100μm、塗膜
厚さ0.3μmの積層フィルム(制電性塗膜被覆二軸延
伸ポリエステルフィルム)を得た。この積層フィルムの
塗膜面の特性を表2に示す。また、この積層フィルムは
表面光沢度が良好な白色フィルムで、磁気記録層やイン
キ層との接着性が良好であり磁気カード用に有用なもの
であった。
【0075】
【化7】
【0076】
【化8】
【0077】[実施例2]共重合ポリエステル樹脂(A
−1)をメタクリル酸メチル(30mol%)、アクリ
ル酸エチル(55mol%)、アクリロニトリル(10
mol%)及びN−メチロールメタクリルアミド(5m
ol%)から作成されたアクリル共重合体(数平均分子
量:258000)(A−2)に変更する以外は、実施
例1と全く同様にして積層フィルムを得た。この積層フ
ィルムの塗膜面の特性を表2に示す。
【0078】[実施例3]固形分組成を共重合ポリエス
テル樹脂(A−1)30重量%、アクリル共重合体(A
−2)30重量%、前記式(5)で示される高分子帯電
防止剤(B−1)20重量%、ケン化度86〜89モル
%のポリビニルアルコール(C−1)10重量%、及び
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(D−1)
10重量%からなる組成に変更する以外は、実施例1と
全く同様にして積層フィルムを得た。この積層フィルム
の塗膜面の特性を表2に示す。
【0079】[実施例4]高分子帯電防止剤を下記式
(6)で示される繰返し単位の高分子帯電防止剤(平均
分子量=8,000)(B−2)に変更する以外は、実
施例3と全く同様にして積層フィルムを得た。この積層
フィルムの塗膜面の特性を表2に示す。
【0080】
【化9】
【0081】[実施例5]固形分組成を共重合ポリエス
テル樹脂(A−1)35重量%、アクリル共重合体(A
−2)35重量%、前記式(5)で示される高分子帯電
防止剤(B−1)10重量%、K価が26〜23、平均
分子量が40000のポリビニルピロリドン(C−2)
10重量%及びポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル(D−1)10重量%からなる組成に変更する以外
は、実施例1と全く同様にして積層フィルムを得た。こ
の積層フィルムの塗膜面の特性を表2に示す。
【0082】[実施例6〜10]固形分組成を表1に示
す組成に変更する以外は、実施例1と全く同様にして積
層フィルムを得た。この積層フィルムの塗膜面の特性を
表2にまとめて示す。
【0083】[実施例11]ベースフィルム用ポリエス
テルに、平均粒径が1.2μmの球状シリカ粒子を0.
4重量%、固有粘度0.63dl/gのポリエチレンテ
レフタレート(PET)99.6重量%のものを用い、
固形分組成をアクリル共重合体(A−2)45重量%、
前記式(6)で示される高分子帯電防止剤(B−2)2
0重量%、ケン化度86〜89モル%のポリビニルアル
コール(C−1)20重量%及びポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル(D−1)15重量%からなる組
成に変更する以外は、実施例1と全く同様にして積層フ
ィルムを得た。この積層フィルムの塗膜面の特性を表2
に示す。また、この積層フィルム(厚さ100μm、塗
膜厚さ0.3μm)はヘーズが1.2%の透明性が良好
なものであった。
【0084】[実施例12]ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)を固有粘度0.60(dl/g)のポリエ
チレンナフタレート(PEN)に変える以外は、実施例
1と同様にして積層フィルムを得た。このフィルムの塗
膜面の特性を表2に示す。
【0085】[比較例1]固形分組成を共重合ポリエス
テル樹脂(A−1)を45重量%、アクリル共重合体
(A−2)45重量%、K価が26〜23、平均分子量
が40000のポリビニルピロリドン(C−2)5重量
%およびポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(D−1)5重量%からなる組成に変更する以外は、実
施例1と全く同様にして積層フィルムフィルムを得た。
このフィルムの塗膜面の特性を表2に示す。
【0086】[比較例2]固形分組成をメタクリル酸メ
チル(30mol%)、アクリル酸エチル(55mol
%)、N−メチロールメタクリルアミド(5mol%)
及びメタクリル酸(10mol%)から作成されたアク
リル共重合体(数平均分子量:26400)(A−3)
35重量%、前記式(5)で示される高分子帯電防止剤
(B−1)40重量%、K価が26〜23、平均分子量
が40000のポリビニルピロリドン(C−2)15重
量%および及びポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル(D−1)10重量%からなる組成に変更する以外
は、実施例1と全く同様にして積層フィルムを得た。こ
のフィルムの塗膜面の特性を表2に示す。
【0087】[比較例3]帯電防止剤をポリスチレンス
ルホン酸ナトリウム(B−3)に変更する以外は、実施
例1と全く同様にして積層フィルムを得た。このフィル
ムの塗膜面の特性を表2に示す。
【0088】[比較例4]帯電防止剤をドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム(B−4)に変更する以外は、
実施例1と全く同様にして積層フィルムを得た。このフ
ィルムの塗膜面の特性を表2に示す。
【0089】[比較例5]実施例1において、組成物を
コーテイングをせずに得た二軸延伸ポリエステルフィル
ムの表面特性を表2に示す。
【0090】[比較例6〜9]固形分組成を表1に示す
組成に変更する以外は、実施例1と全く同様にして積層
フィルムを得た。このフィルムの塗膜面の特性を表2に
まとめて示す。
【0091】
【表1】
【0092】表1において、塗膜用組成物の種類のA−
1、A−2、A−3、B−1、B−2、B−3、B−
4、C−1、C−2およびD−1は下記の化合物である
ことを示す。
【0093】A−1:テレフタル酸(22mol%)、
イソフタル酸(1mol%)、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸(65mol%)、4,4´−ジフェニルジカ
ルボン酸(12mol%)、エチレングリコール(75
mol%)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(1
0mol%)、前記式(4)で示されるビスフェノール
Aのプロピレンオキサイド付加物(15mol%)から
つくられた共重合ポリエステル樹脂(Tg=80℃、平
均分子量=21,500) A−2:アクリル酸エチル(55mol%)、アクリロ
ニトリル(10mol%)及びN−メチロールメタクリ
ルアミド(5mol%)から作成されたアクリル共重合
体(数平均分子量:258000) A−3:メタクリル酸メチル(30mol%)、アクリ
ル酸エチル(55mol%)、N−メチロールメタクリ
ルアミド(5mol%)及びメタクリル酸(10mol
%)から作成されたアクリル共重合体(数平均分子量:
26400) B−1:前記式(5)で示される高分子帯電防止剤(平
均分子量=12,000) B−2:前記式(6)で示される高分子帯電防止剤(平
均分子量=8,000) B−3:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム B−4:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム C−1:ケン化度86〜89モル%のポリビニルアルコ
ール C−2:K価が26〜23、平均分子量が40000の
ポリビニルピロリドン( D−1ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
【0094】
【表2】
【0095】
【発明の効果】本発明における磁気カード用積層フィル
ムは、従来のものに比べて、ロイコ染料等の発色がな
く、低湿度下における帯電防止性に優れ、しかも耐ブロ
ッキング性、背面転写性、耐削れ性、回収性に優れたも
のであり、磁気カード、例えばテレホンカード、オレン
ジカード、パチンコカード、磁気乗車券等のフィルムと
して有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA21H AK01B AK02B AK02K AK21B AK25B AK25H AK25J AK41B AK41J AK42A AK54 AL01B AL05B AL06B AL06H BA02 BA03 BA04 BA05 BA10B BA10C CA13A CA18B CA22B CB02C EH46B GB71 HB00A HB31C JB09B JB20B JG03 JG04B JG06C JK06 JK16 JL00 JL10A JL16 JN28 YY00A YY00B YY00H 4J038 CE022 CG141 CG172 CK032 DD001 EA011 EA012 KA09 MA08 NA20 PA07 PB03 PC08 5D006 AA05 AA06 BA01 CA01 CA04 CA05 CB01 CB06 DA01 FA00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に塗膜を積層せしめたフィルムであって、該塗膜が
    (A)バインダー樹脂40〜85重量%、(B)下記式
    (1)で示される構造の繰り返し単位を主成分とする帯
    電防止剤5〜50重量%、(C)水溶性高分子5〜20
    重量%及び(D)界面活性剤5〜15重量%からなる組
    成物を含む水性塗液を塗布し、乾燥、延伸して得られる
    制電性塗膜であることを特徴とする磁気カード用積層フ
    ィルム。 【化1】 (ただし、式中のR、RはそれぞれH又はCH
    は炭素数が4〜10のアルキレン基、R、R
    それぞれ炭素数が1〜5の飽和炭化水素基、Rは炭素
    数が2〜5のアルキレン基、mは1〜20の数、nは1
    〜40の数、Yはハロゲンイオン、モノもしくはポリ
    ハロゲン化アルキルイオン、ナイトレートイオン、サル
    フェートイオン、アルキルサルフェートイオン、スルホ
    ネートイオン又はアルキルスルホネートイオンであ
    る。)
  2. 【請求項2】 制電性塗膜面の表面酸性度が5.7〜1
    3、かつ23℃相対湿度60%における表面固有抵抗が
    3×1012Ω/□以下である請求項1記載の磁気カー
    ド用積層フィルム。
  3. 【請求項3】 (A)水性バインダーが、共重合ポリエ
    ステル樹脂、アクリル共重合体、アクリル変性ポリエス
    テルからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求
    項1記載の磁気カード用積層フィルム。
  4. 【請求項4】 (C)水溶性高分子がポリビニルアルコ
    ール、ポリビニルピロリドンからなる群より選ばれる少
    なくとも一種である請求項1記載の磁気カード用積層フ
    ィルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルフィルムが、ポリエチレン
    テレフタレートフィルムまたはポリエチレン−2,6−
    ナフタレートフィルムである請求項1記載の磁気カード
    用積層フィルム。
  6. 【請求項6】 ポリエステルフィルムが白色顔料を5〜
    20重量%含有する厚さ20〜500μmの白色ポリエ
    ステルフィルムである請求項1記載の磁気カード用積層
    フィルム。
  7. 【請求項7】 制電性塗膜の少なくとも一部の上に磁気
    記録層、印刷インキ層および感熱インキ層からなる群か
    ら選ばれる少なくとも一つの層を設けて用いる請求項1
    記載の磁気カード用積層フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004181708A (ja) * 2002-12-02 2004-07-02 Mitsubishi Polyester Film Copp 積層ポリエステルフィルム
JP2007307789A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Teijin Dupont Films Japan Ltd 白色フィルム
JPWO2021090690A1 (ja) * 2019-11-06 2021-11-25 Dic株式会社 積層フィルム及び積層フィルムの分離回収方法

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