JP3113675B2 - 耐候性塗料組成物 - Google Patents

耐候性塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、特定の重合性シラン化合物と、重合性紫外
線安定性単量体およびその他の重合性単量体を含む重合
性単量体混合物を、末端ヒドロキシル基含有ポリシロキ
サンの存在下で溶液重合させることによって得られる共
重合体を有効成分として含む塗料組成物に関するもので
あり、この塗料組成物は優れた長期耐侯性を示し、且つ
硬度、光沢、肉持ち性、耐溶剤性、耐侯性、耐水性など
にも優れた塗膜を与える。
[従来の技術] 近年、塗料業界においても省力化、省エネルギー化等
の観点からメンテナンスフリーすなわち高耐侯性の塗膜
を与える塗料が強く要望されている。
こうした状況のもとで、塗料樹脂を構成するポリマー
の構造や架橋方法等を主体とする塗膜の耐侯性改良方法
が種々研究されている。
これらのうち比較的耐侯性の良好な塗料としては、ポ
リイソシアネートで硬化するアクリルウレタン系塗料、
湿分により硬化するアクリルシリコン系塗料などが知ら
れており、又、長期耐侯性に優れたものとして、ふっ素
系樹脂塗料も提供されている。
ところが一般にアクリルウレタン系塗料は、光沢や肉
持ち性などの美感や塗装作業性は良好であるが、長期耐
侯性という観点からすると必ずしも満足し得るものでな
く、またアクリルシリコン系塗料は、塗装作業性や長期
耐侯性が不十分である。更にふっ素系樹脂塗料は、長期
耐侯性には優れたものであるが、光沢や肉持ち性などの
美感に乏しく、且つコスト高であるという問題もあっ
て、その用途は著しく制限されている。
また、耐侯性を更に改善するための手段として、ベン
ゾフェノン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、ピペリ
ジン化合物などの紫外線吸収剤や安定剤を添加する方法
も知られており、さらに最近では、紫外線吸収性単量体
を塗膜形成用の共重合体として使用することにより耐侯
性を高める方法も提案されている(特公昭61−42751号
公報など)。
しかしながらこれらの改善法にしても、ある程度の耐
侯性向上効果は認められるものの、最近の需要者によっ
て求められている長期耐侯性という観点からすると必ず
しも十分なものとは言えない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであ
って、その目的は、従来の耐侯性塗料を凌駕する優れた
長期耐侯性を示し、且つ硬度、光沢、肉持ち性、耐水
性、耐熱性、耐溶剤性などにも優れた塗膜を与え、しか
も比較的安価に提供することのできる塗料組成物を提供
しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決することのできた本発明に係る耐侯性
塗料組成物の構成は、分子中に少なくとも1個の重合性
不飽和基と、ヒドロキシル基と反応し得る官能基を有す
るシラン化合物(a)、分子中に少なくとも1個の重合
性不飽和基を有する紫外線安定性単量体(b)、および
分子中に少なくとも1個の重合性不飽和基を有する上記
(a),(b)以外の重合性単量体(c)を必須的に含
む重合性単量体混合物を、末端ヒドロキシル基含有ポリ
シロキサン(d)の存在下に溶液重合して得られる共重
合体を有効成分として含むものであるところに要旨を有
するものである。
尚本発明において、上記末端ヒドロキシル基含有ポリ
シロキサン(d)としては、下記[I]式 (式中R1およびR2は夫々独立してハロゲンで置換されて
いてもよい1価の炭化水素基、nは1以上の整数を表わ
す) で示されるものが好ましく、また上記紫外線安定性単量
体(b)としては、下記一般式[II] (但し、式中R3は水素またはシアノ基、R4及びR5は夫々
独立して水素もしくは炭素数1または2のアルキル基、
Xはイミノ基又は酸素、Yは水素、炭素数1〜18のアル
キル基又は を示す) で示されるものが好ましい。
また、上記末端ヒドロキシル基含有ポリシロキサン
(d)の含有率は、上記重合性単量体混合物と上記ポリ
シロキサン(d)の合計量に対し5〜70重量%が好まし
く、上記シラン化合物(a)の含有率は0.05〜10重量%
が好ましい。
また、上記紫外線安定性単量体(b)の含有率は0.1
〜10重量%が好ましく、上記(a),(b)以外の重合
性単量体(c)の好ましい含有率は94.85〜10重量%の
範囲である。
[作用] 本発明者らは、従来技術の項で指摘した前記問題点を
解消することを目的として種々研究を重ねた結果、以下
に詳述する如く、分子中に少なくとも1個の重合性不飽
和基と、ヒドロキシル基と反応し得る官能基を有するシ
ラン化合物(以下、「重合性シラン化合物」と称す
る)、(a)、分子中に少なくとも1個の重合性不飽和
基を有する紫外線安定性単量体(以下、「重合性紫外線
安定性単量体」と称する)(b)、および分子中に少な
くとも1個の重合性不飽和基を有する上記(a),
(b)以外の重合性単量体(c)を含有する重合性単量
体混合物を、末端ヒドロキシル基含有ポリシロキサン
(d)の存在下に溶液重合して得られる共重合体を主た
る塗膜形成成分とする塗料組成物は、光沢および肉持性
が良く、且つ耐溶剤性や耐薬品性、耐水性、耐熱性等の
物理的、化学的性質も良好であり、しかも長期間の屋外
曝露にも耐える光沢保持性、耐変色性、耐ブロッキング
性及び耐ブリスター性などを示す長期耐侯性の極めて優
れた塗膜を形成することが明らかとなった。
本発明において使用される重合性シラン化合物(a)
としては、上記の様に分子中に少なくとも1個の重合性
不飽和基と、後で詳述する末端ヒドロキシル基含有ポリ
シロキサン(d)と重合反応し得る少なくとも1個の基
とを有するシラン化合物が挙げられ、具体例としてはビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキ
シエトキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメチルメトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルト
リス(β−メトキシエトキシ)シラン、2−スチリルエ
チルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシエチル
ジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニ
ウムクロライド、ビニルトリアセトキシシラン、ビニル
トリクロルシランなどを挙げることができる。これらの
シラン化合物は夫々単独で使用してもよく、あるいは2
種以上を併用してもよい。
次に重合性紫外線安定性単量体(b)としては、前述
の如く一般式[II]で表わされる化合物が好ましく、そ
の具体例としては例えば4−(メタ)アクリロイルオキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)
アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペ
ンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミ
ノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ
−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−
(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−
4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−
4−クロトノイルオキノ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジンなどが挙げられる。
また上記以外の重合性紫外線安定性単量体(b)とし
ては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンまたは2,2′,4
−トリヒドロキシベンゾフェノンとグリシジルアクリレ
ートまたはグリシジルメタクリレートを反応して得られ
る2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリルオキシ−2−
ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポ
キシ)ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−
(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)
ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−(3−ア
クリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェ
ノン等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を
組合せて使用することができる。
本発明で用いられる前記(a),(b)以外の重合性
単量体(c)としては、(メタ)アクリル酸;メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
トなどの様な、1価アルコールと(メタ)アクリル酸と
のエステル化合物:ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートな
どの様な、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのモ
ノエステル化合物;エチレングリコール、ジエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ールなどの様な、2価アルコールと(メタ)アクリル酸
とのジエステル化合物;グリセロール、トリメチロール
エタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ルなどの様な多価アルコールと(メタ)アクリル酸との
ポリエステル化合物;ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
トなどの様なアミノ基含有(メタ)アクリレート;グリ
シジル(メタ)アクリレート、2−アシッドホスホキシ
エチル(メタ)アクリレートなどの様な(メタ)アクリ
ル系単量体;スチレン、クロルスチレン、ビニルトルエ
ン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル炭化水素;酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、バー
サティック酸ビニルなどの1価カルボン酸のビニルエス
テル化合物;(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド、メチロール化(メタ)アクリルアミド、3
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸など
の不飽和アミドまたはその誘導体;(メタ)アクリロニ
トリル、クロトンニトリルなどの不飽和シアン化合物;
(メタ)アリルアルコール、クロトンアルコールなどの
不飽和アルコール;(メタ)アリルグリシジルエーテル
などの不飽和グリシジルエーテル;マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、ダイマー酸などの不飽和二塩基酸;マ
レイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノアリルエ
ステルなどの1価アルコールと不飽和二塩基酸とのモノ
エステル;エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプ
レン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのオレフィン系
炭化水素またはこれらのハロゲン置換体を挙げることが
できる。これらも単独で使用し得るほか、2種以上を組
合せて使用することができる。
上記重合性単量体(c)の中でも特に好ましいのは、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体であり、その中で
もより好ましいのは、下記一般式[III]で示されるシ
クロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル系
単量体である。
(式中、R6は水素原子または炭素数1〜2のアルキル
基、Zは置換基を有していてもよいシクロアルキル基を
示す) 上記一般式[III]において、Zで示される、置換基
を有していてもよいシクロアルキル基におけるシクロア
ルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロドデシル等の単環式飽和炭化水素残基が例示され
る。これらのシクロアルキル基は、炭素数が1〜6のア
ルキル基を置換基として有していてもよく、これらの置
換基におけるアルキル基としては、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第3級ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル等が例示される。
末端ヒドロキシル基含有ポリシロキサン(d)として
は、特に前記一般式[I]で示されるものが好ましく、
この様なポリシロキサンは多数市販されており、目的に
応じて適宜選択して使用することができる。該ポリシロ
キサン(d)は、nが10〜1500の範囲のものが望まし
く、nが小さ過ぎると耐侯性が十分に上がらず、またn
が大き過ぎると、共重合時に溶液が白濁したり、塗膜の
光沢が低下することがあるので好ましくない。尚、前記
一般式[I]に示すポリシロキサンに加えて、一部枝分
かれした側鎖を有するポリシロキサンを該ポリシロキサ
ン(d)の1種として使用することも可能である。
本発明の塗料組成物は、上記末端ヒドロキシルキ基含
有ポリシロキサン(d)の存在下に、前述の重合性シラ
ン化合物(a)、重合性紫外線安定性単量体(b)およ
びその他の重合性単量体(c)を含む重合性単量体混合
物を溶液重合することによって製造される。
このときに使用される溶剤としては、前記成分
(a)、(b)、(c)及び(d)ならびに生成する共
重合体のいずれも溶液し得る溶剤が望ましく、例えばベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘ
キサン、石油エーテル、シクロンヘキサン等の飽和炭化
水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等が好ましいも
のとして例示される。これらは単独で使用してもよく、
あるいは必要に応じて2種以上の混合溶剤として使用す
ることもできる。
重合開始剤としては、アソビスイソブチロニトリル、
ベンゾイルパーオキサイド、ジ−ターシャルーブチルパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等、通常
のラジカル重合開始剤を使用すればよい。
尚、用いる単量体の組み合わせによっては、共重合時
に、グラフト反応あるいはポリマー鎖相互の架橋反応の
進行によってゲル化する化合性もあるが、この様な場合
は、ポリマー鎖同士の架橋の進行を示すワイゼンベルグ
効果が認められる直前または直後に、炭素数1〜10のア
ルコールを重合系に添加することにより、ゲル化を回避
することができる。
アルコール添加の具体的時期は、重合性単量体の種類
や組合せによって異なるので一律に定めることはできな
いが、例えば80℃で重合を行なう場合は、ワイゼンベル
グ効果の認められる前30分から後20分以内の添加が望ま
しい。ワイゼンベルグ効果が生じたかどうかは、重合装
置内の攪拌機へ重合体溶液が巻き上がる現象を観察する
ことによって容易に確認することができる。また、重合
条件を一定に制御することとし、前回のデータに基づい
てワイゼンベルグ効果発現時期を予測したり、あるいは
複数個の同型重合装置を用いて重合反応を同一条件で開
始し、一つの重合系で起こるワイゼンベルグ効果発現時
期から他の重合系におけるワイゼンベルグ発現時期を予
測することもでき、こうした方法を採用すればワイゼン
ベルグ効果が発現する前にアルコールを加えて架橋反応
の進行を止めることが可能である。
ここで用いられる炭素数1〜10のアルコールとして
は、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール、t−ブチルアルコール、ヘキシルアル
コール、オクシルアルコール等の脂肪族アルコール類;
シクロヘキシルアルコール等の脂環式アルコール類;ベ
ンジルアルコール等の芳香族アルコール類などの1価ア
ルコール、あるいはプロピレングリコール、1,6−ヘキ
サンジオール等の多価アルコールなどを挙げることがで
き、これらの1種または2種以上を使用することができ
る。
これら炭素数1〜10のアルコールは、一括添加、連続
もしくは間欠添加のいずれの方法で添加してもよい。該
アルコールの使用量は、重合系に使用されている溶剤の
種類によって異なるが、使用する該アルコールを含めた
全溶剤中の5〜60重量%を占める様に、該アルコールの
添加量を調節するのが望ましい。しかしてこの添加量範
囲をはずれると、架橋反応抑制効果が十分に発揮されな
いでゲル化が起こったり、あるいは生成する共重合体の
溶剤に対する溶解度が低下して安定な溶液が得られなく
なるといった問題を生じることがある。
この様にして重合系にアルコールを添加した後は、重
合性単量体や溶剤の種類等に応じて、通常の重合操作を
適当な時間継続してから冷却すると、ポリシロキサン系
グラフトポリマーよりなる共重合体を、安定な溶液とし
て容易に得ることができる。
(a),(b)および(c)よりなる重合性単量体成
分並びにポリシロキサン(d)の合計量に対する重合性
シラン化合物(a)の比率は0.05〜10重量%の範囲内が
よく、この範囲未満では有効量のグラフト反応が起こら
ず、塗料組成物が層分離を起こし易くなる。一方、上記
範囲を超えると、重合時にゲル化が起こり易くなり、組
成物の安定性が悪くなる。
また重合性紫外線安定性単量体(b)は、0.1〜10重
量%の範囲で含有させるのがよく、0.1重量%未満で
は、本発明で意図する様な長期耐侯性が得られ難く、逆
に10重量%を超えて多量に含有させると、耐水性が低下
したり光沢や肉持ち性が低下し、塗膜の外観が損なわれ
易くなる。重合性紫外線安定性単量体(b)のより好ま
しい含有率は0.5〜5重量%の範囲である。
次に、上記(a)、(b)以外の重合性単量体(c)
は、主として塗膜に光沢、肉持ち性、鮮映性、顔料分散
性等の諸物性を付与し、あるいは塗膜のガラス転移温度
を調整し、更には硬化タイプとして用いる場合はその架
橋点を導入するための成分として使用されるものであ
り、その使用量は前記(a)、(b)成分の種類や量に
応じて適当に選定されるが、通常は、94.85〜10重量
%、より一般的には89.4〜2.5重量%の範囲で使用され
る。
末端ヒドロキシル基含有ポリシロキサン(d)の比率
は5〜70重量%の範囲とするのがよい。該ポリシロキサ
ンが不足する場合は、本発明で意図する様な長期耐侯性
が得られ難く、一方多過ぎると、光沢や肉持ち性が低下
したり、塗膜のリコート性が悪化する傾向が生じてく
る。該(d)成分のより好ましい含有率は10〜60重量%
の範囲である。
かくして得られる共重合体は、そのままアクリルラッ
カータイプの塗料組成物として使用することができ、ま
た分子中にヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系
単量体を共重合成分として使用したものでは、架橋剤と
してアミノプラスト樹脂などを配合して熱硬化型塗料組
成物とすることもできる。
この際に用いられるアミノプラスト樹脂としては、例
えばメチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルエーテル化
メラミン樹脂、ブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹
脂、ブチルエーテル化シクロヘキサンカルボグアナミン
樹脂などのアミノプラスト樹脂およびこれらの水溶化物
などを挙げることができ、これらの1種または2種以上
を併用することができる。アミノプラスト樹脂および水
溶化物の使用量は特に限定されないが、通常は固形分換
算で共重合体100重量部に対して5〜70重量部の比率で
ブレンドして用いられる。
更に、上記共重合体には、硬化反応促進用の硬化触
媒、有機溶剤や水などの溶剤、充填剤、レベリング材、
分散剤、可塑剤、安定剤、染料、顔料などの各種塗料用
添加剤を適宜配合することにより、用途に応じた様々の
塗料組成物とすることができる。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、特定の重合性単
量体成分よりなる共重合体を主たる塗膜形成成分とする
ことにより、卓越した長期耐侯性を有し、しかも光沢
性、肉持ち性、耐溶剤等においても非常に優れた塗膜を
与える。またこの塗料組成物は、クリアラッカーとして
使用できるほか、顔料分散性にも優れたものであるか
ら、公知の顔料分散法により無機及び有機の様々の顔料
を加えて着色塗料とすることもできる。更に、この塗料
組成物は優れた塗装性を有しているので、スプレー塗
装、ロール塗装、ハケ塗りなど任意の塗装法によって、
金属類、プラスチック類、木工製品などに塗布すること
ができ、極めて広い範囲に渡って有効に利用できる。
[実施例] 次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本
発明はもとより下記実施例によって制約を受けるもので
はない。また、下記実施例において「部」または「%」
とあるのは、特に断わらない限り「重量部」または「重
量%」を意味するものとする。
製造例1 攪拌機、温度計、冷却器、窒素ガス導入管を備えた4
つ口フラスコに、窒素ガス気流下で、末端ヒドロキシル
基含有ポリシロキサンとして で示されるジヒドロキシジメチルポリシロキサンの25%
トルエン溶液100部を仕込み、90℃に昇温する。次い
で、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメ
チルピペリジン1.0部、メチルメタクリレート4部、シ
クロヘキシルメタクリレート50部、メタクリル酸1部、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4部、
および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1.0部からな
る重合性単量体混合物を、上記トルエン溶液に2時間か
けて滴下した。滴下終了後、更に同温度で15分間反応を
続けると、ワイゼンベルグ効果が認められたので、直ち
にイソプロピルアルコール47.2部を加えた。その後温度
を80℃に保ってさらに3時間攪拌して重合反応を進めて
から冷却すると、粘稠な共重合体溶液(1)[不揮発
分:44.8%、粘度:ガードナー・ホルト(25℃)Z]が
得られた。
製造例2,3および比較製造例1,2 製造例1で用いたのと同じジヒドロキシジメチルポリ
シロキサンを使用し、第1表に示す組合せの重合性単量
体を用いた以外は製造例1と同様にして共重合反応を行
ない、第1表に併記する性状の共重合体溶液(2)、
(3)および比較共重合体溶液(C1)、(C2)を得た。
比較製造例3,5,6 製造例1で用いたのと同じフラスコにトルエン100部
を仕込み、90℃に昇温した後、第1表に示す組合せの重
合性単量体と、2,2′−アゾビスイソブチロニトリルの
混合物を2時間かけて滴下し、滴下終了後同温度でさら
に3時間保持して、第1表に併記する性状の比較共重合
体溶液(C3)、(C5)、(C6)を得た。
比較製造例4 製造例1で用いたのと同じフラスコに、末端ヒドロキ
シル基含有ポリシロキサンとして で示されるジヒドロキシジメチルポリシロキサン80部と
トルエン75部を仕込み、90℃に昇温した後、4−メタク
リロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン0.2
部、メチルメタクリレート16.0部、ブチルアクリレート
3.6部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン0.2部及び2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.4部
からなる重合性単量体混合物を2時間かけて滴下した。
滴下終了後同温度でさらに15分間攪拌すると、ワイゼン
ベルグ効果が認められたので、直ちにイソプロピルアル
コール47.2部を加えた。その後温度を80℃に保ってさら
に3時間攪拌を続けて重合反応を進めてから冷却し、比
較用共重合体溶液(C4)[不揮発分:44.9%、粘度:ガ
ードナーホルト(25℃)Z]を得た。
実施例1、2および比較例1〜5 上記製造例1、2および比較製造例1〜5で得た共重
合体溶液(1)、(2)および比較共重合体溶液(C1)
〜(C5)のそれぞれに、酸化チタン(「タイペーク CR
−95」石原産業社製)を不揮発分中の含有量が40%とな
る様に配合し、サンドミルでよく分散した。
この分散液を、更にエアースプレーの可能な粘度まで
トルエン/キシレン/n−ブタノール=5/3/2の混合溶剤
で希釈して、本発明塗料(1)、(2)および比較塗料
(C1)〜(C5)を得た。
得られた各塗料を、エアスプレー法により燐酸亜鉛処
理鋼板に乾燥膜厚が40μmとなる様に塗装した後、常温
乾燥させて、塗膜性能試験用の試験片を作成した。
性能試験結果は第2表に示す通りであり、本発明塗料
(1)および(2)を用いて得た塗膜は、比較塗料(C
1)〜(C5)を用いて得た塗膜に比べて格段に優れたも
のであることが分かる。
実施例3、4および比較例6 上記製造例3、4および比較製造例6で得た共重合体
溶液(3)、(4)および比較用共重合体溶液(C6)の
それぞれに対し、ブチル化メラミン樹脂(「スーパーベ
ッカミン47−508−60」大日本インキ社製)の60%溶液
を、共重合体溶液中の樹脂分とブチル化メラミン樹脂と
の比率が80/20となる様に混合し、更に酸化メタン
(「タイペークCR−95」石原産業社製)を不揮発分中顔
料濃度が40%になる様に配合し、サンドミルで十分に分
散した。
この液を更にエアスプレーの可能な粘度までキシレン
/n−ブチルアルコール=1/1の混合溶剤で希釈し、本発
明塗料(3)、(4)および比較塗料(C6)を得た。
次いでこれらの塗料をエアースプレーで燐酸亜鉛処理
鋼板に、乾燥膜厚が40μmとなる様に塗布した後、160
℃×20分の焼付を行なって、性能試験用の試験片を作成
した。
性能試験結果は第3表に示す通りであり、本発明塗料
(3)、(4)を用いて得た塗膜は、比較塗料(C6)を
用いて得た塗膜に比べて格段に優れた性能を有している
ことが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 雅彦 大阪府吹田市西御旅町5番8号 日本触 媒化学工業株式会社吹田製造所内 (72)発明者 堀 耕平 大阪府吹田市西御旅町5番8号 日本触 媒化学工業株式会社吹田製造所内 (72)発明者 福島 三郎 大阪府吹田市西御旅町5番8号 日本触 媒化学工業株式会社吹田製造所内 (56)参考文献 特開 平3−6273(JP,A) 特開 平10−219140(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 151/08 C08F 283/12 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子中に少なくとも1個の重合性不飽和基
    と、ヒドロキシル基と反応し得る性官能基を有するシラ
    ン化合物(a)、分子中に少なくとも1個の重合性不飽
    和基を有する紫外線安定性単量体(b)、および分子中
    に少なくとも1個の重合性不飽和基を有する上記
    (a),(b)以外の重合性単量体(c)を必須的に含
    む重合性単量体混合物を、末端ヒドロキシル基含有ポリ
    シロキサン(d)の存在下に溶液重合して得られる共重
    合体を有効成分として含むものであることを特徴とする
    耐侯性塗料組成物。
  2. 【請求項2】前記末端ヒドロキシル基含有ポリシロキサ
    ン(d)が、下記[I]式で示されるものである請求項
    (1)に記載の耐侯性塗料組成物。 (式中R1およびR2は夫々独立してハロゲンで置換されて
    いてもよい1価の炭化水素基、nは1以上の整数を表わ
    す)
  3. 【請求項3】前記紫外線安定性単量体(b)が、下記一
    般式[II]で示されるものである請求項(1)または
    (2)に記載の耐侯性塗料組成物。 (但し、式中R3は水素またはシアノ基、R4及びR5は夫々
    独立して水素もしくは炭素数1または2のアルキル基、
    Xはイミノ基又は酸素、Yは水素、炭素数1〜18のアル
    キル基又は を示す)
  4. 【請求項4】前記末端ヒドロキシル基含有ポリシロキサ
    ン(d)が、(a),(b)及び(c)よりなる重合性
    単量体成分と前記ポリシロキサン(d)の合計量に対し
    て5〜70重量%を占めるものである請求項(1)〜
    (3)のいずれかに記載の耐侯性塗料組成物。
  5. 【請求項5】前記シラン化合物(a)が、重合性単量体
    混合物中の0.05〜10重量%を占めるものである請求項
    (1)〜(4)のいずれかに記載の耐侯性塗料組成物。
  6. 【請求項6】前記紫外線安定性単量体(b)が、重合性
    単量体混合物中の0.1〜10重量%を占めるものである請
    求項(1)〜(5)のいずれかに記載の耐侯性塗料組成
    物。
  7. 【請求項7】前記(a),(b)以外の重合性単量体
    (c)が、分子中にシクロアルキル基を有する重合性単
    量体を含むものである請求項(1)〜(6)のいずれか
    に記載の耐侯性塗料組成物。
  8. 【請求項8】分子中にシクロアルキル基を有する重合性
    単量体が、下記一般式[III]で表わされるものである
    請求項(7)に記載の耐侯性塗料組成物。 (但し、式中R6は水素原子または炭素数1〜2のアルキ
    ル基、Zは置換基を有していてもよいシクロアルキル基
    を示す)
  9. 【請求項9】前記(a),(b)以外の重合性単量体
    (c)が、重合性単量体混合物中の94.85〜10重量%を
    占めるものである請求項(1)〜(8)のいずれかに記
    載の耐侯性塗料組成物。
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