JPH06346019A - 易接着性ポリエステルフイルム及びその製造方法 - Google Patents

易接着性ポリエステルフイルム及びその製造方法

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JPH06346019A
JPH06346019A JP13745093A JP13745093A JPH06346019A JP H06346019 A JPH06346019 A JP H06346019A JP 13745093 A JP13745093 A JP 13745093A JP 13745093 A JP13745093 A JP 13745093A JP H06346019 A JPH06346019 A JP H06346019A
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JP
Japan
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polyester film
film
acrylic
polyurethane
acid
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JP13745093A
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English (en)
Inventor
Teruo Takahashi
輝夫 高橋
Hiroshi Kobayashi
洋 小林
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着性、ブロッキング性及び滑り性に優れた
易接着性ポリエステルフイルム及びその製造方法、さら
にこれら特性を有する易接着性プライマーを提供する。 【構成】 水性ポリウレタンの存在下でアクリル系モノ
マーを重合させて得られたアクリル変性ポリウレタンか
らなるコーティング剤。該アクリル変性ポリウレタンを
含む易接着性プライマー層を、ポリエステルフイルムの
少なくとも片方の面に設けてなることを特徴とする易接
着性ポリエステルフイルム。さらに配向結晶化が完了す
る前のポリエステルフイルムの少なくとも片方の面に前
記アクリル変性ポリウレタンを含む易接着性プイラマー
液を塗布し、次いで該フイルムを延伸し、更に熱処理を
施して配向結晶化を完了させることを特徴とする易接着
ポリエステルフイルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は易接着性ポリエステルフ
イルム及びその製造方法に関し、さらに詳しくは水性ポ
リウレタンの存在下でアクリル系モノマーを重合させて
得られたアクリル変性ポリウレタンを含む易接着性プラ
イマー層を少なくとも片方の面に設けてなり、耐水性、
耐ブロッキング性に優れ、さらに易滑性に富んだ易接着
性ポリエステルフイルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル、例えばポリエチ
レンテレフタレート、ポリ(1,4―シクロヘキシレン
ジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレン
ジカルボキシレート又はこれらの共重合体、あるいはこ
れらと小割合の他の樹脂とのブレンド物等を溶融押出
し、二軸延伸した後、熱固定を施したポリエステルフイ
ルムは、機械的強度、耐熱性、耐薬品性等に優れ、産業
上種々の分野で利用されている。しかし、その表面は高
度に結晶配向されているので、塗料、接着剤、インキ等
の受容性に乏しいという問題がある。
【0003】ポリエステルフイルム表面の受容性を高め
る方法として、予めフイルム表面上に合成樹脂によるプ
ライマー層(下塗り層)を設け、ベースフイルムとは異
質の表面層を薄く形成する方法がある。プライマー層の
形成は、合成樹脂の有機溶剤溶液又は水性液を用い、こ
れをフイルム表面に塗設することによって実施される。
【0004】このプライマー層として水性ポリウレタン
系プイラマー層が知られている(特公昭57―2623
2号公報)。しかし、この水性ポリウレタン系プライマ
ー層は接着性に富んでいるが、耐熱性が不足し、耐ブロ
ッキング性が不満足である。そこで、この解決法とし
て、特公平1―19343号公報に、水性ウレタンをエ
ポキシ樹脂で架橋することで耐熱性を向上させる方法が
提案されているが、なおウレタン樹脂の柔軟性に由来し
てフイルムの滑り性が悪く、薄物フイルムのロール巻き
込み時にシワが発生するという欠点がある。
【0005】また、特公昭55―3150号公報には、
滑り性の良好なアクリル樹脂系プライマーが提案されて
いるが、このプイラマーは、ポリウレタン系プライマー
に較べて、接着性が低いという難点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、接着
性、耐水性、耐ブロッキング性に優れ、更に易滑性に富
んだ易接着性ポリエステルフイルム及びその製造方法を
提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、接着性、耐水性、耐
ブロッキング性に優れ、更に易滑性に富んだ易接着性塗
膜(プライマー層)を形成し得るコーティング剤を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次の構成をとる。 1. 水性ポリウレタンの存在下でアクリル系モノマー
を重合させて得られたアクリル変性ポリウレタンからな
るコーティング剤。
【0009】2. 上記1記載のアクリル変性ポリウレ
タンを含む易接着性プライマー層を、ポリエステルフイ
ルムの少なくとも片方の面に設けてなることを特徴とす
る易接着性ポリエステルフイルム。
【0010】3. 配向結晶化が完了する前のポリエス
テルフイルムの少なくとも片方の面に上記1記載のアク
リル変性ポリウレタンを含む易接着性プイラマー液を塗
布し、次いで該フイルムを延伸し、更に熱処理を施して
配向結晶化を完了させることを特徴とする易接着ポリエ
ステルフイルムの製造方法。
【0011】本発明におけるアクリル変性ポリウレタン
は、水性ポリウレタンの存在下でアクリル系モノマーを
重合させたものであるが、この水性ポリウレタンは通常
のポリウレタン樹脂に水への親和性を高める基、例えば
カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、硫酸半エステル塩基
等の如きアニオン性官能基、第4級アンモニウム塩基の
如きカチオン性官能基を導入したものである。これらの
官能基の中では、水中での分散性、合成時の反応制御の
容易さからアニオン性官能基が好ましく、更にカルボン
酸塩基、スルホン酸塩基が好ましい。
【0012】このカルボン酸塩基の導入は、例えばポリ
ウレタン合成時、原料ポリヒドロキシ化合物の1つとし
てカルボン酸基含有ポリヒドロキシ化合物を用いるか、
未反応イソシアネート基を有するポリウレタンの該イソ
シアネート基に水酸基含有カルボン酸やアミノ基含有カ
ルボン酸を反応させ、次いで反応生成物を高速撹拌下で
アルカリ水溶液中に添加し、中和する等によって行なう
ことができる。
【0013】また、スルホン酸塩塩基または硫酸半エス
テル塩基の導入は、通常ポリヒドロキシ化合物、ポリイ
ソシアネート及び鎖延長剤からプレポリマーを生成さ
せ、これに末端イソシアネート基と反応しうるアミノ基
または水酸基とスルホン酸塩基または硫酸半エステル塩
基とを分子内に有する化合物を添加、反応させ、最終的
に分子内にスルホン酸塩基または硫酸半エステル塩基を
有する水性ポリウレタンを得ることで行うことができ
る。その際生成反応は有機溶剤中で行ない、次いで水を
加えてから該溶剤を除去することが好ましい。また他の
方法としてはスルホン酸基を有する化合物を原料の一つ
として使用してスルホン酸基を有するポリウレタンを合
成し、次いで該ポリウレタンを高速撹拌下でアルカリ水
溶液中に添加し、中和する方法、ポリウレタンの主鎖ま
たは側鎖の第1級または第二級アミノ基にアルカリの存
在下で下記サルトン化合物を付加してスルホン酸アルカ
リ塩(例えば―SO3 Na等)を導入する方法等があげ
られる。アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、アンモニア、アルキルアミン等の水溶液
を用いることが好ましいが、該アルカリが被覆膜(下塗
り膜)中に残留しないアンモニア、乾固条件で揮発する
アミンが特に好ましい。カルボン酸塩基、スルホン酸塩
基、硫酸半エステル塩基等の塩基の量は0.5×10-4
〜20×10-4当量/gが好ましく、更には1×10-4
〜10×10-4当量/gが好ましい。塩基の割合が少な
すぎるとポリウレタンの水親和性が不足して塗布液の調
製が難しくなり、また多すぎるとポリウレタン本来の特
性が損なわれるので、好ましくない。かかる水性ポリウ
レタンは、所望により分散助剤を用いて、安定な水分散
液を形成するものないし水溶液を形成するものである。
【0014】ポリウレタンの合成に用いるポリヒドロキ
シ化合物としては、例えばポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、1,5―
ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリカプロラクトン、ポリヘキサメチレ
ンアジペート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリテ
トラメチレンアジペート、ポリテトラメチレンセバケー
ト、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
ペンタエリスリトール、グリセリン等を挙げることがで
きる。
【0015】ポリイソシアネート化合物としては、例え
ばヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートとト
リメチロールプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソ
シアネートとトリメチロールエタンの付加物等を挙げる
ことができる。カルボン酸含有ポリオールとしては、例
えばジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジ
メチロール吉草酸、トリメリット酸ビス(エチレングリ
コール)エステル等を挙げることができる。
【0016】アミノ基含有カルボン酸としては、例えば
β―アミノプロピオン酸、γ―アミノ酪酸、P―アミノ
安息香酸等を挙げることができる。水酸基含有カルボン
酸としては、例えば3―ヒドロキシプロピオン酸、γ―
ヒドロキシ酪酸、P―(2―ヒドロキシエチル)安息香
酸、リンゴ酸等を挙げることができる。
【0017】アミノ基または水酸基とスルホン基を有す
る化合物としては、例えばアミノメタンスルホン酸、2
―アミノエタンスルホン酸、2―アミノ―5―メチルベ
ンゼン―2―スルホン酸、β―ヒドロキシエタンスルホ
ン酸ナトリウム、脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパ
ンサルトン、ブタンサルトン付加生成物等が挙げられ、
好ましくは脂肪族ジ第1級アミン化合物のプロパンサル
トン付加物があげられる。
【0018】更に、アミノ基または水酸基と硫酸半エス
テルを含有する化合物としては、例えばアミノエタノー
ル硫酸、エチレンジアミンエタノール硫酸、アミノブタ
ノール硫酸、ヒドロキシエタノール硫酸、γ―ヒドロキ
シプロパノール硫酸、α―ヒドロキシブタノール硫酸等
があげられる。
【0019】これら化合物を用いてのポリウレタンの合
成は、従来から良く知られている方法で合成することが
できる。
【0020】この水性ポリウレタンの存在下で重合させ
るアクリル系モノマーとしては、例えばアルキルアクリ
レート(アルキル基としてはメチル、エチル、n―プロ
ピル、n―ブチル、イソブチル、t―ブチル、2―エチ
ルヘキシル、シクロヘキシル等)、アルキルメタクリレ
ート(アルキル基は前記と同じ);2―ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2―ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2―ヒドロキシプロピルアクリレート、2―ヒドロ
キシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマ
ー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N―メチルメ
タクリルアミド、N―メチルアクリルアミド、N―メチ
ロールアクリルアミド、N―メチロールメタクリルアミ
ド、N,N―ジメチロールアクリルアミド、N―メトキ
シメチルアクリルアミド、N―メトキシメチルメタクリ
ルアミド、N―フェニルアクリルアミド等のアミド基含
有モノマー;N,N―ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、N,N―ジエチルアミノエチルメタクリレート等の
アミノ基含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマー;ア
クリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩(ナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩)等のカルボキシル基
またはその塩を含有するモノマー等が挙げられる。
【0021】これらは他種モノマーと併用することがで
きる。他種モノマーとしては例えばアリルグリシジルエ
ーテル等のエポキシ基含有モノマー;スチレンスルホン
酸、ビニルスルホン酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、
カリウム塩、アンモニウム塩等)等のスルホン酸基又は
その塩を含有するモノマー;クロトン酸、イタコン酸、
マレイン酸、フマール酸及びそれらの塩(ナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等のカルボキシル
基またはその塩を含有するモノマー;無水マレイン酸、
無水イタコン酸等の酸無水物基を含有するモノマー;ビ
ニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレ
ン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニルトリスアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノ
エステル、アルキルフマール酸モノエステル、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モ
ノエステル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニ
ル、ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0022】アクリル系モノマーは1種または2種以上
を用いて重合させるが、他種モノマーを併用する場合、
全モノマー当り、アクリル系モノマーの割合が50重量
%以上、さらには70重量%以上となることが好まし
い。
【0023】アクリル変性ポリウレタンを構成するアク
リル系樹脂の二次転移点(Tg)は20℃以上、さらに
は40℃以上であることが好ましい。この二次転移点が
20℃未満になると耐熱性が不足し、ブロッキング性が
悪化する。
【0024】またアクリル変性ポリウレタン中のアクリ
ル樹脂/ポリウレタンの割合は、重量比で、1/9〜7
/3が好ましく、更に好ましくは3/7〜7/3であ
る。アクリル樹脂の量が1/9未満になるプライマー層
の易滑性が失われ、また7/3を超えると易接性が著し
く低下する。
【0025】アクリル変性ポリウレタンの製造方法とし
ては、例えば前記水性ポリウレタンの水分散液中に少量
の分散剤と重合開始剤を添加し、一定温度に保ちながら
前記のアクリル系モノマーを撹拌しながら徐々に添加
し、その後必要に応じて温度を上昇させ一定時間反応を
続けてアクリル系モノマーの重合を完結させ、アクリル
変性ポリウレタンの水分散体として得る方法が挙げられ
る。
【0026】本発明の易接着性ポリエステルフイルム
は、上述したアクリル変性ポリウレタンを含む塗液、好
ましくは水分散液をポリエステルフイルムの少なくとも
片面に塗布し、乾燥させることで得ることができる。
【0027】このポリエステルは、芳香族二塩基酸また
はそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエス
テル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステ
ルである。かかるポリエステルの具体例として、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリ(1,4―シクロヘキシレンジメチレンテレフタレ
ート)、ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキ
シレート等が例示でき、これらの共重合体またはこれら
と小割合の他樹脂とのブレンド物なども含まれる。
【0028】この線状飽和ポリエステルは、フイルム特
性を向上する剤例えば滑剤、帯電防止剤、着色剤、難燃
剤、遮光剤、安定剤、紫外線吸収剤等を含有することが
できる。この滑剤としては内部析出粒子、外部添加粒子
のいずれでもよく、また2種以上のものを組合せたもの
でもよい。外部添加粒子としては例えばシリカ、カオリ
ン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化チタン等
を挙げることができ、内部析出粒子としては、例えばア
ルカリ(土類)金属化合物、リン化合物等の組合せでポ
リエステル製造中に析出させたものを挙げることができ
る。
【0029】このポリエステルはそれ自体公知であり、
かつ公知の方法で製造することができる。ポリエステル
の固有粘度(o―クロロフェノール、35℃)は0.4
5〜0.9が好ましい。
【0030】本発明におけるポリエステルフイルムは、
ポリエステルを常法により溶融押出し急冷固化して、非
晶質の未延伸フイルムを得、そして、この未延伸フイル
ムを、縦方向に延伸し、次いで横方向に延伸し、さらに
熱固定処理することで製造される。これらの延伸はフイ
ルムを走行させて行う。縦方向及び横方向の延伸手段は
公知の手段を用いることができる。例えば、縦方向の延
伸(縦延伸)は未延伸フイルムを加熱ロール群で加熱し
低速ロールと高速ロールの周速差を利用して行う。その
際、低速ロールと高速ロールの間に赤外線ヒーターを設
けてフイルムを延伸温度に加熱することが好ましく、ま
た低速ロールでフイルムを延伸温度に加熱しても良い。
この縦方向の延伸は通常2.5〜4.5倍の倍率で行
う。また、横方向の延伸(横延伸)はテンター式延伸熱
処理装置を用いて行う。この横方向の延伸は、通常2.
5〜4.5倍の倍率で行う。次いで150〜240℃の
温度で熱固定処理し、配向結晶化を完了させる。
【0031】ポリエステルフイルムの延伸処理は、上述
の逐次二軸延伸方以外にも同時二軸延伸方や多段延伸法
(縦―横―縦、縦―横―縦―横、縦―縦―横、縦―横―
横等)を用いることもできる。
【0032】本発明におけるアクリル変性ポリウレタン
を含むプライマー層は、ポリエステルフイルムの製造過
程で塗布液を塗布することで形成するのが好ましい。例
えば、配向結晶化の過程が完了する前のポリエステルフ
イルムの表面にこのアクリル変性ポリウレタンの水性塗
布液を塗布するのが好ましい。
【0033】ここで、結晶配向化が完了する前のポリエ
ステルフイルムとは、該ポリマーを熱溶融してそのまま
フイルム状となした未延伸フイルム:未延伸フイルムを
縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸延
伸フイルム:更には縦方向及び横方向の二方向に低倍率
延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向または横方向に
再延伸させて配向結晶化を完了させる前の二軸延伸フイ
ルム)等を含むものである。
【0034】本発明の易接着性ポリエステルフイルム
は、好ましくは、上述したように結晶配向化が完了する
前の未延伸あるいは少なくとも一軸方向に延伸された状
態のフイルムに上記プライマー塗布液を適用し、そのま
ま縦延伸及び/または横延伸と熱固定とを施す、所謂イ
ンラインコーティング方式で製造するが、その際、配向
結晶化の過程が完了する前のポリエステルフイルムの表
面に塗膜を円滑に塗設できるようにするために、予備処
理としてフイルム表面にコロナ放電処理を施すか、また
はプライマー組成物とともにこれと化学的に不活性な界
面活性剤を併用することが好ましい。かかる界面活性剤
はプライマー水性塗布液の表面張力を50dyne/c
m以下に降下できるようなポリエステルフイルムへの濡
れを促進するものであり、例えばアニオン型界面活性
剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤等の
界面活性剤が好ましく、例えばポリエチレンオキサイド
・ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレン―脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルカン
スルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルジフェニー
ルエーテルジスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、第4級アンモニウムクロライド塩、アルキルアミン
塩酸等を挙げることができる。これらの中で、アニオン
型またはノニオン型界面活性剤が液安定性の面でより好
ましい。濡れ剤の量としては、プライマー全固形分の2
〜30重量%が好ましく、より好ましくは3〜20重量
%である。
【0035】更に本発明の効果を消失させない範囲にお
いて、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、有機フ
ィラー、無機フィラー、潤滑剤、ブロッキング防止剤、
メラミン、エポキシ、アジリジン等の架橋剤等の他の添
加剤を混合することができる。
【0036】プライマー塗液の固形分濃度は、通常30
重量%以下であり、10重量%以下が更に好ましい。塗
布量は走行しているフイルム1m2 当り0.5〜20
g、更には1〜10gが好ましい。延伸熱固定後の最終
Dry塗布量として0.005〜0.3g/m2 が好ま
しい。
【0037】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプレー
コート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコ
ート法などを単独または組合わせて適用するとよい。こ
の水性プライマー塗液には、塗液の安定性または塗液の
塗布性を助ける目的で若干量の有機溶剤を含んでもよ
い。
【0038】このプライマー液は、縦一軸延伸が施され
た直後のポリエステルフイルムに塗布され、次いで、該
フイルムは予備加熱後横延伸及び熱固定のためのテンタ
ーに導かれる。
【0039】その際、塗布された水性液は予備加熱ゾー
ンにおいて、若干量水が残留する程度に乾燥される。次
いで、プライマー層塗設の一軸フイルムは加熱横延伸さ
れた後高温処理によって熱固定される。
【0040】ポリエステルフイルムの配向結晶化条件、
例えば延伸、熱固定等の条件は、従来から当業界に蓄積
された条件で行うことができる。例えば、80〜140
℃の温度で延伸し、180〜240℃で1〜10秒間で
熱固定を行う。
【0041】このようにして得られるプライマー層を有
する易接着性ポリエステルフイルムは、種々の被覆物例
えばセロファン用インキ、磁気塗料、電子写真用トナー
組成物、ケミカルマット塗料、ジアゾ塗料、UVインキ
等の極めて広汎な塗料に対して高い接着性を示し、特に
磁気塗料に強い接着性を示し、かつ粘着性のない良好な
耐ブロッキング性を示す。このため、この易接着性ポリ
エステルフイルムは、種々の分野に有用であり、特に包
装材料、磁気カード、磁気テープ、磁気ディスク、印刷
材料等に有用である。
【0042】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。
【0043】なお、例中の「部」は「重量部」を意味す
る。またフイルムの各特性は次の方法で測定した。
【0044】1.接着性 プライマー被覆ポリエステルフイルムに評価塗料をマイ
ヤーバーで乾燥後の厚さが約4μmになるように塗布
し、100℃で3分間乾燥する。その後60℃で24時
間エージングし、次いでスコッチテープNo.600
(3M社製)巾12.7mm、長さ15cmを気泡の入
らないように粘着し、この上をJIS C2701(1
975)記載の手動式荷重ロールでならし密着させ、テ
ープ巾に切り出す。これを180度剥離した時の強力を
測定する。 [評価用塗料]固形分換算で、 ウレタン樹脂 ニッポラン2304 25部 (日本ポリウレタン製) 塩ビ・酢ビ樹脂 エスレックA 50部 (積水化学製) 分散剤 レシオンP 1部 (理研ビタミン製) 磁性剤 CTX―860 500部 (戸田化学製) をメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン混
合溶剤に添加して40%液にし、サンドグラインダーで
2時間分散する。その後架橋剤のコロネートL25部
(固形分換算)を添加し、よく撹拌して磁性塗料を得
る。
【0045】2.ブロッキング性 ポリエステルフイルムの表面と裏面を合わせてから10
cm×15cm角に切り、これに50℃で50%RHの
雰囲気中で17時間、50kg/cm2 の加重をかけ、
次いでこの10cm巾の剥離強度を測定する。このとき
の剥離スピードは100mm/分である。
【0046】3.表面滑り性 処理面と非処理面の滑り性を23℃×55%RHにおい
て1kg荷重の静摩擦係数を東洋テスター社のスリッパ
リー測定試験機を用いて測定する。
【0047】
【実施例1〜4】 <アクリル変性ポリウレタンの製造>表1に示す水性ポ
リウレタンの水分散体を純水で10重量%に薄めた液9
0部に商品名V―50(アゾビスイソブチロニトリルの
カルボン酸塩)0.1部を溶解し、さらに表1に示す組
成のアクリル系モノマー10部を添加し、80〜82℃
の温度で2時間重合反応させて固形分濃度20wt%の
アクリル変性ポリウレタン液を得た。
【0048】
【表1】
【0049】表中の商品名及び略称は次のとおりであ
る。 ハイドラン HW―140:大日本インキ工業(株)製
カルボキシル塩基含有ポリウレタン ハイドラン AP―40:大日本インキ工業(株)製
カルボキシル塩基含有ポリウレタン ネオレッツ R―966:ICIアメリカ社製 カルボ
キシル塩基含有ポリウレタン メルシ 585:東洋ポリマー(株)製 カルボキシル
塩基含有ポリウレタンMMA:メチルメタアクリレート EA:エチルアクリレート GMA:グリシジルメタアクリレート N―MAAM:N―メチロールアクリルアミド MAA:メタアクリル酸
【0050】<易接着性ポリエステルフイルムの製造>
35℃のo―クロロフェノール中で測定した固有粘度
0.65のポリエチレンテレフタレートを溶融押出して
厚み158μmの未延伸フイルムを得、次いでこれを機
械軸方向に3.5倍延伸したのち上記で得られたアクリ
ル変性ポリウレタン90部及びポリオキシエチレン(n
=9)ノニルフェニルエーテル10部を水に溶解または
分散した水性プライマー塗布液(固形分4wt%)を一
軸延伸フイルムの片面に塗布した。その後、105℃で
3.9倍に横方向に延伸し、200℃で4.2秒間熱処
理を施し、平均塗布量20mg/m2 で厚さ12.2μ
mの二軸延伸プライマー被覆ポリエステルフイルムを得
た。このフイルムの処理面の接着性、ブロッキング性及
び滑り性を表2に示す。
【0051】
【比較例1】アクリル変性ポリウレタンの代りに水性ポ
リウレタン(ハイドランHW―140)を用いる以外
は、実施例1と同様に行って易接着性ポリエステルフイ
ルムを得た。このフイルムの処理面の接着性、ブロッキ
ング性及び滑り性を表2に示す。
【0052】
【比較例2】アクリル変性ポリウレタンの代りにアクリ
ル樹脂(組成:MMA/MAA/EA=50/5/45
モル%)を用いる以外は、実施例1と同様に行って易接
着性ポリエステルフイルムを得た。このフイルムの処理
面の接着性、ブロッキング性及び滑り性を表2に示す。
【0053】
【比較例3】プライマー液を塗布しなかった以外は実施
例1と同様な方法でプレーンの二軸延伸ポリエステルフ
イルムを得た。このフイルムの特性を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】表2から明らかの如く、本発明の易接着性
ポリエステルフイルムは接着性、ブロッキング性に優
れ、また滑り性も良好でロールフイルムにした時にも全
くシワが発生しなかった。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、接着性、ブロツッキン
グ性及び滑り性に優れた易接着性ポリエステルフイルム
及びその製造方法を提供することができる。さらに本発
明によれば、接着性、ブロッキング性及び滑り性に優れ
たプライマー層を形成し得るアクリル変性ポリウレタン
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 4F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性ポリウレタンの存在下でアクリル系
    モノマーを重合させて得られたアクリル変性ポリウレタ
    ンからなるコーティング剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアクリル変性ポリウレタ
    ンを含む易接着性プライマー層を、ポリエステルフイル
    ムの少なくとも片方の面に設けてなることを特徴とする
    易接着性ポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】 配向結晶化が完了する前のポリエステル
    フイルムの少なくとも片方の面に請求項1記載のアクリ
    ル変性ポリウレタンを含む易接着性プイラマー液を塗布
    し、次いで該フイルムを延伸し、更に熱処理を施して配
    向結晶化を完了させることを特徴とする易接着ポリエス
    テルフイルムの製造方法。
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