JP4907442B2 - 水性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

この発明は新規な水性樹脂組成物に関し、更に詳しくは、優れた耐水性、耐溶剤性、耐熱性、基材への密着性等の諸性能を有し、かつ風合い(柔らかさ)を有する皮膜を形成し、塗料、表面処理剤、コーティング剤、接着剤、シーリング剤、繊維加工用処理剤、皮革加工用処理剤、塗布または含浸加工剤、顔料捺染用バインダー等の分野に利用でき得る水性樹脂組成物に関する。
水溶性、水希釈性もしくは水分散性のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリオレフィン樹脂は水系であるが故に、火災や作業環境、汚染の危険性がなく、かつ、その皮膜が優れた可撓性、耐水性、耐溶剤性を有するという特徴があり、塗料、表面処理剤、コーティング剤、接着剤、シーリング剤、繊維加工用処理剤、皮革加工用処理剤、塗布または含浸加工剤、顔料捺染用バインダー等の樹脂成分として巾広く使用されているが、水溶性、水希釈性もしくは水分散性にするために、親水基を多量に含まざるを得ず、特に耐水性、耐溶剤性等に問題があった。近年、かかる欠点を解消するために添加する水性樹脂組成物として2−オキサゾリン基を有する水溶性重合体を配合して皮膜の諸性能を向上させる試みがなされている(特開平5−295275)。しかしながら、単に2−オキサゾリン基を有する水溶性重合体を使用した場合、耐水性、耐溶剤性、耐熱性、基材への密着性等の諸性能は向上するが、塗膜が硬くなりすぎて、塗膜の風合い(柔らかさ)が損なわれるという問題があった。
架橋剤として2−オキサゾリン基を有する水溶性重合体を使用すると、耐水性、耐溶剤性、耐熱性、基材への密着性等の諸性能は向上するが、塗膜が硬くなりすぎて、塗膜の風合い(柔らかさ)が損なわれるという問題があった。この発明は、優れた耐水性、耐溶剤性、耐熱性、基材への密着性等の諸性能を有し、かつ風合い(柔らかさ)を有する皮膜を形成し得る水性樹脂組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、この発明は、水溶性、水希釈性もしくは水分散性の重合体(A)を含有し、該重合体(A)のうちの少なくとも一部が2−オキサゾリン基と反応し得る官能基を有する重合体(A1)であり、2−オキサゾリン基を有し、かつガラス転移温度(Tg)が20℃以下である水溶性重合体(B)を前記重合体(A1)の架橋成分として含有している水性樹脂組成物を提供する。2−オキサゾリン基は、下記一般式(I)で表される1価の有機基である。
Figure 0004907442
〔式中、R 、R 、R 、R はそれぞれ独立に水素、ハロゲン、アルキル、アラルキル、フェニルまたは置換フェニルである。〕この発明で使用する重合体(A)は、水溶性、水希釈性もしくは水分散性を有する重合体である。重合体(A)の一部または全部が2−オキサゾリン基と反応し得る官能基を有する重合体(A1)であり、重合体(A)の残部が前記官能基のない重合体(A2)である。重合体(A1)は、固形分換算値で、重合体(A)全体100重量%に対して33〜100重量%の範囲が好ましい。重合体(A1)の割合が33重量%を下回ると、重合体(A1)の特徴を生かしながら性能を向上させられないおそれがある。
この発明で使用する重合体(A1)としては、2−オキサゾリン基と反応し得る官能基を有する水溶性、水希釈性もしくは水分散性のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリオレフィン樹脂等が挙げられ、これらからなる群から選ばれた1種または2種以上の重合体であれば特に制限なく使用できる。重合体(A1)中に含有されるオキサゾリン基と反応し得る官能基としては、例えば、カルボキシル基及びその塩、無水カルボン酸基、メルカプト基、フェノール性水酸基等を挙げることができ、これらを併用することもできるが、オキサゾリン基との反応性の点からカルボキシル基及びその塩、無水カルボン酸基が特に好適である。官能基の量としては特に制限されず、適宜選択すれば良いが、官能基1等量当たりの分子量が100〜2万、好ましくは500〜1万となる割合で官能基を含有させるのが良い。官能基が多すぎると硬化皮膜が硬脆くなり、耐水性及び基材への密着性が損なわれる傾向にあり、また逆に少なすぎると硬化の程度が不充分であり、耐久性や耐水性等が損なわれる傾向にある。
この発明において、重合体(A1)としては公知のものを広く使用できる。例えば、アクリセット19E、アクリセット210E、アクリセット260E、アクリセット288E、アロロン453(いずれも株式会社日本触媒製)等の水分散性あるいは水溶性アクリル樹脂;ソフラネートAE−10、ソフラネートAE−40(いずれも日本ソフラン加工株式会社製)、ハイドランHW−110、ハイドランHW−131、ハイドランHW−135、ハイドランHW−320、ハイドランHW−311、ハイドランHW−337、ハイドラン340、ハイドランWLS−201、ボンディック72070(いずれも大日本インキ化学工業株式会社製)、ポイズ710、ポイズ720(いずれも花王株式会社製)、ネオステッカー400、ネオステッカー700(いずれも日華化学株式会社)、メルシー525、メルシー585、メルシー414、メルシー455(いずれも東洋ポリマー株式会社製)等の水分散性ポリウレタン樹脂;バイロナールMD−1200、バイロナールMD−1400、バイロナールMD−1930(いずれも東洋紡績株式会社製)、WD3652、WJL6342(いずれもイーストマンケミカル社製)等の水分散性ポリエステル樹脂;イソバン−10、イソバン−06、イソバン−04(いずれもクラレイソプレンケミカル株式会社製)、プリマコール5981、プリマコール5983、プリマコール5990、プリマコール5991(いずれもダウ・ケミカル社製)等の水溶性、水希釈性もしくは水分散性のポリオレフィン系樹脂等を挙げることができる。
この発明においては必要に応じて、2−オキサゾリン基と反応し得る官能基を有しない水溶性、水希釈性もしくは水分散性の重合体(A2)が使用される。重合体(A2)を使用することにより、基材への密着性、塗工性、顔料混和性等が向上する場合がある。使用される重合体(A2)としては公知の水性ラテックスなどを広く使用できる。水性ラテックスの具体例は、アクリル系水分散液、酢酸ビニル系水分散液、スチレン−ブタジエン系水分散液、天然ゴムラテックス等を挙げることができる。上記水性体テックスなどの重合体(A2)に、2−オキサゾリン基と反応し得る官能基(たとえば、カルボキシル基、メルカプト基、フェノール性水酸基等の官能基)を導入すると重合体(A1)として使用できる。
この発明で使用される水溶性の重合体(B)は、付加重合性オキサゾリン(a)及び必要に応じて少なくとも1種の他の単量体(b)を重合してなるものである。この発明において付加重合性オキサゾリン(a)とは、下記一般式(II)によって表されるものである。
Figure 0004907442
〔式中、R 、R 、R 、R はそれぞれ独立に水素、ハロゲン、アルキル、アラルキル、フェニルまたは置換フェニルであり、R は付加重合性不飽和結合を持つ非環状有機基である。〕具体例としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンを挙げることができ、これらの群から選ばれる1種または2種以上の混合物を使用することができる。中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的にも入手し易く好適である。
付加重合性オキサゾリン(a)の使用量は特に限定されるものではないが、重合体(B)を得る際に使用する単量体混合物中、5重量%以上であることが好ましい。5重量%未満の量では硬化の程度が不充分であり、耐久性、耐水性等が損なわれる傾向にある。この発明において他の単量体(b)とは、オキサゾリン基と反応しない、付加重合性オキサゾリン(a)と共重合可能な単量体であれば特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチルおよびその塩等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム等の(メタ)アクリル酸塩類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等の含ハロゲンα,β−不飽和単量体類;スチレン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム等のα,β−不飽和芳香族単量体類が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。
水溶性の重合体(B)は、付加重合性オキサゾリン(a)及び必要に応じて少なくとも1種の他の単量体(b)を、従来公知の重合法によって水性媒体中で溶液重合を行うことにより製造できる。使用できる水性媒体は、水と混合可能なものであれば特に制限はないが、例示すれば、水;または、水とメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ターシャリーブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン等の混合溶液が挙げら
れる。
重合体(B)に水溶性を付与するためには、単量体混合物中の親水性単量体の割合が50重量%以上、好ましくは70重量%以上である。親水性単量体とは、付加重合性オキサゾリン(a)および他の単量体(b)の中の、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸2−アミノエチルおよびその塩、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
また重合体(B)のガラス転移温度が20℃以下であるためには、単量体混合物中のホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下の単量体の割合が20重量%以上95重量%以下、好ましくは30重量%以上70重量%以下である。ガラス転移温度が0℃以下の単量体とは他の単量体(b)の中のアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。これらガラス転移温度が0℃以下の単量体の割合が20重量%以下である場合は、水性樹脂組成物として皮膜を形成した場合の風合いが悪くなる。また、95重量%以上である場合は、相対的に付加重合性オキサゾリン(a)の割合が少なくなり、耐水性、耐溶剤性等が損なわれる傾向にある。
尚、ポリマーブロックA又はポリマーブロックBのガラス転移温度は実測してもよいし、コポリマーの場合には下記式を用いて算出することもできる。(1/Tg)=(W1 /Tg1 )+(W2 /Tg2 )+・・・+(WN /TgN )式中、Tgはコポリマーのガラス転移温度(K)を示し、W1 ,W2 ,・・・・・・WN はモノマー組成物中の重量分率を示し、Tg1 ,Tg2 ,・・・・・・・・TgN は対応するモノマー単独のポリマー(ホモポリマーの場合)のガラス転移温度(K)を示す。ここで、ホモポリマーのガラス転移温度は、便覧等の刊行物に記載されている数値を採用すればよい。例えば、ポリアクリル酸は379K、ポリアクリル酸メチルは281K、ポリアクリル酸エチルは249K、ポリアクリル酸n−ブチルは219K、ポリアクリル酸2−エチルヘキシルは203K、ポリメタクリル酸は501K、ポリメタクリル酸メチルは378K、ポリメタクリル酸エチルは338K、ポリメタクリル酸n−ブチルは293K、ポリ酢酸ビニルは305K、ポリアクリロニトリルは398K、ポリスチレンは373K、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)は448Kである。詳しくは、例えば、「POLYMER HANDBOOK,second edtion,J.Bradrup and E.H Immergut,Ed.,JOHNWILEY & SONS,NEW YORK 1975.」を参照すればよい。また既知の値がない場合は、実測値から値を算出しした。例えば、ポリ2−イソプロペニル−2−オキサゾリンは373K、ポリアクリル酸メトキシポリエチレングリコールは213Kであった。
この発明における、重合体(A1)と水溶性の重合体(B)との配合割合は、特に限定されるものではないが、重合体(A1)100重量部に対して重合体(B)0.5〜100重量部の範囲が好ましく、1〜50重量部の範囲がより好ましく、3〜25重量部の範囲がさらに好ましい。0.5重量部未満の量では硬化の程度が不充分であり、耐久性、耐水性等が損なわれ、100重量部より多くなっても硬化の程度が不充分であり、耐水性、耐溶剤性等が損なわれる。
この発明の組成物は、この発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、溶剤、可塑剤、無機または有機の充填剤、着色顔料、染料、増粘剤、分散剤、湿潤剤、消泡剤、防腐防カビ剤、防錆剤等を添加することも可能である。この発明の組成物を製造するに際しては、特に限定されず、当該業者で慣用の手段を広く適用でき、例えば、重合体(A)の水溶液、水希釈液もしくは水分散液に、水溶性の重合体(B)と必要に応じてその他添加剤を適宜添加、混合すれば良い。そして、塗料、表面処理剤、コーティング剤、接着剤、シーリング剤、繊維加工用処理剤、皮革加工用処理剤、塗布または含浸加工剤、顔料捺染用バインダーに使用するに際しては、ロールコーター、スプレー、浸漬、刷毛塗り等当該業者で慣用の方法で基材に塗布すれば良い。硬化は室温で1日〜2週間で行うことができるが、必要であれば120℃で30分間程度のような加熱により行うこともできる。<作用>この発明の水性樹脂組成物は、オキサゾリン基と反応し得る官能基を有する特定の重合体(A1)がオキサゾリン基を有し、かつガラス転移温度(Tg)が20℃以下である重合体(B)と反応して架橋構造を形成する。水系の重合体(A)と水溶性の重合体(B)を含有しているため、種々の主剤に対して相溶性が良く、室温においても緻密に架橋し、架橋に際して加熱装置等の多大な設備を必要としない。該組成物は、架橋して優れた耐水性、耐溶剤性、耐熱性、基材への密着性等の諸性能を有する皮膜を形成し、かつ重合体(B)のガラス転移温度(Tg)が20℃以下であるため、塗膜が硬くなりすぎず、風合い(柔らかさ)を有する塗膜が得られる。このため、該組成物は、塗料、表面処理剤、コーティング剤、接着剤(建材用、自動車内装用、雑貨、植毛加工、食品包装材料)、シーリング剤、有機繊維加工用処理剤、無機(ガラス)繊維加工用処理剤、皮革加工用処理剤、塗布または含浸加工剤、顔料捺染用バインダー、印刷インク等の分野で好適に使用され得る。
この発明の水性樹脂組成物は、優れた耐水性、耐溶剤性、耐熱性、基材への密着性等の諸性能を有し、かつ風合い(柔らかさ)を有する皮膜を形成し得るものである。従って、この発明の水性樹脂組成物は、塗料、表面処理剤、コーティング剤、接着剤(建材用、自動車内装用、雑貨、植毛加工、食品包装材料)、シーリング剤、有機繊維加工用処理剤、無機(ガラス)繊維加工用処理剤、皮革加工用処理剤、塗布または含浸加工剤、顔料捺染用バインダー、印刷インク等の各種用途に有効に使用できるものである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下では、特にことわりのない限り、「%」は「重量%」、「部」は「重量部」を示す。−製造例1(重合体(B)の製造例)−攪拌機、還流冷却器、窒素導入管及び温度計を備えたフラスコに、脱イオン水224部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(株式会社クラレ製アーコソルブPM)369部、を仕込みゆるやかに窒素ガスを流しながら87℃に加熱した。そこへ2−イソプロペニル−2−オキサゾリン135部、及びメトキシポリエチレングリコールアクリレート(共栄社化学(株)製ライトアクリレート130A)405部からなる単量体混合物及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(日本ヒドラジン工業株式会社製ABN−E)27部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(株式会社クラレ製アーコソルブPM)171部及び脱イオン水72部からなる開始剤溶液を2時間にわたって滴下した。フラスコ内の温度を87±1℃に保ち、滴下終了後2時間攪拌を続け、さらに2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩(株式会社和光純薬製V−50)1.6部及び脱イオン水16部からなる開始剤水溶液を添加した。さらに3時間攪拌を続け、反応を完結させた後冷却し、不揮発分40.0%、pH9.0のオキサゾリン基含有重合体水性溶液(1)を得た(計算Tg:−34℃、理論オキサゾリン基当量:2.3mmol/g・solid)。
−製造例2(重合体(B)の製造例)−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン270部、及びメトキシポリエチレングリコールアクリレート(共栄社化学(株)製ライトアクリレート130A)270部からなる単量体混合物を使用する以外は実施例1と同じ操作を繰り返して、不揮発分40.0%、pH9.0のオキサゾリン基含有重合体水性溶液(2)を得た(計算Tg:−2℃、理論オキサゾリン基当量:4.5mmol/g・solid)。−製造例3(重合体(B)の製造例)−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン189部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(共栄社化学(株)製ライトアクリレート130A)135部、アクリル酸エチル205部、及びメタクリル酸メチル11部からなる単量体混合物を使用する以外は実施例1と同じ操作を繰り返して、不揮発分40.0%、pH8.0、のオキサゾリン基含有重合体水性溶液(3)を得た(計算Tg:−2℃、理論オキサゾリン基当量:3.2mmol/g・solid)。
−製造例4(重合体(B)の製造例)−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン270部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(共栄社化学(株)製ライトアクリレート130A)108部、アクリル酸エチル151部、及びメタクリル酸メチル11部からなる単量体混合物を使用する以外は実施例1と同じ操作を繰り返して、不揮発分40.2%、pH9.2のオキサゾリン基含有重合体水性溶液(4)を得た(計算Tg:16℃、理論オキサゾリン基当量:4.5mmol/g・solid)。
−製造例5(比較用重合体の製造例)−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン270部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(共栄社化学(株)製ライトアクリレート130A)108部、及びメタクリル酸メチル162部からなる単量体混合物を使用する以外は実施例1と同じ操作を繰り返して、不揮発分39.4%、pH8.9のオキサゾリン基含有重合体水性溶液(5)を得た(計算Tg:50℃、理論オキサゾリン基当量:4.5mmol/g・solid)。
−製造例6(比較用の重合体の製造例)−攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備えたフラスコに、脱イオン水782.4部及びハイテノールN−08(第一工業製薬株式会社製のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩)15%水溶液128部を仕込み、適量の28%アンモニア水でpH9.0に調整し、ゆるやかに窒素ガスを流しながら70℃に加熱した。そこへ過硫酸カリウムの5%水溶液64部を注入し、続いて予め調整しておいたアクリル酸ブチル288部、スチレン288部及び2−イソプロペニル−2−オキサゾリン64部からなる単量体混合物を3時間にわたって滴下した。反応中は窒素ガスを吹き込み続け、フラスコ内の温度を70±1℃に保った。滴下終了後も2時間同じ温度に保った後、内温を80℃に昇温させて1時間攪拌を続けて反応を完結させた。その後冷却し、不揮発分39.8%、pH8.0のオキサゾリン基含有重合体水性分散液(6)を得た(計算Tg:10℃、理論オキサゾリン基当量:0.9mmol/g・solid)。
−製造例7(カルボキシル基含有アクリル水分散体の製造例)−攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備えたフラスコに、脱イオン水623.9部及びハイテノールN−08(第一工業製薬株式会社製のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩)15%水溶液14.0部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら70℃に加熱した。そこへ過硫酸カリウムの2%水溶液126部を注入し、続いて予め調整しておいたアクリル酸ブチル470.2部、スチレン336.0部及びアクリル酸33.6部、15%N−08水溶液126.0部及び脱イオン水154部からなる単量体混合物を3時間にわたって滴下した。反応中は窒素ガスを吹き込み続け、フラスコ内の温度を70±1℃に保った。滴下終了後も2時間同じ温度に保った後、内温を80℃に昇温させて1時間攪拌を続けて反応を完結させた。その後冷却し、適量のアンモ
ニア水でpH8.5に調節し、不揮発分40.0%のカルボキシル基含有アクリル水分散体を得た(理論酸分:0.56mmol/g・solid)。
−実施例1〜4及び比較例1〜3−表1に記した配合により水分散液を調整し、23±0.5℃、65±3%RHの条件下で四フッ化エチレン樹脂(デュポン社の商品名「テフロン」登録商標)製の板にキャストした後、1昼夜乾燥して約0.3mm厚のフィルムを作製した。得られたフィルムは120℃で30分硬化させたものを試験片(長方形:10mm×50mm)とし、以下1)、2)、4)のテストを行った。また、表1に記した配合により水分散液を調整し、PETフィルム上にNo.5のバーコーターにて塗布後80℃で30分加熱乾燥させ、塗布フィルムを作製し、以下3)、4)のテストを行った。1)耐溶剤性室温においてキシレン中に試験片を24時間浸漬して、その膨潤率を下記の式に従って算出した。膨潤率=((浸漬後の重量−浸漬前の重量)/浸漬前の重量) × 100 (%)2)フィルム強度引張試験装置(株式会社島津製作所製島津オートグラフ)を用い、引張速度10cm/分(アクリル樹脂の場合)、または20cm/分(ウレタン樹脂の場合)で伸び率(%)及び破断強度(kg/cm、またはN/mm)を測定した。3)基材密着性塗布フィルムに粘着テープ(3M製ScothBrandTape)を塗膜上に貼った後、直ちに強制剥離を行い、以下の基準で評価した。○:剥離なし、△:一部剥離、×:ほぼ全面剥離 4)加工試験片及び塗布フィルムの風合い加工試験片及び塗布フィルムの風合いを触感により、以下の基準で評価した。○:柔らかい、△:少し硬さが残る、×:硬い
Figure 0004907442
表1から明らかなように、この発明の水性樹脂組成物は、優れた耐水性、耐溶剤性、耐熱性、基材への密着性等の諸性能を有し、かつ風合い(柔らかさ)を有する皮膜を形成し得るものである。
−実施例5−水性ウレタン樹脂としてハイドランHW−311(大日本インキ化学工業株式会社製、不揮発分:45.1%、カルボキシル基濃度:0.40mmol/g・solid)100重量部に対し、オキサゾリン基含有重合体水溶液(4)を2.57部配合して水分散液を調整した。その後、常態(23±0.5℃、65±3%RH)条件下で剥離処理PET(ポリエチレンテレフタレート)フォルム上にキャストした後、1昼夜乾燥して約0.3mm厚のフィルムを作製した。得られたフィルムは120℃で30分硬化させたものをダンベル状(2号:JIS K6251−2)に切断したものを試験片とし、1)の試験を実施した。結果を表2に示した。
−比較例4−実施例5において、オキサゾリン基含有重合体を添加しない以外は同様な操作を行い、引張試験を実施した。結果を表2に示した。−実施例6〜10および比較例5〜7−実施例5において、オキサゾリン基含有重合体の種類と添加量を表2に示した以外は同様な操作を行い、引張試験を実施した。結果を表2に示した。
−比較例8〜11−実施例5において、オキサゾリン基含有重合体(4)の代わりにカルボジイミド系架橋剤(商品名:カルボジライトE−02、不揮発分:40.3%、カルボジイミド濃度:2.22mmol/g・solid)を用いた以外は同様な操作を行い、引張試験を実施した。結果を表2に示した。
Figure 0004907442
表2から明らかなように、この発明の水性樹脂組成物は、水性ウレタン樹脂に対し、引張試験の応力−歪曲線における初期弾性率(1%〜10%間の伸び)および中間点応力(50%伸び、および100%伸び)が無添加系の状態に近い値を示した。つまり、ウレタン樹脂本来の持つ柔軟性を維持しながら、耐溶剤性を発現する架橋構造を形成し得るものである。

Claims (2)

  1. 水溶性、水希釈性もしくは水分散性の重合体(A)を含有し、該重合体(A)のうちの少なくとも一部が2−オキサゾリン基と反応し得る官能基を有する重合体(A1)であり、2−オキサゾリン基を有し、かつガラス転移温度(Tg)が20℃以下である水溶性重合体(B)を前記重合体(A1)の架橋成分として含有している水性樹脂組成物。
  2. 重合体(A1)がアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の水性樹脂組成物。
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