JPH08118572A - 積層ポリエステルフィルム及びその製造方法 - Google Patents
積層ポリエステルフィルム及びその製造方法Info
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Abstract
水溶性高分子プロトン酸及び/又はその塩によるポリア
ニリン水分散体を主体とする積層膜を設けたことを特徴
とする積層ポリエステルフィルムに関するものである。 【効果】 本発明によって得られる積層ポリエステルフ
ィルムは、帯電防止性、更には易接着性に優れた積層膜
を有する。
Description
ム及びその製造方法に関し、詳しくは帯電防止性、更に
は易接着性に優れた積層ポリエステルフィルム及びその
製造方法に関するものである。
的性質、電気的性質、寸法安定性、耐薬品性等に優れた
特性を有することから、磁気記録材料、感光材料、製図
材料、写真材料、包装材料、電気絶縁材料等多くの分野
の基材フィルムとして使用されている。しかし、基材そ
のものが絶縁体であるため、静電気による帯電が著しい
こと、表面が高度に結晶配向されているため、各種塗
料、接着剤、インキ等との接着性が乏しい等の欠点を有
している。そのため従来からポリエステルフィルム表面
に種々の方法で帯電防止性を付与したり、易接着性を与
えたりしてきた。
ポリエステルフィルム中に各種の帯電防止剤、例えばド
デシルベンゼンスルホン酸またはその塩等の低分子量界
面活性剤、ポリスチレンスルホン酸またはその塩を練り
込んだり、あるいは塗剤中に低分子量界面活性剤を配合
して塗布したりする方法(特開昭50−30979等)
が取られてきた。
ルム表面のコロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ
処理、火焔処理等による表面活性化法、酸、アルカリ、
アミン水溶液、トリクロロ酢酸等の薬剤による表面エッ
チング法、フィルム表面にポリエステル、アクリル、ポ
リウレタン等の各種樹脂をプライマ層として設ける方法
(特開昭55−15825、特開昭58−78761
等)が既に知られている。特に、塗布によって帯電防止
性や易接着性を付与する方法として、結晶配向が完了す
る前のポリエステルフィルムに塗布し、乾燥後、延伸、
熱処理を施して結晶配向を完了させる方法(インライン
コート法)が盛んに行われている。この方法は、二軸延
伸後のポリエステルフィルムに塗剤を塗布して積層膜を
形成する方法と比べて、フィルム製膜と塗布工程を一連
の工程中で実施するため、コスト面で有利であるだけで
なく、積層膜と基材フィルムとの密着性が良好なものが
得られるという特徴がある。
ゼンスルホン酸又はその塩等の低分子量界面活性剤など
を練り込んだり、塗剤中に配合して塗布したものは、帯
電防止剤が表面や界面にブリードアウトしたり、経時と
ともにマイグレーションを起こし弱境界層を形成するた
め、基材フィルムとの密着性や各種バインダとの接着性
を低下させる等の欠点がある。更に、インラインコート
法に適用した場合には、結晶配向を完了させるための高
温での熱処理よってその帯電防止性を失う等の欠点を有
する。
生は抑えられるが、導電性高分子であるポリアニリンは
一般に水不溶性で、N−メチル−2−ピロリドン等の有
機溶媒にのみ可溶である。この時、塗布工程上の問題点
として、高価な防爆装置が必要である、有機溶媒の回収
設備が必要である等、多くの問題がある。
込んだものは、ポリエステルとの親和性が悪いため、延
伸により界面が剥離するといった現象が生じポリエステ
ルフィルムの特性が悪化するという欠点が発生し、塗布
した場合にも二軸延伸によって塗膜に亀裂が生じ、帯電
防止性や密着性を低下させるという欠点を有している。
は、一時的な濡れ性の改良による接着性向上は期待でき
るが、経時的に失効するものであるし、それによって得
られる接着力は必ずしも満足できるものではない。ま
た、エッチング法では、強固な接着性は期待できるもの
の、処理液自身が有害であったり、大気汚染源となる
上、装置面の発錆、腐食の原因となるため、万全の注意
を必要とする問題がある。プライマ層を設ける方法で
は、プライマ層を別工程で塗布し、その上に所望のバイ
ンダ層を設ける方法が一般的であり、処理工程中にゴミ
等が混入し、清浄な表面が得られないという欠点を有す
る。特に磁気材料などの精密な品質を要求される用途に
は不向きである。
優れた積層二軸配向ポリエステルフィルムを提供するこ
とにあり、更に易接着性が改良され、基材フィルムとの
密着性も良好な積層二軸配向ポリエステルフィルムを提
供することにある。
フィルムの少なくとも片面に、水溶性高分子プロトン酸
及び/又はその塩によるポリアニリン水分散体を主体と
する積層膜を設けることをその骨子とするものである。
を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、好
ましいポリエステルとしては、エチレンテレフタレー
ト、エチレンナフタレート、ブチレンテレフタレート等
から選ばれた少なくとも1種の構成単位を主要構成成分
とするものが挙げられる。これら構成単位は1種のみ用
いても、2種以上併用してもいずれでもよいが、中でも
品質、経済性を総合的に判断するとエチレンテレフタレ
ートを主要構成成分とするポリエステルが特に好まし
い。また、電子写真、感熱記録、各種印刷などの情報記
録用受像シートなど、基材に熱が作用する用途において
は耐熱性や剛性に優れたポリエチレンナフタレートが好
ましい。
ジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは2
0モル%以下共重合されていてもよい。
種添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、対候安定
剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機ま
たは無機の微粒子、帯電防止剤、核剤等がその特性を悪
化させない程度に添加されていてもよい。
℃、o-クロロフェノール中で測定)は、0.40〜1.
20dl/gが好ましく、更に好ましくは0.50〜
0.80dl/gの範囲にあるものが本発明の内容に好
適である。
フィルムは積層膜が設けられた状態においては二軸配向
されたものが好ましい。二軸配向ポリエステルフィルム
とは、未延伸状態のポリエステルシートまたはフィルム
を長手方向および幅方向に通常各々2.5〜5.0倍程
度延伸され、その後熱処理を施し、結晶配向を完了させ
たものであり、広角X線解析で二軸配向パターンを示す
ものをいう。
れず、用途に応じて適宜選択される。
によるポリアニリン水分散体は、以下の方法により得る
ことができる。塩酸等の酸性水溶液中で、モノマとして
アニリンもしくはその誘導体を溶解し重合原液とする。
また、これとは別に上記モノマを化学酸化重合させる酸
化剤として過硫酸アンモニウム等を上記アニリンもしく
はその誘導体1モルに対して0.1〜10モル程度溶解
した酸化剤水溶液を調製し、これを上記重合原液中に徐
々に滴下しよく撹拌する。重合系の真空度は常圧でも減
圧下でもよく、雰囲気についても不活性ガス下でも空気
中でも良い。反応温度は、−10℃〜系の沸点以下、好
ましくは室温以下で反応させることが望ましい。また、
重合は速やかに進行するが、数分から数十時間、好まし
くは数十分から数時間かけて撹拌させることが好まし
い。この時、水溶性高分子プロトン酸及び/又はその
塩、例えばポリスチレンスルホン酸及び/又はその塩等
を反応系中に等モル以上存在させておくと、重合生成物
であるポリアニリン及びその誘導体が上記プロトン酸等
によってドーピングされ、更にポリスチレンスルホン酸
及び/又はその塩との相互作用によって水分散体として
得られる。反応後は、不純物を含んだ溶液状態になって
いるため、水混和性有機溶媒中に投入し、ポリアニリン
を沈殿させ、濾取、洗浄、乾燥後、水に再溶解させ目的
とするポリアニリン水分散体を得る。
は、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等
を挙げることができ、水溶性高分子プロトン酸塩として
は、それらのリチウム、ナトリウム、カリウム等のアル
カリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土
類金属塩、アンモニウム塩あるいはアミン塩等を挙げる
ことができる。
リンを水に分散できる範囲のものであれば良いが、通常
は1万から100万のものが好ましく、更に3万から3
0万のものが分散後の液の状態からみてより好ましい。
プロトン酸及び/又はその塩によるポリアニリン水分散
体に、水溶性あるいは水分散性樹脂を加えることによっ
て更に密着性も向上させることができる。用いる水溶性
あるいは水分散性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリウレタン樹脂等、あるいはそれらの混
合物を挙げることができる。
もので特に限定されないが、全ジカルボン酸成分のう
ち、少なくとも60モル%以上が芳香族ジカルボン酸、
7〜40モル%(好ましくは10〜20モル%)がエス
テル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物であり、全
グリコール成分のうち60モル%以上が脂肪族または脂
環族グリコール、0〜40モル%(好ましくは1〜18
モル%)がジエチレングリコールからなる共重合ポリエ
ステル樹脂が好ましい。更に分子量400〜10000
のポリエチレングリコールを5〜30重量%含有したポ
リエーテルエステルを用いてもよい。
芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、
1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ビス
(フェノキシ)エタン−p,p−ジカルボン酸及びそれ
らのエステル形成性誘導体を用いるのが好ましい。ま
た、エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物と
しては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル
酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,
7−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコー
ル、2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)
ベンゼン等のアルカリ金属塩(スルホン酸のアルカリ金
属塩を示す)及びこれらのエステル形成性誘導体を用い
るのが好ましく、5−スルホイソフタル酸、スルホテレ
フタル酸のナトリウム塩及びこれらのエステル形成性誘
導体を用いるのが好ましい。また、他の共重合成分とし
て脂肪族、脂環族等のジカルボン酸を用いてもよい。
グリコール成分の脂肪族または脂環族グリコールとして
は、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール等を用いるのが好ましい。
共重合ポリエステル樹脂の製造方法としては、例えば酸
成分としてテレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸、グリコール成分としてエチレングリコール、ジ
エチレングリコールからなる水溶性共重合ポリエステル
について説明すると、テレフタル酸、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸とエチレングリコール、ジエチレング
リコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル
酸ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチ
ル及びエチレングリコール、ジエチレングリコールとを
エステル交換反応させる第一段階と、この第一段階の反
応生成物を重縮合反応させる第二段階とによって製造す
る方法等を挙げることができる。
カリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜
鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物等が用い
られ、更に着色防止剤としてリン酸化合物等を用いても
よい。
層する共重合ポリエステル樹脂の極限粘度は特に限定さ
れないが、接着性の点で0.3dl/g以上、好ましく
は0.35dl/g以上、更に好ましくは0.4dl/
g以上が望ましい。
に応じて、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染
料、脂肪酸エステル、ワックス等の有機滑剤あるいはシ
リコーン等の消泡剤を配合してもよく、更には滑り性等
を付与する目的でクレー、マイカ、酸化チタン、炭酸カ
ルシウム、カオリン、湿式及び乾式法シリカ、コロイド
状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ
等の無機粒子、更にはアクリル系、スチレン系のモノマ
を構成成分とする有機粒子や架橋高分子粒子などを配合
してもよい。
共重合ポリエステル樹脂は、水に溶解し、水溶液として
使用することができる。この水溶液とは、物理的、化学
的な意味で厳密性を有するものではないが、80℃以上
の熱水で0.5〜10時間撹拌溶解させたとき、その5
0重量%以上が溶解あるいは消散するものをいう。
ので特に限定されない。
ば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート
(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル
基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基等)、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、等のヒ
ドロキシ基含有モノマ、アクリルアミド、メタクリルア
ミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロ
ールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリル
アミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メト
キシメチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルア
ミド等のアミド基含有モノマ、N,N−ジエチルアミノ
エチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメ
タクリレート等のアミノ基含有モノマ、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含
有モノマ、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩
(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)等のカル
ボキシル基またはその塩を含有するモノマ等が挙げられ
る。これらは他種のモノマと併用することができる。他
種のモノマとしては例えば、アリルグリシジルエーテル
等のエポキシ基含有モノマ、スチレンスルホン酸、ビニ
ルスルホン酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩等)等のスルホン酸基またはその塩
を含有するモノマ、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマール酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウ
ム塩、アンモニウム塩等)等のカルボキシル基またはそ
の塩を含有するモノマ、無水マレイン酸、無水イタコン
酸等の酸無水物を含有するモノマ、ビニルイソシアネー
ト、アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエ
ーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキ
シシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキル
フマール酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビ
ニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル等が挙げられる。上
述のモノマは1種もしくは2種以上を用いて共重合され
る。
酸塩基、スルホン酸塩基、又は硫酸半エステル塩基によ
り水への親和性が高められたものを挙げることができ
る。但し、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、又は硫酸
半エステル塩基等の含有量は、0.5〜15重量%が好
ましい。又、ポリウレタンの合成に用いるポリヒドロキ
シ化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリエチレン・プロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメ
チレングリコール、ヘキサメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリカプ
ロラクトン、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリテト
ラメチレンアジペート、トリメチロールプロパン、トリ
メチロールエタン、グリセリン等を挙げることができ
る。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート、トリレンジイソシアネートとトリメチロー
ルプロパンの付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート
とトリメチロールエタンの付加物などを挙げることがで
きる。
成分は、上記ポリイソシアネート化合物、ポリヒドロキ
シ化合物の他に、鎖長延長剤、架橋剤などを含んでいて
も良い。
ル、ポリイソシアネート、反応性水素原子を有する鎖長
延長剤及びイソシアネート基と反応する基、及びアニオ
ン性基を少なくとも1個有する化合物からなる樹脂が好
ましい。
ましくは−SO3 H、−OSO2 H、−COOH及びこ
れらのアンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カ
リウム塩あるいはマグネシウム塩として用いられる。
は、0.05重量%〜8重量%が好ましい。
ルフィルムに塗布することによって形成される。塗布手
段としては、大別してインラインコーティング法とオフ
ラインコーティング法とがあるが、中でも基材ポリエス
テルフィルムの結晶配向が完了する前に塗布し、乾燥
後、少なくとも1方向に延伸された後、ポリエステルフ
ィルムの結晶配向を完了させる、インラインコーティン
グ法が本発明の効果をより顕著に発現させることができ
るので好ましい方法である。即ち、未延伸あるいは長手
方向に延伸された基材ポリエステルフィルムの片面ある
いは両面にコロナ放電処理を施し、その処理面に本発明
の水系塗剤を塗布する。その後、連続的にクリップで把
持しながら約80〜130℃の熱風ゾーンに導き、水分
を除去し、乾燥した後、連続的に幅方向に2.5〜5.
0倍程度に延伸する。その後連続的に160〜240℃
の熱処理ゾーンに導き約1〜30秒の熱処理を行い、結
晶配向を完了させる方法である。また、幅方向の延伸後
であっても熱処理前の段階において更に長手方向に1.
1〜1.8倍の延伸を施してもよい。
害しない範囲において公知の添加剤、例えば酸化防止
剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易
滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、帯電防止
剤、核剤などを添加してもよい。特に架橋剤の添加は易
接着性をより向上させる点で好ましい。架橋剤の具体例
を挙げれば、メチロール化あるいはアルキロール化され
た尿素系、メラミン系、アクリルアミド系、ポリアミド
系、エポキシ系、ブロック化されたイソシアネート化合
物、オキサゾリン化合物、チタンキレート化合物等の有
機金属化合物等がある。
バースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、
ダイコート法等任意の方法を用いることができる。
の製造方法について、ポリエチレンテレフタレート(以
下PETと略称する)を例にして説明するが、当然これ
に限定されるものではない。実質的に粒子を含有しない
PETのペレットを十分に真空乾燥した後、押し出し機
に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出しし、冷
却固化せしめて未延伸PETシートを作成する。このシ
ートを80〜120℃に加熱したロールで長手方向に
2.5〜5.0倍延伸して一軸配向PETフィルムを得
る。このフィルムの片面にコロナ放電処理を施し、その
処理面に所定の濃度に希釈した本発明の水溶性高分子プ
ロトン酸及びその塩によるポリアニリン水分散体と、水
溶性あるいは水分散性樹脂とを主体とする混合物の水系
塗剤を塗布する。塗布後、フィルムの端部をクリップで
把持して80〜130℃に加熱された熱風ゾーンに導
き、乾燥後幅方向に2.5〜5.0倍に延伸する。引き
続き160〜240℃の熱処理ゾーンに導き、1〜30
秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させる。この熱処
理工程中で必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜
12%の弛緩処理を施してもよい。かくして得られた積
層ポリエステルフィルムは帯電防止性、更には易接着性
に優れたものであり、磁気記録材料、印刷用、その他一
般工業材料用ベースフィルム等に好適に使用できる。
特性の測定方法及び効果の評価方法は次のとうりであ
る。
い、積層フィルムの塗布面の断面を観察した写真から求
めた。厚みは測定視野内の30個の平均値とした。
小電流計R8340A(アドバンテスト(株)製)を用
いて測定した。
との密着性) 積層膜に1mm2 のクロスカットを100個入れ、ニチ
バン(株)製“セロハンテープ”をその上に貼り付け指
で強く押し付けた後、90゜方向に急速に剥離し、残存
した積層膜の個数により4段階評価(◎:100、○:
80〜99、△:50〜79、×:0〜49)した。
(◎)、(○)を接着性良好とした。
(株)製)100重量部に“スミジュール”N−75
(住友バイエル(株)製)1重量部を加え、固形分濃度
20重量%の塗料を作成し、バーコーターを用いて塗布
し、100℃で5分間乾燥した。接着性評価は上記
(3)と同様の方法で行った。
を塗布面を上にしてガラス板上に置き、カールの程度を
目視で測定し、以下の基準で評価した。
が、必ずしもこれに限定されるものではない。
/g)ペレットを十分に真空乾燥した後、280℃の加
熱された押し出し機に供給しT字型口金よりシート状に
押し出した。このシートを表面温度50℃の鏡面ドラム
に巻き付けて冷却固化せしめて未延伸PETフィルムを
作成した。このPETフィルムを95℃の加熱ロール郡
を通過させながら長手方向に3.5倍延伸し、一軸配向
フィルムとした。このフィルムの片面にコロナ放電処理
を施し、その処理面に水系塗剤としてポリスチレンスル
ホン酸アンモニウム塩(分子量12万)によるポリアニ
リン水分散体を結晶配向完了後において積層厚みが0.
1μmになるように塗布した。塗布後、連続的に端部を
クリップで把持しながら110℃の加熱ゾーンに導き、
予熱、乾燥を経て幅方向に4.0倍延伸し、更に230
℃の加熱ゾーンで30秒間熱処理を施し、基材PETフ
ィルム厚みが75μm、積層厚みが0.1μmの積層二
軸配向PETフィルムを得た。得られたフィルムは表面
比抵抗が1×108 (Ω/□)であり、帯電防止性に優
れていた。
エステルフィルムを作成した。得られたフィルムは表面
比抵抗が2×1014(Ω/□)であり、帯電防止性に劣
っていた。
た以外は、実施例1と同様にして積層ポリエステルフィ
ルムを作成した。結果を表1に示す。
系塗剤1とした以外は、実施例1と同様にして積層ポリ
エステルフィルムを作成した。結果を表1に示す。
(B)=80/20(重量比)で混合した2重量%液。
ウム塩(分子量12万)によるポリアニリン水分散体 (B):メチルメタクリレート/エチルアクリレート/
アクリル酸/N−メチロールアクリルアミドを50/4
5/3/2(重量%)の比率で乳化重合させた分子量約
30万の水系アクリル樹脂 実施例3 実施例2の水系塗剤で、成分(B)アクリル樹脂の代わ
りに下記した共重合ポリエステル樹脂とした水系塗剤2
を用いた以外は実施例1と同様にして積層ポリエステル
フィルムを作成した。結果を表1に示す。
(B)=80/20(重量比)で混合した2重量%液。
ウム塩(分子量12万)によるポリアニリン水分散体 (B):共重合ポリエステル樹脂 TPA/SSIA//EG/DEG 87.5 / 12.5 // 95 / 5 (モル%) TPA :テレフタル酸 SSIA:5−ナトリウムスルホイソフタル酸 EG :エチレングリコール DEG :ジエチレングリコール 上記共重合ポリエステル樹脂を90℃の熱水中で、2重
量%となるように1時間撹拌溶解し、室温に冷却後濾過
して使用した。
散体と(B)共重合ポリエステル樹脂との混合比を変え
た以外は、実施例1と同様にして積層ポリエステルフィ
ルムを作成した。結果を表1に示す。
フィルムを用いる以外は、実施例3と同様にして積層ポ
リエステルフィルムを作成した。結果を表1に示す。
ルフィルムは、帯電防止性、更には易接着性に優れた積
層膜を有する。
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、水溶性高分子プロトン酸及び/又はその塩によるポ
リアニリン水分散体を主体とする積層膜を設けたことを
特徴とする積層ポリエステルフィルム。 - 【請求項2】 該積層膜が、水溶性及び/又は水分散性
樹脂を含んでなることを特徴とする請求項1記載の積層
ポリエステルフィルム。 - 【請求項3】 水溶性及び/又は水分散性樹脂が、水溶
性及び/又は水分散性共重合ポリエステル樹脂であるこ
とを特徴とする請求項1又は2記載の積層ポリエステル
フィルム。 - 【請求項4】 ポリエステルフィルムがエチレンテレフ
タレート又はエチレンナフタレートを主要構成成分とす
るポリエステルからなることを特徴とする請求項1〜3
記載の積層ポリエステルフィルム。 - 【請求項5】 請求項1〜4記載の積層ポリエステルフ
ィルムの積層膜を設けるに際し、結晶配向が完了する前
のポリエステルフィルムの少なくとも片面に、該積層膜
成分を主体とする水系塗剤を塗布し、次いで乾燥、延
伸、熱処理を施して結晶配向を完了させたことを特徴と
する積層ポリエステルフィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25998594A JP3640026B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | 積層ポリエステルフィルム及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25998594A JP3640026B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | 積層ポリエステルフィルム及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08118572A true JPH08118572A (ja) | 1996-05-14 |
JP3640026B2 JP3640026B2 (ja) | 2005-04-20 |
Family
ID=17341686
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP25998594A Expired - Fee Related JP3640026B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | 積層ポリエステルフィルム及びその製造方法 |
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JP (1) | JP3640026B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997037843A1 (fr) * | 1996-04-11 | 1997-10-16 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Stratifie conducteur electriquement |
JP2001261984A (ja) * | 2000-02-19 | 2001-09-26 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | 白色不透明難燃性フィルム |
JP2006306106A (ja) * | 1998-06-22 | 2006-11-09 | Toyobo Co Ltd | 高制電性積層体およびそれを用いた成形品 |
JP2012214658A (ja) * | 2011-04-01 | 2012-11-08 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | 難燃性ポリエステルフィルム |
-
1994
- 1994-10-25 JP JP25998594A patent/JP3640026B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO1997037843A1 (fr) * | 1996-04-11 | 1997-10-16 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Stratifie conducteur electriquement |
JP2006306106A (ja) * | 1998-06-22 | 2006-11-09 | Toyobo Co Ltd | 高制電性積層体およびそれを用いた成形品 |
JP2001261984A (ja) * | 2000-02-19 | 2001-09-26 | Mitsubishi Polyester Film Gmbh | 白色不透明難燃性フィルム |
JP2012214658A (ja) * | 2011-04-01 | 2012-11-08 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | 難燃性ポリエステルフィルム |
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JP3640026B2 (ja) | 2005-04-20 |
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