JPH09194806A - 離型剤組成物及び離型シート - Google Patents

離型剤組成物及び離型シート

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JPH09194806A
JPH09194806A JP564596A JP564596A JPH09194806A JP H09194806 A JPH09194806 A JP H09194806A JP 564596 A JP564596 A JP 564596A JP 564596 A JP564596 A JP 564596A JP H09194806 A JPH09194806 A JP H09194806A
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JP
Japan
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polymer
acid
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water
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JP564596A
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English (en)
Inventor
Tsunehisa Ueda
倫久 上田
Keisuke Miyake
啓介 三宅
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】静電気の発生の少ない離型剤組成物と、該組成
物を用いて製せられた離型シートに関するもである。 【解決手段】アルキル基の炭素数が6〜30の長鎖アル
キル基を側鎖に有する高分子離型剤と導電性アニリン系
重合体とが混合されてなる離型剤組成物、及び、基材の
少なくとも片面に、上記の離型剤組成物からなる離型剤
層が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電気の発生の少
ない離型剤組成物と、該組成物を用いて製せられた離型
シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子部品を固定する為に使用さ
れる両面テープ類は、その粘着剤層を保護する目的で、
保護シートが貼り合わされており、使用する直前に、該
粘着剤層から保護シートを剥離・除去して使用する。保
護シートは、剥離・除去作業を効率的にする為、粘着剤
層に対し、粘着力と剥離性とに適切なバランスが取れる
ように工夫し、通常、離型剤によって処理された離型シ
ートが使用されている。粘着剤層、離型剤層は、いずれ
も、一般に、絶縁材料である為、離型シートを剥離・除
去する際に、剥離する力が電気的エネルギーに変化し
て、離型シートと粘着剤層との両者に静電気が必ず発生
(以後、この現象を剥離帯電と呼ぶ)する。
【0003】粘着テープと離型シートとが帯電すると、
周囲の塵埃が粘着テープ、離型シートに引き寄せられ
て、電子部品の電気性能を悪化させ、同時に、帯電によ
るクーロンの力によって、該テープが電子部品の所定の
位置に正確に貼り付けることができなくなり、作業性を
著しく悪化させる。更に、最悪の場合は、帯電による過
電圧により、電子部品を破壊してしまう等の問題を発生
させている。この傾向はシリコーン系離型剤によって処
理された離型シートに、特に、著しい。
【0004】剥離帯電を防止する為、特開平3−393
79号公報には、離型シート基材と粘着剤層との間に、
導電層として、ポリアニリンからなる導電性高分子の薄
膜を設ける方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平3−3
9379号公報の場合は、テープ基材の上に導電層を形
成し、該導電層の上に、更に、離型剤層を設ける方法で
あるので、処理工程が2つになり、導電層の上に、絶縁
性の離型剤層を設ける為、離型剤層を極く薄い膜にし
て、電気抵抗を小さくさせなければ、剥離帯電を防止す
ることができない。離型剤層を薄くすると、離型効果が
充分に得られない為、離型シートを剥離する力が多く要
り、テープを貼り合わせる作業がし辛くなる欠陥があっ
た。
【0006】本発明は、上述の如き従来の問題点を解消
し、1工程の塗布で、剥離帯電防止性と離型性とを同時
に付与できる離型剤組成物、及び、これを使用して得ら
れる剥離力が小さく、剥離帯電性の少ない離型シートを
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の離型剤組成物
は、アルキル基の炭素数が6〜30の長鎖アルキル基を
側鎖に有する高分子離型剤と、導電性アニリン系重合体
とが、混合されてなることを特徴とし、水溶液系又は水
分散系離型剤組成物、若しくは、有機溶液系又は有機溶
剤分散系離型剤組成物の形で供給される。
【0008】又、本発明の離型シートは、基材の少なく
とも片面に、請求項1に記載の離型剤組成物からなる離
型剤層が設けられていることを特徴とする。
【0009】高分子離型剤 本発明の高分子離型剤としては、アルキル基の炭素数が
6〜30の長鎖アルキル基を側鎖に有する高分子化合物
であって、例えば、(1)長鎖アルキル基を含有するビ
ニルモノマーの共重合体、(2)カルボキシル基含有ビ
ニルモノマーの共重合体の長鎖アルキル変性体、(3)
水酸基を含有する共重合体の長鎖アルキル変性体、
(4)活性水素を含有するポリアミン化合物の長鎖アル
キル変性体等が挙げられる。アルキル基の炭素数が6未
満の場合は、反応して得られる高分子離型剤の離型性能
が充分得られず、アルキル基の炭素数が30を越える
と、共重合体に対する長鎖アルキル化合物の反応性が低
下する。以下、これらの高分子離型剤(1)〜(4)
を、順次、説明する。
【0010】(1)長鎖アルキル基を含有するビニルモ
ノマーの共重合体 長鎖アルキル基を含有するビニルモノマーの共重合体と
しては、炭素数6〜30の長鎖アルキル基を含有するビ
ニルモノマーの共重合体を意味し、例えば、オクチルメ
タアクリレート、ステアリルアクリレート等の長鎖アル
キル(メタ)アクリレートの共重合体、ビニルオクチレ
ート、ビニルステアレート等の長鎖アルキルビニルエス
テルの共重合体、ビニルステアリルエーテル等の長鎖ア
ルキルビニルエーテルの共重合体、ステアリルアクリル
アマイド等の長鎖アルキル(メタ)アクリルアマイドの
共重合体、マレイン酸モノステアレート等のマレイン酸
の長鎖アルキル誘導体の共重合体、アリルステアレート
等の長鎖アルキルアリルエステルの共重合体等が挙げら
れる。
【0011】これらの共重合体は、長鎖アルキル基を含
有するビニルモノマーを50モル%以上含有しているこ
とが必要で、50モル%未満である場合は、離型性能が
充分得られない。共重合されるビニルモノマーは、特に
限定されるものではないが、エチレン、スチレン、メチ
ルアクリレート、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、ア
クリロニトリルなど通常のビニルモノマーが挙げられ、
長鎖アルキル基を含有するビニルモノマーを含め、該共
重合体を構成するビニルモノマーが2種類以上含まれて
いても、何ら、本発明を制限するものではない。共重合
体の重合度は300〜5000の範囲が好ましく、更に
好ましくは、800〜2500である。重合度が300
未満であると、高分子離型剤の離型性能が悪化し、50
00を越えると、溶液の粘度が高すぎたり、水への分散
が困難となり、離型剤組成物の塗工加工性が悪くなる。
【0012】(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー
の共重合体の長鎖アルキル変性体 カルボキシル基含有ビニルモノマーの共重合体とは、例
えば、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタ
コン酸などの群から選ばれた少なくとも1種のカルボキ
シル基を含有するビニルモノマー50モル%以上と、エ
チレン、スチレン、メチルメタアクリレート、酢酸ビニ
ル、ブチルアクリレートなどの通常のビニルモノマーの
群から選ばれた少なくとも1種との共重合体が挙げら
れ、具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチ
レン−マレイン酸共重合体、ブチルアクリレート−アク
リル酸−マレイン酸共重合体などが挙げられる。共重合
体の重合度は300〜5000の範囲が好ましく、更に
好ましくは、800〜2500である。重合度が300
未満であると、この共重合体を用いて得られる高分子離
型剤の離型性能が悪化し、5000を越えると、溶液の
粘度が高すぎたり、水への分散が困難となり、離型剤組
成物の塗工加工性が悪くなる。
【0013】カルボキシル基含有ビニルモノマーの共重
合体の長鎖アルキル変性物とは、カルボキシル基と反応
する官能基を含有する長鎖アルキル化合物を変性剤とし
て、上記共重合体のカルボキシル基に反応させて、側鎖
に長鎖アルキル基を多数結合させた高分子離型剤を意味
する。長鎖アルキル化合物による共重合体の変性量は、
該共重合体に含有するカルボキシル基1当量に対し、カ
ルボキシル基と反応する長鎖アルキル化合物を0.5当
量以上反応させることが好ましく、0.5当量未満であ
る場合は、離型性能が充分得られない。
【0014】共重合体のカルボキシル基と反応する長鎖
アルキル化合物を、具体的に例示すると、オクチルアミ
ン、オクチルメチルアミン、ステアリルアミン等のアミ
ン類;オクチルアルコール、ステアリルアルコール等の
アルコール類;オクチルグリシジルエーテル、ドデシル
グリシジルエーテル等のエポキシ類;ヘキシルイソシア
ネート、オクチルイソシアネート、ドデシルイソシアネ
ート等のイソシアネート類;オクチルケテンダイマー、
ドデシルケテンダイマー、オクタデシルケテンダイマ
ー、ドコサニルケテンダイマー等のケテン類;オクチル
オキサゾリン、ステアリルオキサゾリン等のアルキルオ
キサゾリン類等が挙げられ、これらの少なくとも1種を
カルボキシル基含有ビニル共重合体に反応させる。
【0015】本発明のカルボキシル基含有ビニルモノマ
ーの共重合体の長鎖アルキル変性物は、カルボキシル基
の部分が、ポリアニリン系重合体のドーパントとして働
き、ポリアニリン系重合体と対イオンを形成して、該ポ
リアニリン系重合体を導電性にすると共に、親水性にす
る。それ故に、該高分子離型剤は、ポリアニリン系重合
体に対し、相溶化剤、親水化剤、水分散安定剤、導電化
剤の役割を果たし、絶妙な導電性離型剤組成物にする。
【0016】(3)水酸基を含有する共重合体の長鎖ア
ルキル変性物 水酸基を含有する共重合体とは、例えば、ポリ酢酸ビニ
ルの部分鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリアリルア
ルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分鹸化
物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとブチ
ルアクリレートなどのビニルモノマーとの共重合体等が
挙げられ、水酸基はモノマー換算で、50モル%以上が
共重合体に含有されていることが必要である。50モル
%未満では、長鎖アルキル化合物を側鎖に反応させた場
合、該高分子離型剤の離型性能が低下する。共重合体の
重合度は300〜5000の範囲が好ましく、更に好ま
しくは、800〜2500である。重合度が300未満
であると、この共重合体を用いて得られる高分子離型剤
の離型性能が悪化し、5000を越えると、溶液の粘度
が高すぎたり、水への分散が困難となり、離型剤の塗工
加工性が悪くなる。
【0017】水酸基を含有する共重合体の長鎖アルキル
変性物とは、炭素数6〜30の長鎖アルキル基を有する
イソシアネート、カルボン酸、酸ハライド、ケテン、ア
ルデヒド、及び、エポキシからなる群より選ばれる少な
くとも1種を、該共重合体の水酸基1当量に対し、0.
5当量以上反応させて得られる側鎖に長鎖アルキル基を
有する高分子離型剤を意味し、0.5当量未満である場
合は、離型性能が充分得られない。
【0018】上述の共重合体の水酸基と反応する長鎖ア
ルキル化合物を、具体的に例示すると、イソシアネート
基を有するものとしては、ヘキシルイソシアネート、オ
クチルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、オク
タデシルイソシアネート、ドコサニルイソシアネート等
が挙げられ、カルボキシル基を有するものとしては、オ
クタン酸、ドデカン酸、オクタデカン酸、ドコサン酸等
が挙げられ、酸ハライド基を有するものとしては、オク
タノイルクロライド、ドデカノイルクロライド、オクタ
デカノイルクロライド、オクタデシロイルクロライド、
ドコサノイルクロライド等が挙げられ、ケテン基を有す
るものとしては、オクチルケテンダイマー、ドデシルケ
テンダイマー、オクタデシルケテンダイマー、ドコサニ
ルケテンダイマー等が挙げられ、アルデヒド基を有する
ものとしては、ヘキシルアルデヒド、オクチルアルデヒ
ド、ドデシルアルデヒド、オクタデシルアルデヒド、ド
コサニルアルデヒド等が挙げられ、エポキシ基を有する
ものとしては、オクチルグリシジルエーテル、ドデシル
グリシジルエーテル、オクタデシルグリシジルエーテ
ル、ドコサニルグリシジルエーテル等が挙げられ、これ
らの少なくとも1種が好適に用いられる。
【0019】(4)活性水素を含有するポリアミン化合
物の長鎖アルキル変性物 活性水素を含有するポリアミン化合物とは、第1級アミ
ノ基(−NH2 )及び/又は第2級アミノ基(−NH
−)を含有するポリアミン化合物を意味し、活性水素と
は、アミノ基の窒素原子に直接結合している水素原子、
又は、該アミノ基によって活性が誘起されるα位の水素
原子を意味する。従って、活性水素を保有するアミノ基
は、本発明に使用するポリアミン化合物の側鎖、主鎖い
ずれに含まれていても構わない。又、ポリアミン化合物
には、アミノ基以外に由来する活性水素(例えば、−O
H、−SH、−COOHなどに由来する活性水素)が、
含まれていても何ら構わない。
【0020】アミノ基を含有するポリアミン化合物を、
具体的に例示すると、ポリエチレンイミン、ポリプロピ
レンイミンなどのポリアルキレンイミン;ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘ
キサミン、エチレンジアミンなどのアルキル多価アミン
とエピクロルヒドリンとの縮合物等のポリアルキレンポ
リアミン;アリルアミンの単独重合体、及び、エチレ
ン、プロピレンなどのオレフィン、ブチルアクリレート
などの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)
アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、マレイン酸など
の不飽和カルボン酸とその無水物、ビニルホスホン酸、
ビニルピロリドン、アリルアルコールなどのビニルモノ
マーとアリルアミンとの共重合体;これらのポリアミン
化合物にアルキレンオキシドを開環付加させた化合物;
更に、これらのポリアミン化合物をヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートにマイケル付加させた化合物など
が挙げられる。これらのポリアミン化合物は単独で使用
しても、2種以上を混合して使用しても何ら構わない。
【0021】ポリアミン化合物の分子量(数平均分子
量)は500〜100万の範囲が好ましく、更に、好ま
しくは、1000〜50万である。分子量が500未満
のポリアミン化合物を用いて得られる高分子離型剤は離
型性能が悪く、100万を越えると、溶液粘度が高すぎ
たり、高分子離型剤が水に分散し難くなる。
【0022】ポリアミン化合物が含有するアミノ基の含
有量は50モル%以上が良く、好ましくは、60モル%
以上である。少な過ぎると、ポリアミン化合物の持つ活
性水素が少ないことを意味し、この活性水素と反応する
長鎖アルキル化合物の量が減少し、得られる高分子離型
剤の離型性能が悪化する。
【0023】共重合体のアミノ基の活性水素と反応する
長鎖アルキル化合物は、イソシアネート基、カルボキシ
ル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及びエポ
キシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の活性水
素反応性の官能基を有し、アルキル基の炭素数が6〜3
0、好ましくは8〜28である。アルキル基の炭素数が
6未満であると、得られる高分子離型剤の離型性能が不
十分となり、逆にアルキル基の炭素数が30を超える
と、ポリアミン化合物との反応性が低下する。
【0024】共重合体のアミノ基の活性水素と反応する
長鎖アルキル化合物を、具体的に例示すると、イソシア
ネート基を有するものとしては、ヘキシルイソシアネー
ト、オクチルイソシアネート、ドデシルイソシアネー
ト、オクタデシルイソシアネート、ドコサニルイソシア
ネート等が挙げられ、カルボキシル基を有するものとし
ては、オクタン酸、ドデカン酸、オクタデカン酸、ドコ
サン酸等が挙げられ、酸ハライド基を有するものとして
は、オクタノイルクロライド、ドデカノイルクロライ
ド、オクタデカノイルクロライド、オクタデシロイルク
ロライド、ドコサノイルクロライド等が挙げられ、ケテ
ン基を有するものとしては、オクチルケテンダイマー、
ドデシルケテンダイマー、オクタデシルケテンダイマ
ー、ドコサニルケテンダイマー等が挙げられ、アルデヒ
ド基を有するものとしては、ヘキシルアルデヒド、オク
チルアルデヒド、ドデシルアルデヒド、オクタデシルア
ルデヒド、ドコサニルアルデヒド等が挙げられ、エポキ
シ基を有するものとしては、オクチルグリシジルエーテ
ル、ドデシルグリシジルエーテル、オクタデシルグリシ
ジルエーテル、ドコサニルグリシジルエーテル等が挙げ
られ、これらの少なくとも1種が好適に用いられる。
【0025】活性水素を含有するポリアミン化合物の長
鎖アルキル変性物からなる高分子離型剤は、ポリアミン
化合物に含有されるアミノ基に由来する活性水素1当量
に対し、これと反応する長鎖アルキル化合物が0.5当
量以上、好ましくは0.6当量以上の割合で反応されて
得られるものである。0.5当量未満であると、長鎖ア
ルキル化合物と反応して得られる高分子離型剤の離型性
能が不十分となる。
【0026】高分子離型剤の合成方法 上述の(1)に記載された高分子離型剤の合成法は、通
常のビニルモノマーの共重合と同様で、得られた共重合
体は、高分子の鎖に長鎖アルキル基が側鎖に多数結合し
ており、そのまま、高分子離型剤として使用できる。重
合方法は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合など、いずれ
の方法でもよく、触媒を添加して、所定時間、加熱して
共重合させる。共重合完結後、残存モノマーなどの不純
物を除去し、乾燥・精製し、通常、各種の添加物を加え
て、有機溶剤に希釈したり、水に溶解・分散させて、離
型剤組成物とする。但し、乳化重合の場合は、重合物は
そのまま、離型剤組成物の1成分として、使用できるこ
とが多い。
【0027】(2)〜(4)の高分子離型剤は、主鎖に
カルボキシル基、水酸基、アミノ基を、それぞれ、含有
する高分子を用意し、これと反応する特定の官能基を有
する長鎖アルキル化合物を反応させて得られる高分子変
性体である。これらの高分子変性体の合成に用いる溶媒
の種類は、特に限定されるものではないが、長鎖アルキ
ル化合物が有する官能基の種類によって選択されること
が好ましい。
【0028】即ち、イソシアネート基やケテン基の場合
は、トルエンやジメチルスルホキシド等の如きイソシア
ネート基、ケテン基と反応しない不活性溶媒を用いて、
懸濁法や溶解法で反応を行う。カルボキシル基の場合
は、トルエンのような通常のエステル化反応に用いられ
る溶媒を用い、酸ハライド基の場合は、酸ハライド基と
反応しない不活性な溶媒を用いて反応を行うことが好ま
しく、この反応時には、ピリジンのような脱ハロゲン化
水素剤を添加することがより好ましい。
【0029】官能基がアルデヒド基の場合は、アルデヒ
ド基と反応しない不活性な溶媒を用いて反応を行うこと
が好ましく、塩酸のような酸触媒を添加することがより
好ましい。さらに、官能基がエポキシ基の場合は、エポ
キシ基と反応しない不活性な溶媒を用いて反応を行うこ
とが好ましく、この反応時には、水酸化ナトリウムのよ
うなアルカリ触媒を添加することがより好ましい。
【0030】但し、ポリアミン化合物の活性水素と長鎖
アルキル化合物の官能基との反応が、長鎖アルキル化合
物の官能基と水との反応より、充分に速い場合は、有機
溶液でなくて、水溶液中でも反応できる。具体的には、
ポリエチレンイミンとオクタデシルイソシアネートとの
反応は水溶液で反応することができる。
【0031】上述の反応は赤外吸収スペクトル等により
追跡でき、高分子化合物の活性水素や長鎖アルキル化合
物の官能基が消失した時点をもって終了とする。
【0032】導電性アニリン系重合体 本発明に使用される導電性アニリン系重合体とは、従来
公知の導電性のアニリン誘導体の(共)重合体を意味
し、有機・無機溶剤に不溶性の微粒子、水や有機溶剤に
膨潤又は可溶性の(共)重合体の形態で、本発明の高分
子離型剤に混合されて、剥離帯電防止性の離型剤組成物
とされる。
【0033】アニリン系重合体の合成法は、化学酸化重
合法や電解重合法が挙げられる。化学酸化重合法は、ア
ニリン誘導体モノマーを、酸と共に、水又はジメチルホ
ルムアミド(DMF)のような溶剤に溶解させ、攪拌さ
せながら、酸化剤溶液を滴下して、ドーピングと酸化重
合をする。アニリン誘導体モノマーの濃度としては、
水、又は、DMFなど溶液1リッターに対し、0.1〜
1.0モルが好ましく、酸として、例えば、塩酸、硫
酸、硝酸などの無機プロトン酸やp−トルエンスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの有機酸が挙げら
れ、酸の濃度は0.1〜1.0規定が適当である。重合
に使用する酸化剤は、過硫酸塩、過酸化水素、過マンガ
ン酸塩、2酸化鉛、重クロム酸塩、2酸化マンガン、3
価の鉄塩等が挙げられ、濃度は溶液1リッターに対し、
0.1〜1.0モルが適当である。
【0034】電解重合法は、アニリン誘導体モノマー
を、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェ
ートなどの支持電解質と共に、水又はアセトニトリルな
どの溶剤に溶解させ,しかる後に、2枚の電極をアニリ
ン誘導体モノマー溶液に浸漬して、電極間に直流電圧を
印加して行う。電極表面で、電気化学的に酸化重合が起
こって、導電性のアニリン系重合体が得られる。
【0035】アニリン誘導体モノマーとしては、例え
ば、アニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリ
ン、ジフェニルアニリン、o−トルイジン、m−トルイ
ジン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、2−
ヘキシルアニリン、3−ヘキシルアニリン、2,4−ジ
メチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,6−
ジメチルアニリン、2,6−ジエチルアニリン、2−メ
トキシアニリン、4−メトキシアニリン、2,4−ジメ
トキシアニリン、o−フェニレンジアミン、m−フェニ
レンジアミン、2−アミノビフェニル、N,N−ジフェ
ニル−p−フェニレンジアミン、アニリン−N−ブチル
スルホン酸、アニリン−N−フェニル−p−スルホン
酸、o−アントラニリック酸、o−メタアニリック酸等
が挙げられ、これらの少なくとも1種と(共)重合され
る。
【0036】アニリン系重合体は、通常、有機溶剤、水
に難溶性であって、塗工したり、フィルムに加工できな
い。その為、ポリアニリン骨格の電気特性に影響を与え
ないようにベンゼン核に炭素数が3以上のアルキル基を
導入して、有機溶剤に可溶性にしたり、該アルキル基の
端末に親水基を導入して水溶性にしている。アニリン系
重合体を水溶解性にするには、3つの方法があり、アニ
リン系重合体に親水基を導入する方法、親水基を含有す
るアニリン誘導体を(共)重合する方法、水溶性高分子
酸とブレンドして、アニリン誘導体をイオンドーピング
する方法がある。
【0037】高分子離型剤に混合する導電性アニリン系
重合体は、有機溶剤や水に分散又は溶解しない塊状物で
は不適当で、均一性、分散性の面から、溶媒に不溶性の
1μm以下の微粒子、若しくは、有機溶剤、水に可溶性
であることが好ましく、環境対策として、水溶性の導電
性ポリアニリン系重合体が最も好ましい。不溶性の微粒
子の導電性アニリン系重合体は、高分子離型剤が有機溶
剤に溶解されていても、水に分散されていても、混合し
て使用できる。又、水、有機溶剤を問わず、溶解性の導
電性アニリン系重合体は、高分子離型剤と共通溶媒に溶
解・混合され、極めて、均一の安定性の高い離型剤組成
物が得られる。特に、水溶解性の導電性アニリン系重合
体と本発明の高分子離型剤とを混合・分散させて得られ
る水分散系離型剤組成物は、帯電防止性、離型性、無公
害性を有する1工程塗布型の離型剤となる。
【0038】高分子離型剤に対する導電性アニリン系重
合体の混合量は、高分子離型剤100重量部に対し、導
電性アニリン系重合体5〜2000重量部であり、好ま
しくは10〜1000重量部である。導電性アニリン系
重合体が5重量部以下の場合は、離型剤層の導電性が不
十分となり、2000重量部を越えると、離型性能が低
下する。
【0039】導電性アニリン系重合体を用いた本発明の
離型剤組成物は、該導電性アニリン系重合体が溶解型、
又は、直径が1μm以下の微粒子で、本発明の離型剤組
成物の中で、該導電性アニリン系重合体が自然に自己連
結する性質がある為、極めて少量で、導電性を付与でき
る。従って、従来の金属微粒子、金属酸化物微粒子、カ
ーボン粒子等の混合物に比べ、これらの微粉末が、高密
度電子回路等の電子部品を汚染したり、異種金属の接触
による電位差酸化腐食を起こすことがない。
【0040】離型剤組成物に任意に添加される添加物質 本発明の離型剤組成物には、高分子離型剤と導電性アニ
リン系重合体との相溶性や水に対する分散性を改善した
り、テープ基材に塗工する時の該離型剤組成物の発泡を
抑制したり、濡れ性を改良したり、導電性離型剤層の形
成を促進・助長したり、塗布後の離型剤層の膜強度を向
上させたりすることを目的に、溶剤、相溶化剤、脂肪
酸、酸変性ポリオレフィン(共)重合体、高沸点液状物
質、界面活性剤、架橋剤などを目的に応じて、任意に添
加しても構わない。以下、本発明の離型剤組成物中に、
高分子離型剤以外に添加する上述の任意添加剤を、順
次、説明する。
【0041】溶剤としては、高分子離型剤、導電性アニ
リン系重合体を溶解、又は、分散できるものであれば、
なんでも構わないが、例えば、ジメチルホルムアミド
(DMF)、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン、ジメチルスルホキシド、水、アルカリ水溶液;シ
クロヘキサノン、イソプロピルアセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン系溶剤;エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエ
ーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系
溶剤、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水
素系溶剤;メタノール、エタノール等のアルコール系溶
剤等が挙げられる。
【0042】相溶化剤としては、高分子離型剤と導電性
アニリン系重合体とを相互に溶解、又は、分散させる作
用を有する物質で、両者の分子構造や極性を類似させた
物質が選定され、例えば、メチルメタアクリレート、エ
チルメタクリレート等のメタアクリレート系樹脂;ナイ
ロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂;アニリン
フォルムアルデヒド系樹脂やフェノールフォルムアルデ
ヒド系樹脂等の未硬化物等が挙げられる。
【0043】又、アクリル酸(共)重合体、又は、p−
スルフォン化スチレン(共)重合体等の水溶性高分子酸
は、アニリン系重合体にブレンドされて、アニリン系重
合体をイオンドーピングすると同時に親水化し、アニリ
ン系重合体を導電性にする。それ故に、本発明の(2)
カルボキシル基含有ビニル共重合体の長鎖アルキル変性
体で、カルボキシル基を残存させている変性体は、親水
性高分子酸の1種であるから、高分子離型剤であると共
に、アニリン系重合体のイオンドーピング剤でもあり、
両者の重合体の相溶化剤も兼ねている。
【0044】脂肪酸は、本発明の離型剤組成物を水分散
系離型剤組成物にする場合に、有効で、炭素数が10〜
30で、好ましくは12〜26であることが適当であ
る。脂肪酸の炭素数が10未満であると、極性が高くな
り過ぎて、該脂肪酸が離型剤組成物と分離したり、融点
を低くさせたりして、得られる離型剤組成物の離型性や
非移行性を低下させる。逆に炭素数が30を超えると、
極性が低くなり過ぎて、水に分散し難くなり、溶融粘度
が高くなり過ぎて、得られる水分散系離型剤組成物を基
材に塗布した後に、離型性や非移行性を発現させるため
には、長時間の加熱を要し、作業工程の支障をきたす。
【0045】炭素数が10〜30である脂肪酸として
は、特に限定されるものではないが、例えば、ドデカン
酸(ラウリン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、
オクタデカン酸(ステアリン酸)、オクタデセン酸(オ
レイン酸)、イコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸
(ベヘン酸)等の飽和、若しくは、不飽和脂肪酸等が挙
げられ、離型剤組成物への配合に際し、これらの少なく
とも1種が好適に使用される。
【0046】尚、これらの脂肪酸は、水酸化ナトリウ
ム、水酸化バリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類の
水酸化物の共存下では、脂肪酸が、当然、それらの塩と
なっているから、本発明での脂肪酸は、脂肪酸塩も含む
ものとする。
【0047】脂肪酸の添加量は、特に限定されるもので
はないが、側鎖に長鎖アルキル基を有する高分子離型剤
100重量部に対し、1〜50重量部であることが好ま
しく、更に好ましくは、3〜40重量部である。脂肪酸
の添加量が1重量部未満であると、水分散系離型剤組成
物を製造する時、離型剤組成物を水中に、均一で、安定
的に、乳化分散させることが困難となり、得られる水分
散系離型剤組成物を基材に塗布して、離型性、非移行性
を発現させるためには、長時間の加熱を要するなど、作
業工程の支障をきたす。逆に、脂肪酸の添加量が50重
量部を超えると、得られる水分散系離型剤組成物の非移
行性が低下する。
【0048】酸変性ポリオレフィン(共)重合体は、本
発明の離型剤組成物を水中に均一且つ安定に乳化分散さ
せる機能を有し、酸価は0.2〜800の範囲が好まし
く、更に好ましくは、10〜200である。酸価が0.
2未満であると、それ自体の水中への分散が困難とな
り、逆に、酸価が800を超えると、離型剤組成物と分
離し易くなり、均一かつ安定な水分散系離型剤組成物を
得ることが困難となる。
【0049】又、任意添加物としての酸変性ポリオレフ
ィン(共)重合体は、アニリン系重合体を導電性にする
ドーピング剤であると同時に、アニリン系重合体を親水
性化・水溶性化する作用がある為、本発明の高分子離型
剤とアニリン系重合体とを水分散系離型剤組成物にする
手段に於いて、極めて有効に働く。
【0050】酸変性ポリオレフィン(共)重合体として
は、特に限定されるものではないが、エチレン、プロピ
レン、ブテン−1等のオレフィンとアクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、イタコン酸等の極性基を有するビ
ニルモノマーとの共重合体、アクリル酸変性のポリエチ
レンワックス、化学的又は物理的に酸化処理されたポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフ
ィン(共)重合体等が挙げられ、これらの少なくとも1
種が好適に用いられる。
【0051】酸変性ポリオレフィン(共)重合体に於い
て、オレフィンと極性基を有するビニルモノマーとの共
重合体の場合、共重合体中に占める極性基を有するビニ
ルモノマーの含有量は、特に限定されるものではない
が、0.01〜40モル%であることが好ましく、更に
好ましくは、0.5〜10モル%である。
【0052】酸変性ポリオレフィン(共)重合体の重合
度は、特に限定されるものではないが、10〜2000
であることが好ましく、さらに好ましくは、20〜10
00である。重合度が10未満であると、常温に於いて
も軟化状態であるので、得られる水分散系離型剤組成物
の離型性や非移行性が悪化する。逆に、重合度が200
0を超えると、水の分散が困難となり、得られる水分散
系離型剤組成物を基材に塗布して、離型性や非移行性を
発現させるのに、長時間の加熱を要し、作業工程の支障
をきたす。
【0053】酸変性ポリオレフィン(共)重合体の融点
及び溶融粘度は、特に限定されるものではないが、融点
が40℃以上で、140℃に於ける溶融粘度が1000
0Pa・s以下であることが好ましく、なかでも、融点
が60℃以上で、140℃に於ける溶融粘度が5000
Pa・s以下であることがより好ましい。融点が40℃
未満であると、得られる水分散系離型剤組成物の離型性
や非移行性が不十分となり、又、140℃に於ける溶融
粘度が10000Pa・sを超えると、水に分散し難く
なる。かかる観点から、本発明を特に限定するものでは
ないが、マレイン酸変性のポリエチレンワックスやアク
リル酸変性のワックスが好適である。
【0054】酸変性ポリオレフィン(共)重合体の添加
量は、特に限定されるものではないが、本発明の高分子
離型剤100重量部に対し、1〜50重量部であること
が好ましく、更に好ましくは、3〜40重量部である。
添加量が1重量部未満であると、水分散系離型剤組成物
を製造する時、離型剤組成物を水中に均一かつ安定に乳
化分散させることが困難となり、得られる水分散系離型
剤組成物を基材に塗布して、離型性や非移行性を発現さ
せるのに、長時間の加熱を要し、作業工程の支障をきた
す。逆に、添加量が50重量部を超えると、得られる水
分散系離型剤組成物の非移行性が低下する。
【0055】高沸点液状物質は、特に限定されるもので
はないが、常圧下の沸点が100℃以上であり、常温の
粘度が100Pa・s以下であるものが好ましい。又、
粘着テープや粘着シート等の粘着加工品の粘着剤層に移
行しても、粘着剤の粘着性能を著しく阻害しないもので
あることが好ましい。沸点が100℃未満であると、得
られる水分散系離型剤組成物を、塗布・乾燥する時に、
揮発し易いので、排気、回収装置等が必要となり、製造
コストアップにつながる。又、粘度が100Pa・sを
超えると、流動性が低くなるので、水分散系離型剤組成
物の濡れ性や造膜性を向上させる効果が乏しくなる。
【0056】高沸点液状物質としては、特に限定される
ものではないが、例えば、ナフテン系オイル、ラノリ
ン、オレフィン類のオリゴマー、植物油、動物油、鉱物
油等のプロセスオイル、液状ロジン、テレビン油等の液
状粘着付与樹脂、ポリブテン、ジイソデシルフタレート
等の可塑剤等が挙げられ、これらの少なくとも1種が好
適に用いられる。
【0057】界面活性剤としては、高分子離型剤、導電
性ポリアニリン系重合体の水分散剤であって、ノニオン
系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面
活性剤、両性界面活性剤等のいずれも使用可能であり、
これらの少なくとも1種が好適に用いられる。
【0058】ノニオン系界面活性剤としては、例えば、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルなどのエーテル型、グリ
セリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、シ
ョ糖脂肪酸エステル等のエステル型、ポリエチレングリ
コール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル等のエステルエーテル型、脂肪酸アルカ
ノールアミド型が挙げられる。
【0059】アニオン系界面活性剤としては、例えば、
脂肪酸モノカルボン酸塩、N−アシロイルグルタミン酸
塩等のカルボン酸型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、
ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、ス
ルホ琥珀酸ジアルキルエステル等のスルホン酸型、硫酸
アルキル塩等の硫酸エステル型、燐酸アルキル塩の燐酸
エステル型等が挙げられる。
【0060】カチオン系界面活性剤としては、例えば、
アルキルアミン塩等のアミン塩型、アルキルトリメチル
アンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、
アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等の第4級ア
ンモニウム塩型等が挙げられる。
【0061】両性界面活性剤としては、例えば、N,N
−ジメチル−N−アルキルアミノ酢酸ベタイン等のカル
ボキシベタイン型、2−アルキル−1−ヒドロキシエチ
ル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等
のグリシン型等が挙げられる。
【0062】架橋剤は、離型剤組成物を基材に塗布し
て、造膜する時に、熱、光等で離型剤組成物と反応し架
橋させ得るものであれば良く、特に限定されるものでは
ないが、例えば、多価イソシアネート化合物、ブロック
ド多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化合物、多
価アクリロイル化合物、多価メチロール化合物、多価イ
オン金属、多価アジリジン化合物等が挙げられ、これら
の少なくとも1種が好適に用いられる。
【0063】本発明の離型剤組成物に於いては、高分子
離型剤に、必要に応じて、溶剤、相溶化剤、脂肪酸、酸
変性ポリオレフィン(共)重合体、高沸点液状物質、界
面活性剤、架橋剤などの群から選ばれる添加剤成分が加
えられるが、水中に分散される平均粒子径は、これらの
各種任意添加剤も含めて、1μm以下となるように分散
されていることが好ましい。尚、ここで言う平均粒子径
とは、レーザー回折光散乱法により、レーザー回折散乱
式粒度分布計(例えば、商品名「9220FRA」、M
ICROTRAC社製)を用いて測定した粒子径分布
(粒度分布)曲線における下限もしくは上限からの頻度
の累積値が50%になったところの粒子径を意味する。
【0064】水に分散した離型剤組成物の平均粒子径が
1μmを越えると、離型シートの離型性や非移行性が低
下したり、十分な離型性を発現させるのに、必要塗布量
が増加したり、水分散系離型剤組成物の貯蔵安定性が損
なわれる。平均粒子径が大きいと、離型基材に塗工し
て、加熱・乾燥される工程で、水分散粒子が不安定とな
って、凝集し易くなり、粒子が基材を均一に被覆しない
現象が起こることが観察された。
【0065】水分散系離型剤組成物の製造方法 本発明の水分散系離型剤組成物の製造方法としては、特
に限定されるものではないが、例えば、離型剤組成物を
予め加熱溶融して、この加熱溶融物と水とを、例えば、
加圧ニーダー、コロイドミル、高速攪拌シャフト等の混
合機を用いて、高剪断をかけて平均粒子径が1μm以下
となるまで均一に乳化分散させた後、分散粒子が融着凝
集しないように冷却して、所望の水分散系離型剤組成物
を得る方法(高圧乳化法)や、離型剤組成物を予め有機
溶剤に溶解し、その溶液と水とを、例えば、高速乳化機
を用いて、高剪断をかけて平均粒子径が1μm以下とな
るまで均一に乳化分散させた後、有機溶剤を除去して、
所望の水分散系離型剤組成物を得る方法(溶剤溶解法)
等が挙げられ、いずれの方法も好適に採用されるが、な
かでも有機溶剤の除去が不要で工程の簡略な高圧乳化法
がより好適に採用される。
【0066】高圧乳化法において、離型剤組成物の加熱
溶融温度は、特に限定されるものではないが、120℃
以上であることが好ましく、又、水の温度は、特に限定
されるものではないが、加圧により100℃以上とされ
ていることが好ましい。又、離型剤組成物を予め加熱溶
融することなく、水中に一挙に投入し、加圧下120℃
程度の温度で、高剪断をかけて平均粒子径が1μm以下
となるまで均一に乳化分散させた後、冷却して所望の水
分散系離型剤組成物を得る方法を採っても良い。
【0067】高圧乳化法、若しくは、溶剤溶解法のいず
れの方法に於いても、離型剤組成物と水との混合割合
は、特に限定されるものではないが、離型剤組成物5〜
50重量%、水95〜50重量%であることが好まし
い。離型剤組成物の含有量が5重量%未満であると、乳
化分散時の剪断効果が減殺されて製造効率が低下し、逆
に、離型剤組成物の含有量が50重量%を超えると、粘
度が高くなり過ぎて均一な乳化分散が困難となる。又、
乳化分散工程を経て得られた水分散系離型剤組成物は、
貯蔵安定性が損なわれない範囲で必要に応じて、水で希
釈されても良い。
【0068】離型シート 本発明の離型シートは、基材の少なくとも片面に、溶剤
系又は水分散系の本発明の離型剤組成物が塗布・乾燥さ
れて成る離型剤層が設けられていることが必要である。
【0069】本発明の離型シートに用いられる基材とし
ては、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、セロファン等のプラス
チックフィルム類、上質紙、クラフト紙、クレープ紙、
グラシン紙等の紙類、含浸紙、プラスチックコート紙等
の目止めを施した紙類、不織布、織布、編布の布類等が
挙げられ、これらの少なくとも1種を積層して使用して
も構わない。尚、基材は、離型剤層と基材との接着性を
高めるために、その少なくとも片面に、コロナ処理、プ
ラズマ処理、プライマー処理等の前処理が施されている
ことが好ましい。
【0070】基材に離型剤組成物を塗布する方法として
は、特別なものではなく、ロールコーター、グラビアコ
ーター、メイヤーバーコーター、リップコーター等の一
般的な塗布装置を用いて、基材の少なくとも片面に、溶
剤系、又は、水分散系離型剤組成物を塗布した後、例え
ば、加熱可能な乾燥炉を通して、加熱下で離型剤組成物
の溶剤又は水を揮散させ、乾燥する通常の塗布・乾燥工
程を経ることにより行えば良い。
【0071】基材の少なくとも片面に塗布する溶剤系又
は水分散系離型剤組成物の厚みは、特に限定されるもの
ではないが、基材の片面につき、固形分で膜厚が0.0
1〜5μmであることが好ましい。0.01μm未満の
場合は剥離性、剥離帯電性が悪く、5μmを超えると、
加熱・乾燥に長時間を要して、生産性低下になり、得ら
れる離型剤層の非移行性も低下する。
【0072】又、水分散系離型剤組成物を用いる場合
は、基材と離型剤層との密着性をより高めて、得られる
離型シートの離型性や非移行性を更に向上させる為に、
上記乾燥工程の後に、離型剤層に加圧・加熱工程を設け
ることが好ましい。基材の少なくとも片面に、塗布乾燥
された離型剤層を加圧・加熱することにより、微粒子状
の離型剤層は溶融、平滑化されると共に、基材との密着
性も高まり、離型性や非移行性に優れた離型剤層を有す
る離型シートを得ることができる。
【0073】離型剤層を加圧・加熱する方法としては、
例えば、水分散系離型剤組成物を塗布・乾燥した基材
を、高温プレスの間に挟んで加圧しながら加熱する方法
(プレス法)や、水分散系離型剤組成物を塗布・乾燥し
た基材を加熱ロールの間を通して、加圧・加熱する方法
(ロール法)等が挙げられ、いずれも好適に採用される
が、生産性に優れるロール法がより好適に採用される。
【0074】加圧・加熱時の加熱温度は、特に限定され
るものではないが、離型剤成分の軟化点より高い温度で
あることが好ましく、通常60℃以上、より好ましくは
80℃以上である。加圧・加熱時の圧力は、特に限定さ
れるものではなく、基材の耐圧性に依存するが、通常
0.01〜500Kg/cm2 であることが好ましい。
加圧・加熱時は、ロールと離型剤層との密着性が、離型
剤層と離型シート基材との密着性より低いことが必要
で、逆の場合は、溶融した離型剤層がロールに転写して
不都合である。従って、加熱ロールの材質としては、耐
熱・離型性で、且つ、離型剤層を均一に加圧する弾性材
料が要求され、例えば、耐熱性シリコンライニングゴム
ローラーや耐熱性テフロンライニングゴムローラー等が
好ましく、いずれも好適に用いられている。
【0075】(作用)本発明の離型剤組成物は、側鎖に
長鎖アルキル基を有する高分子離型剤と導電性アニリン
系重合体とが混合されていることにより、以下の作用が
ある。導電性アニリン系重合体は、微細粒子、水又は有
機溶剤可溶性の重合体として得られ、側鎖に長鎖アルキ
ル基を有する高分子離型剤に、極めて効果的に分散・溶
解・混合でき、目的に応じて、有機溶剤系、又は、水分
散系離型剤組成物にすることがでる。
【0076】従来の合成樹脂混合練り込み型の導電化材
料である銀、ニッケル等の金属微粉末、酸化亜鉛、酸化
インジウムなど金属酸化物と異なり、導電性アニリン系
重合体は、高分子離型剤と比重差が小さく、1μm以下
の微粒子で合成できる為、高分子離型剤と該導電性アニ
リン系重合体との混合・分散が極めて均一で安定な離型
剤組成物にすることができる。
【0077】又、本発明のカルボキシル基を含有する高
分子離型剤(未反応のカルボキシル基が残存する場合)
と任意添加物(カルボキシル基を有する共重合体とアル
キルカルボン酸)はアニリン系重合体のドーピング剤に
なり、親水化と導電化を行う作用を有し、離型剤組成物
の相溶化剤の働きも兼ねている。
【0078】更に、導電性アニリン系重合体は、高分子
離型剤と組成物を形成する時、導電性アニリン系重合体
同士が互いに連結して、分散する性質があり、従来の導
電性物質の分散に比べ、極めて少ない量で、帯電防止が
できる。それ故に、本発明の高分子離型剤と導電性アニ
リン系重合体との混合は、分散が極めて均一で安定した
離型剤組成物にすることができ、1回の塗工工程で、離
型シートを経済的に作製することができる。
【0079】本発明の離型シートは上述の離型剤組成物
からなる剥離帯電防止性の離型剤層を有することによ
り、剥離帯電を嫌う電子部品の固定用の粘着テープ等の
離型シート、保護シートとして、好適に利用される。
【0080】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め、以下に実施例、比較例を挙げる。
【0081】高分子離型剤の合成 a)高分子離型剤(R1) 攪拌機、冷却器、滴下漏斗、温度計を備えた反応容器中
に、ポリビニルアルコール(重合度1100、鹸化度9
8モル%)10gを、脱水したキシレン50gに分散さ
せ、還流温度で、オクタデシルイソシアネート67gと
触媒のジラウリン酸ジブチル錫0.01gとを加えて、
ポリビニルアルコールと反応させた。反応の進行に伴
い、ポリビニルアルコールの粉末が無くなって行くが、
完全に消失してから、さらに2時間反応させた。その
後、40℃まで冷却し、反応液を1000gのメタノー
ル中に注いで、白色沈殿物を得る。これを、メタノール
で洗浄し、次いで、ヘキサンで洗浄して、乾燥させて、
高分子離型剤(R1)を得た。
【0082】b)高分子離型剤(CR1) CR1は、オクタデシルイソシアネートの代わりに、エ
チルイソシアネート16gを用いて、上記と同じ方法で
合成して、高分子離型剤(CR1)を得た。
【0083】c)高分子離型剤(R2) 攪拌機、冷却器、滴下漏斗、温度計を備えた反応容器中
に、ポリエチレンイミン(数平均分子量10000)1
0gを、脱水したトルエン150gに分散させ、還流温
度で、オクタデシルイソシアネート68gを加えて反応
させた。反応の進行に伴い、ポリエチレンイミンの粉末
が無くなって行くが、完全に消失してから、さらに2時
間反応させた。その後、40℃まで冷却し、反応液を1
000gのメタノール中に注いで、白色沈殿物を得た。
これを、メタノールで洗浄し、次いで、ヘキサンで洗浄
して、乾燥させて、高分子離型剤(R2)を得た。
【0084】導電性アニリン系重合体の合成(A1) p−トルエンスルホン酸160g(0.8M)を脱イオ
ン水1000mlに溶解させ、これを500mlずつに
2分し、一方にはアニリン36.5g(0.4M)を加
え、他方には、ペルオキソ2硫酸アンモニウム91gを
溶解させた。攪拌機、冷却器、滴下漏斗、温度計を備え
た反応容器中に、前記アニリン含有p−トルエンスルホ
ン酸溶液を仕込み、水浴で昇温を抑えながら、ペルオキ
ソ2硫酸アンモニウム含有p−トルエンスルホン酸溶液
500mlを30分かけて、滴下し、3時間攪拌を続け
た。沈殿物を濾過し充分メタノールで洗浄して、緑色の
導電性アニリン系重合体(A1)粉末を得た。平均粒径
は0.3μmあった。
【0085】実施例1 下記の離型剤組成物を、8時間、アトライターで分散し
た。この分散液のポリアニリン粒子を電子顕微鏡で観察
したところ、0.01μm以下であった。離型剤組成物の配合 高分子離型剤 (R1) 4.00g 導電性アニリン系重合体(A1) 2.00g 界面活性剤 0.01g (ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル) キシレン 200g
【0086】次いで、クルパッククラフト紙(坪量75
g/m2 )にポリエチレンを厚み20μmに押出ラミネ
ートし、該ポリエチレン面を44dyn/cmにコロナ
処理して、目止め紙を作製した。次いで、この目止め紙
のポリエチレンの処理面に、上記配合の離型剤組成物を
#10のメイヤーバーコーターを用いて、固形分換算で、
0.6g/m2 塗布し、炉長1m、温度120℃の乾燥
炉にライン速度2m/分で通し、乾燥・造膜させて、離
型シートを作製した。ここで得られた離型シートに、粘
着テープ(積水化学社製;クラフトテープ#504)を
貼り付け、表1に示す各種性能を測定した。結果は比較
例に比べ、良好な離型性能と剥離帯電性を示した。
【0087】実施例2 高分子離型剤として、R2を用いたこと以外は、実施例
1と同様にして、離型剤組成物、離型シートを得た。実
施例1と同様な方法で、性能を評価した。結果は表1に
示されるように、比較例に比べ、良好な離型性能と剥離
帯電性を示した。
【0088】比較例1 導電性アニリン系重合体(A1)20gを、分散安定剤
としてポリメチルメタクリレート(根上工業社製「ハイ
パールHPA」Mw:50万)40gと共に、キシレン
140g中に添加し、8時間、アトライターで分散し、
導電性アニリン系重合体分散溶液を得た。該分散溶液の
アニリン系重合体粒子を電子顕微鏡で観察したところ、
0.01μm以下であった。実施例1で使用した目止め
紙に、#5のメイヤーバーコーターを用いて、上記分散
液を固形分換算で、3.0g/m2 を塗布し、ライン速
度2m/分で、乾燥炉に通し、乾燥・造膜して、導電性
シートを作製した。
【0089】該導電性シートの上に、高分子離型剤(R
1)の2重量%のキシレン溶液を、#10のメイヤーバ
ーコーターで、固形分で、0.4g/m2 塗布し、ライ
ン速度2m/分で、乾燥炉に通し、乾燥・造膜して、剥
離帯電防止性の離型シートを作製した。得られた離型シ
ートに、粘着テープ(積水化学社製;クラフトテープ#
504)を貼り付け、表1に示す各種性能を測定した。
結果は比較例に比べ、離型性能は遜色ないが、剥離帯電
性は劣っていた。
【0090】比較例2 高分子離型剤(R1)の0.5重量%のキシレン溶液
を、#2のメイヤーバーコーターで、固形分で、0.0
2g/m2 塗布した以外は比較例1と同様にして、離型
シートを作製した。結果は表1に示す通り、剥離帯電性
能は実施例と同等であったが、離型性は劣っていた。
【0091】比較例3 高分子離型剤として、CR1を用いた以外は、実施例1
と同様に、離型シートを作製した。評価結果は表1に示
すように、離型性に劣っていた。
【0092】
【表1】
【0093】離型シートの性能測定方法 表1の各種評価項目は下記の方法で行った。展開力 :JIS Z−0237「粘着テープ・粘着シー
ト試験方法」に準拠し、離型シートの離型面に、幅25
mmの短冊状に裁断された粘着テープ(商品名「クラフ
トテープ#504」、積水化学社製)を圧着ローラーで
貼り付けて試験片を作製し、23℃、65%RHの雰囲
気下に24時間放置した後、同雰囲気下で、高速剥離試
験機を用い、10m/分の剥離速度で、「180度引き
剥がし試験」を行い、展開力(g/25mm)を求め
た。展開力が低い程、離型シートの離型性が優れている
ことを示す。
【0094】残存接着力:展開力の場合と同様の方法で
作製した試験片を、23℃、65%RHの雰囲気下に2
4時間放置した後、粘着テープを離型シートから剥離し
た。次いで、JIS Z−0237に準拠し、剥離され
た粘着テープをステンレス板に圧着ローラーで貼り付
け、23℃、65%RHの雰囲気下に24時間放置した
後、同雰囲気下で、高速剥離試験機を用い、300mm
/分の剥離速度で、「180度引き剥がし試験」を行
い、剥離強度P(g/25mm)を測定した。
【0095】別途、離型シートに貼り付けなかった粘着
テープを用い、同様にしてステンレス板に貼り付け、同
様の条件で剥離強度を測定したところ、2010(g/
25mm)であった。 両方の剥離強度の比〔(P/2
010)×100〕を算出し、残存接着力(%)を求め
た。残存接着力が100%に近い程、粘着剤層に対する
離型剤成分の移行量が少ないことを示す。
【0096】表面抵抗 離型シートの表面に、表面抵抗計「東京電子社製、高抵
抗計TR−3」の測定端子を接触させて測定した。この
測定値は、離型シートの導電性を示し、小さい程、剥離
帯電防止性が優れている。
【0097】塵埃付着試験 離型シートに、粘着テープ(積水化学社製;クラフトテ
ープ#504)を、圧着ローラー(JIS Z−023
7に準拠)で、貼り付け、25mm幅に短冊状に切断
し、23℃で24時間放置する。しかる後、離型シート
を10mm/分の速度で180度に引き剥がし、その直
後の離型シートを、崩したタバコの灰の上で、10mm
の距離に近づけ、灰が吸着されるか否かを、目視で観察
する。この試験は帯電防止性、剥離帯電防止性能をテス
トする方法で、吸着する灰が少ない方が、性能が良いこ
とを示す。
【0098】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の離型剤組成
物は、上記の如く構成されているので、剥離帯電防止性
を有する離型剤組成物となり、該離型剤組成物から得ら
れる離型シートは、剥離帯電防止性の粘着テープの離型
シート、保護シートとして使用される。剥離帯電防止性
の粘着テープは、品質性能と生産作業性の面から、静電
気による帯電を防止することが必要な電子部品の固定用
に極めて有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル基の炭素数が6〜30の長鎖ア
    ルキル基を側鎖に有する高分子離型剤と、導電性アニリ
    ン系重合体とが混合されてなることを特徴とする離型剤
    組成物。
  2. 【請求項2】 基材の少なくとも片面に、請求項1に記
    載の離型剤組成物からなる離型剤層が設けられているこ
    とを特徴とする離型剤シート。
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