JP2006306106A - 高制電性積層体およびそれを用いた成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の高制電性積層体は、基材の少なくとも片面に導電層を積層してなる高制電性積層体であって、(1)当該導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS0 )が1011Ω/□以下であり、かつ(2)当該高制電性積層体を40℃純水中に1時間浸漬した後の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS1 )とRS0 との比(RS1/RS0 )がl0以下であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
[1]基材の少なくとも片面に導電層を積層してなる高制電性積層体であって、(1)当該導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS0 )が1011Ω/□以下であり、かつ(2)当該高制電性積層体を40℃純水中に1時間浸漬した後の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS1 )とRS0 との比(RS1/RS0 )がl0以下であることを特徴とする高制電性積層体。
[2]高制電性積層体を150%伸張した後の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS2 )とRS0 との比(RS2 /RS0 )がl0以下であることを特徴とする上記[1]に記載の高制電性積層体。
[3]導電層の欠損率が30%以下であることを特徴とする上記[1]に記載の高制電性積層体。
[4]導電層が、導電性高分子および界面活性剤を含み、かつ硬化した層であることを特徴とする上記[1]に記載の高制電性積層体。
[5]導電層が、さらに熱可塑性高分子を含むことを特徴とする上記[4]に記載の高制電性積層体。
[6]上記[1]に記載の高制電性積層体を成形してなることを特徴とする電子部品用容器。
[7]トレイである上記[6]に記載の電子部品用容器。
[8]当該トレイは凹部とその外周のフランジ部とからなり、
(1)当該フランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS3 )が1011Ω/□以下で、(2)当該トレイを40℃純水中に1時間浸漬した後のフランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS4 )とRS3 との比(RS4 /RS3 )がl0以下であり、(3)フランジ部の厚みを1とした場合の厚み0.7〜0.5に相当する凹部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS5 )とRS3 との比(RS5 /RS3 )が100以下であり、かつ(4)導電層の欠損率が30%以下であることを特徴とする上記[7]に記載の電子部品用容器。
[9]上記[1]に記載の高制電性積層体を成形してなることを特徴とする電子部品用キャリアテープ。
[10]当該キャリアテープは長手方向に沿って複数配置された、電子部品を収納するための複数の凹部と、その外周のフランジ部とからなり、(1)当該フランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS6 )が1011Ω/□以下であり、(2)当該キャリアテープを40℃純水中に1時間浸漬した後のフランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS7 )とRS6 との比(RS7 /RS6 )がl0以下であり、(3)フランジ部の厚みを1とした場合の厚み0.7〜0.5に相当する凹部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS8 )とRS6 との比(RS8 /RS6 )が100以下であり、かつ(4)導電層の欠損率が30%以下であることを特徴とする上記[9]に記載の電子部品用キャリアテープ。
[11]容器と、対向する一対の端部が容器内に固定された、被包装物を挟持するための一対の伸縮性フィルムとを有する緩衝性包装部材であって、当該伸縮性フィルムが上記[1]〜[3]のいずれかに記載の高制電性積層体からなることを特徴とする緩衝性包装部材。
[12]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の高制電性積層体をICカード基体として用いたことを特徴とするICカード。
[22]導電層が、さらに熱可塑性高分子を含む上記[21]に記載の高制電性積層体。
[23]導電層が、架橋剤の架橋反応により硬化した層である上記[21]または[22]に記載の高制電性積層体。
[24]導電性高分子が、水または有機溶媒に可溶な導電性高分子である上記[21]に記載の高制電性積層体。
[25]導電性高分子が、ポリアニリン及び/またはその誘導体である上記[21]に記載の高制電性積層体。
[26]導電性高分子が、スルホン酸基含有ポリアニリン及び/またはその誘導体である上記[21]に記載の高制電性積層体。
[27]導電性高分子が、アルコキシ基置換アミノベンゼンスルホン酸を重合成分として含む重合体である上記[21]に記載の高制電性積層体。
[28]導電性高分子が、アミノアニソールスルホン酸を重合成分として含む重合体である上記[21]に記載の高制電性積層体。
[29]熱可塑性高分子が、親水性基を有するポリエステルである上記[22]に記載の高制電性積層体。
[30]熱可塑性高分子が、全ジカルボン酸成分に対し、親水性基を有するジカルボン酸を0.5〜15モル%、および/または全ジオール成分に対し、親水性基を有するジオールを0.5〜15モル%共重合した共重合ポリエステルである上記[22]に記載の高制電性積層体。
[31]熱可塑性高分子が、ポリエステルに親水性基を有するビニル系モノマーをグラフト重合したグラフトポリエステルである上記[22]に記載の高制電性積層体。
[32]架橋剤が、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能オキサゾリン化合物、多官能ビニル化合物、多官能アクリル化合物、多官能カルボン酸化合物、多官能アミン化合物、多官能ヒドロキシ化合物および多官能メルカプト化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記[23]に記載の高制電性積層体。
[33]導電層が、導電性高分子および/または熱可塑性高分子の自己架橋により硬化した層である上記[21]または[22]に記載の高制電性積層体。
[34]基材が有機樹脂からなるフィルムまたはシートであり、かつ積層体のヘイズが5.0以下である上記[21]に記載の高制電性積層体。
[35]基材が、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリウレタンからなる群から選ばれたフィルムまたはシートである上記[21]に記載の高制電性積層体。
[37]高制電性積層体を150%伸張した後の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS2 )とRS0 との比(RS2 /RS0 )がl0以下である上記[36]に記載の高制電性積層体。
[38]導電層の欠損率が30%以下である上記[36]に記載の高制電性積層体。
[39]導電層が、導電性高分子および界面活性剤を含みかつ硬化した層である上記[36]に記載の高制電性積層体。
[40]導電層が、さらに熱可塑性高分子を含む上記[39]に記載の高制電性積層体。
[41]上記[21]または[36]に記載の高制電性積層体を成形してなることを特徴とする電子部品用容器。
[42]トレイである上記[41]に記載の電子部品用容器。
[43]上記[21]または[36]に記載の高制電性積層体を成形してなることを特徴とする電子部品用キャリアテープ。
[44]基材の少なくとも片面に導電層を積層してなる高制電性積層体を成形してなる電子部品用トレイであって、当該トレイは凹部とその外周のフランジ部とからなり、(1)当該フランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS3 )が1011Ω/□以下で、(2)当該トレイを40℃純水中に1時間浸漬した後のフランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS4 )とRS3との比(RS4 /RS3 )がl0以下であり、(3)フランジ部の厚みを1とした場合の厚み0.7〜0.5に相当する凹部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS5 )とRS3 との比(RS5 /RS3 )が100以下であり、かつ(4)導電層の欠損率が30%以下であることを特徴とする電子部品用トレイ。
[45]上記[21]、[36]〜[38]のいずれかに記載の高制電性積層体を成形してなる上記[44]に記載の電子部品用トレイ。
[46]基材の少なくとも片面に導電層を積層してなる高制電性積層体を成形してなる電子部品用キャリアテープであって、当該キャリアテープは長手方向に沿って複数配置された、電子部品を収納するための複数の凹部と、その外周のフランジ部とからなり、(1)当該フランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS6 )が1011Ω/□以下であり、(2)当該キャリアテープを40℃純水中に1時間浸漬した後のフランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS7 )とRS6 との比(RS7 /RS6 )がl0以下であり、(3)フランジ部の厚みを1とした場合の厚み0.7〜0.5に相当する凹部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS8 )とRS6 との比(RS8 /RS6 )が100以下であり、かつ(4)導電層の欠損率が30%以下であることを特徴とする電子部品用キャリアテープ。
[47]上記[21]、[36]〜[38]のいずれかに記載の高制電性積層体を成形してなる上記(26)に記載の電子部品用キャリアテープ。
[48]容器と、対向する一対の端部が容器内に固定された、被包装物を挟持するための一対の伸縮性フィルムとを有する緩衝性包装部材であって、当該伸縮性フィルムが上記[21]および[36]〜[38]に記載の高制電性積層体から選ばれることを特徴とする緩衝性包装部材。
[49]上記[21]、[36]〜[38]のいずれかに記載の高制電性積層体をICカード基体として用いたことを特徴とするICカード。
本発明の高制電性積層体は、基材の少なくとも片面に導電層を積層してなる高制電性積層体である。
JIS K7105に準じ、日本電色工業製ヘイズメーター1001DPを用いて測定した。
高制電性積層体(またはトレイまたはキャリアテープ、これらの場合はフランジ部)の導電層について、タケダ理研社製表面抵抗測定器を用いて印加電圧500V、25℃、15%RHの条件下で測定した。また、トレイまたはキャリアテープにおいては、フランジ部の厚みを1とした場合の厚み0.7〜0.5に相当する凹部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗値(RS5 、RS8 )を求め、フランジ部の導電層の表面抵抗値(RS3 、RS6 )との比(RS5 /RS3 、RS8 /RS6 )を求めた。なお、トレイまたはキャリアテープにおいては、フランジ部および凹部の厚みをデジタル厚み計で確認しながら、表面抵抗値を測定し、厚み、表面抵抗値共に5点の平均を取った。
高制電性積層体(またはトレイまたはキャリアテープ)の40℃の純水中に1時間浸漬した後の導電層の表面抵抗値(RS1 、RS4 、RS7 )を25℃、15%RHの条件下で測定し、浸漬前の導電層の表面抵抗値(RS0 、RS3 、RS6 )との比(RS1 /RS0 、RS4 /RS3 、RS7 /RS6 )によりその耐水性評価を行った。
東洋精機(株)製2軸延伸装置を用い、窒素雰囲気下、予熱時間15秒、引張速度5m/mimで高制電性積層体(92mm×92mm)を1軸方向に150%伸張した。この時の温度は、基材がI 、II、III 、IV、V の場合にそれぞれ110 ℃、130 ℃、110 ℃、100 ℃、150 ℃とした。伸張した後の導電層の表面抵抗値(RS2 )を25℃、15%RHの条件下で求め、伸張前の導電層の表面抵抗値(RS0 )との比(RS2 /RS0 )を求めた。
40℃、80%RHの雰囲気下で、高制電性積層体の導電層ともう1つの高制電性積層体の基材裏面(導電層非形成面)とを重ね、100g/cm2 の荷重をかけ24時間放置した後、その2枚のサンプルの剥離時の状況を以下のように評価した。
剥離時、何ら抵抗のない場合:○
剥離時、若干抵抗がある場合:△
剥離時、抵抗がかなり大きい場合:×
40cm×60cmの高制電性積層体の表面(導電層側)を目視で観察し、欠損部分を油性インクで塗った。この欠損部分の面積を画像解析装置(東洋紡績(株)製 V10)を用いて測定し欠損率を算出した。トレイ、キャリアテープの場合、表面(導電層側)を目視で観察し、欠損部分を油性インクで塗った後、平面に切り開き、これについて上記と同様の方法により測定し算出した。
2−アミノアニソール−4−スルホン酸100mmolを23℃で4モル/リットルのアンモニア水溶液に攪はん溶解し、ペルオキソ二硫酸アンモニウム100mmolの水溶液を滴下した。滴下終了後23℃で10時間さらに攪はんした後、反応生成物を濾別洗浄、乾燥し、粉末状の重合体13gを得た。上記重合体3重量部を0.3モル/リットルの硫酸水溶液100重量部に室温で攪はん溶解しスルホン化ポリアニリンを得た。この時のスルホン化ポリアニリンのスルホン酸基の含有量は100%であった。上記スルホン化ポリアニリン2重量部を、水50重量部及びイソプロパノール50重量部に溶解し、水/アルコール溶液(Paq)を調製した。
スルホン酸基含有共重合ポリエステルを次の方法により合成、さらにその分散液を以下のごとく調製した。ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタレート48モル%、ジメチルイソフタレート48モル%及び5−スルホイソフタル酸ナトリウム4モル%を使用し、グリコール成分としてエチレングリコール80モル%及びジエチレングリコール20モル%を用いて、常法によりエステル交換反応及び重縮合反応を行った。得られたスルホン酸塩基含有共重合ポリエステルのガラス転移温度は61℃であった。このスルホン酸塩基含有共重合ポリエステル300部とn−ブチルセロソルブ150部とを加熱攪拌して、粘ちょうな溶液とし、さらに攪拌しつつ水550部を徐々に加えて、固形分30重量%の均一な淡白色の水分散液を得た。この分散液をさらに水とイソプロパノールの等量混合液中に加え、固形分が8重量%のスルホン酸塩基含有共重合ポリエステル水分散液を(Aaq)を調製した。
攪拌機、温度計及び部分還流式冷却器を備えたステンレススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート5モル、ジメチルイソフタレート4.5モル、エチレングリコール6.5モル、1,3−プロピレングリコール3.5モル、及びテトラ−n−ブチルチタネート0.002モルを仕込み、160〜220℃まで4時間かけてエステル交換反応を行った。ついでフマル酸0.5モルを加え、200〜220℃まで1時間かけて昇温し、反応系を徐々に減圧したのち、0.2mmHgの減圧化で1時間30分反応させ、ポリエステル(Bo)を得た。
ポリビニルアルコール(ケン化率98%)の10%水溶液を調製し、そのポリビニルアルコール固形分100重量部に対して、第一工業製薬〔株〕品エラストロンBN69を10重量部混合し、ポリビニルアルコール/架橋剤混合水分散液(Caq)とし、以下の塗布液の調合に用いた。
本実施例中に用いた基材シートは以下のごとくで、その製法を示した。
[基材シートI]PET(ポリエチレンテレフタレート)を290℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ロールで冷却して、厚さ500μmの未延伸シートを得、これを基材シートIとした。可視光線透過率95%
[基材シートII]PEN〔ポリエチレンナフタレート〕を300℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ロールで冷却して、厚さ500μmの未延伸シートを得、これを基材シートIIとした。可視光線透過率94%
[基材シートIII]ポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール成分の30モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換した共重合体を290℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ロールで冷却して、厚さ500μmの未延伸シートを得、これを基材シートIIIとした。可視光線透過率95%
[基材シートIV]ポリエチレンテレフタレートのエチレングリコール成分の30モル%をネオペンチルグリコールに置換した共重合体を290℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ロールで冷却して、厚さ500μmの未延伸シートを得、これを基材シートIVとした。可視光線透過率95%
[基材シートV]ポリカーボネートを290℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ロールで冷却して、厚さ500μmの未延伸シートを得、これを基材シートVとした。可視光線透過率95%
合成例1で得たスルホン化ポリアニリンの水/アルコール溶液(Paq)と合成例2で得たスルホン酸塩基含有共重合ポリエステルの水/アルコール分散液(Aaq)とを固形分比(重量比)が20/80となるように、また、ノニオン系界面活性剤エマルゲン810(花王製)を合成例1で得た溶液(Paq)中のスルホン化ポリアニリンとの重量比が8/100となるように、さらに、合成例4のポリビニルアルコール/水系ポリイソシアネート架橋剤混合水分散液(Caq)を合成例2で得た分散液(Aaq)との固形分比(重量比)が20/100となるように、それぞれ混合し、本実施例の塗布液を調製した。基材シートI、II、III、IVおよびV上に上記塗布液を固形分濃度が0.5g/m2 になるように塗布し、70℃の熱風で乾燥した。これらのシートの評価結果を表1に示す。
実施例1において、合成例2で得た分散液(Aaq)の代わりに、合成例3で得たグラフトポリエステルの水分散液(Baq)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして塗布液を調製した。基材シートI、II、III、IVおよびV上に上記塗布液を固形分濃度が0.5g/m2 になるように塗布し、70℃の熱風で乾燥した。これらのシートの評価結果を表1に示す。
実施例1において、合成例4で得た水分散液(Caq)の代わりに、グリセロールポリグリシジルエーテルを用い、グリセロールポリグリシジルエーテルを合成例2で得た分散液(Aaq)との固形分比(重量比)が2/100になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして塗布液を調製した。基材シートI、II、III、IVおよびV上に上記塗布液を固形分濃度が0.5g/m2 になるように塗布し、70℃の熱風で乾燥した。これらのシートの評価結果を表1に示す。
合成例1で得たスルホン化ポリアニリン溶液(Paq)、合成例2で得たスルホン酸塩基含有共重合ポリエステル分散液(Aaq)およびスミマールM−30W(メチル化メラミン樹脂、住友化学工業製)を固形分比(重量比)で10/85/5となるように配合し、これを混合溶媒(水/イソプロパノール=50/50(重量比))で固形分濃度2〜5%の溶液とした。この溶液に対して、メガファックF−142D(フッ系界面活性剤、大日本インキ製)を0.08重量%添加し、塗布液を調製した。基材シートI、II、III、IVおよびV上に上記塗布液を固形分濃度が0.3g/m2 になるように塗布し、70℃の熱風で乾燥した。これらのシートの評価結果を表1に示す。
実施例1、2において、合成例4で得た水分散液(Caq)を添加しなかったこと以外は、それぞれ実施例1、2と同様にして塗布液を調製し、実施例1、2と同様の方法によりシートを得た。
実施例3において、グリセロールポリグリシジルエーテルを添加しなかったこと以外は、実施例3と同様にして塗布液を調製し、実施例1、2と同様の方法によりシートを得た。
界面活性剤を配合しない以外は実施例1と同様の塗布液を使用し、基材シートIにコロナ放電処理を行った後にこの塗布液を塗布したこと以外は、実施例1と同様の方法によりシートを得た。塗布直後に塗布液のはじきが観察された。実施例および比較例の評価結果を表1、2に示す。
三和興業(株)真空成型機(PLAVAC)を用い、110℃、13秒の予備加熱、55℃、15秒の成形条件で、9cm×6cm、深さ4cmの凹部を3列×4行有し、フランジ部の幅が3cmのトレイを成形した。なお実施例1−1、1−3、2−1、3−1、4−1、4−3および4−5で得られたシートを使用した。評価結果を表3に示す。
トレイと同じ成形条件で、8mm×8mm、深さ5mmの凹部を1列有する、50×50cmのシートを作成し、凹部の1列を幅20mmにカットし、これをつなぎあわせてキャリアテープのモデルとした。なお実施例1−1、1−3、2−1、3−1、4−1、4−3および4−5で得られたシートを使用した。評価結果を表4に示す。
ポリエチレンとポリウレタンを多層押出し、さらにインフレーション製膜機で、ポリエチレン・ポリウレタン(各膜厚100ミクロン、80ミクロン)の2層フィルムを得、これを基材シートVIとした。実施例2の塗布液を基材シートVIのポリウレタン表面に塗布した。十分乾燥させた後、ポリエチレン層を剥離し、導電性ポリウレタンフィルムを得た。このフィルムの導電層の25℃、15%RHの条件下で表面抵抗値は2×109 Ω/□であった。また、このフィルムを150%伸張した後の25℃、15%RHの条件下で表面抵抗値は1010Ω/□以下であった。図1に示すように、このフィルム2をダンボール製枠5(25cm×30cm、開口部15cm×20cm)に両面テープで張りつけ、この2枚のフィルム2付き枠5間に回路基板3を挟み、これを段ボール製の箱1に、回路基板3がフィルム2により箱1内の空中に保持されるように入れた。
2 高制電性積層体(伸縮性フィルム)
3 被包装物
4 ふた
5 枠
Claims (12)
- 基材の少なくとも片面に導電層を積層してなる高制電性積層体であって、
(1)当該導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS0 )が1011Ω/□以下であり、かつ
(2)当該高制電性積層体を40℃純水中に1時間浸漬した後の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS1 )とRS0 との比(RS1/RS0 )がl0以下であることを特徴とする高制電性積層体。 - 高制電性積層体を150%伸張した後の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS2 )とRS0 との比(RS2 /RS0 )がl0以下であることを特徴とする請求項1に記載の高制電性積層体。
- 導電層の欠損率が30%以下であることを特徴とする請求項1に記載の高制電性積層体。
- 導電層が、導電性高分子および界面活性剤を含み、かつ硬化した層であることを特徴とする請求項1に記載の高制電性積層体。
- 導電層が、さらに熱可塑性高分子を含むことを特徴とする請求項4に記載の高制電性積層体。
- 請求項1に記載の高制電性積層体を成形してなることを特徴とする電子部品用容器。
- トレイである請求項6に記載の電子部品用容器。
- 当該トレイは凹部とその外周のフランジ部とからなり、
(1)当該フランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS3 )が1011Ω/□以下で、
(2)当該トレイを40℃純水中に1時間浸漬した後のフランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS4 )とRS3 との比(RS4 /RS3 )がl0以下であり、
(3)フランジ部の厚みを1とした場合の厚み0.7〜0.5に相当する凹部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS5 )とRS3 との比(RS5 /RS3 )が100以下であり、かつ
(4)導電層の欠損率が30%以下であることを特徴とする請求項7に記載の電子部品用容器。 - 請求項1に記載の高制電性積層体を成形してなることを特徴とする電子部品用キャリアテープ。
- 当該キャリアテープは長手方向に沿って複数配置された、電子部品を収納するための複数の凹部と、その外周のフランジ部とからなり、
(1)当該フランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS6 )が1011Ω/□以下であり、
(2)当該キャリアテープを40℃純水中に1時間浸漬した後のフランジ部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS7 )とRS6 との比(RS7 /RS6 )がl0以下であり、
(3)フランジ部の厚みを1とした場合の厚み0.7〜0.5に相当する凹部の導電層の25℃、相対湿度15%での表面抵抗(RS8 )とRS6 との比(RS8 /RS6 )が100以下であり、かつ
(4)導電層の欠損率が30%以下であることを特徴とする請求項9に記載の電子部品用キャリアテープ。 - 容器と、対向する一対の端部が容器内に固定された、被包装物を挟持するための一対の伸縮性フィルムとを有する緩衝性包装部材であって、
当該伸縮性フィルムが請求項1〜3のいずれか一項に記載の高制電性積層体からなることを特徴とする緩衝性包装部材。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の高制電性積層体をICカード基体として用いたことを特徴とするICカード。
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