JPH1029288A - 離型フィルム - Google Patents

離型フィルム

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JPH1029288A
JPH1029288A JP18785196A JP18785196A JPH1029288A JP H1029288 A JPH1029288 A JP H1029288A JP 18785196 A JP18785196 A JP 18785196A JP 18785196 A JP18785196 A JP 18785196A JP H1029288 A JPH1029288 A JP H1029288A
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JP
Japan
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film
resin
polyester
coating
parts
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JP18785196A
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English (en)
Inventor
Masashi Inagaki
昌司 稲垣
Yoshihide Ozaki
慶英 尾崎
Kimihiro Izaki
公裕 井崎
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Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステルフィルムと硬化シリコーン樹脂
塗膜との経時密着性および離型性に優れた離型フィルム
を提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびポ
リアクリレート樹脂から選ばれた少なくとも1種の水溶
性または水分散性樹脂と、メラミン系またはエポキシ系
架橋剤の少なくとも1種とを含有する塗布剤を塗布した
プライマー層を設け、当該プライマー層上にシリコーン
離型層を設けてなる離型フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離型フィルムに関
し、詳しくは、ポリエステルフィルムと硬化シリコーン
樹脂塗膜との経時密着性および離型性に優れた離型フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粘接着剤等の粘接着面を保護する
ためのシリコーン樹脂をコーティングした離型フィルム
が種々開発されており、例えば、特開昭47−3444
7号公報には、縮合反応により硬化するシリコーン樹脂
組成物、特公昭52−40918号公報には、付加反応
により硬化するシリコーン離型性皮膜が記載されてい
る。 従来の離型フィルムは、ポリエステルフィルム等
の基材に離型性を有するシリコーン樹脂塗膜が形成され
た離型フィルムが主で、シリコーン樹脂には離型性があ
るため、基材との密着性が悪いことが知られていた。
【0003】この基材との密着性を改良する方法とし
て、例えば、特開昭64−5838号公報、特開平3−
120042号公報には、ポリエステル表面にシランカ
ップリング剤を用いた下塗り層を設けて、その上に離型
層を設ける方法が記載されている。しかしながら、ポリ
エステル表面にシランカップリング剤を用いた下塗り層
を設ける方法において、下塗り層を設ける工程、例えば
インラインコーティングやオフラインコーティング等の
工程で、シランカップリング剤の一部が蒸発して工程内
に付着して、堆積するという問題が発生する。そしてこ
の堆積物は、時としてフィルムに脱落して、フィルムの
品質を悪化させることがある。
【0004】また、特公昭62−2986号公報等に
は、架橋性シリコーンとシランカップリング剤からなる
皮膜を形成する方法が記載されている。しかしながら、
架橋性シリコーンとシランカップリング剤とからなるシ
リコーン皮膜に関しては、加えるシランカップリング剤
の影響で使用できるシリコーン樹脂が制限させられて、
離型フィルムとしての設計の幅が狭められる欠点がある
うえ、基材との密着力が強くなった場合には、剥離力を
軽くすることが難しい点があった。
【0005】さらに、特開平5−25303号公報等に
は、ポリエステル表面をコロナ処理等により、表面濡れ
指数をある範囲に変化させ、その上に熱硬化型シリコー
ン樹脂層を形成しているが、密着性改良効果はまだ少な
い。上記のほかに、ポリエステルフィルムと離型層との
密着性を向上させるため、シリコーン変性ウレタン或は
アクリル樹脂等の非シリコーン系離型層を用いる方法も
有るが、この場合軽い剥離性が得られないのが実情であ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実状に
鑑みなされたものであり、ポリエステルフィルムと硬化
シリコーン樹脂塗膜との経時密着性および離型性に優れ
た離型フィルムを提供することを解決課題とするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、ポリエステルフィルムの上に、ある特定のプラ
イマー層を設け、その上に硬化型シリコーン樹脂塗膜を
形成することにより、上記課題が容易に解決し得ること
を知見し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明の要旨は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびポ
リアクリレート樹脂から選ばれた少なくとも1種の水溶
性または水分散性樹脂と、メラミン系またはエポキシ系
架橋剤の少なくとも1種とを含有する塗布剤を塗布した
プライマー層を設け、当該プライマー層上にシリコーン
離型層を設けてなる離型フィルムに存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明において、ポリエステルとは、芳香族ジカ
ルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られ
る。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グ
リコールとしては、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙
げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−
ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示され
る。中でもポリエチレンテレフタレート(PET)が汎
用性、経済性等の点で好適に使用される。本発明では、
第三成分を20モル%未満含有する共重合ポリエステル
も用いることができる。かかる共重合ポリエステルのジ
カルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テ
レフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバシン酸およびオキシカルボン酸(例えばp−
オキシ安息香酸など)の一種または二種以上が挙げら
れ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペン
チルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
【0009】ポリエステルには、製膜されてフィルムと
なった時の取扱性改良等の点で粒子を配合することが好
ましい。かかる粒子としては特に限定されるものではな
いが、平均粒径が0.02μm〜3μm、好ましくは
0.02μm〜2μmの酸化ケイ素、アルミナ、炭酸カ
ルシウム、カオリン、酸化チタンおよび特公昭59−5
216号公報に記載されている様な架橋高分子微粉体等
を挙げることができる。これらの粒子は、単独あるいは
2成分以上を同時に使用し含有させてもよい。そしてそ
の含有量は、通常0.02〜2重量%、好ましくは0.
04〜1重量%の範囲である。
【0010】ポリエステルに粒子を配合する方法として
は、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し
得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階にお
いて添加することができるが、好ましくはエステル化の
段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始
前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリー
として添加し重縮合反応を進めてもよい。またベント付
き混練押出機を用いエチレングリコールまたは水などに
分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレ
ンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた
粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによ
って行われる。
【0011】本発明のポリエステルフィルムは、従来公
知の方法に従って製造することができる。まず、溶融押
出機の口金からポリエステルを回転冷却ドラムの上にシ
ート状に押し出して冷却固化することにより未延伸シー
トを得る、次いで、得られた未延伸シートを二軸方向に
延伸して配向させる。上記製造方法においては、未延伸
シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めてシートの平
面性を向上させるため、静電印加密着法または液体塗布
密着法が好ましく採用される。
【0012】上記の製造方法において、未延伸シートの
延伸は、例えば、次の様に行うことができる。まず、ロ
ールまたはテンター方式の延伸機により一方向に延伸を
行う。延伸温度は、通常70〜120℃、好ましくは8
0〜110℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好
ましくは3.0〜6倍である。次いで、1段目の延伸方
向と直交する方向に延伸を行う。延伸温度は、通常70
〜120℃、好ましくは80〜115℃であり、延伸倍
率は、通常3.0〜7倍、このましくは3.5〜6倍で
ある。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊
張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行って二軸延
伸フィルムを得る。
【0013】本発明で用いる水溶性あるいは水分散性ポ
リエステル系樹脂としては、特公昭47−40873号
公報、特開昭50−83497号公報、特開昭50−1
21336号公報、特開昭52−155640号公報な
どで公知のポリエステルあるいはそれらに準じたポリエ
ステルを用いることができる。例えば、ポリエステルの
ジカルボン酸成分は、芳香族ジカルボン酸の例として、
テレフタル酸、イソフタル酸、2,5−ナフタレンジカ
ルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体などが用
いられ、脂肪族ジカルボン酸の例として、オキシ安息香
酸およびそのエステル形成性誘導体などが用いられる。
【0014】さらにエステルのグリコール成分として
は、脂肪族、脂環族、芳香族ジオール等が使用でき、そ
の例として、エチレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシレ
ンジオールなどが挙げられ、ポリ(オキシアルキレン)
グリコールの例としては、いわゆるポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールなどが挙げられる。
【0015】ポリエステル系樹脂としては、上述したエ
ステル形成成分からなる飽和線状ポリエステルのみなら
ず、3価以下のエステル形成成分を有する化合物からな
るポリエステルあるいは反応性の不飽和基を有するポリ
エステルも用いることができる。本発明で用いる水溶性
あるいは水分散性ポリウレタン系樹脂としては、特公昭
42−24194号公報、特公昭46−7720号公
報、特公昭46−10193号公報、特公昭49−37
839号公報、特開昭50−123197号公報、特開
昭53−126058号公報、特開昭54−13809
8号公報などで公知のポリウレタン系樹脂を用いること
ができる。
【0016】ポリウレタン形成成分の主要な構成成分は
ポリイソシアネート、ポリオール、鎖長延長剤、架橋剤
などである。ポリイソシアネートの例としては、トリレ
ンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネートなどがある。
【0017】ポリオールの例としては、ポリオキシエチ
レングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポ
リオキシテトラメチレングリコールのようなポリエーテ
ル類、ポリエチレンアジペート、ポリエチレン−ブチレ
ンアジペート、ポリカプロラクトンのようなポリエステ
ル類、アクリル系ポリオール、ひまし油などがある。鎖
長延長剤、あるいは架橋剤の例としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエ
チレングリコール、トリメチロールプロパン、ヒドラジ
ン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
ジシクロヘキシルメタン、水などがある。 ポリウレタ
ン系樹脂としては、分子量300〜20000のポリオ
ール、ポリイソシアネート、反応性水素原子を有する鎖
長延長剤およびイソシアネート基と反応する基、および
アニオン性基を少なくとも1個有する化合物からなる樹
脂が好ましい。
【0018】ポリウレタン系樹脂中のアニオン性基は、
-SO3H 、-OSO3H、-COOH 等のリチウム塩、ナトリウム
塩、カリウム塩、あるいはマグネシウム塩として用いら
れる。これらの中でもスルホン酸塩基が特に好ましい。
本発明で用いる水溶性あるいは水分散性ポリアクリレー
ト系樹脂としては、特開平2−3473号公報、特開平
2−292376号公報、特開平3−143912号公
報、特開平3−20365号公報、特開昭63−223
018号公報、特開昭62−212455号公報、特開
昭62−14191号公報などで公知のポリアクリレー
ト系樹脂あるいはそれらに準じたポリアクリレート系樹
脂を用いることができる。
【0019】ポリアクリレート系樹脂の製造方法として
は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、ブ
チルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等とメ
チルメタアクリレート、メタクリル酸とのエステル交換
またはエステル化によりアクリル酸エステル、メタクリ
ル酸エステルを得、これらアクリル系モノマーを適宜選
択し、過酸化物、アゾ化合物、レドックス系などのラジ
カル開始剤を用いて重合させて、ポリアクリレート系樹
脂を得る。この時、樹脂骨格中に親水性の基を導入し、
親水化樹脂とする。これらに用いられるアクリル系モノ
マーの中には、ヒドロキシル基、グリシジル基、カルボ
キシル基、アミノ基、シリル基、リン酸基などの架橋反
応に有用な官能基を有するものであってもよい。
【0020】本発明で用いるメラミン系架橋剤として
は、アルキロールまたはアルコキシロール化したメラミ
ン系化合物であるメトキシメチル化メラミン、ブトキシ
メチル化メラミン等が例示され、メラミンの一部に尿素
等を共縮合したものも使用できる。本発明で用いるエポ
キシ系架橋剤としては、水溶性あるいは水溶化率50%
以上のエポキシ基を持つ化合物であればよい。
【0021】架橋剤を添加することにより、塗布層の固
着性、耐水性、耐溶剤性、機械的強度が改良される。こ
の結果、上塗り層を塗布後、上塗り層との接着性が改良
される。特にメラミン系架橋剤は硬化速度が速く、プロ
トン酸あるいはそのアンモニウム塩等の硬化触媒を併用
すると一層効果的である。硬化剤の使用量は塗膜乾燥固
形分中0.1〜60重量%が好ましい。
【0022】ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂
およびポリアクリレート樹脂から選ばれた少なくとも1
種の水溶性あるいは水分散性樹脂と、メラミン系または
エポキシ系架橋剤の少なくとも1種とを含有する塗布剤
をポリエステルフィルムに塗布する方法としては、公知
の任意の塗工法が適用できる。例えば、ロッドコート
法、ロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッ
シュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含
浸法、カーテンコート法などを単独あるいは組み合わせ
て適用することができる。特にこの工程は結晶配向が完
了する前のポリエステルフィルムの片面または両面に塗
布することが好ましい。
【0023】この結晶配向が完了する前のポリエステル
フィルムとは、ポリエステルを溶融押出機の口金から回
転冷却ドラム上にシート状に押し出して冷却固化した未
延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の
いずれか一方に延伸した一軸延伸フィルム、一軸延伸フ
ィルムの延伸方向と直交する方向に延伸し、熱固定によ
り配向結晶化を完了させる前の二軸延伸フィルムなどで
ある。中でも、一軸延伸フィルムに塗布液を塗布し、テ
ンターに導かれてポリエステルフィルムが横延伸、熱固
定される間に塗布液が乾燥されることが好ましい。
【0024】上記塗布剤の固形分濃度は、通常30重量
%以下、好ましくは15重量%以下である。塗布量は
0.5〜20g/m2 、さらに1〜10g/m2 が好ま
しい。本発明のフィルムの塗布剤には、必要に応じて、
塗布性改良剤、増粘剤、潤滑剤、高分子粒子、無機粒
子、顔料、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸
収剤、帯電防止剤、消泡剤、発泡剤などを含有させるこ
とができる。さらに塗布液が水を媒体としていることか
ら、必要に応じて、ゼラチン、ポリビニルアルコールな
ど水溶性樹脂やビニル系樹脂、エポキシ系樹脂などのエ
マルジョンを塗布液に添加して使用することができる。
【0025】本発明において、ポリエステルフィルムの
うち少なくとも片面のプライマー層を設けた面に硬化シ
リコーン樹脂塗膜を設けることが必要である。硬化シリ
コーン樹脂塗膜は、フィルムに離型特性を付与する層で
あり、硬化性シリコーン樹脂を含有する塗液をコーティ
ングし乾燥、硬化させることで形成させる。硬化型シリ
コーン樹脂としては特に限定されるものではないが、例
えば縮合反応型、付加反応型、紫外線硬化型、電子線硬
化型などいずれのものでも用いることができる。
【0026】本発明においては、硬化型シリコーン樹脂
をコーティングする方法としては、リバースロールコー
ト法、グラビアロールコート法、エアーナイフコート法
等公知の方法によりコーティングすることができる。例
えば塗布された熱硬化型シリコーン樹脂は、50℃〜1
50℃、好ましくは80℃〜130℃の範囲の温度で2
分以内、好ましくは1分以内の時間で加熱処理すること
により、硬化皮膜を形成することができる。
【0027】硬化型シリコーン樹脂の塗布量としては、
1〜25g/m2 、さらには2〜20g/m2 の範囲が
好ましく、硬化後のシリコーン樹脂塗膜の厚みは、0.
01〜1μm、さらには0.02〜0.5μmの範囲が
好ましい。塗膜厚みが0.01μm未満の場合には、離
型性能が低下する傾向がある。また塗膜厚みが1μmを
超える場合には、塗膜の硬化が不十分となる傾向があ
り、離型性能が経時的に変化する恐れがある。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。なお、実施例および比較
例中「部」とあるのは「重量部」を示す。また、本発明
で用いた測定法は次のとおりである。 (1)ラブオフテスト コーティング後、試料を23℃/50%RHの室内に3
0日間放置後、コーティング面を指先で数回摩擦し、硬
化シリコーン皮膜の脱落の具合を下記の評価基準にて判
断し、密着性の目安とした。
【0029】
【表1】 ○:脱落なし(密着性良好) △:若干脱落するが、実用上問題ないレベル ×:脱落あり(密着性不良)
【0030】(2)剥離力試験 離型フィルムの硬化シリコーン樹脂塗布面に日東電工社
製No.502両面粘着テープを貼り、ゴムローラーを
用いて450g/cmの線圧で圧着し、50mm幅に切
り出し剥離力測定用試料とした。圧着してから1時間放
置後、インストロン型引張試験機を用いて、180°方
向に引張速度300mm/分で剥し、その応力の平均値
をその試料の剥離力とした。この試験を10回繰り返し
行い、10回の相加平均をもって剥離力とした。なお、
この試験を行った雰囲気は、23℃/50%RHの標準
状態とした。
【0031】〈ポリエステルフィルム用ポリエステルの
製造〉ジメチルテレフタレート100部、エチレングリ
コール60部および酢酸マグネシウム・4水塩0.09
部を反応器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを
留去し、エステル交換反応を行い、反応開始から4時間
を要して230℃に昇温し、実質的にエステル交換反応
を終了した。次いで、平均粒径(d501.45μmのシ
リカ粒子を0.1部含有するエチレングリコールスラリ
ーを反応系に添加し、さらにエチルアシッドフォスフェ
ート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を添加し
た後100分で温度を280℃、圧力を15mmHgと
し、以後も徐々に圧力を減じ、最終的に0.3mmHg
とした。4時間後、系内を常圧に戻しポリエステルを得
た。得られたポリエステルのシリカ粒子含有量は0.1
%であった。
【0032】〈ポリエステル系樹脂の製造〉ジメチルテ
レフタレート33.7部、ジメチルイソフタレート2
0.0部、3−ソジオスルホジメチルイソフタレート
9.1部、エチレングリコール40部、ジエチレングリ
コール10部、酢酸カルシウム1水塩0.047部を混
合し、200〜230℃で理論量のメタノールが留出す
るまでエステル交換を行った。
【0033】次に正リン酸0.09を加え、さらに3酸
化アンチモン0.025部を加えて、減圧下、280℃
で重合を行った。かくして得られた重合物の比粘度は、
1.53であった。
【0034】〈ポリウレタン系樹脂の製造〉アリルアル
コールから抽出したエチレンオキシドのポリエーテルを
メタ重亜硫酸ナトリウムでスルホン化したスルホネート
基を含むポリエーテル(SO3 含有量8.3重量%、ポ
リエチレンオキシド含有量83重量%)192部、ポリ
テトラメチレンアジペート(分子量2250)1013
部、ビスフェノールAで開始されたポリプロピレンオキ
シドポリエーテル(分子量550)248部を混合し、
真空下100℃で脱水する。この混合物を70℃とし、
これにイソホロンジイソシアネート178部とヘキサメ
チレン−1,6−ジイソシアネート244部との混合物
を加え、次いで生成混合物をイソシアネート含有量が
5.6重量%になるまで80℃から90℃の範囲で撹拌
した。
【0035】このプレポリマーを60℃に冷却し、ヘキ
サメチレンジイソシアネート3モルと水1モルから得ら
れるビウレットポリイソシアネート56部とイソホロン
ジアミンとアセトンから得られるビスケチミン175部
とを順次加える。ヒドラジン水和物の15部を溶解した
50℃に予熱された水をこの混合物に激しく撹拌しなが
ら加え、ポリウレタン水分散液を得た。
【0036】〈ポリアクリレート系樹脂の製造〉アクリ
ル酸エチル1320部、アクリル酸95部、過酸化水素
をモノマーに対して9.5%、オクタデカンスルホン酸
ソーダ(14%)30部、水1800部の低温における
混合物の約2割を、まず70〜80℃で冷却器付き撹拌
機中で重合し、次に残液8割を2〜3時間かけて徐々に
加えた後、1〜1.5時間、80〜90℃で撹拌し重合
を完了した。この際、窒素気流を送ることによって未反
応モノマーを追い出し、乳化液を得た。
【0037】〈プライマー層用塗布剤1の調整〉上記製
造で得られたポリエステル系樹脂25部、上記製造で得
られたポリウレタン系樹脂65部、メトキシメチル化メ
ラミン10部をそれぞれ計り取り、10重量%の水分散
液を調整し、プライマー層用塗布剤1とした。 〈プライマー層用塗布剤2の調整〉上記製造で得られた
ポリエステル系樹脂20部、上記製造で得られたポリア
クリレート系樹脂70部、メトキシメチル化メラミン1
0部をそれぞれ計り取り、10重量%の水分散液を調整
し、プライマー層用塗布剤2とした。
【0038】〈プライマー層用塗布剤3の調整〉上記製
造で得られたポリエステル系樹脂20部、上記製造で得
られたポリアクリレート系樹脂50部、メトキシメチル
化メラミン10部、水溶性エポキシ系架橋剤20部をそ
れぞれ計り取り、10重量%の水分散液を調整し、プラ
イマー層用塗布剤3とした。 〈プライマー層用塗布剤4の調整〉上記製造で得られた
ポリエステル系樹脂50部、上記製造で得られたポリウ
レタン系樹脂40部、水溶性エポキシ系架橋剤10部を
それぞれ計り取り、10重量%の水分散液を調整し、プ
ライマー層用塗布剤4とした。 〈プライマー層用塗布剤5の調整〉ポリエステル系樹脂
25部、ポリウレタン系樹脂65部、アジリジン系架橋
剤ケミタイトPZ−33(日本触媒社製)10部をそれ
ぞれはかり取り、10重量%の水分散液を調整し、プラ
イマー層用塗布剤5とした。
【0039】実施例1 ポリエステルを180℃で4時間不活性ガス雰囲気中で
乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融押し出しし、
静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷
却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られ
たシートを85℃で3.2倍縦方向に延伸した。次い
で、プライマー層用塗布剤1をバーコーターで一軸延伸
フィルム上に塗布し、つづいてフィルムをテンターに導
き100℃で3.2倍横方向に延伸した後、230℃に
て熱固定を行い、プライマー層が塗布された厚さ38μ
mのポリエステルフィルムを得た。次に、プライマー層
が塗布されたポリエステルフィルム上に硬化性シリコー
ン樹脂(信越化学工業社製KS−779)100重量
部、硬化剤(信越化学工業社製CAT PL−8)1重
量部、メチルエチルケトン/トルエン混合溶媒2200
重量部からなる塗布液を用いて、オフラインコーティン
グによりマイヤーバーにて硬化後の塗布厚みが0.1μ
mとなるように塗布し、硬化シリコーン樹脂皮膜を形成
した離型フィルムを得た。
【0040】実施例2 実施例1において、プライマー層用塗布剤1をプライマ
ー層用塗布剤2に変更する以外は実施例1と同様にして
離型フィルムを得た。 実施例3 実施例1において、プライマー層用塗布剤1をプライマ
ー層用塗布剤3に変更する以外は実施例1と同様にして
離型フィルムを得た。
【0041】実施例4 実施例1において、プライマー層用塗布剤1をプライマ
ー層用塗布剤4に変更する以外は実施例1と同様にして
離型フィルムを得た。 実施例5 プライマー層用塗布剤1が塗布されたポリエステルフィ
ルム上に硬化性シリコーン樹脂(信越化学工業社製KS
−723A)100重量部、(信越化学工業社製KS−
723B)25部、硬化剤(信越化学工業社製CAT
PS−3)5重量部、メチルエチルケトン/トルエン混
合溶媒2200重量部からなる塗布液を使用する以外は
実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
【0042】実施例6 プライマー層用塗布剤1が塗布されたポリエステルフィ
ルム上に硬化性シリコーン樹脂(信越化学工業社製X−
62−5039A)100重量部、硬化剤(信越化学工
業社製X−62−5039B)5重量部、メチルエチル
ケトン/トルエン混合溶媒2200重量部からなる塗布
液を使用する以外は実施例1と同様にして離型フィルム
を得た。
【0043】比較例1 ポリエステルを180℃で4時間不活性ガス雰囲気中で
乾燥し、溶融押出機により290℃で溶融押し出しし、
静電印加密着法を用いて表面温度を40℃に設定した冷
却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。得られ
たシートを85℃で3.2倍縦方向に延伸した。次い
で、フィルムをテンターに導き100℃で3.2倍横方
向に延伸した後、230℃にて熱固定を行い、厚さ38
μmのポリエステルフィルムを得た。得られたポリエス
テルフィルム上に硬化性シリコーン樹脂(信越化学工業
社製KS−779)100重量部、硬化剤(信越化学工
業社製CAT PL−8)1重量部、メチルエチルケト
ン/トルエン混合溶媒2200重量部からなる塗布液を
用いて、オフラインコーティングによりマイヤーバーに
て硬化後の塗布厚みが0.1μmとなるように塗布し、
硬化シリコーン樹脂皮膜を形成した離型フィルムを得
た。
【0044】比較例2〜4 実施例1において、プライマー層用塗布剤1の代わりに
ポリエステル系樹脂100部(比較例2)、ポリウレタ
ン系樹脂100部(比較例3)、ポリエステル系樹脂3
5部およびポリウレタン系樹脂65部(比較例4)を用
いて、それぞれ10重量%の水分散液を調整し、実施例
1と同様にしてプライマー塗布されたポリエステルフィ
ルムを得た。得られたフィルムは、プライマー層とポリ
エステルフィルムとがブロッキングを起こし、実用的で
なかった。
【0045】比較例5 実施例1において、プライマー層用塗布剤1の代わりに
ポリアクリレート系樹脂100部の10重量%水分散液
を調整し塗布する以外は実施例1と同様にして離型フィ
ルムを得た。得られたフィルムは白化しており、剥離力
の変動が大きく、不均一なものであった。
【0046】比較例6 実施例1において、プライマー層用塗布剤1をプライマ
ー層塗布剤5に変更する以外は実施例1と同様にしてプ
ライマー塗布されたポリエステルフィルムを得た。得ら
れたフィルムのプライマー層は凝集が著しく、表面が粗
面化した状態であった。次に、実施例1と同様にして離
型フィルムを得たが、得られたフィルムは、剥離力の変
動が大きく、不均一なものであった。
【0047】以上、得られた結果をまとめて下記表1に
示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明の離型フィルムは、ポリエステル
フィルムと硬化シリコーン樹脂塗膜との経時密着性およ
び離型性に優れ、各種分野の離型フィルムとして使用さ
れた場合に極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびポ
    リアクリレート樹脂から選ばれた少なくとも1種の水溶
    性または水分散性樹脂と、メラミン系またはエポキシ系
    架橋剤の少なくとも1種とを含有する塗布剤を塗布した
    プライマー層を設け、当該プライマー層上にシリコーン
    離型層を設けてなる離型フィルム。
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