JP5424568B2 - 水性接着剤を用いた積層体 - Google Patents

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Description

本発明は水性接着剤およびこの接着剤を用いた積層体に関し、特に、液晶樹脂基材に良好な接着性を有する水性接着剤およびこの接着剤を用いた積層体に関する。
液晶樹脂は、加工が容易で、耐熱性や耐溶剤性にも優れていることから、プリント基板などの電子部品として広く用いられている。しかしながら、液晶樹脂はフィルムやシートなどの成形体は比較的容易に得られるものの、これらを溶融接着して積層体を得ようとしても、接着界面から剥離しやすいという性質がある。また、接着剤を用いて積層体を作製しても、十分な接着性が発現しない、または接着できても耐熱接着性が発現しないなどの問題がある。
一方、様々な熱可塑性樹脂基材同士の貼り合わせを行うために、水性分散体からなる接着剤が用いられている。なかでも、様々な熱可塑性樹脂基材への接着性、ヒートシール性が良好な水性分散体として、特許文献1には、ポリオレフィン樹脂からなる水性分散体が開示されている。
特開2003−103734号公報
しかしながら、特許文献1に記載のようなポリオレフィン水性分散体では、液晶樹脂との貼り合わせの際の接着性や耐熱接着性については、改善の余地がある。
本発明は、上記のような問題に対して、液晶樹脂基材と熱可塑性樹脂基材との接着性に優れた塗膜、特に液晶樹脂基材同士の貼り合わせの際に良好な接着性と耐熱接着性とを示す塗膜を形成することが可能な、水性分散体を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、特定のポリオレフィン樹脂と架橋剤を特定の割合で含有する接着剤は、液晶樹脂基材に特別な表面処理を施さなくても、この液晶樹脂基材に対して良好なヒートシール強度を発現することを見出して、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)液晶樹脂基材上に、水性接着剤から媒体を除去してなる塗膜を設けたものであり、
水性接着剤は、オレフィン成分、不飽和カルボン酸成分、および(メタ)アクリル酸エステル成分を含むポリオレフィン樹脂と、架橋剤としてのオキサゾリン化合物、エポキシ化合物、またはイソシアネート化合物と、水性媒体とを含有し、
ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン成分の含有量が0.01〜10質量であり、
(オレフィン成分)/((メタ)アクリル酸エステル成分)の質量比が、55/45〜95/5であり、
ポリオレフィン樹脂と架橋剤との質量比が、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して架橋剤5〜50質量部であり、
液晶樹脂基材は、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸とを重縮合したポリエステルからなることを特徴とする積層体。
)第1の液晶樹脂基材と、水性接着剤から媒体を除去してなる接着剤層と、第2の液晶樹脂基材とを、この順に積層したものであり、
水性接着剤は、オレフィン成分、不飽和カルボン酸成分、および(メタ)アクリル酸エステル成分を含むポリオレフィン樹脂と、架橋剤としてのオキサゾリン化合物、エポキシ化合物、またはイソシアネート化合物と、水性媒体とを含有し、
ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン成分の含有量が0.01〜10質量であり、
(オレフィン成分)/((メタ)アクリル酸エステル成分)の質量比が、55/45〜95/5であり、
ポリオレフィン樹脂と架橋剤との質量比が、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して架橋剤5〜50質量部であり、
第1の液晶樹脂基材および第2の液晶樹脂基材は、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸とを重縮合したポリエステルからなることを特徴とする積層体。
本発明の接着剤によれば、液晶樹脂基材に特別な表面処理等を施さなくても、この液晶樹脂基材に対する高い接着性が得られ、特に液晶樹脂基材同士の接着に適したものとすることができる。本発明の接着剤から得られた塗膜を形成した積層体において、その塗膜はヒートシール法による接着層に適したものとすることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂は、オレフィン成分を主成分とする樹脂であり、この成分により液晶樹脂基材との接着性が得られる。オレフィン成分としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、2−ブテン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のオレフィンが好ましく、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のものがより好ましく、エチレン、プロピレンがさらに好ましく、エチレンが最も好ましい。オレフィン成分として、これらの混合物を用いてもよい。
本発明においては、ポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸成分を0.01〜10質量%含有する必要がある。この含有割合は、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましく、1〜4質量%であることが最も好ましい。不飽和カルボン酸成分の含有量が0.01質量%未満であると、樹脂の極性が低くなるため、液晶樹脂基材との接着性、密着性が低下する。一方、10質量%を超える場合は、液晶樹脂基材との接着性が低下してしまう。
不飽和カルボン酸成分は、分子内(モノマー単位内)に少なくとも1個のカルボキシル基または酸無水物基を有する化合物である。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステルやハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。不飽和カルボン酸の、ポリオレフィン樹脂中における共重合の形態は、特に限定されるものではない。共重合の形態としては、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル成分が共重合されていることが好ましい。この成分により、液晶樹脂基材やその他の基材との接着性やヒートシール性が向上するとともに、ポリオレフィン樹脂を水性化する場合には、より水性化が容易になる傾向がある。(メタ)アクリル酸エステル成分とは、アクリル酸エステル成分またはメタクリル酸エステル成分を意味する。
(メタ)アクリル酸エステル成分としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ステアリル等のアクリル酸またはメタクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられる。これらの中でも、樹脂を重合し易いという点から、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルが好ましく、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが特に好ましい。
ポリオレフィン樹脂における(メタ)アクリル酸エステル成分の量は、特に限定されない。しかし、(オレフィン成分)/((メタ)アクリル酸エステル成分)質量比が、55/45〜95/5であることが好ましく、液晶樹脂基材との接着性の点から55/45〜92/8であることがより好ましく、60/40〜90/10であることがさらに好ましく、65/35〜87/13であることがいっそう好ましく、70/30〜85/15であることが特に好ましい。前記したオレフィン成分との関係における(メタ)アクリル酸エステル成分の比率が5質量%未満では、液晶樹脂基材やその他の基材との接着性やヒートシール性が低下する傾向にある一方、同比率が45質量%を超えると、オレフィン成分量が相対的に低くなることでポリオレフィン樹脂としての性質が失われる傾向にあり、結果としてポリプロピレン基材などとの接着性やヒートシール性等の性能が低下する。
ポリオレフィン樹脂の具体例としては、エチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体、またはエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体が、最も好ましい。
ポリオレフィン樹脂は、その他のモノマーが、樹脂全体の20質量%以下で共重合されたものでもよい。ここにいう、その他のモノマーとは、例えば、エチルビニルエーテルなどの炭素数3〜30のアルキルビニルエーテル類、ジエン類、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビリニデン類、一酸化炭素、二酸化硫黄等が挙げられる。さらに、ポリオレフィン樹脂は塩素化されていてもよく、その塩素化量は4〜40質量%の範囲が適当である。
ポリオレフィン樹脂は、分子量の目安となる190℃、荷重21.2N(2160g)におけるメルトフローレートが0.01〜500g/10分であることが好ましく、0.1〜400g/10分であることがより好ましく、1〜300g/10分であることがさらに好ましく、5〜200g/10分であることが特に好ましい。ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが0.01g/10分未満では、ヒートシール性が低下したりする。一方、ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが500g/10分を超えると、得られる塗膜が硬くてもろくなる傾向にあり、ヒートシール性が低下しやすくなる。
ポリオレフィン樹脂の融点は、特に限定されないが、接着性の点から、60〜110℃の範囲であることが好ましく、80〜100℃の範囲であることがより好ましい。
本発明の接着剤には、架橋剤を配合することが必要である。架橋剤を配合することで、液晶樹脂基材との密着性や接着性をさらに向上させることができる。
本発明において使用可能な架橋剤としては、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物などをあげることができる。オキサゾリン化合物としては、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンを含有するオキサゾリン化合物がもっとも好ましい。エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどを含有するエポキシ化合物がもっとも好ましい。イソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートを含有するイソシアネート化合物がもっとも好ましい。中でも、低温の処理で密着性、、接着性などの性能が向上することから、非ブロック型の多官能イソシアネート化合物、すなわち、非ブロック型のイソシアネート基を1分子中に2個以上含有する化合物が好ましい。ここで「非ブロック型」とは、イソシアネート基がラクタム系やオキシム系の化合物(いわゆるブロック剤)でブロック(「保護」あるいは「マスク」ということもある)されていないことを意味する。イソシアネートの改変生成物として得られる多官能イソシアネートを用いることもできる。改変生成物としては、上記のようなイソシアネート化合物を公知の方法で変性することによって、アロファネート基、ビューレット基、カルボジイミド基、ウレトンイミン基、ウレトジオン基、イソシアヌレート基等のイソシアネートから誘導される官能基を分子中に有する多官能イソシアネート化合物に変性した化合物や、トリメチロールプロパン等の多官能アルコールで変性したアダクト型の多官能イソシアネート化合物を挙げることができる。これらの中でも、イソシアヌレート基を有する多官能イソシアネート化合物を使用することが、接着剤によって形成される塗膜のインキ密着性、耐溶剤性、耐スクラッチ性を向上させる点で特に好ましい。なお、多官能イソシアネート化合物には、20質量%以内の範囲でモノイソシアネートが含有されていてもよい。上記した架橋剤の中でも、耐熱接着性、接着性を向上させる点で、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物を含有するものが好ましい。
ポリオレフィン樹脂と架橋剤との質量比は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、架橋剤が5〜50質量部であることが必要である。架橋剤の量が増えると接着性が低下する傾向がある。この観点から、架橋剤は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して10〜30質量部であることがより好ましく、15〜30質量部であることが特に好ましい。ポリオレフィン樹脂100質量部に対する架橋剤の比率が5質量部未満である場合には、液晶基材との密着性や耐熱接着性が発現しない。反対に50質量部を超える場合には、液晶樹脂基材との接着性が低下する傾向にある。
本発明の接着剤をポリオレフィン樹脂と架橋剤との水性分散体とする場合には、媒体は、作業者や作業環境への安全性の観点から、水を主成分とするものであることが必要である。このとき、水性化、溶解化、乾燥負荷低減などの目的のために、水以外に有機溶剤が含まれていても差し支えない。有機溶剤が媒体全量に占める量は40質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。媒体は、ポリオレフィン樹脂等を水性化する際に添加される水溶性の塩基性化合物を含む場合もある。
本発明の接着剤において、ポリオレフィン樹脂または架橋剤の溶液とする場合には、上述の有機溶剤を主成分とする媒体を用いる。有機溶剤が媒体全体に占める割合は50質量%以上が好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上が特に好ましい。また、2種類以上の有機溶剤が混合できるのであれば、それらをあわせて使用することができる。
本発明の接着剤を得るときに使用可能なポリオレフィン樹脂としては、アルケマ社製のHX−8290、TX−8030、HX−8210などが挙げられる。また、ポリオレフィン樹脂水性分散体としては、三井化学社製のケミパールSA−100、ケミパールS-75N、日本製紙社製のスーパークロンE-723などが挙げられる。
一方、本発明の接着剤を得るときに使用可能な架橋剤のうち、市販のオキサゾリン化合物としては、日本触媒社製のエポクロスシリーズが挙げられる。より具体的には、水溶性タイプのWS−500、WS−700、エマルションタイプのK−1010E、K−1020E、K−1030E、K−2010E、K−2020E、K−2030Eなどが挙げられる。市販のエポキシ化合物としては、本発明に適した水系のものとしては、例えば、ナガセケムテック社製のデナコールシリーズ(EM−150、EM−101など)、アデカ社製のアデカレジンEM−0517、EM−0526、EM−11−50B、EM−051R、阪本薬品工業社製のSR−GSG、SR−4GSLなどが挙げられる。市販のイソシアネート化合物としては、BASF社製のバソナート(BASONAT)PLR8878、バソナートHW−100等;住友バイエルウレタン株式会社製のバイヒジュール(Bayhydur)3100、バイヒジュールVPLS2150/1、SBUイソシアネートL801、デスモジュール(Desmodur)N3400、デスモジュールVPLS2102、デスモジュールVPLS2025/1、SBUイソシアネート0772、デスモジュールDN等;武田薬品工業株式会社製のタケネートWD720、タケネートWD725、タケネートWD730等;旭化成工業社製のデュラネートWB40−100、デュラネートWB40−80D、デュラネートWX−1741;日本ポリウレタン社製のコロネートシリーズ等を挙げることができる。
本発明の接着剤における樹脂含有率は、成膜条件や、目的とする接着層の厚さや、要求される接着性等に応じて適宜選択され、特に限定されるものではない。接着剤の粘性を適度に保ち、かつ良好な塗膜形成能を発現させる点で、樹脂含有率は1〜60質量%であることが好ましく、3〜55質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることがさらに好ましく、5〜45質量%であることが特に好ましい。
本発明の接着剤には、乳化剤等の不揮発性の水性化助剤を使用してもよい。その場合は、接着性、密着性の観点から、接着剤中における水性化助剤の含有量を5質量%以下とすることが好ましい。なお、不揮発性の水性化助剤は、使用しないことが最も好ましい。不揮発性の水性化助剤の例としては、乳化剤、保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子などが挙げられる。
乳化剤としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられる。ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物や、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられる。両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール;カルボキシル基変性ポリビニルアルコール;カルボキシメチルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;変性デンプン;ポリビニルピロリドン;ポリアクリル酸およびその塩;カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの数平均分子量が通常は5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類およびその塩;アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩;スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の不飽和カルボン酸含有量が10質量%以上のカルボキシル基含有ポリマーおよびその塩;ポリイタコン酸およびその塩;アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体;ゼラチン;アラビアゴム;カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物が挙げられる。
本発明の接着剤には、必要に応じて、ブロッキング防止剤、架橋剤、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤等の各種薬剤を添加してもよい。
本発明の接着剤には、必要に応じて他の重合体を添加することができる。このような重合体としては、たとえば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、変性ナイロン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。2種以上を使用してもよい。その添加時期は、特に限定されず、たとえば、上記重合体の液状物を適宜添加することができる。
本発明の接着剤の製造方法を説明する。
本発明の接着剤の製造方法は、ポリオレフィン樹脂と架橋剤とを媒体中に均一に分散または溶解可能な方法であれば、特に限定されるものではない。たとえば、ポリオレフィン樹脂の分散体と架橋剤の液状物とを混合し、さらに必要に応じて水または有機溶媒などを添加する方法が挙げられる。ポリオレフィン樹脂や架橋剤を水性分散体とする方法としては、これらの成分を、水性媒体、塩基性化合物とともに加熱し撹拌する方法が挙げられる。この際、必要に応じて乳化剤等の水性化助剤を使用してもよい。
また、ポリオレフィン樹脂と架橋剤との各原料樹脂を混合した後、水や有機溶媒と混合して水性分散化または溶解させる方法も挙げられる。必要に応じて、塩基性化合物や乳化剤を使用することができる。
いずれの製法においても、工程後や工程中に、水や有機溶剤を留去したり、水や有機溶媒により希釈したりすることによって、任意に濃度調整を行うことができる。
本発明の接着剤は、液晶樹脂基材の接着に特に好適に用いることができる。液晶樹脂(以下、「LCP」と略称する)とは、樹脂が高温での溶融や溶媒への溶解により流動状態となった際に、分子鎖がほぼ規則的に整列している状態(液晶性)を示す高分子を指す。たとえば、全芳香族ポリエステル、芳香族ポリアゾメチン、芳香族脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステルカーボネート、全芳香族又は非全芳香族ポリエステルアミドなどのうちの一部の樹脂が液晶性を示すことが知られている。
LCPとして知られるポリエステルとして、パラヒドロキシ安息香酸とその他の成分とを直鎖状に重縮合したポリエステルが挙げられる。具体的には、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸とを重縮合したポリエステル、フェノールおよびフタル酸とパラヒドロキシ安息香酸とを重縮合したポリエステル、2,6−ヒドロキシナフトエ酸とパラヒドロキシ安息香酸とを重縮合したポリエステルなどが挙げられる。
LCPは市販品が入手可能である。例えば、ポリプラスチック社製ベクトラシリーズ「A950、E951SX」や、住友化学社製スミカスーパーシリーズ「E5204L、E6807LHF」や、ユニチカ社製ロッドランシリーズ「LC5030G、LC5030MF」などが挙げられる。これらは、フィラーを混合して弾性や強度を向上させたものであってもよいし、エステルアミド化させて弾性率を向上させたものであってもよい。
本発明の接着剤によってLCP基材同士を貼り合わせてもよいし、LCP基材と他の基材とを貼り合わせてもよい。基材の厚さは、特に限定されるものではないが、通常0.05〜10mm、好ましくは0.5〜7mm、より好ましくは1〜5mm、特に好ましくは1〜3mmである。
LCP基材と接着される他の基材の素材としては、特に限定されないが、樹脂、金属、紙、合成紙などを挙げることができる。樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体又はその鹸化物、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体等のポリオレフィン系共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂;6−ナイロン、66−ナイロン、610−ナイロン等のポリアミド系樹脂;ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂;セルロースアセテート、ニトロセルロース等の繊維素誘導体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素系樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂;前記樹脂の2種以上の共重合体や混合物などが挙げられる。金属としては、ステンレス、アルミ、銅等が挙げられる。さらに、以上の素材から選ばれる複合体、積層体も使用することができる。
本発明の接着剤を基材に塗工する方法は、特に限定されるものではない。たとえば、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等を採用できる。接着剤の塗布量は、基材によって適宜決定すればよい。接着剤層の厚みは、基材が熱可塑性樹脂フィルムの場合は、ヒートシール性を十分高めるためには少なくとも0.1μmより厚くすることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましく、0.2〜8μmであることがさらに好ましく、0.3〜7μmであることが特に好ましい。このように設けた塗膜は、ヒートシール法による接着に適した接着剤層となる。
本発明の接着剤を機材に塗布したときの乾燥温度は、特に限定されず、基材の耐熱温度等によって適宜決定すればよい。通常、50〜150℃であればよく、60〜100℃がより好ましく、70〜90℃がさらに好ましい。乾燥温度が50℃未満の場合は、媒体を十分に揮発させて除去することができないため、あるいは揮発させるのに時間を要するため、良好な接着性能を発現させることが困難になる。一方、乾燥温度が150℃を超えると、接着性能が低下してしまう傾向がある。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、以下の実施例・比較例における各種の特性は、以下の方法によって測定または評価した。
1.水性分散体の特性
(1)ポリオレフィン樹脂の組成
オルトジクロロベンゼン(d)中、120℃にてH−NMR分析(バリアン社製の分析装置、300MHz)を行い求めた。
(2)ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート
JIS K6730記載の方法(190℃、荷重20.2N(2160g))で測定した。
(3)ポリオレフィン樹脂の融点
DSC(Perkin Elmer社製、DSC−7)を用いて、昇温速度10℃/分で測定した。
(4)ポリオレフィン樹脂水性分散体の固形分濃度
ポリオレフィン樹脂水性分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱して、この質量から固形分濃度を求めた。
(5)ポリオレフィン樹脂粒子の平均粒子径
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計 UPA150(MODEL No.9340)を用い、数平均粒子径、重量平均粒子径を求めた。
2.被膜の特性
LCP基材として、ユニチカ社製ロッドランLC5030MF、厚み0.8mmのシートを用いて、評価した。
(1)テープ剥離試験(密着性)
LCP基材に、接着剤を、乾燥後の膜厚が1μmとなるように、マイヤーバーを用いて塗布した。その後、90℃で90秒間乾燥させた。これによって得られた積層フィルムは、室温で1日放置した後に評価した。具体的には、接着剤面にセロハンテープ(ニチバン社製、TF−12)を貼り付け、テープを一気に剥がした場合の剥がれの程度を、次の基準で目視評価した。
○:全く剥がれなし
△:一部剥がれた
×:全て剥がれた
(2)接着性
5cm角LCP基材2枚に、接着剤を、乾燥後の膜厚が3μmになるようにそれぞれ塗布し、90℃で90秒間乾燥させた。得られた1枚のLCP基材のコート層と、もう1枚のLCP基材のコート層とを、接着面寸法が縦2cm、横5cmになるように貼り合わせ、すなわち、それぞれ3cmの掴みしろが形成されるように貼り合わせて、ヒートプレス機(シール圧0.2MPa)にて、150℃で60秒間プレスした。得られたサンプルを15mm幅で切り出し、1日後、引張試験機(インテスコ社製、インテスコ精密万能材料試験機2020型)を用い、常温下で、引張速度10mm/分、引張角度180度で、被膜のせん断接着強度を測定した。そして、せん断接着強度400N/15mm幅以上を、合格ラインとした。なお、せん断接着強度は、500N/15mm幅以上であることがより好ましく、600N/15mm幅以上であることが特に好ましい。
(3)耐熱接着性
上記の常温でのせん断接着強度の測定に代えて、高温でのせん断接着強度の測定を行った。すなわち、5cm角LCP基材2枚に、接着剤を、乾燥後の膜厚が3μmになるようにそれぞれ塗布し、90℃で90秒間乾燥させた。得られた1枚のLCP基材のコート層と、もう1枚のLCP基材のコート層とを、接着面寸法が縦2cm、横5cmになるように貼り合わせ、すなわち、それぞれ3cmの掴みしろが形成されるように貼り合わせて、ヒートプレス機(シール圧0.2MPa)にて、150℃で60秒間プレスした。得られたサンプルを15mm幅で切り出し、1日後、引張試験機(インテスコ社製、インテスコ精密万能材料試験機2020型)を用い、80℃の雰囲気下で、引張速度10mm/分、引張角度180度で、被膜のせん断接着強度を測定した。そして、せん断接着強度100N/15mm幅以上を合格ラインとした。なお、せん断接着強度は、200N/15mm幅以上であることがより好ましく、300N/15mm幅以上であることが特に好ましい。
[ポリオレフィン樹脂]
以下の実施例・比較例で使用したポリオレフィン樹脂の組成と特性とを、表1に示す。詳細には、
ポリオレフィン樹脂(ア)は、アルケマ社製のボンダインHX−8290であり、
ポリオレフィン樹脂(イ)は、アルケマ社製のボンダインTX−8030であり、
ポリオレフィン樹脂(ウ)は、アルケマ社製のボンダインHX−8210であり、
ポリオレフィン樹脂(エ)は、ダウ・ケミカル社製のプリマコール5980Iである。
ポリオレフィン樹脂(ア)(イ)(ウ)は、本発明にしたがい不飽和カルボン酸成分としての無水マレイン酸の含有率が0.01から10質量%の範囲内であった。これに対し、ポリオレフィン樹脂(エ)は、不飽和カルボン酸成分としてのアクリル酸の含有率が20質量%と、本発明に規定する範囲を超えていた。
Figure 0005424568
[ポリオレフィン樹脂]
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の製造)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1Lガラス容器を備えた撹拌機を用いて、125.0gのポリオレフィン樹脂(ア)〔ボンダインHX−8290、アルケマ社製〕と、75.0gのイソプロパノール(以下、「IPA」と略称する)と、7.0gのトリエチルアミン(以下、「TEA」と略称する)と、293gの蒸留水とをガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌した。そうしたところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこで、この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れて加熱した。そして系内温度を130℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ、空冷にて室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)して、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示す。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2の製造)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1Lガラス容器を備えた撹拌機を用いて、100.0gのポリオレフィン樹脂(イ)〔ボンダインTX−8030、アルケマ社製〕と、150.0gのIPAと、6.0gのTEAと、244.0gの蒸留水とをガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌した。そうしたところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこで、この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れて加熱した。そして系内温度を130℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ、空冷にて室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)して、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−2を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示す。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3の製造)
ポリオレフィン樹脂(ウ)〔ボンダインHX−8210、アルケマ社製〕を用いた。それ以外はE−1の場合と同様の操作で、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示す。
(ポリオレフィン樹脂水性分散体E−4の製造)
ポリオレフィン樹脂(エ)〔プリマコール5980I、ダウ・ケミカル社製〕を用いた。ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのプリマコール5980Iと、16.8gのTEAと、223.2gの蒸留水とをガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌した。そうしたところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を130℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ、空冷にて室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)して、微白色の水性分散体E−4を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示す。
Figure 0005424568
(塩素化ポリオレフィン樹脂水性分散体:E−5)
日本製紙ケミカル社製、スーパークロンE−723(酸変性塩素化ポリプロピレンの水性分散体、固形分濃度30質量%)を使用した。
E−5の詳細を表3に示す。
Figure 0005424568
[架橋剤]
(架橋剤:K−1)
日本触媒社製、エポクロスWS−700(2−イソプロペニル−2−オキサゾリン含有オキサゾリン化合物水性溶液、固形分濃度40質量%)を使用した。
(架橋剤:K−2)
日本触媒社製、エポクロスWS−500(2−イソプロペニル−2−オキサゾリン含有オキサゾリン化合物水性溶液、固形分濃度40質量%)を使用した。
(架橋剤:K−3)
アデカ社製、アデカレジンEM−0517(ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ化合物水性溶液、固形分濃度51質量%、エポキシ当量730)を使用した。
(架橋剤:K−4)
ナガセケムテック社製、デナコールEM−150(ノボラックグリシジルエーテル型エポキシ化合物水性溶液、固形分濃度50質量%、エポキシ当量450)を使用した。
(架橋剤:K−5)
ナガセケムテック社製、デナキャストEM−101(変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ化合物水性溶液、固形分濃度50質量%、エポキシ当量520)を使用した。
(架橋剤:K−6)
阪本薬品工業社製、SR-GLG(グリセリンポリグリシジルエーテル型エポキシ化合物水性溶液、固形分濃度100質量%、エポキシ当量143)を使用した。
(架橋剤:K−7)
阪本薬品工業社製、SR-4GLS(ポリグリセリンポリグリシジルエーテル型エポキシ化合物水性溶液、固形分濃度100質量%、エポキシ当量170)を使用した。
(架橋剤:K−8)
BASF社製、バソナートHW−100(ヘキサメチレンジイソシアネート型イソシアネート化合物水性溶液、固形分濃度100質量%)を使用した。
表4に、用いた架橋剤の詳細を示す。
Figure 0005424568
実施例1
ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1と架橋剤K−1とを、E−1の固形分100質量部に対してK−1の固形分が5質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで撹拌(100rpm)・混合し、接着剤J−1を調製した。
実施例2〜15
表5、表6に示すように、ポリオレフィン樹脂の混合比、ポリオレフィン樹脂の種類、架橋剤の混合比、架橋剤の種類を変えた。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、接着剤J−2〜J−15を得た。
実施例1〜15の評価結果を表5、表6に示す。
Figure 0005424568
Figure 0005424568
比較例1〜5
架橋剤を添加せずに、ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1〜E−5を単独で使用し、これらをそれぞれ接着剤H−1〜H−5とした。
比較例6〜10
ポリオレフィン樹脂水性分散体と架橋剤の種類と混合比を、表7に記載したように変更した。それ以外は実施例1と同様の操作を行って、接着剤H−6〜H−10を得た。
比較例1〜10の評価結果を表7に示す。
Figure 0005424568
実施例1〜15では、水性分散体から得られる塗膜は、LCP基材との密着性が良好であった。さらに、この塗膜を接着層とした場合には、LCP基材同士の接着性、耐熱接着性に優れていた。
これに対し比較例1〜5は、いずれも架橋剤を含有していないためLCP基材との密着性に劣り、またLCP基材同士の接着性、耐熱接着性も低かった。比較例6、8は、架橋剤の含有量が本発明で規定するよりも下方に外れていたため、LCP基材との密着性、接着性、耐熱接着性に劣っていた。比較例7、9は、架橋剤の含有量が本発明で規定するよりも上方に外れていたため、LCP基材との密着性は良好であったが、接着性、耐熱接着性が低下していた。比較例10は、ポリオレフィン樹脂の不飽和カルボン酸成分の含有率が本発明の範囲を超えていたため、密着性、接着性ともに劣っていた。

Claims (2)

  1. 液晶樹脂基材上に、水性接着剤から媒体を除去してなる塗膜を設けたものであり、
    水性接着剤は、オレフィン成分、不飽和カルボン酸成分、および(メタ)アクリル酸エステル成分を含むポリオレフィン樹脂と、架橋剤としてのオキサゾリン化合物、エポキシ化合物、またはイソシアネート化合物と、水性媒体とを含有し、
    ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン成分の含有量が0.01〜10質量であり、
    (オレフィン成分)/((メタ)アクリル酸エステル成分)の質量比が、55/45〜95/5であり、
    ポリオレフィン樹脂と架橋剤との質量比が、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して架橋剤5〜50質量部であり、
    液晶樹脂基材は、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸とを重縮合したポリエステルからなる
    ことを特徴とする積層体。
  2. 第1の液晶樹脂基材と、水性接着剤から媒体を除去してなる接着剤層と、第2の液晶樹脂基材とを、この順に積層したものであり、
    水性接着剤は、オレフィン成分、不飽和カルボン酸成分、および(メタ)アクリル酸エステル成分を含むポリオレフィン樹脂と、架橋剤としてのオキサゾリン化合物、エポキシ化合物、またはイソシアネート化合物と、水性媒体とを含有し、
    ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン成分の含有量が0.01〜10質量であり、
    (オレフィン成分)/((メタ)アクリル酸エステル成分)の質量比が、55/45〜95/5であり、
    ポリオレフィン樹脂と架橋剤との質量比が、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して架橋剤5〜50質量部であり、
    第1の液晶樹脂基材および第2の液晶樹脂基材は、エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸とを重縮合したポリエステルからなる
    ことを特徴とする積層体。
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