JPH06271782A - 水性樹脂組成物 - Google Patents

水性樹脂組成物

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JPH06271782A
JPH06271782A JP308194A JP308194A JPH06271782A JP H06271782 A JPH06271782 A JP H06271782A JP 308194 A JP308194 A JP 308194A JP 308194 A JP308194 A JP 308194A JP H06271782 A JPH06271782 A JP H06271782A
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aqueous
aqueous dispersion
dispersion
resin composition
compound
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JP308194A
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Yoshihiro Arita
義広 有田
Kiyoshi Kawamura
清 川村
Kenta Kanaida
健太 金井田
Makoto Mizushima
真 水島
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 室温での硬化性と一液安定性の両方に優れ、
耐水性、耐溶剤性、機械的強度に優れた皮膜を形成し得
る水性樹脂組成物を提供する。 【構成】 オキサゾリン基含有重合体の水性分散液(A
−1)および/またはエポキシ基含有重合体の水性分散
液(A−2)と、ポリメルカプト化合物の水分散体
(B)を含む水性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は硬化性樹脂組成物に関
し、更に詳しくは低温(例えば0−40℃)でも短時間
で硬化して、皮膜の耐溶剤性、耐水性、機械的強度に優
れ、しかも一液安定性に優れた水性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オキサゾリン基とメルカプト基の反応は
公知であり、オキサゾリン基の開環反応によりチオエー
テルアミド結合: −CONH−CR(R )−CR
(R )−S−を生成する事が知られている。例えばジ
ャーナル・オブ・ポリマー・サイエンスのポリマー・ケ
ミストリー・エディション第23巻1805〜1817
頁(1985年)[Journal of Polymer Science: Poly
mer Chemistry Edition, Vol.23, 1805-1817(1985)]に
は、ペンダント環状イミノエーテル基を含む重合体の多
官能チオールによる架橋反応が開示されている。また、
特公平2−37945号公報には、オキサゾリン環含有アクリ
ルエラストマーをポリメルカプト基含有化合物で加硫す
る方法が開示されている。
【0003】また、エポキシ基とメルカプト基との反応
も知られており、特公昭54−26275号公報には、エポキ
シ樹脂硬化剤としてチオール−s−トリアジン誘導体を
用いる方法が開示されており、特開昭55−160071号公報
には、分子内にエポキシ基等を含む接着性物質をチオー
ル−s−トリアジン誘導体で架橋させる方法が開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの先行技術で
は、オキサゾリン基および/またはエポキシ基と、メル
カプト基とが接触した状態にあるためそのままで反応が
進行し、単にオキサゾリン基および/またはエポキシ基
と、メルカプト基とを組み合わせただけでは、水性樹脂
組成物とした際に一液安定性がなく使いづらいことにな
る。
【0005】この発明は、室温での硬化性と一液安定性
の両方に優れ、耐水性、耐溶剤性、機械的強度に優れた
皮膜を形成し得る、接着剤、粘着剤、塗料、コーティン
グ剤、表面処理剤、シーリング剤等の分野に有用な水性
樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、オキサゾリン基含有重合体の水性分散
液(A−1)および/またはエポキシ基含有重合体の水
性分散液(A−2)と、ポリメルカプト化合物水分散体
(B)を含む水性樹脂組成物を提供する。
【0007】この発明で使用されるオキサゾリン基含有
重合体の水性分散液(A−1)は、付加重合性オキサゾ
リン(a−1)及び必要に応じて少なくとも1種の他の
単量体(a’)を重合してなる側鎖として複数個のオキ
サゾリン基を有する重合体の水分散液であり、数平均分
子量1000以上が好ましい。
【0008】この発明において付加重合性オキサゾリン
(a−1)とは、下記一般式(I)で表されるものであ
る。
【0009】
【化1】
【0010】付加重合性オキサゾリン化合物の具体例と
しては、たとえば、2ービニルー2ーオキサゾリン、2
ービニルー4ーメチルー2ーオキサゾリン、2ービニル
ー5ーメチルー2ーオキサゾリン、2ーイソプロペニル
ー2ーオキサゾリン、2ーイソプロペニルー4ーメチル
ー2ーオキサゾリン等を挙げることができ、これらの群
から選ばれる1種の化合物を単独で使用したり、また
は、2種以上の化合物を混合して使用したりすることが
できる。なかでも、2ーイソプロペニルー2ーオキサゾ
リンが工業的にも入手し易く好適である。
【0011】付加重合性オキサゾリン化合物(a−1)
の使用量は特に限定されるものではないが、オキサゾリ
ン基含有重合体中、0.5重量%以上50重量%未満で
あることが望ましい。0.5重量%未満の量では、硬化
の程度が不十分であり、皮膜とした時の耐溶剤性、機械
的強度等が損なわれる傾向がある。また、50重量%以
上使用しても硬化の程度は変わらず、経済的に不利であ
る。
【0012】この発明に用いられる付加重合性化合物
(a’)とは、付加重合性オキサゾリン(a−1)と共
重合可能な単量体であれば、特に制限はなく、たとえ
ば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メ
タ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸とエチ
レングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,6ヘキサングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとのエ
ステル等の分子内に重合性不飽和基を2個以上有する多
官能(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリ
ル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等
のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα−オ
レフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル等の含ハロゲンα、β−不飽和モノマー類;スチレ
ン、α−メチルスチレン等のα、β−不飽和芳香族モノ
マー類等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混
合物を使用することができる。
【0013】オキサゾリン基含有重合体の水性分散液
(A−1)は、付加重合性オキサゾリン(a−1)及び
必要に応じて少なくとも1種の他の単量体(a’)を、
従来公知の重合法によって水性媒体中で、乳化重合法、
分散重合法等により製造できる。また、あらかじめ公知
の重合法で製造した重合体を水性媒体中に後分散する事
によっても製造できる。使用できる水性媒体は、水と混
合可能なものであれば特に制限はないが、例示すれば、
水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール、ターシャリーブタノール、エチ
レングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコール、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げ
られる。
【0014】この発明で使用されるエポキシ基含有重合
体の水性分散液(A−2)は、上記のオキサゾリン基含
有重合体の水性分散液(A−1)における付加重合性オ
キサゾリン(a−1)の代わりに、付加重合性エポキシ
ド(a−2)を使用することによって同様に製造でき
る。
【0015】付加重合性エポキシド(a−2)の具体例
としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシ
ジル、アリルグリシジルエーテル等を挙げることがで
き、これらの群から選ばれる1種または2種以上の混合
物を使用することができる。中でも、メタクリル酸グリ
シジルが工業的にも入手し易く好適である。
【0016】付加重合性エポキシド(a−2)の使用量
は特に限定されるものではないが、エポキシ基含有重合
体の水分散液(A−2)における重合体中、0.5重量
%以上であることが望ましい。0.5重量%未満の量で
は、硬化の程度が不十分であり、皮膜とした時の耐溶剤
性、機械的強度等が損なわれる傾向がある。また、50
重量%以上使用しても硬化の程度は変わらず、経済的に
不利である。
【0017】この発明で使用されるポリメルカプト化合
物の水分散体(B)としては、下記に例示したようなポ
リメルカプト化合物(b)を水中に分散せしめたもので
ある。ポリメルカプト化合物(b)としては、例えば、
1,6−ジメルカプトヘキサン、ジメルカプトジエチル
エーテル、2,2−ジメルカプトジエチルスルフィド等
の脂肪族メルカプト化合物;3,4−ジメルカプトトル
エン、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド、4
−t−ブチル−1,2−ベンゼンジチオール、1,5−
または2,7−ジメルカプトナフタレン、2,4−ジメ
ルカプト−6−R−1,3,5−トリアジン[ただしR
=NHR1、NR23、OR4(R1,R2,R3、R4は炭
化水素残基である)]で表されるトリアジンチオール化
合物等の芳香族メルカプト化合物等が挙げられる。中で
も低温における硬化速度の点から芳香族メルカプト化合
物が好ましく、トリアジンチオール化合物が特に好まし
い。
【0018】トリアジンチオール化合物としては、例え
ば、2,4−ジメルカプト−6−ジブチルアミノ−1,
3,5−トリアジン、2,4−ジメルカプト−6−フェ
ニルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジメル
カプト−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジメルカプト−6−オクチルアミノ−1,
3,5−トリアジン、2,4−ジメルカプト−6−ジエ
チルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジメル
カプト−6−ジオクチルアミノ−1,3,5−トリアジ
ン等が挙げられる。
【0019】この発明において、ポリメルカプト化合物
(b)を水中に分散させる方法としては、例えば、水媒
体中で、分散剤の存在下、機械的なシェアを加える事に
よりポリメルカプト化合物(b)を水中に分散安定化さ
せる方法(分散方法1)や、水性樹脂分散液(b’)の
分散樹脂粒子中にポリメルカプト化合物(b)を含有さ
せる方法(分散方法2)が挙げられる。
【0020】この発明において、(分散方法1)に使用
される分散剤には、特に制限はないが、例えば、アルキ
ルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アル
キルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク
酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アルキ
ルフェノールの燐酸エステル塩、高級アルコールの硫酸
エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル
塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸エステル
塩等のアニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩、アル
キル4級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤;ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロッ
クコポリマー、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等
のノニオン性界面活性剤;アルキルベタイン、アルキル
グリシン等の両性界面活性剤;ポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸エステルの部分ケン
化物、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシアルキルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、オレフィン・無
水マレイン酸共重合体、メチルセルロース、ポリビニル
スルホン酸等の高分子界面活性剤等が挙げられ、これら
の1種または2種以上の混合物を使用することができ
る。
【0021】(分散方法1)において、水媒体中で機械
的なシェアを加える方法については特に限定されず、当
該業者で慣用の手段を広く適用できる。例えば、サンド
ミル、アトライター、ボールミル等のメディア式分散
機;ホモジナイザー等の高圧乳化機;タービン型、プロ
ペラ型等の高速攪拌式分散機等が利用可能である。
【0022】この発明中、(分散方法2)において、ポ
リメルカプト化合物を重合体粒子中に含有させるのに使
用される水性樹脂分散液(b’)は、特に限定されない
が、例えば、アクリル樹脂エマルション、スチレン−ア
クリル樹脂エマルション、スチレン−ブタジエン系ラテ
ックス、ポリウレタン水分散体、ポリエステル水分散
体、ポリオレフィン水分散体等が挙げられる。これらの
中でも、重合体中にカルボキシル基を含有するものがポ
リメルカプト化合物を含有させた後の分散安定性が良好
であり好ましい。
【0023】(分散方法2)において、ポリメルカプト
化合物を水性樹脂分散液(b’)の粒子中に含有させる
方法には、特に制限はないが、例えば、水性樹脂分散液
(b’)を製造する際に、重合性単量体中にポリメルカ
プト化合物を溶解させたものを重合して含有させる方法
や、製造された水性樹脂分散液(b’)に、ポリメルカ
プト化合物の溶液を添加し吸収させる方法などが挙げら
れる。
【0024】後者の方法で使用される溶剤には特に制限
はないが、例えば、ブタノール、シクロヘキサノール、
ベンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、エチル
カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテー
ト、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル−モノイソブチレート、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシ
レン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0025】この発明において、オキサゾリン基含有重
合体の水性分散液(A−1)および/またはエポキシ基
含有重合体の水性分散液(A−2)と、ポリメルカプト
化合物の水分散体(B)との配合割合は、オキサゾリン
基含有重合体の水性分散液(A−1)および/またはエ
ポキシ基含有重合体の水性分散液(A−2)に含まれ
る、オキサゾリン基とエポキシ基の総量と、ポリメルカ
プト化合物水分散体(B)中に含まれるメルカプト基の
モル比が、1:0.01〜1:1の範囲が好ましい。ポ
リメルカプト化合物(b)がこれより少ない量では、硬
化速度、硬化の程度が不充分であり、皮膜とした時の耐
水性、機械的強度が損なわれる傾向があり、多い場合
は、皮膜とした時の基材への密着性や可撓性が損なわれ
る傾向にある。
【0026】この発明におけるオキサゾリン基含有重合
体の水性分散液(A−1)および/またはエポキシ基含
有重合体の水性分散液(A−2)と、ポリメルカプト化
合物の水分散体(B)とを含有する水性分散液に、さら
に塩基性化合物(C)を添加する事により、より1液安
定性を向上させる事ができる。この際、用いられる塩基
性化合物(C)としては、特に限定されず、アンモニ
ア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の一般的に用
いられる塩基性化合物が使用可能である。
【0027】上記塩基性化合物(C)はポリメルカプト
化合物の水分散体(B)に含まれるメルカプト基に対し
て0.2〜3倍モル使用されることが好ましい。塩基性
化合物(C)の量が理論量の0.2倍モルより少ない
と、1液安定性が短くなる傾向にある。3倍モルを超え
て添加すると、架橋反応性や硬化物の耐水性、耐候性等
の物性に悪影響を及ぼすため好ましくない。
【0028】この発明の水性樹脂組成物は、発明の目的
を損なわない範囲で必要に応じて、例えば、フタル酸エ
ステル、ベンジルアルコール等の可塑剤;炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、マイカ等の充填材;チタン白、亜
鉛華、弁柄、フタロシアニン等の顔料;染料;ポリビニ
ルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉等の
増粘剤;分散剤;湿潤剤;シリコーン等の消泡剤を適宜
含んでいてもよい。
【0029】この発明の水性樹脂組成物を製造する方法
は特に限定されず、当該業者で慣用の手段を広く適用で
きる。例えば、オキサゾリン基含有重合体の水性分散液
(A−1)および/またはエポキシ基含有重合体の水性
分散液(A−2)と、ポリメルカプト化合物の水分散体
(B)及び必要に応じて上記添加剤を添加し、混合すれ
ばよい。
【0030】この発明の水性樹脂組成物を、塗料、コー
ティング剤、表面処理剤、接着剤、シーリング剤、粘着
剤等として使用するに際しては、ロールコーター、スプ
レー、浸漬、刷毛塗り等、当該業者で慣用の方法で基材
に塗布した後、硬化させればよい。基材としては、例え
ば、木材、紙、不織布、プラスチック、ガラス繊維、ポ
リエステル繊維、金属、無機質材料等が使用され得る。
また、キャスティング法等によりフィルム、テープ、シ
ートなどにする事も可能である。
【0031】
【作用】この発明の水性樹脂組成物は、オキサゾリン基
含有重合体の水性分散液(A−1)および/またはエポ
キシ基含有重合体の水性分散液(A−2)と、ポリメル
カプト化合物の水分散体(B)とを含有するものであ
り、一液安定性が長く、しかも低温(例えば0−40
℃)で速やかに反応し、耐水性、耐溶剤性、機械的強度
に優れた皮膜を形成し得る。
【0032】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。なお、例中特にことわりのない限り、%は重量
%、部は重量部を示す。
【0033】−製造例1(水性分散液(A−1)の製造
例)− 攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロ
ートを備えたフラスコに、脱イオン水782.4部およ
びハイテノールN−08(第一工業製薬(株)製)15
%水溶液128部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流し
ながら65℃に加熱した。そこへV−50(和光純薬工
業(株)製)の5%水溶液64部を注入し、続いて予め
調節しておいたアクリル酸ブチル255部,メタクリル
酸メチル353部および2−イソプロペニル−2−オキ
サゾリン32部の単量体混合物を3時間にわたって滴下
した。反応中は窒素ガスを吹き込み続け内温を65±1
℃に保った。滴下終了後、内温を75℃に昇温させて1
時間攪拌を続けて反応を完結させた。その後冷却し、ベ
ンジルアルコール32部を添加し、不揮発分39.3%
の水性分散液(A1−1)を得た。
【0034】−製造例2(水性分散液(A−1)の製造
例)− 製造例1において、重合性単量体混合物の組成をスチレ
ン64部、アクリル酸エチル20部、メタクリル酸ブチ
ル345部、アクリル酸2エチルヘキシル127部、ア
クリロニトリル20部および2−イソプロぺニル−2−
オキサゾリン64部とし、重合終了後にベンジルアルコ
ールを添加しない他は製造例1と同様の操作を繰り返し
て、不揮発分39.9%の水性樹脂分散液(A1−2)
を得た。
【0035】−製造例3(水性分散液(A−2)の製造
例)− 2−イソプロペニル−2−オキサゾリン32部の代わり
に、メタクリル酸グリシジル32部を使用する以外は、
製造例1と同様の操作を繰り返して、不揮発分39.7
%のエポキシ基含有重合体の水性分散液(A2−1)を
得た。
【0036】−製造例4(水性分散液(A−2)の製造
例)− 2−イソプロペニル−2−オキサゾリン64部の代わり
に、メタクリル酸グリシジル64部を使用する以外は、
製造例2と同様の操作を繰り返して、不揮発分39.7
%のエポキシ基含有重合体の水性分散液(A2−2)を
得た。
【0037】−製造例5(水分散体(B)の製造例)− 冷却ジャケットを有するサンドミル攪拌機中に、脱イオ
ン水84部、2,4−ジメルカプト−6−ジブチルアミ
ノ−1,3,5−トリアジン20部,ペレックスOTP
(花王株式会社製)1部を仕込み、上記脱イオン水と同
体積の平均粒子径0.2mmのジルコニアビーズの存在
下、1800rpmで1時間攪拌して、不揮発分20.
0%のポリメルカプト化合物水分散体(B−1)を得
た。
【0038】−製造例6(水性樹脂分散液(b’)の製
造例)− 製造例1と同様のフラスコに、脱イオン水782.4部
およびハイテノールN−08(第一工業製薬株式会社製
のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アン
モニウム塩)の15%水溶液128部を仕込み、ゆるや
かに窒素ガスを流しながら70℃に加熱した。そこへ過
硫酸カリウムの5%水溶液64部を注入し、続いて予め
調製しておいたアクリル酸ブチル320部、メタクリル
酸メチル288部及びアクリル酸32部からなる単量体
混合物を3時間にわたって滴下した。反応中は窒素ガス
を流し続け、フラスコ内の温度を70±1℃に保った。
滴下終了後も2時間同じ温度に保った後、内温を80℃
に昇温させて1時間攪拌を続けて反応を完結させた。そ
の後冷却し、適量のアンモニア水(28%)でpH8.
5に調整し、不揮発分39.8%の水性樹脂分散液
(b’)を得た。
【0039】−製造例7(ポリメルカプト化合物水分散
体(B)の製造例)− 製造例6で得た水性樹脂分散液(b’)100部に対
し、2,4−ジメルカプト−6−ジブチルアミノ−1,
3,5−トリアジン1部をベンジルアルコール9部に溶
解した溶液をゆっくり添加し、室温で攪拌して粒子中に
吸収させ、ポリメルカプト化合物水分散体(B−2)を
得た。
【0040】−製造例8(比較用のポリメルカプト化合
物溶液の調製例)− 2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン
の一ナトリウム塩2部を、アンモニア水(28%)1.
0部及び脱イオン水17部の混合液に溶解し、不揮発分
10%の比較用のポリメルカプト化合物溶液(B’)を
得た。
【0041】実施例1〜8および比較例1〜9 第1表に示す配合で水性分散液(A1−1),(A1−
2)、(A2−1)および(A2−2)と、ポリメルカ
プト化合物の水分散体(B−1),(B−2)と、塩基
性化合物(C)を混合し、この発明の水性樹脂組成物
[1]〜[8]を調製した。
【0042】また、第2表に示す配合で水性分散液(A
−1)または(A−2)単独のものおよびポリメルカプ
ト化合物の水分散体(B−1),(B−2)の代わりに
比較用のポリメルカプト化合物溶液(B’)を用いた比
較用の水性樹脂組成物[1]〜[9]を調製した。な
お、第1表中の塩基性化合物(C−1)は、28%アン
モニアである。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】(塗膜物性)上記の硬化性樹脂組成物を、
乾燥膜厚が約0.04mmになるようにガラス板上に塗
布した後、23±2℃、65±3%RHの条件下で7日
間放置して、試験用試料を得た。その試料を用いて以下
のテストを行った。結果を第2表に示した。
【0046】(1)耐溶剤性 メチルエチルケトンをしみこませた脱脂綿で試料表面を
50回ラビングした後の表面状態を観察した。
【0047】◎:変化無し、○:僅かにキズあり、△:
キズあり、×:溶解またはハガレ (2)耐水性 室温において水中に試料を72時間浸漬した後の白化状
態を観察した。
【0048】◎:変化無し、○:僅かに蛍光色、△:蛍
光色、×:白化 (フィルム物性)上記の硬化性樹脂組成物を、乾燥膜厚
が約0.3mmになるように4フッ化エチレン樹脂上に
キャストした後、23±2℃、65±3%RHの条件下
で7日間放置して、試験用フィルムを得た。インストロ
ン試験機を用いて、引っ張り速度5cm/分で、試験用
フィルムの最大引っ張り強度および最大伸びを測定し
た。結果を第2表に示した。
【0049】(1液安定性)水性樹脂組成物について、
調製した後40±2℃で2日間または7日間放置したも
のを乾燥膜厚が約0.04mmになるようにガラス板上
に塗布した後、23±2℃、65±3%RHの条件下で
7日間放置した試験用試料を用いて、(1)の耐溶剤性
および(2)の耐水性のテストを行った。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】第3表および第4表から明らかなように、
この発明実施例の水性樹脂組成物は、室温での硬化性に
優れ、耐水性、耐溶剤性、機械的強度に優れた皮膜を形
成し得ると同時に一液安定性にも優れている。特に実施
例4は塩基性化合物を含有しているために、塩基性化合
物を含まない実施例2よりもさらに一液安定性が優れて
いる。比較例1、4、6および8では、ポリメルカプト
化合物が含まれていないために、硬化性を示さず、耐水
性、耐溶剤性、機械的強度何れも劣っている。比較例
2,3,5,7および9では、初期の物性は比較的優れ
ているが、一液安定性が悪く、耐水性、耐溶剤性が保存
により低下している。
【0053】
【発明の効果】この発明によれば、一液安定性、耐溶剤
性、耐水性、機械的強度に優れている塗膜を形成する事
ができる。このため、この発明は、塗料、コーティング
剤、表面処理剤、接着剤、シーリング剤等の用途に好適
に使用され得る。しかも、この水性樹脂組成物は室温
(例えば、0〜40℃)においても硬化するので、室温
硬化させた場合には、硬化に際して多大な加熱エネルギ
ーを必要とせず、また、プラスチック、有機繊維、紙、
木材等加熱をきらう基材上に皮膜を形成したり、基材に
含浸させたりして硬化させる場合、あるいは、加熱が困
難な現場施工を行う場合などに特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 39/04 LJY 7921−4J 101/08 LSY 7242−4J (72)発明者 水島 真 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オキサゾリン基含有重合体の水性分散液
    (A−1)および/またはエポキシ基含有重合体の水性
    分散液(A−2)と、ポリメルカプト化合物の水分散体
    (B)を含む水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリメルカプト化合物の水分散体(B)
    に含まれるメルカプト基に対して0.2〜3倍モルの塩
    基性化合物(C)を含む請求項1に記載の水性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 オキサゾリン基含有重合体の水性分散液
    (A−1)および/またはエポキシ基含有重合体の水性
    分散液(A−2)に含まれる、オキサゾリン基とエポキ
    シ基の総量と、ポリメルカプト化合物水分散体(B)中
    に含まれるメルカプト基のモル比が、1:0.01〜
    1:1の範囲である請求項1または2に記載の水性樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 ポリメルカプト化合物水分散体(B)
    が、ポリメルカプト化合物を分散剤の存在下で水分散し
    たものである請求項1〜3のいずれかに記載の水性樹脂
    組成物。
  5. 【請求項5】 ポリメルカプト化合物水分散体(B)
    が、ポリメルカプト化合物を粒子中に含有する水性樹脂
    分散液であることを特徴とする請求項1に記載の水性樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリメルカプト化合物を粒子中に含有す
    る水性樹脂分散液(B)が、カルボキシル基含有重合体
    の水性分散液である、請求項5に記載の水性樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 ポリメルカプト化合物を粒子中に含有す
    る水性樹脂分散液(B)が、ポリメルカプト化合物の溶
    液を水性樹脂分散液の粒子に吸収させたものである、請
    求項5に記載の水性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 ポリメルカプト化合物が、2,4−ジメ
    ルカプト−6−R−1,3,5−トリアジン[ただしR
    =NHR1、NR23、OR4(R1,R2,R3、R4は炭
    化水素残基である)]である、請求項1に記載の水性樹
    脂組成物。
JP308194A 1993-01-20 1994-01-17 水性樹脂組成物 Pending JPH06271782A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011137075A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Daicel Chemical Industries Ltd 感光性樹脂組成物及びその硬化物

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JP2011137075A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Daicel Chemical Industries Ltd 感光性樹脂組成物及びその硬化物

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