JP2010065196A - 水性接着剤、ヒートシール材及び積層体 - Google Patents

水性接着剤、ヒートシール材及び積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱可塑性樹脂からなる基材に対して良好な剥離強度を発現する水性接着剤を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン樹脂水性分散体とアクリル酸系増粘剤とからなる水性接着剤であって、ポリオレフィン樹脂水性分散体に含まれるポリオレフィン樹脂(A)とアクリル酸系増粘剤(B)との質量比が、(A)/(B)=100/3〜100/20であることを特徴とする水性接着剤、該水性接着剤を熱可塑性樹脂からなる基材上に塗布した後、媒体を除去して得られることを特徴とするヒートシール材、該ヒートシール材にさらに熱可塑性樹脂からなる基材が接着されていることを特徴とする積層体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水性接着剤、それを含むヒートシール材及び積層体に関するものである。
エチレンやプロピレン等のオレフィン成分含有量の高いポリオレフィン樹脂は、様々な材料に対する良好な熱接着性を有していることから、ヒートシール剤、ディレードタック剤、繊維処理剤、及び接着剤用バインダー等の幅広い用途に用いられている。また、膜厚を厚くする事や濡れ性を改善させる為に増粘剤を添加する検討が行われており、一例として、塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体にアクリル系増粘剤を添加することが知られている(特許文献1参照)。
特開平09−296049号公報
しかしながら、増粘剤を添加すると接着性や耐水性などが低下するという問題があり、また、特許文献1記載のものでは、分散剤としての記載はあるが、接着性などのデータは示されていなかった。
本発明は、増粘安定性が良好で、熱可塑性樹脂からなる基材に対して良好な接着性、剥離強度を発現する水性接着剤を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、ポリオレフィン樹脂と特定の増粘剤を特定の割合で含有する分散体が、熱可塑性樹脂からなる基材に対して良好な剥離強度を発現することを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の第一は、ポリオレフィン樹脂水性分散体とアクリル酸系増粘剤とからなる水性接着剤であって、ポリオレフィン樹脂水性分散体に含まれるポリオレフィン樹脂(A)とアクリル酸系増粘剤(B)との質量比が、(A)/(B)=100/3〜100/20であることを特徴とする水性接着剤を要旨とするものである。
また本発明の第二は、熱可塑性樹脂からなる基材上に本発明の第一の水性接着剤を塗布した後、水性接着剤に含まれる媒体を除去して接着剤層としたことを特徴とするヒートシール材を要旨とするものである。
さらに本発明の第三は、本発明の第二のヒートシール材の接着剤層側に、さらに熱可塑性樹脂からなる基材が接着されていることを特徴とする積層体を要旨とするものである。
本発明の水性接着剤によれば、増粘剤を有するにもかかわらず増粘安定性が良好で、ヒートシール性に優れた被膜、接着層が得られる。この被膜は、湿熱条件下でのヒートシール性にも優れ、特にポリオレフィン材料同士やポリオレフィン材料と異種材料(例えば、紙、アルミ等)とのヒートシール剤として好適である。また、本発明の水性接着剤は水性分散体として提供できるので環境保護、省資源、消防法等の面からも好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリオレフィン樹脂水性分散体に含まれるポリオレフィン樹脂(A)は、オレフィン成分を主成分とする樹脂であり、この成分により熱可塑性樹脂からなる基材との接着性が得られる。オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、2−ブテン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のオレフィンが好ましく、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のものがより好ましく、エチレン、プロピレンがさらに好ましく、エチレンが最も好ましい。オレフィン成分はこれらの混合物を用いてもよい。
本発明におけるポリオレフィン樹脂(A)は、不飽和カルボン酸を含有したものである。ここで、不飽和カルボン酸とは、分子内(モノマー単位内)に少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物をいい、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン酸の含有量は、0.01〜10質量%含有する必要があり、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%がより好ましく、1.0〜4.0質量%が最も好ましい。不飽和カルボン酸の含有量が0.01質量%未満の場合は、樹脂の極性が低いため、熱可塑性樹脂からなる基材との接着性、密着性が低下する。一方、10質量%を超える場合には、熱可塑性樹脂からなる基材との接着性が低下してしまう。上記した不飽和カルボン酸は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は特に限定されるものではないが、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合が挙げられる。
本発明におけるポリオレフィン樹脂(A)は、(メタ)アクリル酸エステルが共重合されていることが好ましい。この成分により、熱可塑性樹脂からなる基材との接着性やヒートシール性が向上し、ポリオレフィン樹脂を水性化する場合には、より水性化が容易になる傾向がある。なお、(メタ)アクリル酸エステルとの表記は、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味する。
このような(メタ)アクリル酸エステル成分としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ステアリル等のアクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられ、この中でも樹脂を重合し易いという点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルが好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが特に好ましい。
ポリオレフィン樹脂(A)における(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、特に限定されないが、(オレフィン成分)/((メタ)アクリル酸エステル成分)が質量比として、55/45〜95/5であることが好ましく、熱可塑性樹脂からなる基材との接着性の点から55/45〜92/8であることが好ましく、60/40〜90/10であることがより好ましく、65/35〜87/13であることがさらに好ましく、70/30〜85/15であることが最も好ましい。前記したオレフィン成分との関係における(メタ)アクリル酸エステル成分の比率が5質量部未満では、熱可塑性樹脂基材との接着性が低下する傾向にあり、一方、45質量部を超えるとオレフィン成分量が相対的に低くなることでポリオレフィン樹脂としての性質が失われる傾向にあり、結果としてポリプロピレン基材などとの接着性等の性能が低下する。
本発明におけるポリオレフィン樹脂(A)の組成は上述の通りであるが、その具体例としては、エチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体、又はエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体が好ましい。
本発明におけるポリオレフィン樹脂(A)には、さらにその他のモノマーが、この樹脂全体の20質量%以下で共重合されたものでもよい。そのようなモノマーとして、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどの炭素数3〜30のアルキルビニルエーテル類、ジエン類、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビリニデン類、一酸化炭素、二酸化硫黄等が挙げられる。さらに、ポリオレフィン樹脂(A)は、塩素化されていてもよく、塩素化量は4〜40質量%の範囲が適当である。
本発明におけるポリオレフィン樹脂(A)は、分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01〜500g/10分のものが好ましく、0.1〜400g/10分がより好ましく、1〜300g/10分がさらに好ましく、5〜200g/10分が最も好ましい。ポリオレフィン樹脂(A)のメルトフローレートが0.01g/10分未満では、ヒートシール性が低下したりする。一方、ポリオレフィン樹脂(A)のメルトフローレートが500g/10分を超えると得られる塗膜は硬くてもろくなる傾向にあり、ヒートシール性が低下しやすい。
本発明におけるポリオレフィン樹脂(A)の融点は、特に限定されないが、接着性の点から、60〜110℃の範囲が好ましく、80〜100℃の範囲がより好ましい。
本発明におけるポリオレフィン樹脂水性分散体は、上述したポリオレフィン樹脂(A)を水性媒体に分散させることにより得られるものである。ここで水性媒体とは、塩基性化合物、水溶性有機溶媒及び水を含む水溶性の媒体のことである。以下、各成分について説明する。
水性媒体に含まれる塩基性化合物は、ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基を中和して、カルボキシルアニオンを生成させるために用いられる。アニオン間の電気反発力によって微粒子間の凝集が防がれ、水性分散体に安定性が付与される。塩基性化合物としては、塗膜形成時に揮発するアンモニア又は有機アミン化合物が、塗膜の耐水性の面から好ましい。中でも、沸点が30〜250℃、さらには50〜200℃の有機アミン化合物がより好ましい。沸点が30℃よりも低いと、後述する樹脂の水性分散化時に揮発する割合が多くなり、水性分散化が完全に進行しない場合がある。沸点が250℃を超えると、樹脂塗膜から乾燥によって有機アミン化合物を飛散させることが困難になり、塗膜の耐水性が悪化する場合がある。
有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。
水性分散化の際の塩基性化合物の添加量は、ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基に対して0.5〜3.0倍当量であることが好ましく、0.8〜2.5倍当量であることがより好ましく、1.0〜2.0倍当量であることが最も好ましい。0.5倍当量未満では、塩基性化合物の添加効果が認められず、3.0倍当量を超えると、塗膜形成時の乾燥時間が長くなったり、水性分散体が着色したりすることがある。
水性媒体に含まれるもう一つの成分である水溶性有機溶媒は、ポリオレフィン樹脂の水性分散化を促進させるために用いられる。この水溶性有機溶媒は、20℃における水に対する溶解度が10g/L以上のものが好ましく、50g/L以上のものがより好ましい。さらに、水溶性有機溶媒の沸点は30〜250℃であるものが好ましく、50〜200℃であるものがより好ましい。ポリオレフィン樹脂を常圧で水性分散化する場合は、90℃〜200℃であるものが好ましい。水溶性有機溶媒の沸点が30℃未満の場合は、水性分散化時に揮発する割合が多くなって、水性分散化の効率が十分に高まらない場合がある。沸点が250℃を超える水溶性有機溶媒は、樹脂塗膜から乾燥によって飛散させることが困難であり、このため塗膜の耐水性が悪化する場合がある。また常圧で水性分散化する場合に、沸点が90℃以下であると、水性分散化を良好に行うために必要な温度に達することができず、水性分散化が困難になる傾向がある。
このような水溶性有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類や、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類や、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類や、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体などが挙げられる。さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等が挙げられる。これらの水溶性有機溶媒は、2種以上を混合して使用してもよい。
上記の水溶性有機溶剤の中でも、ポリオレフィン樹脂の水性分散化促進に効果が高い、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルが好ましく、低温乾燥性の点からエタノール、n−プロパノール、イソプロパノールがより好ましい。常圧で水性分散化する際は、n−プロパノールが好ましい。
上記の水溶性有機溶媒の添加量は、水性分散体に含まれる全水性媒体の40質量%以下であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましく、2〜35質量%であることがさらに好ましく、3〜30質量%であることが最も好ましい。水溶性有機溶媒の添加量が40質量%を超える場合は、実質的に水性媒体とはみなせなくなり、本発明の趣旨のひとつである環境保護を逸脱するだけでなく、使用する有機溶媒によっては水性分散体の安定性が低下してしまう場合がある。
本発明におけるポリオレフィン樹脂水性分散体は、上述したポリオレフィン樹脂(A)を上述した水性媒体に分散させることにより得られるものであり、ポリオレフィン樹脂(A)の添加量は、水性分散化原料であるポリオレフィン樹脂、水性媒体の総和100質量%に対して1〜60質量%であることが好ましく、3〜55質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることがさらに好ましく、5〜45質量%であることが最も好ましい。添加量が1質量%未満の場合は、得られる水性分散体の樹脂含有率が低すぎて、基材に塗布したときに塗膜の性能が発現しにくい傾向があり、反対に60質量%を超えた場合は水性分散化が困難となる傾向がある。
次に、ポリオレフィン樹脂(A)を水性媒体に分散させてポリオレフィン樹脂水性分散体を得る方法の好適な例について説明する。ポリオレフィン樹脂と水性媒体とを密閉可能な容器中で加熱、攪拌する方法を採用することができる。このとき、水性化に用いられる樹脂の形状は特に限定されないが、水性化速度を高めるという点から、粒子径1cm以下、好ましくは0.8cm以下の粒状ないしは粉末状のものを用いることが好ましい。容器としては、液体を投入できる槽を備え、槽内に投入された水性媒体と樹脂との混合物を適度に撹拌できるものであればよい。そのような装置としては、公知の固/液撹拌装置や乳化機を使用することができ、0.1MPa以上の加圧が可能な装置が好ましい。撹拌の方法、撹拌の回転速度は特に限定されない。
この装置の槽内に各原料を投入した後、好ましくは40℃以下の温度で攪拌混合しておく。次いで、槽内の温度を50〜200℃、好ましくは60〜200℃の温度に保ちつつ、5〜120分間攪拌を続けることにより樹脂を十分に水性化させ、その後、攪拌下で40℃以下に冷却することにより、水性分散体を得ることができる。槽内の温度が50℃未満の場合は、樹脂の水性化が困難になる。槽内の温度が200℃を超える場合には、樹脂の分子量が低下するおそれがある。
本発明におけるポリオレフィン樹脂水性分散体としては、市販のものも好適に使用でき、そのようなものとしては、ユニチカ社製のアローベースSB−1200、SE−1200、三井化学社製のケミパールSA−100、ケミパールS-75N、日本製紙社製のスーパークロンE-723などが上げられる。
本発明の水性接着剤は、上記したポリオレフィン樹脂水性分散体に加えて、膜厚を厚くさせる理由からアクリル酸系増粘剤(B)を含有するものであり、この成分を含有させることにより、接着性をさらに向上させることができる。
アクリル酸系増粘剤(B)のアクリル酸成分としては、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルのうちの少なくとも(メタ)アクリル酸を含み、これらの(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする共重合体からなるものである。この(メタ)アクリル酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。更に、他の単量体、例えば、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、アルリロニトリル、(メタ)アクリル酸アミド、N−メチロールアクリルアミド、メタクリル酸グリシジル等を共重合させてもよい。
本発明で用いられるアクリル酸系増粘剤(B)としては、市販されているものも好適に使用でき、そのようなものとして、東亞合成社製のアロンシリーズ「B−300K」、「アロンA−7075」、サンノプコ製の「SNシックナーA−636」等が挙げられるなどが挙げられる。
本発明の水性接着剤においては、ポリオレフィン樹脂水性分散体に含まれるポリオレフィン樹脂(A)とアクリル酸系増粘剤(B)との質量比(A)/(B)は100/3〜100/20とする必要がある。(B)成分の量が増えると分散体の液安定性が悪化する傾向があり、この観点から100/3〜100/15の範囲が好ましく、100/3〜100/10の範囲がより好ましく、100/5〜100/10の範囲が特に好ましい。ポリオレフィン樹脂(A)100質量部に対するアクリル酸系増粘剤(B)の比率が3質量部未満の場合には、接着性の向上がなく、20質量部を超える場合には、熱可塑性樹脂からなる基材との密着性と接着性がいずれも低下する傾向や液安定性が悪化する。
本発明の水性接着剤におけるポリオレフィン樹脂(A)の含有率は、成膜条件、目的とする接着層の厚さや要求される接着性等に応じて適宜選択され、特に限定されるものではない。接着剤の粘性を適度に保ち、かつ良好な塗膜形成能を発現させる点で、1〜60質量%であることが好ましく、3〜55質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることがさらに好ましく、5〜45質量%であることが特に好ましい。
次に、本発明の水性接着剤の製造方法を説明する。本発明の接着剤の製造方法としては、ポリオレフィン樹脂(A)とアクリル酸系増粘剤(B)を媒体中に均一に分散可能な方法であれば、特に限定されるものではない。たとえば、ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体とアクリル酸系増粘剤(B)の水性分散体とを混合し、さらに必要に応じて水または有機溶媒などを添加する方法が挙げられる。ポリオレフィン樹脂(A)やアクリル酸系増粘剤(B)を水性分散体とする方法としては、これらの成分を、水性媒体、塩基性化合物とともに加熱、攪拌する方法が挙げられる。この際、必要に応じて乳化剤等の水性化助剤を使用してもよい。
いずれの製法においても、工程後や工程中に、水や有機溶剤を留去したり、水や有機溶媒により希釈することによって任意に濃度調整を行うことができる。
なお、本発明の水性接着剤を得る場合には、乳化剤等の不揮発性の水性化助剤を使用してもよいが、接着性、密着性の観点から、接着剤中の含有量を5質量%以下とすることが好ましく、使用しないことが最も好ましい。不揮発性の水性化助剤としては、乳化剤、保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子などが挙げられる。
乳化剤としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられ、ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられ、両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
本発明の水性接着剤には、必要に応じて、ブロッキング防止剤、架橋剤、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤等の各種薬剤を添加してもよい。
また、本発明の水性接着剤には、必要に応じて他の重合体を添加することができる。例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、変性ナイロン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂が挙げられ、2種以上使用してもよい。添加時期は特に限定されず、たとえば、上記重合体の液状物を適宜添加すればよい。
本発明の第二のヒートシール材は、上記した本発明の第一の水性接着剤を熱可塑性樹脂からなる基材上に塗布した後、媒体を除去することにより得られるものである。
本発明における熱可塑性樹脂からなる基材の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体等のポリオレフィン系共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、全芳香族ポリエステル、芳香族ポリアゾメチン、芳香族脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステルカーボネート等の液晶樹脂(LCP樹脂)、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、6−ナイロン、66−ナイロン、610−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、セルロースアセテート、ニトロセルロース等の繊維素誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、および前記樹脂の2種以上の共重合体や混合物が挙げられる。基材の厚みとしては、特に限定されるものではないが、通常は1〜500μmの範囲であればよい。
また、このような基材は、別の樹脂、金属、紙、合成紙などの素材に積層されているものであってもよい。金属としては、ステンレス、アルミ、銅等が挙げられる。さらに、以上の素材から選ばれる複合体、積層体も使用することができる。
水性接着剤を基材上に塗布する方法は特に限定されるものではないが、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等が採用できる。接着剤の塗布量については、基材によって適宜、決定すればよい。接着剤層の厚みは、基材が熱可塑性樹脂フィルムの場合、ヒートシール性を十分高めるためには少なくとも0.1μmより厚くすることが好ましく、0.1〜30μmであることがより好ましく、0.2〜10μmがさらに好ましく、0.3〜7μmが特に好ましい。このように設けた塗膜は、ヒートシール法による接着に適した接着剤層となる。
上記のようにして塗布した後、次に媒体を除去するが、基材を乾燥することにより達成できる。乾燥温度としては、特に限定されず、基材の耐熱温度等によって適宜、決定すればよいが、通常、50〜150℃であればよく、60〜100℃がより好ましく、70〜90℃がさらに好ましい。乾燥温度が50℃未満の場合、媒体を十分に揮発させて除去することができない、あるいは揮発させるのに時間を要するため良好な接着性能を発現させることが困難になる。一方、乾燥温度が150℃を超えると接着性能が低下してしまう傾向がある。
本発明の第三は、本発明の第二のヒートシール材の接着剤層側にさらに同種又は異種の熱可塑性樹脂からなる基材を接着により積層した積層体である。熱可塑性樹脂からなる基材としては、上述したものと同様なものが好適に使用できる。また、接着するためには、圧力を負荷すればよく、その圧力としては、特に限定されるものではないが、1〜100kg/cm2の範囲であればよい。
得られた積層体は、包装用材料や電線用材料などに好適に使用でき、また、ベルトモール、自動車植毛などの用途にも使用できる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、各種の特性については以下の方法によって測定または評価した。
〔水性分散体の特性〕
(1)ポリオレフィン樹脂の構成
オルトジクロロベンゼン(d)中、120℃にてH−NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い求めた。
(2)ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート
JIS 6730記載の方法(190℃、2160g荷重)で測定した値である。
(3)ポリオレフィン樹脂の融点
DSC(Perkin Elmer社製DSC−7)を用いて昇温速度10℃/分で測定した値である。
(4)ポリオレフィン樹脂水性分散体の固形分濃度
ポリオレフィン樹脂水性分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、固形分濃度を求めた。
(5)ポリオレフィン樹脂粒子の平均粒子径
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340)を用い、数平均粒子径、重量平均粒子径を求めた。
〔接着剤層である被膜の特性〕
以下の評価においては、基材として、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ユニチカ社製エンブレットPET12、厚み12μm)、延伸ポリプロピレン(PP)フィルム(東セロ社製、厚み20μm)、未延伸ポリエチレンフィルム(タマポリ社製、厚み40μm)を用いた。
(1)テープ剥離試験(密着性)
ポロプロピレン基材に接着剤を乾燥後の膜厚が1μmになるようにマイヤーバーを用いて塗布した後、90℃で90秒、乾燥させた。得られたヒートシール材は室温で1日放置後、評価した。接着剤面にセロハンテープ(ニチバン社製TF−12)を貼り付け、テープを一気に剥がした場合の剥がれの程度を次の基準で目視評価した。
○:全く剥がれなし
△:一部、剥がれた
×:全て剥がれた
(2)接着性
水性接着剤を、ポリエチレン樹脂フィルムのコロナ処理面に、乾燥後の膜厚が2μmになるように塗布し、100℃で2分間、乾燥させた。得られたヒートシール材の接着剤層側同士を貼り合わせ、ヒートプレス機(シール圧0.3MPaで2秒間)にて120℃でプレスした。このサンプルを15mm幅で切り出し、1日後、引張試験機(インテスコ株式会社製インテスコ精密万能材料試験機2020型)を用い、引張速度200mm/分、引張角度180度で被膜の剥離強度をn=5で測定した。剥離強度の数値はn=5の平均値で記載している。同様にして、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムと延伸PPフィルムのコロナ処理面のヒートシール強度も測定した。
(3)液安定性
ポリオレフィン樹脂水性分散体と増粘剤を混合し、40℃の雰囲気中で10日間放置して液の安定性を目視にて評価した。
○:変化なし
△:凝集物発生
×:固化
使用したポリオレフィン樹脂の組成を表1に示す。
製造例1−1〔ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の製造〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1Lガラス容器を備えた撹拌機を用いて、125.0gのポリオレフィン樹脂(ア)〔ボンダインHX−8290、アトフィナジャパン社製〕、75.0gのイソプロパノール(以下、IPAという。)、7.0gのトリエチルアミン(以下、TEAという。)および293gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を130℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示した。
製造例1−2〔ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2の製造〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1Lガラス容器を備えた撹拌機を用いて、100.0gのポリオレフィン樹脂(イ)〔ボンダインTX−8030、アトフィナジャパン社製〕、150.0gのIPA、6.0gのTEAおよび244.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を130℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−2を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示した。
製造例1−3〔ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3の製造〕
ポリオレフィン樹脂(ウ)〔ボンダインHX−8210、アトフィナジャパン社製〕を用いた以外は、E−1と同様の操作でポリオレフィン樹脂水性分散体E−3を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示した。
製造例1−4〔ポリオレフィン樹脂水性分散体E−4の製造〕
ポリオレフィン樹脂(エ)(プリマコール5980I、ダウ・ケミカル社製)を用いた。ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのプリマコール5980I、16.8gのTEA、および223.2gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を130℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、微白色の水性分散体E−4を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示した。
上記の製造例1−1〜4で得られた水性分散体のほかに、市販の日本製紙ケミカル社製スーパークロンE−723(塩素化ポリプロピレンの水性分散体、固形分濃度30質量%)を水性分散体E−5として用意した。
E−5の組成を表3に示す。
アクリル酸系増粘剤として、市販の東亞合成社製「アロンB−300K」(固形分濃度45質量%)を購入し、アクリル酸系増粘剤T−1とした。比較のため、ウレタン系増粘剤である市販の旭電化化学工業社製「アデカノールUH−420」(固形分濃度30質量%)を購入し、ウレタン系増粘剤T−2とした。
表4に、用いた増粘剤を示す。
実施例1
E−1とT−1とをE−1の固形分100質量部に対してT−1の固形分が3質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで攪拌(100rpm)・混合し、接着剤J−1を調製した。
実施例2〜7
表5に示すように、ポリオレフィン樹脂の混合比やポリオレフィン樹脂、粘着付与剤の混合比を変えた以外は、実施例1と同様の操作を行って接着剤J−2〜J−7を得た。
実施例1〜7の評価結果を表5に示す。
比較例1〜5
増粘剤を添加せずに、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1〜E−5を単独で使用し、これらをそれぞれ接着剤H−1〜H−5とした。
比較例6、7
ポリオレフィン樹脂水性分散体とアクリル酸系増粘剤(B)の混合比を表6に記載したように変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、接着剤H−6〜H−7を得た。
比較例8
表6に示すように、アクリル酸系増粘剤を単独で使用した以外は、実施例1と同様の操作を行って、接着剤H−8を得た。
比較例9
表6に示すように、アクリル酸系増粘剤をウレタン系増粘剤に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、接着剤H−9を得た。
比較例1〜9の評価結果を表6に示す。
実施例1〜7では、ポリオレフィン樹脂(A)とアクリル酸系増粘剤(B)とを含有する水性接着剤は、ポリオレフィン樹脂単体時に比べて常態での剥離強度が向上した。
これに対し、比較例1〜5は粘着付与剤のいずれをも含有していないため熱可塑性樹脂基材との接着性が低かった。また、比較例8は、アクリル酸系増粘剤を単体で用いたが、密着性は良好だったものの、接着性は低かった。比較例6は、アクリル酸系増粘剤の含有量が本発明で規定するよりも下方に外れていたため、熱可塑性樹脂基材との接着性に劣っていた。比較例7は、アクリル酸系増粘剤の含有量が本発明で規定するよりも上方に外れていたため、熱可塑性樹脂基材との密着性は良好であったが、接着性が低下していた。比較例9は、本発明で規定するアクリル酸系増粘剤以外の増粘剤を使用していた為、密着性、接着性が劣っていた。

Claims (3)

  1. ポリオレフィン樹脂水性分散体とアクリル酸系増粘剤とからなる水性接着剤であって、ポリオレフィン樹脂水性分散体に含まれるポリオレフィン樹脂(A)とアクリル酸系増粘剤(B)との質量比が、(A)/(B)=100/3〜100/20であることを特徴とする水性接着剤。
  2. 熱可塑性樹脂からなる基材上に請求項1記載の水性接着剤を塗布した後、水性接着剤に含まれる媒体を除去して接着剤層としたことを特徴とするヒートシール材。
  3. 請求項2記載のヒートシール材の接着剤層側に、さらに熱可塑性樹脂からなる基材が接着されていることを特徴とする積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015037966A (ja) * 2013-04-01 2015-02-26 東洋インキScホールディングス株式会社 接着強度に優れた熱封緘蓋材
CN114761483A (zh) * 2019-12-05 2022-07-15 三井化学株式会社 水分散体及层叠体

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