JPH08157767A - 導電性塗膜形成剤組成物 - Google Patents

導電性塗膜形成剤組成物

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JPH08157767A
JPH08157767A JP6329702A JP32970294A JPH08157767A JP H08157767 A JPH08157767 A JP H08157767A JP 6329702 A JP6329702 A JP 6329702A JP 32970294 A JP32970294 A JP 32970294A JP H08157767 A JPH08157767 A JP H08157767A
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JP
Japan
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monomer
coating film
film forming
conductive coating
forming composition
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Application number
JP6329702A
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English (en)
Inventor
Akio Yamazaki
秋雄 山崎
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Nihon Junyaku Co Ltd
Original Assignee
Nihon Junyaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレクトロニクス等の分野で発生する静電気
障害の防止に有効な耐水性、耐溶剤性に優れ、塗布によ
って優れた展延性を発現する導電性塗膜形成剤組成物を
提供する。 【構成】 単量体A(エチレン系不飽和スルホン酸単量
体)、単量体B((メタ)アクリレート単量体との所定
量の共重合による共重合体、または、これら単量体A、
Bと単量体C(架橋反応性単量体)との所定量の共重合
による共重合体からなるイオン導電性樹脂を主体とし
て、これに必要により化合物D(熱架橋性化合物)の所
定量を配合して導電性塗膜形成剤組成物を形成するもの
で、水性および溶剤による組成物のいずれの使用形態と
して使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エレクトロニクスな
どの分野の機器部品、装置類やプラスチックフィルム、
シートなどに発生する静電気を有効に防止することがで
きる導電性塗膜形成剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック基材などの帯電防止処理と
して、ある種の界面活性剤をプラスチック表面に塗布し
たり、あるいはプラスチック基材中に練り込んだりする
ことが行われている。一方、プラスチック基材にカーボ
ンや金属粉などの導電性材料を練り込んだりすることも
行われている。
【0003】これら公知の帯電防止処理において、界面
活性剤をプラスチック表面に塗布する方法は、一般的に
得られた塗膜は耐水性に乏しく、かつ塗膜が表面から容
易に離脱するおそれがあると共に、水分の吸着でべとつ
いたり、変質するなどの耐久性に多くの問題を有し、塗
膜の表面抵抗値も極薄膜の場合にはおおむね109 オー
ム/□以上で十分な導電性塗膜とはいい難いものが多
い。
【0004】また、プラスチック基材にカーボンや金属
粉などを混練する方法は、前記処理手段に比して問題は
少ないものゝ、混入したカーボン等の導電材料によって
得られた製品の透明性が阻害されるという問題を有す
る。したがって、帯電防止機能と共に透明性が要求され
るプラスチックフィルムやICチップの収納容器などで
はより優れた帯電防止処理が要求されている。
【0005】このような要求を達成するために、たとえ
ば、紫外線照射によって光硬化性を発現する光架橋型の
導電性塗膜形成材料を開示した特公昭61−24413
号公報や導電性の共重合エマルジョンからなる熱架橋型
の導電性塗膜形成材料を開示した特公昭61−5434
7号公報などに記載の技術が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特公昭61−2441
3号公報において開示された光架橋型の導電性塗膜形成
材料は、塗膜の形成時間が短時間であるという利点を有
する反面、紫外線照射装置を必要とするなど経済的な負
担や設備面での制約が多い。一方、特公昭61−543
47号公報で示された導電性塗膜形成材料は、熱架橋に
かなりの長時間を必要とするため、工業的使用における
生産性に大きな問題を残している。さらに、これらの架
橋型塗膜形成材料は、いずれも塗膜が展延性に乏しく、
これらをプラスチックシート面に造膜して真空成形、圧
空成形、折り曲げ加工など二次加工をする場合、塗膜に
クラックが生じて連続的な表面抵抗値の著しい増大を招
くという問題があった。
【0007】また、側鎖にカチオン性の第4級アンモニ
ウムを有する高分子化合物も帯電防止効果としては優れ
ているが、ポリエステル,ポリプロピレン,ポリスチレ
ンなどに塗布して二軸配向する場合に、加温下で行われ
るため、カチオンの離脱により帯電防止効果が劣化する
という問題を抱えている。さらには、エレクトロニクス
関係では、塩素の発生による金属部の腐食のおそれがあ
り、使用できないという問題を有している。
【0008】この発明はかゝる問題点に鑑み、有機溶剤
可溶タイプまたは水可溶タイプのいずれの使用者側の条
件にも合わせて製造することができ、帯電防止効果はも
ちろんのこと、比較的低温で短時間の硬化反応によっ
て、透明で優れた耐水性、耐溶剤性と、大きな展延性を
有する導電性高分子塗膜を形成することができる導電性
塗膜形成剤組成物を提供せんとすることを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、この発明の導電性塗膜形成剤組成物は、下記
(A)および(B)の単量体成分の配合による共重合で
得られたイオン導電性樹脂を主体としてなることを特徴
とするものである。 (A)エチレン系不飽和スルホン酸単量体15〜80重
量% (B)(メタ)アクリレート単量体20〜70重量%
【0010】この発明の他の導電性塗膜形成剤組成物
は、下記(A)〜(C)の単量体成分の配合による共重
合で得られたイオン導電性樹脂を主体としてなることを
特徴とするものである。 (A)エチレン系不飽和スルホン酸単量体15〜80重
量% (B)(メタ)アクリレート単量体20〜70重量% (C)架橋反応性単量体1〜15重量%
【0011】この発明のさらに他の導電性塗膜形成剤組
成物は、前記導電性塗膜形成剤組成物を構成するイオン
導電性樹脂の80〜97重量%に対して、熱架橋性化合
物を20〜3重量%の範囲で配合してなることを特徴と
するものである。
【0012】この発明において、導電性塗膜形成剤組成
物における前記(A)のエチレン系不飽和スルホン酸単
量体(以下「単量体A」という。)は、好ましくは下記
化4の一般式で示される化合物(ただし、式中 R1
2 は、水素または炭素数1〜8のアルキル基であり、
同一でも異なっていてもよい。Mは水素またはNa,
K,NH3 ,アミン塩である。)または/および下記化
5の一般式で示される化合物(ただし、式中 R3 は水
素または炭素数1〜8のアルキル基またはフェニル基で
あり、Mは水素又はNa,K,NH3 ,アミン塩であ
る。)である。
【0013】
【化4】CH2 =CR1 CONHR2 (SO3 M)
【0014】
【化5】CH2 =CR3 SO3
【0015】導電性塗膜形成剤組成物における前記
(B)の(メタ)アクリレート単量体(以下「単量体
B」という。)は、好ましくは、下記化6の一般式で示
される化合物(ただし、式中 R4 は水素、又はメチル
基、R5 は水素又は炭素数1〜8のアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基、Aは炭素数2〜4個のアルキレン
基、nは0〜500の整数である。)である。
【0016】
【化6】CH2 =CR4 COO(AO)nR5
【0017】導電性塗膜形成剤組成物における前記
(C)の架橋反応性単量体(以下「単量体C」とい
う。)は、好ましくは、N−メチロールアクリルアミ
ド,N−メチロールメタクリルアミドおよびイタコン
酸,アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸等のカルボ
ン酸を有する単量体、ならびにグリシジル基を有する単
量体から選ばれた1種もしくは2種以上からなるもので
ある。
【0018】この発明の導電性塗膜形成剤組成物におい
て、前記のイオン導電性樹脂に配合される熱架橋性化合
物(以下「化合物D」という。)は、好ましくは、エー
テル類の1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエ
ポキシ化合物,ウレタン化合物,イソシアネート化合物
およびオキサゾリン化合物から選ばれた1種もしくは2
種以上からなるものである。
【0019】しかして、前記単量体Aは、具体的には、
前記化4の一般式で示される化合物または/および化5
の一般式で示される化合物である。より具体的には、芳
香族炭化水素ビニルスルホン酸塩,スルホン酸塩含有
(メタ)アクリルアミド,スルホン酸塩含有(メタ)ア
クリレート,脂肪族炭化水素ビニルスルホン酸塩等であ
る。
【0020】この単量体Aの前記化4で示される一般式
の化合物の具体例としては、2−(メタ)アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸塩,3−(メタ)ア
クリルアミドプロパン−1−スルホン酸塩,2−(メ
タ)アクリルアミドエチル−1−スルホン酸塩,3−
(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスル
ホン酸塩,p−(メタ)アクリルアミドメチルベンゼン
スルホン酸塩などのスルホン酸塩含有(メタ)アクリル
アミドを挙げることができる。
【0021】また、前記化5で示される一般式の化合物
の具体例としては、 a)p−およびo−スチレンスルホン酸塩,スチレンジ
スルホン酸塩,α−メチルスチレンスルホン酸塩,ビニ
ルフェニルメタンスルホン酸塩などの芳香族炭化水素ビ
ニルスルホン酸塩 b)3−(メタ)アクリロイロキシプロパン−1−スル
ホン酸塩,4−(メタ)アクリロイロキシブタン−2−
スルホン酸塩,2−(メタ)アクリロイロキシエチル−
1−スルホン酸塩,3−(メタ)アクリロイロキシ−2
−ヒドロキシプロパンスルホン酸塩などのスルホン酸塩
含有(メタ)アクリレート c)ビニルスルホン酸塩、(メタ)アリルスリホン酸塩
などの脂肪族炭化水素ビニルスルホン酸塩を挙げること
ができる。
【0022】前記の化合物のうち、好ましいものは、芳
香族炭化水素ビニルスルホン酸塩,スルホン酸塩含有
(メタ)アクリルアミドおよび脂肪族炭化水素ビニルス
ルホン酸塩である。特に好ましいものは、p−およびo
−スチレンスルホン酸塩,2−(メタ)アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸塩および(メタ)アリ
ルスルホン酸塩である。
【0023】このスルホン酸塩を構成する陽イオン成分
としては、水素原子,ナトリウム,カリウム,アンモニ
ウムおよびアミン塩であるが、かゝるスルホン酸塩は1
種でもよいが2種以上を併用してもよい。
【0024】この単量体Aの使用量は、15〜80重量
%、好ましくは20〜70重量%であって、その使用量
が15重量%未満では帯電防止効果に乏しく、80重量
%を超えると耐水性が低下する。
【0025】前記化6の一般式で示される単量体Bとし
て、一般式のn=0または1の整数で表される化合物と
して、たとえば、メチルメタクリレート,エチルメタク
リレート,ブチルメタクリレート,ラウリルメタクリレ
ート,エチルヘキシルメタクリレート,ステアリルメタ
クリレート,メチルアクリレート,エチルアクリレー
ト,ベンジルメタクリレート,フェニルメタクリレー
ト,シクロヘキシルメタクリレート,2−ヒドロキシエ
チルメタクリレートなどを挙げることができる。
【0026】また、n=2〜500の整数で表される化
合物としては、たとえば、ポリエチレングリコール
(4)モノメタクリレート,ポリエチレングリコール
(23)モノメタクリレート,ポリエチレングリコール
(300)モノメタクリレート,ポリエチレングリコー
ル(23)モノアクリレート,ポリプロピレングリコー
ル(23)モノメタクリレート,ポリブチレングリコー
ル(23)モノメタクリレート,ポリエチレングリコー
ル(23)モノメタクリレートモノメチルエーテル,ポ
リエチレングリコール(23)モノメタクリレートモノ
ブチルエーテル,ポリエチレングリコール(23)モノ
メタクリレートモノステアリルエーテル,ポリエチレン
グリコール(23)モノメタクリレートモノフェニルエ
ーテル,ポリエチレングリコール(23)モノメタクリ
レートモノベンジルエーテル,ポリエチレングリコール
(23)モノメタクリレートモノオレイルエーテル(カ
ッコ内はポリアルキレングリコールユニットの数であ
る。)等を挙げることができる。
【0027】このうち、特にn=0または1の整数で表
される化合物を用いると、皮膜形成樹脂と基材合成樹脂
との密着性が良好となるので好ましい。この単量体Bの
使用量は、通常20〜70重量%、好ましくは30〜6
0重量%であって、使用量が20重量%未満では耐水性
が損なわれ、70重量%を超えると帯電防止効果が乏し
くなる。
【0028】前記した単量体Aおよび単量体Bに対し
て、必要に応じて加えられる前記単量体Cは、具体的に
は、N−メチロール(メタ)アクリルアミド,グリシジ
ル(メタ)アクリレート等の自己架橋タイプと、化合物
D(熱架橋性化合物)と反応することによって架橋する
イタコン酸,アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,
無水マレイン酸,(メタ)アクリルアミド等の単量体を
挙げることができる。その使用量としては、1〜15重
量%、好ましくは2〜10重量%であり、1重量%未満
では架橋効果に乏しく、15重量%を超えると帯電防止
効果が損なわれるようになる。
【0029】イオン導電性樹脂に配合される前記化合物
Dは、これを使用することによってN−メチロールアク
リルアミド,N−メチロールメタクリルアミド,グリシ
ジル(メタ)アクリレート等の自己架橋タイプの単量体
Cを敢えて使用しなくてもよく、また、エチレン系不飽
和カルボン酸または/および水酸基含有モノマー導入共
重合体においては、この化合物Dを添加することによっ
て皮膜の耐水性、耐溶剤性が向上する。
【0030】かゝる化合物Dとしては、エーテル類の1
分子当たり2個以上のエポキシ基を有する化合物,メラ
ミン化合物,ウレタン化合物,イソシアネート化合物お
よびオキサゾリン化合物から選択されるものである。具
体的には、2〜4個のグリシジル基を有するエポキシ基
を有するエポキシ化合物として、たとえば、エチレング
リコールグリシジルエーテル,ポリエチレングリコール
グリシジルエーテル,プロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル,ネオペンチルグリコールジグリシジルエー
テル,グリセロールポリグリシジルエーテル,トリメチ
ロールプロパンポリグリシジルエーテル,ジグリセロー
ルポリグリシジルエーテル等を挙げることができ、これ
らの1種もしくは2種以上を使用することができる。
【0031】メラミン化合物としては、メチル化メラミ
ン樹脂,メチルブチル混合アルキル化メラミン樹脂,メ
チル化ベンジルグアナミン樹脂等を挙げることができ
る。
【0032】イソシアネート化合物としては、アニオン
性の水性ウレタン樹脂,ブロック型イソシアネート等を
挙げることができる。
【0033】オキサゾリン化合物としては、2.2´−
ビス(2−オキサゾリン)、2.2´−(1.3−フェ
ニレン)−ビス(2−オキサゾリン)、2.2´−
(1.4−フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)等
を挙げることができる。
【0034】これらの化合物Dの使用量は、前記各単量
体AとBからなるイオン導電性樹脂または単量体A、B
およびCからなるイオン性導電性樹脂の80〜99重量
%に対して、好ましくは1〜20重量%、より好ましく
は5〜15重量%である。その量が1重量%未満では耐
水性、耐溶剤性が不足し、20重量%を超えるとこの発
明の帯電防止効果が損なわれるようになる。
【0035】この発明の導電性塗膜形成剤組成物の好ま
しい実施態様は、水性または溶剤による組成物である。
水性組成物は、通常のエマルジョン重合でも製造可能で
あるが、エマルジョン重合物では樹脂の粒子形状が大き
くなり、フィルムに塗布した場合にフィルムの透明性を
損なうので溶剤または水混合液系で重合し、溶剤の使用
が好ましくない場合には重合後に減圧下で溶剤を除去し
て水置換することができる。当然のことながら、乾燥を
早めるために溶剤混合のまゝ使用することも可能であ
る。
【0036】この発明の導電性塗膜形成剤組成物は、溶
剤系の塗膜材、接着剤と混合して使用することができる
が、その場合の重合は溶剤系で重合することが望まし
い。その好ましい溶剤としては、メタノール,エタノー
ル,n−プロパノール,iso−プロパノール,n−ブ
タノール,sec−ブタノール,ジアセトンアルコー
ル,ジオキサン,アセトン,メチルエチルケトン,メチ
ルイソブチルケトン,酢酸エチル,酢酸ブチル,メチル
セロソルブ,エチルセロソルブ,セロソルブアセテート
を単独または併用することができる。
【0037】重合反応は、窒素雰囲気下で温度40〜9
0℃で、触媒としてベンゾイルパーオキシド,アセチル
パーオキシド,ラウリルパーオキシド,デカノイルパー
オキシド,第3級ブチルパーオキシド等の有機過酸化
物,アゾビスイソブチロニトリル,アゾビスイソブチる
バレロニトリル,トリアゾベンゼン,フェニルアゾトリ
フェニルメタン等のアゾ化合物,過硫酸アンモニウム,
過硫酸カリウム等の無機過酸化物等が単独または併用す
ることができる。
【0038】
【作用】この発明の導電性塗膜形成剤組成物は、単量体
A(エチレン系不飽和スルホン酸単量体)と、単量体B
((メタ)アクリレート単量体)との所定量の共重合に
よる共重合体、またはこれら単量体A、Bと単量体C
(架橋反応性単量体)との所定量の共重合による共重合
体によって得られるイオン導電性樹脂を主体とし、必要
により、これに化合物D(熱架橋性化合物)を配合した
もので、公知のペイント等の配合調製方法によって可使
時間を考慮してその配合比を調整して使用することがで
きる。
【0039】また、この発明の導電性塗膜形成剤組成物
の被塗物への塗布は、公知の塗膜形成方法で行うことが
できる。架橋した塗膜を得る乾燥条件は、通常、室温ま
たは加熱して行う。特に、高温加熱乾燥できない被塗物
には、室温または比較的低温(温度20〜100℃)で
この発明の共重合体と架橋反応を行うことにより、優れ
た帯電防止効果と無色透明な展延性に富む耐水、耐溶剤
性の硬化皮膜を形成することができる。
【0040】この発明の帯電防止剤の被塗物としては、
プラスチック類,ゴム,羊毛等の成形品,フィルム・シ
ート,繊維に使用可能でかつプラスチック類のフィルム
・シートあるいはガラス板等の防曇剤,流滴促進剤とし
ても利用できる。
【0041】
【実施例】以下、実施例および比較例によりこの発明を
さらに具体的に説明する。なお、実施例および比較例に
おいて「部」は重量部を、「%」は重量%を表す。
【0042】実施例1 攪拌羽根付きのガラス製フラスコに、溶剤としてメタノ
ール300部、単量体Aとしてアクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸20部、単量体Bとしてメチル
メタクリレート20部、エチルアクリレート20部、お
よびポリエチレングリコール(4)モノメチルエーテル
20部、単量体Cとしてアクリル酸10部を混合し、重
合触媒としてアゾビスイソブチロニトリル2部を加えて
温度60℃で窒素雰囲気下において6時間反応させて共
重合し、アニオン導電性樹脂の溶液を得た。このアニオ
ン導電性樹脂溶液に、化合物Dとしてポリエチレングリ
コールジグリシジルエーテル7部を添加し、導電性塗膜
形成剤組成物を得た。
【0043】実施例2〜14 前記実施例1における共重合体の構成成分である単量体
A、単量体Bおよび単量体Cの種類、組成と、重合溶
剤、重合触媒、重合温度および化合物Dの種類と添加量
などを種々に変えて実施例2〜14の導電性塗膜形成剤
組成物を得た。
【0044】比較例1〜5 同様にして、単量体A、単量体Bおよび単量体Cの種
類、組成、重合溶剤、重合触媒、重合温度および化合物
Dの種類と添加量などを、この発明の範囲外として比較
例1〜5の組成物を得た。
【0045】これらの実施例1〜14および比較例1〜
5のそれぞれの配合組成を表1に示す。 なお、表1における略記号は、以下のとおりである。 AMPS ;アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸 AMPS−NH4 ;アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸アンモニウム AMPS−Na ;アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸ナトリウム AMPS−TEA ;アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸トリエチルアミン塩 SS−Na ;スチレンスルホン酸ソーダ VS−Na ;ビニルスルホン酸ソーダ MA−Na ;メタリルスルホン酸ソーダ MOETM−Cl+ ;メタクリロイルオキシエチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド DMAEMA−SO4 ;ジメチルアミノメチルメタ
クリレートの硫酸塩 PEG(4)MA ;ポリエチレングリコール
(4)モノメタクリレートモノメチルエーテル PEG(23)MA ;ポリエチレングリコール
(23)モノメタクリレートモノメチルエーテル HEMA ;2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート MMA ;メタクリル酸メチル IA ;イタコン酸 EA ;アクリル酸エチル AA ;アクリル酸 MA ;アクリル酸メチル N−MAN ;N−メチロールアクリルア
ミド MeOH ;メタノール MAA ;メタクリル酸 IPA ;イソプロピルアルコール GMA ;グリシジルメタクリレート MEK ;メチルエチルケトン AIBN ;アゾビスイソブチロニトリ
ル AIBVN ;アゾビスイソブチルバレロ
ニトリル APS ;過硫酸アンモニウム PEGDGE ;ポリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル TMPPGE ;トリメチロールプロパンポ
リグリシジルエーテル エラストロンBN−44 ;第一工業製薬(株)製の熱
反応性水溶性ウレタン コロネートL ;日本ポリウレタン工業
(株)製のイソシアネート化合物 ニカラック MX−031;(株)三和ケミカル製のメ
チル化メラミン樹脂 1,3−PBO ;武田薬品工業(株)製の
2,2´−(1,3 Phenylen)−bis(2
−Oxazoline)
【0046】
【表1】
【0047】前記実施例および比較例の各導電性塗膜形
成剤組成物について、これをポリエチレンテレフタレー
ト(以下「PET」という。)のフィルムに乾燥膜厚で
2ミクロンとなるように塗布し、乾燥温度100℃、時
間15秒で加熱硬化させた。この硬化膜について下記の
物性試験を行った。 (1)表面抵抗値 :測定条件=温度25℃、相
対湿度20%RH (2)PETとの密着試験:クロスカット剥離法に拠っ
た。 (3)耐水、耐溶剤性試験:各テストピースについて、
イソプロピルアルコール(IPA)、メチルエチルケト
ン(MEK)、酢酸エチルに攪拌しながら浸漬し、室温
25℃、湿度50%RHで16時間放置の後に乾燥し、
その表面抵抗値(Ω/□)を測定し、前記の溶剤等に浸
漬しないテストピースのそれぞれについて測定した表面
抵抗値(テスト前)と対比させた。 (4)塗膜展延性試験 :100ミクロンのポリスチ
レンシートに乾燥膜厚1ミクロンの硬化膜を塗布し、1
90℃の成形温度で圧空成形したトレー側面(厚さ20
ミクロン)の表面抵抗値を測定し、圧空成形前(テスト
前)のものと対比させた。 これらの結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】この表2より、実施例の導電性塗膜形成剤
組成物を塗布したPETフィルムの表面抵抗値はいずれ
も優れた導電性能を示し、PETとの密着性は剥離がな
く、耐水性、耐溶剤性および塗膜展延後の表面抵抗値も
優れたものであった。これに対して、この発明の範囲外
の比較例1〜5における塗膜は、良好な制電効果を示さ
ず、密着性、耐水性、耐溶剤性、塗膜展延性において実
施例より劣ることが判る。
【0050】
【発明の効果】この発明の導電性塗膜形成剤組成物は、
単量体A(エチレン系不飽和スルホン酸単量体)と、単
量体B((メタ)アクリレート単量体)との所定量の共
重合による共重合体、またはこれら単量体A、Bと単量
体C(架橋反応性単量体)との所定量の共重合による共
重合体によって得られるイオン導電性樹脂を主体とし、
これに必要によって化合物D(熱架橋性化合物)を配合
して構成したので、被塗物に対して容易に展延性を有す
る導電性の塗膜を形成して優れた帯電防止効果を発揮す
ることができるものである。
【0051】特に、この発明の導電性塗膜形成剤組成物
は、比較的低温で短時間の硬化反応によって透明で優れ
た耐水性、耐溶剤性の塗膜を形成することができる。ま
た、塩素などの腐食性の化合物を含まず、耐熱性にも優
れて加熱によって劣化することもないという特長を有す
る。さらに、水性または溶剤による組成物のいずれの使
用形態とすることができるので、その取り扱いがきわめ
て容易であり、これらによって導電性塗膜形成剤組成物
として拡大された高い有用性を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 141/00 PGL 163/00 PKD 175/04 PHR

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)および(B)の単量体成分の
    配合による共重合で得られたイオン導電性樹脂を主体と
    してなることを特徴とする導電性塗膜形成剤組成物。 (A)エチレン系不飽和スルホン酸単量体15〜80重
    量% (B)(メタ)アクリレート単量体20〜70重量%
  2. 【請求項2】 下記(A)〜(C)の単量体成分の配合
    による共重合で得られたイオン導電性樹脂を主体として
    なることを特徴とする導電性塗膜形成剤組成物。 (A)エチレン系不飽和スルホン酸単量体15〜80重
    量% (B)(メタ)アクリレート単量体20〜70重量% (C)架橋反応性単量体1〜15重量%
  3. 【請求項3】 前記導電性塗膜形成剤組成物は、イオン
    導電性樹脂の80〜99重量%に対して、熱架橋性化合
    物を20〜1重量%の範囲で配合してなることを特徴と
    する請求項1又は2記載の導電性塗膜形成剤組成物。
  4. 【請求項4】 前記(A)のエチレン系不飽和スルホン
    酸単量体は、下記化1の一般式で示される化合物(ただ
    し、式中 R1 ,R2 は、水素または炭素数1〜8のア
    ルキル基であり、同一でも異なっていてもよい。Mは
    水素またはNa,K,NH3 ,アミン塩である。)また
    は/および下記化2の一般式で示される化合物(ただ
    し、式中 R3 は水素または炭素数1〜8のアルキル基
    またはフェニル基で、Mは水素又はNa,K,NH3
    アミン塩である。)であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の導電性塗膜形成剤組成物。 【化1】CH2 =CR1 CONHR2 (SO3 M) 【化2】CH2 =CR3 SO3
  5. 【請求項5】 前記(B)の(メタ)アクリレート単量
    体は、下記化3の一般式で示される化合物(ただし、式
    中 R4 は水素またはメチル基、R5 は水素または炭素
    数1〜8のアルキル基、アリール基、アラルキル基、A
    は炭素数2〜4個のアルキレン基、nは0〜500の整
    数である。)であることを特徴とする請求項1または2
    記載の導電性塗膜形成剤組成物。 【化3】CH2 =CR4 COO(AO)nR5
  6. 【請求項6】 前記(C)の架橋反応性単量体は、N−
    メチロールアクリルアミド,N−メチロールメタクリル
    アミドおよびイタコン酸,アクリル酸,メタクリル酸,
    マレイン酸等のカルボン酸を有する単量体、ならびにグ
    リシジル基を有する単量体から選ばれた1種もしくは2
    種以上からなるものであることを特徴とする請求項2記
    載の導電性塗膜形成剤組成物。
  7. 【請求項7】 前記イオン導電性樹脂に配合される熱架
    橋性化合物は、エーテル類の1分子当たり2個以上のエ
    ポキシ基を有するエポキシ化合物,ウレタン化合物,イ
    ソシアネート化合物およびオキサゾリン化合物から選ば
    れた1種もしくは2種以上からなるものであることを特
    徴とする請求項3記載の導電性塗膜形成剤組成物。
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