JP2000351886A - 水性樹脂分散液およびこれを用いた塗料用組成物 - Google Patents

水性樹脂分散液およびこれを用いた塗料用組成物

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JP2000351886A JP11166045A JP16604599A JP2000351886A JP 2000351886 A JP2000351886 A JP 2000351886A JP 11166045 A JP11166045 A JP 11166045A JP 16604599 A JP16604599 A JP 16604599A JP 2000351886 A JP2000351886 A JP 2000351886A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長期にわたる優れた耐侯性、具体的には、優れ
た光沢保持性、耐クラック性、耐ブリスター性、耐黄変
性等を示すとともに、下地への密着性、特に軟質皮膜へ
の密着性に優れ、さらに、耐水性、耐汚染性、耐溶剤性
に優れた塗膜を形成することができる水性樹脂分散液お
よびこれを用いた塗料用組成物を提供する。 【解決手段】シクロアルキル基を有する重合性単量体を
5〜99.5重量%含む重合性単量体成分(a)(但
し、重合性単量体成分(a)を構成する各単量体の合計
重量%は100重量%とする)を重合させてなる重合体
(A)と、分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有
するヒドラジン化合物(B)と、を必須成分として含有
してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐侯性を要
する建築外装上塗り塗料、特に弾性タイプのトップコー
トや単層弾性塗料等に有用な水性樹脂分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、無公害性、使用時の作業性の良さ
等の利点から、塗装用塗料、構造物の表面保護剤、耐水
性や耐侯性の低い基材のコーティング剤等として、水性
樹脂分散液が配合された水性塗料が汎用されている。こ
のような水性塗料は、特に、大量に使用することの多い
建築外装上塗り塗料としては好適に用いられるのである
が、このような場合、長期間にわたり風雨や日光に曝さ
れるため、優れた耐侯性、耐水性、耐汚染性等が要求さ
れることが多い。
【0003】耐侯性等に優れる水性樹脂分散液として
は、従来から、カルボニル基を有するポリマーとヒドラ
ジン化合物との混合物からなるものが知られており、架
橋作用による耐侯性や耐汚染性の効果が報告されてい
る。しかし、この架橋作用のみでは、例えば建築外装上
塗り塗料に用いるのに十分な耐侯性および耐汚染性を付
与することは困難であった。
【0004】また、耐侯性を改良した水性樹脂分散液と
して、重合性紫外線安定性単量体とシクロアルキル基を
有する重合性単量体とを必須成分とするものが、特開平
3−128978号公報に報告されている。しかし、こ
の水性樹脂分散液は耐侯性には非常に優れるものの、被
塗物が軟質の場合の密着性を考慮に入れておらず、硬質
の下地への用途に限定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、長期にわたる優れた耐侯性、具体的には、優れた光
沢保持性、耐クラック性、耐ブリスター性、耐黄変性等
を示すとともに、下地への密着性、特に軟質皮膜への密
着性に優れ、さらに、耐水性、耐汚染性、耐溶剤性に優
れた塗膜を形成することができる水性樹脂分散液および
これを用いた塗料用組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意検討を行った。その結果、ヒドラジン化
合物による架橋作用を利用するとともに、水性樹脂分散
液を構成する重合体に特定量のシクロアルキル基を有す
る重合性単量体を含有させることによって、軟質皮膜へ
の密着性を保持しつつ、耐侯性および耐水性を向上させ
ることができることを見いだし、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明の水性樹脂分散液組成物
は、シクロアルキル基を有する重合性単量体を5〜9
9.5重量%含む重合性単量体成分(a)(但し、重合
性単量体成分(a)を構成する各単量体の合計重量%は
100重量%とする)を重合させてなる重合体(A)
と、分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有するヒ
ドラジン化合物(B)と、を必須成分として含有してな
るものである。
【0008】本発明の塗料用組成物は、前記本発明の水
性樹脂分散液を含有してなるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の水性樹脂分散液は、シク
ロアルキル基を有する重合性単量体を含む重合性単量体
成分(a)を重合させてなる重合体(A)を必須成分と
して含有してなるものである。シクロアルキル基を有す
る重合性単量体を含有させることによって、塗料として
用いた場合、得られる塗膜に優れた耐侯性および耐水性
を付与することができる。
【0010】本発明におけるシクロアルキル基を有する
重合性単量体は、シクロアルキル基を有し、かつ、少な
くとも1個の重合可能な二重結合を有する単量体であれ
ば、特に限定されるものではなく、例えば、一般式
(1)
【0011】
【化1】
【0012】(式中、R1 は、水素原子または炭素数1
〜2のアルキル基を表し、Zは、シクロアルキル基を表
す)で表される化合物が挙げられる。ここで、Zで示さ
れるシクロアルキル基とは、具体的には、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等の単環式
飽和炭化水素残基等が挙げられる。また、Zで示される
シクロアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基
としては、例えば、炭素数1〜7のアルキル基、具体的
には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基等が挙げられる。シクロア
ルキル基を有する重合性単量体の具体的な化合物名とし
ては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチ
ルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、
特に好ましくは、シクロヘキシル(メタ)アクリレート
がよい。これらは1種類のみを用いてもよく、2種類以
上を併用してもよい。
【0013】シクロアルキル基を有する重合性単量体の
含有量は、重合性単量体成分(a)に対して5〜99.
5重量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好まし
くは10〜60重量%でなければならない。シクロアル
キル基を有する重合性単量体の含有割合が5重量%未満
であると、耐侯性の向上が十分に図れず、また得られた
水性樹脂分散液を塗料に用いた場合、乾燥塗膜の外観や
肉持ち感が悪化することとなり、一方、99.5重量%
を越えると、重合安定性が悪化し、得られる水性樹脂分
散液の長期貯蔵安定性が低下することとなる。
【0014】本発明においては、前記重合性単量体成分
(a)として、さらに、カルボニル基を有する不飽和単
量体をも含有していることが重要である。カルボニル基
と後述するヒドラジン化合物(B)との架橋作用によ
り、耐侯性および耐汚染性を向上させることができる。
重合性単量体成分(a)に含まれるカルボニル基を有す
る不飽和単量体は、分子中に少なくとも1個のアルド基
またはケト基を有し、かつ、少なくとも1個の重合可能
な二重結合を有する単量体、好ましくは重合可能なモノ
エチレン系不飽和アルド化合物およびモノエチレン系不
飽和ケト化合物であり、しかもエステル基およびカルボ
キシル基のみを有する化合物を除くものである。具体的
には、例えば、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミ
ド、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有する
ビニルアルキルケトン(ビニルエチルケトン等)、(メ
タ)アクリルオキシアルキルプロペナール、ジアセトン
アクリレート、アセトニルアクリレート、ジアセトンメ
タクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートア
セチルアセテート、ブタンジオール−1,4−アクリレ
ートアセチルアセテート等が挙げられる。これらのなか
でも特に、ジアセトンアクリルアミド、アクロレインが
好適である。これらのカルボニル基を有する不飽和単量
体は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合
して用いてもよい。
【0015】カルボニル基を有する不飽和単量体の含有
量は、重合性単量体成分(a)に対して0.3〜20重
量%、好ましくは0.5〜10重量%であるのがよい。
カルボニル基を有する不飽和単量体の含有割合が0.3
重量%未満であると、架橋反応が不十分となり、一方、
20重量%を越えると、得られた水性樹脂分散液を塗料
に用いた場合、皮膜がもろくなり、実用に供しえないこ
ととなる。
【0016】本発明においては、前記重合性単量体成分
(a)として、さらに、重合性紫外線安定性単量体およ
び/または重合性紫外線吸収性単量体を含有しているこ
とが好ましい。重合性紫外線安定性単量体および/また
は重合性紫外線吸収性単量体を含有させることによっ
て、耐侯性、特に、長期における光沢保持性をさらに向
上させることができる。なお、重合性紫外線安定性単量
体と重合性紫外線吸収性単量体とは、それぞれ、目的に
応じてどちらか一方のみを用いてもよいし、併用しても
よい。
【0017】前記重合性紫外線安定性単量体としては、
具体的には、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メ
タ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,
2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メ
タ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタ
メチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロ
イルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリ
ロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリ
ロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロ
トノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン等が挙げられる。これらは1種
類のみを用いてもよく、2種類以上を適宜混合して用い
てもよい。
【0018】前記重合性紫外線吸収性単量体としては、
具体的には、例えば、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−
(メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕−2H−ベ
ンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−
(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−2H−ベ
ンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−
(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−2H−
ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−
(メタクリロイルオキシヘキシル)フェニル〕−2H−
ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−
t−ブチル−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フ
ェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒ
ドロキシ−5’−t−ブチル−3’−(メタクリロイル
オキシエチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイル
オキシエチル)フェニル〕−5−クロロ−2H−ベンゾ
トリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタ
クリロイルオキシエチル)フェニル〕−5−メトキシ−
2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−
5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−5
−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒ
ドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェ
ニル〕−5−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、
2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキ
シエチル)フェニル〕−5−ニトロ−2H−ベンゾトリ
アゾール等が挙げられる。これらは1種類のみを用いて
もよく、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0019】重合性紫外線安定性単量体および/または
重合性紫外線吸収性単量体を含有する場合、その含有量
は、重合性単量体成分(a)に対してそれぞれ0.1〜
10重量%、好ましくは0.1〜5重量%とするのが好
ましい。重合性紫外線安定性単量体および/または重合
性紫外線吸収性単量体の含有割合が0.1重量%未満で
あると、耐侯性向上の効果を十分に発揮しにくく、一
方、10重量%を越えると、コストが上がるばかりか、
重合安定性も低下し易くなるので、好ましくない。
【0020】本発明においては、前記重合性単量体成分
(a)として、さらに、カルボキシル基を有する不飽和
単量体を含有していることが好ましい。カルボキシル基
を有する不飽和単量体を含有させることによって、塗料
として用いた場合、得られる塗膜に優れた耐汚染性を付
与することができる。前記カルボキシル基を有する不飽
和単量体としては、具体的には、例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカ
ルボン酸;フマル酸、イタコン酸等の不飽和多価カルボ
ン酸類;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノエチル
等のエチレン性不飽和多価モノカルボン酸の部分エステ
ル化物等のカルボキシル基を有する重合性単量体;等が
挙げられる。特に、前記例示のカルボキシル基を有する
不飽和単量体のうち、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸がより好ましい。これらのカルボキシル基を有す
る不飽和単量体は、1種類のみを用いてもよく、2種類
以上を併用してもよい。
【0021】カルボキシル基を有する不飽和単量体を含
有する場合、その含有量は、重合性単量体成分(a)に
対して0.5〜15重量%とするのが好ましい。カルボ
キシル基を有する不飽和単量体の含有割合が0.5重量
%未満であると、重合安定性が低下し易く、一方、15
重量%を越えると、耐侯性および耐水性が損なわれるこ
ととなるので、好ましくない。
【0022】本発明においては、前記重合性単量体成分
(a)として、前記の各単量体のほかに、これら単量体
と共重合可能な他の重合性単量体をもさらに含有してい
てもよい。共重合可能な他の重合性単量体としては、具
体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等の(メタ)
アクリル酸とC1 〜C18(脂肪族、脂環族、芳香族を含
む)のアルコールのエステルである(メタ)アクリル酸
エステル類;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸とポリプロピレングリコールとのモ
ノエステル等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリ
ル酸エステル類;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メ
タ)アクリル酸2−メチルグリシジル、アリルグリシジ
ルエーテル等のエポキシ基を有する重合性単量体類;
(メタ)アクリロイルアジリジン、(メタ)アクリル酸
2−アジリジニルエチル等のアジリジニル基を有する重
合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、
2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基を有
する重合性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−モノ
エチル(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体類;(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニ
ルイミダゾール、ビニルピロリドン等の塩基性、重合性
単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−
ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の架橋性(メ
タ)アクリルアミド類;スチレン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン、クロルメチルスチレン等のスチレン
誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基を有す
る重合性単量体;(メタ)アクリル酸とエチレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとのエ
ステル等の分子内に重合性不飽和基を2個以上有する多
官能(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル
酸−2−スルホン酸エチルおよびその塩、ビニルスルホ
ン酸およびその塩等のスルホン酸基を有する重合性単量
体;ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシ
シラン、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン等の
有機ケイ素基を有する不飽和単量体類;酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等
のハロゲン化単量体類;ブタジエン、イソプレン等の共
役ジエン類;エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフ
ィン類;ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の多
官能単量体類;等が挙げられる。これら例示の重合性単
量体は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用
してもよい。
【0023】これら以外の共重合可能な重合性単量体を
含有する場合、その含有量は、重合性単量体成分(a)
に対して94.7重量%以下とするのが好ましい。他の
共重合可能な重合性単量体の含有割合が、94.7重量
%を越えると、前記の各単量体の含有割合が低くなりす
ぎ、各単量体を含有させることによる各効果が十分に得
られないこととなるので、好ましくない。
【0024】但し、本発明においては、重合性単量体成
分(a)に含まれる前記各単量体の含有割合の合計重量
%は、100重量%となるように調整されるものとす
る。本発明の水性樹脂分散液は、前記重合体(A)とと
もにヒドラジン化合物(B)を含有してなるものであ
る。ヒドラジン化合物(B)は、前記重合体(A)に対
して架橋剤として作用して、水性樹脂分散液からの塗膜
を硬化させる機能を発揮し、耐侯性および耐汚染性を向
上させうるものである。
【0025】本発明におけるヒドラジン化合物(B)と
しては、例えば、2〜10個、好ましくは4〜6個の炭
素原子を有するジカルボン酸ジヒドラジド、具体的に
は、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、こ
はく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピ
ン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン
酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジ
ヒドラジド等が挙げられる。また、例えば、2〜4個の
炭素原子を有する脂肪族水溶性ジヒドラジン、具体的に
は、エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−
1,3−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジ
ン、等が挙げられる。これら例示のなかでも特に、アジ
ピン酸ジヒドラジドが好ましい。これら例示のヒドラジ
ン化合物は、1種類のみを用いてもよく、2種類を併用
してもよい。
【0026】本発明の水性樹脂分散液は、前記重合性単
量体成分(a)が重合されてなる重合体(A)とヒドラ
ジン化合物(B)とのみを必須成分として含有すること
によって、十分に優れた耐侯性を発揮するものである
が、実質的に前記重合体(A)の本質を損なわない範囲
内で、前記重合性単量体成分(a)のほかに、前記重合
性単量体成分(a)に含まれるよりも多くのカルボキシ
ル基を有する不飽和単量体を含有する重合性単量体成分
(a’)を重合成分としてさらに含有させることが好ま
しい。具体的には、この重合性単量体成分(a’)を前
記重合性単量体成分(a)とは別に重合させてなる重合
体(A’)を、重合体(A)とヒドラジン化合物(B)
とともに混合して水性樹脂分散液とする手段、あるい
は、前記重合性単量体成分(a)と重合性単量体成分
(a’)とを多段重合させて得られる重合体と、ヒドラ
ジン化合物(B)とを混合して水性樹脂分散液とする手
段によって、重合性単量体成分(a’)を含有せしめる
のである。重合性単量体成分(a’)にカルボキシル基
を多く含有させることにより、耐汚染性を付与するに十
分な水性樹脂分散液全体のカルボキシル基の量を保つと
同時に、重合性単量体成分(a)に含まれるカルボキシ
ル基の量を減らして水性樹脂分散液中のカルボキシル基
を局在化させ、カルボキシル基の存在により生じる耐水
性低下を抑制することができる。そして、良好な耐水性
を有しつつ耐汚染性に優れる塗膜を形成することが可能
となるのである。
【0027】重合性単量体成分(a’)をさらに含有さ
せる場合には、重合性単量体成分(a)の組成に由来す
る本発明の本質を実質的に損なわない範囲内の割合とす
ることが重要である。具体的には、〔重合性単量体成分
(a)〕:〔重合性単量体成分(a’)〕=40:60
〜100:0(重量%)であることが好ましい。重合性
単量体成分(a)がこの割合よりも少ないと、シクロア
ルキル基による耐侯性向上の効果が十分に得られないこ
ととなるので、好ましくない。
【0028】重合性単量体成分(a)と重合性単量体成
分(a’)とに各々含まれるカルボキシル基を有する不
飽和単量体量の差は、4重量%以上であることが好まし
い。カルボキシル基を有する不飽和単量体量の差が4重
量%未満であると、カルボキシル基を局在化が難しく、
耐水性と耐汚染性とを両立するという効果が顕著に現れ
ないため好ましくない。また、重合性単量体成分
(a’)をさらに含有させる場合、重合性単量体成分
(a)に含まれるカルボキシル基を有する不飽和単量体
量は0.5〜4重量%、重合性単量体成分(a’)に含
まれるカルボキシル基を有する不飽和単量体量は4〜1
5重量%とすることが好ましく、さらに、重合性単量体
成分(a)+(a’)に含まれるカルボキシル基を有す
る不飽和単量体量は1〜10重量%、好ましくは2〜8
重量%とするのがよい。
【0029】重合性単量体成分(a’)は、前記特定量
のカルボキシル基を有する不飽和単量体を含んでさえい
ればよく、カルボキシル基を有する不飽和単量体以外
に、重合性単量体成分(a)に含有可能な前記例示の各
種重合性単量体、すなわちシクロアルキル基を有する重
合性単量体、カルボニル基を有する不飽和単量体、重合
性紫外線安定性単量体、重合性紫外線吸収性単量体、こ
れら単量体と共重合可能な他の重合性単量体が含まれて
いてもよい。
【0030】本発明において、重合体を得る際の重合方
法は、特に限定されるものではなく、乳化剤の存在下で
重合を行う従来公知の種々の乳化重合方法を採用するこ
とができる。例えば、重合開始剤、水性媒体、乳化剤を
一括添加して重合する方法や、いわゆるモノマー滴下
法、プレエマルション法等の重合方法が挙げられる。ま
た、重合性単量体成分(a’)をさらに含有させる場合
には、例えばシード重合、コア・シェル重合、パワーフ
ィード重合等の多段重合を行い、エマルション粒子の異
相構造化を行うこともできる。
【0031】本発明において用いられる乳化剤として
は、特に限定はなく、例えば、アニオン系界面活性剤、
ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界
面活性剤、高分子界面活性剤等の全ての界面活性剤を使
用することができる。さらに、分子中に1個以上の重合
可能な炭素−炭素不飽和結合を有する重合性界面活性剤
を使用することができる。
【0032】前記アニオン系界面活性剤としては、具体
的には、例えば、ナトリウムドデシルサルフェート、カ
リウムドデシルサルフェート等のアルカリ金属アルキル
サルフェート;アンモニウムドデシルサルフェート等の
アンモニウムアルキルサルフェート;ナトリウムドデシ
ルポリグリコールエーテルサルフェート;ナトリウムス
ルホシノエート;スルホン化パラフィンのアルカリ金属
塩、スルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキ
ルスルホネート;ナトリウムラウレート、トリエタノー
ルアミンオレエート、トリエタノールアミンアビエテー
ト等の脂肪酸塩;ナトリウムドデシルベンゼンスルホネ
ート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカ
リ金属サルフェート等のアルキルアリールスルホネー
ト;高アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンス
ルホン酸ホルマリン縮合物;ジアルキルスルホコハク酸
塩;ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;ポリ
オキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩;等を
挙げることができる。
【0033】前記ノニオン系界面活性剤としては、具体
的には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ソ
ルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル;グリセロールのモノラウレート等の
脂肪酸モノグリセライド;ポリオキシエチレンオキシプ
ロピレン共重合体;エチレンオキサイドと脂肪族アミ
ン、アミドまたは酸との縮合生成物;等が使用できる。
【0034】前記高分子界面活性剤としては、具体的に
は、例えば、ポリビニルアルコール;ポリ(メタ)アク
リル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸カリウム、
ポリ(メタ)アクリル酸アンモニウム、ポリヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート;ポリヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート;またはこれらの重合体の構成単
位である重合性単量体の2種以上の共重合体または他の
単量体との共重合体等が挙げられる。また、クラウンエ
ーテル類等の相関移動触媒は界面活性を示すので、界面
活性剤として使用してもよい。
【0035】前記重合性界面活性剤としては、具体的に
は、例えば、プロペニル−2−エチルヘキシルベンゼン
スルホコハク酸エステルナトリウム、(メタ)アクリル
酸ポリオキシエチレンの硫酸エステル、ポリオキシエチ
レンアルキルプロペニルエーテル硫酸アンモニウム塩、
(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンエステルのリン
酸エステル等のアニオン性重合性界面活性剤;ポリオキ
シエチレンアルキルベンゼンエーテル(メタ)アクリル
酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(メ
タ)アクリル酸エステル等のノニオン性重合性界面活性
剤等が挙げられる。
【0036】本発明における乳化剤としては、前記例示
の界面活性剤を1種類のみ用いてもよく、2種類以上を
併用してもよい。また、本発明において用いる乳化剤の
使用量は、特に限定されないが、モノマー総重量に対し
て0.5〜10重量%が好ましい。本発明における乳化
重合は、重合性単量体成分と前記乳化剤とのほかに、乳
化させる際の媒体となる水性媒体、および、重合を開始
させるための重合開始剤を用いて行うことができる。
【0037】前記水性媒体としては、通常、水が使用さ
れ、必要に応じて低級アルコールやケトン等の親水性溶
媒が併用できる。水性媒体の使用量は、特に限定され
ず、得られる水性樹脂分散液の固形分が所望の含有量に
なるように適宜設定すればよい。前記重合開始剤は、特
に限定されるものではなく、具体的には、例えば、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)・二塩酸塩、4,4’−ア
ゾビス(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合
物;過硫酸カリウム等の過硫酸塩類;過酸化水素、過酢
酸、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド等の過酸化物;等が挙げられる。これらは、1
種類のみを用いてもよく、2種類以上を混合して使用し
てもよい。また、重合開始剤の使用量は、特に限定はさ
れないが、モノマー総重量に対して0.01〜1重量%
が好ましい。
【0038】本発明においては、得られた乳化重合体に
含まれる酸性基の少なくとも一部を中和して、重合体を
得ることが好ましい。乳化重合体に含まれるの酸性基を
中和することによって、分散安定性が改良されるととも
に、水性樹脂分散液から得られた乾燥塗膜の耐汚染性を
向上させることができる。中和の時期は、重合前、重合
中、重合後のどこでもよい。好ましくは、カルボキシル
基を有する不飽和単量体を重合後がよい。また、重合性
紫外線安定性単量体の重合において凝集物が発生しやす
い時には、カルボキシル基を有する不飽和単量体と別々
に重合するか、カルボキシル基を有する不飽和単量体を
重合後に部分的に中和してから重合性紫外線安定性単量
体を重合すればよい。
【0039】酸性基を中和する際に用いる中和剤は、特
に限定されるものではなく、従来公知の種々の中和剤を
使用することができる。具体的には、例えば、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水
酸化カルシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属
化合物;アンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチ
ルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン等の水溶性有機アミン類;等が挙
げられる。これらの中和剤のうち、アンモニア、モノメ
チルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等の低
沸点アミン類は、常温あるいは加熱下で飛散することか
ら、水性樹脂分散液を含む塗料における硬化塗膜の耐水
性の低下が防げるため好ましく、さらにアンモニアがよ
り好ましい。前記例示の中和剤は、1種類のみを用いて
もよく、また、2種類以上を併用してもよい。
【0040】本発明においては、さらに必要応じて、t
−ドテシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、
n−ドテシルメルカプタン、メルカプト酢酸、メルカプ
トプロピオン酸、2−メルカプトエタノール等の連鎖移
動剤を用いることができる。本発明において、重合温度
および重合時間は、特に制限されるものではないが、好
ましくは、重合温度としては0〜100℃、さらに好ま
しくは50〜90℃、重合時間は1〜15時間であるの
がよい。
【0041】前述のように、本発明の水性樹脂分散液は
ヒドラジン化合物(B)を含有してなるものであるが、
ヒドラジン化合物(B)は、例えば貯蔵の際に加水分解
されやすく、加水分解されると毒性を有する遊離ヒドラ
ジンを生じることとなる。本発明においては、この遊離
ヒドラジンを抑制するために、ヒドラジン化合物1モル
に対し0.0002〜0.02モルの重金属イオンを含
有させることもできる。重金属イオンは、重金属塩の形
で添加されるものであり、重金属塩としては、銅、亜
鉛、鉄、クロム、マンガン、鉛、バナジウム、コバル
ト、ニッケル等の水溶性塩、具体的には、塩化銅(I
I)、硫酸銅(II)、硫酸亜鉛、塩化鉄(II)、塩化コ
バルト(II)、塩化マンガン(II)、酢酸鉛(II)、塩
化ニッケル(II)、硫酸鉄(II)等が挙げられる。これ
らの添加方法としては、水溶液での添加が好ましく、前
記重合体(A)の重合前に添加しておいてもよいし、重
合後にヒドラジン化合物(B)と一緒に、あるいはその
添加後に添加してもよい。
【0042】本発明の塗料用組成物は、前記の本発明の
水性樹脂分散液を含有してなるものである。詳しくは、
本発明の塗料用組成物は、前記水性樹脂分散液のみをそ
のまま用いたものであってもよいし、必要に応じて種々
の添加剤を含有するものであってもよい。添加剤として
は、例えば、顔料、成膜助剤、充填剤(フィラー)、ト
ナー、湿潤剤、帯電防止剤、顔料分散剤、可塑剤、酸化
防止剤、流れコントロール剤、粘度調整剤等が挙げられ
る。また、他の水溶性樹脂あるいは水分散性樹脂を、添
加、混合して使用してもよい。これら樹脂としては、例
えば、スチレンアクリル、アクリル、ウレタン、シリコ
ン、アクリルシリコン、アクリルウレタン、フッ素、ア
クリルフッ素等が挙げられる。
【0043】前記添加剤のなかで、特に、顔料として
は、酸化チタン、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、
亜鉛華、リトポン、鉛白等の白色顔料や、カーボンブラ
ック、黄鉛、モリブテン赤、ベンガラ、黄色酸化鉄、黄
華等の着色顔料のような無機顔料;ベンジジン、ハンザ
イエロー等のアゾ化合物や、フタロシアニンブルー等の
フタロシアニン類のような有機顔料;が挙げられる。こ
れらは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併
用することもできる。これら例示のなかでも、得られる
塗膜の耐侯性を低下させないようにするためには、耐侯
性の良好な顔料を使用することが好ましい。例えば、白
色顔料である酸化チタンを使用する場合、アナターゼ型
構造の酸化チタンよりもルチル型構造の酸化チタンを用
いるほうが好ましい。さらに、ルチル型構造の酸化チタ
ンを使用する場合、長期にわたる耐侯性を発現させるた
めには、硫酸法酸化チタンよりも塩素法酸化チタンを使
用するほうが、より好ましい。また、これらの顔料は、
体積濃度が30%以下となるように含有されていること
が好ましい。体積濃度が30%を越えると、耐水性が著
しく低下することとなるので、好ましくない。
【0044】
【実施例】以下に、実施例および比較例により本発明を
より具体的に説明するが、本発明は実施例に限定される
ものではない。得られた水性樹脂分散液の各種物性は、
以下の方法により評価した。なお、実施例および比較例
に記載の「部」は「重量部」を示している。
【0045】<耐侯性>水性樹脂分散液からなる塗料の
耐侯性は、促進耐侯性試験を行うことにより評価した。
すなわち、まず、水性樹脂分散液を下記組成からなる白
塗料に調製した。 ・水 62.4部 ・特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤 (商品名「デモールEP」花王(株)製) 2.0部 ・消泡剤(商品名「ノブコ8034」サンノブコ(株)製) 0.3部 ・酸化チタン(ルチル型) 60.0部 ・水性樹脂分散液 146.7部 ・2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3−モノイソブチレート (商品名「CS−12」チッソ(株)製) 11.7部 ・5%ポリエーテル系の増粘剤 (商品名「アデカノールUH−420」旭電化(株)製) 1.0部 合計284.1部 得られた白塗料を溶剤系シーラーを塗布したフレキシブ
ルボード上に、乾燥塗膜が約120μmとなるように塗
布した。そして、白塗料を25℃で7日間乾燥させ、こ
れをテストピースAとした。このテストピースAを用い
てサンシャインウエザオメーターによって促進耐侯性試
験を行い、1500時間後の塗膜の変化を光沢維持率で
表し、チョーキング状態を観察した。 チョーキング;○:異常なし、△:わずかにチョーキン
グ、×:かなりチョーキング <密着性>単層弾性塗料(商品名「DANユニ」日本ペ
イント製)をフレキシブルボード上に1mm厚で塗布し
て7日間乾燥後に、得られた白塗料を乾燥塗膜が約12
0μmとなるように塗布した。そして、白塗料を25℃
で7日間乾燥させ、これをテストピースBとした。カッ
ターナイフでテストピースBの塗膜表面を×印に切った
後、指で塗膜を剥いだときの状態で密着性を評価した。 ○:膜状に剥がれない、△:わずかに剥がれるものの抵
抗あり、×:簡単に剥がれる <耐汚染性>前記テストピースAを用い、南向き斜面で
の屋外暴露試験を行い、3ヵ月後の汚れの状態を目視に
て観察した。 ○:わずかな汚れで目立たない、△:少し汚れが目立
つ、×:かなり汚れが目立つ <耐水性>前記テストピースAを用い、7日間没水試験
を行い、ふくれの状態を目視にて観察した。 ○:異常なし、△:少しふくれあり、×:ふくれ多し <耐溶剤性>前記テストピースAを用い、この表面をト
ルエンを含浸したガーゼを用いて指で擦り、20回擦っ
た後の塗膜状態を目視にて観察した。 ○:異常なし、△:少しリフティングあり、×:リフテ
ィング多し [実施例1]滴下ロート、攪拌機、窒素ガス導入管、温
度計および還流冷却管を備えたフラスコに純水57.9
部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら攪拌
下に70℃まで昇温した。一方、シクロヘキシルアクリ
レート60部、2−エチルヘキシルアクリレート37.
5部、アクリル酸1部、ジアセトンアクリルアミド1.
5部からなる重合性単量体成分(a)に、ハイテノール
N−08(第一工業製薬製)の15%水溶液6.7部
と、ノニポール200(三洋化成製)の25%水溶液8
部と、純水23.3部とを加え、プレエマルション混合
物とした。このプレエマルション混合物のうちの5重量
%を、前記フラスコに添加し、十分に窒素置換を行った
後に続いて、過硫酸アンモニウムの5%水溶液0.8部
を添加し、重合を開始した。反応系内を70℃で10分
間保持した後、残りのプレエマルション混合物と過硫酸
アンモニウムの5%水溶液7.2部とを180分にわた
って均一に滴下した。滴下中は、反応系内を70℃に保
持し、さらに滴下終了後は70℃で60分間攪拌しなが
ら熟成させて重合を終了した。その後、反応系内を冷却
し、60℃以下で25%アンモニア水0.6部を添加し
て、重合体(A)を得た。
【0046】そして、得られた重合体(A)に、重合体
(A)中のカルボニル基のモル数に対してヒドラジノ基
が等モルになるように、20%アジピン酸ジヒドラジド
水溶液を添加し、不揮発分50.0%の水性樹脂分散液
を得た。各種物性の評価結果を表6に示す。 [実施例2〜7]および[比較例1〜6] 重合性単量体成分(a)の組成および20%アジピン酸
ジヒドラジド水溶液の量を表1および表3に示すように
変えた以外は、実施例1と同様にして水性樹脂分散液を
得た。但し、実施例4についてのみ、20%アジピン酸
ジヒドラジド水溶液の量は、(重合体(A)中のカルボ
ニル基のモル数):(アジピン酸ジヒドラジド水溶液中
のヒドラジノ基のモル数)=2:1となるようにした。
各種物性の評価結果を表6に示す。
【0047】[実施例8〜11]および[比較例7〜
9] 実施例6、7および比較例1〜4、比較例6における重
合性単量体成分(a)を表2および表4に示す割合で混
合し、20%アジピン酸ジヒドラジド水溶液の量を表2
および表4に示すように変えた以外は、実施例1と同様
にして水性樹脂分散液を得た。各種物性の評価結果を表
6に示す。
【0048】[実施例12]1段目の重合として、滴下
ロート、攪拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷
却管を備えたフラスコに純水59.9部を仕込み、ゆる
やかに窒素ガスを吹き込みながら攪拌下に70℃まで昇
温した。一方、シクロヘキシルアクリレート29.5
部、2−エチルヘキシルアクリレート18.75部、ア
クリル酸1部、ジアセトンアクリルアミド0.75部か
らなる重合性単量体成分(a)に、ハイテノールN−0
8(第一工業製薬製)の15%水溶液3.3部と、ノニ
ポール200(三洋化成製)の25%水溶液4部と、純
水10.5部とを加え、プレエマルション混合物1とし
た。このプレエマルション混合物1のうちの5重量%
を、前記フラスコに添加し、十分に窒素置換を行った後
に続いて、過硫酸アンモニウムの5%水溶液0.8部を
添加し、重合を開始した。反応系内を70℃で10分間
保持した後、残りのプレエマルション混合物1と過硫酸
アンモニウムの5%水溶液3.6部とを90分にわたっ
て均一に滴下した。滴下中は、反応系内を70℃に保持
し、さらに滴下終了後は70℃で30分間攪拌しながら
熟成させた。
【0049】次いで、2段目の重合として、まず、シク
ロヘキシルアクリレート25.6部、2−エチルヘキシ
ルアクリレート18.65部、アクリル酸5部、ジアセ
トンアクリルアミド0.75部からなる重合性単量体成
分(a’)に、ハイテノールN−08(第一工業製薬
製)の15%水溶液3.3部と、ノニポール200(三
洋化成製)の25%水溶液4部と、純水10.5部とを
加え、プレエマルション混合物2とし、このプレエマル
ション混合物2と、過硫酸アンモニウムの5%水溶液
3.6部とを、前記1段目の熟成終了後の反応系内に9
0分にわたって均一に滴下した。滴下中は、反応系内を
70℃に保持し、さらに滴下終了後は70℃で60分間
攪拌しながら熟成させ、重合を終了した。その後、反応
系内を冷却し、60℃以下で25%アンモニア水1部を
添加して、重合体(A)を得た。
【0050】そして、得られた重合体(A)に、重合体
(A)中のカルボニル基のモル数に対してヒドラジノ基
が等モルになるように、20%アジピン酸ジヒドラジド
水溶液を添加し、不揮発分50.0%の水性樹脂分散液
を得た。各種物性の評価結果を表6に示す。 [実施例13]1段目の熟成終了後、25%アンモニア
水1部を添加して中和し、その後2段目の滴下を開始し
たこと、および、重合性単量体成分の各成分を表5に示
す量としたこと以外は、実施例12と同様にして水性樹
脂分散液を得た。各種物性の評価結果を表6に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、長期にわたる優れた耐
侯性、具体的には、例えば、優れた光沢保持性を示すと
ともに、下地への密着性、特に軟質皮膜への密着性に優
れ、さらに、耐水性、耐汚染性、耐溶剤性に優れた塗膜
を形成することができる水性樹脂分散液およびこれを用
いた塗料用組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/24 C09D 5/02 C08L 33/06 C08J 3/03 CEY C09D 5/02 Fターム(参考) 4F070 AA32 AC45 AE08 CB01 CB12 CB13 4J002 BG041 BG051 BG071 EQ026 FD146 GH01 HA06 HA07 4J011 KA02 KA10 KA15 KB13 KB29 4J038 CG141 CG142 CH071 CH072 CJ131 CJ132 CP071 CP072 CQ001 CQ002 GA02 GA06 GA08 GA09 JB17 KA02 KA03 MA10 NA01 NA03 NA04 NA05 NA11 NA12 4J100 AB07Q AF06Q AF10Q AJ01S AJ02S AJ08S AJ09S AL08P AL08Q AL08R AL16R AL36S AL44S AM21Q AM21R BA03Q BA12Q BA13Q BA14Q BA20Q BA40Q BA40R BC02P BC03P BC03R BC04P BC43R BC64R BC65R

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロアルキル基を有する重合性単量体を
    5〜99.5重量%含む重合性単量体成分(a)(但
    し、重合性単量体成分(a)を構成する各単量体の合計
    重量%は100重量%とする)を重合させてなる重合体
    (A)と、分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有
    するヒドラジン化合物(B)と、を必須成分として含有
    してなる、水性樹脂分散液。
  2. 【請求項2】前記重合性単量体成分(a)が、カルボニ
    ル基を有する不飽和単量体0.3〜20重量%をもさら
    に含む、請求項1に記載の水性樹脂分散液。
  3. 【請求項3】前記重合性単量体成分(a)が、重合性紫
    外線安定性単量体および/または重合性紫外線吸収性単
    量体0.1〜10重量%をもさらに含む、請求項1また
    は2に記載の水性樹脂分散液。
  4. 【請求項4】前記重合性単量体成分(a)が、カルボキ
    シル基を有する不飽和単量体0.5〜15重量%をもさ
    らに含む、請求項1から3までのいずれかに記載の水性
    樹脂分散液。
  5. 【請求項5】前記重合体(A)のほかに、前記重合性単
    量体成分(a)に含まれるよりも多くのカルボキシル基
    を有する不飽和単量体を含有する重合性単量体成分
    (a’)を重合させてなる重合体(A’)をも含んでな
    る、請求項1から4までのいずれかに記載の水性樹脂分
    散液。
  6. 【請求項6】前記重合性単量体成分(a)と、前記重合
    性単量体成分(a)に含まれるよりも多くのカルボキシ
    ル基を有する不飽和単量体を含有する重合性単量体成分
    (a’)とを多段重合させてなる重合体を、前記重合体
    (A)として含んでなる、請求項1から4までのいずれ
    かに記載の水性樹脂分散液。
  7. 【請求項7】請求項1から6までのいずれかに記載の水
    性樹脂分散液を含有してなる、塗料用組成物。
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