JP5385502B2 - 帯電防止性塗布層を有するポリエステルフィルム - Google Patents
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Description
(A):電子導電性化合物
(B):グリセリン(b2)、ポリグリセリン(b3)、グリセリンまたはポリグリセリンへのアルキレンオキサイド付加物(b4)の群から選ばれる1種以上の化合物またはその誘導体
(C):ポリオレフィン系ワックス化合物(c1)、フッ素化合物(c2)、シリコーン系化合物(c3)の群から選ばれる1種以上の化合物またはその誘導体
本発明の塗布フィルムの基材フィルムは、ポリエステルからなるものである。かかるポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸のようなジカルボン酸またはそのエステルとエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールのようなグリコールとを溶融重縮合させて製造されるポリエステルである。これらの酸成分とグリコール成分とからなるポリエステルは、通常行われている方法を任意に使用して製造することができる。
例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルとグリコールとの間でエステル交換反応をさせるか、あるいは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化させるかして、実質的に芳香族ジカルボン酸のビスグリコールエステル、またはその低重合体を形成させ、次いでこれを減圧下、加熱して重縮合させる方法が採用される。その目的に応じ、脂肪族ジカルボン酸を共重合しても構わない。
JIS−K7136に準じて、日本電色工業社製積分球式濁度計NDH−2000によりフィルムのヘーズを測定し、塗布層を設けていないフィルムと塗布層を設けたフィルムのヘーズの差を計算し、塗布層を設けることによるヘーズの上昇を求め、塗布層の透明性として評価した。かかるヘーズの上昇が小さいほど、塗布層の透明性が優れるといえる。
特に、本方法においてヘーズの差が0.5%以下であれば透明性に優れ、0.2%以下であれば特に優れているといえる。一方、0.5%を超える場合は透明性がやや劣り、1.0%を超える場合は特に透明性に劣るといえる。
下記(2−1)の方法に基づき、フィルム塗布層の表面固有抵抗を測定した。(2−1)の方法では、1×108Ωより高い表面固有抵抗は測定できないため、(2−1)で測定できなかったサンプルについては(2−2)の方法を用いた。
(2−1)三菱化学社製低抵抗率計:ロレスタGP MCP−T600を使用し、23℃,50%RHの測定雰囲気でサンプルを30分間調湿後、表面固有抵抗値を測定した。
(2−2)日本ヒューレット・パッカード社製高抵抗測定器:HP4339Bおよび測定電極:HP16008Bを使用し、23℃,50%RHの測定雰囲気でサンプルを30分間調湿後、表面固有抵抗値を測定した。
太平理化工業社ラビングテスター専用治具(5cm×7cm,500g)にシート状コットン(旭化成社製ベンコット)を巻き付け、そこに溶剤を2ml染みこませて、帯電防止性塗布層の表面を5往復(15cm長の範囲)拭いてサンプルを調整した。その後、擦った箇所を目視で観察し、下記基準にて評価した。なお溶剤としては、エタノールとトルエンをそれぞれ用いた。
○:擦った箇所に外観の変化が認められない
×:擦った箇所に白化が見られる
フィルムを40℃、90%RHの恒温槽内にて1週間保管し、帯電防止性塗布層の外観の変化を目視で評価した。
○:外観に変化がない
×:白化などの外観変化が認められる
帯電防止性塗布層の表面に微粘着層面を擦り付けた後、付着した微粘着糊をシート状コットン(旭化成社製ベンコット)で拭き取った。この結果を下記基準にて評価した。
○:容易に拭き取れる
×:粘着糊がこびりついており、容易に拭き取れない、または拭き取っても痕跡が残る
(ポリエステル1):実質的に粒子を含有しない、極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレート
(A1):ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸からなる、スタルク株式会社製 Baytron P AG
(B2):前記式(3)でn=2であるポリグリセリン骨格への、ポリエチレンオキサイド付加物。平均分子量350
(C2):ガラス製反応容器中に、パーフルオロアルキル基含有アクリレートであるCF3(CF2)nCH2CH2OCOCH=CH2(n=5〜11、nの平均=9)80.0g、アセトアセトキシエチルメタクリレート20.0g、ドデシルメルカプタン0.8g、脱酸素した純水354.7g、アセトン40.0g、C16H33N(CH3)3Cl1.0gおよびC8H17C6H4O(CH2CH2O)nH(n=8)3.0gを入れ、アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩0.5gを加え、窒素雰囲気下で攪拌しつつ60℃で10時間共重合反応させて得られたフッ素含有樹脂エマルジョン。
(D2):メチル化メチロールメラミンである、大日本インキ化学工業製ベッカミンJ−101
ポリエステル1とポリエステル2とを重量比で80/20ブレンドし、十分に乾燥した後、280〜300℃に加熱溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電密着法を用いて表面温度40〜50℃の鏡面冷却ドラムに密着させながら冷却固化させて、未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを作成した。このフィルムを85℃の加熱ロール群を通過させながら長手方向に3.7倍延伸し、一軸配向フィルムとした。この一軸配向フィルムをテンター延伸機に導き、100℃で幅方向に4.0倍延伸し、さらに230℃で熱処理を施し、フィルム厚みが38μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。このフィルムの特性を、下記表2に示す。
上記比較例1と同様の工程の中で、長手方向への延伸後の一軸配向フィルムの片面に、コロナ処理機を用いて、約30W/m2・分で均一に処理を行った。次いで放電処理された面に、下記表1に示すとおりの塗布組成物を塗布した。次いでこのフィルムをテンター延伸機に導き、その熱を利用して塗布組成物の乾燥を行い、以降は比較例1と同様にし、フィルム厚みが38μmの基材フィルムの上に0.023g/m2の量の帯電防止性塗布層を積層した塗布フィルムを得た。このフィルムの特性を、表2に示す。なお、塗布層透明性を評価する際、塗布層を設けていないフィルムのヘーズ値としては、比較例1のフィルムヘーズ3.9%を用いた(以下の実施例、比較例においても同様)。
実施例1と同様の工程において、塗布液を表1に示すように変更し、フィルム厚みが38μmの基材フィルムの上に0.022g/m2の量の帯電防止性塗布層を積層した塗布フィルムを得た。このフィルムの特性を、表2に示す。
実施例1と同様の工程において、塗布液を表1に示すように変更し、フィルム厚みが38μmの基材フィルムの上に0.024g/m2の量の帯電防止性塗布層を積層した塗布フィルムを得た。このフィルムの特性を、表2に示す。
実施例1と同様の工程において、塗布液を表1に示すように変更し、フィルム厚みが38μmの基材フィルムの上に0.024g/m2の量の帯電防止性塗布層を積層した塗布フィルムを得た。このフィルムの特性を、表2に示す。
実施例1と同様の工程において、塗布液を表1に示すように変更し、フィルム厚みが38μmの基材フィルムの上に0.016g/m2の量の帯電防止性塗布層を積層した塗布フィルムを得た。このフィルムの特性を、表2に示す。
実施例1と同様の工程において、塗布液を表1に示すように変更し、フィルム厚みが38μmの基材フィルムの上に0.012g/m2の量の帯電防止性塗布層を積層した塗布フィルムを得た。このフィルムの特性を、表2に示す。
実施例1と同様の工程において、塗布液を表1に示すように変更し、フィルム厚みが38μmの基材フィルムの上に0.034g/m2の量の帯電防止性塗布層を積層した塗布フィルムを得た。このフィルムの特性を、表2に示す。
Claims (3)
- 下記の成分(A)、(B)および(C)を含有する塗布液をポリエステルフィルムの片面に塗布し、乾燥してなる帯電防止性塗布層を有し、当該帯電防止性塗布層中の成分(A)の重量比率が1〜90%であり、成分(A)と成分(B)との重量比が90/10〜1/99であり、成分(C)の重量比率が0.5〜30%であることを特徴とするポリエステルフィルム。
(A):電子導電性化合物
(B):グリセリン(b2)、ポリグリセリン(b3)、グリセリンまたはポリグリセリンへのアルキレンオキサイド付加物(b4)の群から選ばれる1種以上の化合物またはその誘導体
(C):ポリオレフィン系ワックス化合物(c1)、フッ素化合物(c2)、シリコーン系化合物(c3)の群から選ばれる1種以上の化合物またはその誘導体 - 電子導電性化合物(A)が、チオフェンまたはチオフェン誘導体を重合して得られる重合体であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルフィルム。
- 請求項1または2に記載のポリエステルフィルムの帯電防止性塗布層とは反対面に、微粘着層を有することを特徴とする光学部材表面保護用ポリエステルフィルム。
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