JP2886024B2 - コーティング剤及び該剤を塗布した易接着性ポリエステルフイルム - Google Patents

コーティング剤及び該剤を塗布した易接着性ポリエステルフイルム

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JP2886024B2 JP5083211A JP8321193A JP2886024B2 JP 2886024 B2 JP2886024 B2 JP 2886024B2 JP 5083211 A JP5083211 A JP 5083211A JP 8321193 A JP8321193 A JP 8321193A JP 2886024 B2 JP2886024 B2 JP 2886024B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、共重合ポリエステルと
アクリル樹脂との両樹脂から形成される水分散液のコー
ティング剤と該コーティング剤をポリエステルフイルム
の少なくとも片面に塗布し、乾燥させてコーティング剤
の塗膜を備えたポリエステルフイルムに関わる。本発明
のコーティング剤はポリエステルフイルムの接着性が改
善されたものである。また、本発明では更に耐水性、耐
ブロッキング性に優れ、しかも易滑性に富んだポリエス
テルフイルムが得られ、包装材料、磁気カード、磁気テ
ープ、磁気ディスク、印刷材料等に有用なものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチ
レンテレフタレート、ポリ(1,4―シクロヘキシレン
ジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレン
ジカルボキシレート又はこれらの共重合体、あるいはこ
れらと小割合の他の樹脂とのブレンド物等を溶融押出
し、二軸延伸した後、熱固定を施したポリエステルフイ
ルムは、機械的強度、耐熱性、耐薬品性等に優れ、産業
上種々の分野で利用されている。しかし、その表面は高
度に結晶配向されているので、塗料、接着剤、インキ等
の受容性に乏しいという問題がある。
【0003】ポリエステルフイルム表面の受容性を高め
る方法として、予めフイルム表面上に合成樹脂によるプ
ライマー層(下塗り層)を設け、ベースフイルムとは異
質の表面層を薄く形成する方法がある。プライマー層の
形成は、合成樹脂の有機溶剤溶液又は水性液を用い、こ
れをフイルム表面に塗設することによって実施される。
【0004】このプライマー層形成のための樹脂水性液
として、例えば、特開昭60―248232号公報では
スルホン酸誘導体の置換基を有するポリエステル系ポリ
マーの水性液が、特公昭55―3150号公報ではアク
リル系ポリマーの水性液が用いられている。
【0005】しかし、ポリエステル系ポリマーのプライ
マーは優れた接着性を有するが、フイルムの滑り性が悪
く、ロールに巻き込んだ時にシワが発生する欠点を有す
る。一方アクリル系ポリマーのプライマーは滑り性は良
好であるが接着性に難点を有する。
【0006】そこで、この両者の欠点を解消する方法と
して特開昭60―63161号公報に共重合ポリエステ
ルとアクリルエマルジョンとのブレンドが提案されてい
る。もっとも、エマルジョンの粒子性の影響で両ポリマ
ーの分子状の混合が起り難く、結果的に海島構造となり
両ポリマーの欠点を相互に補完し得ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐水
性、耐ブロッキング性に優れ、更に易滑性に富んだ易接
着性塗膜を形成し得るコポリエステルとアクリル樹脂と
の水分散液及びこれを塗布した易接着性ポリエステルフ
イルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次の構成をとる。
【0009】1.水不溶性樹脂分散体の独立した個々の
粒子がコポリエステル樹脂とアクリル樹脂のブレンド体
を構成することを特徴とする(コポリエステル/アクリ
ル樹脂)水分散液。
【0010】2.コポリエステル/アクリル樹脂水分散
液をポリエステルフイルムの少なくとも片面に塗布し、
乾燥させて得られた易接着性ポリエステルフイルム。
【0011】3.請求項1記載のコポリエステル/アク
リル樹脂水分散液を配向結晶化が完了する前のポリエス
テルフイルムの少なくとも片面に塗布し、次いで乾燥
し、延伸し、さらに熱処理を施して配向結晶化を完了せ
しめた易接着性ポリエステルフイルムの製造法である。
【0012】本発明を説明する。
【0013】このコポリマーの水不溶のポリエステル成
分とは多塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とポリオ
ール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される実
質的に線状のポリエステルである。
【0014】このポリエステルの多塩基酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタ
ル酸、p,p′―ジフェニルジカルボン酸、2,6―ナ
フタレンジカルボン酸、1,4―シクロヘキサンジカル
ボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、フェニルキノ
キサリンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸等を例示する
ことができる。これら成分は2種以上を用いることがで
きる。更に、これら成分と共にマレイン酸、フマール
酸、イタコン酸等の如き不飽和多塩基酸やp―ヒドロキ
シ安息香酸、p―(β―ヒドロキシエトキシ)安息香酸
等の如きヒドロキシカルボン酸を小割合用いることがで
きる。不飽和多塩基酸成分やヒドロキシカルボン酸成分
の割合は高々10モル%、好ましくは5モル%以下であ
る。
【0015】また、ポリオール成分としてはエチレング
リコール、1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,6―ヘキサンジオール、1,4―シクロヘキサ
ンジメタノール、キシリレングリコール、ジメチロール
プロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメ
チレンオキシド)グリコール及び下記のビスフェノール
A誘導体等を例示することができる。これらは2種以上
を用いることができる。
【0016】
【化1】
【0017】上記ポリエステルは、例えば分子内に有機
スルホン酸塩、カルボン酸塩、ジエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル等の如き親水性基含有化合物を共重合したものが水分
散液を作るのに有利となり好ましい。このカルボン酸塩
の導入は、通常3官能以上のカルボン酸を用いるが、こ
のカルボン酸は重合の工程で分岐が起り、ゲル化しやす
いのでその共重合割合を小さくすることが望ましい。こ
の点でスルホン酸塩、ジエチレングリコール、ポリアル
キレンエーテルグリコール等による親水基の導入はカル
ボン酸塩のときの問題が生ぜずより有利である。
【0018】スルホン酸塩の基をポリエステル分子内に
導入するためには、例えば5―Naスルホイソフタル
酸、5―アンモニウムスルホイソフタル酸、4―Naス
ルホイソフタル酸、4―メチルアンモニウムスルホイソ
フタル酸、2―Naスルホテレフタル酸、5―Kスルホ
イソフタル酸、4―Kスルホイソフタル酸、2―Kスル
ホイソフタル酸、Naスルホコハク酸等のスルホン酸ア
ルカリ金属塩系又はスルホン酸アミン塩系化合物等を用
いることが好ましい。スルホン酸塩の基を有する多価カ
ルボン酸又は多価アルコールは全多価カルボン酸成分又
は多価アルコール成分中0.5〜20モル%、更には1
〜18モル%を占めることが好ましい。
【0019】また、カルボン酸塩基をポリエステル分子
内に導入するためには、例えば無水トリメリット酸、ト
リメリット酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット酸、
トリメシン酸、シクロブタンテトラカルボン酸、ジメチ
ロールプロピオン酸等の化合物を用いることができる。
また、カルボン酸塩はカルボン酸をアミノ化合物、アン
モニア、アルカリ金属等で中和することによって得るこ
とができる。
【0020】親水基含有化合物をポリエステル分子内に
導入する場合には公知の種々な方法を採用することがで
きる。カルボン酸塩や有機スルホン酸塩の基を導入する
場合について更に説明すると、例えば 分子内にカルボン酸塩又は有機スルホン酸塩の基を
有する化合物を出発原料の1成分としてポリエステルを
合成する方法、 分子内にカルボン酸の基を3個以上有する化合物を
出発原料の1成分としてポリエステルを合成した後に該
ポリエステル中の遊離のカルボキシル基をアンモニア、
アミン、アルカリ金属化合物等で媒体中に中和させる方
法等の方法がある。の方法を更に説明すると、例えば
無水トリメリット酸をポリエステル原料の1成分として
用いて側鎖に遊離のカルボキシル基を有するポリマーを
造り、反応終了後にアンモニア水を添加して中和し、水
性ポリエステルを造ることができる。ポリエステルは溶
融重合法で製造することが好ましい。
【0021】本発明における水不溶性ポリエステルは、
従来からのポリエステルの製造技術によって製造するこ
とができる。例えば2,6―ナフタレンジカルボン酸又
はそのエステル形成性誘導体、イソフタル酸又はそのエ
ステル形成性誘導体、及び5―ナトリウムスルホイソフ
タル酸又はそのエステル形成性誘導体を、エチレングリ
コール及びビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物と反応せしめて、モノマーもしくはオリゴマーを形成
し、その後真空下で重縮合せしめることによって所定の
固有粘度のポリエステルとする方法で製造することがで
きる。その際、反応を促進する触媒、例えばエステル化
又はエステル交換触媒、重縮合触媒を用いることがで
き、また種々の添加剤、例えば安定剤等を添加すること
もできる。
【0022】本発明における水不溶性コポリマーを構成
するポリエステル成分の固有粘度は0.2〜0.8が好
ましい。ここで、固有粘度とはo―クロロフェノールを
用いて35℃で測定した値である。
【0023】水不溶性アクリル樹脂を構成するアクリル
系モノマーとしては、例えばアルキルアクリレート(ア
ルキル基としてはメチル、エチル、n―プロピル、n―
ブチル、イソブチル、t―ブチル、2―エチルヘキシ
ル、シクロヘキシル等)、アルキルメタクリレート(ア
ルキル基は前記と同じ);2―ヒドロキシエチルアクリ
レート、2―ヒドロキシエチルメタクリレート、2―ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2―ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N―メチルメタクリルア
ミド、N―メチルアクリルアミド、N―メチロールアク
リルアミド、N―メチロールメタクリルアミド、N,N
―ジメチロールアクリルアミド、N―メトキシメチルア
クリルアミド、N―メトキシメチルメタクリルアミド、
N―フェニルアクリルアミド等のアミド基含有モノマ
ー;N,N―ジエチルアミノエチルアクリレート、N,
N―ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基
含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート等のエポキシ基含有モノマー;アクリル
酸、メタクリル酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、カリ
ウム塩、アンモニウム塩)等のカルボキシル基又はその
塩を含有するモノマー等が挙げられる。これらは他種モ
ノマーと併用することができる。他種モノマーとしては
例えばアリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モ
ノマー;スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸及びそ
れらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩
等)等のスルホン酸基又はその塩を含有するモノマー;
クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸及び
それらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム
塩等)等のカルボキシル基又はその塩を含有するモノマ
ー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基を
含有するモノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソ
シアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニル
エチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、アル
キルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノ
エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
ルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニルデン、酢酸
ビニル、塩化ビニル等が挙げられる。上述のモノマーの
1種もしくは2種以上を用いて水不溶性アクリル樹脂を
重合する。この重合体中のアクリル系モノマーの割合は
50wt%以上が好ましく、さらに好ましくは70wt
%以上である。
【0024】水不溶性コポリエステルと水不溶性アクリ
ル樹脂との水分散体の個々の粒子中の共重合ポリエステ
ルとアクリル樹脂との割合は、重量比で1:9〜9:
1、好ましくは3:7〜7:3、さらに好ましくは4:
6〜7:3である。なお、ここでいう水不溶性とは、9
5℃の熱水への樹脂の溶解率が10wt%以下の状態を
いう。
【0025】本発明の水不溶性コポリエステルと水不溶
性アクリル樹脂とのブレンド水分散体の製造方法として
は、例えば両水不溶性樹脂を低沸点水溶性溶剤に完全溶
解し、この溶液を水中に滴下して分散液を得る。この時
少量の乳化剤を用いると粒径の小さい安定した分散液が
できる。この分散液を必要に応じて脱溶媒を施す。脱溶
媒法としては常圧下で蒸留するよりも減圧下で蒸留する
方が、蒸留時のスカム発生が少なく、また粒径の増加が
起りにくいので好ましい。
【0026】別の脱溶媒方法として、水不溶性の溶剤を
上記水分散体に混合攪拌し、水中の溶剤を抽出静置し、
2層に分離した後水分散液を取出す方法がある。この工
程は複雑な上に溶剤を大量に使用するのでコスト的に不
利になる。脱溶媒法としては真空蒸留が最もよい方法で
ある。
【0027】この水不溶性(コポリエステル/アクリル
樹脂)ブレンドからなる水分散体はポリエステルフイル
ムに塗布される。
【0028】ここにポリエステルとは芳香族二塩基酸又
はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステ
ル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステル
である。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リ(1,4―シクロヘキシレンジメチレンテレフタレー
ト)、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシ
レート等が例示でき、これらの共重合体又はこれらと小
割合の他樹脂とのブレンド物なども含まれる。
【0029】本発明における線状飽和ポリエステルは、
フイルム特性を向上する剤例えば滑剤、帯電防止剤、着
色剤、難燃剤、遮光剤、安定剤、紫外線吸収剤等を含有
することができる。この滑剤としては内部析出粒子、外
部添加粒子のいずれでもよく、また2種以上のものを組
合せたものでもよい。外部添加粒子としては例えばシリ
カ、カオリン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸
化チタン等を挙げることができ、内部析出粒子としては
例えばアルカリ(土類)金属化合物、リン化合物等の組
合せでポリエステル製造中に析出させたものを挙げるこ
とができる。
【0030】本発明におけるポリエステルはそれ自体公
知であり、かつ公知の方法で製造することができる。ポ
リエステルの固有粘度(o―クロロフェノール、35
℃)は0.45〜0.9が好ましい。
【0031】本発明においては、ポリエステルを常法に
より溶融押出し急冷固化して、非晶質の未延伸フイルム
を得ることができる。そして、この未延伸フイルムは、
先ず縦方向に延伸し、次いで横方向に延伸する。これら
の延伸はフイルムを走行させて行う。縦方向及び横方向
の延伸手段は公知の手段を用いることができる。例え
ば、縦方向の延伸(縦延伸)は未延伸フイルムを加熱ロ
ール群で加熱し、低速ロールと高速ロールの周速差を利
用して行う。その際、低速ロールと高速ロールの間に赤
外線ヒーターを設けてフイルムを延伸温度に加熱するこ
とが好ましく、また低速ロールでフイルムを延伸温度に
加熱してもよい。この縦方向の延伸は通常2.5〜4.
5倍の倍率で行う。また、横方向の延伸(横延伸)はテ
ンター式延伸熱処理装置を用いて行う。この横方向の延
伸は、通常2.5〜4.5倍の倍率で行う。次いで15
0〜240℃の温度で熱固定処理し、配向結晶化を完了
する。
【0032】ポリエステルフイルムの延伸処理は、上記
逐次二軸延伸法以外にも同時二軸延伸法や多段延伸法
(縦―横―縦、縦―横―縦―横、縦―縦―横、縦―横―
横等)を用いることもできる。
【0033】本発明の水不溶性(コポリエステル/アク
リル樹脂)ブレンド水分散体からなるプライマー層は、
ポリエステルフイルムの製造過程で塗布液を塗布するこ
とで形成するのが好ましい。例えば、配向結晶化の過程
が完了する前のポリエステルフイルムの表面にこの変性
コポリエステルの水性塗布液を塗布するのが好ましい。
【0034】ここで、結晶配向が完了する前のポリエス
テルフイルムとは、該ポリマーを熱溶融してそのままフ
イルム状となした未延伸フイルム:未延伸フイルムを縦
方向又は横方向の何れか一方に配向せしめた一軸延伸フ
イルム:更には縦方向及び横方向の二方向に低倍率延伸
配向せしめたもの(最終的に縦方向又は横方向に再延伸
せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フイル
ム)等を含むものである。
【0035】本発明のフイルムは、好ましくは、結晶配
向が完了する前の未延伸あるいは少なくとも一軸方向に
延伸された状態のフイルムに上記組成物の塗布液を適用
し、そのまま縦延伸及び/又は横延伸と熱固定とを施す
所謂インラインコーティング方式で製造する。その際、
配向結晶化の過程が完了する前のポリエステルフイルム
の表面に塗膜を円滑に塗設できるようにするために、予
備処理としてフイルム表面にコロナ放電処理を施すか、
又は被覆組成物とともにこれと化学的に不活性な界面活
性剤を併用することが好ましい。かかる界面活性剤は組
成物水性液の表面張力を50dyne/cm以下に降下
できるようなポリエステルフイルムへの濡れを促進する
ものであり、例えばアニオン型界面活性剤、カチオン型
界面活性剤、ノニオン型界面活性剤等の界面活性剤が好
ましく、例えばポリエチレンオキサイド・ポリプロピレ
ンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン―脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪
酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルカンスルホン酸塩、
アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アル
キルスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスル
ホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級アンモニ
ウムクロライド塩、アルキルアミン塩酸等を挙げること
ができる。これらの中で、アニオン型又はノニオン型界
面活性剤が液安定性の面でより好ましい。濡れ剤の量と
しては、プライマー全固形分の2〜30重量%が好まし
く、より好ましくは3〜20重量%である。
【0036】更に本発明の効果を消失させない範囲にお
いて、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、有機フ
ィラー、無機フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤、
メラミン、エポキシ、アジリジン等の架橋剤等の他の添
加剤を混合することができる。
【0037】水性プライマー塗液の固形分濃度は、通常
30重量%以下であり、10重量%以下が更に好まし
い。塗布量は走行しているフイルム1m2 当り0.5〜
20g、更には1〜10gが好ましい。
【0038】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレー
コート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコ
ート法などを単独又は組合せて適用するとよい。この水
性プライマー塗液には、塗液の安定性又は塗液の塗工性
を助ける目的で若干量の有機溶媒を含んでもよい。
【0039】このプライマー液は、縦一軸延伸が施され
た直後のポリエステルフイルムに塗布され、次いで、該
フイルムは予備加熱後横延伸及び熱固定のためのテンタ
ーに導かれる。
【0040】その際、塗布された水性液は予備加熱ゾー
ンにおいて、若干量水が残留する程度に乾燥される。次
いで、プライマー層塗設の一軸フイルムは加熱横延伸さ
れた後高温処理によって熱固定される。
【0041】ポリエステルフイルムの配向結晶化条件、
例えば延伸、熱固定等の条件は、従来から当業界に蓄積
された条件で行うことができる。例えば、80〜140
℃の温度で延伸し、180〜240℃で1〜10秒間で
熱固定を行う。
【0042】このようにして得られるプライマー層を有
するポリエステルフイルムは種々の被覆物例えばセロフ
ァン用インキ、磁気塗料、電子写真用トナー組成物、ケ
ミカルマット塗料、ジアゾ塗料、UVインキ等の極めて
広汎な塗料に対して高い接着性を示し、特に磁気塗料に
強い接着性を示し、かつ粘着性のない良好な耐ブロッキ
ング性を示す。
【0043】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。
【0044】なお、例中の「部」は「重量部」を意味す
る。またフイルムの各特性は次の方法で測定する。
【0045】1.接着性 プライマー被覆ポリエステルフイルムに評価塗料をマイ
ヤーバーで乾燥後の厚さが約4μmになるように塗布
し、100℃で3分間乾燥する。その後60℃で24時
間エージングし、次いでスコッチテープNo.600
(3M社製)巾12.7mm、長さ15cmを気泡の入
らないように粘着し、この上をJIS C2701(1
975)記載の手動式荷重ロールでならし、密着させ、
テープ巾に切り出す。これを180度剥離した時の強力
を測定する。
【0046】[評価用塗料]固形分換算で、 ウレタン樹脂 ニッポラン2304 25部 (日本ポリウレタン製) 塩ビ・酢ビ樹脂 エスレックA 50部 (積水化学製) 分散剤 レシオンP(理研ビタミン製) 1部 磁性剤 CTX―860(戸田化学製) 500部 をメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン混
合溶媒に溶解し、40%液にし、サンドグラインダーで
2時間分散する。その後架橋剤のコロネートL25部
(固形分換算)を添加し、よく攪拌して磁性塗料を得
る。
【0047】2.ブロッキング性 ポリエステルフイルムの表面と裏面を合わせてから10
cm×15cm角に切り、これに50℃で50%RHの
雰囲気中で17時間、50kg/cm2 の荷重をかけ、
次いでこの10cm巾の剥離強度を測定する。このとき
の剥離スピードは100mm/分である。
【0048】
【実施例1〜5及び比較例1〜2】35℃のo―クロロ
フェノール中で測定した固有粘度0.65のポリエチレ
ンテレフタレートを溶融押出して厚み158μmの未延
伸フイルムを得、次いでこれを機械軸方向に3.5倍延
伸したのち表1に示す組成の水性プライマー塗布液(固
形分4wt%)を一軸延伸フイルムの片面に塗布した。
その後、105℃で3.9倍に横方向に延伸し、200
℃で4.2秒間熱処理を施し、平均塗布量20mg/m
2 で厚さ12.2μmの二軸延伸プライマー被覆ポリエ
ステルフイルムを得た。このフイルムの処理面の接着
性、耐ブロッキング性を測定した。その結果を表2に示
す。
【0049】
【表1】
【0050】この実施例及び比較例の水性プライマー液
用の水分散は、以下の方法で製造した。
【0051】表1の水不溶性ポリエステル及び/又はア
クリル樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、
樹脂分5wt%の液を得た。このTHF溶液100部を
水45部及びイソプロパノール50部の液に滴下し、次
いで4℃で真空蒸留し脱溶媒し、固形分9wt%の水分
散液を得た。
【0052】
【比較例3】プライマー液を塗布しなかった以外は、実
施例1と全く同様の方法でプレーン二軸延伸ポリエステ
ルフイルムを得た。このフイルムの特性を表2に示す。
【0053】ただし、表1中の符号は次の通りである。 TA;テレフタル酸 IA;イソフタル酸 QA;2,6―ナフタレンジカルボン酸 K2 ;5―ナトリウムスルホイソフタル酸 EG;エチレングリコール BPA―4;ビスフェノール―Aのエチレンオキサイド
付加体(4モル) DEG;ジエチレングリコール MMA;メチルメタアクリレート EA;エチルアクリレート HEMA;2―ヒドロキシエチルメタアクリレート N―MAA;N―メチロールアクリルアミド GMA;グリシジルメタアクリレート
【0054】
【表2】
【0055】表2の滑り性は下記の方法で測定したも
の。
【0056】ASTM D1894―63に準じ、東洋
テスター社製のスリッバリー測定器を使用し、プライマ
ー塗設面とポリエステルフイルム(非塗設面)との静摩
擦係数(μs)を測定。なお、スレッド板はガラス板と
し、荷重は1kgである。
【0057】表2から明らかの如く、実施例の易接着性
ポリエステルフイルムは、接着性、ブロッキング性、易
滑性に優れたものである。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステルフイルム
に塗布される種々の被覆物、例えばオフセットインキ、
グラビヤインキ、シルクスクリーンインキ、UVイン
キ、磁気塗料、粘着剤、電子写真トナー、ケミカルマッ
ト塗料、ジアゾ塗料、ハードコート塗料、UV塗料、ヒ
ートシール性付与組成物、無機質皮膜形成性物質等、特
に磁気塗料に対し優れた接着性を有し、かつ粘着性のな
い、更に滑り性のよいプライマー層を有する易接着性ポ
リエステルフイルム及びその製造方法を提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 167/00 C09D 167/00 //(C09D 133/00 167:00) B29K 67:00 B29L 9:00 (56)参考文献 特開 昭58−124651(JP,A) 特開 平6−157790(JP,A) 特開 平3−17135(JP,A) 特開 平6−293068(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 133/00 - 133/26 C09D 167/00 - 167/08 C08J 7/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶性コポリエステル樹脂と水不溶性
    アクリル樹脂のブレンド体からなる個々の粒子が水に均
    一に分散してなるコーティング剤。
  2. 【請求項2】 水不溶性コポリエステル樹脂と水不溶性
    アクリル樹脂のブレンド体からなる個々の粒子が水に均
    一に分散してなるコーティング剤を、ポリエステルフイ
    ルムの少なくとも一方の表面に塗布し、乾燥して得られ
    る易接着性ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】 配向結晶化が完了する前のポリエステル
    フイルムの少なくとも片面に、水不溶性コポリエステル
    樹脂と水不溶性アクリル樹脂を低沸点系水溶性溶剤に溶
    解し、水中に滴下し、脱溶媒したコーティング剤であっ
    て、水不溶性コポリエステル樹脂と水不溶性アクリル樹
    脂のブレンド体からなる個々の粒子が水に均一に分散し
    てなるコーティング剤を、塗布し、乾燥し、次いで該フ
    イルムを延伸し、更に熱処理を施して、配向結晶化を完
    了せしめる易接着性ポリエステルフイルムの製造方法。
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