JPH09188847A - コーティング用水系分散体 - Google Patents

コーティング用水系分散体

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JPH09188847A
JPH09188847A JP1703496A JP1703496A JPH09188847A JP H09188847 A JPH09188847 A JP H09188847A JP 1703496 A JP1703496 A JP 1703496A JP 1703496 A JP1703496 A JP 1703496A JP H09188847 A JPH09188847 A JP H09188847A
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JP
Japan
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meth
parts
group
coating
monomer
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JP1703496A
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English (en)
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Koji Tamori
功二 田守
Minoru Kato
稔 加藤
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乾燥後の透明性、耐候性に優れ、且つコーテ
ィングされた基材の紫外線劣化を防止でき、あるいはさ
らに防汚性にも優れ、しかもこれらの性能を長期にわた
り保持しうる塗膜を形成しうるコーティング用水系分散
体を提供する。 【構成】 コーティング用水系分散体は、カルボニル基
を含有してもよい(メタ)アクリル系重合体とポリシロ
キサンまたは含フッ素系重合体との複合体の粒子を含有
し、かつ前記複合体が紫外線吸収性成分を含有する。カ
ルボニル基を含有する(メタ)アクリル系重合体を使用
する場合は、さらにヒドラジノ基含有架橋剤が配合され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾燥後の透明性、
耐候性に優れ、コーティングされた基材の紫外線劣化を
防止でき、あるいはさらに防汚性にも優れた塗膜を形成
しうるコーティング用水系分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保全および安全衛生の観点か
ら、コーティング材の無公害化が強く要望されており、
従来の溶剤型コーティング材の水系コーティング材、特
に水系分散体への切替えが進められるとともに、その用
途が拡大しており、それに伴ってコーティング用水系分
散体に対する要求性能もますます高度となっている。従
来、コーティング材に使用されている重合体成分のう
ち、(メタ)アクリル系重合体は優れた透明性、造膜性
を有することから、水系分散体としてコーティング材に
広く使用されており、またポリシロキサンは優れた耐候
性、撥水性、無機基材に対する密着性を有し、例えば特
公昭52−39691号に開示されたようにコーティン
グ材を含む広い分野に使用されているが、これらの(メ
タ)アクリル系重合体とポリシロキサンの優れた性能の
相乗効果を狙って、例えば特開平3−45628号公報
や特開平4−261454号公報には、両重合体成分を
複合化して、コーティング材等に使用することが提案さ
れている。また、フッ素樹脂系水系コーティング材は、
耐候性に優れ、長期にわたって塗り返す必要がなく、ま
た耐熱姓、気体不透過性、電気絶縁性等にも優れている
とともに、有機溶剤中にフッ素樹脂を溶解した溶剤型コ
ーティング材のように多量の溶剤を使用する必要がな
く、環境保全、省資源、安全衛生等の社会的要請に合致
するものとして、近年開発が鋭意進められている。しか
し、フッ素樹脂系水系コーティング材は、一般に、加工
性(特に造膜性)や基材への密着性が低いという欠点が
あり、これらを改善するため、フッ素樹脂系重合体を他
の重合体成分で改質する試みが数多くなされてきた。例
えば特開昭62−32102号公報には、フッ素樹脂系
重合体粒子の存在下でエチレン性不飽和単量体を乳化重
合した水系分散液が、また特開平3−7784号公報に
は、フッ化ビニリデン系重合体粒子の存在下で(メタ)
アクリレートを乳化重合した水系分散液が提案されてい
る。しかしながら、これらの(メタ)アクリル系重合体
とポリシロキサンとの複合体および改質フッ素樹脂系重
合体はそれ自体の耐候性が良好であっても、紫外線を透
過するため、屋外で日光にさらされた場合、クリアーコ
ーティングされた基材の紫外線劣化が免れないという問
題がある。一方、コーティング材に紫外線吸収能を持た
せる手段としては、例えば、特公昭55−12441号
公報の紫外線吸収剤を添加する方法のほか、特開昭61
−42751号公報の紫外線吸収性官能基を有する重合
性モノマーを共重合する方法、特開昭58−21091
6号公報や特公昭55−12441号公報の紫外線吸収
剤を混合した単量体(混合物)を乳化重合する方法等が
知られているが、いずれの方法も、屋外における雨水や
日光によるポリマーの分解あるいは低分子量化を防止す
るには不十分であり、塗膜の劣化は避けられなかった。
さらに近年、コーティング材の性能として防汚性が求め
られるようになり、その手段としてメラミン等の架橋剤
で塗膜を硬化させることが提案されているが、このよう
な方法では耐候性に悪影響を与える場合が多かった。ま
た特開平4−214747号公報には、加水分解性シラ
ンの存在下でカルボニル基含有単量体と他の単量体とを
共重合して得られる、オルガノポリシロキサンを含有す
る高分子ラテックスと、多官能性ヒドラジン誘導体とか
らなる自己架橋型高分子ラテックス組成物が提案され、
この組成物は耐候性、防汚性等の良好な塗膜を形成する
とされている。しかしながら、この組成物も、塗膜の耐
候性、防汚性と基材に対する紫外線劣化防止性とを長期
にわたり保持することが困難であった。このように、コ
ーティング材として使用したとき、塗膜の耐候性と基材
の紫外線劣化防止性とを、あるいはさらに防汚性を、同
時に且つ長期にわたって保持しうる性能を水系分散体に
発現させることが極めて困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の背景
のもとになされたもので、その課題とするところは、乾
燥後の透明性および耐候性に優れ、コーティングされる
基材の紫外線劣化を防止でき、あるいはさらに防汚性に
も優れ、しかもこれらの性能を長期にわたり保持しうる
塗膜を形成しうるコーティング用水系分散体を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するために鋭意検討した結果、透明性、耐候
性に優れた(メタ)アクリル系重合体と耐候性に優れた
ポリシロキサンまたは含フッ素系重合体とからなる複合
体に、紫外線吸収性成分を含有させることにより、透明
性、耐候性および基材の紫外線劣化防止性を高度にバラ
ンスさせることができ、あるいはさらに特定の架橋系で
塗膜を硬化することにより防汚性にも優れたコーティン
グ用水系分散体が得られることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0005】即ち、本発明の要旨は、第一に、(メタ)
アクリル系重合体とポリシロキサンまたは含フッ素系重
合体との複合体の粒子からなり、かつ前記複合体が紫外
線吸収性成分を含有することを特徴とするコーティング
用水系分散体(以下、「第1発明」という。)、からな
る。
【0006】また、本発明の要旨は、第二に、カルボニ
ル基含有(メタ)アクリル系重合体とポリシロキサンま
たは含フッ素系重合体との複合体の粒子およびヒドラジ
ノ基含有架橋剤からなり、かつ前記複合体が紫外線吸収
性成分を含有することを特徴とするコーティング用水系
分散体(以下、「第2発明」という。)、からなる。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。第1発明
における「(メタ)アクリル系重合体とポリシロキサン
または含フッ素系重合体との複合体の粒子」(以下、
「複合体粒子(A−1)」という。)とは、「(メタ)
アクリル系重合体とポリシロキサンまたは含フッ素系重
合体とが単一粒子内に併存する粒子」を意味する。ま
た、第2発明における「カルボニル基含有(メタ)アク
リル系重合体とポリシロキサンまたは含フッ素系重合体
との複合体の粒子」(以下、「複合体粒子(A−2)」
という。)とは、「カルボニル基含有(メタ)アクリル
系重合体とポリシロキサンまたは含フッ素系重合体とが
単一粒子内に併存する粒子」を意味する。但し、第1発
明のコーティング用水系分散体において、複合体粒子
(A−1)は、(メタ)アクリル系重合体のみからなる
粒子および/またはポリシロキサンもしくは含フッ素系
重合体のみからなる粒子と混在することができ、また第
2発明のコーティング用水系分散体において、複合体粒
子(A−2)は、カルボニル基含有(メタ)アクリル系
重合体のみからなる粒子および/またはポリシロキサン
もしくは含フッ素系重合体のみからなる粒子と混在する
ことができる。第1発明および第2発明において、(メ
タ)アクリル系重合体は、得られる塗膜に透明性と耐候
性を付与するために必須の成分であり、ポリシロキサン
または含フッ素系重合体は、得られる塗膜に耐候性を付
与するために必須の成分である。さらに、第2発明にお
いては、(メタ)アクリル系重合体がカルボニル基を含
有し、且つ該重合体をヒドラジノ基含有架橋剤で架橋さ
せることにより、得られる塗膜が特に防汚性に優れたも
のとなる。このような複合体粒子(A−1)および複合
体粒子(A−2)は、例えば下記(イ)〜(ハ)の方法
により製造することができる。 (イ)水系媒質中に分散した(メタ)アクリル系重合体
またはカルボニル基含有(メタ)アクリル系重合体(以
下、これらの重合体をまとめて「(カルボニル基含有)
(メタ)アクリル系重合体」ともいう。)の粒子に、使
用される重合性シラン化合物の少なくとも一部吸収さ
せたのち、吸収された該シラン化合物の重合反応を進行
させる方法。 (ロ)水系媒質中に分散したポリシロキサンの粒子の存
在下に、(カルボニル基含有)(メタ)アクリル系重合
体を構成する単量体を重合する方法。 (ハ)水系媒質中に分散した含フッ素系重合体の粒子の
存在下に、(カルボニル基含有)(メタ)アクリル系重
合体を構成する単量体を重合する方法。
【0008】以下、前記(イ)〜(ハ)の方法について
順次説明する。まず、前記(イ)の方法において、第1
発明における(メタ)アクリル系重合体は、(メタ)ア
クリル系単量体を必須成分とするエチレン性不飽和単量
体を(共)重合することにより製造することができ、ま
た、第2発明におけるカルボニル基含有(メタ)アクリ
ル系重合体は、(メタ)アクリル系単量体を必須成分と
し、かつ後述するカルボニル基含有単量体を含有するエ
チレン性不飽和単量体を(共)重合することにより製造
することができる。但し、第1発明におけるエチレン性
不飽和単量体は、後述するカルボニル基含有単量体を含
有しても含有しなくてもよい。(メタ)アクリル系単量
体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリ
レート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレ
ート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチ
ル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレ
ート、i−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n
−オクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)
アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、p−
t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−
デシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)ア
クリレート等のアルキル(メタ)アクリレートあるいは
シクロアルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アク
リル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン
酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸類;イタコ
ン酸、フマル酸、マレイン酸等のα,β−エチレン性不
飽和ジカルボン酸の酸無水物、モノアルキルエステルあ
るいはモノアミド類;ヒドロキシメチル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート類;2−アミノエチル
(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリ
レート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、3
−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−
ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノア
ルキル(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリレー
ト類;1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジルメタクリレート等の光安定化作用を有す
る(メタ)アクリレート類;後述する紫外線吸収性成分
(B−1)について例示した紫外線吸収性官能基を有す
る(メタ)アクリル系単量体;(メタ)アクリルアミド
ピバリンアルデヒド、ジアセトンアクリルアミド等のカ
ルボニル基含有(メタ)アクリル系単量体;(メタ)ア
クリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アク
リレート、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメ
トキシシラン等の他の(メタ)アクリル系単量体を挙げ
ることができる。これらの(メタ)アクリル系単量体
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。第1発明における(メタ)アクリル系重合体中の
(メタ)アクリル系単量体の含有率は、40重量%以上
が好ましく、さらに好ましくは60重量%以上であり、
また、第2発明におけるカルボニル基含有(メタ)アク
リル系重合体中の(メタ)アクリル系単量体の含有率
は、カルボニル基含有(メタ)アクリル系単量体以外の
(メタ)アクリル系単量体として、40重量%以上が好
ましく、さらに好ましくは60重量%以上である。
【0009】また、カルボニル基含有単量体は、分子中
にアルド基またはケト基からなるカルボニル基を有する
エチレン性不飽和単量体を意味する。但し、該単量体
は、アルド基とケト基とを同時に有することもできる。
このようなカルボニル基含有単量体としては、例えば、
アクロレイン、ホルミルスチレン、ホルミル−α−メチ
ルスチレン、(メタ)アクリルアミドピバリンアルデヒ
ド等のアルド基含有単量体、およびジアセトン(メタ)
アクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケ
トン、ビニルn−プロピルケトン、ビニルi−プロピル
ケトン、ビニルn−ブチルケトン、ビニルi−ブチルケ
トン、ビニルsec−ブチルケトン、ビニルt−ブチル
ケトン等のケト基含有単量体を挙げることができ、これ
らのうち特にジアセトン(メタ)アクリルアミドが好ま
しい。これらのカルボニル基含有単量体は、単独でまた
は2種以上を混合して使用することができる。第2発明
におけるカルボニル基含有(メタ)アクリル系重合体中
のカルボニル基含有単量体の含有率は、0.05〜30
重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜15重量
%である。
【0010】(カルボニル基含有)(メタ)アクリル系
重合体を構成しうる他のエチレン性不飽和単量体(以
下、単に「他の単量体」という。)としては、例えば
1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂
肪族共役ジエン類;スチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニ
ルエステル類等を挙げることができ、また他の単量体は
紫外線吸収性官能基を有する単量体であることもでき
る。これらのうち、スチレン、α−メチルスチレンが好
ましい。これらの他の単量体は、単独でまたは2種以上
を混合して使用することができる。
【0011】水系媒質中に分散した(カルボニル基含
有)(メタ)アクリル系重合体の粒子は、例えば、前記
単量体を水系媒質中で乳化重合する方法、前記単量体を
溶液重合したのち水系媒質中に再乳化する方法(以下、
単に「再乳化法」という。)等により調製することがで
きる。前記乳化重合は、ラジカル重合開始剤を使用し、
ソープフリー系あるいは乳化剤の存在下で実施される。
前記ラジカル重合開始剤としては、例えばクメンハイド
ロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパ
ーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド等
の有機ハイドロパーオキサイド類からなる酸化剤と含糖
ピロリン酸鉄処方、スルホキシレート処方、含糖ピロリ
ン酸鉄/スルホキシレート混合処方等の還元剤との組み
合わせからなるレドックス系開始剤;過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;アゾビスイソブチロ
ニトリル、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレー
ト、2−カルバモイルアザイソブチロニトリル等のアゾ
化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート等の有機過酸化物等を挙げることができ、好まし
くは上記レドックス系開始剤、過硫酸塩である。ラジカ
ル重合開始剤の使用量は、使用される全単量体成分10
0重量部当たり、通常、0.05〜5重量部、好ましく
は0.1〜2重量部程度である。また、前記乳化剤とし
ては、陰イオン性乳化剤、非イオン性乳化剤、陽イオン
性乳化剤、両性乳化剤等を挙げることができるが、特
に、分子中にラジカル重合性のエチレン性不飽和結合を
有する反応性乳化剤が好ましい。陰イオン性乳化剤とし
ては、例えば高級アルコール硫酸エステルのアルカリ金
属塩、アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、
コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸のアルカリ金属
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸のアルカ
リ金属塩、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルキ
ルフェニル)エーテルの硫酸エステル塩等のほか、商品
名で、ラテムルS−180A(花王(株)製)、エレミ
ノールJS−2(三洋化成(株)製)、アクアロンHS
−10(第一工業製薬(株)製)、アデカリアソープS
E−10N(旭電化工業(株)製)、Antox MS
−60(日本乳化剤(株))等の反応性乳化剤を挙げる
ことができる。非イオン性乳化剤としては、例えばポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル等のほか、商品名で、アクア
ロンRS−20(第一工業製薬(株)製)、アデカリア
ソープNE−20(旭電化工業(株)製)等の反応性乳
化剤を挙げることができる。陽イオン性界面活性剤とし
ては、アルキルピリジニルクロライド、アルキルアンモ
ニウムクロライド等を挙げることができ、また両性乳化
剤としては、ラウリルベタインが適当である。乳化剤の
使用量は、使用される全単量体成分100重量部当た
り、通常、5重量部以下である。前記乳化重合は、得ら
れる塗膜の耐候性を損なわないため、ソープフリー系で
あるいは反応性乳化剤を使用して実施することが望まし
い。乳化重合は、ラジカル重合開始剤、乳化剤のほか
に、必要に応じて連鎖移動剤、電解質、pH調整剤等を
併用して、全単量体成分100重量部当たり、通常、水
を100〜500重量部とラジカル重合開始剤および乳
化剤を前記範囲内の量で使用し、重合温度5〜100
℃、好ましくは50〜90℃、重合時間0.1〜10時
間の条件で実施される。その際の重合方式としてはバッ
チ方式、単量体を分割または連続して添加する方式、単
量体のプレエマルジョンを分割または連続して添加する
方式、またはこれらの方式を段階的に組み合わせた方式
等を採用することができるが、特に、水溶性の低い単量
体や紫外線吸収性官能基を有する単量体を使用する場合
は、高圧ホモジナイザーや超音波分散機を用いて予め単
量体、水、乳化剤を強制乳化させてプレエマルジョンを
調製してから、バッチ重合方式、分割または連続して添
加する方式等により重合することが好ましい。また、そ
の際の重合転化率は、99.5重量%以上であることが
好ましい。
【0012】また、(カルボニル基含有)(メタ)アク
リル系重合体の粒子を再乳化法により調製する方法は、
特に単量体として、後述する紫外線吸収性成分(B−
1)を使用し、且つ該成分が乳化重合し難い場合に有効
である。再乳化法における溶液重合に際しては、水系媒
質中への再乳化を考慮して、カルボキシル基やアミノ基
等の親水性官能基を有する単量体を1種以上併用するこ
とが好ましい。この溶液重合に際しては、有機溶媒、ラ
ジカル重合開始剤等が使用される前記有機溶媒として
は、例えば酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ア
セトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケ
トン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等
のアルコール類;1,4−ジオキサン、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル等のエーテル類等を挙げるこ
とができる。また、溶液重合に使用されるラジカル重合
開始剤としては、例えば前記乳化重合について例示した
各種のラジカル開始剤等を挙げることができ、好ましく
はアゾ化合物および有機過酸化物である。溶液重合にお
けるラジカル重合開始剤の使用量は、使用される全単量
体成分100重量部当たり、通常、0.1〜20重量
部、好ましくは0.5〜10重量部程度である。溶液重
合に際しては、有機溶媒、ラジカル重合開始剤のほか
に、必要に応じて連鎖移動剤等を併用して、全単量体成
分100重量部当たり、通常、溶媒を10〜1000重
量部とラジカル重合開始剤を前記範囲内の量で使用し、
重合温度5〜100℃、好ましくは50〜90℃、重合
時間0.1〜10時間の条件で重合される。前記溶液重
合により得られる重合体溶液に、水と必要に応じて中和
剤、乳化剤等を加え、加熱または非加熱下で攪拌して、
該溶液を再乳化させるか、あるいは必要に応じて中和
剤、乳化剤等を加えた水中に、該重合体溶液を滴下し、
加熱または非加熱下で攪拌して、該溶液を再乳化させる
ことにより、目的とする(カルボニル基含有)(メタ)
アクリル系重合体の粒子を得ることができる。なお、溶
液重合の際に使用した有機溶媒は、再乳化後に加熱、水
蒸気蒸留等により、分散系から減量または除去すること
が望ましい。さらに、(カルボニル基含有)(メタ)ア
クリル系重合体の粒子は、前記単量体の一部を使用し、
前記乳化重合法または再乳化法により得られる重合体エ
マルジョンをシードとして、残余の単量体を乳化重合す
ることによっても調製することができる。その際に使用
される単量体、ラジカル重合開始剤や、必要に応じて添
加する乳化剤、連鎖移動剤等の成分および重合条件は、
前記乳化重合法の場合と同様である。このように得られ
る(メタ)アクリル系重合体の粒子およびカルボニル基
含有(メタ)アクリル系重合体の粒子は、それぞれ単独
でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0013】また、重合性シラン化合物としては、例え
ば一般式(1) Rn Si(OR′)4-n ・・・(1) (式中、Rは炭素数1〜8の有機基、R′は炭素数1〜
5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基、nは0
〜2の整数を示す。)で表されるアルコキシシラン類、
一般式(2) R''m SiO(4-m)/2 ・・・(2) (式中、R''は置換または非置換の1価の炭化水素基、
mは0〜3の整数を示す。)で表される構造単位を有す
る直鎖状、分岐状または環状のシロキサン類等を挙げる
ことができ、好ましくは一般式(1)で表されるアルコ
キシシラン類である。以下、重合性シラン化合物として
前記アルコキシシラン類を用いる場合について説明する
が、ポリシロキサンは、その他の重合性シラン化合物を
用いる場合も同様にして製造することができる。一般式
(1)において、Rの炭素数1〜8の有機基としては、
例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等
のアルキル基や、γ−クロロプロピル基、γ−ブロモプ
ロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、γ−
グリシドキシプロピル基、γ−(メタ)アクリルオキシ
プロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−アミノプ
ロピル基、ビニル基、フェニル基、3,4−エポキシシ
クロヘキシルエチル基等を挙げることができ、また分散
体(2)においては、Rがカルボニル基を有することも
できる。また、R′の炭素数1〜5のアルキル基または
炭素数1〜4のアシル基としては、例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
n−ペンチル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリ
ル基等を挙げることができる。このようなアルコキシシ
ランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラ
i−プロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テ
トラi−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメト
キシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プ
ロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシ
シラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルト
リメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,
3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタク
リルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメト
キシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルト
リエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン等を挙
げることができ、これらのうちジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、i−ブチルトリメトキ
シシラン、フェニルトリエトキシシランが好ましい。こ
れらのアルコキシシランは、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができる。また、前記アルコキシシ
ランは、場合により、後述する紫外線吸収性成分(B−
2)や、例えばチタン、アルミニウム等の他の金属アル
コキシドあるいは公知のシランカップリング剤と併用す
ることもできる。(イ)の方法における重合性シラン化
合物の全使用量は、(カルボニル基含有)(メタ)アク
リル系重合体100重量部(固形分)当たり、好ましく
は0.1〜500重量部、さらに好ましくは0.5〜2
50重量部である。この場合、重合性シラン化合物の全
使用量が0.1重量部未満では、塗膜の耐候性、耐薬品
性等が損なわれるおそれがあり、また500重量部を超
えると、加工性(特に造膜性)、基材との密着性等が低
下する傾向がある。
【0014】(カルボニル基含有)(メタ)アクリル系
重合体の粒子への重合性シラン化合物の吸収は、該粒子
の水系媒質中に、加水分解性シラン化合物を一括、分割
あるいは連続して添加し、充分攪拌することにより達成
される。この場合、必要に応じて重合性シラン化合物を
有機溶媒に溶解して使用することもできる。(イ)の方
法において、(メタ)アクリル系重合体の粒子に吸収さ
せる重合性シラン化合物の量は、重合性シラン化合物の
全使用量の、通常、5重量%以上、好ましくは10重量
%以上、さらに好ましくは30重量%以上である。ま
た、重合性シラン化合物の吸収が不十分な段階で該化合
物の重合反応が進行するのを避けるために、系のpH
を、通常、4〜10、好ましくは5〜9、さらに好まし
くは6〜8に調整し、温度を、通常、90℃以下、好ま
しくは0〜70℃、さらに好ましくは0〜50℃、特に
好ましくは0〜30℃の条件で、重合性シラン化合物を
添加、吸収させることが望ましい。また、処理時間は、
通常、5〜180分、好ましくは20〜60分程度であ
る。次いで、吸収された重合性シラン化合物の重合反応
は、反応温度を、通常、30℃以上、好ましくは50〜
100℃、さらに好ましくは70〜90℃として実施す
ることができる。この重合反応は、反応温度のほか、
R’の炭素数やpHを調整することにより容易に制御で
き、また得られるポリシロキサンの重合度を調整するこ
とができる。(イ)の方法により得られる複合体粒子
(A−1)および複合体粒子(A−2)の平均粒径は、
好ましくは0.01〜0.5μm、さらに好ましくは
0.02〜0.3μm程度である。これらの粒子の平均
粒径を小さくすることにより、分散系の粘度は増加する
ものの、得られる塗膜の耐水性およびフィルム強度が改
善されることから、特に耐水性やフィルム強度が重視さ
れる用途に対しては、平均粒径を0.02〜0.1μm
とすることが望ましい。この平均粒径は、(カルボニル
基含有)(メタ)アクリル系重合体粒子の平均粒径、重
合性シラン化合物の吸収量等を適宜選択することにより
調整することができる。
【0015】次に、前記(ロ)の方法において、水系媒
質中に分散したポリシロキサンの粒子は、重合性シラン
化合物を、アルキルベンゼンスルホン酸等の強酸性乳化
剤の水溶液中で、ホモミキサーまたは超音波混合機等を
用いて混合し、重合することによって調製することがで
きる。その際、必要に応じて公知のグラフト交叉剤を共
重合させることができ、また、後述する紫外線吸収性成
分(B−2)を併用することもできる。重合性シラン化
合物としては、例えば前記一般式(1)で表されるアル
コキシシラン類、前記一般式(2)で表される構造単位
を有する直鎖状、分岐状または環状のシロキサン類等を
挙げることができ、好ましくは環状のシロキサン類であ
る。前記環状のシロキサン類を表す一般式(2)におい
て、R''の置換または非置換の1価の炭化水素基として
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、ビニル基、フェニル基や、これらの基をハ
ロゲン原子、シアノ基等で置換した基等を挙げることが
でき、また分散体(2)においては、R''がカルボニル
基を有することもできる。このような環状のシロキサン
としては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、
オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシク
ロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキ
サン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン等
を挙げることができる。
【0016】また、必要によって共縮合されるグラフト
交叉剤としては、例えばp−ビニルフェニルメチルジメ
トキシシラン、2−(m−ビニルフェニル)エチルメチ
ルジメトキシシラン、(m−ビニルフェニルメチル)ジ
メチルイソプロポキシシラン、2−(p−ビニルフェニ
ル)エチルメチルジメトキシシラン、3−(p−ビニル
フェノキシ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−
(p−ビニルベンゾイルオキシ)プロピルメチルジメト
キシシラン、1−(o−ビニルフェニル)−1,1,2
−トリメチル−2,2−ジメトキシジシラン、1−(p
−ビニルフェニル)−1,1−ジフェニル−3−エチル
−3,3−ジエトキシジシロキサン、m−ビニルフェニ
ル−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕ジフェニ
ルシラン、〔3−(p−イソプロペニルベンゾイルアミ
ノ)プロピル〕フェニルジプロポキシシラン、ビニルメ
チルジメトキシシラン、テトラビニルテトラメチルシク
ロテトラシロキサン、アリルメチルジメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等を
挙げることができ、これらのうちp−ビニルフェニルメ
チルジメトキシシラン、2−(p−ビニルフェニル)エ
チルメチルジメトキシシラン、3−(p−ビニルベンゾ
イルオキシ)プロピルメチルジメトキシシランであり、
さらに好ましくはp−ビニルフェニルメチルジメトキシ
シランが好ましい。グラフト交叉剤の使用量は、重合性
シラン化合物とグラフト交叉剤の合計量に対して、好ま
しくは0.1〜50重量%、さらに好ましくは0.5〜
10重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%である。
【0017】重合性シラン化合物の混合、重合時に使用
される強酸性乳化剤は、重合性シラン化合物の乳化剤と
して作用するほか、該化合物の重合反応の開始剤となる
ものである。強酸性乳化剤の使用量は、重合性シラン化
合物とグラフト交叉剤の合計100重量部当たり、通
常、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部
程度である。水の使用量は、重合性シラン化合物とグラ
フト交叉剤の合計量100重量部当たり、通常、100
〜500重量部、好ましくは200〜400重量部であ
り、縮合温度は、通常、5〜100℃である。また、前
記ポリシロキサンは、その分子鎖末端が、例えば水酸
基、アルコキシ基、トリメチルシリル基、ジメチルビニ
ルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基、メチルジ
フェニルシリル基等により封鎖されていてもよい。ポリ
シロキサンの粒子の平均粒径は、前記強酸性乳化剤や水
の量、重合温度、ホモミキサーや超音波混合機等による
分散程度を制御することによって容易に調整することが
できる。このようにして得られるポリシロキサンの粒子
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0018】次いで、水系媒質中に分散した前記ポリシ
ロキサンの粒子の存在下に、(カルボニル基含有)(メ
タ)アクリル系重合体を構成する単量体を重合する。そ
の際に使用される単量体並びに全単量体成分中の(メ
タ)アクリル系単量体およびカルボニル基含有単量体の
含有率は、前記(イ)の方法の場合と同様である。
(ロ)の方法における単量体の使用量は、ポリシロキサ
ン(固形分)100重量部当たり、好ましくは5〜50
0重量部、さらに好ましくは10〜400重量部であ
る。この場合、単量体の合計使用量が、5重量部未満で
は、加工性(特に造膜性)、基材との密着性等が低下す
る傾向があり、また500重量部を超えると、ポリシロ
キサン自体の有する耐候性、耐薬品性等が損なわれるお
それがある。(ロ)の方法における重合は乳化重合によ
って実施することが好ましく、その際には、ラジカル重
合開始剤および乳化剤が使用される。前記ラジカル重合
開始剤としては、例えば前記(イ)の方法について例示
したものを挙げることができ、好ましくは前記レドック
ス系開始剤、有機過酸化物である。ラジカル重合開始剤
の使用量は、使用される全単量体成分100重量部当た
り、通常、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜2
重量部程度である。また、前記乳化剤としては、ポリシ
ロキサンの水性分散体を製造する際に加えられたアルキ
ルベンゼンスルホン酸等の強酸性乳化剤がその役割を果
たすが、必要に応じてさらに他の乳化剤、例えば(イ)
の方法について例示した乳化剤を追加することもでき
る。乳化重合は、ラジカル重合開始剤のほかに、必要に
応じて追加の乳化剤、連鎖移動剤、各種電解質、pH調
整剤等を併用して、全単量体成分100重量部当たり、
通常、水を100〜500重量部とラジカル重合開始剤
を前記範囲内の量で使用し、重合温度5〜100℃、好
ましくは50〜90℃、重合時間0.1〜10時間の条
件で実施される。その際、ポリシロキサンの粒子を分散
した水系媒質中に、直接、単量体、ラジカル重合開始剤
等を、一括、分割または連続して添加して実施すること
が好ましい。また、その際の重合転化率は、99.5重
量%以上であることが好ましい。(ロ)の方法により得
られる複合体粒子(A−1)および複合体粒子(A−
2)の平均粒径は、通常、5μm以下、好ましくは0.
03〜1μm、さらに好ましくは0.03〜0.5μm
である。これらの粒子の平均粒径を前記範囲内とするこ
とにより、造膜性が優れ、分散系の安定性が保たれ、且
つ塗膜の物性バランスも良好となる。この平均粒径は、
ポリシロキサンの水系分散体の平均粒径を制御すること
により調整することができる。
【0019】さらに、前記(ハ)の方法において、含フ
ッ素系重合体としては、好ましくはフッ化ビニリデン系
重合体が使用される。前記フッ化ビニリデン系重合体と
しては、フッ化ビニリデンの単独重合体あるいは共重合
体が使用される。前記フッ化ビニリデンの共重合体にお
いて、フッ化ビニリデンと共重合可能な単量体として
は、例えばフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、ト
リフルオロクロロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、ヘキサフルオロイソブチレン等の含フッ素モノオレ
フイン類;パーフルオロ(メタ)アクリル酸、パーフル
オロ(メタ)アクリル酸の(シクロ)アルキルエステ
ル、(メタ)アクリル酸のフルオロ(シクロ)アルキル
エステル等の含フッ素アクリル系単量体;プロピレン、
シクロヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチル
ビニルエーテル等の他のモノエチレン性不飽和単量体;
ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役
ジエン類等を挙げることができる。これらの共重合可能
な単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用する
ことができる。フッ化ビニリデンの共重合体におけるフ
ッ化ビニリデンの含有率は、通常、50重量%以上であ
る。好ましいフッ化ビニリデン系重合体は、フッ化ビニ
リデンの単独重合体、2元共重合体としてフッ化ビニリ
デン/テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリ
デン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、3元共重合
体としてフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/
ヘキサフルオロプロピレン共重合体であり、特にフッ化
ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ
化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体が好ましい。これらのフッ化ビニ
リデン系重合体は、単独でまたは2種以上を組み合わせ
て使用される。特に好ましいフッ化ビニリデン共重合体
における各単量体の組成比は、フッ化ビニリデン/テト
ラフルオロエチレン共重合体の場合、好ましくはフッ化
ビニリデンが50〜90重量%、テトラフルオロエチレ
ンが50〜10重量%であり、フッ化ビニリデン/ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体の場合、好ましくはフッ
化ビニリデンが50〜90重量%、ヘキサフルオロプロ
ピレンが50〜10重量%であり、またフッ化ビニリデ
ン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体の場合、好ましくはフッ化ビニリデンが50
〜80重量%、テトラフルオロエチレンが10〜40重
量%、ヘキサフルオロプロピレンが5〜40重量%であ
る。フッ化ビニリデン系重合体の重量平均分子量は、通
常、1万〜20万である。
【0020】水系媒質中に分散したフッ化ビニリデン系
重合体の粒子は、例えば 共重合可能な単量体の存在下または非存在下で、フ
ッ化ビニリデンを水系媒質中で乳化重合する方法、 共重合可能な単量体の存在下または非存在下で、フ
ッ化ビニリデンを溶液重合したのち、フッ化ビニリデン
系重合体溶液を水系分散体に転相する方法、 共重合可能な単量体の存在下または非存在下で、フ
ッ化ビニリデンを沈澱重合したのち、得られた重合体粒
子を水系媒質中に分散させる方法 等により調製することができ、これらの方法は、公知の
方法により実施することができる。前記方法のうち、
の乳化重合法が、得られるフッ化ビニリデン系重合体の
エマルジョンがそのまま、次の(カルボニル基含有)
(メタ)アクリル系重合体を構成する単量体の重合に使
用することができる点で好ましい。フッ化ビニリデン系
重合体の粒子の平均粒径は、分散体(A−1)および分
散体(A−2)の所望の平均粒径に応じて変わるが、
0.03〜0.3μmの範囲にあるのが好ましく、さら
に好ましくは0.03〜0.2μmである。このように
して得られるフッ化ビニリデン系重合体の粒子は、単独
でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0021】次いで、水系媒質中に分散した含フッ素系
重合体の粒子の存在下に、(カルボニル基含有)(メ
タ)アクリル系重合体を構成する単量体を重合させる。
その際の重合は、通常、乳化重合により行われる。その
際に使用される単量体並びに全単量体成分中の(メタ)
アクリル系単量体およびカルボニル基含有の含有率は、
前記(イ)の方法の場合と同様である。(ハ)の方法に
おける単量体の使用量は、含フッ素系重合体(固形分)
100重量部当たり、好ましくは20〜500重量部、
さらに好ましくは40〜300重量部である。この場
合、単量体の使用量が、20重量部未満では、加工性
(特に造膜性)、基材との密着性等が低下する傾向があ
り、また500重量部を超えると、含フッ素系重合体自
体の有する耐候性、耐薬品性等が損なわれるおそれがあ
る。前記乳化重合は、ラジカル重合開始剤を使用し、乳
化剤を添加してまたは添加しないで実施される。その際
に使用されるラジカル重合開始剤および乳化剤として
は、例えば前記(イ)の方法について例示したものを挙
げることができる。ラジカル重合開始剤の使用量は、使
用される全単量体成分100重量部当たり、通常、0.
05〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部程度であ
り、また乳化剤の使用量は、使用される全単量体成分1
00重量部当たり、通常、5重量部以下である。また乳
化重合に際しては、ラジカル重合開始剤、乳化剤のほか
に、必要に応じて連鎖移動剤、各種電解質、pH調整剤
等を併用することもできる。この乳化重合の条件は特に
制約されるものではなく、水系媒質中、ラジカル重合開
始剤および乳化剤を前記範囲内の量で使用し、例えば、
重合温度30〜100℃程度、重合時間1〜30時間程
度の条件で実施される。また、その際の重合転化率は、
99.5重量%以上であることが好ましい。乳化重合に
際して、含フッ素系重合体の粒子および単量体は、種々
の方法で添加することができる。その方法としては、例
えば(a)含フッ素系重合体の粒子が分散した水系媒質
中に単量体の全量を一括して添加する方法、(b)含フ
ッ素系重合体の粒子が分散した水系媒質中に単量体の一
部を仕込んで反応を開始させたのち、残りの単量体を分
割または連続して添加する方法、(c)含フッ素系重合
体の粒子が分散した水系媒質中に単量体の全量を分割ま
たは連続して添加する方法、(d)単量体を水系媒質中
で重合しつつ、含フッ素系重合体の粒子を分割または連
続して添加する方法等を挙げることができるが、特に
(a)の方法、および(b)の方法において始めに仕込
む単量体の量を全単量体成分の50重量%以上とする方
法が好ましい。水系媒質中に分散した前記含フッ素系重
合体の粒子の存在下における単量体の乳化重合は、1種
のシード重合と考えることができる。その反応挙動は必
ずしも明確ではないが、添加された単量体が主として含
フッ素系重合体粒子中に吸収あるいは吸着され、該粒子
を膨潤させながら重合が進行していくものと考えられ
る。したがって、(ハ)の方法により得られる複合体粒
子(A−1)および複合体粒子(A−2)における各重
合体成分の存在形態としては、含フッ素系重合体と(カ
ルボニル基含有)アクリル系重合体とのグラフト結合
型;含フッ素系重合体をコア、(カルボニル基含有)ア
クリル系重合体をシェルとするコア・シェル型;含フッ
素系重合体と(カルボニル基含有)アクリル系重合体が
単一粒子内に均一に混在した均質型や、これらの混合型
が考えられるが、特に耐候性を重視する場合は、均質型
であることが好ましい。得られる複合体粒子が均質型で
あることは、示差走査型熱量分析において単一のガラス
転移点を示すことにより、あるいは該粒子が光学的に透
明なフィルムを形成することにより容易に確認すること
ができる。(ハ)の方法により得られる複合体粒子(A
−1)および複合体粒子(A−2)の平均粒径は、通
常、0.04〜1μm、好ましくは0.05〜0.5μ
m、さらに好ましくは0.05〜0.3μmである。こ
の場合、これらの粒子の平均粒径が0.04μm未満で
は、分散系の粘度が上昇して高固形分とすることが困難
となり、また使用条件により大きな機械的剪断力が作用
する場合、凝固物が発生しやすくなる。一方、平均粒径
が1μmを超えると、分散系の貯蔵安定性が低下する傾
向がある。この平均粒径の調整は、含フッ素系重合体の
粒子の平均粒径を制御することにより調整することがで
きる。
【0022】前記(イ)〜(ハ)の方法により得られる
複合体粒子(A−1)および複合体粒子(A−2)は、
何れも目的とする透明性、耐候性に優れた塗膜を形成す
ることができるが、前記(イ)の方法により得られる複
合体粒子(A−1)および複合体粒子(A−2)を用い
て得られる塗膜は特に耐候性に優れ、前記(ロ)の方法
により得られる複合体粒子(A−1)および複合体粒子
(A−2)を用いて得られる塗膜は特に防汚性に優れ、
また前記(ハ)の方法により得られる複合体粒子(A−
1)および複合体粒子(A−2)を用いて得られる塗膜
は耐候性と防汚性の双方に優れるという特徴を有する。
複合体粒子(A−1)および複合体粒子(A−2)は、
それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用すること
ができる。また、所望により複合体粒子(A−1)と複
合体粒子(A−2)とを組み合わせて、コーティング用
水系分散体として使用することもできる。
【0023】さらに、複合体粒子(A−1)および複合
体粒子(A−2)を構成する各複合体は、紫外線吸収性
成分を含有している。この紫外線吸収性成分は、各複合
体に化学結合、特に共有結合していることが好ましい。
紫外線吸収性成分が各複合体と化学結合していると、コ
ーティング用水性分散体から形成された塗膜の使用中
に、該紫外線吸収性成分のブリード、雨などによる流出
等が少なく、基材の紫外線劣化の防止機能をより長期に
わたって保持できる。第1発明および第2発明における
紫外線吸収性成分は、コーティングされた基材の紫外線
劣化を防止するために必須の成分であり、その含有量
は、第1発明および第2発明のコーティング用水系分散
体を塗布し、乾燥させて得た厚さ1mmのフィルムの波
長360nmに対する透過率が、通常、1%以下となる
量、好ましくは0.5%以下となる量、さらに好ましく
は0.2%以下となる量である。この場合、前記透過率
が1%を超えると、基材の紫外線劣化の防止機能が不十
分となるおそれがある。紫外線吸収性成分としては、例
えばサリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ
ール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収性官能基
を有する成分を挙げることができる。このような紫外線
吸収性成分を各複合体に化学結合させる方法としては、
例えば(i)紫外線吸収性官能基を有するエチレン性不
飽和単量体(以下、「紫外線吸収性成分(B−1)」と
いう。)を、(カルボニル基含有)(メタ)アクリル系
重合体の生成工程で、該重合体を構成する単量体と共重
合する方法、(ii)紫外線吸収性官能基を有しかつシラ
ノールと縮合反応しうる成分(以下、「紫外線吸収性成
分(B−2)」という。)を、ポリシロキサンの生成工
程で、重合性シラン化合物と共重合する方法 (iii)前記(i)と(ii)の方法を併用する方法等を挙
げることができる。
【0024】紫外線吸収性成分(B−1)としては、例
えばp−メタクリロキシフェニルサリシレート、2−ヒ
ドロキシ−4−メタクリルオキシベンゾフェノン、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシエチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
これらの紫外線吸収性成分(B−1)は、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができる。また、紫外
線吸収性成分(B−2)としては、例えば2,4−ジヒ
ドロキシフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、3−[3−(2H−ベンゾトリアゾ
ール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル]プロパノール、エチル−α−シアノ−β,β−
ジ(p−ヒドロキシフェニル)アクリレート等を挙げる
ことができる。これらの紫外線吸収性成分(B−2)
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0025】第1発明のコーティング用水系分散体は、
紫外線吸収性成分を含有する複合体粒子(A−1)から
なる。また、第2発明のコーティング用水系分散体は、
紫外線吸収性成分を含有する複合体粒子(A−2)と、
ヒドラジノ基含有架橋剤とからなる。第2発明に使用さ
れるヒドラジノ基含有架橋剤は、1分子中に2個以上の
ヒドラジノ基を有する成分であり、その具体例として
は、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、こ
はく酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピ
ン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシ
ン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸
ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等を挙げること
ができる。ヒドラジノ基含有架橋剤は、第2発明のコー
ティング用水系分散体を調製する適宜の工程で配合する
ことができ、例えば、複合体粒子(A−2)の製造中お
よび/または製造後に配合することができるが、複合体
粒子(A−2)の製造時における凝固物の発生を抑え、
重合安定性を維持するためには、ヒドラジノ基含有架橋
剤の全量を、複合体粒子(A−2)の製造後に配合する
ことが望ましい。ヒドラジノ基含有架橋剤の配合割合
は、カルボニル基含有(メタ)アクリル系重合体中のカ
ルボニル基1モルに対してヒドラジノ基が、通常、0.
1〜10モル、好ましくは0.2〜5モル、さらに好ま
しくは0.5〜2モル、特に好ましくは0.8〜1モル
となる割合である。この場合、ヒドラジノ基含有架橋剤
の配合割合が0.1モル未満では、防汚性が低下する傾
向があり、また10モルを超えると、耐候性が低下する
傾向がある。ヒドラジノ基含有架橋剤は、そのヒドラジ
ノ基が、コーティング用水系分散体の乾燥過程で、カル
ボニル基含有(メタ)アクリル系重合体中のカルボニル
基と反応して網目構造を形成する作用を有する。この架
橋反応に際しては、通常触媒を用いなくてもよいが、場
合により硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸コバルト等の水
溶性金属塩等の触媒を添加することができる。
【0026】第1発明および第2発明のコーティング用
水系分散体には、目的に応じて下記添加剤を配合するこ
とができる。耐候性をさらに向上させるために、光安定
化剤を配合することができる。このような光安定化剤は
特に限定されるものでなく、例えば有機ニッケル系、ヒ
ンダードアミン系等の、従来より塗料、合成ゴム、合成
樹脂、合成繊維等に用いられている光安定化剤は何れも
使用することができるが、好ましくはビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、テトラキシ(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,
2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等のヒンダ
ードアミン系光安定化剤である。光安定化剤の配合量
は、コーティング用水系分散体(固形分)100重量部
当たり、通常、10重量部以下、好ましくは5重量部以
下である。この場合、光安定化剤の配合量が10重量部
を超えると、防汚性が低下する傾向がある。また、造膜
性、濡れ性を向上させるために、メチルアルコール、エ
チルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、n−アミルアル
コール、n−ヘキシルアルコール等のアルコール類;メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−プロピルセロ
ソルブ、i−プロピルセロソルブ、n−ブチルセロソル
ブ、n−ヘキシルセロソルブ等のセロソルブ類;メチル
カルビトール、エチルカルビトール等のカルビトール
類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブア
セテート等のセロソルブアセテート類;トリ−n−ブト
キシメチルフォスフェート等のフォスフェート類等の有
機溶剤を配合することができる。有機溶剤の配合量は、
全水系分散体の、通常、20重量%以下、好ましくは1
0重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。
さらに、前記以外の添加剤としては、水性樹脂として一
般に用いられている水溶性もしくは水分散性の樹脂、例
えばポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、
スチレン−マレイン酸樹脂等のカルボキシル化芳香族ビ
ニル樹脂、ウレタン樹脂等のほか、消泡剤、増粘剤、熱
に対する安定剤、レベリング剤、滑剤、帯電防止剤、染
料、顔料、防カビ剤等を用いることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて、本発明の
実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は
その要旨を越えない限り、これらの実施例に限定される
ものではない。ここで、部および%は重量基準による。
実施例および比較例における各物性の評価は、次の方法
に拠った。波長360nmに対する透過率 ガラス板上に、乾燥後の塗膜の厚さが1mmになるよう
に、水系分散体を流し、恒温恒湿槽内で、25℃、相対
湿度50%で10日間乾燥したのち、120℃で20分
間乾燥した。得られた塗膜をガラス板から剥し、吸光光
度計((株)日立製作所製U−3210)により、波長
360nmに対する透過率を測定した。 透明性 ガラス板上に、乾燥後の塗膜の厚さが1mmになるよう
に、水系分散体を流し、恒温恒湿槽内で、25℃、相対
湿度50%で10日間乾燥したのち、120℃で20分
間乾燥した。得られた塗膜をガラス板から剥して、目視
にて下記基準で評価した。 ○:濁りや黄色みが認められず透明、 ×:濁りや黄色みが認められる。耐候性 アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂板(商品
名JSR ABS10、日本合成ゴム(株)製)に、乾
燥後の塗膜の厚さが30μmになるように、水系分散体
をバーコーターで塗布し、120℃の熱風乾燥器内で2
0分間乾燥した。この塗布板について、サンシャインウ
エザーメーター(スガ試験機(株)製WEL−SUN
HC型)を用い、63℃で1,000時間暴露後の塗膜
の光沢保持率と外観変化を評価した。光沢は、JIS
K5400に基づき、60°鏡面光沢度を測定した。外
観変化は、目視にて下記基準で判定した。 ◎:外観が良好、 ○:外観が普通、 △:若干のフクレ、ハガレが認められる、 ×:フクレ、ハガレが著しい。防汚性 アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂板(商品
名JSR ABS10、日本合成ゴム(株)製)に、乾
燥後の塗膜の厚さが30μmになるように、水系分散体
をバーコーターで塗布し、120℃の熱風乾燥器内で2
0分間乾燥した。この塗布板を四日市市内南面45゜で
6ヶ月間屋外暴露したのち、塗膜の暴露前後の白さの差
ΔLを、色差計により測定した。紫外線劣化防止性 アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂板(商品
名JSR ABS10、日本合成ゴム(株)製)に、乾
燥後の塗膜の厚さが30μmになるように、水系分散体
をバーコーターで塗布し、120℃の熱風乾燥器内で2
0分間乾燥した。この塗布板について、QUV(Qパネ
ル社製ソーラーアイ、FS−40ランプ使用。)を用
い、飽和蒸気圧下で、60℃×8時間紫外線照射と50
℃×4時間暗黒維持を順次繰返し、紫外線を合計500
時間照射したのち、塗膜の外観変化を目視にて観察し、
また塗膜を剥離後の基材(アクリロニトリル/ブタジエ
ン/スチレン樹脂板)の塗布側表面の外観変化を目視に
て観察して、下記基準で評価した。 ◎:基材および塗膜とも外観が良好、 ○:基材の外観は良好で、塗膜の外観が普通、 △:基材の外観は普通であるが、塗膜に若干のフクレ、
ハガレ、変色が認められる、 ×:塗膜のフクレ、ハガレ、変色が著しく、基材の外観
が著しく黄変している。
【0028】
【実施例】
実施例1(紫外線吸収性成分を共重合した複合体粒子
(A−1)、方法(イ)) (1)攪拌機、温度計、ヒーター、単量体添加ポンプお
よびよび窒素ガス導入装置を備えた容量2リットルのセ
パラブルフラスコに、イオン交換水70部、反応性乳化
剤であるアデカリアソープSE−10N0.2部、過硫
酸カリウム0.3部を仕込み、気相部を15分間窒素ガ
スで置換して、80℃に昇温した。別容器で、イオン交
換水30部、前記反応性乳化剤1.0部、n−ブチルア
クリレート50部、メチルメタクリレート45部、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート2部、アクリル酸2
部、および紫外線吸収性成分である2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メタクリルオキシエチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール1部を混合攪拌したのち、さらに超音波ホ
モジナイザー((株)日本精機製作所製RUS−60
0)で単量体を微分散させて、プレエマルジョンを調製
した。次いで、このプレエマルジョンを、3時間かけて
前記セパラブルフラスコに連続的に滴下した。滴下中は
窒素ガスを導入し、内温を80℃に保持した。滴下終了
後、85〜95℃でさらに2時間熟成して、重合反応を
完結させたのち、25℃に冷却し、アンモニア水でpH
7に調整して、(メタ)アクリル系重合体のエマルジョ
ンを得た。 (2)その後、このセパラブルフラスコに、テトラエト
キシシラン30部を加え、約1時間にわたり強く攪拌し
て、(メタ)アクリル系重合体の粒子にテトラエトキシ
シランを吸収させたのち、80℃に昇温して3時間攪拌
を続けて、テトラエトキシシランを重合させた。その後
冷却し、200メッシュの金網でろ過して、(メタ)ア
クリル系重合体とポリシロキサンとの複合体粒子(A−
1)からなるコーティング用水系分散体を得た。この分
散体の固形分濃度は47.2%、平均粒径(コールター
社製ナノサイザーにより測定。以下同様。)は0.15
μmであった。前記コーティング用水系分散体から得た
乾燥塗膜の評価結果を、表1に示す。
【0029】実施例2(小粒径の複合体粒子(A−
1)、方法(イ)) セパラブルフラスコに当初仕込んだイオン交換水および
反応性乳化剤の量をそれぞれ270部および2部に変更
した以外は、実施例1と同様にして、コーティング用水
系分散体を得た。この分散体の固形分濃度は25.1
%、平均粒径は0.04μmであった。このコーティン
グ用水系分散体から得た乾燥塗膜の評価結果を、表1に
示す。
【0030】実施例3(紫外線吸収成分を共縮合した複
合体粒子(A−1)、方法(イ)) (1)実施例1で用いたものと同様のセパラブルフラス
コに、イオン交換水70部、反応性乳化剤であるAnt
ox MS−60 0.2部、過硫酸カリウム0.3部
を仕込み、気相部を15分間窒素ガスで置換し、80℃
に昇温した。別容器で、イオン交換水30部、反応性乳
化剤であるアクアロンHS−102.0部、2−エチル
ヘキシルアクリレート30部、シクロヘキシルメタクリ
レート52部、N−メチロールメタアクリルアミド1
部、アクリル酸2部およびスチレン15部を混合攪拌し
て、プレエマルジョンを調製した。次いで、このプレエ
マルジョンを、3時間かけて前記セパラブルフラスコに
連続的に滴下した。滴下中は窒素ガスを導入し、内温を
80℃に保持した。滴下終了後、85〜95℃でさらに
2時間熟成して、重合反応を完結させたのち、25℃に
冷却し、アンモニア水でpH7に調整して、(メタ)ア
クリル系重合体のエマルジョンを得た。 (2)その後、このセパラブルフラスコに、i−ブチル
トリメトキシシラン10部、フェニルトリエトキシシラ
ン10部、および紫外線吸収性成分である2,4−ジヒ
ドロキシ−ベンゾフェノン1部を加え、約1時間にわた
り強く攪拌して、(メタ)アクリル系重合体の粒子に前
記シラン化合物を吸収させたのち、80℃に昇温して3
時間攪拌を続けて、前記シラン化合物を重合させた。そ
の後冷却し、200メッシュの金網でろ過して、(メ
タ)アクリル系重合体とポリシロキサンとの複合体の複
合体粒子(A−1)からなるコーティング用水系分散体
を得た。この分散体の固形分濃度は48.7%、平均粒
径は0.13μmであった。このコーティング用水系分
散体から得た乾燥塗膜の評価結果を、表1に示す。
【0031】実施例4(再乳化法による複合体粒子(A
−1)、方法(イ)) (1)実施例1で用いたものと同様のセパラブルフラス
コに、i−ブタノール50部、アゾビスイソブチロニト
リル4部、オクチルチオグリコレート2部、n−ブチル
アクリレート30部、メタクリル酸30部、スチレン3
0部、および紫外線吸収性成分である2−[2’−ヒド
ロキシ−5’−メタクリルオキシエチル)フェニル]ベ
ンゾトリアゾール5部と2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジルメタクリレート5部を仕込み、気相部
を15分間窒素ガスで置換し、1時間かけて60℃に昇
温したのち、さらに3時間かけて75℃に昇温して、重
合を完結させた。次いで、このセパラブルフラスコに、
20重量%アンモニア水15部を加え、5分間攪拌混合
したのち、60℃の蒸留水280部を加えて、再乳化さ
せ、次いで、内温を80℃に保ったまま、5時間窒素ガ
スを吹き込んで、イソブタノールを減量させたのち、2
5℃に冷却して、固形分29.0%の(メタ)アクリル
系重合体のエマルジョンを得た。次いで、実施例1で用
いたものと同様のセパラブルフラスコに、前記エマルジ
ョン34.5部、イオン交換水45.5部、過硫酸カリ
ウム0.3部を仕込み、気相部を15分間窒素ガスで置
換して、80℃に昇温した。別容器で、イオン交換水3
0部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫
酸ナトリウム(商品名レベノールWZ、花王(株)製)
2.0部、n−ブチルアクリル酸50部およびメチルメ
タクリレート40部を混合攪拌して、プレエマルジョン
を調製した。このプレエマルジョンを、3時間かけて前
記セパラブルフラスコに連続的に滴下した。滴下中は窒
素ガスを導入し、内温を80℃に保持した。滴下終了
後、85〜95℃でさらに2時間熟成して、重合反応を
完結させたのち、25℃に冷却し、アンモニア水でpH
7に調整して、(メタ)アクリレート系重合体のエマル
ジョンを得た。 (2)その後、このセパラブルフラスコに、テトラエト
キシシラン10部を入れ、約1時間にわたり強く攪拌し
て、(メタ)アクリル系重合体の粒子にテトラエトキシ
シランを吸収させたのち、80℃に昇温して3時間攪拌
を続けて、テトラエトキシシランを重合させた。次いで
冷却し、200メッシュの金網でろ過して、(メタ)ア
クリル系重合体とポリシロキサンとの複合体粒子(A−
1)からなるコーティング用水系分散体を得た。この分
散体の固形分濃度は48.0%、平均粒径は0.20μ
mであった。このコーティング用水系分散体から得た乾
燥塗膜の評価結果を、表1に示す。
【0032】実施例5(紫外線吸収性成分を共重合した
複合体粒子(A−2)、方法(イ)) 単量体として、n−ブチルアクリレート50部、メチル
メタクリレート40部、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート2部、アクリル酸2部、紫外線吸収性成分である
2−[2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシエチ
ル)フェニル]ベンゾトリアゾール1部、およびカルボ
ニル基含有単量体であるジアセトンアクリルアミド5部
を用いた以外は、実施例1と同様にして、カルボニル基
含有(メタ)アクリル系重合体とポリシロキサンとの複
合体粒子(A−2)を得た。この複合体粒子(A−2)
に、アジピン酸ジヒドラジド2.7部(カルボニル基と
ヒドラジノ基とのモル比=1:1)を添加し、攪拌し
て、コーティング用水系分散体を得た。この分散体の固
形分濃度は48.0%、平均粒径は0.15μmであっ
た。このコーティング用水系分散体から得た乾燥塗膜の
評価結果を、表1に示す。
【0033】実施例6(紫外線吸収成分を共重合した複
合体粒子(A−1)、方法(ロ)) (1)p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン1.
5部、オクタメチルシクロテトラシロキサン98.5
部、および紫外線吸収性成分である2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メタクリルオキシエチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール1部を混合したのち、ドデシルベンゼンス
ルホン酸2.0部を溶解した蒸溜水300部中に加え、
超音波ホモジナイザー((株)日本精機製作所製RUS
−600)により、2時間撹拌して乳化分散させた。次
いで、この分散液を、コンデンサー、窒素ガス導入口お
よび撹拌機を備えたセパラブルフラスコに移し、撹拌混
合しながら、90℃で6時間加熱したのち、5℃で24
時間熟成させて、重合反応を完結させたのち、炭酸ナト
リウム水溶液でpH7に中和して、ポリシロキサンの分
散液を得た。この分散液の平均粒径は、0.2μmであ
った。 (2)その後、実施例1で用いたものと同様のセパラブ
ルフラスコに、前記ポリシロキサンの分散液100部
(固形分)、メチルメタクリレート50部、n−ブチル
アクリレート20部、グリシジルメタクリレート9部、
スチレン20部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート0.5部を仕込み、気相部を15分間
窒素ガスで置換して、80℃に昇温したのち、同温度に
保ちながら、5時間攪拌を続けて、重合反応を完結させ
た。次いで25℃に冷却し、200メッシュの金網でろ
過して、(メタ)アクリル系重合体とポリシロキサンと
の複合体粒子(A−1)からなるコーティング用水系分
散体を得た。この分散体の固形分濃度は40.2%、平
均粒径は0.23μmであった。このコーティング用水
性分散体から得た乾燥塗膜の評価結果を、表1に示す。
【0034】実施例7(紫外線吸収性成分を共重合した
複合体粒子(A−2)、方法(ハ)) (1)容量7リットルのセパラブルフラスコの内部を窒
素ガス置換したのち、含フッ素系重合体の粒子としてフ
ッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフル
オロプロピレン共重合体の粒子(共重合重量比65/2
5/10、平均粒径0.15μm、固形分40%)10
0部、メチルメタクリレート60部、2−エチルヘキシ
ルアクリレート15部、i−ブチルアクリレート10
部、アクリル酸4部、紫外線吸収性成分である2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオキシエチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール1部、カルボニル基含有単
量体であるジアセトンアクリルアミド5部、および反応
性乳化剤である2−(1−アリル)−4−ノニルフェノ
キシポリエチレングリコール硫酸エステルアンモニウム
塩0.4部と2−(1−アリル)−4−ノニルフェノキ
シポリエチレングリコール1.0部を仕込み、80℃に
昇温した。その後、2重量%過硫酸カリウム水溶液1.
5部を加え、85〜95℃で3時間重合したのち、冷却
して反応を停止させ、アンモニアでpH8に調整し、2
00メッシュの金網でろ過して、カルボニル基含有(メ
タ)アクリル系重合体と含フッ素系重合体との複合体粒
子(A−2)を得た。 (2)この複合体粒子(A−2)に、アジピン酸ジヒド
ラジド1.5部(前記複合体中のカルボニル基とヒドラ
ジノ基とのモル比=1:0.5)を添加し、約1時間攪
拌して、コーティング用水系分散体を得た。この分散体
の固形分濃度は55.8%、平均粒径は0.18μmで
あった。このコーティング用水性分散体から得た乾燥塗
膜の評価結果を、表1に示す。
【0035】比較例1((メタ)アクリル系重合体以外
の重合体を用いた水系分散体) セパラブルフラスコの代わりに、攪拌機、温度計、ヒー
ターおよび単量体添加ポンプを備えた容量10リットル
のオートクレーブを用い、また単量体としてスチレン6
0部、ブタジエン35部、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート2部、アクリル酸2部、および紫外線吸収性成
分である2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリルオ
キシエチルフェニル)ベンゾトリアゾール1部を用いた
以外は実施例1と同様にして、複合体粒子からなる水系
分散体を得た。この水系分散体から得た乾燥塗膜の評価
結果を、表2に示す。
【0036】比較例2((メタ)アクリル系重合体単独
からなる水系分散体) 実施例1(1)と同様にして、(メタ)アクリル系重合
体のエマルジョンからなる水系分散体を得た。この水系
分散体から得た乾燥塗膜の評価結果を、表2に示す。
【0037】比較例3(ポリシロキサン単独からなる水
系分散体) 実施例6(1)と同様にして、ポリシロキサンの分散液
からなる水系分散体を得た。この水系分散体から得た乾
燥塗膜の評価結果を、表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】その結果、実施例1〜7のコーティング用
水系分散体は、乾燥後の透明性、耐候性に優れ、かつコ
ーティングされた基材の紫外線劣化を有効に防止しうる
塗膜を形成することができ、また実施例5のコーティン
グ用水系分散体は、(メタ)アクリル系重合体がカルボ
ニル基を有することにより、実施例1のコーティング用
水系分散体より防汚性がさらに優れた塗膜を形成するこ
とができる。
【0041】
【発明の効果】本発明のコーティング用水系分散体は、
乾燥後の透明性、耐候性に優れ、且つコーティングされ
た基材の紫外線劣化を有効に防止でき、あるいはさらに
防汚性にも優れ、しかもこれらの性能を長期にわたり保
持しうる塗膜を形成することができる。したがって、本
発明のコーティング用水系分散体は、特にクリヤー塗料
として極めて好適であり、プラスチックフィルム、プラ
スチック成形品、紙、繊維、木材、金属、ガラス、コン
クリート、セラミックス、スレート、大理石、陶磁器、
セッコウ、皮革等の広範な材料のコーティング材として
有用であり、また紫外線防止フィルムあるいは紫外線防
止ガラスの製造用、建築物の内外装用、建材用、鋼構造
物用、コンクリート構造物用、プレキャスト材用、自動
車の内外装用、缶コート用、アルミコーティング用、シ
ーラント用、インキバインダー用等の幅広い分野に適応
できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/3475 KBM C08K 5/3475 KBM C09D 5/00 PRB C09D 5/00 PRB 127/12 PFH 127/12 PFH 183/04 PMT 183/04 PMT //(C09D 133/06 133:26)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル系重合体とポリシロキ
    サンまたは含フッ素系重合体との複合体の粒子からな
    り、かつ前記複合体が紫外線吸収性成分を含有すること
    を特徴とするコーティング用水系分散体。
  2. 【請求項2】 カルボニル基含有(メタ)アクリル系重
    合体とポリシロキサンまたは含フッ素系重合体との複合
    体の粒子およびヒドラジノ基含有架橋剤からなり、かつ
    前記複合体が紫外線吸収性成分を含有することを特徴と
    するコーティング用水系分散体。
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